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配合錠、後発品への変更で可能となる節約額/JAMA

 2016年において、米国で販売される先発品の配合錠29種のメディケア支出額は、同用量の後発品と比べて9億2,500万ドル高かったことが、米国・ハーバード・メディカル・スクールのChana A. Sacks氏らにより明らかにされた。結果を踏まえて著者は、「処方者への教育を通じた後発品使用や変更を推進すること、および合理的な変更の指針が、メディケアにおける医薬品支出を抑えるために重要である」と述べている。JAMA誌2018年8月21日号掲載の報告。2011~16年のメディケア支出額を検証 研究グループは、後発品配合錠が先発品に置き換わることで、どのくらいメディケア支出が増えるのかを推定するため、2011~16年のメディケアパートDで使用された医薬品1,500種について後ろ向きに解析した。これらの医薬品支出は2015年に最高額に達している。 検証したのは、経口薬で、同一または効能効果が同等の後発品が入手可能な先発品配合錠で、主要評価項目は、先発品と後発品のメディケア支出額の推定差であった。2016年、29種の先発品と後発品の支出額差は9億2,500万ドル 1,500種の医薬品において、先発品配合錠は29種で、次の3つに分類された。1)配合量同一の後発品が入手可能(20種)、2)配合量が異なる後発品が入手可能(3種)、3)効能効果が同等の後発品が入手可能(6種)。 1)配合量同一の後発品が入手可能な先発品の2016年におけるメディケア支出額は3億300万ドル、後発品は6,800万ドルで、両者の推定差は2億3,500万ドルであった。2)の配合量が異なる後発品が入手可能な先発品については2億3,200万ドル、後発品1,300万ドルで、2億1,900万ドルの差があった。3)の効能効果が同等の後発品が入手可能な先発品については4億9,100万ドル、後発品は2,000万ドルで、4億7,100万ドルの差があった。 2016年の29種の医薬品に関して、後発品は先発品よりも、9億2,500万ドル支出が少なかった。試験期間中に入手できた最も費用を要した配合錠10種についてみると、2011~16年の間に後発品が処方されていれば、約27億ドルの費用を削減できた可能性があった。

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ニボルマブ・イピリムマブ併用療法、メラノーマ脳転移への効果/NEJM

 ニボルマブ+イピリムマブ併用療法は、悪性黒色腫患者の未治療の脳転移に対して臨床的に意義のある有効性を示し、頭蓋外での効果と一致した。米国・テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターのHussein A. Tawbi氏らが、CheckMate-204試験の結果を報告した。脳転移は、転移を有する悪性黒色腫患者の神経合併症および死亡の原因として多いものの、転移を有する悪性黒色腫患者を対象としたニボルマブ+イピリムマブ併用療法のこれまでの臨床試験では、未治療の脳転移患者は除外されていた。NEJM誌2018年8月23日号掲載の報告。神経症状のない未治療脳転移を有する悪性黒色腫患者が対象 研究グループは、未治療の脳転移を有する悪性黒色腫患者における、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法の有効性および安全性を評価する目的で、米国の28施設で多施設共同非盲検第II相臨床試験を実施した。対象は、神経症状がなく、1つ以上の測定可能な放射線未照射の脳転移病変(腫瘍径0.5~3cm)のある、転移を有する悪性黒色腫患者である。ニボルマブ(1mg/kg)+イピリムマブ(3mg/kg)を3週間ごとに最高4回まで投与し、続いてニボルマブ(3mg/kg)を2週間ごとに疾患進行または忍容できない毒性がみられるまで投与した。 主要評価項目は、頭蓋内の臨床的有効率(6ヵ月以上の安定、完全奏効または部分奏効が得られた患者の割合)である。 2015年2月~2017年6月に患者登録が行われ、2017年11月15日時点で治療中の101例のうち、追跡期間が6ヵ月以上の94例を解析対象とした。ニボルマブ+イピリムマブで、26%は頭蓋内病変が消失、臨床的有効率は57% 追跡期間中央値14.0ヵ月において、頭蓋内の臨床的有効率は57%(54/94例)(95%信頼区間[CI]:47~68)であった。このうち、頭蓋内の完全奏効が26%(24/94例)、部分奏効が30%(28/94例)、6ヵ月以上の安定が2%(2/94例)であった。頭蓋外の臨床的有効率は56%(53/94例)(95%CI:46~67)であり、頭蓋内の臨床的有効率と同程度であった。 Grade3/4の治療関連有害事象発現率は55%(52/94例)で、Grade3/4の中枢神経系有害事象は7%(7/94例)にみられた。また、免疫関連心筋炎による死亡が1例認められた。安全性プロファイルは、脳転移がない悪性黒色腫患者における報告と類似していた。

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デュルバルマブ国内発売、StageIII非小細胞肺がんで初の抗PD-L1抗体

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム)は2018年8月29日、「切除不能な局所進行の非小細胞肺における根治的化学放射線療法後の維持療法」を効能・効果とした抗PD-L1ヒトモノクローナル抗体デュルバルマブ(商品名:イミフィンジ)の販売を開始した。 デュルバルマブは、切除不能な局所進行(StageIII)非小細胞肺がん(NSCLC)に対する治療薬として承認された、本邦初の抗PD-L1抗体。PD-L1 に結合し、PD-L1 とその受容体である PD-1 および CD80 の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し、抗腫瘍免疫反応を誘発する。●販売名:イミフィンジ点滴静注120mg、イミフィンジ点滴静注500mg●一般名:デュルバルマブ(遺伝子組換え)●効能・効果:切除不能な局所進行の非小細胞肺における根治的化学放射線療法後の       維持療法●用法・用量:通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、       1回10mg/kg(体重)を2週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。       ただし投与期間は12ヵ月間までとする。●承認日:2018年7月2日●薬価基準収載日:2018年8月29日●販売開始日:2018年8月29日●薬価:イミフィンジ点滴静注120mg 112,938円/1バイアル    イミフィンジ点滴静注500mg 458,750円/1バイアル■参考アストラゼネカ社プレスリリース■関連記事デュルバルマブ、切除不能StageIII非小細胞肺がんに国内承認/アストラゼネカdurvalumab、切除不能StageIII NSCLCのOSを有意に改善(PACIFIC)durvalumab維持療法、Stage III肺がんのPFSを有意に改善(PACIFIC)/ESMO2017

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第5回 意識障害 その4 それって本当に脳卒中?【救急診療の基礎知識】

●今回のpoint1)発症時間を正確に把握せよ!2)頭部CTは病巣を推定し撮影せよ!3)適切な連携をとり、早期治療介入を!72歳男性の意識障害:典型的なあの疾患の症例72歳男性。友人と食事中に、椅子から崩れるようにして倒れた。友人が呼び掛けると開眼はあるものの、反応が乏しく救急車を要請した。救急隊到着時、失語、右上下肢の麻痺を認め、脳卒中選定で当院へ要請があった。救急隊接触時のバイタルサインは以下のとおり。どのようにアプローチするべきだろうか?●搬送時のバイタルサイン意識:3/JCS、E4V2M5/GCS血圧:188/102mmHg 脈拍:98回/分(不整) 呼吸:18回/分SpO2:95%(RA) 体温:36.2℃ 瞳孔:3/3mm+/+脳出血か、脳梗塞か、画像診断が有効だけど…「脳卒中かな?」と思っても、頭部CTを撮影する前にバイタルサインを安定させること、低血糖か否かを瞬時に判断することが重要であることは理解できたと思います(表)。今回はその後、すなわち具体的に脳卒中か否かを画像を撮影して判断する際の注意点を整理しておきましょう。「CT、MRIを撮影すれば脳卒中の診断なんて簡単!」なんて考えてはいけませんよ。画像を拡大する●Rule6 出血か梗塞か、それが問題だ!脳出血か脳梗塞か、画像を撮らずに判断可能でしょうか? 臨床の現場で、脳神経内科や脳神経外科の先生が、「この患者さんは出血っぽいなぁ」とCTを撮る前につぶやいているのを聞いたことはありませんか? 結論から言えば、出血らしい、梗塞らしい所見は存在するものの、画像を撮らずに判断することは困難です。一般的に痙攣、意識障害、嘔吐を認める場合には脳出血らしいとは言われます1)。私は初療の際、40~50歳代では梗塞よりも出血らしく、とくに収縮期血圧が200mmHgを越えるような場合にはその可能性は高いなと考え、高齢者、さらに心房細動を認める場合には、十中八九その原因は「心原性脳塞栓症」だろうと考えています。みなさんもこのようなイメージを持っているのではないでしょうか?!頭部CTをまずは撮影脳出血よりも脳梗塞らしければ、CTではなく、はじめからMRIを撮影すればよいのではないでしょうか? 脳梗塞であれば血栓溶解療法という時間の制約のある有効な治療法が存在するため、より早く診断をつけることができるに越したことはありません。血栓溶解療法を行う場合には、来院から1時間以内にrt-PA(アルテプラーゼ)を静注することが推奨されています(Time is Brain!)。しかし、MRIをまず撮影することは以下の理由からお勧めしません。・頭部CTはMRIと比較して迅速に撮影可能かつ原則禁忌なし・大動脈解離の否定は絶対(1)迅速かつ安全頭部CTの撮影時間は数分です。それに対してMRIは、撮影画像を選択しても10分以上かかります。梗塞巣が広範囲の場合や、嘔吐に伴う誤嚥性肺炎併発症例においては、呼吸のサポートが必要な場合もあり、極力診断に時間がかからず、安全に施行可能な検査を選択すべきでしょう。また、MRIはペースメーカー留置患者など撮影することができない患者群がいるのに対して、CTはほぼ全例施行可能です。私が経験した唯一撮影できなかった患者は、体重が200kgあり、CTの台におさまらなかった患者さんですが、まれですよね…。(2)大動脈解離の否定脳梗塞患者では、必ず大動脈解離の可能性も意識して対応するようにしましょう。とくに左半身の麻痺を認める場合には要注意です。当たり前ですが、血栓溶解療法を大動脈解離症例に行えばとんでもないことが起こります。大動脈解離が脳卒中様症状で来院する頻度は決して高くはありませんが、忘れた頃に遭遇します。そのため、血栓溶解療法を行うことを考慮している症例では、頭部CTで出血を認めない場合には、胸部CTも併せて行い大動脈解離の評価を行います。これは施設によっては異なり、胸部CTではなく、胸部X線、またはエコーで確認している施設もあるとは思いますが、病院の導線などの問題から、頭部CT撮影時に胸部CTも併せて評価している施設が多いのではないでしょうか。大動脈解離の確定診断は通常単純ではなく造影CTですが、脳卒中疑い症例では単純CTで評価しています。もちろん検査前確率で脳卒中よりも大動脈解離の可能性が高い場合には造影CTを撮影しますが、あくまで脳卒中を疑っている中で、大動脈解離の否定も忘れないというスタンスでの話です。大動脈解離の検査前確率を上げる因子として、意識障害のアプローチの中では、バイタルサイン、発症時の様子を意識するとよいでしょう。バイタルサインでは、脳卒中では通常血圧は上昇します。それに対して、身体所見上は脳卒中を疑わせるものの血圧が正常ないし低い場合には、大動脈解離に代表される“stroke mimics”を考える必要があります(参照 意識障害 その2)。この場合には積極的に血圧の左右差を確認しましょう。Stroke mimicsは、大動脈解離以外に、低血糖、痙攣・痙攣後、頭部外傷、髄膜炎、感染性心内膜炎でしたね。また、発症時に胸背部痛に代表される何らかの痛みを認めた場合にも、大動脈解離を考えます。意識障害を認める場合には、本人に確認することが困難な場合も少なくなく、その場合には家族など目撃者に必ず確認するようにしましょう。以上から、意識障害患者では低血糖否定後、速やかに頭部CTを撮影するのがお勧めです。CT撮影時の注意事項頭部CTを撮影するにあたり、注意する事項を冒頭のpointに沿って解説してきます。1)発症時間を正確に把握せよ!血栓溶解療法は脳梗塞発症から4.5時間以内に可能な治療です。血栓回収療法は、近年可能な時間は延びつつありますが、どちらも時間的制約がある治療であることは間違いありません。麻痺や構音障害がいつから始まったのか、言い換えればいつまで普段と変わらぬ状態であったのかを必ず意識して病歴を聴取しましょう。発見時間ではなく、「発症時間」です。“Wake up stroke”といって、前日就寝時までは問題なく、当日の起床時に麻痺を認め来院する患者は少なくありません。以前は発症時間が不明ないし、就寝時と考えると4.5時間以上経過している(たとえば前日22時に就寝し、当日5時半に麻痺を認める場合など)場合には、その段階で適応外とすることが多かったと思います。しかし、最近では、発症時間が不明な場合でも、頭部MRIの画像を利用して発症時間を推定し、血栓溶解療法を行うメリットも報告されています2)。現段階では、わが国では限られた施設のみが行っている戦略と考えられているため、病歴聴取よりも画像を優先することはありませんが、「寝て起きたときには脳梗塞が起こっていた症例は血栓溶解療法の適応なし」と瞬時に判断するのは早すぎるとは思っています。60歳以上では夜間に1回以上排尿のために起きていることが多く、就寝時間を確認するだけでなく、夜間トイレにいった形跡があるか(家族が物音を聞いているなど)は確認するべきでしょう。3時頃にいったという確認がとれれば、5時半の起床時に脳梗塞症状を認めた場合、血栓溶解療法の適応内ということになるのです。なんとか目の前の脳梗塞患者の予後を良くする術はないか(血栓溶解療法、血栓回収療法の適応はないのか)を常に意識して対応しましょう。2)頭部CTは病巣を意識して撮影を!血栓溶解療法の適応のある患者では、頭部CTは迅速に撮影しますが、低血糖の除外とともに最低限確認しておくべきことがあります。バイタルサインは当たり前として、ざっとで構わないので神経所見を確認し、脳卒中だとすると頭蓋内のどの辺に病巣がありそうかを頭にイメージする癖をもちましょう。「失語+右上下肢の運動麻痺→左中大脳動脈領域?」など、異常所見を推定し、画像評価をする必要があります。たとえば、左放線冠のラクナ梗塞を認めた症例において、重度の意識障害を認める、右だけでなく左半身の運動麻痺を認めるような場合には、痙攣の合併などを考慮する必要があります。麻痺がてんかんによるものであれば、血栓溶解療法は禁忌、脳梗塞に伴う急性症候性発作であれば禁忌ではありません。3)適切な連携をとり、早期治療介入を!急性期脳梗塞は“Time is Brain!”と言われ、より早期に治療介入することが重要です。血栓溶解療法適応症例は60分以内のrt-PA静注が理想とされていますが、これを実現するのは簡単ではありません。症例のように、現場から脳梗塞疑いの患者の要請が入ったら、その段階で人を集め、CT、MRI室へ一報し、スタンバイしておく必要があります。また、採血では凝固関連(PT-INRなど)が最も時間がかかり、早く結果を出してほしい旨を検査室に伝えて対応してもらいましょう。また、患者、家族に対する病状説明も重要であり、初療にあたる医師と病状説明する医師の2名は最低限確保し、対応するとよいでしょう。実際、この症例では、要請時の段階で医師を集め、来院後迅速に所見をとりつつ低血糖を否定しました。その後、頭部CT、胸部CTを撮影し、early CT signsや大動脈解離は認めませんでした。突然発症であり発症時間が明確であったため、急性期脳梗塞を疑いrt-PAの準備、家族への病状説明を行いつつ頭部MRIとMRAを撮影しました。結果、左中大脳動脈領域の急性期脳梗塞と診断し、血栓溶解療法を行う方針となりました。脳梗塞を疑うことはそれほど難しくありませんが、短時間で診断し、適切な診療を行うことは容易ではありません。Stroke mimicsを常に意識しながら対応すること、役割分担を行い皆で協力して対応しましょう!次回は「Rule 7 菌血症・敗血症が疑われたfever work up!」、高齢者の意識障害で多い感染症の診るべきポイントを解説します。1)Runchey S, et al. JAMA. 2010;303:2280-2286.2)Thomalla G, et al. NEJM. 2018;379:611-622.

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第3回 耳鼻科からのアモキシシリン・アセトアミノフェン 5日間の処方 (前編)【適正使用に貢献したい  抗菌薬の処方解析】

Q1 処方箋を見て、思いつく症状・疾患名は?細菌性中耳炎・・・12名全員 佐々木康弘耳鼻科医の処方であり、小児へのペニシリン系抗菌薬投与に加え、アセトアミノフェンの発熱および痛いときの指示から、細菌性中耳炎であると判断しました。急性副鼻腔炎,急性咽頭炎・扁桃炎 ふな3耳鼻科の処方であり、高用量アモキシシリンの処方やカルボシステインの併用があることから中耳炎を第1候補として考えます。ただし、併用薬がある場合や症状の聞き取り、医師の処方の傾向によっては、推測した疾患と異なる場合があるため、急性副鼻腔炎、急性咽頭炎・扁桃炎などの可能性も含めて柔軟に対応できるようにします。副鼻腔炎、中耳炎 中西剛明処方元が小児科であれば肺炎も念頭に入れるなど判断に迷うところですが、耳鼻科なので、副鼻腔炎か中耳炎を疑います。Q2 患者さんに確認することは? (通常の確認事項は除く)副鼻腔炎、中耳炎の症状 柏木紀久急性副鼻腔炎の場合: 鼻汁の色と、口呼吸やいびきがあるかどうか(鼻閉は2歳児ではわからないので)。急性中耳炎の場合: 痛みで眠れていないかどうか、最近、慢性副鼻腔炎や滲出性中耳炎になっていないか。医師からの指示内容 ふな3アモキシシリンの分割処方の可能性も考慮して、5日後の再受診を指示されているかどうか。カルボシステインだけが1日2回になっているため、そのような指示があったか、症状が合致しているか。アレルギーの有無 児玉暁人ペニシリンアレルギーと牛乳アレルギーの有無。痛みのある部位と昼の服用 中西剛明副鼻腔炎の可能性を考慮して眉間の痛みや頭痛、中耳炎であれば耳の痛みについて。昼の薬を保育園で飲ませるのか、家で飲ませるのか。症状や抗菌薬の服薬状況、通園 JITHURYOU中耳炎と推測して対応します。症状がいつ頃からあるのか鼓膜を切開しているかどうか。切開を何回も繰り返している場合、ペネム系内服やセフトリアキソンなどの点滴を検討した方がいいかもしれません。中耳炎を反復していないかどうか。抗菌薬を直近1カ月で使用していないか。集団保育、兄弟の有無。園児間や兄弟間では水平感染が起こりやすく、さらに集団保育ではアモキシシリンの耐性菌の分離頻度が高いため、薬剤変更を提案するのが良いと考えます。なお、保育所への通園は医師の確認が取れないうちは避けるようにしなければならないと思います。Q3 患者さんに何を伝える?抗菌薬を飲みきること 柏木紀久アモキシシリンとカルボシステインは飲みきるように伝えます。再受診を勧める 奥村雪男抗菌薬の治療期間についてDynamedTMで検索すると、2~5歳で中等度の症状がある場合、7日間の継続が推奨されているようなので、再受診して鼓膜所見を診断後、抗生物質の継続必要の有無を判断していただくことを勧めます。副作用と服薬の工夫 清水直明「お薬(アモキシシリン)の影響でお腹がゆるくなるかもしれません。そのために整腸剤も一緒に飲んでいただきますが、お腹が痛くなったり下痢がひどいようであればいつでも遠慮なく連絡してくださいね」「 1回に飲む量が多くなるので、そのまま飲むのが難しかったら、アイスやジャム、プリンなど好きなものに混ぜて飲ませてあげてくださいね」3日後の改善具合 荒川隆之3日間お薬を飲んでも良くならない場合は電話してもらうよう伝えます。「JAID/JSC感染症治療ガイド2014」(日本感染症学会・日本化学療法学会発行)などでも1次治療の効果判定は3日後が望ましいとされています。服薬時間 ふな3「アモキシシリンとエンテロノン®-Rは毎食後で処方されていますが、通園などでどうしても毎食後に服用できない場合は、朝・帰宅後・就寝前で構いませんので、必ず1日3回の服用を心がけてください」処方医はアモキシシリンの時間依存性やコンプライアンス向上を考慮して、アモキシシリンとエンテロノン®-Rを毎食後で処方したと思われます。ただし、添付文書上の用法は両薬剤とも食後に限定されていません。通園などで「お昼は飲めないから朝と夕だけ飲めばいい」と保護者が判断しないように、「食事にかかわらず、1日3回飲み続けることが重要」だと伝えたいです。日常生活での注意点 JITHURYOUアセトアミノフェンの使用方法(使用頻度)。できるだけ鼻汁をとること。菌量が多いと抗菌薬の活性が低下することが知られているので、ドレナージはするべきです。また、鼓室に鼻汁が流れ込むため鼻をすすることは避けるべきで、鼻のかみかたの指導も一緒に行いたいです。耳漏がある場合、ガーゼなどの交換すること。分泌液をそのままにしておくと、かぶれて炎症を起こす可能性があります。下痢をする可能性があるので、できるだけ消化の良いものを摂らせること。後編では、本症例の疑義照会をする/しない 理由を聞きます。

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統合失調症に対する第2世代抗精神病薬持効性注射剤の治療結果

 統合失調症患者における、第2世代抗精神病薬(SGA)の長時間作用型持効性注射剤(LAI)による治療と、再発、精神科への入院、入院日数、故意による自傷行為の回数および入院関連費との関連について、デンマーク・オールボー大学のRene Ernst Nielsen氏らが、調査を行った。Schizophrenia Research誌オンライン版2018年7月10日号の報告。 本調査は、SGA LAI開始前後におけるミラーイメージモデルを用いた、全国人口ベースのレトロスペクティブ研究として実施された。 主な結果は以下のとおり。・調査母集団には、1万509例が含まれた。分析対象患者は、6ヵ月間で2,223例、12ヵ月間で1,383例、24ヵ月間で713例であった。・LAI開始後、再発回数の減少が認められた。発生率比(IRR)は、6ヵ月間で0.60、12ヵ月間で0.64、24ヵ月間で0.64であった(すべてp<0.001)。・精神科への入院の回数も、同様に減少が認められた。IRRは、6ヵ月間で0.59、12ヵ月間で0.60、24ヵ月間で0.64であった(すべてp<0.001)。・精神科への入院日数においても、6ヵ月間で58日、12ヵ月間で100日、24ヵ月間で164日の減少が認められた(すべてp<0.001)。・LAI開始患者におけるCox回帰モデルでは、診断時の年齢が高く(HR:0.99、95%CI:0.98~0.99、p<0.001)、診断された年が遅くなる(HR:0.99、95%CI:0.98~1.00、p<0.05)と再発率がより低かった。また、主に精神医学的合併症(HR:1.07、95%CI:1.04~1.11、p<0.001)や心血管疾患(HR:1.12、95%CI:1.01~1.26、p<0.05)では、再発との関連が認められた。 著者らは「本デザインが因果関係に関する推論を考慮していないとしても、本知見は、SGA LAIの使用を支持するものである」としている。■関連記事2つの月1回抗精神病薬持効性注射剤、有用性の違いは統合失調症薬物治療、LAIは早く使うべきなのかパリペリドン持効性注射剤、国内市販後の死亡例分析結果

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アトピー性皮膚炎治療薬デュピルマブ、ワクチン接種に影響なし

 IL-4/IL-13のシグナル伝達を阻害する、抗ヒトIL-4Rα抗体デュピルマブが、アトピー性皮膚炎(AD)患者のワクチン接種後の反応に、どう影響を及ぼすかは知られていない。米国・Oregon Medical Research CenterのAndrew Blauvelt氏らは、無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験において、デュピルマブが、破傷風・ジフテリア・百日咳混合ワクチン(Tdap)および4価髄膜炎菌ワクチンの接種に影響を及ぼさないことを明らかにした。またデュピルマブは、血清総IgE値の有意な減少、プラセボと比較したADの重症度改善、良好な忍容性を示した。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年8月6日号掲載の報告。 研究グループは、破傷風および髄膜炎菌ワクチンによるT細胞の細胞性免疫反応および液性免疫反応、TdapによるIgE抗体の陽転化、およびデュピルマブの有効性と安全性について評価することを目的に、無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験を実施した。中等度~重度ADの成人患者178例を対象とし、デュピルマブ(300mg)群またはプラセボ群に割り付け、週1回16週間皮下投与した。また、12週時に、Tdapおよび4価髄膜炎菌ワクチンを1回接種した。 主要評価項目は、16週時に破傷風トキソイドに対して十分なIgG反応を達成している患者の割合であった。 主な結果は以下のとおり。・デュピルマブ群とプラセボ群で類似の陽性反応が示された(破傷風菌:83.3%および83.7%、髄膜炎菌:86.7%および87.0%)・デュピルマブの皮下投与は、血清総IgE値を有意に減少させた。・デュピルマブ群の大部分は、32週時にTdap IgEが血清反応陰性となった(デュピルマブ群62.2%、プラセボ群34.8%)。・デュピルマブは、ADの鍵となる有効なエンドポイントを改善した(p<0.001)。・注射部位反応と結膜炎がデュピルマブ群で多くみられ、プラセボ群ではADの増悪が高頻度であった。

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禁煙後の体重増加、死亡リスクへの影響は?/NEJM

 禁煙後の体重増加が、禁煙によるベネフィットを減弱させるかは不明とされる。米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のYang Hu氏らは、3つのコホート研究のデータを解析し、体重増加は短期的な2型糖尿病のリスクを増大させるものの、禁煙による心血管イベントや死亡の抑制効果には影響しないことを示した。研究の成果は、NEJM誌2018年8月16日号に掲載された。禁煙により主要な慢性疾患のリスクが軽減し、余命の延長がもたらされるが、顕著な体重増加を来す場合があり、食欲の増進やエネルギー消費の低下に起因する可能性が指摘されている。体重増加は、禁煙の意欲を失わせ、心血管代謝疾患や早期死亡のリスクが増加することで、禁煙の健康ベネフィットが減弱する可能性が示唆されている。禁煙後6年の体重増加の、糖尿病、死亡リスクへの影響を評価 研究グループは、禁煙後の体重の変化に伴う疾患や死亡のリスクの推移を検討した(米国国立衛生研究所[NIH]の助成による)。 米国の男女を含む3つのコホート研究(Nurses' Health Study[NHS]、NHS II、Health Professionals Follow-up Study[HPFS])から、禁煙の報告のある参加者を同定し、喫煙状況と体重の変化を前向きに調査した。 被験者は、喫煙、禁煙(禁煙期間が2~6年)、長期禁煙(禁煙期間が6年超)、一過性禁煙、生涯非喫煙に分けられた。今回は、禁煙後6年間の体重の変化に焦点を当て、禁煙群を体重増加なし(不変および減少)、0.1~5.0kgの増加、5.1~10.0kgの増加、>10.0kgの増加に分類した。禁煙後の体重の変化の程度別に、2型糖尿病、心血管死、全死因死亡のリスクを評価した。体重増加がない禁煙者は、長期に死亡リスクが低下 ベースラインの喫煙群および4つの禁煙群の平均年齢は52.2~56.1歳、平均BMIは23.4~26.4であった。平均フォローアップ期間は19.6年で、この間に1万2,384例が2型糖尿病を発症し、2万3,867例が死亡(心血管死5,492例を含む)した。 全体の2型糖尿病のリスクは、禁煙群が喫煙群に比べ高かった(ハザード比[HR]:1.22、95%信頼区間[CI]:1.12~1.32)。2型糖尿病のリスクは禁煙後5~7年時にピークに達し、その後は徐々に低下した。この一時的なリスクの増加は、体重増加の程度と比例し、体重増加のない禁煙者ではリスクは増加しなかった(交互作用:p<0.001)。禁煙後6年間で2型糖尿病リスクは68.4%増加した。 これに対し、禁煙群では、禁煙後の体重の変化の程度にかかわらず、一時的な死亡リスクの増加は認めなかった。喫煙群と比較した心血管死のHRは、体重増加のない禁煙者が0.69(95%CI:0.54~0.88)、体重増加が0.1~5.0kgの禁煙者が0.47(0.35~0.63)、5.1~10.0kgの禁煙者が0.25(0.15~0.42)、>10.0kgの禁煙者が0.33(0.18~0.60)であり、長期禁煙者は0.50(0.46~0.55)だった。 喫煙群と比較した全死因死亡のHRには、心血管死とほぼ同様の関連が認められ、それぞれ0.81(95%CI:0.73~0.90)、0.52(0.46~0.59)、0.46(0.38~0.55)、0.50(0.40~0.63)、0.57(0.54~0.59)であった。 心血管死のリスクは、禁煙後持続的に低下し、10~15年後に最低値に達した後、緩徐に増加したが、喫煙者のレベルに到達することはなかった。このような関連のパターンが、体重が増加したすべての禁煙者にみられたが、体重が増加しなかった禁煙者は10~15年以降もリスクが低下し続け、その後、上昇傾向をみせずにプラトーに達した。 全死因死亡のリスクは、禁煙後5~7年まで単調に減少し、その後プラトーに達した。このパターンは、体重が増加したすべての禁煙者にみられたが、体重が増加しなかった禁煙者は、禁煙以降、直線的にリスクが低下した。 著者は、「以前の複数の研究で、禁煙後の2型糖尿病リスクの短期的な上昇を示唆する結果が示されており、今回の研究結果はこれらの知見と一致する」としている。

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糖尿病合併症リスクの啓発サイト開設

 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社と日本イーライリリー株式会社は、日本糖尿病協会監修のもと、糖尿病の合併症のリスク啓発ウェブサイト(「どうなる? どうする? 糖尿病」:https://www.dounaru-dm.jp/)を2018年8月24日に開設した。 糖尿病では、食事・運動療法、服薬アドヒアランスなど、患者の主体的な取り組みが、治療目標達成の成否に関わるが、初期段階では自覚症状に乏しく、患者自身が主体性を持って治療に取り組みにくい傾向にある。また、患者の合併症の認知率や理解度についてもさまざまで、患者が合併症のリスクについて理解し、納得したうえで、主体的に治療に取り組むことが、糖尿病治療の目標達成に重要であると考えられている。 こうした現状を踏まえ、両社が日本糖尿病協会監修のもと、糖尿病患者やその家族が、糖尿病の合併症について正しい知識を身に付け、早期から合併症を見据えた治療に取り組み、糖尿病の治療目標達成をサポートすることを目的に、同ウェブサイトを開設したものである。 同ウェブサイトの監修を担当した日本糖尿病協会の清野 裕理事長は、「糖尿病の恐ろしさは、自覚症状がないまま合併症が静かに進んでしまうことです。逆に、合併症の発症を抑える事が出来れば必要以上に恐れることはありません。だからこそ、合併症のリスクを見据えて早期から血糖をコントロールすることが何よりも大事で、その後の合併症の予防につながります」とコメントを寄せている。 同ウェブサイトは、「糖尿病と血管の関係」「糖尿病の合併症って?」「リスクを数字で知ろう」「治療について知っておきたいこと」「自分と大切な人のために行動しよう!」と大きく5つのメニューに分かれ、糖尿病の合併症について、より理解を深めるとともに、食事・運動を基本として、治療に積極的に取り組むことによって合併症発症リスクの回避につながることを伝えている。また、患者が糖尿病合併症について主治医に相談する際のチェックシートも掲載し、合併症リスクに備えるため、主治医とともに前向きに取り組めるように工夫を凝らしている。■参考どうなる? どうする? 糖尿病■関連記事糖尿病診療コレクション

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NovartisのPI3K阻害剤、PIK3CA変異乳がんの主要評価項目を達成(SOLAR-1)

 Novartis社は、2018年8月23日、閉経後女性および男性のPIK3CA変異のあるHR陽性HER2陰性(HR+/HER2-)の進行乳がんにおいて、α特異的PI3K阻害剤BYL719(alpelisib)を評価する第III相SOLAR-1試験で、無増悪生存期間(PFS)を改善し、主要評価項目を達成したと発表。 BYL719は経口のPI3K阻害剤。PIK3CA変異を有する乳がん細胞株において、PI3K経路を阻害し、抗増殖効果を有することが示されている。 SOLAR-1は、アロマターゼ阻害剤±CDK4/6阻害剤で進行した、閉経後女性および男性のPIK3CA変異のあるHR陽性HER2陰性(HR+/HER2-)進行乳がんにおいて、フルベストラントとBYL719の併用とフルベストラント単独とを比較した国際第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験。572例の患者が1:1の割合で、BYL719+フルベストラントまたはプラセボ+フルベストラントに無作為化された。■参考Novertis社ニュースリリース

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心臓手術で「エキストラ」にできること(解説:香坂俊氏)-905

 床屋に行ったりすると、最後に整髪料を付けてくれたり、あるいはジェル等を使って髪形を整えてくれたりすることがある。たまに肩や首をマッサージしてくれることもある。筆者は顔のパックを試していきませんか、と言われたこともある(断った)。ケースバイケースだが、こうした【エキストラなサービス】は概して嬉しいものである。 これが心臓外科手術だったらどうだろうか? 通常心臓外科手術というのは、目的とする冠動脈バイパス術なり弁置換術なりを行って、サッと胸を閉じてしまうことがほとんどだが、たまに術者が【エキストラなサービス】としてちょっとした手技を追加してくれることがある。 その代表格が左心耳の閉鎖術ではないだろうか。この左心耳は左房で盲端になっており、肺静脈から流れてくる血液の一時的なバッファー(緩衝地)として働いている。が、心房細動になると、途端にお荷物となり、盲端であるがために血栓が好発し、脳梗塞を起こすことが知られている。なので、冠動脈バイパス術なり弁置換術なりの心臓手術を行うときに、もしその患者さんが心房細動を合併していたら、ついでに心臓外科医が左心耳閉鎖術も一緒にやってくれることはよくある(同意の上で)。 この左心耳閉鎖術の追加は、伝統的に「おそらく生理学的に問題ないであろうし、血栓もできなくなるだろう」と考えられ、とくにRCTが行われることもなく慣習的に続けられてきた。そこで、「大きなデータベースもあることだし、一度ここらで一度検証しておこうか」ということで、米国での解析が行われた。 用いられたのは10,520例の心臓手術患者のデータである。ちなみにすべての方が65歳以上で、心房細動を合併していた。エキストラに左心耳閉鎖術が行われていたのは3割程度であったが、可能な限り背景因子などを調整し、マッチさせて比較したところ、予想通り左心耳閉鎖が行われた患者で予後が良好だったとの結果が得られている(平均追跡期間2.6年で脳梗塞のハザードは33%程度低下)。 ただ、この研究に関しては後ろ向き研究に関する限界を踏まえて解釈せねばならず、現場の「心臓外科医」がベストの判断で行った結果を検証しただけであるので、この結果即すべての心臓手術患者さんに対して左心耳閉鎖術を行うということにはならない。また、抗凝固療法の扱いにも決まったルールがあったわけではなく、サブ解析では「抗凝固が退院後も続けられていた症例に限れば、左心耳閉鎖施行と予後改善に関連はなかった」とされている。 とりあえず今の段階で言えることは、心臓外科医が【エキストラなサービス】として選択的に左心耳閉鎖術を行っても害はなく(よかった!)、場合によってはメリットがあるかもしれないということになる。米国で左心耳閉鎖が行われた症例の割合が30%程度だった、というのも1つの指標として役に立つだろう(その割合を大きく超えて左心耳閉鎖を行った場合、今回の結果が当てはまらなくなる可能性が高い)。今後この領域には、ウォッチマンなど経皮的に左心耳を閉鎖できるデバイスが導入されてくるが、こうした新たな手法による適応の拡大にはRCTの施行を視野に入れた慎重な議論が必要だろう。

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潰瘍性大腸炎〔UC : ulcerative colitis〕

1 疾患概要■ 概念・定義潰瘍性大腸炎は、クローン病とともに炎症性腸疾患の1つで、主に粘膜および粘膜下層を侵し、しばしばびらんや潰瘍を形成する大腸の原因不明のびまん性非特異性炎症である。■ 疫学欧米に多く、白人とくにユダヤ系での発症が多いとされる。日本を含めた東アジアでも増加の一途をたどっている。難病であることから、わが国では指定難病に指定されており、患者数は20万人以上とされ、さらに毎年1万人程度増加している。性差はみられず、発症年齢は10代後半~30代に多く、25~29歳にピークがみられる。■ 病因発症原因はいまだ不明であるが、研究は飛躍的に進み、これまでの免疫学的な研究をはじめ、近年「genome-wide association study(GWAS)」により160以上の疾患関連遺伝子が特定され、また発症に関連する腸内細菌についても多くのことがわかり始めている。遺伝的素因、環境因子を背景に腸内細菌の影響の存在のうえで免疫異常を来し、腸管での免疫寛容が破綻することで慢性腸炎を誘導する。潰瘍性大腸炎ではクローン病とは対照的に、喫煙者の発症リスクは低い。発症自体とストレスの関連性は立証されていない。■ 症状主症状は粘血便(40%)、下痢(40%)、腹痛(30%)で、発熱や出血に伴う貧血もみられる。合併症は長期経過例での発がん、腸管外合併症として原発性硬化性胆管炎、仙腸関節炎や強直性脊椎炎などの関節炎、結節性紅斑や壊疽性膿皮症などの皮膚病変などがある。また、重症例では血栓傾向を認め、静脈血栓症のリスクがある。■ 分類治療法を選択するうえで、病期・病型(病変の広がり)・重症度を分類することが重要である。活動期か寛解期か、活動期であれば重症度(軽症〔63%〕・中等症〔28%〕・重症〔3%〕)(表1)および内視鏡所見(軽度・中等度・強度)(図1)はどうか、そして病型(直腸炎型〔22%〕、左側大腸炎型〔27%〕、全大腸炎型〔38%〕、右側あるいは区域性大腸炎)によっては局所製剤の適応を考慮することとなる。そのほか、臨床経過により再燃寛解型、慢性持続型、急性劇症型、初回発作型に分類される。難治性潰瘍性大腸炎の定義は、厳格なステロイド療法にありながらステロイド抵抗例あるいはステロイド依存例、またステロイド以外の厳密な内科治療下にありながら、再燃を繰り返すか慢性持続型を呈するものとされる。画像を拡大する画像を拡大する■ 予後治療介入の影響があるため、潰瘍性大腸炎の自然史は不明な点が多いが、炎症性腸疾患の自然治癒率は10%とされる。また、長期経過において50%は病状が安定していく。全大腸切除率は、欧米のコホート研究では発症1年で10%、2年目で4%、以降1年ごとに1%増加し、わが国では10年後の累積手術率は15%、とくに全大腸炎型では40%と高率である。死亡率についてはメタ解析によると、標準化死亡率は1.1で一般と差がない。炎症型発がんに起因する大腸がんの発生は、発症8年で1.6%、20年で8%、30年で18%と増加し、全大腸炎型に多いが、治療の進歩により近年では発がん率が減少しているとする報告もある。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)診断において最も重要なのが、病歴の聴取である。慢性の下痢・粘血便で潰瘍性大腸炎を疑い、病歴や細菌検査などで腸結核やアメーバ性大腸炎を含めた感染性腸炎・放射線照射性大腸炎・薬剤性大腸炎・虚血性大腸炎などを除外する。次に大腸内視鏡検査を行い、特徴的な病変を確認し生検を併用する。内視鏡所見では、直腸から連続する全周性・びまん性の活動性炎症を認め、粘膜浮腫による血管透見消失から細顆粒状粘膜、膿性粘液が付着し、易出血性、びらん・潰瘍形成、広範な粘膜の脱落と炎症の強度が上がる。病理組織検査では、慢性炎症の所見があるかないかで炎症性腸疾患か否か判別し、そうであれば潰瘍性大腸炎かクローン病かを検討する。これらの所見で総合的に判断するが、クローン病や腸型ベーチェットの鑑別も重要である。診断の確定は診断基準(表2)に照らし合わせて行う(図2)。画像を拡大する画像を拡大する「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班(鈴木班).平成29年度分担研究報告書.潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 平成29年度改訂版 別冊.2018.3 治療 (治験中・研究中のものも含む)治療は、寛解導入療法とその後の寛解維持療法の双方を考えながら選択していく。厚生労働省難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班(鈴木班)の潰瘍性大腸炎治療指針を示す(表3)。寛解導入療法は、臨床的重症度と病型によって選択される(図3)。重症例や全身状態が不良な中等症では、入院のうえ、全身管理を行いながら治療をする。近年、重症例や難治例に対しタクロリムス(商品名:プログラフ)やインフリキシマブ(同:レミケード)、アダリムマブ(同:ヒュミラ)、ゴリムマブ(同:シンポニー)(図4)、さらには2018年にトファシチニブ(同:ゼルヤンツ)、ベドリズマブ(同:エンタイビオ)と新たな治療の選択肢が増えたが、効果不十分な場合に次々と別の治療法を試すのには慎重であるべきで、外科治療のタイミングを誤らないようにすることが重要である。画像を拡大する「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班(鈴木班).平成29年度分担研究報告書.潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 平成29年度改訂版 別冊.2018.画像を拡大する「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班(鈴木班).平成29年度分担研究報告書.潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 平成29年度改訂版 別冊.2018.画像を拡大する「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班(鈴木班).平成29年度分担研究報告書.潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 平成29年度改訂版 別冊.2018.重症例やステロイド抵抗例・依存例つまり難治例において、タクロリムスやインフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ、シクロスポリン、トファシチニブ、ベドリズマブを使用する際は、専門施設での施行が望ましい。ステロイド、抗TNFα抗体や免疫調節薬を使用する際は、肝臓学会のガイドラインに沿ってHBV再活性化に対するサーベイランスが必要である。また、入院中の絶食は治療効果に影響しないばかりでなく栄養状態の悪化を招き、回復の遅延や術後合併症のリスクとなるため、大量出血や高度な腹痛などの超急性期以外は安易に選択するべきではない。維持治療においては、十分量を長期に使用することが重要で、いずれの維持治療においても薬剤中止後1年で50%が再燃するため、特段の事情がない限りは中止するべきではない。また、再燃の最大のリスクは、服薬アドヒアランスの低下であり、十分な服薬指導と定期的な確認が重要である。1)5アミノサリチル酸(5-ASA)製剤サラゾスルファピリジン(商品名:サラゾピリンほか)、メサラジン(同:ペンタサ、アサコール、リアルダ)が、わが国で使用できる5-ASA製剤である。炎症性腸疾患治療の基準薬であり、50~80%の寛解導入効果がある。また、寛解維持にも優れ、十分量を長期に使用することが重要である。4g/日以上の高用量導入が可能になり、ステロイドの投与を避けられる症例が増えた。まれに導入後・増量後に発熱・下痢を来すことがあるので5-ASAアレルギーを疑い、5-ASAでの維持が困難な場合は、後述の免疫調節薬にて維持治療を行うことになる。分割投与よりも1回または2回での投与のほうが、服薬アドヒアランスのみならず効果としても優れる可能性があり、2g/日では分1投与が認められている。また、リアルダは4.8g/日の1回投与製剤であり、より高用量の投与ができかつアドヒアランスの面でも有用である。直腸病変や遠位大腸病変には局所製剤の単独ないし併用が有用である。2)ステロイド寛解導入療法として中心的な薬剤であり、十分量の5-ASA製剤で効果不十分 な場合はステロイドの全身投与を行う。短期的には84%で有効である。しかし、離脱率は50%のみで、30%は手術、20%はステロイド依存となっていた。中等症では30~40mg経口投与を行い、1~2週間で効果判定を行う。重症潰瘍性大腸炎においては、ステロイド1~1.5mg/kgの静注療法を行うことで、約半数で寛解導入が可能である。さらに増量したとしても効果の増強は認めず副作用の危険のみが増すことが知られている。ステロイドが無効または効果不十分な場合は、ステロイド抵抗例として難治例の治療を行うことになる。維持療法としてのエビデンスはなく、寛解導入後は3~4ヵ月を目安に漸減・中止し、5-ASA製剤等での寛解維持療法へ移行する。漸減中の再燃または中止後早期の再燃を認める場合は、ステロイド依存例として免疫調節薬での寛解維持療法を行うことが望ましい。坐剤や注腸といった局所製剤は5ASA製剤が第1選択とされるが、ブデソニド注腸フォーム剤(同:レクタブル注腸フォーム)は他の注腸製剤より忍容性が高く、またブデソニドであるためステロイドによる副作用も軽減できるとされる。3)免疫調節薬アザチオプリン〔AZA〕(同:イムラン、アザニン)、メルカプトプリン〔6-MP〕(同:ロイケリン/保険適用外)。効果発現に1~3ヵ月を要するため、急速な寛解導入には向かず、主に寛解維持治療に使用する。約60%の良好な寛解維持率を認め、ステロイド減量効果も明らかとなっておりステロイド依存例の寛解維持治療に重要である。不耐症例があるため、導入初期は短期間でのモニタリングが必要である。適正投与量は個体によって異なるため、少量から開始し、WBC 3,000~4,000/μL程度への減少を目安にAZA 2~2.5mg/kg、6-MP 1~1.5mg/kgを目処に増量を試みる。感染症のリスクは、ステロイドに比較すると低い。4)タクロリムス(同:プログラフ)化合物としてはまったく異なるが、シクロスポリンと同様にカルシニューリン阻害剤として作用し、IL-2やIFN-γなどのサイトカイン産生を抑制する。わが国で開発された薬剤で、中等症~重症の潰瘍性大腸炎においてRCT(無作為化比較試験)で68%と高い改善率が認められた。添付文書の導入法では、目標血中トラフに到達するのに比較的長期間を要するため、専門施設を中心に速やかに上昇させる工夫がなされている。食前や絶食下での経口投与、高用量導入、また一部施設では持続静注によって急速に血中濃度を上昇させ、速やかな効果発現を得ている。寛解維持効果も示唆されているが、原則として3ヵ月を目安に中止するため、寛解導入後は免疫調節薬での寛解維持が望ましい。5)シクロスポリン(同:サンディシュン、ネオーラル / 保険適用外)タクロリムス同様カルシニューリン阻害剤として作用する。シクロスポリン持続静注は、ステロイド抵抗性の重症潰瘍性大腸炎に対し有効率は70~80%と高いが、長期成績は3年後の手術率50%、7年後88%と不良で、シクロスポリンで寛解導入した場合は、寛解維持に免疫調節薬が必要である。タクロリムスと異なり腸管からの吸収が安定しないため、経口投与での血中濃度の維持が困難であり、シクロスポリンでの寛解維持はできない。6)抗TNFα抗体製剤(インフリキシマブ〔レミケード®〕、アダリムマブ〔ヒュミラ®〕、ゴリムマブ〔シンポニー®〕)寛解導入および寛解維持に用いる。大規模なRCTの結果、抗TNFα抗体であるインフリキシマブがクローン病、関節リウマチなどに続き、認可された。既存治療抵抗性の中等症~重症潰瘍性大腸炎に対し、導入8週で69%の有効率、38.8%の寛解導入率を認め、30週で34%の寛解維持効果を示した。クローン病と同様に5mg/kgを0週、2週、6週で投与し、以降は8週毎の投与となる。潰瘍性大腸炎においては、効果減弱の際の倍量投与は認められていない。また、2013年6月ヒト抗体のアダリムマブが、潰瘍性大腸炎にも認可され、初回は160mg、2週後に80mg、以降は2週毎に40mgの皮下注射を行うが、これは自己注射が可能である。さらに2017年3月に4週間毎の皮下注射製剤であるヒト抗体のゴリムマブが適用追加となった。いずれの薬剤も導入前に胸部単純X線検査(必要に応じて胸部CT検査)、ツ反、IFN-γ遊離試験(IFN-γ release assay 〔IGRA〕: クオンティフェロン、TSPOTなど)で結核の感染を否定する必要がある。7)JAK阻害薬(トファシチニブ〔同:ゼルヤンツ〕)寛解導入および寛解維持に用いる。シグナル伝達分子をターゲットとした経口JAK阻害薬である。低分子化合物で、抗体製剤ではないため抗薬物抗体の産生による効果減弱は回避でき、また製造コストの抑制も可能である。既存治療抵抗性の潰瘍性大腸炎に対する第3相試験において、8週で約60%の改善率と18%の寛解導入率という有効性が示され、2018年5月に潰瘍性大腸炎に対して適用拡大となった。寛解維持率は、寛解導入試験で有効性を示した症例で52週の時点で34~40%の症例で寛解維持が得られた。なお、抗TNFα抗体製剤未使用例では寛解導入率25%で無効・効果減弱・不耐例では12%で、寛解維持率はそれぞれ5mg1日2回で27%、41%、10mg1日2回で37%、45%であった。投与法は1回10mgを1日2回、8週間投与し、効果不十分な場合はさらに8週間投与が可能である。寛解維持療法としては1回5mgを1日2回投与だが10mgを1日2回に増量することができる。なお、治験ではアジア人の比較的高齢者においてヘルペス感染症の発症が多く、注意が必要である。8) 抗α4β7インテグリン抗体(ベドリズマブ〔同:エンタイビオ〕)炎症細胞の腸管へのホーミングを阻害することで、炎症を抑制する。潰瘍性大腸炎に対する第3相試験であるGEMINI 1で47%の改善率と17%の寛解導入効果、52週において40~45%の寛解維持効果が示され、2014年に欧米で承認・発売となった。わが国においても臨床試験が行われ、2018年7月に承認された。300mgを0週、2週、6週で投与し、以降は8週毎の投与となる。腸管選択性が高いため、全身の免疫への影響が低いと考えられており、安全性に期待されている。薬理機序上効果発現はやや遅い印象があるが、寛解維持率が高く寛解維持療法における新たな選択肢として期待される。9)血球成分除去療法わが国で開発された白血球除去療法は、ステロイド抵抗例・依存例で保険適用とされ、使用されている。高用量のステロイドを要するような症例では、白血球除去療法を併用することで、より高い効果が期待でき副作用も少ないことが報告されている。しかし、海外での質の高いエビデンスは少ない。10)外科治療大腸穿孔、大量出血、中毒性巨大結腸症、重症・劇症で内科治療抵抗例、大腸がんおよびhigh grade dysplasia合併例では摘出手術の絶対的手術適応である。相対的手術適応例は、内科治療では寛解維持困難でQOLが保てない、または薬剤不耐などの難治例、内科治療抵抗性の壊疽性膿皮症など腸管外合併症例、狭窄や瘻孔、low grade dysplasiaなどの大腸合併症例である。術式は、大腸全摘・回腸嚢肛門吻合術(IAA)や大腸全摘・回腸嚢肛門管吻合術(IACA)が標準術式である。術後に回腸嚢炎を合併することがある。多くの報告で術後のQOLを評価しているが、いずれも術後数年でのQOLは良好である。4 今後の展望現在、創薬業界では生物製剤をはじめ分子標的薬が花盛りであり、炎症性腸疾患の分野も同様である。インフリキシマブが口火を切った炎症性サイトカインをターゲットとした抗体製剤や、接着分子をターゲットとし病原性リンパ球の腸管へのホーミングを阻害し動態制御を行うことで腸炎を抑制する薬剤、また造血幹細胞移植などが注目されている。新薬の許認可において、これまでいわゆるドラッグ・ラグがあり、有効な薬剤が欧米で使用可能でも、わが国で認可されるのが数年先となるようなことも少なくなかった。しかし近年、炎症性腸疾患の分野においては、多くが国際共同治験となり、ドラッグ・ラグは解消される方向へ向かっている。クローン病でも多くの治験が行われているが、潰瘍性大腸炎に対する今後の展開について述べる。現在臨床試験中あるいは終了している薬剤は、以下のようなものがある。炎症性サイトカインを標的とした薬剤としてJAK阻害薬が開発されている。承認されたトファシチニブに引き続いてJAK1選択性を高めた第二世代のJAK阻害薬であるフィルゴチニブやウパダシチニブなどが開発中である。クローン病において承認された抗IL12/23 p40抗体のウステキヌマブ(同:ステラーラ)は、潰瘍性大腸炎においても臨床試験が進んでおり、また抗IL23 p19抗体であるリサンキツマブやミリキツマブなども臨床試験が進んでいる。腸炎惹起性リンパ球の動態制御を目的とした薬剤も多数開発されている。抗α4β7インテグリン抗体であるベドリズマブに続き、AJM300は、わが国で開発された経口低分子化合物でα4インテグリンを阻害する。102例の潰瘍性大腸炎を対象とした第2相試験で、8週後の有効率62.7%、寛解率23.5%と有意に有効性を示した。低分子化合物であるため低コストで生産でき、抗体製剤のように免疫原性や効果減弱といったリスクを回避できる可能性がある。現在第3相試験中である。皮下注射製剤の抗MAdCAM抗体であるPF-00547659は、消化管組織中に発現するMAdCAMに結合し、インテグリンとの結合を阻害する。潰瘍性大腸炎に対する第2相試験TURANDOTで、12週の寛解率24%と有意な結果が報告された。S1Pおよびその受容体の1つであるS1P1受容体は、リンパ球の二次リンパ組織からの移出に必須の分子であるが、S1P受容体アゴニストはS1P1受容体を強力かつ長期に内在化させることで、リンパ球の動態制御を行い、炎症を抑制する。S1P1およびS1P5受容体に作用するRPC1063が、潰瘍性大腸炎に対する第2相試験TOUCHSTONEにおいて、8週で16.4%の寛解率、58.2%の有効率を示し、現在第3相試験へと移行している。その他、ブデソニドは、ステロイドの全身性の副作用の軽減を目的に、肝臓で速やかに代謝されるようデザインされた局所作用型のステロイドであり、欧米では一般に使用されているが、前述のようにわが国でもクローン病に対する経口薬に続き、本症で経肛門投与のフォーム薬が承認・発売された。また近年、腸内細菌研究の急速な進歩によってプロバイオティクスも再度注目されている。さらに、c.difficile関連腸炎において高い有効性を示し、欧米で認可された糞便微生物移植も炎症性腸疾患への応用が試みられているが、まだ有効性や投与法などに関する十分な大規模データは不足しているのが現状である。5 主たる診療科消化器内科、消化器外科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 潰瘍性大腸炎(一般向けと医療従事者向けのまとまった情報)日本炎症性腸疾患学会(医療従事者向けの研究情報)CCFA - Crohn's and Colitis Foundation of America(米国のIBD団体のサイト:一般利用者向けと医療従事者向けの情報)ECCO - European Crohn's and Colitis Organisation(欧州のIBD団体のサイト:医療従事者向けの研究・診療情報)東京医科歯科大学 潰瘍性大腸炎・クローン病先端治療センター(一般利用者向けの情報)厚生労働省 「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班(一般向けと医療従事者向けのまとまった情報、最新の診断指針・治療指針が公開されている。会員登録をすると「一目でわかるIBD」の閲覧やe-learningも可能)患者会情報IBDネットワーク(IBD患者と家族向けの情報)1)「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班(鈴木班).平成29年度分担研究報告書.潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 平成29年度改訂版 別冊.2018.2)日本消化器病学会.炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン2016. 南江堂; 2016.3)渡辺守 編. IBD(炎症性腸疾患)を究める. メジカルビュー社; 2011.4)炎症性腸疾患(第2版)-病因解明と診断・治療の最新知見. 日本臨牀社;2018.公開履歴初回2013年07月04日更新2018年08月28日

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017)夏は北海道で避暑生活!?【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第17回 夏は北海道で避暑生活!?しがない皮膚科勤務医デルぽんです☆今回は、デルぽんがまだ大学で専門外来をやっていたころのお話です。毎年、夏が近づくと、北海道で避暑生活をする患者さんがいました。彼女いわく、「夏の暑いのが苦手。だから涼しい北海道で過ごすことにしている」とのこと。北海道で避暑生活なんて、うらやましいぃ~!夏期が来ると、北海道にあるかかりつけ医へ、紹介状を持って転医。そして秋になると、あちらからの紹介状を持って、またこちらの外来へ戻ってこられるのでした。そんなセレブな避暑生活。北海道での住居はどうやって管理しているのか?別荘だとしたらそのお値段は? 家族はいるのか?? などなど、いろいろと気になってしまうデルぽんです。笑しかし、今年の猛暑では、さすがに北海道も暑かったのでは…!?こうも暑いと、どこか涼しい高原にでも移住したくなりますね。毎年夏になると思い出す、避暑生活をする患者さんのお話でした~☆それでは、また~!atsuko.takahashi8081

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地域支援体制加算の算定率から見えてくること【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第7回

2018年度の調剤報酬改定で新設された「地域支援体制加算」の算定状況に関する調査結果が明らかになりました。2018年6月1日時点で地域支援体制加算を算定していた薬局は、全国で15,012軒あり、保険薬局全体(59,864軒)の25.1%であった。算定薬局数は、東京や大阪などの保険薬局が多い大都市をもつ都道府県が目立って多かったが、保険薬局数に対する割合をみると、最も割合が高かった都道府県は奈良(41.0%)であり、次いで、長野(40.2%)であった。(株式会社日本アルトマーク プレスリリース 2018年8月7日)薬局の機能を評価した基準調剤加算はもともと2段階に分かれていましたが、2016年度に一本化され、そして2018年度で廃止となり、地域支援体制加算が新設されました。基準調剤加算は調剤基本料1を算定している薬局のみが算定できましたが、地域支援体制加算ではその決まりはなくなりました。しかし、調剤基本料1を算定しているかどうかによって、算定の難易度は大きく異なります。調剤基本料1を算定している場合は、基準調剤加算のときと同様の施設基準に加えて下表の3項目すべて、調剤基本料1以外を算定している場合は地域医療への貢献実績8項目すべてを満たす必要があります。調剤基本料1を算定している場合調剤基本料1以外を算定している場合1.麻薬小売業者の許可2.在宅患者の管理および指導の実績3.かかりつけ薬剤師指導料等の届出1.夜間・休日等の対応実績:400回/常勤薬剤師/年2.重複投薬・相互作用等防止加算等の実績:40回/常勤薬剤師/年3.服用薬剤調整支援料の実績:1回/常勤薬剤師/年4.単一建物診療患者が1人の場合の在宅薬剤管理の実績:12回/常勤薬剤師/年5.服薬情報等提供料の実績:60回/常勤薬剤師/年6.麻薬指導管理加算の実績:10回/常勤薬剤師/年7.かかりつけ薬剤師指導料等の実績:40回/常勤薬剤師/年8.外来服薬支援料の実績:12回/常勤薬剤師/年調剤基本料1を算定できているか否かによって難易度が違いすぎるのでは、と思うのは私だけではないと思います。8項目の内容もですが、それぞれの回数が常勤薬剤師1人当たりの1年の実績であること、というのが鬼ポイントですよね。そうなると、紹介した記事の中にある地域支援体制加算を算定できた薬局1万5,012軒が調剤基本料1かどうかの内訳が気になるところではないでしょうか。それに関しても同プレスリリースで明らかにされています。調剤基本料1その他の調剤基本料合計1万4,984軒(99.8%)28軒(0.2%)1万5,012軒はい、ほぼ調剤基本料1ですね。しかも、その他の28軒のうち27軒は医療資源の少ない地域として調剤基本料1扱い(調剤基本料の注1ただし書きに規定)になっています。調剤基本料1を算定している薬局の中にも地域貢献の実績8項目を満たしている薬局はあるかもしれませんが、はっきりと8項目すべてを満たしたとわかるのは全国でたった1軒。ぜひこの薬局へ取材に行ってみたいものです。調剤基本料1以外の場合の要件が今後の求められる水準か?調剤基本料は、基本的にはグループ全体の処方箋受付回数と集中率によって決められているため、その薬局の機能というよりは、その薬局の立地や法人の規模の評価です。とにかく門前薬局を少なくしたい、という国の思惑はあるのでしょうが、私個人としては患者さんの視点とはあまり関係がないため、重要視しすぎるのはどうかと思っています。地域支援体制加算は「かかりつけ薬剤師が機能を発揮し、地域包括ケアシステムの中で地域医療に貢献する薬局に対して、夜間・休日対応等の地域支援の実績などを踏まえて評価」するものですが、それらが正当に評価された加算なのか? と少し疑問に思います。ただし、調剤基本料1の算定が、国の思い描く方向であるということは、地域支援体制加算における地域医療への貢献実績の難易度の差を見ても明らかです。そして地域医療への貢献実績として示された8項目は、これから先の調剤報酬改定でも何かしらの要件として出てくると思われます。厳しい要件ではありますが、必要な要件に後押しされてできることが増えていくのは悪いことではありません。まずは1件、と取り組み始めた在宅薬剤管理も、経験や件数を積むごとに在宅に興味を持つ薬剤師も増えてきて、薬局全体で取り組む仕組みができてきた、という話も耳にします。今回、地域支援体制加算を調剤基本料1を算定した場合の要件で算定できていたとしても、調剤基本料1以外を算定している場合の要件を意識し、少しずつでも地域貢献の指標となる機能を満たすことができるように体制を整えていったほうがいいかもしれません。

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第1回 心電図の読み“型”伝授します【Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター】

連載を始めるにあたりあなたは今まで心電図をどう習ってきましたか…?こういう症状ならココ、あるいは、この病態を疑ったらココを見る…一般的な心電図教育はこうだと思いますが、ボクに言わせると、これは否。そういうやり方では“心電図の壁”は越えられない。ウン、絶対に。ボクの専門とする心臓病だけに限ったことではありませんが、実臨床の患者さんはバリエーションに富むため、必ずしも思い描いたシナリオどおりにはいきません。今回扱う症例もそう。肺炎の裏に隠れている病態―「胸が痛い」と言わなくても、危険因子がなくっても、心電図は静かにメッセージを発しています。それを“受信”できるか、それが医師としての真価です。さぁ症例スタート!症例提示81歳。男性。COPD、不整脈にて通院中。1週間前より体調不良で食欲も低下、倦怠感あり。息苦しく動けなくなり、家人が救急要請。来院時所見:傾眠。体温36.8℃。血圧78/58mmHg。脈拍数68/分・不整。酸素飽和度90%(マスク6L/分)。胸部CTでは、両肺にブラ散見、浸潤影を認める。以下に来院時心電図を示す(図1)。(図1)来院時心電図画像を拡大する【問題】来院時心電図(図1)の所見として正しいものをすべて選べ。1)洞(性)頻脈2)上室期外収縮ショートラン3)頻脈性心房細動4)右軸偏位5)時計回転6)異常Q波7)ST上昇8)ST低下9)左室高電位(差)10)低電位(差)解答はこちら 3)、6)、7)、8)、9)、10)解説はこちら 記念すべき初回の症例です。COPD加療中の高齢男性で、肺炎か心不全などが疑われる状況です。さて、ここで心電図をどう読むか、それを問うています。1)頻脈(拍)ではあっても、P波がないので基本調律は洞調律ではありませんよ。2)自動診断が上室期外収縮*ショートラン(連発)と指摘していますが、これはマチガイ。*「上室性期外収縮」とも言われますが、日本循環器学会の循環器学用語集の表記に統一しました3)心房細動は○。R-R不整で頻脈、V2誘導に細動波(f波)らしきものがかろうじて見えるため。4)判定がやや難しいですが、軽めの「左軸」偏位のため×。5)「反時計」回転かなぁーというレベル。4)と共に微妙ですが×。そして、なんと残りは全部○。II、III、aVFの下壁誘導の異常Q波とST上昇に気付きましたか? それに加え、aVLとV2~V6のST低下も指摘してください。また、胸部誘導のV5、V6あたりの高電位(差)は目立ちますし、逆に肢誘導は低電位(差)です。一見、相反する所見が共存しているのも面白いところですね。以上を基に心電図から疑われる診断名頻脈性心房細動急性期~亜急性期のST上昇型心筋梗塞(下壁)左室肥大低電位(肢誘導)今回取り上げた男性では、両側の肺炎以外に、心電図から心房細動による頻脈とST上昇型心筋梗塞(下壁)疑いが読み取れなくてはいけません。これは大きな“情報”です。「病歴に[不整脈]とあるし、心房細動は以前からで慢性かなぁ」とか、「心筋梗塞は本当に急性かなぁ? 肺炎にそんなに偶然に合併するかなぁ。胸痛みたいな訴えはないし、ガッツリQ波もできてて、STレベルが後々まで正常に回復せずに残る病態もあるって聞いた気がするし、昔の“傷跡”を見てるだけなのかなぁ」などなど…こうしてあれこれ考えるのは楽しいです。あとは病歴や血液検査、心エコーその他から総合的に考えて判断してください。己の型(かた)を持て!「症例のように与えられた選択肢の○×判定だけならできても、まっサラの心電図を渡されると、どこからどう見ていいのか…トホホ(泣)」なんてヒトいませんか? これがクイズをいくらやっても、臨床には役立たない(ことが多い)最大の理由! だからこそ、ボクはそこに一石を投じたい。形式はクイズでも、それを通してホンモノの心電図の読み方を“共有”できたら最高です。では、どうすればいいのか? 皆さんに“型(かた)”を持ってほしいのです。常に“いつものやり方”で、心電図の“ささやき”を漏れなく拾ってほしいのです。一例として、ボクがここ最近、レクチャーするときに使っている“魔法の語呂合わせ”をご紹介します(図2)。(図2)心電図の読み“型”杉山 裕章. 心電図のはじめかた. 中外医学社;2017.p.142.を改変詳細を見る 心電図が苦手なアナタに送るDr.ヒロ謹製のチェック手順。自分ではなかなかシャレた語呂に仕上がったと思っていますが、どうでしょう? 別にすべての人がこのゴロで読む必要はありません。すでに“オレ流・ワタシ流”の確立した読み方があるなら、それで結構。手段・手順は何でもいいんです。大事なのは“漏れなく”所見を拾うこと。コレがすべてです。現在の日本の心電図教育では、これが大きく欠けていると思います。もしも、あなたに特定の読み“型”がないのなら、ぜひこのやり方で(笑)。この“系統的な判読法”を普及させるのが、ボクの天命の1つと(勝手に)感じています。少し余談ですが、食事で“食べる順番”が大事って話、根拠があって興味深いなぁって思った経験があります。そういう意味では、“読む順番”も大事です。心電図の世界ではね。これから図2の概略を解説します。まずは不整脈のスクリーニング。最初はRが3つなので、“レーサー(R3)・チェック”と呼んでます(笑)。1つでもアウトなら、その人には不整脈があるので、その場合、最後に「この人の不整脈は何?」と振り返る必要があります。1)R-R間隔の整・不整を見た目で即決しましょう。2)心拍数(Rate)はいろいろ。自動診断を信じるか、自分で計算して求めるか。いずれにせよ、50~100/分ならセーフ。3)最後のRは調律(Rhythm)。正常ならサイナス(洞調律)のハズ。次からが、いわゆる波形診断。“ピッ(タリ)”のP波。ここでは、波形から右房と左房の負荷所見(「拡大」がより正確な表現)を読みます。そしてQRS波のチェックに入ります。ここが心電図診断の“花形”の1つです。“ク”のQ波。異常Q波がないか探します。“ルッ(と)”ではR波を見てください。その形状から“スパイク・チェック”とボクは名付けています。R波のチェックは3つ、ズバリ(a)向き、(b)高さ、(c)幅です。1つ目の「向き」は聞き慣れないでしょうが(ボク独特の言い方かも)、ここではQRS電気軸(肢誘導)を第一に見てください。余裕があったら、胸部誘導で「回転」の異常がないかもどうぞ。2つ目の「高さ」では、“高すぎ”または“低すぎ”を見ます。とくに高電位(差)のほうが頻度も高く、臨床的にも重要です。“低すぎ”は、ほとんどが肢誘導の低電位(差)です。3つ目は「幅」を見ましょう。QRS波が一番“おデブ”な誘導でワイド(0.12秒以上)なら、大半は脚ブロックで説明できないか考えます。“スター”はST偏位をチェック。上昇も低下も基線から1mm以上の変化が有意です。すべての誘導を見渡して、確実に拾い上げるべし!“ト”はT波の異常。陰性T(波)の有無がその中心です。余裕があれば、「高さ」も見ます。原理的には、T波にも高低があって、「平低T(波)」など指摘できたら素晴らしい。“バランス”は波同士の距離とか関係性のこと。これもボクしか言ってないかなぁ。少しわかりにくいかも? 前者はPR(Q)間隔とQT間隔が適切か見ます。これは各々P波とQRS波、QRS波とT波との距離に相当します。さらに、先述のレーサー(R3)・チェックから不整脈がありそうなら、P波とQRS波の関係性(ボクの言う“つながり”)はどうかもチェックしてください。ここまでできれば“ゴール”です。心電図だけではだめ。他の情報もプラスせよ欲張りなボクが皆さんに伝えたいもう1つのこと。それは、心電図“だけ”で考えようとしないこと。私たちは、心電図から漏れなく所見を拾い出し、それ単独で診断するのではなく、他の情報も加味して病態を推察し、次の臨床行動に活かすべきです。微力ながら、ボクはそのお手伝いをしたいと思っています。初回から若造が偉そうにすいません。はぁー、でも最初から言いたいことが言えてよかったぁ。マンゾク、満足(笑)。Take-home Message1)心電図は読み“型”が大切。一定の手順で漏れなく読み切ることを常に意識しよう。2)心電図“だけ”では診断せず、患者さん全体を見よう。【古都のこと~予告編~】次回から、自ら撮影した写真と共に、気の向くままに京都を紹介します。関東出身で京都には5年強しか住んでおらず、ネタのストックもまだ不十分なため、初回は自分の“作業環境”を披露します。2018年7月から導入したXPS 9370(DELL)は、約6年使用し、3冊の拙著を世に送り出した前機種への愛着を超えられるでしょうか。制作の効率化と手指への負担軽減に多大に貢献してくれるHHKBキーボード(PFU)にも、“運命の赤い糸”を感じてしまいます。

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シフト勤務と認知症発症リスクに関するコホート研究

 スウェーデン・カロリンスカ研究所のKathleen Bokenberger氏らは、Swedish Twin Registry(STR)より2つの集団ベースコホートにおけるシフト勤務と認知症との関連について調査を行った。European Journal of Epidemiology誌オンライン版2018年8月3日号の報告。 対象は、STR1973サンプルおよびScreening Across the Lifespan Twin(SALT)サンプル。STR1973サンプルの参加者(1926~43年生まれの1万3,283人)には、1973年時点でのシフト勤務状況(経験あり/なし)と期間(年)について、郵送によるアンケートを実施した。SALTサンプルの参加者(1900~58年生まれの4万1,199人)に対しては、1998~2002年の夜間勤務状況と期間について、電話による聞き取りを行った。 認知症診断は、Swedish Patient Registerより行った。Cox比例ハザード回帰を用いて、ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推定した。調整モデルには、年齢、性別、教育、糖尿病、心血管疾患、脳卒中などの潜在的交絡因子が含まれた。遺伝子型サブサンプル(STR1973:2,977例、SALT:1万366例)においては、APOEε4の状態を考慮した。 主な結果は以下のとおり。・STR1973サンプルでは、追跡中央期間41.2年後に983例(7.4%)の認知症症例が確認された。・SALTサンプルでは、追跡中央期間14.1年後に1,979例(4.8%)の認知症症例が確認された。・シフト勤務(HR:1.36、95%CI:1.15~1.60)および夜間勤務(HR:1.12、95%CI:1.01~1.23)は、認知症発症の上昇と関連が認められた。・用量反応関係がわずかに認められ、長期間のシフト勤務や夜間勤務により認知症リスクが増加することが予測された。・APOEε4キャリアでは、シフト勤務や夜間勤務を20年以上行った人は、日中勤務者と比較し、認知症リスクが高かった。 著者らは「夜間を含むシフト勤務を行っている人は、そうでない人と比較し、認知症発症リスクの増加と関連が認められた。本調査結果は、さらなる確認が必要である」としている。■関連記事長時間労働やシフト作業は認知症発症に影響するか小児期のストレスと将来の認知症発症との関連季節農家の労働者はうつ病になりやすいのか

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