サイト内検索|page:1008

検索結果 合計:36559件 表示位置:20141 - 20160

20141.

心房細動を防ぐ生活習慣、3階なら階段で/日本循環器学会

 国立循環器病研究センターでは2年前、心房細動罹患予測確率を計算する吹田心房細動リスクスコアを開発した。しかし、心房細動発症予防のための生活習慣に関するエビデンスは、わが国では喫煙と飲酒のみときわめて少ない。今回、国立循環器病研究センター予防健診部の小久保 喜弘氏らは、吹田研究を用いて心房細動になりにくい健康的な生活習慣の指標を検討し、それを吹田心房細動リスクスコアに加えることにより予測能が向上することを示した。健診や日常外来で用いることにより、心房細動の予防啓発につながることが期待される。2019年3月29~31日に開催された第83回日本循環器学会学術集会にて発表された。理想の生活習慣の因子別に心房細動罹患調整ハザード比を算出 本研究では、健診受診者のうち、ベースライン時検査で心房細動有病者を削除した6,195人(30~79歳)を平均14年間追跡した。ベースライン時に、基本の健診の他に健康アンケート、生活習慣問診(食事、身体活動、睡眠、ストレス)、既往歴/現病歴を聴取した。食事については122項目の半定量食物摂取頻度調査を実施し、個人の平均的な食事からの栄養素、食品を集計した。追跡期間中の心房細動の判断については、2年に1回の健診受診時に心電図検査で心房細動・心房粗動(持続性・一過性)が認められた場合、問診現病歴で心房細動と認められた場合、診療録に心房細動を確認し認めた場合、原死因で心房細動を認めた場合のいずれか早い時点で、心房細動ありとして打ち切りとした。エンドポイントは、最終の健診受診日、最新の発症登録日、2015年12月末とし、Cox比例ハザードモデルを用いて解析した。 心房細動になりにくい健康的な生活習慣の指標を検討した主な結果は以下のとおり。・8万6,957人年の追跡期間中、257人の心房細動罹患が観察された(男性:4.7/1,000人年、女性:2.1/1,000人年)。これは、日本の人口で計算すると毎年45万人以上が発症していることになる。・理想の生活習慣の因子別による心房細動罹患調整ハザード比(95%信頼区間)は以下のとおりであった。- 健康的な食生活:「大豆製品(豆腐換算で半丁/日程度以上)」「野菜300g/日以上」「魚5回/週」「減塩(6g/日未満)」「清涼飲料水を控える」の5項目のうち3項目以上満たした場合、0.51(0.30~0.85)- 健康的な身体活動:「3階に上がるときに階段を利用する割合」が6割以上ある場合、0.72(0.53~0.98)- 健康的な睡眠時間:「6時間以上」で0.77(0.59~0.99)- タバコを吸わないこと:0.71(0.53~0.95)- 適正飲酒以下(男性:1合/日以下、女性:半合/日以下):0.61(0.44~0.85)・上記の理想の生活習慣因子5項目のうち、0または1個のみを満たす場合を基準とすると、3個満たす場合の心房細動罹患リスクは3分の1、4個以上満たす場合は4分の1となった。・理想の生活習慣因子を吹田心房細動リスクスコアに追加することで、C統計量は0.748から0.766と有意(p<0.05)に高まり、予測能が向上することが示された。

20142.

NSCLCの1次治療としてのペムブロリズマブ単剤の適応をTPS≧1%に拡大/FDA

 米国食品医薬品局(FDA)は、2019年4月11日、外科的切除または根治的化学放射線療法の候補ではないStageIIIまたは転移のある、PD-L1(TPS)1%以上の非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療としてペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)を承認した。この承認は1274例を対象に行われたKEYNOTE-042試験に基づくもの。 ペムブロリズマブ単剤投与の1次治療は従来、PD-L1(TPS)発現50%以上の転移を有するNSCLCに承認されていた。 KEYNOTE-042において患者は、ペムブロリズマブと化学療法(カルボプラチン+ペメトレキセドまたはパクリタキセル)に無作為に割り付けられ、ECOG PS、組織、地域、PD-L1発現(TPS≧50%対TPS 1~49%)によって層別化された。 主要評価項目はTPS≧50%、TPS≧20%、および全母集団(TPS≧1%)の全生存期間(OS)。この試験では、これらすべての集団においてペムブロリズマブ群で統計的に有意な改善を示した。 TPS≧1%の全母集団のOS中央値はペムブロリズマブ群および化学療法群でそれぞれ16.7および12.1ヵ月であった(HR 0.81、95%CI:0.71~0.93)。TPS≧20%サブグループのOS中央値はペムブロリズマブ群および化学療法群でそれぞれ17.7ヶ月および13.0ヶ月(HR 0.77、95%CI:0.64~0.92)。TPS≧50%サブグループのOS推定中央値は、ペムブロリズマブ群および化学療法群でそれぞれ20ヵ月および12.2ヵ月であった(HR 0.69、95%CI:0.56~0.85)。 KEYNOTE-042でペムブロリズマブ単剤投与群で多くみられる(10%以上)有害事象は、倦怠感、食欲減退、呼吸困難、咳、発疹、便秘、下痢、悪心、甲状腺機能低下症、肺炎、発熱、および体重減少であった。■関連記事PD-L1陽性肺がん1次治療におけるペムブロリズマブ単剤の効果(KEYNOTE-042)/Lancetペムブロリズマブ、非小細胞肺がん(PD-L1高発現)1次治療に承認/FDA

20143.

肉の摂取頻度が認知症リスクと関連

 これまで、食物摂取と認知症リスクとの関連は、初発症状バイアス(逆因果関係)の可能性を考慮して研究されていなかった。フランス・モンペリエ大学のLaure Ngabirano氏らは、肉、魚、果物、野菜の摂取頻度と認知症やアルツハイマー病(AD)の長期リスクとの関係について、初発症状バイアスを考慮して検討を行った。Journal of Alzheimer's Disease誌2019年号の報告。 12年間に2~4年ごとのフォローアップを行ったThree-city studyより、65歳以上のボランティア5,934例のデータを分析した。食物摂取は、簡潔な食物摂取頻度アンケートを用いて評価した。各フォローアップ時に、認知症症状の有無を調査した。初発症状バイアスリスクを制限するため、データの組み入れから最初の4年間に発生したすべての認知症症例を分析から除外した。社会人口統計、生活様式、健康要因で調整した後、Cox比例ハザードモデルを用いて分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・平均フォローアップ期間は、9.8年であった。・フォローアップ期間中の認知症発症者数は、662例であった(AD発症者数466例を含む)。・調整後、肉の摂取が少ないこと(1回以下/週)だけが、通常の摂取(4回以上/週)と比較し、認知症(HR:1.58、95%CI:1.17~2.14)およびAD(HR:1.67、95%CI:1.18~2.37)のリスク増加と関連が認められた。・魚、果物、野菜の摂取と認知症またはADリスクとの間に関連性は認められなかった。 著者らは「肉の摂取がかなり少ないと、認知症やADの長期リスクを増大させることが示唆された。これまでの研究からの知見は、初発症状バイアスが影響を及ぼした可能性がある」としている。■関連記事日本食は認知症予防によい:東北大魚を食べると認知症は予防できるのか日本人の認知症リスクに関連する食習慣とは?

20144.

国際腎臓学会で患者中心の透析医療を目指した「SONGイニシアチブ」

 4月12~15日にオーストラリアで開催された国際腎臓学会(ISN)-World Congress of Nephrology(WCN)2019で、4日間にわたり取り上げられた話題は多岐にわたるが、ここでは「患者を中心とした腎臓病治療」について紹介したい。 まず国際腎臓学会12日のセッション、「患者中心の慢性腎臓病(CKD)管理」では、患者の立場から、現在の臨床試験における評価項目の妥当性を問う、“SONGイニシアチブ”という取り組みが報告された。患者目線で見た場合、CKD治療で最重要視されるのは必ずしも生命予後や心血管疾患ではないようだ。CKD患者の「人生」を良くするために、医療従事者は何を指標にすればよいのか―。Allison Tong氏(オーストラリア・シドニー大学)の報告を紹介する。臨床試験は患者の疑問に答えているのか 現行の臨床試験は、当事者であるCKD患者が持つ疑問に答えているのだろうか。たとえば、透析例を対象にした介入試験326報を調べると、臨床評価項目で最も多かったのは「死亡」(20%)、次いで「心血管疾患」(12%)、「QOL」(9%)である1)。しかし、透析患者が自らの治療に当たり重要視しているのはむしろ「旅行の可否」や「透析に拘束されない時間」であり、医療従事者に比べ「入院」や「死亡」は重要視していないことも明らかになっている2)。つまり現在の臨床試験は必ずしも、透析患者の知りたい項目に答えていない。臨床試験に向け患者と医師がコラボ、SONGイニシアチブ このような現状を改善すべく、Tong氏らにより立ち上げられた運動が、Standardized Outcomes in Nephrology(SONG:腎症における標準評価項目)イニシアチブである。医療従事者と患者が、双方にとって意味のある評価項目を確立すべくコラボレーションする。現在、SONGイニシアチブは6つの腎疾患分野で進められているが、その中で先導的役割を果たしているのが、血液透析を対象としたSONG-HDである。以下の手順で、患者、医療従事者双方にとって意味のある評価項目を探った。 まず、医療従事者からなる運営委員会が文献をレビューし、これまでに報告された、血液透析例への介入試験で用いられた評価項目を抽出した。次に世界100ヵ国、患者・医療従事者6,400名からなるSONGイニシアチブ参加者から、参加施設ごとにフォーカスグループを選出。それら評価項目をそれぞれの立場から重要と思われる順に位付けし、加えてその理由をまとめた。これにより、患者と医療従事者間の相互理解促進が期待できる。そして最終的に、抽出評価項目に関する、イニシアチブ参加者全員を対象としたアンケート調査とフィードバックを繰り返し(デルファイ法)、全員にとって「重要と思われる」評価項目を絞り込んだ。その結果は最終的に、患者・医療従事者の代表からなるコンセンサス・ワークショップで議論され、決定された。「生きているだけ」の生活に患者は必ずしも満足していない フォーカスグループ・ディスカッションの結果は、血液透析における、患者と医療従事者の視点の差を浮き彫りにした。医療従事者が「死亡(生命予後)」を最重要視し、続いて「腹膜透析関連(PD)感染症」、「疲労」、「血圧」、「PD脱落」を重要な項目としたのに対し、患者が最も重要視していたのは「PD感染症」だった。次いで「疲労」、「死亡」となり、4番目に重視するのは「時間の自由さ」、そして「就労の可能性/経済的影響」だった。Tong氏は、ある患者による「時間の自由が利かず、エネルギーや移動の自由がなければ、何もせずに家で座っているのと同じだ」という旨の発言を紹介した。「単に生きているだけ」の状態に、患者は決して満足していないということだという。血液透析臨床研究に必須の4評価項目を提唱 これらの過程を経てSONG-HDコンセンサス・ワークショップは、「疲労」、「心血管疾患」、「バスキュラーアクセス」、「死亡」の4項目が、透析医療に関係する全員にとって重要であり、すべての臨床試験で検討すべき中核評価項目であると決定した。またそれに加え、一部の関係者にとって臨床的な意味を持つ中間層評価項目、臨床的な意味を持たない外殻評価項目も示された。 これら4項目中、「疲労」と「心血管疾患」の2項目については次に記すように、患者と医療従事者間に意思疎通の齟齬が生じないことよう、さらに踏み込んだ研究が報告された。「疲労」とはどのような状態を指しているのか? SONG-HDにおいて必須の評価項目とされた「疲労」だが、この言葉で表される、あるいはこの単語から想起される体調は人により千差万別であろう。この曖昧さは、臨床試験の評価項目として適切さを欠く。そこでAngelo Ju氏(オーストラリア・シドニー大学)らは「疲労」の客観的評価に取り組み、国際腎臓学会13日のポスターセッションで報告した。 まず、専門家グループがこれまでの研究で用いられていた「疲労」の評価法をレビュー。その結果を送付されたSONG-HD参加者(60ヵ国、658名)が、適切と思うものから順に序列をつけ返信。その結果を受け、患者と医療従事者からなるコンセンサス・ワークショップで議論し、以下に示す「3つの問い×4通りの答え」という「疲労」評価モデルを提唱。少人数を対象とした予備試験を実施し、適切さについてアンケートを実施した。 その結果、「疲れを感じますか?」、「元気がありませんか?」、「疲れのせいで日常生活に支障が出ますか?」―という3つの問いに、「まったくない」(0点)、「若干」(1点)、「かなり」(2点)、「ひどく」(3点)―の4回答が対応するモデルが完成した。これをどのように用いるか(組み合わせるのか、単独でも使えるのか、など)、現在、より多数を対象とした実証研究で検討中だという。「心血管疾患」とは何を指している? 使う人により意味が異なるという点では、「心血管疾患」という言葉も同じである。そこでEmma O'Lone氏(オーストラリア・シドニー大学)らは、字義を統一すべく、アンケート調査を行った。 アンケートの対象はSONG-HDに参加している、世界52ヵ国の患者・医療従事者481名である。血液透析に対する介入試験における「心血管疾患」で、重要と考えている個別疾患を順に挙げてもらった。 その結果、うまい具合に、患者、医療従事者とも「心臓突然死」を最重要と評価し、次いで「心筋梗塞」、「心不全」の順となった。今後は、これらイベントの適切な定義付けが必要だとO’Lone氏は考えている。本研究も国際腎臓学会13日のポスターセッションで報告された。患者がまず試験参加を決定し、主治医をリクルート さらに米国では「患者主導型」ともいえる臨床試験が、すでに始まっている。国際腎臓学会12日のセッション、「CKD研究におけるイノベーション」から、Laura M. Dember氏(米国・ペンシルベニア大学)の報告を紹介する。 Dember氏が挙げた「患者主導型」臨床試験の実例は、“TAPIR”試験3)である。対象は、腎疾患ではなく慢性肉芽腫症だが、寛解後低用量プレドニゾロン6ヵ月継続が転帰に及ぼす影響を、寛解時中止群と比較するランダム化試験である。 プレドニゾロンの有効性の検討に先立ち、試験実施センターが主導的役割を果たす「従来型」登録と、以下の「患者主導型」登録の間で、登録状況に差が生じるかが検討された。 「患者主導型」登録では、まず参加患者をウェブサイトで募る。参加に同意した患者はウェブで同意書を提出し、医師向けの臨床試験資料を受け取る。そして主治医受診時、その資料を提示して自らの臨床試験参加意思を表明、医師に対し協力を要請する。医師はプロトコールが適切であると判断すれば、患者に協力して臨床試験に参加する。その際は、ランダム化された治療を順守し、試験で求められる患者データを提出することになる。 その結果、患者登録数は3.3例/月の予定に対し、「従来型」群は1.8例/月、「患者主導型」群は0.4例/月といずれも振るわなかったが、「導入率」など、集まった患者の質には両群間で有意差を認めなかった。Dember氏はこの結果から、「患者主導型」登録を実行可能と評価したようだ。 ただし「患者主導型」の登録が実行可能となるためには、いくつか条件もある。同氏は実例として「患者の意識が高い」、「医師にやる気がある」、「理論的背景が明らかになっている必要がある」、「試験治療について担当医に高度な経験と実績がある」―などを挙げた。 このような「患者主導型」臨床試験はうまくいけば、医師が治療したい病変だけではなく、患者がなんとかしたいと苦しんでいる問題の掘り起こしにもつながる。また、本試験の臨床転帰が明らかになった時点で、「従来型」群と「患者主導型」群に、脱落率など、何か差が生じる可能性もあるだろう。 今後を注視していきたい。

20145.

消化管がんの2次予防にビタミンD補充は有効か/JAMA

 消化管がんの2次予防において、ビタミンD補充はプラセボと比較して、5年無再発生存率を改善しないことが、東京慈恵会医科大学の浦島 充佳氏らが実施したAMATERASU試験で示された。研究の詳細は、JAMA誌2019年4月9日号に掲載された。消化管がんの2次予防では、ビタミンD補充の有用性を示唆する観察研究の報告があり、無作為化試験の実施が求められていた。術後ビタミンD3補充の有用性を評価する日本の無作為化試験 本研究は、消化管がんにおける術後ビタミンD3補充療法の有用性の評価を目的に、単施設(国際医療福祉大学病院)で行われた二重盲検プラセボ対照無作為化試験である(国際医療福祉大学病院と東京慈恵会医科大学の助成による)。 対象は、年齢30~90歳、Stage I~IIIの消化管がん(食道から直腸まで)の患者であった。被験者は、ビタミンDカプセル(2,000IU/日)またはプラセボを経口投与する群に、3対2の割合で無作為に割り付けられた。投与は、術後の初回外来受診時(術後2~4週)に開始され、試験終了まで継続された。 主要評価項目は、無再発生存期間(割り付けからがんの再発または全死因死亡までの期間)とした。また、ベースラインの25-ヒドロキシビタミンD(25[OH]D)値で3群(<20ng/mL、20~40ng/mL、>40ng/mL)に分けてサブグループ解析を行った。 患者登録は2010年1月~2016年4月に行われ、フォローアップは2018年2月に終了した。417例が登録され、ビタミンD群に251例、プラセボ群には166例が割り付けられた。5年無再発生存率:77% vs.69%、年齢で補正すると有意に良好 患者はすべて日本人であった。フォローアップ率は99.8%で、フォローアップ期間中央値は3.5年(四分位範囲[IQR]:2.3~5.3)、最長7.6年であった。ベースラインの全体の年齢中央値は66歳で、34%が女性であった。がんの部位は、食道が9.6%、胃が41.7%、小腸が0.5%、大腸が48.2%で、StageはIが44%、IIが26%、IIIは30%だった。 再発または死亡は、ビタミンD群が50例(20%)、プラセボ群は43例(26%)で発生し、死亡はそれぞれ37例(15%)、25例(15%)だった。 5年無再発生存率は、ビタミンD群が77%、プラセボ群は69%であり、両群に有意な差は認めなかった(再発または死亡のハザード比[HR]:0.76、95%信頼区間[CI]:0.50~1.14、p=0.18)。また、5年全生存率は、それぞれ82%、81%であり、有意差はなかった(死亡のHR:0.95、0.57~1.57、p=0.83)。 サブグループ解析では、ベースラインの25(OH)D値が20~40ng/mLの集団において、5年無再発生存率がプラセボ群に比べビタミンD群で有意に優れた(85% vs.71%、再発または死亡のHR:0.46、95%CI:0.24~0.86、p=0.02、交互作用のp=0.04)。 また、ベースラインの年齢中央値がビタミンD群で高かった(67歳vs.64歳)ため、事後解析として年齢の四分位でHRを補正したところ、再発または死亡の累積ハザードが、ビタミンD群で有意に良好だった(補正HR:0.66、95%CI:0.43~0.99、p=0.048)。 骨折が、ビタミンD群3例(1.3%)、プラセボ群5例(3.4%)で、尿路結石が、ビタミンD群2例(0.9%)で発現した。また、入院を要した有害事象はビタミンD群19例(8.4%)、プラセボ群9例(6.1%)で、原発がんの部位以外の臓器に新たに発現したがんは、それぞれ15例(6.6%)、8例(5.4%)で認められた。 著者は、「ビタミンD補充は、ベースライン25(OH)D値20~40ng/mLの集団で有効であったが、これは探索的な検討であるため解釈には注意を要する」と指摘し、「生存に関して、至適な25(OH)D値の範囲はがん種によって異なる可能性がある。また、2,000IU/日という用量は、低25(OH)D値のサブグループでは、ビタミンD値を十分に上昇させるには不十分だった可能性もある」と考察している。

20146.

試験中止の認知症薬、BACE-1阻害薬による結果の詳細/NEJM

 前駆期アルツハイマー病患者を対象に、アミロイド前駆体タンパク質βサイト切断酵素1(BACE-1)阻害薬verubecestatの有用性を評価した国際的な臨床試験の結果が、米国・MerckのMichael F. Egan氏らにより発表された。verubecestatは、健康成人およびアルツハイマー病患者の脳脊髄液中のアミロイドβ(Aβ)を60%以上低下させ、BACE-2(生理機能は不明)の阻害作用も有するという。中間解析の結果、プラセボと比較して認知症の臨床的評価が改善せず、アルツハイマー病による認知症への進行例の割合が高く、有害事象の発現率も高かった。そのため、データ安全性監視委員会の勧告により、本試験は無効中止となった。NEJM誌2019年4月11日号掲載の報告。2種の用量とプラセボを比較、22ヵ国238施設の無作為化試験 本研究は、2013年11月~2018年4月の期間に、22ヵ国238施設で実施された二重盲検プラセボ対照並行群間無作為化試験であり、第1部(104週)および第2部(延長期)で構成された(Merck Sharp & Dohmeの助成による)。 対象は、年齢50~85歳、認知症の基準は満たさないものの、1年以上にわたる記憶力の低下を自覚しており、脳アミロイド値の上昇がみられる患者であった。被験者は、verubecestat 12mg/日(12mg群)、同40mg/日(40mg群)またはプラセボを投与する群に無作為に割り付けられた。 主要アウトカムは、ベースラインから104週時までの臨床認知症評価スケール(CDR-SB)のスコア(0~18点、点数が高いほど認知機能と日常生活機能が不良であることを示す)の変化とした。 日本人患者を含む1,454例が登録され、12mg群に485例、40mg群に484例、プラセボ群には485例が割り付けられた。704例(12mg群234例、40mg群231例、プラセボ群239例)が104週の治療を終了し、593例が延長期に登録された時点で、無効中止となった(2018年2月)。CDR-SBスコアの変化、高用量群で有意に不良 ベースラインの平均年齢は、12mg群71.7歳、40mg群71.0歳、プラセボ群71.6歳で、女性がそれぞれ47.4%、50.4%、44.0%であった。全体の69%がAPOE4保因者で、46%がアルツハイマー病の治療薬を併用していた。 CDR-SBスコアのベースラインから104週時までの推定平均変化量は、12mg群1.65、40mg群2.02、プラセボ群1.58であった(12mg群とプラセボ群との比較のp=0.67、40mg群とプラセボ群との比較のp=0.01)。したがって、高用量群のアウトカムはプラセボ群に比べ、有意に不良であることが示唆された。 アルツハイマー病による認知症へと進行した患者の推定割合は、100人年当たり12mg群24.5、40mg群25.5、プラセボ群19.3(12mg群のプラセボ群に対するハザード比は1.30[97.51%信頼区間:1.01~1.68]、40mg群のプラセボ群に対するハザード比は1.38[同:1.07~1.79]、多重比較の補正なし)であり、プラセボ群が有意に良好だった。 有害事象の頻度は、verubecestat群(12mg群91.3%、40mg群92.1%)がプラセボ群(87.0%)に比べ高かった。重篤な有害事象の頻度は、それぞれ25.7%、20.9%、19.8%であり、3例、1例、3例が死亡した。 verubecestat群で多い有害事象として、皮疹・皮膚炎・蕁麻疹(12mg群19.9%、40mg群20.9%、プラセボ群12.8%)、睡眠障害(7.9%、9.1%、4.5%)、体重減少(5.6%、6.6%、2.1%)、咳嗽(5.8%、6.2%、3.1%)、毛髪変色(2.5%、5.0%、0.0%)が認められた。転倒・負傷(25.7%、25.4%、20.7%)および自殺念慮(6.8%、9.3%、6.4%)も、verubecestat群で多かったが有意差はなかった。 著者は、「より早期Stageの患者のほうが、BACE-1の阻害への感受性が高い可能性がある。また、verubecestatの作用はBACE-2の阻害に起因する可能性もある」としている。

20147.

抗核抗体陽性肺がんへのPD-1阻害薬治療、安全性と有効性

 肺がん患者へのPD-1阻害薬治療において、抗核抗体(ANA)発現の有無は生存に影響するのか。九州大学病院 呼吸器科の米嶋 康臣氏らが、進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者83例を対象に安全性と有効性の検討を行った結果、自己免疫疾患の明らかな増悪はみられなかったが、ANA陽性患者生存予後は、ANA陰性患者と比べて有意に不良であったという。Lung Cancer誌2019年4月号掲載の報告。 研究グループは、進行NSCLC患者へのPD-1阻害薬の安全性および有効性に対するANAの潜在的影響を調べるため、PD-1阻害薬単独療法を受けた進行NSCLC患者について、ANAなど臨床データを後ろ向きに検討した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は83例で、そのうち18例(21.7%)がANA陽性であった。・免疫関連の有害事象(irAEs)の発現頻度は、ANA陽性群33.3%(6/18例)、ANA陰性群32.2%(21/65例)と、両群間で差はみられなかった。・ANA力価は、投与によって上昇する傾向がみられた。・無増悪生存期間はANA陽性群2.9ヵ月、ANA陰性群3.8ヵ月(p=0.03)、全生存期間はANA陽性群11.6ヵ月、ANA陰性群15.8ヵ月(p=0.03)と、どちらもANA陽性群で有意に不良であった。 著者は「ANA陽性の患者への投与は安全に行われたが、抗体価の上昇もあることから、厳密なモニタリングが必要である」とまとめている。

20150.

落雷によるリヒテンベルク図形【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第137回

落雷によるリヒテンベルク図形いらすとやより使用救急のドクターはおそらくご存じであろう、“リヒテンベルク図形”。落雷の際、皮膚に現れる所見として重要です。物理学的にはリヒテンベルク図形と呼びますが、医学論文の世界では“電紋”と呼ぶのが一般的です。 Cherington M, et al.Lichtenberg figures and lightning: case reports and review of the literature.Cutis. 2007;80:141-143.これは、電紋(リヒテンベルク図形)がどのようにできるのかを考察した論文です。まず、リヒテンベルク図形(Lichtenberg figure)がどういうものか知ってもらう必要があります。写真を見てもらうとわかりますが、稲妻が樹枝状に這うように枝分かれした模様のことを指します。写真. リヒテンブルク図形(Wikipediaより)これは、1777年ドイツの物理学者、ゲオルク・クリストフ・リヒテンベルクが発見したもので、対象物質の電子が一点に向かって移動する軌跡が可視化されたものと考えられています。電流により心停止となることも珍しくありませんが、皮膚表面では全身のさまざまな部位で火花放電(沿面放電)が起きます。紹介した論文によれば、落雷の場合は電子が表皮に向かって移動し、皮膚がキャンバスのように作用してリヒテンベルク図形を形成すると考えられています。この図形には、通常疼痛はなく、病理学的には血管透過性が亢進して血液が血管外に漏出した所見が得られます。つまり、熱傷とは異なる所見です。ちなみに電紋は、電流の流れた方向の推測に役立ちます。基本的に電流は、枝分かれする方向に流れるためです。

20153.

失業と不眠症との関連

 順天堂大学の前田 光哉氏らは、雇用形態と不眠症関連症状との関連について調査を行った。Industrial Health誌オンライン版2019年3月27日号の報告。 日本の国民生活基礎調査2010のデータより、20~59歳の4万3,865人の匿名データを分析した。雇用形態は、正規雇用、非正規雇用、自営業、その他、失業者、非労働力の6カテゴリで定義した。不眠症関連症状の性別特異的オッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を算出するため、交絡因子で調整した多変量ロジスティック回帰分析を用いた。さらに、精神疾患、喫煙状況、年齢による層別分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・男性における不眠症関連症状の多変量ORは、失業者で2.5(95%CI:1.8~3.4)、非労働力で2.1(95%CI:1.2~3.7)であった。・女性における不眠症関連症状の多変量ORは、失業者で1.9(95%CI:1.5~2.5)であった。・精神疾患で層別分析を行ったところ、この関連性は、精神疾患のない人において、より明確であった。なお、喫煙や年齢との関連性は認められなかった。 著者らは「失業または非労働力男性において、不眠症関連症状の有意に高いORが認められた。そして、この関連性は、精神疾患のない人において、とくに明確であった」としている。■関連記事仕事のストレスとベンゾジアゼピン長期使用リスクとの関連仕事のストレスが大きいほど、うつ病発症リスクは高い:獨協医科大学仕事の早期リタイアは認知症リスクを高める

20154.

症候性AFの第一選択にアブレーション加わる/不整脈非薬物治療ガイドライン(2018 年改訂版)

 「不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)」が、2019年3月29日に発表された。本ガイドラインは2011年改訂の「不整脈非薬物治療ガイドライン」、および2012年発表の「カテーテルアブレーションの適応と手技に関するガイドライン」の統合・改訂版。第83回日本循環器学会学術集会(3月29~31日、横浜)で、ガイドライン作成の合同研究班班長である栗田 隆志氏(近畿大学病院 心臓血管センター)、野上 昭彦氏(筑波大学医学医療系 循環器不整脈学)が、植込み型心臓電気デバイス(CIED)とカテーテルアブレーションの主な改訂点についてそれぞれ講演した。ICD適応を日本のエビデンスで裏付け CIEDでは、虚血性の冠動脈疾患および非虚血性心筋症に対する植込み型除細動器(ICD)の適応を、フローチャートの形で整理。ともに考え方や推奨度そのものは、2011年版から大きな変化はない。しかし非虚血性心筋症に対する一次予防では、DANISH試験を含むメタ解析や日本発のエビデンスなど、最新試験結果による推奨度の裏付けがなされた。 栗田氏は、「とくに2つの日本のデータから、非虚血性心筋症の一次予防におけるICD適応の根拠を得ることができたことは大きい。2015年発表のCHART-2試験によって示された、1次予防適応のクラスIならびにクラスIIa相当の患者における致死的不整脈の発生率はこの推奨度を支持する。また、2018年発表のNippon Stormからは、非虚血性の一次予防における適切作動率が、虚血性の二次予防と同程度という結果が得られており、有用性が示されている」と述べた。ESCではQRS幅130ms未満はCRT禁忌、しかし日本では? 心臓再同期療法(CRT)の適応は非常に複雑なため、NYHA心機能分類、薬物治療の施行、LVEF、QRS波形、QRS幅、調律に応じた推奨度を一覧化した表を不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)で初めて掲載している。この中で議論となったのが、CRT 適応とするQRS幅の下限値だ。2013年のEchoCRT試験の結果を受けて、ESC(欧州心臓病学会)の2016年のガイドラインでは、130ms未満はクラスIII(禁忌)となっている。 しかし、日本では120~130msの心筋症患者でもCRTレスポンダーの報告があること、またEchoCRT試験のサブ解析では、左室拡張末期容量(LVEDV)の小さな症例ではCRTの有用性が示されていることなどから、本改訂版では変更なく、下限値を120msとしている。 その他、旧版以降に登場した、リードレスペースメーカ、ヒス束ペーシング、経皮的リード抜去術などの新たな治療法についてもガイドラインでは項目立てされ、エビデンスが整理されている。症候性AFでは、薬物治療とカテーテルアブレーションが第一選択に 野上氏は、まず大前提として甲状腺機能亢進症、肥満、高血圧、糖尿病といった心房細動(AF)のリスク因子の適切な治療なくして、カテーテルアブレーションの施行はないことを強調。そのうえで、症候性AFにおいては、近年発表された3つのRCTやメタ解析でその有用性が示されたことから、抗不整脈薬の投与を経ないカテーテルアブレーションの施行を、抗不整脈薬投与とともに第一選択としてガイドラインでは推奨したと説明した。発作性/持続性AFでは、第一選択としてクラスIIaの推奨度が示されている。長期持続性AFについてはエビデンスが十分ではないが、抗不整脈薬による治療効果が乏しいため、同じくIIbの推奨度がガイドラインでは示されている。 一方、無症候性AFでは、長期予後を改善するというエビデンスは十分ではない。そのため不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)では2012年版と変更なく、推奨度はIIbのままとなっている。周術期の抗凝固療法についての改訂点は まず、ワルファリンとダビガトランを投薬中の患者については、休薬なしでAFアブレーションを施行することにクラスI、その他のDOACについてはクラスIIaの推奨度が不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)では示された。一方、多くの病院で行われている、DOACの術前1回ないし2回の休薬についても、ABRIDGE-J試験の結果などからIIaの推奨度となっている。 その他、単形性持続性心室頻拍(VT)におけるアミオダロン投与有の患者、右室流出路あるいは末梢プルキンエ線維起源の心室期外収縮(PVC)契機の多形性VT・心室細動(VF)に対するアブレーションに、クラスIの推奨度が示されている。■関連記事「心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版)」発表/日本循環器学会急性冠症候群ガイドラインの改定点は?/日本循環器学会

20155.

低分子ヘパリンによるVTE予防は小細胞肺がんのOSを改善するか/Ann Oncol

 静脈血栓塞栓症(VTE)は、血液凝固活性化とともに悪性疾患の特徴であり、がん関連の死亡や疾患の主因となっている。スウェーデン・スコーネ大学病院のLars Ek氏らは、低分子量ヘパリン(LMWH)による凝固阻害が、VTEおよび腫瘍の進行を予防し小細胞肺がん(SCLC)患者の生存を改善するかについて、多施設共同無作為化非盲検臨床試験「RASTEN試験」を実施した。追跡期間中央値41ヵ月において、VTE発生率は有意に減少したが、全生存期間(OS)は改善しなかった。著者は、「SCLC患者の管理において、LMWHの追加は一般的には勧められていないが、がん患者におけるVTEおよびLMWH関連出血の予測バイオマーカーは必要である」とまとめている。Annals Oncology誌2018年2月号掲載の報告。 研究グループは、新規に診断されたSCLC患者390例を、標準治療にLMWHとしてエノキサパリン1mg/kgを併用する群と併用しない群に無作為に割り付けた。 主要評価項目はOS、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、VTE発生率および出血性イベントとした(試験期間:2008年7月~2016年3月)。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は377例。エノキサパリン併用群186例、非併用群191例であった。・OSは、エノキサパリン併用群10.6ヵ月、非併用群11.3ヵ月で、有意差は認められなかった(HR:1.11、95%CI:0.89~1.38、p=0.36)。・PFSも同様に、エノキサパリン併用による延長は認められなかった(HR:1.18、95%CI:0.95~1.46、p=0.14)・VTE発生率は、エノキサパリン併用群で有意に低下した(HR:0.31、95%CI:0.11~0.84、p=0.02)。・出血イベントは、エノキサパリン併用群で高頻度にみられたが、致死的出血は両群で発生した。

20156.

HIVのPrEP法、性感染症の増加と関連/JAMA

 HIV曝露前予防投与(preexposure prophylaxis:PrEP)法を受けている同性愛/両性愛の男性において、細菌性の性感染症(sexually transmitted infections:STI)が一部で非常に多く認められ、PrEP法がSTI発生増加と関連することが明らかにされた。オーストラリア・Burnet InstituteのMichael W. Traeger氏らが、PrEP法開始後のSTI発生率の変化を検討する目的で実施した多施設共同非盲検介入試験「The Pre-exposure Prophylaxis Expanded(PrEPX)試験」の結果で、著者は「PrEP法を受けている同性愛/両性愛の男性に対する頻繁なSTI検査の重要性が浮き彫りとなった」とまとめている。これまでに、同性愛/両性愛の男性において、PrEP法開始後にSTIsが増加することは新たなエビデンスとして示されていたが、PrEP法開始前のSTI発生のデータは限定的であった。JAMA誌2019年4月9日号掲載の報告。同性愛/両性愛の男性で、PrEP法開始前後のSTI発生率を評価 PrEPX試験は、Australian Collaboration for Coordinated Enhanced Sentinel Surveillance of Blood- Borne Viruses and Sexually Transmitted Infections(ACCESS)プロジェクトの一環で実施された。2016年7月26日〜2018年4月1日に、オーストラリア・ビクトリア州で登録されたHIV高リスク者4,275例のうち、ACCESSクリニック5施設(プライマリケア3施設、性の健康クリニック1施設、地域のHIV迅速検査サービス施設1施設)で登録され、追跡調査のため1回以上の診察を受け、2018年4月30日までモニタリングされた2,981例について解析した。参加者は、登録後PrEP法としてテノホビルおよびエムトリシタビン1日1回経口投与と、年4回のHIV・STI検査と臨床的モニタリングを受けた。 主要評価項目は、クラミジア、淋病、梅毒の発生で、STI診断の行動リスク因子を示す発生率とハザード比を算出した。また、登録前の検査データがある参加者1,378例において、検査頻度を補正した発生率比(IRR)を求め、登録1年前から追跡期間中のSTI発生の変化を評価した。追跡期間中に約半数でSTIが発生、PrEP開始前に比べSTI発生率が増加 2,981例(年齢中央値34歳[四分位範囲:28~42])のうち、98.5%が同性愛/両性愛の男性で、29%が登録前にPrEP法を受けていた。89例(3%)が同意撤回のため除外となり、2,892例(97.0%)が最終追跡調査に登録された。 平均追跡調査期間1.1年(3,185.0人年)において、1,427例(48%)に2,928件のSTI(クラミジア1,434件、淋病1,242件、梅毒252例)が発生した。STI発生頻度は91.9/100人年で、全STIのうち2,237件(76%)を736例(25%)が占めていた。 完全なデータがある2,058例を対象とした多変量解析の結果、STIリスクの上昇は「年齢が若い」「パートナー多数」ならびに「集団セックス」と関連することが認められた。コンドームの使用との関連は認められなかった。 登録前の検査データのある参加者1,378例において、STIの発生頻度は登録前69.5/100人年から追跡期間中に98.4/100人年へ増加した(IRR:1.41、95%信頼区間[CI]:1.29~1.56)。検査頻度を補正後、登録1年前から最終追跡までの発生率は、全STI(補正後IRR:1.12、95%CI:1.02~1.23)およびクラミジア(補正後IRR:1.17、95%CI:1.04~1.33)で有意に増加した。

20157.

米国脳神経外科学会で外傷性脳損傷に対する再生細胞薬SB623の効果を発表/サンバイオ

 サンバイオ株式会社およびその子会社であるSanBio, Inc.は、2019年4月17日、再生細胞薬SB623の外傷性脳損傷を対象にした日米グローバル第II相試験(STEMTRA)の有効性および安全性に関する詳細結果を、米国脳神経外科学会(American Association of Neurological Surgeons)の年次総会で発表したことを明らかにした。24週時点の Fugl-Meyer Motor Scale(FMMS)のベースラインからの改善量が、SB623投与群8.7点、コントロール群2.4点となり主要評価項目を達成した。 米国疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)によると、米国において外傷性脳損傷(TBI)による障害を持つ患者数は約530万人おり、毎年28万人以上の新規患者が慢性的な障害に苦しんでいる。また、TBIによる障害は、一般的に長期化するとされている。 同試験は、SB623投与群46例、コントロール群15例の合計61例で行われ、主要評価項目はFugl-Meyer Motor Scale(FMMS)のベースラインからの改善量としている。運動機能障害の変化を測定するFMMSにおいて、10点以上の改善は外傷性脳損傷における臨床的に意味のある改善量とされているなか、10点以上達成はSB623投与群18例(39.1%)に対し、コントロール群は1例(6.7%)と、SB623投与群で統計学的な有意差を認めた(p=0.044)。 新たな安全性の懸念は認められなかった。最も多かった有害事象は頭痛で、術後7日までにSB623投与群の34.4%に発生したが、SB623投与群とコントロール群で、有害事象発生率の統計学的な有意差はなかった(p=0.25)。 同社は、外傷性脳損傷プログラム第III相臨床試験を2020年1月期末までに開始することを計画しており、日本においては、国内の再生医療等製品に対する条件及び期限付承認制度を活用し、2020年1月期(2019年2月~2020年1月)中に、再生医療等製品としての製造販売の承認申請を目指しているとしている。

20158.

5α還元酵素阻害薬で糖尿病の発症リスク増大?/BMJ

 5α還元酵素阻害薬(デュタステリドまたはフィナステリド)の投与を受ける良性前立腺肥大症患者は、タムスロシンの投与を受ける患者と比較して2型糖尿病の新規発症リスクが上昇することが示された。デュタステリドとフィナステリドとの間で有意差はなかった。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのLi Wei氏らが、5α還元酵素阻害薬投与による2型糖尿病の新規発症を検証した住民ベースのコホート試験の結果で、「これらの薬剤を開始する男性で、とくに2型糖尿病のリスク因子を有する男性では、モニタリングが必要になるだろう」とまとめている。最近の短期投与試験で、デュタステリドがインスリン抵抗性や脂肪肝を引き起こすことが示され、デュタステリドを日常的に服用している男性は他の治療薬を用いている男性と比較し、2型糖尿病のリスクが増加する可能性が指摘されていた。BMJ誌2019年4月10日号掲載の報告。デュタステリド群、フィナステリド群、タムスロシン群で2型糖尿病の新規発症率を解析 研究グループは、英国の大規模臨床データベース(Clinical Practice Research Datalink:CPRD 2003~14年)と台湾の医療保険請求に基づく研究用データベース(Taiwanese National Health Insurance Research Database:NHIRD 2002~12年)を用いて、前立腺肥大症の薬物療法として5α還元酵素阻害薬の投与を受ける患者における2型糖尿病の新規発症率を調べた。 CPRDでは、デュタステリド群8,231例、フィナステリド群3万774例、タムスロシン群1万6,270例が特定され、傾向スコアマッチング(デュタステリド対フィナステリドまたはタムスロシンを2対1)により規定したコホートは、それぞれ2,090例、3,445例、4,018例であった。NHIRDでは、デュタステリド群1,251例、フィナステリド群4,194例、タムスロシン群8万6,263例が特定され、傾向スコアマッチング後のコホートは、1,251例、2,445例、2,502例であった。 2型糖尿病の発生タイプを、Cox比例ハザードモデルを用いて評価した。デュタステリド、フィナステリドで2型糖尿病の発症リスクが約30%上昇 CPRDでは、追跡期間中央値5.2年(SD 3.1年)で、2型糖尿病の新規発症は2,081例確認された(デュタステリド群368例、フィナステリド群1,207例、タムスロシン群506例)。1万人年当たりの発症頻度は、デュタステリド群76.2(95%信頼区間[CI]:68.4~84.0)、フィナステリド群76.6(95%CI:72.3~80.9)、タムスロシン群60.3(95%CI:55.1~65.5)であった。タムスロシン群と比較し、デュタステリド群(補正後ハザード比[HR]:1.32、95%CI:1.08~1.61)およびフィナステリド群(1.26、1.10~1.45)は、2型糖尿病リスクの中程度の増大が確認された。 NHIRDの結果も、CPRDの結果と一致していた(タムスロシン群と比較したデュタステリド群の補正後HR:1.34[95%CI:1.17~1.54]、同フィナステリド群の補正後HR:1.49[1.38~1.61])。 傾向スコアマッチング解析でも、同様の結果が示された。

20159.

長時間透析の有用性は確認できず:ACTIVE Dialysis延長観察/国際腎臓学会

 血液透析例の予後改善の方策として、透析時間延長の有用性が唱えられている。しかし近年報告されたランダム化試験では、延長による生命予後改善の報告がある一方1)、増悪の報告もある2)。 前者は施設での短時間透析の回数を増やす有用性を検討しており、後者は自宅での夜間透析の回数を増やしていた。いずれも回数増加を介した透析時間の延長を試みていた。では透析を回数ではなく、時間そのものを目安に延長した場合、血液透析例の予後はどうなるだろうか―。この問いに答えるべく、Brendan Smyth氏(オーストラリア・シドニー大学)は、ACTIVE Dialysis試験の延長観察データを解析した。しかし観察研究という限界もあり、長時間透析の有用性は確認できなかった。4月12~15日にオーストラリアで開催された国際腎臓学会(ISN)-World Congress of Nephrology(WCN)2019のLate Breaking Sessionにて報告された。≧24時間/週の「長時間」透析と≦18時間/週の「標準」透析の比較 ACTIVE Dialysis試験は元来、長時間透析によるQOLへの影響を検討したランダム化試験である。血液透析(施設、自宅を問わず)を施行中の200例が、透析時間12~15時間(上限18時間)/週の「標準」透析群と、≧24時間/週の「長時間」透析群にランダム化され、12ヵ月間追跡された。両群とも、1週間当たりの透析回数や毎回の透析時間は、参加者が自由に設定できた。 今回報告されたのは、上記の12ヵ月間の「長時間」透析によるQOLへの影響について追跡終了後、さらに4年間観察した結果である。 当初の12ヵ月間の追跡終了時、試験に残っていたのは185例だった。平均年齢は52.1歳。透析導入の理由は、糸球体腎炎が41.0%で最も多く、次いで糖尿病性腎症の27.0%、高血圧性腎硬化症の11.0%が続いた。観察期間の大半で「長時間」透析と「標準」透析に差はなくなり、生命予後にも有意差なし それら185例をさらに4年間観察したデータを解析したが、介入試験終了後の観察研究となったため、「長時間」透析群における週当たりの透析時間は維持されず短縮。そのため、観察1年後以降は「標準」透析群との差は消失していた。いずれの群も、週の透析時間中央値は12時間であり、観察終了時に「長時間」透析群で≧24時間/週の透析を受けていたのは5%のみだった。 その結果、5年生存率は両群とも80%。「標準」透析群に対する「長時間」透析群の死亡ハザード比(HR)は0.91(95%信頼区間[CI]:0.48~1.72)で、有意差は認められなかった。「長時間」透析の有用性が否定されたわけではない Smyth氏はそこで、本稿の冒頭にある2試験(「頻回[=長時間]」透析vs.「通常」透析)と今回の結果を併せてメタ解析を行った。すると「長時間」透析では「通常」透析に比べ、死亡HRが0.84となったが、95%信頼区間は「0.57~1.23」で、有意差とはならなかった。しかし試験間のばらつきの指標であるI2は79.6%ときわめて高く、同氏は「このメタ解析をもとに、「長時間」透析の有用性を否定するのは適切ではない」と注意を促した。

検索結果 合計:36559件 表示位置:20141 - 20160