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ローカルケアセンターの支援プログラム利用患者におけるアリピプラゾール持効性注射剤のアドヒアランス評価

 アリピプラゾール持効性注射剤(LAI)のためのASSUREプログラムのような患者支援プログラムは、統合失調症患者に対しLAIを含む医薬品の使用を支援できるよう考えられている。米国・大塚ファーマシューティカルD&C Inc.のMallik Greene氏らは、ローカルケアセンター(LCC)でのプログラムを利用している患者におけるアリピプラゾールLAIのアドヒアランスを評価するため、検討を行った。Current Medical Research and Opinion誌オンライン版2018年10月16日号の報告。 2014年10月~2018年2月にLCCを利用した患者よりデータを収集した。LCCでLAI治療を受け、プログラムの追加支援サービスに参加している患者の特徴、アリピプラゾールLAIによるプログラムの種類および患者の費用負担について調査を行った。アドヒアランスは、フォローアップ中に順守された日数(PDC)として測定され、LCCを6ヵ月および9ヵ月利用した患者において推定した。PDCが80%以上の患者をアドヒアランス良好と定義した。 主な結果は以下のとおり。・234例がLCCで1回以上のLAI治療を受け、患者支援プログラムに参加していた。・平均年齢は37.3(SD 13.5)歳、男性の割合は60.7%、メディケア対象者の割合は32.5%であった。・LCCを積極的に利用していた患者は、6ヵ月以上で157例、9ヵ月で87例であった。・フォローアップ期間中のPDCは、6ヵ月で97%、9ヵ月で98%であり、アリピプラゾールLAIのアドヒアランスは良好であった。 著者らは「LCC利用患者は服薬アドヒアランスが良好であり、センターが提供する注射剤サービスが治療の障壁を減少させ、統合失調症患者におけるLAI抗精神病薬の治療継続の助けとなることを示唆している」としている。■関連記事統合失調症に対する第2世代抗精神病薬持効性注射剤の治療結果統合失調症の再発率比較、併用療法 vs. 単独療法 vs. LAILAIを適切に使用するための5つのポイント

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50歳以上で増加の加齢黄斑変性、最新レジメンが患者と介助者を救う

 失明の原因第4位である加齢黄斑変性(AMD)。日本人の場合、50歳以上の男性の有病率が高く、なかでもリスクの高い滲出型になりやすいとの報告がある1)、2)。2018年10月16日にバイエル薬品が主催するプレスセミナー「中途失明を引き起こす疾患・滲出型加齢黄斑変性治療の新しいあり方~日本人患者さんにおける最新エビデンスより~」が開催され、高橋 寛ニ氏(関西医科大学眼科教室主任教授)と塙本 宰氏(小沢眼科内科病院)が登壇し、新たな治療レジメンと地方における治療継続の是非を語った。加齢黄斑変性は長期マネジメントが必要 AMDは、萎縮型(dry)と滲出型(wet)に分類され、日本人で発症しやすい滲出型加齢黄斑変性(wAMD)は、網膜に浮腫や出血を起こすことで高度の視覚障害リスクを伴う。これは、黄斑下に脈絡膜由来の脈絡膜新生血管の増殖が原因とされ、抗VEGF薬による治療が必要となる。自覚症状として、歪んで見える(変視症)、中心部が見えにくい(中心暗点)、ぼやけて見える(視力低下)があり、高橋氏は、「発症後10ヵ月で小数視力が0.4から0.2に低下するほどのインパクトがある」とコメントした。 主な危険因子に喫煙、加齢、肥満、太陽光などが挙げられ、同氏は、「1番の危険因子は喫煙であり、長期喫煙者は、非喫煙者と比較して4~5倍罹患率が上昇する」と述べ、「一度発症すると、寛解と再燃の繰り返しによる長期マネジメントが必要となるばかりか、視力低下が生活に影響を及ぼすことで、うつ傾向に陥る」ことを問題点として挙げた。Treat&Extend投与レジメンによる最新エビデンス 海外第III相試験(VIEW1試験)と日本人を含む第III相国際共同試験(VIEW2試験)により、アフリベルセプト群のラニビズマブ群に対する非劣性が検証される以前は、治療遅延による視力低下リスクのあるリアクティブ投与が行われていた。しかし、これらの試験結果に基づき、個々の患者に合わせ、事前に計画した適切な投与間隔で投与するTreat&Extend(T&E)投与レジメンが推奨されるようになった。 実臨床においてはアフリベルセプト投与のT&Eレジメンは厳密に行われておらず、リアクティブ投与が多用されることによって1年目に良好であった視力が2年後には低下傾向を示すことが判明した(市販後調査の結果)。このため、現在、アフリベルセプトにおけるT&E投与レジメンについて厳密に検討した、国内第IⅤ相臨床試験ALTAIR試験が行われている。今年9月には2年目のデータが中間報告され、これを踏まえて同氏は、「これまでのデータでは投与間隔の延長が最長12週間であったのに対し、16週間も投与を延長できた患者が40%もいた」と述べ、「医師と患者双方の負担を増やすことなく、長期の視力予後へ貢献できる」と、新しい治療法に期待を寄せた。治療継続には介助者負担の考慮も重要 wAMDの治療患者は高齢であり、車社会の地方部では送迎のための介助が必須となる。「付添人のつらさを目の当たりにした」という塙本氏は、未治療のwAMDに対して抗VEGF薬による治療が1年以上経過している患者と介助者を対象とした研究3)を行った。 この研究では、PRN法とT&E法による介助者への負担や患者の視力変化などについて検討した。その結果、介助者の半数が就業中で介助のために有給取得を行っている、介助者へ付き添う人の8割が毎月同一である、介助者の約8割が自家用車を利用、などの結果が得られた。また、介助者の負担感については、BIC-11(多次元介護負担感尺度:Burden Index of Caregivers-11)を用いて測定し、PRN群とT&E群では、後者の数字が低く、負担感を感じにくいという結果であった。これを踏まえ、塙本氏は「投与タイミングが事前にわかっているT&E法は患者と介助者の負担軽減にマッチした投与法」と述べ、「T&E群では、2年後視力もほぼ維持することができた」と、T&E法が患者と介助者双方のメリットに繋がることを示した。■参考1)Yasuda M, et al.Ophthalmology.2015;57:207-12.2)Yasuda M, et al.Ophthalmology.2009;116:2135-40.3)Hanemoto T, et al. PLoS One.2017;12:e0189035.バイエル薬品:ニュースリリース■関連記事加齢黄斑変性の抗VEGF阻害薬治療、3年後視力と強い関連

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治療困難な反復性片頭痛、erenumabは選択肢に/Lancet

 2~4種の予防的片頭痛治療が奏効しない/忍容性がない治療困難な反復性片頭痛(episodic migraine)に対し、新たな抗CGRP受容体抗体erenumabの140mg投与は、プラセボと比較し片頭痛を減らす効果が認められ、忍容性および安全性は同等であることが示された。ドイツ・Charite Universitatsmedizin BerlinのUwe Reuter氏らが、第III相の無作為化二重盲検プラセボ対照試験「LIBERTY試験」の結果を報告した。片頭痛持ちの患者のうち、経口の予防的治療が奏効しない/忍容性がないという人はかなりの割合で存在する。先行研究で、erenumabは片頭痛への予防的治療の有効性が認められており(反復性片頭痛、慢性片頭痛[Tepper S, et al. Lancet Neurol. 2017;16:425-434.]ともに)、研究グループは、治療困難な片頭痛へのerenumabの有効性と忍容性を検討した。Lancet誌オンライン版2018年10月22日号掲載の報告。erenumab 140mg vs.プラセボ、片頭痛の平均日数/月50%以上減少を評価 LIBERTY試験は16ヵ国59地点で、18~65歳、12ヵ月以上の反復性片頭痛(前兆の有無を問わない)既往で、スクリーニング前3ヵ月間の片頭痛が平均4~14日/月、2~4種の予防的治療が成功しなかった(有効性と忍容性のいずれか、もしくは両方に関して)患者を対象に行われた。 適格患者を無作為(1対1)に2群に割り付け、erenumab 140mg(70mg静注を2回で)またはプラセボを、4週に1回、12週間にわたって皮下投与した。無作為化は自動応答技術(interactive response technology)を用いて行われ、ベースライン段階の片頭痛の月当たり頻度により層別化(4~7 vs.8~14日/月)した。割り付けリストおよび被験者の治療群割り付けの生成にはCenduitを使用した。被験者、研究者、さまざまな評価を行う者、試験スポンサーは割り付けについてマスキングされた。 主要評価項目は、9~12週の片頭痛の平均日数/月がベースラインより50%以上減少した患者の割合。有効性の評価は全解析集団(割り付け治療を開始し少なくとも1回のベースライン後評価を受けた全患者を含む)で行われた。安全性と忍容性は、記録された有害事象、および身体検査、バイタルサイン評価、臨床検査室評価、心電図検査により評価された。安全性評価は、試験薬を少なくとも1回投与された割り付け患者について行われた。達成した患者の割合はerenumab群30%、プラセボ群14%で有意な差 2017年3月20日~10月27日に、246例が無作為化を受けた(erenumab群121例、プラセボ群125例)。予防的薬物療法の試みについて、2種の不成功ありが95例(39%)、同3種が93例(38%)、同4種が56例(23%)であった。ベースラインの平均日数/月は、erenumab群9.2日(SD 2.6)、プラセボ群9.3日(2.7)であった。 12週時点で、片頭痛の平均日数/月がベースラインよりも50%以上減少した患者の割合は、erenumab群30%(36/119例)、プラセボ群14%(17/124例)であった(オッズ比:2.7、95%信頼区間[CI]:1.4~5.2、p=0.002)。 忍容性および安全性のプロファイルは、両群で類似していた。また、最も頻度の高かった治療関連有害事象は注射部位疼痛で、両群7例(6%)ずつの発生であった。 結果を踏まえて著者は、「治療困難な(満たされない高い要求を有し、治療オプションが少ない)片頭痛持ちの患者にとって、erenumabは1つのオプションになるだろう」とまとめている。

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選択的JAK1阻害薬、乾癬性関節炎に有効/Lancet

 活動性の乾癬性関節炎の治療に、選択的JAK1阻害薬filgotinibは有効であることが、米国・ワシントン大学のPhilip Mease氏らによる第II相の無作為化プラセボ対照試験「EQUATOR試験」の結果、示された。16週時のACR20達成患者は80%に認められ、新たな安全性シグナルは認められなかった。JAK1経路は、乾癬性関節炎の病因への関わりが示唆されている。研究グループは、JAK1を選択的に阻害するfilgotinibの有効性と安全性を調べた。Lancet誌オンライン版2018年10月22日号掲載の報告。活動性の中等症~重症乾癬性関節炎患者が対象、16週時点のACR20達成を評価 EQUATOR試験は、7ヵ国(ベルギー、ブルガリア、チェコ、エストニア、ポーランド、スペイン、ウクライナ)25施設において成人(18歳以上)の患者を登録して行われた。試験適格は、活動性の中等症~重症乾癬性関節炎(関節の腫脹5つ以上および圧痛関節5つ以上がある場合と定義)で乾癬性関節炎の層別化基準「CASPAR」を満たしており、活動性の慢性尋常性乾癬もしくはその既往の記録があり、1種以上の従来型抗リウマチ薬(csDMARD)による効果が不十分あるいは不耐容の患者とした。対象患者のうち、少なくともスクリーニング前12週間にcsDMARDの投与が1回あり、少なくともベースライン前4週間に安定投与が1回あった場合は、試験期間中も引き続きcsDMARDが投与された。 研究グループは双方向ウェブベースシステムを用いて、対象患者を1対1の割合で、filgotinib 200mgまたはプラセボを1日1回16週間経口投与するよう無作為に割り付けた。csDMARDの現在の投与および抗TNFの既投与による層別化も行った。なお、患者、試験チーム、スポンサーは治療割り付けをマスキングされた。 主要評価項目は、完全解析集団(試験薬を1回以上投与した全患者を包含)における16週時点のACR20達成患者の割合で、Cochran-Mantel-Haenszel検定およびNRI(non-responder imputation)法を用いて両群を比較した。filgotinib群80%、プラセボ群33% 2017年3月9日~9月27日に191例がスクリーニングを受け、131例が無作為化され(filgotinib群65例、プラセボ群66例)、それぞれ60例(92%)、64例(97%)が試験を完了した。filgotinib群では5例(8%)、プラセボ群では2例(3%)が試験治療中断となった。 16週時点のACR20達成率は、filgotinib群80%(52/65例)、プラセボ群33%(22/66例)であった(群間差:47%、95%信頼区間[CI]:30.2~59.6、p<0.0001)。 少なくとも1件以上の治療関連有害事象が認められたのは、filgotinib群37例(57%)、プラセボ群39例(59%)であった。被験者6例でGrade3以上のイベントが認められた。最も頻度が高かったイベントは、鼻咽頭炎と頭痛で、発現頻度は各群で同程度であった。重篤な治療関連有害事象は、各群で1例ずつ認められた(肺炎および転倒後の大腿骨頸部骨折)。肺炎はfilgotinib群で認められ致死的であった。

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オラパリブ、新規診断の進行卵巣がんに前例なき効果(SOLO1)/NEJM・ESMO2018

 新規診断された進行卵巣がんのほとんどは、手術とプラチナベース化学療法による標準治療実施後、3年以内に再発する。PARP阻害薬オラパリブの有用性は再発症例に対しては確立されている。しかし、新規診断例の維持治療については十分ではない。そこで、新規診断されたBRCA1/2変異陽性の進行卵巣がんで、プラチナベースの導入治療に完全奏効(CR)または部分奏効(PR)した患者に対する、オラパリブの維持治療の有効性を評価する国際第III相SOLO1試験が行われた。試験の結果は、ミュンヘンでの欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)で発表され、同時にN Engl J Med誌2018年10月21日号に掲載された。 SOLO1試験は、無作為化二重盲検比較試験。・対象:BRCA1/2変異陽性で前治療にCRまたはPRとなった進行(Stage III/IV)卵巣がん・試験薬:オラパリブ(300mg x 2/日)・対照薬:プラセボ・評価項目:[主要評価項目]治験担当医評価による無増悪生存期間(PFS)、[副次評価項目]独立中央評価委員会(BICR)評価によるPFS、PFS2、全生存期間(OS)、初めての後治療までの期間、2回目の後治療までの期間、健康関連QOL 治療は2年間継続された(進行、忍容できない毒性の発現除く)。 主な結果は以下のとおり。・391例が登録され、オラパリブ群に260例、プラセボ群に131例に、無作為に割り付けられた。・追跡期間は41ヵ月であった。・治験担当医評価によるPFSは、オラパリブ群未達、プラセボ群13.8ヵ月と、オラパリブ群で有意に良好であった(HR:0.30、95%CI:0.23~0.41、p<0.0001)。3年PFS率はそれぞれ、60%と27%であった。・BICR評価によるPFAは、オラパリブ群未達、プラセボ群14.1ヵ月と、治験担当医評価と同じく、オラパリブ群で有意に良好であった(HR:0.28、95%CI:0.20〜0.39、p<0.0001)。3年PFS率は、それぞれ、69%と35%であった。 ・PFSのサブグループ解析は、すべての項目でオラパリブ群が有意であった。・PFS2は、オラパリブ群未達、プラセボ群41.9ヵ月であった(HR:0.50、95%CI:0.35~0.72、p<0.0002)。・中間解析による3年OS率は、オラパリブ群84%、プラセボ群80%であった(HR:0.95、95%CI:0.60〜1.53)。・Grade3以上の有害事象(AE)の発現は、オラパリブ群39.2%、プラセボ群18.5%であった。オラパリブ群において減量を必要とした症例の割合は28.5%、治療中止に至った症例の割合は11.5%であった。 NEJMの筆頭著者である米国・オクラホマ大学のMoore氏は、ESMO2018において、オラパリブの維持治療は、新規に診断されたBRCA1/2変異陽性進行卵巣がん患者に前例のないPFS改善を示したことから、スタンダード治療として考慮すべきである、としている。

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抗肥満薬であるlorcaserinは日本でも使用できるのだろうか(解説:吉岡成人氏)-942

抗肥満薬は臨床の現場に出てこない 肥満治療の基本は、食事療法と運動療法であり、非薬物療法を3ヵ月をめどに行ったうえでも、改善が認められない場合に薬物治療が考慮される。しかし、日本で使用が可能な薬剤はマジンドールしかない。米国では、膵リパーゼ阻害薬で腸管からの脂肪吸収を抑制する作用を持ったorlistatも発売されているが、日本での発売の予定はない。脳内で摂食亢進や快楽・報酬系に作動するカンナビノイド受容体の拮抗薬であるrimonabantは、自殺企図を含む重篤な精神疾患を引き起こすことから2008年に開発が中止となっている。また、ノルアドレナリンとセロトニンの再吸収取り込み阻害薬であるsibutramineは、血圧の上昇や心筋梗塞、脳卒中のリスク増加のため2010年に欧米の市場から撤退している。このように、抗肥満薬は開発・中断を繰り返しており、臨床の現場で応用されることがきわめて難しい薬剤となっている。lorcaserin 今回、抗肥満薬として期待されていたlorcaserinが、肥満2型糖尿病患者に対して有用である可能性を示す論文がLancet誌に報告された(Bohula EA, et al. Lancet. 2018 Oct 3. [Epub ahead of print])。lorcaserinはセロトニン5-HT(5-hydroxy-triptamine)2c受容体のアゴニストである。セロトニンは脳内に存在するモノアミンで、5-HT受容体を介して摂食抑制、睡眠、鎮静、疼痛閾値の調整、母性行動などに関与している。5-HT2c受容体は視床下部に発現し、食欲抑制に関与しており、そのノックアウトマウスでは過食や肥満をもたらすことが知られている。5-HT2c受容体への選択性が強いlorcaserinは、2010年に前臨床試験段階で乳腺腫瘍と星細胞腫の発生を増加させるリスクが懸念され、米国食品医薬品局(FDA)で認可されなかった。しかし、その後の第III相試験で腫瘍発生の増加がなかったため、2012年にFDAが認可した薬剤である。lorcaserinの心血管安全性 lorcaserinの心血管系に対する安全性を評価した二重盲検試験であるCAMELLIA(Cardiovascular and metabolic effects of lorcaserin in overweight and obese patients)-TIMI 61試験の結果が、2018年8月26日にNEJM誌電子版に掲載されている(Bohula EA, et al. N Engl J Med. 2018;379:1107-1117.)。 心血管死亡、心筋梗塞、脳卒中を合わせた複合イベントを主要評価項目とし、有効性については主要評価項目に不安定狭心症、心不全、冠動脈血行再建術を追加した複合イベントについて評価している。中央値3.3年間の追跡で、主要評価項目についてはlorcaserin群6.1%、プラセボ群6.2%(ハザード比:0.99、99%信頼区間:0.85~1.14)であり、安全性が確認された。有効性については、lorcaserin群11.8%、プラセボ群12.1%(ハザード比:0.97、99%信頼区間:0.87~1.9714)でプラセボに勝る心血管イベントの減少は示されなかった。lorcaserinは糖尿病治療にも有用 CAMELLIA-TIMI 61試験の副次評価項目である、2型糖尿病患者における血糖コントロール、糖尿病発症前から2型糖尿病への移行の遅延、糖尿病発症阻止の可能性を検討した詳細な結果が、今回Lancet誌に掲載された論文である。 アテローム動脈硬化性心疾患、または複数の心血管リスクを保有するBMI 27以上の肥満者を対象として、lorcaserinを投与した群では、1年時において糖尿病患者で平均107.6kgの体重がプラセボ群に比較して2.6kg(95%信頼区間:2.3~2.9)減少し、HbA1c 5.7~6.5%未満、空腹時血糖値100~125mg/dL未満の「前糖尿病」状態の対象者が糖尿病に移行するリスクも19%減少(8.5% vs.10.3%、ハザード比:0.81、95%信頼区間:0.66~0.99)し、糖尿病の発症予防に対するNNTは3年で56であると報告している。糖尿病患者においては、細小血管障害(網膜症、持続アルブミン尿、末梢神経障害)の発症も抑止された(10.1% vs.12.4%、ハザード比:0.79、95%信頼区間:0.69~0.92)という。代謝の改善と心血管イベント lorcaserinは従来の抗肥満薬と同様に、体重の減少と糖尿病の発症予防、糖尿病の病態の改善に有用であり、かつ、心血管安全性も確認されたといえる。しかし、減量に成功し、血糖コントロールが改善しても、3.3年の期間では心血管イベントの発症に好影響をもたらさなかった。 はたして日本でも市場に登場する薬剤となるのかどうか、今後の展開が注目される。

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至適用量って、わからないのね?(解説:後藤信哉氏)-944

 ワルファリン以外の抗凝固薬としてトロンビン阻害薬、Xa阻害薬が開発された。ワルファリンと異なり「用量調節不要!」と当初宣伝された。しかし、心房細動の脳卒中予防以外の適応拡大においてリバーロキサバンでは「節操がない」ほど各種用量が選択された。2.5mg×2/日の用量は急性冠症候群(ATLAS TIMI 51)、冠動脈疾患・末梢血管疾患(COMPASS)では有効性が示された(重篤な出血合併症は増加したが…)。同一用量が心不全では有効性を示せなかった(COMMANDER HF)。 今回は、COMMANDER HFのような収縮機能の阻害された心不全を含む内科疾患の入院症例における、症候性静脈血栓塞栓症・静脈血栓塞栓が疑われる死亡の複合エンドポイントとした試験が、リバーロキサバン10mg/日とプラセボにて比較された。1万2,024例を対象としたランダム化比較試験にてリバーロキサバン群では重篤な出血は多く、血栓イベントは少なめだったが1次エンドポイントとしてはプラセボ群と差がなかった。「適応拡大」のための用量設定根拠が明確とはいえない試験の繰り返しの結果、Xa阻害薬を追加すれば血栓イベントは予防するっぽく、出血は増えることがわかった。ランダム化比較試験は本来普遍的な科学としての仮説検証試験であったはずではあるが、用量が揺らげば普遍性も揺らぐことがあらためてわかった。

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第8回 管理栄養士がおすすめするおやつとは?【実践型!食事指導スライド】

第8回 管理栄養士がおすすめするおやつとは?医療者向けワンポイント解説「おやつを食べたい」、「間食がやめられない」という相談は、日常で多く寄せられます。また、カロリー制限や脂質制限を必要とする患者さんにとって、『食べてはいけない』という言葉が、日常の大きなストレスになっていることもよくあります。そこで今回は、糖尿病や脂質異常症などの患者さん向けに、管理栄養士がおすすめする“おやつ”を紹介したいと思います。“おやつ”という言葉を聞くと、一般的に、嗜好品や甘いものを連想する方が多くいます。しかし、おやつを食べる意味合いを患者さんに伺うと、「小腹が空いたから」、「なんとなく食べたい」という発言をよく耳にします。つまり、特定のおやつを食べたいのではなく、満足感を得られるかどうかが大切であると言えます。おやつがやめられない患者さんに、「おやつはダメです」と否定するのではなく、「おやつは、甘いものだけではありませんよ。おやつを食べる時は、カラダに不足している栄養素を摂れるものを意識すると効果的ですよ」とお伝えしましょう。そうすることで、ストレスが軽減され、おやつについて見直してもらう良い機会ができます。そこで、具体例をご紹介しましょう。1)昆布のお菓子昆布を加工し、味をつけた商品です。昆布は、水溶性食物繊維が豊富で、糖や脂質の吸収を緩やかにするほか、腸内環境を整える働き、便通の改善にも効果が期待できます。また、低カロリーな点も安心です。ただし、塩分量の多いものがあるので、大量摂取は控えましょう。少しずつ口に入れ、ゆっくりしっかり噛み、水分を一緒に飲むと、満足度を高められます。2)ナッツ類アーモンドはビタミンE、くるみはオメガ3、カシューナッツは亜鉛を多く含むため、不足しがちな栄養素を補うことができます。また、脂質も多く含むため、腹持ちの良さが特徴です。ただし、カロリーが高く、約10〜15粒で、おにぎり1個分ほどのカロリーがあるので、食べる量には注意が必要です。さらに、素焼きで塩をつけていないものを選ぶことも大切です。3)海苔のお菓子海苔にごまや梅などをつけた商品には、「味付けのり」、「海苔の加工品」と記載がされています。海苔は低カロリーながら、食物繊維やカリウムなどのミネラルが補給できます。ただし、塩分量については注意が必要です。4)納豆のお菓子納豆の風味やほのかな粘りを感じながら、手を汚さずに食べることができます。大豆を使ったおやつなので、少量ですがたんぱく質も摂取できます。甘いものよりも、納豆の旨味で満足度を高めることができます。5)するめ・あたりめいか加工品には、いかと塩だけの「あたりめ」と、砂糖や食塩を合わせて作っている「さきいか」などがあります。低カロリーながら、たんぱく質を補給することができお腹にたまる商品です。できれば、硬い「あたりめ」を口の中でゆっくりと噛みながら食べてみましょう。満足感が得られます。6)おやつ煮干し乾物コーナーでも売っている煮干しは、たんぱく質やカルシウム、ビタミンDなどさまざまな栄養素を摂取することができる優れものです。小さめの煮干し20尾ほどで、1日の1/4のカルシウムを摂ることができます。購入の際は、塩分不使用の商品を選ぶことをおすすめします。7)鶏・うずらの玉子(加工された卵)うずらの卵のおやつは、塩や醤油の味がついたものが、小分けパックなどでも販売されています。うずらの卵は、栄養価が高く、鉄分のみならず、ビタミンB1、B2、葉酸も鶏卵の2倍含まれているので、少量でも栄養価を効率的に摂ることができます。こちらも、塩分量については注意が必要です。8)チーズ6Pチーズ、さけるチーズなど、手軽に食べられるチーズが多く販売されています。不足しがちなカルシウムなどのミネラル、たんぱく質などを含みます。乳脂肪成分のおかげで、お腹にもたまりやすく満足感が持続します。「おやつが食べたい」と思った時に、糖分や脂肪を多く含む嗜好食品を選ぶよりも、たんぱく質やビタミン、ミネラルを含むおやつを適量選んでもらうことが、間食を減らす一つの方法です。この方法は、栄養バランスを整え、物足りなさや食べ過ぎを抑えるきっかけづくりにもつながります。

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第13回 産婦人科からのクラリスロマイシンの処方【適正使用に貢献したい  抗菌薬の処方解析】

Q1 予想される原因菌は?Chlamydia trachomatis(クラミジア・トラコマチス)・・・全員Neisseria gonorrhoeae(淋菌)・・・9名クラミジアの可能性 奥村雪男さん(薬局)骨盤炎症性疾患(pelvic inflammatory disease;PID)の原因菌としては、クラミジア、淋菌、大腸菌などの好気性グラム陰性桿菌、Bacteroides 属やPeptostreptococcus 属といった嫌気性菌が想定されますが、今回マクロライド系のクラリスロマイシン(CAM)が選択されているので、診断された原因菌はクラミジアであると予想されます。「性感染症診断・治療ガイドライン2016」では、クラミジア感染症のPIDの治療薬として、CAM 200mg× 2 7 日間が、非妊婦では推奨レベルAとされています。Q2 患者さんに確認することは?アレルギー、併用薬と妊娠の有無 ふな3さん(薬局)CAMのアレルギー、併用薬を確認します。また、チェックすべき危険な疾患として子宮外妊娠が考えられるため、医師から妊娠の有無とその可能性を確認されたかも聞きたいです。産婦人科医からの処方であるため、子宮外妊娠の見落としはさすがにないかと思いますが、リスク管理上、医師がその可能性を確認したかだけは聞いておきたいと思います。パートナーの感染について 清水直明さん(病院)クラミジア感染は性感染症の中でも最も多く、男性・女性ともに無症状または無症候の保菌者が多数存在しています。万が一、患者さんの周囲(パートナー)に症状を呈する人がいれば一緒に治療することが必要ですが、たとえパートナーに症状がなくても治療が必要な場合もあるため、できるだけ受診を勧めてほしい、と伝えるべきだと思います。パートナーを含めて治療しないと、自分は治癒してもまた再感染を起こしてしまうからです。このことは既に医師から説明を受けているかもしれませんが、大事なことなので薬剤師からも伝えるべきだと思います。一方で、妊娠している可能性があるかどうかも服薬指導する上で必要な情報ではありますが、CAMは妊婦でも比較的安全とされていますので、今回はあえて確認しないかもしれません。免疫抑制薬にも注意 児玉暁人さん(病院)あまり遭遇しないかもしれませんが、シクロスポリンやタクロリムスなどの血中濃度のコントロールを必要とする薬剤を服用しているかどうかも聞きます。シクロスポリンやタクロリムスは、CAMとの併用で血中濃度が変化する可能性があるからです。薬剤以外の質問はデリケートなことなので聞きにくいですね。患者さんが話しにくそうなら女性薬剤師に対応してもらう 荒川隆之さん(病院)パートナーの治療についても確認したいところですが、言いにくそうとのことなので、職場に女性薬剤師がいれば、その人に尋ねてもらうかもしれません。再受診について 中西剛明さん(薬局)まず、男性薬剤師が説明をしてもよいかを事前に聞いた上で、再受診するよう指導されているか、専門医に受診するよう指導されているかを確認します。Q3 疑義照会する?しない・・・10人ガイドラインとは異なるが ふな3さん(薬局)「性感染症診断・治療ガイドライン2016」では、CAMは7日間投与となっており、10日間の処方はやや長めかと思いますが、次回受診タイミングなども考慮して、特に疑義照会はしません。する・・・1人CAMの投与期間 JITHURYOUさん(病院)特にしなくてよいかもしれませんが、あえて言うなら、通常ガイドラインで7日間とされているCAMの投与期間を確認します。Q4 抗菌薬について、患者さんに説明することは?自己中断せずしっかり飲み切ること 中堅薬剤師さん(薬局)処方分は飲み切ることを説明します。副作用がひどく継続困難なときは、自己中断せずに医師に相談するよう助言します。症状がひどくなったら再受診を キャンプ人さん(病院)しっかり服用することの大切さと、下腹部痛がひどくなった場合はすぐに受診する点を説明します。治りきらない場合のリスクも説明 清水直明さん(病院)「指示された通りしっかり服用しないと、治り切らない場合があります。もしも、治り切らないまま放置すると、卵管通過障害を起こしたり、異常妊娠や不妊症の原因になりうるため、指示通りきちんと服用するようにしてください。また、次回の受診が指示されているなら、(治療効果判定のため)必ず受診するようにしてください。」他の医療機関の受診時の注意点 わらび餅さん(病院)相互作用についてチェックが必要なので、服用中に他の医療機関にかかる場合は、CAMを服用していることを必ず申し出るように伝えます。結膜炎への注意喚起 柏木紀久さん(薬局)「クラミジアの場合、手指を介して結膜炎を起こすこともあるので分泌物に触れた手で目などをこすったりしないようにしてください。」まだ25 歳で将来の妊娠のことを考えると、クラミジアによる卵管狭窄など、不妊の恐れもあり「服用後にちゃんと治癒しているかどうかを再診して確認してもらうようにしてください」とも伝えます。飲み忘れた場合の対処法 中西剛明さん(薬局)飲み忘れに気が付いたら、すぐに服用するように指導します。次回の服薬時間が迫っていても、服用するように指導します。市販薬を勝手に服用しないように JITHURYOUさん(病院)CAMはガイドラインでは投与期間が7日間なので、その時点で再診の予定があるのかを確認します。パートナーが受診・治療をしていなければ、受診するように話します。痛み止めの市販薬などを勝手に服用しないように説明します。既に医師から説明を受けているかもしれませんが、自己判断で服薬をやめたりしてきちんと治療を完遂しないと、クラミジアが残存し将来の不妊や流産、早産の危険性が高くなることや、仮に妊娠していた場合には産道感染のリスクが高まることも伝えます。Q5 その他、気付いたことは?アドヒアランスを考慮 児玉暁人さん(病院)アドヒアランスという点ではアジスロマイシン1,000mgの単回もありかなと思いました。踏み込んだ質問は難しい 柏木紀久さん(薬局)性的パートナーの有無、特定パートナー以外との性交渉、コンドーム使用の有無などの聴取は女性でも男性でも難しいと思いますが、女性薬剤師に交代することも考慮します。薬剤師の患者さん対応について わらび餅さん(病院)抗菌薬とは論点が違いますが、対応するのが女性薬剤師であっても、こういった処方や患者さんの対応に神経を使うのは男性と変わらないと思います。私が何歳であっても、相手が何歳でも。初対面の患者と考えると、誰であってもコミュニケーション取るのは難しいかと。私は病院勤務のため、産婦人科や性感染症科のクリニックの処方箋を多く応需している薬剤師の意見を聞いてみたいです。患者さんにどんなことを聞くのか、どのように聞き出すのか、どこまで指導するのか。このような処方のときには女性薬剤師が対応する、性感染症の男性患者だったら男性薬剤師が対応するなど、ルール決めをしている薬局はあるのでしょうか。個人的には、そのようなルール決めをしてしまったら業務が回らないし、薬剤師のレベルアップにはならないのですべきではないと思いますが、そういう配慮が必要なのでしょうか?女性薬剤師でも普通に前立線がんや精巣がんを扱う泌尿器科担当になりますし、男性薬剤師が卵巣がんや子宮がん、子宮脱など扱う婦人科も担当するのですが、以前、授乳しているところに出くわすとバツが悪いという理由で、産科病棟の担当を拒否する男性薬剤師がいたことに違和感を感じたことを思い出しました。「医師から十分な説明は受けていますか?」「何か聞いておきたいことはありますか?」 中堅薬剤師さん(薬局)私は泌尿器の処方箋を応需する薬局で数年、1人薬剤師として勤務したことがあり、若い女性の性感染症にも関わったことがあります。 女性患者さんだと確かに対応には困るのですが、「医師から十分な説明は受けていますか?」「何か聞いておきたいことはありますか?」の2点はどの患者さんにも聞いていました。聞きたい、知りたいということであれば、「男性の私が対応しても大丈夫ですか?」と確認し、必要な説明、助言をしていました。男性患者さんの場合は、ストレートに(配慮しながら)説明していました。ただ、女性事務員には距離をあえて置いてもらい、プライバシーには配慮していましたね。わらび餅さんが言う通り、薬剤師は患者さんの性別を問わず、全ての投薬ができるように努力することは大切だと思います。後日談(担当した薬剤師から)ちょうど2週後に再来局。薬の飲み忘れがあり、今日まで薬が残っていたとのこと。医師には怒られはしなかったが、治療が成功しないかもしれないと言われ心配になりました、と聞き取りました。念のためなのか、今度はミノサイクリン錠100mg 1 回1 錠 1 日1 回 朝食後 10 日分の処方が出ていました。これで治療は完結したのでしょうか、以降の来局はありませんでした。[PharmaTribune 2017年4月号掲載]

20230.

統合失調症と双極性障害における退院後早期の精神科受診と再入院リスクに関する研究

 東京都医学総合研究所の奥村 泰之氏らは、統合失調症もしくは双極性障害の入院患者において、退院後早期の精神科受診が再入院リスクの減少と関連するかについて検討を行った。Psychiatry Research誌オンライン版2018年10月9日号の報告。 レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を用いて、レトロスペクティブコホート研究を実施した。2014年4月~2015年3月に、精神病床へ新規入院した65歳未満の統合失調症または双極性障害患者4万8,579例を対象に、入院の180日前から退院の210日後までフォローアップ調査を行った。主要アウトカムは、退院後180日間(31~210日)での精神病床への再入院とした。 主な結果は以下のとおり。・患者全体において、退院後30日以内に精神科へ受診しなかった患者の割合は15%であった。・入院前180日間で精神科外来へ受診した回数が少ない患者ほど、退院後30日以内に精神科へ受診しない傾向が認められた。・退院後30日以内に精神科への受診があった4万1,333例において、その後の180日以内の再入院率は21.7%であり、受診しなかった7,246例の37.5%と比較し低かった(調整リスク比:0.54、95%CI:0.52~0.57)。 著者らは「退院後早期の精神科受診は、再入院リスクの低減に寄与することが示唆された。退院後に継続的な支援が確実に受けられるような仕組みが、より一層求められる」としている。■関連記事日本における精神科病床への新規入院患者の在院日数に関する研究統合失調症の再入院に対する抗精神病薬の比較統合失調症患者の強制入院と再入院リスクとの関連~7年間のレトロスペクティブコホート研究

20231.

ICU入室患者への予防的PPIの効果は?/NEJM

 ICU入室の消化管出血リスクがある成人患者において、プロトンポンプ阻害薬(PPI)のpantoprazole投与は、プラセボ投与と比較して、90日死亡率および臨床的に重要なイベント数が同程度であった。デンマーク・Copenhagen Trial UnitのMette Krag氏らによる多施設共同の層別化並行群プラセボ対照盲検試験の結果で、NEJM誌オンライン版2018年10月24日号で発表された。ICU入室患者に対して、消化管ストレス潰瘍の予防的処置はしばしば行われている。しかし、そのリスクとベネフィットは明らかではない。欧州33のICUでプラセボ対照試験 試験は、2016年1月4日~2017年10月22日に、欧州(デンマーク、フィンランド、オランダ、ノルウェー、スイス、英国)の33のICUで行われた。急性症状でICUに入室した消化管出血リスクがある成人患者を、ICU入室期間中に毎日pantoprazole 40mgの静脈内投与を受ける群またはプラセボを受ける群に無作為に割り付けた。 主要評価項目は、無作為化後90日までの死亡であった。90日死亡率、PPI群31.1%、プラセボ群30.4%で有意差なし 3,298例が登録され、1,645例がpantoprazole群に、1,653例がプラセボ群に無作為に割り付けられた。このうち主要評価項目のデータは、3,282例(99.5%)から入手できた。ベースラインの患者特性は両群間で類似しており、各群の患者のICU入室期間中央値は6日(各群の四分位範囲:4~11)で、各群の試験薬投与期間中央値は4日(同:2~9)であった。試験薬投与中断例は、pantoprazole群274/1,644例(16.7%)、プラセボ群319/1,647例(19.4%)であった。 無作為化後90日で、pantoprazole群510例(31.1%)、プラセボ群499例(30.4%)が死亡した(相対リスク:1.02、95%信頼区間[CI]:0.91~1.13、p=0.76)。この結果は、ベースラインのリスク因子補正後、およびper-protocol集団解析でも類似していた。 ICU入室期間中、1件以上の臨床的に重要なイベント(臨床的に重要な消化管出血、肺炎、クロストリジウム・ディフィシル感染、心筋虚血の複合)の発生率は、pantoprazole群21.9%、プラセボ群22.6%であった(相対リスク:0.96、95%CI:0.83~1.11)。臨床的に重要な消化管出血は、pantoprazole群2.5%に対し、プラセボ群4.2%の発生であった。感染症または重篤有害反応を有した患者数、90日以内の生命維持なしでの生存日数の割合は、両群で同程度であった。

20232.

コーヒーが酒さを予防する?

 カフェインには血管拡張抑制作用や免疫抑制作用があることが知られている。この作用は酒さのリスクを低下させるが、コーヒーの熱が酒さの紅潮を引き起こす可能性もある。しかし、酒さとコーヒーなどによるカフェイン摂取との関連性については、よくわかっていない。中国・青島大学のSuyun Li氏らは、看護師健康調査II(Nurses' Health Study II:NHS II)のデータを解析し、コーヒーからのカフェイン摂取量が酒さの発症リスクと逆相関していたことを明らかにした。著者は、「今回の結果は、酒さを予防する手段として、カフェインの摂取制限を支持するものではない。カフェインがもたらす作用機序を解明し、他の集団でも同じ結果が観察されるか、酒さのサブタイプでカフェインとの関係性が異なるのかについて、さらなる研究が必要である」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年10月17日号掲載の報告。 研究グループは、1989年に設定されたNHS IIの参加者8万2,737例の女性を対象とした前向きコホート研究を、1991~2005年の期間に隔年で追跡調査し、コーヒー、茶、ソーダおよびチョコレートの摂取に関するデータを4年ごとに収集した。医師による酒さの診断歴および診断年に関する情報を2005年に収集し、2017年6月~2018年6月にすべてのデータの解析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・8万2,737例の女性が2005年のNHS IIにおける酒さ診断に関する質問に回答し、最終解析に組み込まれた(参加時の平均年齢[±SD]は50.5±4.6歳)。・112万51人年の追跡調査中に4,945例の酒さ発症例を特定した。・リスク因子で補正後、カフェイン摂取量と酒さリスクは逆相関の関係にあることが示された(カフェイン摂取量の最高五分位vs.最低五分位のハザード比[HR]:0.76、95%信頼区間[CI]:0.69~0.84、傾向のp<0.001)。・酒さリスクとの有意な逆相関は、カフェイン含有のコーヒーを摂取した例で観察された(1日に4杯以上vs.1ヵ月で1杯未満のHR:0.77、95%CI:0.69~0.87、傾向のp<0.001)。ところが、ノンカフェインコーヒーを摂取した例では観察されなかった(HR:0.80、95%CI:0.56~1.14、傾向のp=0.39)。・コーヒー以外の食品(茶、ソーダ、チョコレート)によるカフェイン摂取量の増加は、酒さリスクの低下に有意な関連を示さなかった。

20233.

FOLFOXIRI+BV、大腸がん1~2次治療で優越性(TRIBE2)/ESMO2018

 切除不能大腸がんにおいて、1~2次治療でのFOLFOXIRI+ベバシズマブ(BV)の併用療法が、FOLFOX+BV→FOLFIRI+BVの治療シークエンスと比較して良好なアウトカムを示したことが明らかになった。ドイツ・ミュンヘンで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)で、イタリア・ピサ大学のChiara Cremolini氏が発表した第III相TRIBE2試験の中間解析結果より。 TRIBE2試験は、切除不能大腸がんの1~2次治療における3剤併用+BVと2剤併用+BVの有効性を比較する非盲検無作為化第III相試験。被験者は、Arm A:FOLFOX+BV→維持療法として5-FU+BV(PDまで)→FOLFIRI+BV→5-FU+BV(PDまで) Arm B:FOLFOXIRI+BV→5-FU+BV(PDまで)→FOLFOXIRI+BV→5-FU+BV(PDまで)に1:1の割合で無作為に割り付けられた(各併用療法はそれぞれ最大8サイクル)。 主要評価項目は、「無作為化から、2次治療のPD(2次治療なし、あるいは1次治療でのPDから3ヵ月以内に2次治療が開始されなかった場合は1次治療のPD)または死亡のいずれかが最初に生じるまでの期間」として定義される無増悪生存期間2(PFS2)。Arm AにおけるPFS2中央値を15ヵ月と推定し、Arm Bとのハザード比(HR)が0.77となるためには、466イベント、654例の患者が必要とされた(両側αエラー:0.05、両側βエラー:0.20)。中間解析は2/3のイベント(303イベント)発生時に計画され、O'Brien Fleming法にしたがって、中間解析では0.0131、最終解析では0.0455の両側αレベルが定義された。 主な結果は以下のとおり。・2015年2月~2017年5月までの間に、イタリアの58施設で、18~75歳、ECOG PS ≦2の679例(Arm A / B:342例/337例)の切除不能大腸がん患者が組み入れられた。年齢中央値:61歳/60歳、ECOG PS 0:86%/87%、右側原発:38%/38%、アジュバント化学療法歴有:2%/2%、肝限局転移:29%/32%、RAS変異型:65%/63%、BRAF 変異型:10%/10%。・追跡期間中央値22.8ヵ月で、547例(286/261)の患者が進行し、423イベント(235 /188)についてPFS2が報告された。・Arm BではArm Aと比較して、1次治療後のPD(PD1)までの期間であるPFS1(9.9ヵ月 vs. 12.0ヵ月、HR:0.73、95%信頼区間[CI]:0.62~0.87、p<0.001)およびRECISTによる奏効率(50% vs.61%、オッズ比[OR]:1.55、95%CI:1.14~2.10、p=0.005)を有意に改善した。・Arm Aで248例(86%)、Arm Bで194例(74%)がPD1後に2次治療を受けた。Arm BではArm Aと比較して、PFS2を有意に延長した(16.2ヵ月 vs. 18.9ヵ月、HR:0.69、95%CI:0.57~0.83、p<0.001)。・1次治療におけるGrade3/4の有害事象のうち、Arm Bで多くみられた項目は、下痢(5% vs.17%、p<0.001)、好中球減少症(21% vs.50%、p<0.001)、発熱性好中球減少症(3% vs.7%、p<0.050)であった。 ■参考TRIBE2試験(Clinical Trials.gov)※医師限定肺がん最新情報ピックアップDoctors’Picksはこちら

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周術期の脳梗塞予防:卵円孔はターゲットとなりうるか?(解説:香坂俊氏)-941

 心臓には卵円孔foramen ovaleという部位が存在する。いや、「存在していた」と書くべきだろうか? 胎生期にはこの卵円孔が開いており、母体(胎盤)から回ってくる新鮮な血液をそのまま右房から左房へと流し込む役割を果たしている。しかし、胎児が母体の外に出て、最初の自発呼吸を行うや否やダイナミックに血行動態は変化し、左房側から卵円孔はFlap(蓋)をあてられ閉鎖してしまう。 しかし、この卵円孔にあてられた蓋はそれほど強固なものではなく、4人に1人くらいは押せば空く状態が維持されている。それでも普段は左房側の圧が右房側の圧よりも高いので問題ないのだが、たとえば息んだり咳をしたりして胸腔内圧が上がった時など、右房側の圧が一時的に左房側を上回ってパタパタと蓋が開いてしまうことがある。これが卵円孔開存(PFO:patent foramen ovale)と呼ばれる状況である。 このPFOがいま脳梗塞予防のターゲットとして注目を浴びている。右房側を流れている血液は静脈系の血液であり、ゆっくりと流れているので、ときどき下肢から血栓を運んできてしまう。普通はそうした小さな血栓は肺でフィルターされるのだが、PFOがあると(少ない確率ではあるが)血栓が直接動脈系に流れ込んできて脳梗塞などの動脈系の塞栓症を起こすことがあるとされている。 今回の論文では、このPFOを心臓手術のときについでに閉じてしまったらどうだろう、という仮説を後ろ向きに全米の手術データを用いて検証したものであり、非常にpromisingな解析結果が得られている。ただ、デザインが後ろ向きであるので、そのメインメッセージは「現場の医師が適切と考えた症例についてPFOを閉じていくことはよさそうだ」というお墨付き的な範疇に留まる。 昨今の画像技術の進歩によって、周術期の脳梗塞が思いのほか多いことがわかってきている(MRIは本当によく脳梗塞を見つける)。われわれの行ったレジストリ研究でも、冠動脈インターベンションの際に臨床的に重要な脳梗塞合併症が0.3%の症例でみられた(抄録、論文11月現在in press)。そのため、ハイリスク患者に対する積極的な抗凝固療法の施行などがハイリスク患者に関して議論されるようになってきているが、今回の結果を踏まえると、その議題の中にPFOの扱いに関する項目も足していったほうがよさそうである。PFOそのものを経皮的にカテーテルで閉じることも可能となってきており、ますます注目を集めるようになっており、今後の適応に関する議論の展開が注目されている。

20235.

27)エアゾール製剤/発作時(メプチンエアー、ペロテック、サルタノール、アイロミール)【解説編】【吸入薬使い方ガイド】

※上の画像をクリックすると別のウィンドウにて「環境再生保全機構」の動画ページが開きます。■今回の内容今回は、エアゾール製剤/発作時(メプチンエアー、ペロテック、サルタノール、アイロミール)の吸入手順を解説します。手順としては、キャップを外し、容器を数回振る→押しボタンが上になるよう、垂直に立てて持つ→呼吸を整え、ゆっくり十分に息を吐く→吸入口を軽く噛んで、歯の隙間から空気が同時に入るようにくわえる→下を向かず、背筋を伸ばし、ボンベを1回押すと同時になるべく深く吸う(そのとき舌を下げて喉の奥を広げる)→吸入器をはずし、口を閉じ3~5秒間息を止め、薬剤を定着させる→鼻からゆっくり息を吐く→2回目の指示がある場合、もう1度はじめから繰り返す→うがいをする(苦しい時はしなくて良い)→吸入口を清掃し、キャップをはめる→携帯袋に保管する《吸入回数》 ※主治医の指示を守ってください成人:1回1~2吸入、1日最大4回(8吸入)まで小児:1回1吸入、1日最大4回(4吸入)まで※注意するポイントボタンを押しにくい場合、補助器具があるので医師・薬剤師に相談してください吸入器を逆さまに持たないでくださいアルコールに過敏な方は医師・薬剤師に相談してください吸入口が汚れた場合、吸入口を外して水洗いしてください(本体は絶対に濡らさないでください)カウンターがついているタイプのものは、吸入した回数だけ減っていきます残り9回になったら新しい吸入器を用意してくださいカウンターが0になったら、新しいものと取り換えるようにしましょうカウンターがないタイプのものは、薬がなくなるとボンベが押せなくなります●主な製剤(2015年3月時点のデータ)エアゾール製剤/発作時(メプチンエアー、ペロテック、サルタノール、アイロミール)

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周期投与と連続投与が選択できる月経困難症治療薬「ジェミーナ配合錠」【下平博士のDIノート】第12回

周期投与と連続投与が選択できる月経困難症治療薬「ジェミーナ配合錠」今回は、「レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール配合剤(商品名:ジェミーナ配合錠)」を紹介します。本剤は、周期投与と連続投与の2つの服用パターンが選択でき、月経困難症に悩む女性のQOL改善が期待されています。<効能・効果>本剤は月経困難症の適応で、2018年7月2日に承認され、2018年10月4日より販売されています。<用法・用量>下記の2つの投与周期が規定されています。1)1日1錠を毎日一定の時刻に21日間連続経口投与し、その後7日間休薬(28日周期)2)1日1錠を毎日一定の時刻に77日間連続経口投与し、その後7日間休薬(84日周期)いずれの場合も出血の継続の有無にかかわらず、休薬期間終了後の翌日から次の周期を開始し、以後同様に繰り返します。<副作用>月経困難症を対象とした臨床試験では、全解析対象241例中214例(88.8%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められました(承認時)。主な副作用は、不正子宮出血、希発月経、月経過多、下腹部痛、悪心、頭痛などでした。<患者さんへの指導例>1.この薬は、黄体ホルモンと卵胞ホルモンを補充することで、月経時の下腹部痛や頭痛などを改善します。2.薬を飲んでいる途中に不正出血が起こることがあります。通常は飲み続けるうちに少なくなりますが、長期間にわたって出血が続いたり、出血量が多かったりする場合は、医師に相談してください。3.血栓症の主な症状である足の急激な痛み・腫れ・しびれ、突然の息切れ、胸の痛み、激しい頭痛などが現れた場合は、服用を中止して救急医療機関を受診してください。これらの症状が軽い場合や体が動かせない状態、脱水になった場合も服用を中止して医療機関を受診してください。4.28日周期の場合に、2周期連続して月経が来なかった場合は妊娠している可能性が疑われますので、すぐに医療機関を受診してください。5.他の医療機関から処方されている薬剤やサプリメントなどを服用する際は、本剤を服用中であることを伝えてください。6.飲み忘れたときは、当日に気付いた場合は気付いた時点で服用し、翌日以降に気付いた場合は、前日分(1日分のみ)を気付いた時点で服用し、当日分をいつもの時間に服用してください。1日に2錠を超えて服用することはできません。<Shimo's eyes>月経困難症は、月経に随伴して起こる病的症状を言い、激しい下腹部痛および腰痛を主とした症候群です。卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤が、非ステロイド性抗炎症薬と共に月経困難症治療の第1選択薬となっています。本剤は月経困難症治療薬として、わが国で初めて第2世代黄体ホルモンであるレボノルゲストレルを含有した超低用量卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤です。本剤の特徴は、同じ製剤で周期投与(28日周期)と連続投与(84日周期)の両方に使用できることです。2種類のシートが用意されており、周期投与は21錠シート1枚分を服用した後7日間休薬し、連続投与は28錠シート2枚と21錠シート1枚分(計77日分)を服用した後に7日間休薬します。既存薬は処方された製品によって投与周期がわかりますが、本剤ではどちらの周期で使用するのか、しっかり患者さんに確認する必要があります。国内第III相長期投与比較試験において、連続投与群の月経困難スコア合計は、周期投与群と比べて、1~11周期のいずれにおいても有意な低下を示しました。また、連続投与では服薬期間中に少量の出血(不正子宮出血)が認められることがあるものの、休薬期間(月経予定)が減ることによって月経痛が生じる頻度が下がるため、一般的な月経周期で月経があるほうが望ましいと考える患者さん以外では、連続投与が選択されると考えられます。なお、連続投与群の副作用発現率が86例中85例(98.8%)と高いのは、服薬期間中の不正子宮出血や希発月経などが含まれているためです。卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤に共通の重篤な副作用である血栓症の発症に注意が必要です。ドロスピレノン・エチニルエストラジオール錠(商品名:ヤーズ配合錠)は、2014年に血栓症に関するブルーレターの発出があり注意喚起されています。そのため本剤も類薬であることから、医薬品リスク管理計画書において、重要な特定されたリスクとして血栓症が設定されています。しかし、レボノルゲストレルを含有する配合剤は、他の黄体ホルモンを含有する配合剤に比べ、血栓症の発現リスクが低かったという海外での報告もあります。既存の卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤と同様に、禁忌薬や併用注意薬が大変多いため、処方監査の際には薬歴やお薬手帳を必ず確認しましょう。服薬指導では、休薬期間ではない日に少量の出血があっても、基本的にはそのまま服用するように伝え、喫煙により静脈血栓症、肺塞栓症、心筋梗塞、脳卒中などの危険性が高まることから、禁煙の厳守を理解してもらいましょう。また、生活習慣病に罹患すると血栓症のリスクが高まるため、適切な生活習慣の改善も必要です。さらに、万一飲み忘れに気付いた場合の対応が避妊薬とは異なるので、しっかり説明しましょう。

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境界性パーソナリティ障害の特性と自殺リスクに対する睡眠の役割

 境界性パーソナリティ障害(BPD)は、自殺リスクや睡眠に関する問題(不眠症や悪夢を含む)と高率に関連している。米国・ミシシッピ州立大学のHilary L. DeShong氏らは、不眠症および/または悪夢を介する自殺リスクに対するBPDの特性の潜在的な間接的影響を評価するため、検討を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2018年10月9日号の報告。 Amazon's Mechanical Turkより参加者を募集し、オンラインで281例の研究を完了した。参加者より、BPD特性、BPD症状、自殺リスク(自殺念慮歴、自殺企図歴)、不眠症、悪夢に関連する苦痛や障害を測定した。 主な結果は以下のとおり。・BPD特性および症状は、自殺リスク、不眠症、悪夢と中等度から高度に関連していた。・parallel mediationモデルでは、不眠症状においては、BPD特性と自殺リスクに間接的影響があると認められたが、悪夢においては認められなかった。 著者らは、本研究の限界として、対象が臨床サンプルでなく一般集団であった点、自己報告尺度のみに依存している点を挙げ、今後の研究においては、観察者報告(observer report)や面接調査法を用いて、臨床サンプルにおけるこれらの関連性を調査することが求められると述べている。また、「BPD特性は、睡眠に関する問題(とくに不眠症)を介して、自殺リスク増加に影響していると考えられる。そのため、BPD患者の睡眠障害を評価し、治療することは、自殺リスク低下に寄与する可能性がある」とまとめている。■関連記事境界性パーソナリティ障害の自殺リスク、ポイントは睡眠の改善か境界性パーソナリティ障害治療の現状境界性パーソナリティ障害治療におけるω3脂肪酸とバルプロ酸併用

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胆道がん1次治療、GEM・CDDP・S-1トリプレットの可能性/ESMO2018

 ゲムシタビン+シスプラチン(GC)は、長年にわたり凌駕されることのない、進行胆道がん1次治療の標準治療である。しかし、ASCO-GI2018で発表された、わが国の第II相試験では、ゲムシタビン+S-1のGCに対する非劣性が示された。ミュンヘンでの欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)では、GC+S-1(GCS)とGCを比較した第III相KHBO1082-MITSUBA試験の結果が大阪大学の坂井大介氏により発表された。 KHBO1401-MITSUBA試験は、GCSのGCに対する優越性を検証する多施設オープンラベル比較試験。・対象:未治療の切除不能進行胆道がん・試験群:GSC(ゲムシタビン1,000mg/m2+シスプラチン25mg/m2[day1]+S-1 40~60mg BID[day1~7]、2週ごと)・対象群:GC(ゲムシタビン1,000mg/m2+シスプラチン25mg/m2[day1、8]、3週ごと)・評価項目:[主要項目]全生存率(OS)[副次項目]無増悪生存期間(PFS)、全奏効率(ORR)、安全性 治療は24週継続(進行あるいは忍容できない毒性が発現しない限り)。GCSの推定1年生存率を55%、GCの推定1年OS率を43%と設定。サンプルサイズは240例となった。 主な結果は以下のとおり。・2014年7月~2016年2月に246例が登録され、無作為化にGCS群に123例、GC群に123例に割り付けられた。・追跡期間中央値は13.2ヵ月。・OS中央値は、GCS群13.5ヵ月、GC群12.6ヵ月と、GCS群で有意に良好であった(HR:0.791、90%CI:0.623~0.996、片側p=0.046)。・1年OS率はGCS群59.4%、GC群53.7%と、主要評価項目を達成した。・PFS中央値は、GCS群7.4ヵ月、GC群5.5ヵ月、とGCS群で有意に良好であった(HR:0.748、95%CI:0.577~0.970、p=0.015)。・ORRはGCS群41.5%、GC群15%(p<0.001)、病勢コントロール率はGCS群79.8%、GC群62.0%であった(p=0.0066)。・有害事象は、全GradeでGCS群77%、GC群80%、Grade3/4はGCS群39%、GC群48%であった。 GCSはGCに対しOSで有意に優れており、進行胆道がん1次治療の新たな標準治療としての可能性がある、としている。※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’ Picksはこちら

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ACE阻害薬と肺がんリスクの関連/BMJ

 ACE阻害薬の使用により、肺がんのリスクが増大し、とくに使用期間が5年を超えるとリスクが高まることが、カナダ・Jewish General HospitalのBlanaid M. Hicks氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2018年10月24日号に掲載された。ACE阻害薬により、ブラジキニンおよびサブスタンスPが肺に蓄積し、肺がんリスクが高まることを示唆するエビデンスがある。この関連を検討した観察研究は限られており、結果は一致していないという。肺がんとの関連をARBと比較するコホート研究 研究グループは、ACE阻害薬の使用が肺がんリスクを高めるかを、ARBと比較する地域住民ベースのコホート研究を行った(Canadian Institutes of Health Researchの助成による)。 United Kingdom Clinical Practice Research Datalinkから、1995年1月1日~2015年12月31日の期間に、新規に降圧薬治療を受けた患者99万2,061例のコホートを同定し、2016年12月31日まで追跡した。 ACE阻害薬の累積使用期間および治療開始からの期間別の肺がんの発生率を、ARBと比較した。Cox比例ハザードモデルを用いて、補正ハザード比(HR)を推算し、95%信頼区間(CI)を算出した。肺がんリスクが14%増加、5年以上の使用で関連が明確に 降圧薬別の患者の割合は、ACE阻害薬使用例が21.0%、ARB使用例が1.6%、その他が77.4%であった。全体の平均年齢は55.6(SD 16.6)歳、男性が46.3%であった。最も多く使用されていたACE阻害薬はramipril(26%)で、次いでリシノプリル(12%)、ペリンドプリル(7%)の順だった。 平均フォローアップ期間は6.4(SD 4.7)年で、この間に7,952例が新たに肺がんと診断された(粗発生率:1.3[95%CI:1.2~1.3]件/1,000人年)。 全体として、ACE阻害薬の使用により、ARBと比較して肺がんリスクが有意に増加した(発生率:1.6件 vs.1.2件/1,000人年、HR:1.14、95%CI:1.01~1.29)。 使用期間が長くなるに従ってHRは徐々に上昇し、5年以降は明確な関連が認められ(HR:1.22、95%CI:1.06~1.40)、10年後にピークに達した(1.31、1.08~1.59)(傾向検定:p<0.001)。 治療開始からの期間についても同様の関連が認められ、期間が長くなるに従ってHRが上昇した(5.1~10年:1.14、95%CI:0.99~1.30、>10年:1.29、1.10~1.51)(傾向検定:p<0.001)。 著者は、「今回、観察された影響はさほど強くないが、小さな作用が結果として多くの患者を生み出す可能性があるため、これらの知見を他の疾患でも確認すべきだろう」と指摘し、「ACE阻害薬が肺がんの発生率に及ぼす影響を、より正確に評価するために、さらに長期のフォローアップを行う必要がある」としている。

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第6回 心電図、正しくとれてる?(後編)~自動診断の「側壁梗塞」にご用心!~【Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター】

第6回:心電図、正しくとれてる?(後編)~自動診断の「側壁梗塞」にご用心!~第5回では、心電図電極のつけ間違い、なかでも最も典型例な「手電極を逆につけてしまうミス」を取り上げ、所見の様相とその理由、およびI誘導の“オール下向き”から不正を疑う方法までを解説しました。今回も同じ女性の症例で“気づき”を与えてくれる所見を解説します。また、最後のオマケ、女性の狭心症のpitfall(落とし穴)にもご留意あれ!前回のおさらい症例48歳。女性。昨晩からの心窩部痛にて救急受診。以前より血圧高値を指摘されるも受診せず。間欠的に“さしこむような”痛みがあり、発作時には冷汗を伴う。何度か嘔吐もした。労作時症状はない。昼過ぎに市販の制酸剤を服用したが改善しないため、夕刻に受診し、来院時に心電図検査を行なった(図1)。喫煙:20-30本/日(18歳~:現在も喫煙中)家族歴:冠動脈バイパス術(父親)身長156cm、体重105kg。体温36.9℃、血圧154/95mmHg、脈拍62/分。(図1)来院時心電図画像を拡大する冠危険因子リッチな女性が冷汗をかくような心窩部痛ですから、心電図検査もマストですね。「ST変化はどうかな…」と見る前に、肢誘導の電極が左右逆じゃないかしら、通常あまり見ないI誘導のカタチ(すべて下向き)だな、という疑問から根本的“ミス”に気づけるか?…それが前回と今回のテーマです。今回は、I誘導以外に“手の電極が左右逆かも?”と気づかせてくれる所見について2つ紹介します。1つ目は、とかく無視されがちなaVR誘導、ここを見て下さい。aVR誘導で陽性QRS波なら“左右逆”の線がさらに濃厚になります。今回の例もそうなっていますよね。次の図を使って、そのワケを理解しましょう(図2)。(図2)aVR誘導で上向きQRS波が起こりにくい理由画像を拡大するQRS電気軸は4つの領域からなります(図2-A)。これを意識した上でaVR誘導のQRS波が上向き(陽性)となる領域を考えます(図2-B)。すると、一番ヤバいゾーンである高度軸偏位(ないし北西軸)にほぼ一致します。ところが、この状態は現実的に起こりにくいので、「aVR誘導の上向きQRS波なんてオカシイよ。正しく記録できてないんじゃない?」、そう思える感覚が大事なんです。I誘導とは逆に、aVRはP-QRS-Tすべて下向き(陰性)が“お約束”な誘導と覚えておいて下さい。少し余談です。ボクが医学部生の頃、確認テストに「正常(代表的)なII誘導とV5誘導の波形を描きなさい」という問題が出ました。当時は、講義をしていたのが心電図界の“大家”(今でもご活躍されています)なことを知る由もなく…P波がどれで何を意味するのかわからないボクは『なんたる悪問! 何言ってんの、あのオジサン…。』と毒づきながら、最初に目についた波形を写したのを記憶しています(笑)「頭の中に心電図波形の“テンプレート”を入れておく」、「比較できる過去の心電図がなくても、目の前の波形を“テンプレート”と比較しながら異常を抽出する」。循環器のプロたちって、みな無意識にそうしてるんです。いろいろな方々にレクチャーする立場になった今、“あの先生の意図はそういうことだったんじゃないかなぁ”と感じています。普通はここまでですが、Dr.ヒロ的ポイントがもう一つ!「側壁梗塞」という自動診断を見たら、ズバリ左右電極間違いを疑うのです。これもボク以外、強調している人は少ないかも!?側壁梗塞の場合、I誘導とaVL誘導に大きな(深くて広い)異常Q波が出るんです。aVL誘導に単独でQ波が見られるのは正常亜型の一種でもあるんですが、I誘導も含む側壁梗塞パターンは現実にはかなり起こりにくいのです。なので、ボクの頭の中では「自動診断で側壁梗塞?→嘘でしょ?→電極でもつけ間違ってんじゃないの?」と分析します。実際に心電図(図1)にも「側壁心筋梗塞」って書いてますでしょ。最近の心電計はだいぶ優秀になってきていて、「左右電極のつけ間違い(の可能性)」などとズバッと教えてくれる場合もあるので、もちろんそれも参考にしましょう。【左右電極のつけ間違いを疑うヒント】すべて“サカサマ”(陰性)のI誘導aVR誘導で上向き(陽性)QRS波自動診断の指摘した「側壁梗塞」や「左右電極のつけ間違い(の可能性)」さぁ、ここまで聞いたら、自分でも上肢電極の左右つけ間違いを見抜けるはず! 最後に鑑別すべき病態も示したので、これも参考に。【電極の左右つけ間違い(疑)で鑑別すべき病態】右胸心(肢誘導はソックリ、胸部誘導で鑑別できる)右心系負荷を生じる疾患(右軸偏位や左室肥大を伴うとヤッカイ)肺全摘術・気胸療法後など(心臓が正常な位置からだいぶズレる)鑑別には、胸部X線でも心エコーでも何でも参考にするとよいでしょう。この状況で心電図だけで“勝負”しようとするのは愚かなことですし、多くは他の検査を見たら一発で診断可能なはず。Dr.ヒロの口ぐせは“心電図だけで考えようとしない”なんですよね。心電図がデキる人ほど、そうだと思っています。自分が間違えないのはもちろん、時には他人の記録ミスを指摘できる、そんなスゴ腕ドクターにぜひなって下さい。もちろん、指摘するときは“やさしく”ね(笑)さて、電極の間違いに気づいて心電図をとり直しても“本題”は解決していません。心電図だけではなく、他の情報も総合して患者さんの病態に迫りましょう。自分ならどんな検査をするか考えつつ、次問をどうぞ。【問題】血液検査では、WBC:11,980/μL、CRP

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