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brigatinib、ALK肺がん1次治療でPFSを有意に改善(ALTA-1L)/武田薬品工業

 武田薬品工業は2018年7月26日、ALK阻害薬未治療の局所進行または転移のあるALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象としたグローバル無作為化臨床第III相試験ALTA-1L(ALK in Lung Cancer Trial of AP26113 in 1st Line)の事前に設定された初回の中間解析において、brigatinib群がクリゾチニブ群と比較して統計学的に有意に無増悪生存期間(PFS)を改善し、主要評価項目を達成したと発表。brigatinibの安全性プロファイルは、全般的に既存の添付文書に記載されている情報と差はなかったとしている。 ALTA-1L試験は、上記患者を対象とした、brigatinibの国際無作為化非盲検試験で、275例の患者が登録された。患者は、brigatinib 180mg/日(7日間の導入期間においては90mg/日)、もしくはクリゾチニブ250mg×2/日を服用した。主要評価項目は独立評価委員会が評価したPFSであり、副次評価項目は、客観的奏効率(ORR)、頭蓋内病変におけるORR、頭蓋内病変におけるPFS、全生存期間、安全性および忍容性が含まれている。 brigatinibが少なくとも6ヵ月クリゾチニブを上回るPFSの改善を示すために、合計約198件のPFSイベントが発生した時点で、主要評価項目の最終解析が行われる予定。また、本試験では、予定されているPFSイベントの50%が発生した時点および75%のイベントが発生した時点の2回にわたり、主要評価項目に対する中間解析を行うことが事前に設定されている。 同中間解析結果は、近日開催される学術会議において発表を予定。■参考武田薬品ニュースリリースALTA試験(Clinical Trials.gov)■関連記事クリゾチニブ抵抗性ALK肺がんにおけるbrigatinibの成績:ALTA/WCLC2017新ALK阻害薬brigatinib、ALK陽性肺がんに承認:FDA

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救急ヘリ搬送中の出血性ショックの外傷患者、血漿輸血は有効か/NEJM

 外傷による出血性ショックのリスクがある患者に対し、病院到着前に解凍した血漿輸血をすることで標準蘇生処置と比較し、安全性の問題を伴うことなく病院到着時のプロトロンビン時間比が改善し、30日死亡率も低下した。米国・ピッツバーグ大学医療センターのJason L. Sperry氏らが、救急搬送中の解凍血漿輸血の有効性と安全性を検証した第III相優越性試験「PAMPer(Prehospital Air Medical Plasma)試験」の結果を報告した。外傷患者では、病院到着前に標準的な蘇生処置に加え血漿を輸血することで、出血やショックによる合併症リスクを軽減できる可能性がある。しかし、これまで大規模臨床試験による検討は行われていなかった。NEJM誌2018年7月26日号掲載の報告。救急ヘリコプターで搬送中の血漿輸血の有効性を30日死亡率で評価 PAMPer試験は、出血性ショックのリスクがある外傷患者を対象に、病院到着前の解凍血漿輸血の有効性と安全性を検証する、第III相の多施設共同プラグマティッククラスター無作為化優越性試験であった。航空医療基地を、ブロックランダム化法を用いて1ヵ月ごとに解凍血漿輸血群と対照群に割り付け、それぞれ救急ヘリコプターで外傷センターへ患者を搬送中に、解凍しておいた血漿を輸血または標準的な蘇生処置を行った。主要評価項目は、30日死亡率であった。 2014年5月~2017年10月に登録され解析対象となった患者は501例で、230例が解凍血漿輸血を、271例が標準的な蘇生処置を受けた。30日死亡率は血漿群23%、対照群33%で、血漿群で有意に低下 30日死亡率は、解凍血漿輸血群が対照群より有意に低かった(23.2% vs.33.0%、群間差:-9.8ポイント、95%信頼区間[CI]:-18.6~-1.0%、p=0.03)。事前に規定した9つのサブグループで同様の治療効果が確認された(異質性のχ2検定:12.21、p=0.79)。Kaplan-Meier曲線では、無作為化3時間後という早期に両群が分離しはじめ、無作為化30日後まで持続した(log-rank χ2検定:5.70、p=0.02)。 外傷センター到着後の患者のプロトロンビン時間比中央値は、解凍血漿輸血群が対照群より低値であった(1.2[四分位範囲:1.1~1.4] vs.1.3[同:1.1~1.6]、p<0.001)。多臓器不全、急性肺損傷・急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、院内感染、アレルギー/輸血関連反応については、両群間で有意差はなかった。 なお、著者は研究の限界として、解凍血漿の保存可能期間が短く利用に制限があり盲検化できないこと、外傷センター到着前に受けた治療の違いによってバイアスが生じる可能性があることなどを挙げている。

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都市部救急搬送中の出血性ショックの外傷患者、血漿輸血は有効か/Lancet

 出血性ショックの外傷患者を、都市部のレベル1外傷センターへ救急車で搬送中、病院到着前に血漿輸血を行っても生命予後は改善しなかった。米国・コロラド大学デンバー校のHunter B. Moore氏らが、救急車で搬送中の血漿輸血の有用性を検証したプラグマティック無作為化試験「COMBAT(Control of Major Bleeding After Trauma Trial)試験」の結果を報告した。血漿は外傷後の止血重視輸血法(haemostatic resuscitation)に不可欠であるが、投与のタイミングについては議論が続いていた。著者は、「血液製剤は、搬送時間が長くかかるような環境においては有益かもしれないが、外傷センターまでの距離が短い都市部においては経済的負担を考慮すると妥当とはいえないだろう」とまとめている。Lancet誌オンライン版2018年7月19日号掲載の報告。救急車で搬送中の血漿輸血の有効性を28日死亡率で評価 COMBAT試験は、デンバー健康医療センター(DHMC)で実施された。出血性ショック状態(収縮期血圧≦70mmHgまたは71~90mmHg+脈拍数≧108回/分)にある外傷の連続症例を、訓練を受けた救急隊員が外傷現場でその適格性について評価し、適格患者は血漿輸血を受ける血漿群または生理食塩水の投与を受ける対照群に、無作為に割り付けられた。無作為化は、DHMCに拠点を置く33台の全救急車に、密封された保冷バッグを各々始業前に先行載荷することで行われた。 保冷バッグに凍結血漿2単位が入っていた場合は、救急車で解凍し、投与を行った。保冷バッグにダミーの凍結水が入っていた場合は、生理食塩水が投与された。 主要評価項目は外傷後28日死亡率で、解析はas-treated集団とintention-to-treat集団で実施した。28日死亡率は血漿群15%、対照群10%で有意差なし 2014年4月1日~2017年3月31日に、144例が血漿群と対照群に割り付けられた。as-treated解析の適格患者は125例(血漿群65例、対照群60例)で、年齢中央値は33歳(IQR:25~47)、新外傷重症度スコアの中央値は27(10~38)であった。 70例(56%)が外傷後6時間以内に輸血を要した。両群の患者背景は類似しており、搬送時間中央値も同程度であった(血漿群19分[IQR:16~23]vs.対照群16分[14~22])。 28日死亡率は、両群で有意差が確認されなかった(血漿群15% vs.対照群10%、p=0.37)。intention-to-treat解析(144例)において、安全性転帰や有害事象に両群で差はなかった。 なお、これらの解析結果に基づき、有効性が認められないことから、本研究は144例を登録後に中止となっている。

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最優秀QC活動賞【Dr. 中島の 新・徒然草】(232)

二百三十二の段 最優秀QC活動賞まずは季節の話題から。地震、豪雨、酷暑に続いて台風12号がやって来ました。東から西に向かう台風は観測史上初のことだそうで、まずは7月29日の午前1時頃、三重県伊勢市に上陸しました。私が大阪の自宅で目を覚ましたのは午前3時頃、台風が奈良市に達し、さらに西に向かっている時です。雨も風もどんどん強くなってきて「えらいこっちゃ!」と思っていたら、午前4時頃、急に雨も風もとまってしまいました。ちょうど台風が大阪市を通過中だったので「台風の目に入ったのかなあ」と思っているうちに、いつの間にか眠ってしまいました。次に目が覚めたのは午前7時すぎ、外は台風一過で日が照っています。ちょっと涼しい風がビュービュー吹いている一方で、蝉がやかましいくらい鳴いていました。まだ7月だというのに台風に脅かされるというのも異常ですね。話はかわって、今回は近畿の国立病院機構20病院の合同経営企画会議で発表されたQC(Quality Control)活動について述べましょう。QC活動というのは、職場で自発的に行っている品質管理運動のことです。「できるだけ質の高い仕事をしたい」と思う日本人の性格にあっているのか、各病院からの多数の応募の中、書類審査を通過した6演題が発表されました。特に面白いと思ったのはベッド修理のQC活動です。病院のベッドというのは電動で各部位が動き、また、あちこち移動したりぶつけたりするので、かなり過酷な使われ方をします。その結果、ベッド枠の横にとりつけてあるベッドサイドバンパーが壊れたり外れたりしがちになります。いちいち修理に出すのも面倒なので、現場ではガムテープを貼って応急処置してしのいでいました。しかし、応急処置だけしたベッドの数がどんどん増えていき、いよいよこれはマズイということになったので、業者に連絡したところ修理代の見積もりが大変な金額になってしまったのです。また実際に患者さんに使っているベッドを出張で修理してもらうわけですから、その日程調整も大変です。ということで、事務職員が業者に修理方法を教えてもらい、自分達でベッドサイドバンパーの修理をすることにしました。もちろん最初は部品がうまく外れなかったりして時間がかかっていたそうです。しかし、だんだん手際がよくなり、患者さんがリハビリなどで不在の間に病室に行って修理してしまうなど、要領の方もよくなってきました。かくして百数十台のベッドを修理し、ウン百万円を節約することができたということです。そのヤル気と効果に、聴衆一同、感心させられました。会場からの質問は2つありました。Q1素人が勝手にベッドを修理してもいいのでしょうか?A1業者さんによれば、ベッド本体の修理は専門的知識も必要なので勝手に修理しないように、ということです。しかしベッドサイドバンパーの方は、そもそもベッド本体を保護するために破損しやすく作ってあるので、その部分は病院の方で修理してもらって構わないということでした。Q2病院職員が修理することで、かえって超過勤務が発生したりしないのでしょうか?A2スキマ時間に修理するので、すべて勤務時間内です。結局、この発表が最優秀賞に選ばれて表彰されました。お金の節約もさることながら、ベッド修理を通じて事務職員の団結と自信につながったことが何よりも素晴らしいことだと思います。色々な職場にも応用可能だと思い、紹介させていただいた次第です。ということで最後に1句QCで 費用節約 団結す

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第6回 柑橘類からバナナにかえて、胃食道逆流症の悪化リスクを削減【使える!服薬指導箋】

第6回 柑橘類からバナナにかえて、胃食道逆流症の悪化リスクを削減1)Feldman M, et al. Gastroenterology. 1995 Jan;108:125-131.2)古田賢司,他. 上部消化管疾患の栄養療法. 日本消化器病学会雑誌. 2007;104:1698-1706.

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初回エピソード統合失調症患者におけるアリピプラゾールとリスペリドンの抗炎症効果の比較

 抗精神病薬の抗炎症作用に関するエビデンスが増加している。しかし、リスペリドンとアリピプラゾールの免疫調整効果を比較した研究は、これまでに報告されていない。スペイン・カンタブリア大学のMaria Juncal-Ruiz氏らは、治療3ヵ月後の血清サイトカインの大規模アレイについて、リスペリドンとアリピプラゾールの抗炎症効果の比較を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2018年6月22日号の報告。 本研究は、プロスペクティブランダム化オープンラベル研究として実施された。初回エピソード統合失調症患者75例を、リスペリドン群またはアリピプラゾール群にランダムに割り付け、対照群として健康ボランティア75例を選択した。21のサイトカイン/ケモカインの血清濃度を、ベースライン時および投与開始3ヵ月後に測定した。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時において、対照群と比較し、リスペリドン群ではIL-8レベル(p=0.000)およびMIP-1βレベル(p=0.007)が高かったが、アリピプラゾール群では差は認められなかった。・投与開始3ヵ月後において、IL-8、MIP-1β、フラクタルカイン、TNF-α、IL-7、IL-13、IL-17α、IL-23、IL-21に有意な低下が認められた(各々:p<0.01)。・リスペリドン群とアリピプラゾール群の変化率に差は認められなかった。・2剤のエフェクトサイズは類似していたが、アリピプラゾールはリスペリドンよりも、エフェクトサイズが大きいと考えられる(TNF-α、IL-13、IL-17α、フラクタルカインを除く)。また、リスペリドンは、アリピプラゾールよりもMIP-1βのエフェクトサイズが大きいと考えられる。 著者らは「本研究は、リスペリドンとアリピプラゾールの免疫調整効果を比較した最初の研究であり、両剤の抗炎症効果は類似していることが明らかとなった」としている。■関連記事精神疾患患者の認知機能と炎症マーカーとの関連が明らかに統合失調症治療に抗炎症薬は有用か統合失調症患者の脳活性、リスペリドン vs.アリピプラゾール

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日本の心房細動患者に多い死亡原因

 わが国のコミュニティベースの心房細動(AF)コホートである伏見AFレジストリにおいて死因を調べたところ、悪性腫瘍や感染症などの非心血管死が全死亡の半分以上を占めていた。また、死亡に関連する臨床的因子をみると、心血管死では脳卒中より心不全に主に関連していたことを、国立病院機構京都医療センターの安 珍守氏らが報告した。European heart journal/Quality of care & clinical outcomes誌オンライン版2018年7月18日号に掲載。 伏見AFレジストリは、京都市伏見区で2011年3月から実施されているAF患者の前向き観察研究である。2016年11月末までの追跡調査データを入手できた4,045例の死因と心血管死および非心血管死の臨床的指標を調査した。 主な結果は以下のとおり。・平均年齢は73.6±10.9歳、平均CHA2DS2-VAScスコアは3.38±1.69であった。・55%の患者に経口抗凝固薬が処方されていた。・追跡期間中央値は1,105日であった。・全死亡705例(5.5%/年)のうち、心血管死が180例(26%)、非心血管死が381例(54%)、原因不明が144例(20%)であった。・心血管死の最も多い死因は心不全(14.5%)で、非心血管死では悪性腫瘍(23.1%)、感染症/敗血症(17.3%)であった。脳卒中による死亡は6.5%であった。・感染症/敗血症および原因不明による死亡は、加齢とともに増加した。・多変量解析によると、心血管死の最も強い予測因子は心不全の既往(ハザード比[HR]:2.42、95%信頼区間[CI]:1.66~3.54、p<0.001)で、非心血管死の最も強い予測因子は貧血(HR:2.84、95%CI:2.22~3.65、p<0.001)であった。

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全身性エリテマトーデスに新たな経口薬登場か/Lancet

 標準治療ではコントロール不十分な全身性エリテマトーデス(SLE)の患者において、経口選択的JAK1/JAK2阻害薬であるバリシチニブ4mg投与は、徴候や症状を有意に改善したことが示された。米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のDaniel J. Wallace氏らによる第II相プラセボ対照二重盲検無作為化試験の結果で、Lancet誌2018年7月21日号で報告している。安全性は、従来のバリシチニブ試験でみられたものと一致していた。現状ではSLE患者の医療的ニーズを十分に満たす治療法はない。著者は、「今回の結果は、SLEの経口治療薬として、JAK1/JAK2阻害薬バリシチニブの可能性について第III相試験の実施を支持するものであった」とまとめている。24週間の第II相プラセボ対照二重盲検無作為化試験でバリシチニブの効果を検討 第II相試験は、11ヵ国78医療施設で患者を募り、24週間にわたって行われた。適格患者は、SLEと診断され、皮膚または関節に疾患活動性の炎症が認められる18歳以上の患者であった。 被験者を無作為に1対1対1の割合で3群に割り付け、それぞれバリシチニブ4mg、同2mg、プラセボを24週間投与した。 主要エンドポイントは、24週時点の関節炎または皮疹の消失(Systemic Lupus Erythematosus Disease Activity Index-2000:SLEDAI-2Kで定義)を達成した患者の割合。有効性と安全性の解析は、試験薬を1回以上服薬した全患者を包含して行った。バリシチニブ4mg群で有意な改善を確認 2016年3月24日~2017年4月27日の間に、314例が無作為化を受けた(バリシチニブ4mg群104例、同2mg群105例、プラセボ群105例)。 24週時点で、SLEDAI-2Kで関節炎または皮疹消失を達成したのは、バリシチニブ4mg群70/104例(67%)(対プラセボオッズ比[OR]:1.8、95%信頼区間[CI]:1.0~3.3、p=0.0414)、バリシチニブ2mg群61/105例(58%)(同OR:1.3、95%CI:0.7~2.3、p=0.39)。 有害事象の報告は、プラセボ群68例(65%)、バリシチニブ2mg群75例(71%)、バリシチニブ4mg群76例(73%)であった。重篤有害事象の報告は、バリシチニブ4mg群10例(10%)、バリシチニブ2mg群11例(10%)、プラセボ群5例(5%)であった。死亡例の報告はなかった。なお重篤な感染症の報告は、バリシチニブ4mg群6例(6%)、バリシチニブ2mg群2例(2%)、プラセボ群1例(1%)であった。

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抗うつ薬治療が心血管イベントの長期的リスクを軽減/JAMA

 うつ病は急性冠症候群(ACS)の不良な転帰と関連しているが、抗うつ薬治療が長期的予後に良好な影響を及ぼすことが、韓国・全南大学校のJae-Min Kim氏らによる無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、示された。うつ病でACSを呈した患者において、24週間のエスシタロプラム治療を行った患者群ではプラセボ群と比べて、追跡期間中央値8.1年後のMACE発生リスクが有意に低かったという。これまで、抗うつ薬治療の長期的予後への影響について、ほとんどデータはなかったという。JAMA誌2018年7月24日号掲載の報告。24週間のエスシタロプラム vs.プラセボを評価 試験は2007年5月~2013年3月に全南大学校病院で、直近にACSを呈したうつ病患者300例を登録して行われた。最終フォローアップは2017年6月。 被験者を、エスシタロプラム5、10、15、20mg/日の柔軟投与群(149例)または適合プラセボ投与群(151例)に無作為に割り付けて24週間治療を行った。 主要アウトカムはMACE(全死因死亡、心筋梗塞[MI]、経皮的冠動脈介入[PCI]の複合)。副次アウトカムは、MACEの各要因3つと心臓死を合わせた計4つ。Cox比例ハザードモデルを用いて、エスシタロプラム群とプラセボ群の初回MACE発症までの期間を比較した。フォローアップ期間中央値8.1年のMACE発生、エスシタロプラム群のHR:0.69 無作為化を受けた300例(平均年齢60歳、女性119例[39.3%])において、全例(100%)が中央値8.1年(四分位範囲:7.5~9.0)のフォローアップを完了した。 MACEの発生はエスシタロプラム群61例(40.9%)、プラセボ群81例(53.6%)であった(ハザード比[HR]:0.69、95%信頼区間[CI]:0.49~0.96、p=0.03)。 個々のMACEアウトカムの比較(エスシタロプラム群 vs.プラセボ群)は、全死因死亡20.8% vs.24.5%(HR:0.82、95%CI:0.51~1.33、p=0.43)、心臓死10.7% vs.13.2%(0.79、0.41~1.52、p=0.48)、MI 8.7% vs.15.2%(0.54、0.27~0.96、p=0.04)、PCI 12.8% vs.19.9%(0.58、0.33~1.04、p=0.07)であった。 結果を踏まえて著者は、「さらなる研究で、今回の所見の一般普遍化について評価する必要がある」と述べている。

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新規糖尿病治療薬imeglimin、日本での第III相試験の患者登録完了

 代謝性疾患の革新的な治療薬の研究開発に取り組んでいるフランスのバイオ医薬品企業POXEL SA(以下Poxel社)は、開発中の2型糖尿病治療薬imegliminの日本における第III相試験であるTIMES 1試験の患者登録が2018年7月3日に完了したことを発表した。本剤に関して、今年6月の第78回米国糖尿病学会(ADA)のサイエンスセッションで、前臨床モデルにおけるimeglimin独自の作用機序に関連した新規知見が発表されている。 imegliminは、世界保健機関(WHO)によって新たな化合物クラスである「Glimins」として登録され、同クラスとして初めて臨床試験が実施されている。本剤は、ミトコンドリアの機能を改善するという独自のメカニズムを有しており、また、2型糖尿病治療において重要な役割を担う3つの器官(肝臓・筋肉・膵臓)において、グルコース濃度依存的なインスリン分泌の促進、インスリン抵抗性の改善および糖新生の抑制という作用を示し、血糖降下作用をもたらすことが期待されている。さらに本剤の作用機序は、糖尿病によって引き起こされる細小血管・大血管障害の予防につながる血管内皮機能および拡張機能の改善作用や、膵臓β細胞の保護作用を有する可能性も示唆されている。 本剤の日本における第III相試験であるTIMES試験(Trials of Imeglimin for Efficacy and Safety)は、合計約1,100例の患者を対象とした3本のピボタル試験で構成されている。TIMES 1試験は、200例を超える日本人2型糖尿病患者を対象とした、多施設共同、二重盲検、プラセボ対照比較、無作為化、単剤療法試験である。TIMES 2およびTIMES 3試験の登録も2018年下半期の完了が期待されており、Poxel社は、提携する大日本住友製薬と緊密に連携し、2020年に予定している日本での承認申請をサポートするという。 2018年6月25日に開催された第78回米国糖尿病学会(ADA)のサイエンスセッションでは、前臨床モデルにおけるimeglimin独自の作用機序に関連した重要な新規知見が発表された(タイトル「Imeglimin Protects Ins-1 Cells and Human Islets Against High Glucose and High Fructose-induced Cell Death by Inhibiting the Mitochondrial PTP Opening」)。研究グループの一人であるフランス・グルノーブルアルプス大学のEric Fontaine氏は、このデータから、細胞死に関与するミトコンドリアのチャネルmPTPの開口を阻害する独自の作用機序によって、フルクトースおよびグルコースが誘発する細胞毒性によるβ細胞の細胞死に対して、imegliminが防御機能を有することが確認されたと述べている。

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第5回 食事から摂る水分【実践型!食事指導スライド】

第5回 食事から摂る水分医療者向けワンポイント解説夏の暑い時期に、糖尿病の方が水分摂取を意識することは大切です。体重に対する水分量は、乳児で約70〜80%、成人で60%、高齢者は約50〜55%と言われています。年齢とともに、カラダに保有する水分量が減っている分、意識して水分摂取を心がけることが大切です。カラダから出て行く水分は、尿や便で約1.5L、汗で約0.7L、呼気で0.3L、合計で2.5Lと言われています。この水分量を補う必要があるのですが、代謝によって体内で作られる水分が約0.3Lと言われているので、実際に口から補給するべき水分は、2.2L程度と考えられます。これを全て、飲み水で摂取するのは、大変ですが、この水分量には、食事からの水分摂取も含まれます。環境省の熱中症環境保健マニュアル2018には、食事からの水分を1.0L、飲み水を1.2L程度と記載されています。コップ1杯150mlとすると、1日にコップ8杯程度の水を摂取する必要があり、そのほかに食事からの水分を考える必要があります。飲み水は、糖分の入ったものではなく、水や麦茶などで摂取することが良いですが、水を飲むことが苦手、困難な方の場合、水分の摂取が不足しがちになることがあります。この場合は、食事からの水分摂取を増やすことを意識すると良いでしょう。●ポイント1「水分の多い食材を意識する」夏野菜は、水分を豊富に含んだものが多く、特に豊富なのが「ぶら下がり野菜」と呼ばれる幹からぶら下がっている野菜です。トマト、なす、きゅうり、冬瓜、ズッキーニなどがあり、きゅうりは95%が水分、トマトは94%が水分です。食べることで、水分や汗でなくなるミネラルを自然と補給することができます。果物であるスイカ、桃、ぶどう、なしなども水分が豊富であり、食欲の落ちたときには、果糖が豊富な果物はエネルギー補給にも役立ちます。●ポイント2「パンよりも米」パンの水分量は、30〜35%ほどですが、米飯の場合、60%が水分、粥にすると83%が水分です。これより、食事の水分量が、パンと米では倍以上違うことがわかります。パンよりも米飯やおかゆ、リゾットなどを主食にすることで、無理せず水分を補給できます。おかずには、味噌汁やスープ、煮物、カレー、シチュー、あんかけなど、水分を豊富に含む調理法のものがオススメです。●ポイント3「粘性のある水分を選ぶ」さらりとした水が飲みづらいと感じる場合、粘性をつけた水分を取り入れると摂取しやすくなります。牛乳や豆乳などに変えることで、食欲が落ちた時にもたんぱく質やビタミン、ミネラルの補給ができます。また、甘酒やゼリーなどでもエネルギーの補給に効果が期待できます。カフェラテや麦茶ラテ、トマトジュースをヨーグルトや牛乳、甘酒で割った飲み物も、水分だけでなく多くの栄養素を同時に補給できるため、夏場の栄養補給としても効果的です。水分摂取というと、水やお茶を飲むことに意識が向いてしまいがちですが、食事からの水分量を増やすということも意識に入れることで、脱水を防ぐことに繋がります。参考環境省:熱中症予防情報サイト

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第12回 初めての死後訪問【はらこしなみの在宅訪問日誌】

こんにちは。在宅訪問専任の薬剤師・はらこしなみです。薬の処分に困っている、という方は多いのですね家族から「薬どうしよう」施設から「残っている薬を処分してほしい」薬の処分に困っている、という方は多いようです。今まではケアマネさんや看護師さん、病院の事務さんが処理してくれていました。これからは私がこの役を担おう。そう思っています。生老病死を見つめる目グリーフケアに行ったスタッフから聞いた話ですが、「家族(息子夫婦、その子供さん3人)で看取ったその後、その子供が、パパも僕が看取ってあげる、と言ったと聞いて感動しました。その目でしっかり生老病死を見つめていたのだ」と。「グリーフ」は"悲嘆"という意味で、近しい人を亡くした人がその悲嘆を乗り越えようとする心の努力。死別に伴う苦痛や環境変化などを受け入れようとすることを、グリーフワークと言います。そして、これを支援するのが『グリーフケア』です。死後訪問を経験A病院のスタッフは、必ず死後訪問をするそうです。在宅に関わるようになって、私も死後訪問を経験しました。在宅療養していて、最期は病院で看取られた患者さんのお宅に、あいさつに伺いました。事務さん、ケアマネさん、OT(作業療法士)さんと車で。ベテラン勢がいつもと変わらない様子で、ちょっと安心...。車の中では「毎日忙しい~大変~」と慌しい日常を垣間見ましたが、患者さん宅に着くと、ゆったりと時間が流れました。死後訪問に慣れていない私は、心ここにあらずといった感じで動揺を隠せませんでした。そんな私に、看護師さんもケアマネさんも「一度、家に帰ってこられたのよ。あのタイミングしかなかったのだから」「さあ、支援が必要な人がたくさん待っているわよ」と声をかけてくれます。少しでも家に帰れてよかったここ最近、終末期の新患さんの1回きり訪問が続きました。契約書は次回、未収。電話がかけにくい...。ご家族が納得されている場合でも気が引ける。歳が若かったり、突然の別れの場合はなかなか電話できず...。でも訪問してみると皆さん「少しでも家に帰れてよかった」と。その言葉にほっとします。 これからはグリーフケアにも積極的に関わっていこうと思います。

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サルコペニア、カヘキシア…心不全リスク因子の最新知識【東大心不全】

急増する心不全。そのような中、従来はわからなかった心不全とリスク因子の関係が解明されつつある。最近注目されるサルコペニア、カヘキシアに焦点を当て、心不全との関係を東京大学循環器内科 石田 純一氏に聞いた。近年の心不全リスク因子に関する研究の動向を教えてください。従来、心不全に併存するリスク因子、予後増悪因子としては動脈硬化の素因以外に慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、貧血、炎症が知られていました。画像を拡大するその中で、過去約20年で体組成の変化、とくに体組成減少が新たな心不全のリスク因子、予後増悪因子として注目を集め始めています。いわゆるサルコペニア、カヘキシア(悪液質)と呼ばれるものです。「サルコペニア」はギリシャ語が語源で、肉や筋肉を意味する「サルクス」と減少を意味する「ペニア」を合わせて筋肉減少を指します。一般に加齢に伴う筋肉減少が一次性サルコペニア、活動低下あるいは慢性疾患に伴うものが二次性のサルコペニアと分類されています。画像を拡大する「カヘキシア」も語源はギリシャ語の「カコス」と「ヘキス」で、英語で言えばバッド・コンディション、これを日本語にすると悪液質となります。最近の定義としては、骨格筋だけではなく、体組成全体の減少を意味します。いわゆる心不全やがんなどの慢性疾患に合併する全身性の消耗状態と捉えられます。サルコペニアの場合、従来は加齢に伴う筋肉減少はある種当然のことと考えられていましたが、実際には減少する人としない人がいます。そしてサルコペニア、カヘキシアともに心不全患者で併存する場合は、併存しない場合と比較して心不全の予後が悪いということがわかりました。サルコペニア、カヘキシアはどのように診断をするのでしょうか?サルコペニアは1989年に提唱された新しい概念である一方で、カヘキシアは用語としては長らく存在していましたが、病態としての概念ができたのは近年のことなので、まだ必ずしも統一された診断基準はありません。サルコペニアについては、2つ重要な要素があるといわれています。1つは筋肉の量的減少、もう1つが筋力あるいは身体能力の低下です。実はこの2つは同じ意味と捉えられがちですが、筋肉量減少とそのまま相関して筋力低下に反映されるものではないので、2つをそれぞれ評価することが重要だといわれています。カヘキシアについてもガイドラインなどはありませんが、心不全に併存する場合、論文などでは、過去の6~12ヵ月以内に5%以上の体重減少と定義している場合が多いと思います。ただ、カヘキシアの診断では要注意点があります。心不全やがんの場合は水分貯留による浮腫が発生しがちです。しかし、浮腫はカヘキシアの定義である体重減少とは逆の体重増加ファクターです。つまり、実際には筋肉や脂肪は減少しているのに、浮腫でそれがマスクされてしまっている可能性もあるのです。そのため前述の体重減少5%以上は、この浮腫分を含まない状態として評価しなければならない困難さがあります。これが、カヘキシアに対する取り組みを困難にしている理由の1つにもなっています。心不全に併存するサルコペニア、カヘキシアの割合はどのくらいなのでしょうか。この数字も報告によってさまざまですが、概説するとサルコペニアの併存率は30~50%、カヘキシアが5~20%といわれています。しかもこの2つはどこに着目するかという違いなので、双方が併存するケースもありえます。サルコペニア、カヘキシアが心不全の予後悪化につながる機序はどのように解釈されているのでしょうか。現在は疫学的に予後悪化因子と捉えられているのみで、まだ詳しい機序は解明されていません。そもそもサルコペニアの場合、サルコペニア自体の機序が十分に解明されていないという事情もあります。一般論的には心筋の量と働きが正常ならば血液循環も正常なので、骨格筋が減少するサルコペニアやカヘキシアでは、心筋も減少することで心臓が正常に機能しなくなり、心不全が悪化すると推定されていますが、エビデンスがあるわけではありません。ただ、がんに伴うカヘキシアでは心臓萎縮を疑わせる心臓重量低下の報告があるので、骨格筋減少と心筋減少に一定の相関があると推察されています。近年では欧米を中心に、心不全患者で肥満あるいは肥満傾向の患者のほうが、予後が良いという“obesity paradox”が報告されています。もともと肥満は心不全発症のリスク因子として確定していますが、ひとたび心不全を発症した場合は、極度の肥満は論外ですが、体重がやや多めの患者さんのほうが予後は良好とのデータがあるのは確かです。このため以前は、肥満がある心不全患者では体重減少を図るべきとされていましたが、最近の欧州でのコンセンサスではBMI 35超でなければ無理に痩せる必要はないと記述しています。しかし、人種差なども考慮すれば、これを日本人に機械的に適用することはできません。日本で欧州のコンセンサスを反映させるならば、どの程度のBMIが許容できるのかは今後の課題だと思います。一方、obesity paradoxのような現象が認められてしまうのはBMIの限界ともいえます。BMIは指標としては使いやすいのですが、筋肉と脂肪の比率や代謝状況を反映していません。心不全でBMIを考慮する際には、より多面的な視点も必要だと考えています。サルコペニア、カヘキシアへの対処、治療法の現状を教えてください。画像を拡大する現在、サルコペニアやカヘキシアでの筋肉減少は、タンパク質の分解(異化)と合成(同化)のバランスの中で、分解亢進あるいは合成低下のいずれか、またはその双方が同時に起きていると考えられています。そこで、タンパク質分解の亢進に関与しているマイオスタチンの働きを抑制する物質を治療へ応用しようとの検討が、がんのカヘキシアで行われましたが、ヒトでの臨床試験で筋肉量増加は認められたものの筋力増強は認められず、開発は頓挫しました。もう1つ注目されているのが、タンパク質の合成を促進するアナモレリン(anamoreline)です。この薬剤は、欧州で臨床の無作為比較試験まで行われています。日本でも肺がんのカヘキシア患者を対象に無作為化比較試験まで実施されています。結果、筋肉量を増加することが明らかになっています。筋力増強は明らかになっていないものの、本邦での開発は継続中です。もっとも私が知る限り、心不全に併存するサルコペニア、カヘキシアでこうした化合物の臨床試験が行われた形跡はありません。心不全で臨床試験を行えば、がんとは違った結果が出る可能性はあると思います。結局、こうした化合物は、非常に多面的な要素が大きいサルコペニアやカヘキシアのシグナリングの中の1つにアプローチするにすぎないのが、際立った臨床成績が得られない理由とも推察されています。その意味では、すでに消化器外科などで多用され、食欲増進ホルモンのグレリンに作用するほか、比較的多面的な効果も示唆されている漢方薬の六君子湯(リックンシトウ)なども、今後のサルコペニアやカヘキシアの治療に対する可能性を秘めているかもしれません。薬剤開発以外ではいかがでしょう?現時点ではまだエビデンスが十分とはいえないのですが、運動療法、いわゆる有酸素運動はサルコペニアやカヘキシアの有無にかかわらず、心不全の予後、身体能力、QOLの改善にも効果的と指摘されています。ことサルコペニアやカヘキシアに関していえば、運動療法が前述の異化・同化のバランス崩壊に効果を示しているのだろうと推測されています。ただ、激しい運動は心不全ではリスクとなりますので、安全性・有効性の観点から、従来からある心臓リハビリの法則にのっとって、個々の患者さんごとに適した運動量、運動強度を考える必要があります。プライマリケアの先生方にお伝えしたいことがあれば教えてください。サルコペニアについては、2016年に、世界保健機関(WHO)が公表している「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD-10)」に入るようになりましたが、カヘキシアとともにまだ認知度は高くはないと思われます。その意味では、まずはサルコペニア、カヘキシアという病態があり、慢性心不全に併存した場合に予後悪化因子になるということを知っていただきたいと思います。現時点で打てる対策は、安全な運動療法になりますが、心臓を中心に考えたトータルケアで、サルコペニアやカヘキシアへの注意は欠いてはならないことを念頭に置いていただければ幸いです。講師紹介

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若年統合失調症治療における抗精神病薬関連の体重増加の予測因子とモデレーター

 小児精神疾患を治療する際、抗精神病薬関連の体重増加は、一般的な副作用である。しかし、抗精神病薬関連の体重増加の予測因子やモデレーターについては、よくわかっていない。米国・イェール大学のJerome H. Taylor氏らは、若年統合失調症治療における抗精神病薬関連の体重増加の予測因子とモデレーターについて、検討を行った。Journal of child and adolescent psychopharmacology誌オンライン版2018年6月19日号の報告。 若年発症統合失調症治療(TEOSS:Treatment of Early-Onset Schizophrenia Spectrum Disorders)研究において、8~19歳の統合失調症または統合失調感情障害を有する119例を、8週間の各抗精神病薬治療群(molindone群、リスペリドン群、オランザピン群)にランダム化し、治療反応および副作用について評価を行った。2次分析では、多変量線形回帰とROC分析を用いて、ベースラインから8週目までの体重変化とその予測因子およびモデレーターについて調査を行った。 主な結果は以下のとおり。・治療薬の選択は、体重変化(F[2, 66]=17.00、p<0.001)および体重変化率(F[2, 66]=16.85、p<0.001)の最も顕著な予測因子であった。・各治療薬の平均の体重増加量は、molindone群0.74±3.51kg、リスペリドン群4.13±3.79kg、オランザピン群7.29±3.44kgであった。・治療薬の選択で調整した後では、治療前のヘモグロビンA1c(HbA1c)の低さが、より多い体重増加の予測因子であった(F[1, 55]=4.17、p=0.03)。・統合失調感情障害か、統合失調症であるかの診断が、体重変化(F[2, 63]=6.02、p=0.004)や体重変化率(F[2,63]=5.26、p=0.008)の予測因子であった。たとえば、統合失調感情障害は、統合失調症と比較し、リスペリドン群における若年での体重増加の予測因子であった。・年齢、性別、世帯の収入、ベースライン時の体重、症状は、体重変化または体重変化率の予測因子ではなかった。 著者らは「抗精神病薬の選択は、将来の体重増加を予測するうえで、非常に重要であることが確認された。また、これまでの研究と対照的に、若さはより大きな体重増加を予測しないことが示唆された」としている。■関連記事オランザピン誘発性体重増加のメカニズムブレクスピプラゾールとアリピプラゾールの体重変化への影響抗精神病薬誘発性体重増加に対するトピラマート治療のメタ解析

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心房細動患者への抗凝固薬とNSAID併用で大出血リスク上昇【Dr.河田pick up】

 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は頻繁に使用される薬剤である一方、出血と血栓症のリスクを高める可能性がある。心房細動患者におけるNSAIDsの影響を定量化して求めることを目的として、Yale大学のAnthony P. Kent氏らが行ったRE-LY(Randomized Evaluation of Long Term Anticoagulant Therapy)試験のPost-Hoc解析結果が報告された。Journal of American College of Cardiology誌2018年7月17日号に掲載。RE-LY試験のpost-Hoc解析 RE-LY試験は、1万8,113例の心房細動患者を対象としてダビガトラン(110mgまたは150mgを1日2回)とワルファリンの有効性・安全性を比較した前向き試験で、2009年にNew England Journal of Medicine誌に報告された。 今回のPost-Hoc解析では、治療と独立した多変量Cox回帰解析を用いて、NSAIDsを使用した患者とそうでない患者の臨床成績を比較。相互作用解析は治療に応じたCox回帰分析を用いて求められた。NSAIDsの使用に関しては、時間依存共変量解析がCoxモデルを求めるのに使用された。大出血のエピソードはNSAIDsの使用で有意に上昇 RE-LY試験に組み入れられた1万8,113例の心房細動患者のうち、2,279例がNSAIDsを少なくとも一度、試験期間中に使用した。大出血の頻度はNSAIDs使用例で有意に高かった(ハザード比[HR]:1.68、95%信頼区間[CI]:1.40~2.02、p<0.0001)。 NSAIDsは糸球体濾過量(GFR)を減少させることが知られていて、ダビガトランは80%が腎臓からろ過されるが、NSAIDsの使用はダビガトラン110mg群、150 mg群いずれにおいても、ワルファリン群と比較して大出血のリスクに変化を与えなかった(相互作用のp=ダビガトラン110mg群:0.93、ダビガトラン150 mg群:0.63)。消化管出血はNSAIDs使用例で有意に高かった(HR:1.81、95% CI:1.35~2.43、p <0.0001)。脳梗塞および全身の血栓症もNSAIDs使用例で有意に高かった (HR:1.50、95% CI:1.12~2.01、p=0.007)。NSAIDsの使用による影響、ダビガトランとワルファリンで違いみられず NSAIDs使用例での脳梗塞、全身の血栓症に対する影響は、ダビガトラン110 mg群または150 mg群いずれでもワルファリン群との比較において違いはなかった。(相互作用のp=ダビガトラン110mg群:0.54、ダビガトラン150 mg群:0.59)。心筋梗塞の発生率や全死亡率はNSAIDs使用の有無で違いは認められなかった(HR:1.22、95% CI:0.77~1.93、p=0.40)が、NSAIDs使用例では入院率が高かった(HR:1.64、95% CI:1.51~1.77、p <0.0001)。心房細動患者で抗凝固薬が必要な患者において、NSAIDsの併用には注意が必要 筆者らは結論として、NSAIDsの使用は大出血、脳梗塞、全身の血栓症、入院率の上昇と関連していたと報告している。NSAIDsとの併用においてダビガトラン(110mgまたは150mg)の安全性と有効性は、NSAIDsとワルファリンの併用と比較しても違いがなかったとしている。 今回の研究で、これまでの研究と同様にNSAIDsは無害な薬ではないことが確認され、心房細動で抗凝固薬が使用されている患者においては、必要性を検討すべきであるとも記されている。

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小児の胃酸関連疾患の治療課題とPPIなどの薬物療法

 2018年7月13日アストラゼネカ株式会社は、第一三共株式会社と共同販売するプロトンポンプ阻害薬(PPI)エソメプラゾール(商品名:ネキシウム)が、1歳以上の小児への追加承認を本年1月に受け、4月に同薬の懸濁用顆粒分包が新発売されたことを期し、「進化する酸関連疾患治療~子どもの酸関連疾患の治療課題とPPIがもたらす変革を考える~」をテーマとするメディアセミナーを開催した。セミナーでは、小児の胃食道逆流症など酸関連疾患の診療と今後の展望などが解説された(写真は、左:中山 佳子氏、右上:木下 芳一氏、右下:清水 俊明氏)。小児向け治療薬の臨床試験数が少ない日本の現状 はじめに中山 佳子氏(信州大学医学部小児医学教室 講師)を講師に迎え、「小児酸関連疾患の実情とアンメットニーズ」をテーマに講演が行われた。 冒頭、エソメプラゾールが、ほかの国から10年近く遅れて小児適応が承認されたことに触れ、わが国の小児医薬品の開発状況を概説した。今回の小児適応拡大は、2006年に日本小児栄養消化器肝臓学会から出された要望が、ようやく実ったもの。現在でも成人治療薬の約20%程度しか小児適応がないという。とくに小児領域では、対象年齢層(新生児~思春期)が広いこと、対象患者数・投与量の少なさによる採算性からメーカの躊躇などの理由があると、世界的にみても治験数が少ないわが国の問題点を指摘した。 つぎに小児の酸関連疾患の特徴として胃食道逆流症と胃潰瘍、十二指腸潰瘍について説明を行った。小児の胃潰瘍、十二指腸潰瘍ではPPIが有効 小児の胃食道逆流症は、10歳未満の患児3.2%にあると推測され、14歳まででは約3.7万の患児がいると推計されている。こうした患児の主訴は「嘔吐・嘔気」「腹痛」であり、胸やけや呑酸の訴えがない、またはできないために、見逃されやすいという。そのため、咳嗽や喘鳴、体重減少・成長不良、胸痛など消化管外症状について、医療者が医療面接で気付き、本症を想定できるかが重要だと語る。 小児の胃食道逆流症診療では、診断として上部消化管造影検査、食道pHモニタリング、上部消化管内視鏡検査などが実施される。また、鑑別診断では、好酸球性食道炎、消化性潰瘍、代謝性アシドーシスなどとの鑑別が必要となる。治療では、家族への説明、生活指導から始まり、授乳方法の改善(少量頻回、増粘ミルク、アレルギー疾患用ミルクなど)、そして、PPIなどの薬物療法へと移行する。実際、エソメプラゾールで治療する場合、1日10~20mgを約2週間投与し、症状の改善を確認。有効ならば、4~8週間の治療継続を行うことになるが、無効・再燃例では、小児専門医に紹介が必要となる。 小児の胃潰瘍、十二指腸潰瘍では、十二指腸潰瘍の頻度が高く、主症状は年齢により異なるという。新生児~乳児期では反復性の嘔吐、消化管出血、幼児期では臍周囲痛など非特異的な痛み、学童期では上腹部圧痛を伴う心窩部痛が多くなる。とくに患児が主訴で「お腹がモヤモヤする」と訴えた場合、十二指腸潰瘍を疑い、必要な検査などの施行が望まれる。また、危険兆候として、夜間睡眠中の腹痛による覚醒、嘔吐や貧血、ヘリコバクター・ピロリ感染の家族歴も参考になる。診断では、臨床所見のほか、検査で腹部エコーや上部消化管内視鏡検査で潰瘍の診断を確実にすることが必要とされる。治療では、PPIが著効するため、1歳以上の本症確定例の小児ではエソメプラゾール10~20mgを第1選択薬として、早期の症状消失、潰瘍治癒を促すとしている。 最後に中山氏は、「小児の酸関連疾患では、腹痛や嘔吐などを繰り返すため、患児は活動制約、成長障害などの合併症を来しうるとともに その保護者もケアの負担や成長への不安など日常で苦労が重積する。こうした疾患に早期診断、早期治療介入をすることで、患児と保護者のQOLの改善につなげていく必要がある。また、PPIのアンメットニーズとして、長期投与、1歳未満の乳児への使用、ヘリコバクター・ピロリ除菌への補助などまだ解決されるべきことも多い」と課題を呈し、講演を終了した。小児に使用できない治療薬の保険承認への呼び水に セミナー後半では、木下 芳一氏(島根大学医学部内科学講座第二 教授)を座長に、清水 俊明氏(順天堂大学大学院医学研究科 小児思春期発達・病態学講座 主任教授)と中山氏をパネリストに「幼児・小児の酸関連疾患の早期発見、早期診断・治療につなげるには」をテーマにパネルディスカッションが行われた。 ディスカッションでは、「酸関連疾患、早期発見のコツ」について木下氏が尋ねたところ、清水氏が「不規則な位置や時間に腹痛があれば酸関連疾患を疑う。家族歴の聴取も大事だ」と回答し、中山氏が「患児向けに『胸やけ』などの言葉の言いかえをあらかじめ示しておく。保護者に患児の表情や気になる点を細かく聴取するべき」と回答し、臨床に役立つポイントが語られた。また、今後の展望について、清水氏は「今回のエソメプラゾールの保険適用が、別の小児に使用できない治療薬の保険承認への呼び水になればよいと思う」と述べ、中山氏は「安全に患児に使える治療薬の拡大を望みたい」と語り、ディスカッションを終えた。■参考アストラゼネカ ニュースリリースプロトンポンプ阻害剤「ネキシウム」の小児用法・用量の追加を目指し、新たに臨床試験を開始

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メトトレキサート、重症円形脱毛症に有効

 メトトレキサートは、明確なエビデンスやガイドラインが不足する中、円形脱毛症に対する副腎皮質ステロイド治療開始後の低リスク維持療法の補助として、また、いくつかの研究では単独療法として用いられてきた。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のKevin Phan氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析を行い、メトトレキサートは重症円形脱毛症の治療において、単独療法またはステロイドの補助療法として有効であることを報告した。ただし、著者は「評価した研究はさまざまな後ろ向きの観察研究であり、円形脱毛症の治療におけるメトトレキサートの用量やプロトコールは施設間で異なっていた。さらに、補助療法については1年を越えるデータが不足していたなどの限界があった」としている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年7月9日号掲載の報告。メトトレキサートは重症円形脱毛症の治療において十分有効だった 研究グループは、検討の目的を(1)円形脱毛症に対するメトトレキサートの治療の有効性とリスク、(2)副腎皮質ステロイドとの併用療法および単独療法における有効性の違い、(3)成人と小児でメトトレキサートの相対的な有効性を明らかにすることとし、PRISMAガイドラインに従ってシステマティックレビューおよびメタ解析を行った。 円形脱毛症に対するメトトレキサートの治療の有効性とリスクを検討した主な結果は以下のとおり。・メトトレキサートは、重症円形脱毛症患者において十分有効だった。・成人は小児と比較し、メトトレキサートの治療への反応が良好にみえた。・メトトレキサートは、単独療法と比較して、ステロイド併用療法のほうが奏効率(good/complete response[CR])を高く示した。・漸減療法において再発率が非常に高かった。・合併症の発現率は、成人と小児では類似しており許容範囲であった。

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アスピリンの効果、用量や体重で大きな差/Lancet

 アスピリンの血管イベントやがんの抑制効果には、用量や患者の体重によって大きな差があり、良好な効果を得るには、より個別化された治療戦略を要することが、英国・オックスフォード大学のPeter M. Rothwell氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2018年7月12日号に掲載された。全例に同一用量を一律に投与するone-dose-fits-allアプローチでは、アスピリンの長期的な心血管イベントの予防効果はわずかであり、標準的な用量は体が大きい患者には過少で、小さい患者には過剰であることが報告され、他のアウトカムについても同様である可能性が示唆されている。体重別、用量別の効果を、個別患者データを用いて解析 研究グループは、心血管イベントの1次予防におけるアスピリンの有用性を評価した無作為化対照比較試験の個別患者データを用いて、患者の体重別(10kgごと)、アスピリンの用量別(低用量:≦100mg、高用量:300~325mgまたは≧500mg)の効果について検討した(英国ウェルカム・トラストなどの助成による)。 得られたデータを年齢、性別、血管リスク因子で層別化し、アスピリンによる脳卒中の2次予防の試験で検証した。さらに、大腸がんおよび全がんの20年リスクに及ぼすアスピリンの効果と、体重および用量との関連について検討した。 日本の2件の試験を含む10件のアスピリンによる1次予防の試験(11万7,279例)が解析に含まれた。体重には最大と最小で約4倍の差があり、各試験の体重の中央値には60.0~81.2kgの幅が認められた(p<0.0001)。体重70kg以上への低用量投与で、心血管死のリスクが33%増加 低用量アスピリンの1次予防試験の統合解析では、75~100mgのアスピリンによる心血管イベントの抑制効果は、体重が増加するに従って低下した(pinteraction=0.0072)。体重50~69kgの集団ではベネフィットが認められ(ハザード比[HR]:0.75、95%信頼区間[CI]:0.65~0.85、p<0.0001)、とくに連日投与(0.68、0.56~0.83、p=0.0001)の効果が高かったのに対し、体重が70kgを超えるとベネフィットは消失した(0.95、0.86~1.04、p=0.24)。 さらに、体重70kg以上の集団では、低用量アスピリンにより初回心血管イベントの死亡リスクが増加した(オッズ比[OR]:1.33、95%[CI]:1.08~1.64、p=0.0082)。 高用量アスピリン(≧325mg)では、体重との間に低用量とは逆の関連がみられ(pinteraction=0.0013)、心血管イベントの抑制効果は、体重が最も重い集団のみで認められた(pinteraction=0.017)。 これらとほぼ同様の知見が、男性、女性、糖尿病罹患例、脳卒中の2次予防試験にもみられ、用量と身長にも類似の関連(pinteraction=0.0025)が認められた。 アスピリンによる大腸がんの長期的なリスクの低減効果にも体重依存性が確認され、体重が重い集団では効果が消失した(pinteraction=0.038)。低用量アスピリン(75~100mg)では、体重70kg未満の集団は大腸がんのリスクが低かった(HR:0.64、95%CI:0.50~0.82、p=0.0004)が、70kg以上の集団では効果はなかった(0.87、0.71~1.07、p=0.32)。これに対し、高用量(≧325mg)では、体重80kgまでリスク低減効果が認められた(0.69、0.55~0.87、p=0.0014)。 体重で層別化すると、用量が過剰になると有害な作用が増加することが示された。突然死のリスクは、体重が軽い集団では用量が増えるに従って増加し(pinteraction=0.0018)、アスピリン75~100mgの投与を受けた体重50kg未満の集団では、全死因死亡のリスクが増加した(HR:1.52、95%CI:1.04~2.21、p=0.031)。 70歳以上では、アスピリンによってがんの3年リスクが増加し(HR:1.20、95%CI:1.03~1.47、p=0.02)、とくに体重70kg未満の集団でリスクが高く(1.31、1.07~1.61、p=0.009)、結果として女性のリスクが高かった(1.44、1.11~1.87、p=0.0069)。 著者は、「低用量アスピリン(75~100mg)による血管イベントの予防効果は体重70kg未満の集団に限られたのに対し、高用量では70kg以上の集団のみで有効であった」とまとめ、「がんを含む他のアウトカムへのアスピリンの効果にも体の大きさと関連がみられたことから、one-dose-fits-allアプローチは適切ではない可能性があり、より詳細に個別化した戦略が求められる」と指摘している。

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ニボルマブ・イピリムマブ併用、MSI-H/dMMR大腸がんに迅速承認/BMS

 Bristol-Myers Squibb社は、2018年7月11日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)3mg/kgとイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)1mg/kgの併用療法が、フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療後に病勢進行したMSI-HまたはdMMRの転移を有する大腸がん(mCRC)患者(成人および12歳以上の小児)の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得したことを発表。 この承認は、フルオロピリミジン、オキサリプラチン、またはイリノテカンを含む化学療法による治療歴を有するMSI-Hまたは dMMRのmCRC患者を対象に、ニボルマブとイピリムマブの併用療法を評価した進行中の第II相CheckMate-142試験のデータに基づくもの。同併用療法は、FDAのブレークスルーセラピーに指定され、優先審査の対象となっていた。 CheckMate-142試験の同併用療法コホートには、1ライン以上の治療が行われたMSI-H/dMMRのmCRC患者が組み入れられ、ニボルマブ3mg/kgとイピリムマブ1mg/kgを3週ごと4回投与され、その後ニボルマブ単剤3mg/kgを2週間ごと、病勢進行または忍容できない有害事象が認められるまで投与された。有効性解析は、フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療歴を有する患者(全119例中82 例)および全登録患者の両方において実施された。 フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療歴を有する患者82例の、独立放射線評価委員会(IRRC)の評価によるニボルマブ・イピリムマブ併用療法のORRは46%(82 例中38 例、CRは3例3.7%、PRは35例43%)であった。全登録患者119例でのORRは、49%(119例中58例、CR5例4.2%、PRは53例45%)であった。奏効が得られた58例のDOR中央値は未達(1.9~23.2+ヵ月)、奏効患者の83%で6ヵ月以上、19%で12ヵ月以上奏効が持続した。 なお、ニボルマブ単剤療法についても、同様の対象患者に対し、2017年8月に迅速承認されている。■参考Bristol-Myers Squibb社プレスリリースCheckMate-142試験(JCO)CheckMate-142試験(Clinical Triakls.gov)■関連記事ニボルマブ・イピリムマブ併用、MSI-H大腸がんで有効性/ASCO-GI2017ニボルマブ、MSI-H転移性大腸がんに迅速承認/FDA いよいよ臨床へ、がん種を問わないMSI-H固形がんをどう診断し、治療していくか

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卵円孔開存患者では周術期の脳梗塞が多かった(解説:佐田政隆氏)-895

 卵円孔は、胎児期に右心房から左心房に血液が直接流れ込むための正常な構造であり、出産後肺循環が始まると閉鎖される。この閉鎖が不全である状態が卵円孔開存(patent foramen ovale; PFO)である。バブルテストや経食道心エコーなどの診断技術の向上によって、診断される頻度が増えており、成人で25%にPFOが認められるという報告もある。心房中隔欠損症などと異なり、PFOは血行動態に悪影響はなく、従来は放置して良いとされてきた。しかし、下肢などに血栓が生じると、PFOを通って右房から左房へ血栓が流れていって、奇異性脳塞栓症を生じさせることがまれに起こることが知られている。脳梗塞の既往がない周術期患者でPFOが本当に脳梗塞のリスクになるのかどうかは不明であった。 本研究では、全身麻酔下で非心臓手術を受けた成人18万2,393例について後ろ向き観察を行った。解析対象となった15万198人のうち約1%である1,540人にPFOが検出された。術後30日以内の、脳卒中推定リスクは、PFO群で5.9人/1,000人であるのに対して、PFOがない群で2.2人/1,000人であった。オッズ比2.66と、PFO群でPFOがない群より、有意に脳卒中のリスクが高かった。しかも、PFO群では大きい血管領域の脳梗塞が多く、脳卒中重症度の程度が大きかった。 本研究により、脳卒中の既往がない患者で、PFOが周術期の脳卒中リスクを高めることが明らかになった。PFOの検出率が1%であり、非PFO群にもPFOが含まれている可能性が高く、PFOによる脳卒中リスクはもっと高いと思われる。問題になるのは、術前にPFOが検出された場合、閉鎖術を施行すべきか、放置して構わないのかである。奇異性脳梗塞の予防のためには、抗血小板薬や抗凝固薬が有効といわれるが周術期には出血の危険性があり使用が制限される。もし、PFO閉鎖術で、周術期の脳卒中を予防できればメリットが大きい。 近年は、卵円孔開存に対する経カテーテル閉鎖デバイスが発達している。脳梗塞の既往のあるPFO患者で、PFO閉鎖は脳梗塞再発リスクを減少させることが最近の臨床研究から報告されている。しかし、脳梗塞の既往のないPFO患者に、術前に閉鎖術を行ったほうが良いのかどうかエビデンスがないのが現状である。PFO閉鎖術によって、新規発症の心房細動のリスクが上昇するという報告もある。PFOへの介入によって術後脳卒中のリスクが低減するのかどうか、ランダム化比較試験で検討する必要がある。

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