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心アミロイドーシス治療、タファミジスが有望/NEJM

 トランスサイレチン型心アミロイドーシスは、生命を脅かす希少疾患だが、米国・コロンビア大学アービング医療センターのMathew S. Maurer氏らATTR-ACT試験の研究グループは、トランスサイレチン型心アミロイドーシス治療において、タファミジスが全死因死亡と心血管関連の入院を低減し、6分間歩行テストによる機能やQOLの低下を抑制することを示した。本症は、ミスフォールディングを起こしたトランスサイレチン蛋白から成るアミロイド線維が、心筋に沈着することで引き起こされる。タファミジスは、トランスサイレチンを特異的に安定化させることで、アミロイド形成を抑制する薬剤で、日本ではトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの末梢神経障害の治療薬として承認されている。NEJM誌2018年9月13日号掲載の報告。対象は年齢18~90歳のトランスサイレチン型心アミロイドーシス患者 本研究は、タファミジスの有用性の評価を目的とし、13ヵ国48施設が参加した国際的な多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験。2013年12月~2015年8月の期間に患者登録が行われた(Pfizerの助成による)。 対象は、年齢18~90歳、生検検体の分析でアミロイド沈着が確定されたトランスサイレチン型心アミロイドーシス(トランスサイレチン遺伝子TTR変異陽性[ATTRm]および野生型トランスサイレチン蛋白[ATTRwt])の患者であった。 被験者は、タファミジス80mg、同20mg、プラセボを1日1回投与する群に、2対1対2の割合で無作為に割り付けられ、30ヵ月の治療を受けた。 主要エンドポイントとして、Finkelstein-Schoenfeld法を用いて、全死因死亡の評価を行い、引き続き心血管関連入院の頻度を評価した。副次エンドポイントは、ベースラインから30ヵ月時までの6分間歩行テストの変化およびKansas City Cardiomyopathy Questionnaire-Overall Summary(KCCQ-OS、点数が高いほど健康状態が良好)のスコアの変化とした。トランスサイレチン型心アミロイドーシス患者の30ヵ月死亡が30%低下、心血管関連入院は32%低下 トランスサイレチン型心アミロイドーシス患者441例が登録され、タファミジス群(80mg、20mg)に264例、プラセボ群には177例が割り付けられた。全体の年齢中央値は75歳で、約9割が男性であり、106例(24%)がATTRmであった。 タファミジス群の173例、プラセボ群の85例のトランスサイレチン型心アミロイドーシス患者が試験を完遂した。所定の治療アドヒアランス率(計画用量の80%以上を達成した患者の割合)は高く、タファミジス群が97.2%、プラセボ群は97.0%だった。 Finkelstein-Schoenfeld法による30ヵ月時の全死因死亡および心血管関連入院は、タファミジス群がプラセボ群に比べ良好であった(p<0.001)。Cox回帰分析による全死因死亡率は、タファミジス群が29.5%(78/264例)と、プラセボ群の42.9%(76/177例)に比べ有意に低かった(ハザード比[HR]:0.70、95%信頼区間[CI]:0.51~0.96)。また、心血管関連入院率はそれぞれ0.48件/年、0.70件/年であり、タファミジス群で有意に低かった(相対リスク比:0.68、95%CI:0.56~0.81)。 6分間歩行テストの歩行距離は、両群のトランスサイレチン型心アミロイドーシス患者ともベースラインから30ヵ月時まで経時的に短縮したが、短縮距離はタファミジス群がプラセボ群よりも75.68m(標準誤差:±9.24、p<0.001)少なく、6ヵ月時には両群間に明確な差が認められた。 KCCQ-OSスコアも、両群のトランスサイレチン型心アミロイドーシス患者とも経時的に低下したが、30ヵ月時の低下分のスコアはタファミジス群がプラセボ群よりも13.65点(標準誤差:±2.13、p<0.001)少なく、6ヵ月時には両群間に明確な差がみられた。 安全性プロファイルは、両群のトランスサイレチン型心アミロイドーシス患者でほぼ同様であり、タファミジス群の2つの用量の安全性にも意味のある差は認めなかった。治療中に発現した有害事象は軽度~中等度であり、有害事象の結果としての恒久的治療中止の頻度はタファミジス群のほうが低かった。 著者は、「タファミジスは、NYHA心機能分類クラスIIIを除くすべてのサブグループで心血管関連入院率を低下させたが、クラスIIIの患者の入院率の高さには、病態の重症度がより高い時期における生存期間の延長が寄与したと推測され、この致死的で進行性の疾患では、早期の診断と治療が重要であると強く示唆される」としている。

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デュピルマブ治療後に結膜炎を発症、その特徴は?

 アトピー性皮膚炎(AD)に対するデュピルマブの臨床試験において、プラセボ群と比較しデュピルマブ群で結膜炎の発現率が高いことが報告されている。米国・ノースウェスタン大学のAlison D. Treister氏らは、デュピルマブによるAD治療後に結膜炎を発症した患者について調査した。その結果、デュピルマブ投与後の結膜炎は、治療の中止を余儀なくされるほど重症の可能性があった。また、重症結膜炎はベースライン時のADが重症の患者に多く、それらの患者ではデュピルマブの良好な効果が得られており、アトピー性の表現型は増えていた。著者は、「結膜炎の発症に関与するリスク因子を明らかにし、効果的な治療を行うためにも、さらなる研究が必要である」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年8月29日号掲載の報告。 研究グループは、2017年3月14日~2018年3月29日の間に、2次医療センターでADに対しデュピルマブの治療を受けた142例中、結膜炎の発症が報告された12例を対象に症例集積研究を行った。患者はデュピルマブを初回にローディングドーズとして600mg、その後は2週間に1回300mgを皮下投与された。 主要評価項目は、デュピルマブ投与開始時および結膜炎発症時のADの重症度で、医師による全般評価(IGA)スコア(0:消失、1:ほぼ消失、2:軽症、3:中等症、4:重症)で評価した。 主な結果は以下のとおり。・12例中7例(58%)が男性で、結膜炎発症時の平均年齢(±SD)は30±8.1歳だった。・結膜炎と診断された時に、全例でADは改善しており、IGAスコアは平均スコア(±SD)1.9±0.8ポイント減少、体表面積に占めるAD病変の割合は47.8±11.2%減少していた。・12例中9例(75%)は、ベースライン時のIGAスコア4の重症ADであった。・治療を中止した患者は、初回デュピルマブ投与時に重症ADで、さらにADに加えて1つ以上のアトピー性疾患を有していた。

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成人の潜在性結核感染症に対するINH、RFPの比較試験(解説:吉田敦氏)-916

 潜在性結核感染症(LTBI)に対する治療は、イソニアジドの単剤投与(6~9ヵ月)が第1選択となる。しかしながら小生も自ら経験があるが、これだけ長い期間内服のアドヒアランスを保つのは容易ではなく、さらに肝障害のリスクもある。これまで他剤についても多くの検討が行われてきたが、今回イソニアジド9ヵ月(INH、5mg/kg/日、最大300mg/日)とリファンピシン4ヵ月(RFP、10mg/kg/日、最大600mg/日)のランダム化オープンラベル比較試験が9ヵ国で行われ、その結果が発表された。 まずLTBIと診断された成人を無作為にこの2群に割り付け、ランダム化から28ヵ月間に活動性結核感染症(微生物学的あるいは組織学的に証明された「確定例」を指す)を発症したかどうかを観察した(プライマリーアウトカム)。次にセカンダリーアウトカムとしてこの2群を追跡し、結核の「確定例」と「臨床診断例」が100人年当たりどの程度発生したか、さらにGrade3以上(薬剤中止を要する程度)の副作用と完遂率、耐性結核の割合を調査した。なお対象例にはHIV感染者は含まれるが、耐性結核に接触して感染した例や、妊娠例、抗結核薬と相互作用のある薬剤を内服している例は含まれない。また実際に処方の80%以上を服用した場合を完遂とした。 結果として、対象例のおよそ半数は18~35歳、3割が36~50歳であり、男性は4割であった。治療適応としては、活動性結核患者との濃厚接触が7割を占め、HIVは4%、その他の免疫不全は3%であった。また胸部X線写真上正常範囲内にあったものは78%であった。このうちRFP投与群3,443例では、活動性結核「確定例」は4例、「臨床診断例」は7,732人年で4例であった。一方INH投与群3,416例では、「確定例」は4例であり、「臨床診断例」は7,652人年で5例であった。RFP群からINH群を差し引いた差は、「確定例」のみならず「確定例」に「臨床診断例」を含めても100人年当たり0.01例と非常に小さくなった。さらにこの差の95%信頼区間を算出すると、RFP群はINH群に劣らなかったが、それに勝ってもいなかった。なお「確定例」4例で薬剤感受性を測定できたが、2例はすべての薬剤に感性、1例はINH耐性(INH群の患者)、1例はRFP耐性関連遺伝子を有するものの、感受性試験ではRFP感性(RFP群の患者)であった。また完遂率はRFP群78.8%、INH群63.2%、投与薬と関連が疑われるGrade3以上の副作用はそれぞれ0.8%、2.1%、肝障害はそれぞれ0.3%、1.7%であった(いずれもp<0.001)。このためRFP 4ヵ月投与はINH 9ヵ月投与に比べ完遂しやすく、効果もほぼ同等で、かつ安全性にも勝っていると結論した。 今回の検討は、国際的かつ大規模な多施設研究であることが大きな利点である。そしてこれまで観察研究等で得られていたRFP投与の非劣性が、より豊富なデータと詳細な解析で裏付けられた。HIV感染者の割合が低かったこと、活動性結核発症例が両群とも少なかったことが限界として挙げられているが、免疫抑制者をどのくらい含むかによっておそらく両群の結果も変わってくるであろう。免疫不全者におけるデータはINHであっても少ない。さらに本邦のように生物学的製剤使用者、透析患者、移植・免疫抑制薬使用者といった集団で、RFPがどの程度の効果を有するかは、さらに情報が必要である。 本検討ではまた、薬剤耐性・低感受性との関連についても知見がそれほど多くなかった。なおLTBIではないが、活動性結核治療後において、治療前のINH、RFPの最少発育阻止濃度(MIC)が感性のレンジ内であってもやや上昇していた例は、そうでない例に比べて再発が多かったという報告が最近なされている1)。RFPは単剤投与で耐性出現が懸念される薬剤でもある。これら薬剤の感受性との関連を把握することは容易ではないが、本検討を踏まえ、今後よりクローズアップされる課題であろう。

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24)ディスクヘラー(フルタイド、セレベント)【手順編】【吸入薬使い方ガイド】

※上の画像をクリックすると別のウィンドウにて「環境再生保全機構」の動画ページが開きます。■今回の内容今回は、ディスクヘラー(フルタイド、セレベント)の吸入手順を説明します。手順としては、カバーを外し、白いトレーを引き出す→トレーを取り外し、穴に合わせてディスクを乗せる→トレーを本体に押し込む→本体を平らに持ち、フタを垂直に立て、ブリスターに穴を開ける→フタを閉じる→呼吸を整え、ゆっくり十分に息を吐く→吸入口をしっかりくわえる→下を向かず、背筋を伸ばし、勢いよく深く吸う(そのとき舌を下げて喉の奥を広げる)→吸入器をはずし、口を閉じ3~5秒間息を止め、薬剤を定着させる→鼻からゆっくり息を吐く→うがいをする(口中3回、喉の奥3回)→使い終わった薬をトレーから外し、捨てる→トレーを戻し、カバーを閉める。●主な製剤(2015年3月時点のデータ)ディスクヘラー(フルタイド、セレベント)

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消化管障害と相互作用が少ない二次性副甲状腺機能亢進症治療薬「オルケディア錠1mg/2mg」【下平博士のDIノート】第9回

消化管障害と相互作用が少ない二次性副甲状腺機能亢進症治療薬「オルケディア錠1mg/2mg」今回は、「エボカルセト錠(商品名:オルケディア錠1mg/2mg)」を紹介します。本剤は、既存のシナカルセト錠(商品名:レグパラ錠)と同等の有効性で、上部消化管に関する副作用の軽減が期待されます。<効能・効果>維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の適応で、2018年3月23日に承認され、2018年5月22日より販売されています。副甲状腺細胞表面のカルシウム(Ca)受容体に作用して、副甲状腺ホルモン(PTH)の合成と分泌を抑制することで、血清PTHや血清Ca濃度を低下させます。<用法・用量>通常、成人には、エボカルセトとして1日1回1~2mgを開始用量として経口投与します。以降は、PTHおよび血清Ca濃度の十分な観察のもと、1日1回1~8mgの間で維持量を適宜設定します。効果不十分な場合には、1日1回12mgまで増量することができます。なお、増量を行う場合は増量幅を1mgとし、2週間以上の間隔をあけて行います。<副作用>国内臨床試験において、安全性評価対象の493例中、臨床検査値異常を含む副作用が208例(42.2%)に認められました。主な副作用は、低Ca血症83例(16.8%)、悪心23例(4.7%)、嘔吐20例(4.1%)、腹部不快感18例(3.7%)、下痢16例(3.2%)でした(承認時)。<患者さんへの指導例>1.この薬は、PTHの過剰な分泌を抑え、血液中のCaとリン(P)の濃度を下げる作用があります。2.しびれ、痙攣、気分不良、不整脈、血圧低下が起こることがあります。このような症状が現れた場合は、すぐに連絡してください(低カルシウム血症の症状)。3.この薬を使用中に妊娠が判明した場合は、ただちに使用を中止して連絡してください。4.透析療法下の二次性副甲状腺機能亢進症では、薬による治療とともに食事療法も併せて行い、体内のPとCa、PTHのバランスを整えることが大切です。<Shimo's eyes>二次性副甲状腺機能亢進症とは、副甲状腺以外の病気が原因でPTHが過剰に分泌される疾患で、腎機能の低下によっても生じます。PTHは血液中のPとCaを調節するホルモンであり、PTHが過剰に分泌されると、血液中のCa濃度が上がって骨折しやすくなったり(骨吸収)、血管などにCaが沈着・石灰化して動脈硬化や心臓弁膜症などを引き起こしたりします。透析下の二次性副甲状腺機能亢進症に対する治療としては、従来から活性型ビタミンD製剤やP吸着薬が用いられてきましたが、2008年にCa受容体作動薬であるシナカルセト錠が承認され、血清Ca濃度を上昇させずにPTH分泌を抑制し、有意に血清PTH濃度を低下させることができるようになりました。しかし、上部消化管に対する副作用のため、十分な効果を示す用量まで増量できないこともありました。本剤は、シナカルセトに続く2剤目の経口Ca受容体作動薬であり、シナカルセトと同様に1日1回の服用で同等の有効性を示すことが確認されています。一方で、上部消化管に関する有害事象は本剤投与群317例中41例(12.9%)、シナカルセト群317例中77例(24.3%)と少ない傾向が見られました(第III相実薬対照二重盲検比較試験)。そのため、服薬アドヒアランス向上による治療継続率の向上が期待されます。本剤の代謝経路はタウリン抱合とグリシン抱合であり、CYP関連で併用注意の対象薬がなく、他剤併用のリスクが軽減されています。ただし、妊婦には禁忌なので注意が必要です。

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「エンバーゴ・ポリシーで言えません」と言ってみたい!【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】 第3回

第3回 「エンバーゴ・ポリシーで言えません」と言ってみたい!エンバーゴ(embargo)を知っていますか? 本来は海運業界の用語で、自国の港にある外国の船舶の出港を禁止すること、船舶抑留を意味します。この言葉は、現在では海運業界よりも報道業界で頻用されています。報道業界では、ある特定の日時までニュースを報道しないように報道機関に出される要請に使われています。たとえば、自国民がテロリストに拉致され、身代金を要求されているという情報が政府に入ったとします。記者クラブなどの場で報道官は報道各社に事実を伝えますが、「この件については、被害者の生命を守るために、何時までは、エンバーゴをかけさせていただきたいと思っておりますので、協力をお願いします」となるわけです。国際学会で最も華やかな場は、なんといってもLate-breaking Sessionです。学会発表しようと思えば、抄録登録の締め切りが半年くらい前に設定され、めでたく採択されれば発表となります。しかし、この時間軸は現代においてスピード感が不足しています。締め切り後に研究の進展があり、最新の成果をもとに議論を深めたいという場合があるのです。締め切り後にデータが揃う研究の応募登録を受け付け、その演題を集中的に議論する特別枠がLate-breaking Sessionです。無作為化大規模臨床試験などの、意義の高い研究の発表のための場です。賢明な皆さんはご存じと思いますが、「締め切りに間に合わなかったのでLate-breakingで行くぜ!」と応募すると恥ずかしい思いをします。ご注意ください。Late-breaking Sessionでの発表に加え、さらにカッコ良いのが、発表同日の論文掲載です。この掲載医学誌がNEJM(New England Journal of Medicine)誌などであれば最高です。想像するだけで「ウットリ」します。Late-breaking Sessionでは、当日の発表が公表の最初の場面でなければなりません。発表者や共同研究者が結果を知っていることは当然ですが、事前に外部の者に喋ってはならないのです。国際学会では、Late-breaking Sessionの前日にプレス向け説明会が開催されます。報道各社は、その情報をもとに学術記事を準備しますが、報道が許されるのは発表後です。この情報統制がエンバーゴ・ポリシーです。学会発表・論文掲載のタイミングと報道掲載とのタイミングのずれを解消するためとされますが、学会の場を盛り上げる演出ともいえます。「エンバーゴ・ポリシーで言えません」と答える必要に迫られる立派な研究者・医師に皆さまが成長されることを願っております。では、おやすみなさい。

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加齢黄斑変性の抗VEGF阻害薬治療、3年後視力と強い関連

 滲出型加齢黄斑変性症(nAMD)に対する抗血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬への初期反応を基に、長期視力予後を予測できるだろうか。オーストラリア・シドニー大学のVuong Nguyen氏らは、前向き観察研究において、抗VEGF阻害薬の4回目の投与までに良好な視力を達成することは、3年後の視力のアウトカムと強く関連しており、その他のパラメータは中等度の関連があることを明らかにした。著者は、「導入期の3ヵ月間におけるローディングドーズによる初期反応は、その後の治療方針決定を左右するのに役に立つ」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2018年8月24日号掲載の報告。 研究グループは、Fight Retinal Blindness! outcome registryにおいて2007年1月1日~2014年3月1日の期間に抗VEGF阻害薬による未治療nAMD患者を対象に、治療開始後最初の3ヵ月に抗VEGF阻害薬を3回投与した。初期反応を4回目の投与までに発生したものとして定義し、3年後の視力との関連を調査した。また、1)良好なVAの達成(70文字以上[20/40])、2)ベースラインからのVAの絶対的変化、3)脈絡膜新生血管病変が非活動性と最初に評価されるまでに要する時間、4)連続投与におけるVAの最大変化率の4項目について評価した。 主要評価項目は、3年経過時にVAが70文字以上を達成している眼の割合とした。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は、未治療nAMD患者1,828例の2,051眼であった。・3年経過時の視力良好の達成は、以下の4つと有意に相関した。1)4回目の投与までに良好な視力を達成(VA≧70文字vs.VA<70文字におけるオッズ比[OR]:9.8、95%信頼区間[CI]:6.5~14.7)。2)投与初期にVA低下と比較してVAが改善:(視力改善が1~5文字と少ない場合OR:1.8、95%CI:1.2~2.6、p=0.002)、5文字よりも多い場合(OR:1.8、95%CI:1.3~2.5、p<0.001)。3)病態が非活動性になるまでの投与回数の少なさ:≦3回 vs.>3回(OR:1.6、95%CI:1.2~2.1、p<0.001)。4)連続投与期間における緩徐な病態変化(-4~4文字)と急速な視力改善(>5文字):急速な視力低下(OR:1.7、95%CI:1.1~2.6、p=0.015)vs.急速な視力低下(OR:1.6、95%CI:1.1~2.3、p=0.018)。・投与初期の視力改善が少ないもしくは多い眼は、3年経過時に同等の視力を達成し(それぞれ65.0文字、64.7文字)、投与初期にVAが低下した眼(57.2文字)より視力良好であった。

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80歳以上の高齢者、朝の家庭血圧と脳卒中が相関~J-HOP研究

 自治医科大学の苅尾 七臣氏らによるJ-HOP研究において、80歳以上の日本人の家庭血圧と心血管イベントとの関連を検討したところ、早朝家庭血圧が心血管イベント、とくに脳卒中で正の線形関連を示した。この関連は診察室血圧または就寝前家庭血圧では観察されなかった。American Journal of Hypertension誌オンライン版2018年9月5日号に掲載。 本研究は、心血管疾患の既往とリスク因子のどちらか、もしくは両方を有する4,310人を対象とした「日本人における家庭血圧の心血管予後推定能に関する研究」(Japan Morning Surge-Home Blood Pressure Study:J-HOP研究)から、80歳以上の349例の患者を分析したもの。ベースライン時に連続14日間にわたり、1日2回(朝夕)家庭血圧測定を実施した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値3年の間に、複合心血管イベントが32件(脳卒中13件、脳卒中以外のイベント19件)発生した。・4年の心血管リスクスコアおよび診察室収縮期血圧(SBP)による調整後、高い早朝収縮期血圧(SBP)は、複合心血管イベント(10mmHg当たりハザード比[HR]:1.23、95%信頼区間[CI]:1.01~1.50)および脳卒中(10mmHg当たりHR:1.47、95%CI:1.08~2.00)の有意なリスク因子であった。・調整後モデルでは、早朝拡張期血圧も脳卒中の有意なリスク因子である傾向がみられた(5mmHg当たりHR:1.43、95%CI:1.00~2.05)。・これらの関連は、就寝前血圧や診察室血圧ではみられなかった。

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治療抵抗性統合失調症患者の陰性症状に対するエスシタロプラム増強療法の無作為化比較試験

 統合失調症では、血清インターロイキン(IL)-6レベルが陰性症状の重症度と関連するといわれている。中国・Shandong Mental Health CenterのNing Ding氏らは、治療抵抗性統合失調症患者におけるSSRI増強療法の潜在的な免疫メカニズムを調査し、IL-6およびC反応性蛋白(CRP)量を評価した。Neuroscience Letters誌2018年8月10日号の報告。 2016~17年に同センターで治療された統合失調症患者62例を対象に、エスシタロプラム増強の8週間の無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施した。対照群として、健康な参加者29例を含んだ。主要アウトカムは、PANSS(陽性・陰性症状評価尺度)スコアとした。 主な結果は以下のとおり。・8週間の治療後、PANSS総スコア、陰性症状サブスコア、情動性サブスコアにおいて、エスシタロプラム群は対照群と比較し、より良い改善が認められた(いずれも、p<0.05)。・エスシタロプラム群では、CRPおよびIL-6レベルの有意な低下が認められた(いずれも、p<0.05)。・陰性症状、認知症状に対するIL-6の影響は、ベースライン時でそれぞれ16.2%、20.1%。8週目では22.7%、20.8%であった。・CRP量はPANSSスコアに影響を及ぼさなかった。 著者らは「全体として、持続的な陰性症状を有する統合失調症患者に対するエスシタロプラム増強療法は、有用な選択肢であると考えられる。IL-6量は、陰性症状および認知症状に関連する可能性がある」としている。■関連記事陰性症状に対する最新レビュー、有効性が確認されている治療は慢性期統合失調症、陰性症状に有効な補助療法統合失調症の陰性症状に対し、抗うつ薬の有用性は示されるのか

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ω-3脂肪酸、糖尿病患者の重篤な血管イベント抑制に効果?/NEJM

 糖尿病患者にω-3脂肪酸の栄養補助を行っても、重篤な血管イベントのリスクは、プラセボに比べ改善しないことが、英国・オックスフォード大学のLouise Bowman氏らが実施したASCEND試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2018年8月26日号に掲載された。観察研究では、ω-3脂肪酸の摂取量の増加にともない、心血管疾患のリスクが低減することが報告されているが、これまでに、この知見を確証した無作為化試験はなかった。また、ω-3脂肪酸の栄養補助が、糖尿病患者の心血管リスクに便益をもたらすかは不明とされる。40歳以上の心血管疾患のない糖尿病患者の検討 研究グループは、糖尿病患者へのω-3脂肪酸の栄養補助が、重篤な心血管イベントを抑制するかを検証する無作為化試験を実施した(英国心臓財団などの助成による)。本試験では、ファクトリアルデザインを用いて、アスピリンの有用性の評価も行われたが、この論文ではω-3脂肪酸の結果が報告された。 対象は、年齢40歳以上、型を問わず糖尿病と診断され、心血管疾患のエビデンスがない患者であった。被験者は、ω-3脂肪酸1gカプセルまたはプラセボ(オリーブ油)を1日1回服用する群にランダムに割り付けられた。 主要アウトカムは、初回の重篤な血管イベント(非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中[頭蓋内出血を除く]、一過性脳虚血発作、血管死[頭蓋内出血を除く])であった。副次アウトカムは、初回の重篤な血管イベントまたは動脈血行再建術の複合とした。血管死は有意に低減 2005年6月~2011年7月の期間に1万5,480例が登録され、ω-3脂肪酸群に7,740例、プラセボ群にも7,740例が割り付けられた。両群とも、ベースラインの平均年齢は63.3±9.2歳、男性が62.6%、白人が96.5%であった。2型糖尿病が、それぞれ94.1%、94.2%を占め、罹患期間中央値は7年(IQR:3~12)、7年(3~13)であった。全体の平均フォローアップ期間は7.4年、平均アドヒアランス率は76%だった。 重篤な血管イベントの発生率は、ω-3脂肪酸群が8.9%(689/7,740例)、プラセボ群が9.2%(712/7,740例)と、フォローアップ期間の長さにかかわらず有意差はなかった(率比[RR]:0.97、95%信頼区間[CI]:0.87~1.08、p=0.55)。 初回の重篤な血管イベントまたは血行再建術の複合の発生率は、ω-3脂肪酸群が11.4%(882/7,740例)、プラセボ群は11.5%(887/7,740例)であり、有意な差はみられなかった(RR:1.00、95%CI:0.91~1.09)。 全死因死亡率は、ω-3脂肪酸群が9.7%(752/7,740例)、プラセボ群は10.2%(788/7,740例)であり、有意な差はなかった(RR:0.95、95%CI:0.86~1.05)。全死因の28%を占めた血管死(頭蓋内出血を含む)は、ω-3脂肪酸群のほうが有意に少なかった(2.5 vs.3.1%、0.82、0.68~0.98)。非血管死(がん死、呼吸器疾患死などを含む)には有意差はなかった(7.1 vs.7.0%、1.01、0.90~1.14)。また、非致死性の重篤な有害事象の発生率にも、両群間に有意な差はなかった。 著者は、「これまでの糖尿病患者および非糖尿病患者の無作為化試験の結果を考慮すると、今回の知見は、ω-3脂肪酸の栄養補助食品のルーチン使用という、血管イベントの予防における現行の推奨を支持しない」としている。

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アスピリンは、糖尿病患者にとって有益か有害か/NEJM

 アスピリンは、糖尿病患者において重篤な血管イベントを予防するが、大出血イベントの原因にもなることが、英国・オックスフォード大学のLouise Bowman氏らが行ったASCEND試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2018年8月26日号に掲載された。糖尿病により、心血管イベントのリスクが増加する。アスピリンは、閉塞性血管イベントのリスクを抑制するが、糖尿病患者の初回心血管イベントの予防におけるその有益性と有害性のバランスは不明とされる。心血管疾患がない糖尿病患者で有効性と安全性を評価 本研究は、糖尿病患者におけるアスピリンの有効性と安全性を評価する進行中の無作為化試験であり、ファクトリアルデザインを用いて、同時にω-3脂肪酸の検討も行われた(英国心臓財団などの助成による)。 対象は、年齢40歳以上、型を問わず糖尿病と診断され、心血管疾患がみられず、抗血小板療法の有益性が実質的に不確実な患者であった。被験者は、アスピリン100mgを1日1回服用する群またはプラセボ群に無作為に割り付けられた。 有効性の主要アウトカムは、初回の重篤な血管イベント(非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中[頭蓋内出血を除く]、一過性脳虚血発作、血管死[頭蓋内出血を除く])とした。安全性の主要アウトカムは、初回の大出血イベント(頭蓋内出血、失明のおそれのある眼内出血、消化管出血、その他の重篤な出血)であった。副次アウトカムには、消化器がんなどが含まれた。重篤な血管イベント12%低下、大出血イベント29%増加 2005年6月~2011年7月の期間に1万5,480例が登録され、アスピリン群に7,740例、プラセボ群にも7,740例が割り付けられた。ベースラインの平均年齢は、アスピリン群が63.2±9.2歳、プラセボ群は63.3±9.2歳、男性がそれぞれ62.6%、62.5%であった。両群とも、2型糖尿病が94.1%を占め、罹患期間中央値も同じ7年(IQR:3~13)だった。 全体の平均フォローアップ期間は7.4年、平均アドヒアランス率は70%であった。 重篤な血管イベントの発生率は、アスピリン群が8.5%(658/7,740例)と、プラセボ群の9.6%(743/7,740例)に比べ有意に低かった(率比[RR]:0.88、95%信頼区間[CI]:0.79~0.97、p=0.01)。探索的解析として、フォローアップ期間別の評価を行ったところ、このアスピリンの効果は5年までで、それ以降は、実質的にイベントは抑制されなかった。 これに対し、大出血イベントの発生率は、アスピリン群が4.1%(314/7,740例)と、プラセボ群の3.2%(245/7,740例)に比し有意に高く、アスピリンの有害な作用が示された(RR:1.29、95%CI:1.09~1.52、p=0.003)。出血への影響には、経時的な減衰は示唆されなかった。また、頭蓋内出血(1.22、0.82~1.81)と失明のおそれのある眼内出血(0.89、0.62~1.27)には両群間に有意な差はなく、消化管出血(1.36、1.05~1.75)とその他の重篤な出血(1.70、1.18~2.44)がアスピリン群で有意に高頻度であった。 ベースライン時の重篤な血管イベントの推定5年リスクが高い患者ほど、重篤な血管イベント/血行再建術、および大出血の頻度が高かった。 消化器がん(アスピリン群:2.0% vs.プラセボ群:2.0%)および全がん(11.6 vs.11.5%)の発生率には、両群間に有意な差はみられなかった。 著者は、「アスピリンの絶対的な有益性は、そのほとんどが出血の有害性によって相殺された」とまとめ、「がんについては、今後、長期のフォローアップを行う予定である」としている。

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成人のインフルエンザに対するバロキサビル マルボキシルの効果(解説:吉田敦氏)-913

 本邦で2018年2月23日に製造承認された新規の抗インフルエンザ薬、バロキサビル マルボキシル(商品名:ゾフルーザ錠)に関する2つの二重盲検ランダム化比較試験の結果がNEJM誌上に発表された。本剤はウイルスのポリメラーゼを構成する3つのサブユニットのうち、polymerase acidic protein(PA)を選択的に阻害するプロドラッグであり、エンドヌクレアーゼ阻害薬に分類される。A型、B型いずれにも効果を示し、動物実験では肺内のウイルス量を早期に減少させること、さらに人体内では長い半減期を有する(49~91時間)ことが判明していた。 第II相試験では、バロキサビル1回投与の3用量(10mg、20mg、40mg)とプラセボの4つについて比較した。さらに第III相試験では、12~64歳の外来患者をバロキサビル(体重80kg未満では40mgを1回投与)、オセルタミビル(75mgを1日2回、5日間)、プラセボの3つに割り付けた(ただし12~19歳の患者はバロキサビルとプラセボの2群のみ)。インフルエンザと診断した対象患者は、38℃以上の発熱と、全身症状の少なくとも1つ、呼吸器症状の少なくとも1つを有する者とし、妊婦や体重40kg未満の者、入院を要した患者は除外した。インフルエンザ抗原検査陽性は第II相の対象患者のみ必要とし、第III相ではその結果は問わなかった。開始後は症状、所見を追うとともに、鼻咽腔のウイルス検出と感受性検査、ペア血清による抗体検査、安全性の確認として血液・尿検査を行った。プライマリーエンドポイントは、すべての症状が消失する、あるいは軽度になってから既定の時間が過ぎるまでの期間とした。 第II相では389人が試験を完了したが、およそ6~7割はH1N1 pdm09ウイルスによるもので、プラセボ群では症状軽減(中央値)まで77.7時間であったものが、バロキサビル群では49.5~54.2時間で(40mg群が最も短い)、有症期間は有意に短縮された。2群の有害事象報告率は同程度で、事象が重症であったり、投与中止に至ったものはなかった。第III相では1,064人が解析できたが、80%以上はH3N2ウイルスによるものであり、症状軽減までの時間(中央値)は、バロキサビル群53.7時間、オセルタミビル群53.8時間、プラセボ群80.2時間であった。ウイルスの減少速度はバロキサビルで大きかったが、感染性のウイルスが検出された期間(中央値)はそれぞれ24時間、72時間、96時間であった。なお本試験に関連すると思われる有害事象はそれぞれ4.4%、8.4%、3.9%であった。またバロキサビル低感受性に関与するとされるPAの遺伝子変異(I38T/M/F)を生じたのは、第II相では2.2%、第III相では9.7%であった。 バロキサビルは合併症のないインフルエンザにおいて1回投与でも有意に有症期間を短縮し、さらに速やかにウイルス量を減少させることができ、有望な抗インフルエンザ薬であることが裏付けられた。なお本検討にはいくつかの興味ある点が見受けられる:(1)投与開始が早いほうが成績がよい、(2)オセルタミビルよりも早くウイルス量は減少するが、有症期間は同等である、(3)ウイルス量の早い減少は感染伝播を減らす面ではやや有利かもしれない。しかしバロキサビル投与によって低感受性関連変異を来すと、ウイルス排泄は長引き、有症期間も長くなってしまう(30%ではプラセボよりも延長する)。合併症を有する例、小児・高齢者、免疫不全者における成績や、低感受性ウイルスに関する具体的な解釈もこれからではあるが、本剤の使用にあたっては、オセルタミビルに比べ優れている点と上記のような特徴を理解したうえで、考慮すべきであろう。また、とくに強調したいのは、本検討の8割近い被検者が日本人であったことである。この点は日常診療上の解釈においても、かつ臨床研究上の意義においても、非常に大きいといえよう。

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第5回 ワークライフバランスに悩んだら、思い出してほしい言葉【週刊・川添ラヂオ】

動画解説川添先生が薬剤師によく質問されるテーマに、ワークライフバランスがあるそうです。新卒からベテランまで、実にさまざまな薬剤師に聞かれるので、薬剤師にとって普遍的なテーマなのではないかと考えるようになったと言います。目の前の患者さん、家で待つ幼い子ども、年老いた親。誰との時間を優先したらいいのか、もちろん正解はありません。「よく遊び、よく学び、よく働こう」。川添先生が作り、今もくろしお薬局で受け継がれている社のモットーに、先生にとっての“答え”があります。その真意とは?

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QRS≦110msの慢性AF患者への房室結節アブレーション+CRT vs.レートコントロール【Dr.河田pick up】

 洞調律維持を諦めた永続性心房細動症例でレートコントロールが困難な場合、房室結節のアブレーションを行ったうえで、心臓再同期療法(CRT)を植込む両心室ペーシングが必要となることがある。この研究では、永続性心房細動でQRS幅が狭い症例において、房室結節アブレーションとCRTによる治療がレートコントロールよりも心不全を改善し、入院を減らすという仮説を検証した。イタリアのBrignole M氏らによるEuropean Heart Journal 誌オンライン版8月26日号掲載の報告。症状が重くQRS幅が狭い永続性心房細動患者102例を無作為化 症状が重篤で6ヵ月超持続している心房細動患者で、QRS幅が狭く(QRS≦110ms)、前年に少なくとも1回以上入院している患者102例(平均年齢72±10歳)を房室結節アブレーション+CRT群もしくは薬物によるレートコントロール群(両群ともガイドラインに従い除細動器を植込む)に無作為に割り付けた。房室結節アブレーション+CRT群で心不全による入院が有意に減少 平均16ヵ月のフォロー後、主要複合アウトカムである心不全による死亡、心不全による入院、もしくは心不全の増悪の発生は、房室結節アブレーション+CRT群で10例(20%)であったのに対してレートコントロール群では20例(38%)であった(ハザード比[HR]:0.38、95%信頼区間[CI]:0.18~0.81、p=0.013)。また、房室結節アブレーション+CRT群で、全死亡および心不全による入院(6 [12%] vs. 17 [33%]、HR:0.28、95%CI:0.11~0.72、p=0.008)、および心不全による入院(5 [10%] vs. 13 [25%]、HR:0.30、95% CI:0.11~0.78、p=0.024)が有意に少なかった。レートコントロール群と比較すると、房室結節アブレーション+CRT群で、特有の症状と心房細動による活動制限が1年後のフォローアップ時で36%減少していた(p=0.004)。この結果から、著者らは永続性心房細動でQRS幅が狭い高齢患者において、房室結節アブレーション+CRTはレートコントロールと比較して、心不全による入院を減らし、生活の質を改善すると結論づけている。(カリフォルニア大学アーバイン校 循環器内科 河田 宏)関連コンテンツ循環器内科 米国臨床留学記

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地方病院の認知症やせん妄患者に対するボランティア介入が再入院率に及ぼす影響

 地方の急性期病院における、認知症、せん妄、せん妄リスクを有する患者に対するパーソン・センタード(person-centered)のボランティアプログラムが臨床アウトカムに及ぼす影響について、オーストラリア・Southern NSW Local Health DistrictのAnnaliese Blair氏らが検討を行った。International Psychogeriatrics誌オンライン版2018年8月13日号の報告。 本研究は、非無作為化比較試験として実施された。対象は、オーストラリアの農村部にある急性期病院7施設に入院している高齢患者。介入群270例は、65歳超の認知症またはせん妄の診断を受けた、もしくはせん妄のリスク因子を有する患者で、ボランティアサービスを受けていた。対照群188例は、ボランティアプログラム開始12ヵ月前に同じ病院に入院し、時期が違えばボランティアプログラムの適格基準を満たしていただけであろう患者。ボランティアプログラム介入では、訓練を受けたボランティアスタッフによる、栄養・水分補給、聴覚・視覚補助、活動、オリエンテーションに焦点を当てた1:1のパーソン・センタード・ケアを提供した。ボランティアの訪問、診断、入院日数、インシデント行動、再入院、指定率、死亡、介護施設への入所、転倒、褥瘡、薬剤使用について、医療記録より評価した。 主な結果は以下のとおり。・全施設において、介入群では、1:1指定率、28日再入院率に有意な低下が認められた。・入院日数は、対照群において有意に短かった。・介入群と対照群において、その他のアウトカムに差は認められなかった。 著者らは「ボランティア介入は、地方の病院における認知症、せん妄、せん妄のリスク因子を有する急性期の高齢患者をサポートするうえで、安全かつ効果的で、再現可能な介入である。今後は、コストへの影響、家族の介護者、ボランティア、スタッフ経験に関しても報告を行う予定である」としている。■関連記事日本の認知症者、在院期間短縮のために必要なのは認知症患者と介護者のコミュニケーションスキル向上のために米国の長期介護における向精神薬を使用した認知症ケア改善に関する研究

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第3回 カリメート処方が査定/ヘリコバクター・ピロリ感染症での査定/心筋梗塞でのH-FABP検査の査定/自己免疫疾患の臨床検査での査定【レセプト査定の回避術 】

事例9 カリメート処方が査定高カリウム血症で、ポリスチレンスルホン酸カルシウム(商品名:カリメート散)15gを処方した。●査定点カリメート散15gが査定された。解説を見る●解説添付文書の「効能・効果」で「急性および慢性腎不全に伴う高カリウム血症」と記載されているにもかかわらず、「急性および慢性腎不全」の病名が漏れていました。※とくに、高カリウム血症で他から紹介された患者の場合などで「急性および慢性腎不全」の病名が漏れやすいので注意が必要です。事例10 ヘリコバクター・ピロリ感染症での査定ヘリコバクター・ピロリ感染症で、ランソプラゾール、アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン(商品名:ランサップ800)を7シート処方した。●査定点ランサップ800の7シートが査定された。解説を見る●解説ランサップ800は、ランソプラゾール、アモキシシリン水和物、クラリスロマイシンの3種類の経口剤が1つのシートにまとめられています。ランソプラゾールの「効能・効果」では、「胃潰瘍、十二指腸潰瘍」の病名が求められていますので、ヘリコバクター・ピロリ感染症と胃潰瘍または十二指腸潰瘍の病名が必要になります。事例11 心筋梗塞でのH-FABP検査の査定急性心筋梗塞(3ヵ月前の診療開始日)で、心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP)定量検査を請求した。●査定点心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP)定量検査が査定された。解説を見る●解説心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP)定量検査は、「急性心筋梗塞の診断を目的に用いた場合」のみ算定できるとされています。検査結果についても、心筋細胞が障害を受けると、速やかに約1時間から上昇をしはじめ、5~10時間後でピークになります。そのため3ヵ月前の診療開始日では査定の対象になります。事例12 自己免疫疾患の臨床検査での査定全身性エリテマトーデス、急速進行性糸球体腎炎で、抗好中球細胞質ミエロペルオキシダーゼ抗体(MPO-ANCA)、ループスアンチコアグラント定量検査を請求した。●査定点ループスアンチコアグラント定量検査が査定された。解説を見る●解説抗好中球細胞質ミエロペルオキシダーゼ抗体(MPO-ANCA)は「急速進行性糸球体腎炎の診断又は経過観察のために測定した場合」のみ算定でき、ループスアンチコアグラント定量検査は「抗リン脂質抗体症候群の診断を目的として行った場合」に限り算定することになっています。両病名が記載されていないと査定の対象となります。

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認知症は1種類だけではないはず(解説:野間重孝氏)-912

 認知症とは「後天的要因(脳疾患、全身疾患、その他の外因)が原因で社会生活や職業の遂行が困難なレベルにまで多領域の認知機能が障害された状態」と定義され、わが国では65歳以上の15%、85歳以上では4割を超えると報告されている。 少し回りくどいようだが、この論文を検討するに当たって重要なことなので、認知症に関する基本的な知識を整理してみよう。まず認知症は変性性認知症と血管性認知症に2大別される。前者の代表がアルツハイマー病であり、その他レビー小体認知症、前頭側頭型認知症(ピック病を含む)が含まれる。前者が人格変化を伴うのに対して、血管性のものでは人格は保たれる例が多い。進行は前者が緩徐ながら常に進行していくのに対し、後者では段階的に進行することが特徴とされる。 ここで重要なことが2点ある。まず認知症のかなりの部分を占める変性性認知症(アルツハイマーだけで認知症の約半分を占める)では原因が特定できないことで、高血圧・糖尿病・心疾患などとの明らかな相関が認められているのは血管性のものだけだということ。第2点はマスコミがアルツハイマー病による若年性認知症などを取り上げて話題にすることが多いため、変性性認知症は年齢と関係がないと思っている向きも多いが、高齢者に多い、つまり年齢との相関があることははっきりしている。一方、逆に血管性というと高齢者の病気とばかり考えられがちだが、若年型も相当数いるという事実である。血管性認知症が全認知症に占める割合は20%~30%とされており、予防・治療には血圧の管理が最も重要であることはすでにわかっている事実である。 このような点を踏まえてこの論文を読み返してみると、奇妙な点に気付くはずである。認知症の型分類がなされていないのである。米国心臓協会の提示するライフ シンプル7が健康寿命を延長するということには誰も異論がないとして、ではどの型の認知症をどの程度予防するのか。こうした健康基準がアルツハイマー病やピック病の予防にも適応されるというのだろうか。 評者はフランスにおける認知症事情については決して詳しくはないが、同国では本年(2018年)8月にアルツハイマー病に対する薬物療法の有効性が問題となり、かなり広い範囲の認知症治療薬が保険適用外になることが議論を呼んでいることは承知している。つまり認知症の型分類は当然重要問題として認識されているものと考えられる。「認知機能低下や認知症と関連するリスク因子を予防するため、心血管の健康増進が望まれる」といった健康増進のための標語のような結論が、なぜこのような有力雑誌で受け入れられたのか、評者には謎に思われてならない。

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何もかも前代未聞な本【Dr.倉原の“俺の本棚”】第9回

【第9回】何もかも前代未聞な本病気について患者さんにわかりやすくかみ砕いて伝えることって、医師の責務だと私は思っています。「血管が狭窄していまして―――」「先生、キョウサクってなんだい」といったやりとりは日常茶飯事です。医者が専門用語じゃないと思っていても、話している内容の半分も向こうに伝わっていない可能性があります。こういう病院の現状を何か形にできないものかなぁと数年前から悶々と考えていたら、あの中山 祐次郎先生が『医者の本音』を出版しました。や、やられた!『医者の本音』中山 祐次郎/著. SBクリエイティブ. 2018中山 祐次郎先生は、Yahoo!ニュース個人や日経ビジネスオンラインで幾度となく登場する売れっ子コラムニストドクターです。福島第一原発の近くにあった高野病院の臨時院長として赴任したときは、連日ニュースに出演されていましたね。私とは目指すところも見ているものも違うと思いますが、ああいう人が一つの目標でもあるのです。まぁ何ていうか、羨望、ジェラシーですよ。Twitterでは、中山 祐次郎先生と匿名でちょこちょこ絡ませていただいているのですが、人柄の良さがにじみ出るというか、なんていうか、すごく「凛々しい」んですよ。いや、モテるんだろうな、きっと。私なんて、ここ最近前髪がちょっと後退している気がしていて、そんな矢先に患者さんに「アレ、先生ハゲたよね?」とズバっと言われて凹んでいる中年男性ですよ。まぁ何ていうか、ジェラシーですよ。そんなジェラしさ全開の中山 祐次郎先生が書いたこの『医者の本音』。コンセプトは、医者のホンネを書くことで、医者を身近に感じられるのではないか、とっつきづらい医者とのコミュニケーションを円滑になるのではないか、というものです。そして、より多くの意見を取り入れるため、クラウドファンディングで出版するアイデアを思いつかれました。出資者にお金を払ってもらい、主体的に本づくりに参加してもらおうということです。これは前代未聞です。実はワタクシ、このクラウドファンディングに参加しています※!患者さんが医者のことを知るための一般向けの本ですが、医師が読んでも面白いところだらけです。個人的には第4章「医者のお金と恋愛」がハンパなく面白かった。中山先生ハンパないって。批判的で辛口な文章がなく、読後感がとても爽やかです。明日からお医者さん頑張るぞ、という気分にさせてくれます。私みたいな中年オヤジには、こんな爽やかな本は書けない。あ、ジェラシーで終わってしまった。※本づくりにはタッチせず、遠方から温かい目だけ送っていました。本の中に私の名前が書いてあるから、みんな見てね!『医者の本音』中山 祐次郎/著出版社名SBクリエイティブ定価本体820円+税サイズ新書判刊行年2018年

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