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20041.

DS-8201、HER2陽性乳がん第II相臨床試験の結果/第一三共

 第一三共株式会社とアストラゼネカは、HER2陽性の再発または転移のある乳がん患者を対象とした抗体薬物複合体トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)の第II相臨床試験(DESTINY-Breast01)において、臨床的意義のある効果が示されたと発表。 同試験は、T-DM1治療を受けたHER2陽性の再発または転移のある乳がん患者253例を対象とした北米、欧州および日本を含むアジアにおけるグローバル第II相臨床試験。同試験の主要評価項目である客観的奏効率は、2019年4月に医学雑誌「The Lancet Oncology」にて公表された本剤の日米共同第1相臨床試験の結果と同様の傾向が認められた。また、本試験において安全性上の新たな懸念は認められなかった。 同剤は、米国食品医薬品局より、HER2陽性の再発・転移性乳がん治療を対象として画期的治療薬(Breakthrough Therapy)指定およびファストトラック指定を受けている。また、厚生労働省よりがん化学療法後に増悪したHER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発胃がんに対する治療として先駆け審査指定を受けている。 同試験結果の詳細は、今後、学会にて公表する予定とのこと。

20042.

女性医師だけの問題ではない…!?(解説:小松郷子氏)-1041

 これまでにも大規模な質的研究における母親差別、セクシャルハラスメント、給与やキャリアへの性差別の報告がいくつもあるが、今回の研究は英国とオーストララシアの女性医師を対象にして、外科研修プログラムを途中で辞めた(辞めざるを得なかった)要因をブロックで視覚的にまとめたものである。スノーボール・サンプリング法による対象者はわずか12名で、インタビュアーのバイアスも除外しきれない中で逆に深く掘り下げることにより、新たな6つの要因を浮き彫りにしている。性差比較の研究結果の多くが先進国を含む世界中で同じ傾向にあることは残念ではあるが、悪しき要因改善を促す研究が世の中に出てくるようになったことは進歩なのかもしれない。 ただこれは「women」に限ったことではないのではないか。たしかに、男性医師は外科専門医の男性比率が高く交流しやすいだろう。同性社会の中で精神衛生状態が悪いことも少ないだろう。生物学的に妊娠出産がないからその時期のキャリアの中断もなければ、子育ては多くが(女性医師よりも)家族の協力を得やすいことが推測される。それでもハードな外科系を選択する男性医師は年々減少し、マンパワーに診療科間の不均等が生じているのも事実であり、しんどいとされる診療科では医師全体が過重労働になっている。男性医師でも「病気などで休暇を取ることが難しい」「休暇の正当な理由についての区別が曖昧」などの環境は似たようなものではないだろうか。だからこそ、「外科分野の研修プログラムは性別に重点を置くのではなく、多様な因子に気を配りながら、予期せぬ負の影響の可能性に留意した介入が必要となる」と述べている。外科研修プログラムの構造改革は、実は「men」にとっても重要なことだと暗に言っている。 「医者は事務職ではない」という上司の一言で労働基準法は無視され、時短勤務どころか育休すらなかった世代から見ると今は隔世の感があるが、それでもまだまだ周囲の理解は難しい。社会環境が整うには時間を要するが、相手の立場をあと一歩だけ慮り、チーム間のコミュニケーション・相互理解を深めれば、柔軟にキャリアを積める空気も生まれるだろう。今後sexual and gender minoritiesの声を拾ったデータも出てくるようになれば、某大学の入学式の祝辞が話題になることもない、生物学的性別を意識しない時代になるかもしれない。「Resilience」:柔軟性と適応力はどの分野でも必要なことである。MinoritiesのほうがResilienceは優れている可能性もある。

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ABATE Infection trial:非ICUにおけるクロルヘキシジン清拭は耐性菌発生を抑制できるか?(解説:小金丸博氏)-1043

 医療関連感染(Health-care-associated infections)は頻度が高く、重大な合併症を引き起こすことがあるため、世界中で予防策が検討されている。予防策の1つが患者の皮膚や鼻腔に定着した病原体の除菌であり、医療関連感染の発生や伝播を減らすことが期待されている。これまでに発表された、いくつかのクラスター無作為化比較試験において、ICU入室患者に対するクロルヘキシジン清拭やMRSAの鼻腔除菌が血流感染症やMRSA感染症を抑制することを示してきたが、非ICU入院患者に対する効果ははっきりしていなかった。 今回発表された研究(ABATE Infection trial)は、非ICU入院患者に対するICU同様の感染対策(全例に対するクロルヘキシジン清拭とMRSA保菌者に対するムピロシン鼻腔内塗布の併用)の感染予防効果を検討したクラスター無作為化比較試験である。米国の53病院(ICUを除いた194病棟)を対象とし、介入群と通常ケア群(非消毒薬による清拭、石鹸を用いたシャワー浴)との間でMRSAやバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の培養検出率や、全病原体による血流感染症発生率などを比較検討した。その結果、ベースライン期と比べた介入期のMRSA培養陽性またはVRE培養陽性のハザード比は、クロルヘキシジン清拭+ムピロシン鼻腔除菌群0.79(95%信頼区間:0.73~0.87)、通常ケア群0.87(同:0.79~0.95)であり、有意差は認めなかった(p=0.17)。全病原体による血流感染症の発生率にも有意差はなかった。有害事象の発生率は、クロルヘキシジン清拭群で1%未満と低率だった。 本研究では、非ICU入院患者に対するクロルヘキシジン清拭とMRSA保菌者に対するムピロシン鼻腔内塗布の併用は、通常ケア群と比較して、MRSAやVREの発生率や全病原体による血流感染症発生率を有意に低下させなかった。本研究の結果は、大きなサンプルサイズの無作為化試験の中で、かつ高いプロトコル遵守率の中で得られた結果であり、非重症患者全例に対する介入はそれほど有用ではない可能性が高い。その一方で事後のサブグループ解析では、中心静脈カテーテルなどのデバイスが留置されていた患者において、介入群で全病原体による菌血症が32%、MRSAまたはVRE発生率が37%減少していた。デバイスが留置されている患者に対しては有用な介入である可能性があるが、あくまで事後解析の結果であり、追加の確認試験が必要であろう。 クロルヘキシジンは日常的によく用いられる消毒薬であり、忍容性は良好だが、局所の皮膚毒性やアナフィラキシーと関連する。クロルヘキシジンに繰り返し曝露されると細菌の感受性低下を誘導するため、クロルヘキシジンの使用は患者の利益が明確な状況に限定されるべきと考える。

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第13回 カプランマイヤー法、Cox比例ハザードモデルとは?【統計のそこが知りたい!】

第13回 カプランマイヤー法、Cox比例ハザードモデルとは?生存率の分析手法に、「カプランマイヤー法」「Cox比例ハザードモデル」があります。これらの手法は、ある事象が起こった群と起こらない群の2群に対して、時間的な要素を考慮して解析する方法です。目的変数は「アウトカム」とも呼ばれ、死亡/生存(時には、再発する/再発しない、寛解する/寛解しないなど)の2群のカテゴリーデータになります。今回は、2つの生存率の分析手法を学習します。■カプランマイヤー(Kaplan-Meier)法アウトカムが死亡/生存という簡単な事例を示します。事例では、再発がん患者の生命予後の改善を見るために、従来の標準治療に加えて、患者424例には製品Aを投与、464例にはプラセボを投与し、36ヵ月間の経過観察を行いました。治療開始時は当然100%の患者さんが元気でしたが、時間の経過と同時に、残念ながらがんが進行し、1人また1人と亡くなられていく患者さんの割合が増加します。時間の経過とともに生存の割合(生存率)は下がります。図 事例のカプランマイヤー法の生存曲線カプランマイヤー法は、製品A群とプラセボ群の生存率を計算して、グラフを描く解析手法です。製品A群とプラセボ群の生存率の違いを調べ、製品Aの延命効果を把握する方法です。■Cox比例ハザードモデル(Cox回帰モデル)カプランマイヤー法では、生存期間と生存率の関係をプロットすることによって、製品A群とプラセボ群それぞれの生存期間の全体像がわかります。Cox比例ハザードモデルは、性別や年齢、Stageなどの生存率に影響を与える説明変数との関係式を作成し、関係式の係数から延命に寄与する要因を把握する方法です。説明変数に、投与薬剤(製品A群、プラセボ)を適用すれば、製品Aの延命効果を把握することができます。このように説明変数が生存期間に与える影響を考慮したうえで、製品Aの効果を評価するために広く用いられているのが、Cox比例ハザードモデルです。生存期間を解析するときの要因として、カプランマイヤー法は死亡や再発などのイベントの有無という1つの変数しかみていませんが、Cox比例ハザードモデルでは複数の要因を評価することができます。ちなみに、カプランマイヤー曲線のグラフの空いたところにハザード比やハザード比の95%信頼区間が記載されていることがありますが、カプランマイヤー曲線とは関係なく、Cox比例ハザードモデルで算出されています。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第1回 カプランマイヤー法で生存率を評価するセクション1 生存率を算出する方法セクション2 カプランマイヤー法で累積生存率を計算してみるセクション3 カプランマイヤー法の生存曲線を描いてみるセクション4 カプランマイヤー法の生存曲線を比較する

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第19回 心電図界のギョーカイ用語、知りたくない?~QRS波の命名法~(後編)【Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター】

第19回:心電図界のギョーカイ用語、知りたくない?~QRS波の命名法~(後編)第17回に続き、今回もQRS波(群)の命名法を扱いましょう。各要素は、上向きのR波を起点に前後の下向き波(Q波・S波)を命名するのが基本でした。今回の後編では、心疾患があるような人に見られる、より複雑な波形の呼び方についてDr.ヒロが解説します。【問題】次のQRS波はどう呼んだらいいか? 波形に注目して「~型」と答えよ。(図1)各QRS波形を表現できますか?画像を拡大する解答はこちら(1)rSR'型、(2)Rsr'S'型、(3)Qrsr's'型、(4)RR'型、(5)rSS'型、(6)rsR'R''s'型解説はこちらゴールデンウイーク中に“おさらい”の回を挟みましたが、今回もQRS波のカタチから「~型」と名前を与える問題を考えましょう。前々回に学んだ基本を覚えていますか?QRS波は、上向きが「R波」、下向きが「Q波」または「S波」と表現するのでした。各要素が1つずつなら、話はカンタンですが、複数あったらどうでしょう? Q波はあっても1つですが、ほかのR波やS波は2個、3個となる可能性があります。その時の対応方法がわかったら、より複雑な波形の命名も可能になりますよ。“2号や3号をどう呼ぶか?”今回は、より複雑なカタチをしたQRS波に名前を付けていきます。早速(1)からいきましょう。ちなみに最後のほうにある、なだらかな下向き波は「陰性T波」です。これは無視して、あくまでもQRS波にフォーカスして命名するのでご注意あれ! まず、見つけるべきは上向きの波形要素「R波」でしたね。…あれっ? よーく見ると、深掘れの“谷”を挟んで最初に小さな「r波」、そして最後に立派な「R波」と、2つの上向き波がありませんか?こういう時の呼び方はちゃんと決められており、“心電図業界”では、R波がいくつかある場合、左(手前)から順に「R波」、「R’波」、「R’’波」…とダッシュ「’」を付けて表現するんです。“~1号、~2号、~3号”みたいなノリで、2つ目の「R波」なら「アールダッシュ(R’)」、3つ目もあったら「アールダブルダッシュ(R”)」のように呼ぶんです。この(1)には「Q波」はなく、間の“谷”が「S波」になるので、「rSR'型」が正解になります。QRS幅も3.5mm(0.14秒[140ms])と幅広で、これは「完全右脚ブロック」の時にV1やV2誘導で見られる典型波形です。続いて(2)です。これも水平なST部分を介してなだらかな陰性T波に接続していますので、左端から9mmちょっとまでがQRS波です。これも「Q波」はなく、「R波」、「S波」ともに2つあるでしょう? ST部分につながる下向き波は幅広ですが(スラー)、これが2つ目の「S波」です。“2号”にダッシュがつくのは「R波」も「S波」も同じなので、「Rsr'S'型」が正解です。ここで『2つの「R波」に挟まれた“谷”は、深いのでは?』という人がきっといるはず(若かりし時のボクにもそう見えた)。こういう場合、“海抜0m地帯”、すなわち基線からの“振れ”を下向き波のサイズとして判定するんですって。基線とは…そう、T-Pライン(ないしT-QRSライン)です(第14回)。今回の波形は2心拍なく、T-PあるいはT-QRSラインが適用できないため、通常は同一線上にある「PR部分」(P波のおわり~QRS波のはじまり)で代用すると良いでしょう。すると、“谷”の部分は最初の「R波」の頂点からはガクンと落ち込みますが、下向き波としては1.5mm程度の深さとなるため、小文字アルファベットで表記するのです。では、より複雑な(3)はどうでしょう? なんかこの波形、見た目にもギザギザでヤバいですよね? 最初は「Q波」。これは幅が広く(1mm以上)なので「異常Q波」として扱います(第17回)。ここからは複雑なので、拡大して解説します(図2)。“地平線”的に基線を意識し、網掛け部分のQRS波に狙いを定めます。(図2)QRS波形(3)を拡大画像を拡大するすると、基線より上の“地上”にわずかに頭を出した小さい「r波」が2つ。その間に小さな「s波」(1つ目)、そして5番目、最後の下向き波も“地下”3mmに届かないので「s'波」(2つ目)です。よって、正解は「Qrsr's'型」。このように、ギザギザ・チックなQRS波は、高率で病的なことが多く、「fragmented QRS(complexes)」と呼ばれています。“幻の小さい波に惑わされるな”どんどんいきましょう。次の(4)は、これもQRS幅がワイドで「完全左脚ブロック」と診断する時に、V5やV6誘導、そして“ご近所”のIやaVL誘導で認められる波形です。恥ずかしながら、若かりし日のDr.ヒロは、ある程度QRS波の命名ができるようになってからも、これが“RsR'型”だと思っていました。ただし、教科書では「RR'型」となっていて、これが正解です。『あれ?2つのR波にある、ちーさな下向きの波は…「s波」とは違うの?』そう思う人いませんか?でも、これは違うんです。だって、“地下”に掘れてないもの。実は、基線より下向きの振れではないと「S波」と言わないのです。今思うと“常識”ですが、あまり教科書にも書かれてないこともあり、当時のボクがそれに気づくまでしばらく時間がかかりました。だからこそ、Dr.ヒロは取り上げます!次の(5)もまったく同じ考え方で大丈夫。1mmにも満たないはじめの「r波」を見逃さず、かつ“rS型”でも、ましてや“rSr'S'型”でもありません(これではボクと“同じ穴のむじな”状態になってしまいますよ~)。正しい答えは「rSS'型」。(4)も(5)も「R波」ないし「S波」が連続する時には、反対向きの小波はカウントせず、間にノッチ(notch)があると表現します。では、最後に“卒業問題”の(6)を扱って終わります。P波や(陰性)T波に惑わされず、基線を意識しながら波の上下を見定め、ノッチの“罠”にひっかからないように…。正解は「rsR'R''s'型」です。うーん、これが正しく言えたのなら、アナタはもうどんなQRS波形を見ても正しく命名できるでしょう。Dr.ヒロが太鼓判を押しますよ。“QRS fragmentationの臨床的意義”今回扱ったギザギザ波形の場合、「QRS fragmentation」または「fragmented QRS」があるという表現をします。これは心室内における電気伝導の遅延を反映しており、心臓病が起こって“キズ”がついていると理解するのがスムーズです。もっともシンプルなのは、心筋梗塞などの話です。次の図は、虚血性心疾患において「fragmented QRS」の有無で生存曲線を比較したものですが、有意差がありますね(図3)。(図3)Fragmented QRSの意義画像を拡大するそして、心筋症や弁膜症などの非虚血性心疾患でも心電図上の独立した予後不良因子*1となります。また、そのほか多くの疾患で死亡・心臓突然死などの予測因子の一つであることも示されています。ただ単に名前が言えるだけではなく、実臨床での話に還元すると非常に興味深いですよね。最後に、前編・後編で扱ったQRS波の命名ルールをまとめました(図4)。(図4)QRS波の命名法まとめ画像を拡大する2回に分けてお送りした「QRS波の命名法」、いかがだったでしょうか。個々の波を正しく認識し、ルールに沿って全体の波をどう呼ぶかを考える。複雑な波形の名前がビシッとうまく言えたとき、何だかオレ(ワタシ)成長しなたなぁ…そんな風に思うのではないでしょうか?QRS波に命名する…それは“我が子”に名を与える親の様子にも似ているなぁ。QRS波一つ一つの“名付け親”になることで波形が愛おしくなり、世界中の皆さんが心電図を好きになってくれたらなぁ…と考えてしまうDr.ヒロなのでした。Take-home MessageQ波はあっても1つだが、R波やS波は複数あったら「ダッシュ(’)」を用いて表現する上向きか下向きかは、基線(T-P [QRS] ライン)からの上下で見極めよう脚ブロックに典型的なQRS波の名称(型)と形をイメージできるようになろう!*1:Jain R, et al. Curr Cardiol Rev. 2014;10:277-286.杉山 裕章. 心電図のみかた、考え方[基礎編]. 中外医学社;2013.p.68-74.【古都のこと~日本循環器学会学術集会2019】今回は、京都を飛び出して「特別編」をお送りします。2019年3月末、パシフィコ横浜で行われた第83回日本循環器学会学術集会に参加してきました。新幹線を降りた時、やや肌寒さを感じましたが、会場はアツかった! セッションやセミナー各種、展示企画まで盛りだくさんの内容でした。自己研鑽以外、もう一つの“お目当て”が。それは、学会に合わせて刊行した2冊の書籍の様子伺いをすることでした。うち1冊の『心電図の読み“型”教えます!Season 1』は、本連載(初回~第11回)の内容をベースに、加筆・修正したものです。陳列された実際の書籍を目にすると、学会直前ギリギリまで作業を続けてくれた中外医学社の関係諸氏への感謝の念が湧き上がります。普段、編集を担当してくれている土井女史とも喜びを分かち合い、書籍コーナーで記念写真をパシャ(笑)これもいい記念になりました。爽やかな刺激を受けたことで、ボクももっとやらなきゃと謙虚な気持ちになり、適度な疲れとともに家路につきました。なお、食いしん坊は、中華街にもちゃっかり足を伸ばし、点心コースを堪能しましたとさ…。

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第37回 大学院在学中、川添58歳への挑戦【週刊・川添ラヂオ】

動画解説4月から大学院修士課程に在籍している川添先生。博士課程の修了は6年後58歳となる予定です。病院、薬局、在宅とさまざまな場所で活躍する川添先生ですが、研究発表では「うまくできていない」と先輩方からはなじられることもあったそう。大学院進学を決断した川添先生が説く「薬剤師への大学院進学の勧め」。

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第14回 医療の質・安全学会学術集会【ご案内】

 2019年11月29日(金)、30日(土)の2日間、第14回医療の質・安全学会学術集会が国立京都国際会館で開催される。今回のテーマは、「レジリエンスの探求~つながり、共創、イノベーション~」。レジリエンスとは、システムの特性を表す用語で、柔軟性、弾力性、しなやかさを意味する。 本学術集会は、さまざまな専門性や多様性を有する医療者が「医療の質・安全」を共通言語としてつながり、創発的なひらめきを共創し、機能・価値の創造と技術革新などのイノベーションを引き起こし、ヘルスケアシステムにレジリエンスを実装することを目的としている。レジリエンス・エンジニアリングの世界的権威であるエリック・ホルナゲル教授をはじめ、国内外からさまざまな学際領域の専門家が招聘され、学術的かつ実践的な議論が行われる予定だ。4月24日(水)より演題登録を行っているので、ご興味のある方は、ぜひ登録をお願いしたい。 開催概要は以下のとおり。【日時】2019年11月29日(金)~30日(土)【場所】国立京都国際会館【大会長】大阪大学医学部附属病院中央クオリティマネジメント部 教授 中島 和江氏【テーマ】レジリエンスの探求~つながり、共創、イノベーション~Enabling Resilient Health Care through Connections, Co-creation and Innovation【お問い合わせ先】大阪大学医学部附属病院 中央クオリティマネジメント部〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-15株式会社コンベンションリンケージ内〒531-0072 大阪府大阪市北区豊崎3-19-3 PIAS TOWER 11FTEL 06-6377-2188FAX 06-6377-2075E-mail:14jsqsh@c-linkage.co.jp第14回医療の質・安全学会学術集会詳細はこちら

20048.

がん患者のVTE、抗凝固薬投与は3ヵ月以上?

 静脈血栓塞栓症(VTE)は、がん患者における上位の疾患・死亡要因である。がん患者のVTE治療は、現在のところ3~6ヵ月以上の抗凝固療法が推奨されているが、至適期間は不明であった。米国・クリーブランドクリニックのAlok A. Khorana氏らは、新たに診断されたVTEを有するがん患者について、後ろ向きコホート研究を行い、抗凝固療法は3ヵ月以上でVTE再発リスクを約50%低下させることを明らかにした。Supportive Care in Cancer誌オンライン版2019年2月8日号掲載の報告。 研究グループは、がん患者における抗凝固療法の実施期間とVTE再発との関連を調査する目的で、The Humana claimsデータベースを用い、2013年1月1日~2015年5月31日に初回VTEの診断を受け、注射または経口の抗凝固療法を開始した新規がん患者を特定し、治療開始から追跡(2015年6月まで)。Cox比例ハザードモデルを用いて治療を中止した患者における治療期間別のVTE再発リスクを評価した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は1,158例であった。・VTE治療期間が0~3ヵ月の患者と比較し、3~6ヵ月の患者および6ヵ月以上の患者は、VTE再発率が有意に低かった。・患者背景を補正後もVTE治療期間が0~3ヵ月の患者と比較し、3~6ヵ月の患者(HR:0.53、95%CI:0.37~0.76)、および6ヵ月以上の患者(HR:0.48、95%CI:0.34~0.68)は、VTE再発リスクが有意に低かった(いずれもp<0.01)。・VTEイベントの定義に外来患者を含んだ場合も、類似の結果が得られた。

20049.

親密なパートナーからの暴力への介入、妊婦の産後QOLを改善するか/JAMA

 親密なパートナーからの暴力(intimate partner violence:IPV)は公衆衛生上の課題であり、女性や子供に重大で有害な結果をもたらす。カナダ・マックマスター大学のSusan M. Jack氏らは、初めての子供を持つ社会的および経済的な不利益を経験している妊婦への看護師による自宅訪問プログラム(nurse home visitation program)に、IPVへの包括的な介入を加えても、出産後の母親の生活の質(QOL)の改善は得られないことを示した。研究の詳細はJAMA誌2019年4月23日号に掲載された。米国の3つの無作為化試験では、看護師による自宅訪問プログラムは妊娠アウトカム、子供の健康、母親のライフコース(life-course)における成長を改善すると報告されているが、IPVが中等度~重度の母親ではこの効果は得られていない。また、他の米国とオランダの試験では、IPVへの同プログラムの効果に関して相反する知見が得られているという。IPV介入による強化の有用性を評価するクラスター無作為化試験 研究グループは、看護師による自宅訪問プログラムをIPV介入で強化することによる、母親のQOLへの影響を評価する目的で、単盲検クラスター無作為化試験を行った(米国国立傷害予防管理センター[NCIPC]などの助成による)。 2011年5月~2015年5月の期間に、米国8州の15施設で、社会的不利益を受け、2.5年間の看護師による自宅訪問プログラムに参加している16歳以上の妊娠女性492例を登録した。参加施設は、看護師による自宅訪問プログラム+IPV介入を行う強化プログラム群(7施設、229例)または看護師による自宅訪問プログラムのみを行う標準プログラム群(8施設、263例)に無作為に割り付けられた。 強化プログラム群の施設では、看護師が集中的なIPV教育を受け、IPV介入を行った。介入には、安全性計画(safety planning)、暴力の認識(violence awareness)、自己効力感(self-efficacy)、社会的支援への紹介に焦点を当てた評価や個別的ケアを支援するクリニカルパスが含まれた。標準プログラムには、暴力曝露に関する限定的な質問と、虐待を受けた女性に関する情報が含まれたが、看護師への標準化されたIPV研修は行われなかった。 主要アウトカムは、ベースラインおよび出産後から24ヵ月までの6ヵ月ごとの面談で得られたQOLとした。QOL評価にはWHOQOL-BREF(0~400点、点数が高いほどQOLが良好)を用いた。7つの副次アウトカムにも有意差なし 全体の平均年齢は20.3(SD 3.7)歳で、白人が62.8%、黒人/アフリカ系米国人が23.3%であり、高卒/職業訓練校修了が53.3%、独身/未婚が80%、被扶養/無収入が35.7%だった。421例(86%)が試験を完遂した。 WHOQOL-BREFスコアは、強化プログラム群ではベースラインの299.5(SD 54.4)点から24ヵ月後には308.2(52.6)点へ、標準プログラム群では293.6(56.4)点から316.4(57.5)点へといずれも改善し、QOLはむしろ標準プログラム群のほうで良好な傾向がみられた。マルチレベル成長曲線分析では有意な差はなかった(モデル化スコア差:-4.9、95%信頼区間[CI]:-16.5~6.7)。 7つの副次アウトカム(Composite Abuse Scale[CAS]によるIPV、SPANによる心的外傷後ストレス障害[PTSD]、Patient Health Questionnaire 9[PHQ-9]によるうつ状態、TWEAKによる飲酒問題、Drug Abuse Severity Test[DAST]による薬物問題、12-Item Short-Form Health Survey[SF-12]による心の健康および身体的健康)はいずれも、両群に有意差はみられなかった。また、有害事象の記録は両群ともになかった。 著者は、「これらの知見は、この複雑で多面的なIPVへの介入によって、看護師による自宅訪問プログラムを強化した支援を支持しない」としている。

20050.

ABO血液型不適合腎移植は、生存・生着を改善するか/Lancet

 ABO血液型不適合腎移植(ABOi-rTx)は、脱感作プロトコルや最適化に進展がみられるものの、3年以内の死亡率や移植腎の非生着率がABO血液型適合腎移植(ABOc-rTx)を上回ることが、ドイツ・オットー・フォン・ゲーリケ大学マクデブルクのFlorian G. Scurt氏らによるメタ解析で示された。研究の成果はLancet誌オンライン版2019年4月18日号に掲載された。ABOi-rTxは、提供臓器不足の打開策としてその使用が増加しているが、早期および長期のABOc-rTxに対する非劣性のエビデンスが求められている。ABOc-rTxを対照とし追跡期間1年以上の観察研究のメタ解析 研究グループは、ABOi-rTxとABOc-rTxのアウトカムを比較した観察研究を系統的にレビューし、メタ解析を行った。2017年12月31日までに発表され、ABOc-rTxを対照として移植術後1年以上のフォローアップが行われ、移植腎および移植を受けた患者の生存に関するデータを含む論文を選出した。死体腎ABOc-rTxは除外した。 主要エンドポイントは、術後1、3、5年および8年以降の全死因死亡、および移植腎の生着率とした。メタ解析では、I2が0の場合は固定効果モデルを、I2が0以上の場合は固定効果と変量効果モデルの双方を用いた。 1998年1月~2017年9月に発表された40件(日本の12件を含む)の試験に参加した6万5,063例を解析の対象とした。ABOi-rTx群が7,098例(平均年齢:44.9歳[範囲:34~56])、ABOc-rTx群は5万7,965例(43.1歳[31~55])であった。長期的な生存、生着には差がない、組み直し腎臓提供の強化を ABOi-rTx群はABOc-rTx群に比べ、移植後の1年死亡率(オッズ比[OR]:2.17、95%信頼区間[CI]:1.63~2.90、p<0.0001、I2=37%)、3年死亡率(1.89、1.46~2.45、p<0.0001、I2=29%)および5年死亡率(1.47、1.08~2.00、p=0.010、I2=68%)が有意に高かったが、8年以降の死亡率に有意差は認めなかった(1.18、0.92~4.51、p=0.19、I2=0%)。 移植腎生着率(death-censored graft survival)については、ABOi-rTx群はABOc-rTx群に比べ、1年時(OR:2.52、95%CI:1.80~3.54、p<0.0001、I2=61%)および3年時(1.59、1.15~2.18、p=0.0040、I2=58%)は有意に低く、5年時(1.31、0.96~179、p=0.09、I2=75%)および8年以降(1.07、0.64~1.80、p=0.79、I2=66%)は有意な差がなかった。 移植腎喪失の割合は、5年時および8年以降は両群で同等であった。一方、ABOi-rTx群で敗血症の割合が高かったが、尿路感染症やサイトメガロウイルス感染症には有意な差はなかった。また、ABOi-rTx群は出血や血腫、リンパ嚢腫の頻度が高かった。拒絶反応の割合は、全体、境界領域、T細胞関連型には両群で差はなかったが、急性抗体関連型の拒絶反応はABOi-rTx群で高かった。 リツキシマブベースの脱感作プロトコルは、これを用いた場合および用いなかった場合の死亡率が、初回脱感作プロトコルの有無にかかわらず、1年時(リツキシマブ不使用[OR:2.70、95%CI:1.74~4.18、I2=27%、pheterogeneity=0.23]、リツキシマブ使用[1.97、1.14~3.42、I2=45%、pheterogeneity=0.02])および3年時(リツキシマブ不使用[2.37、1.04~5.42、I2=47%、pheterogeneity=0.11]、リツキシマブ使用[1.77、1.20~2.60、I2=11%、pheterogeneity=0.33])ともに、ABOi-rTx群がABOc-rTx群よりも高かった。 出版バイアスは検出されなかった。また、移植後5年までの結果は頑健であったが、それ以降のデータは無効または非結論的だった。 著者は、「これらの知見は、ABO血液型不適合腎移植を進めるのではなく、組み直し腎臓提供(kidney paired donation)を支持するものであり、腎臓交換プログラムのネットワークを拡大し、その活用を強化する行動を求めるものである」としている。

20051.

長時間作用型持効性注射剤による統合失調症患者の機能アウトカムへの効果~メタ解析

 心理社会的機能障害は、統合失調症で一般的にみられる。非定型抗精神病薬の長時間作用型持効性注射剤(LAI)は、アドヒアランスを改善することにより、心理社会的機能を改善すると考えられる。しかし、臨床試験において非定型抗精神病薬LAIが心理社会的機能に及ぼす影響を検討したシステマティックレビューは報告されていない。オーストラリア・アデレード大学のAndrew T. Olagunju氏らは、非定型抗精神病薬LAIとプラセボまたは経口抗精神病薬を比較したランダム化比較試験のシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。The Australian and New Zealand Journal of Psychiatry誌オンライン版2019年4月8日号の報告。 主要データベースより、2018年までの非定型抗精神病薬LAIとプラセボまたは経口抗精神病薬を比較したランダム化比較試験を言語の制限なく検索した。心理社会的機能の変化とその予測因子に関する調査結果をシステマティックにレビューした。心理社会的機能の変化に関するデータは、ランダム効果モデルを用いてメタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・システマティックレビューには26研究、メタ解析には19研究、8,616例(男性の割合:68.1%)が含まれた。・非定型抗精神病薬LAIは、心理社会的機能の改善において、プラセボ(標準化平均差[SMD]:0.39、95%信頼区間[CI]:0.32~0.47、p<0.001、I2=0%、9研究)および経口抗精神病薬(SMD:0.16、95%CI:0.01~0.31、p=0.04、I2=77%、10研究)と比較し優れており、その優位性は、短期および長期試験においても維持されていた。・心理社会的機能の不良の予測因子は、治療期間の長さ、症状重症度、認知機能不良、病識不良であった。・機能の評価は、単一または複数の方法の組み合わせにより評価したが、ほとんどの研究において、主要アウトカムではなかった。・その他のバイアス要因としては、盲検およびランダム化不良の報告が含まれていた点であった。 著者らは「非定型抗精神病薬LAIの心理社会的機能に対する改善効果は、プラセボと比較し有益であったが、経口抗精神病薬に対する優位性は大きくなかった。ベースライン時の重度な精神症状は、心理社会的機能の不良を予測した」としている。

20052.

HIV予防薬服用で性感染症が増加するのは悪いことなのか?(解説:岡慎一氏)-1040

 いったんHIVに感染すると、現在の治療では治癒は不可能である。つまり、一生涯におよぶ治療が必要となる。日本では、年間の医療費は約250万円/人である。30歳前後でHIVに感染し、40年間治療を受ければ1人約1億円の医療費がかかる。HIV治療の公費負担は感染者が増えれば増えるほどかさむことになる。この10年間、毎年1,500人前後の新規感染者が発見されている。残念ながら、コンドーム推進キャンペーンが有効だとはいえない状況である。 世界で唯一、新規感染者を減らす方法として有効性が確立されているのは、今回の論文に出てくるHIV Pre-Exposure Prophylaxis(PrEP)である。PrEPとは、HIV感染リスクの高い人が前もって予防薬を服用することである。この予防法は非常に有効で、しっかりと予防薬さえ飲んでいれば、コンドームなどを使わなくてもHIVに感染することはほぼゼロになる。使わなくてもよければ使わない人が増えるのは当然で、その結果として、その他の性感染症(STI)が増加することは容易に予測される。この研究でも実際にSTIが増加したことが示されている。当然PrEPを始めると定期的にSTIの検査を受けるので、より多くのSTIが見つかるはずである。したがって、この論文では、検査件数で補正している。PrEP前に比べ検査件数で補正するとSTI全体で1.12倍増えている。しかしである。たった1.1年のフォローアップ期間である。PrEPにより定期的なSTI検査と早期診断・早期治療を徹底していけば、STI自体も減ってくるはずである(そのような地域もある)。さらに、HIV感染症と他のSTI、たとえば注射一本で治る淋病との重要度は比べようもない。HIVに対するrisk compensationとして1.12倍STIが増えたとしても取るに足らないことであろう。 現在、新規HIV感染者が激減しているのは、PrEPが実施されている国や地域のみである。2016年にWHOがHIVガイドラインでPrEPを強く推奨してから、2019年4月現在、世界ではすでに44ヵ国でPrEPが承認されている。そろそろ日本もcost effectivenessの確立されたPrEPの薬事承認をすべきときに来ている。

20053.

バイオシミラーはインフリキシマブと同等の効果を有するのか?(解説:上村直実氏)-1042

 クローン病(CD)は原因不明で根治的治療が確立していない炎症性腸疾患であり、わが国の患者数は現在約4万人で、医療費補助の対象である特定疾患に指定されている。CDに対する薬物療法は、症状や炎症の程度によって、寛解導入と寛解維持を目的として5-ASA製剤、ステロイド、代謝拮抗薬と段階的にステップアップする薬物療法および栄養療法が行われていたが、治療抵抗性を示すケースが多かった。近年開発された抗TNF-α抗体をはじめとする生物学的製剤の登場は、治療の選択肢を大幅に広げ、CD治療の目的である活動性のコントロールとQOL向上に大きな有用性を発揮している。 一方、近年、医療費の大幅な高騰がわが国の大きな課題となっており、世界中に類をみない国民皆保険制度の存続も危惧される事態となりつつある。このような状況で、医療費の抑制に関して通常医薬品については、安価なジェネリック医薬品の使用が盛んに推奨されて一定の成果を上げている。他方、臨床現場での有用性は高いものの、非常に高価な生物学的製剤の後発品はバイオシミラーと呼ばれ、一般薬のジェネリックとは一線を画している。すなわち、分子量が大きく構造の同一性を示すことが難しい生物学的製剤の後発品であるバイオシミラーの承認条件には、通常のジェネリックには課せられていない有用性と安全性を検証するための臨床試験が義務付けられている。日本は韓国や欧米と比較して、バイオシミラーの開発分野における後進国である。臨床試験に膨大な費用が必要なのか、国民皆保険制度における通常医療が充実しているためなのか、その原因は不明であるが、今後、国を挙げての対策が必要と思われる。 今回、活動性クローン病に対する有用性と安全性の検証を目的とした国際共同RCTにおいて、インフリキシマブのバイオシミラーであるCT-P13がインフリキシマブに対して非劣性であることがLancetで報告された。抗TNF-α抗体はCDのみでなく慢性関節リウマチや強直性脊椎炎など非常に多く使用される高価な薬剤である点を考えると、信頼できるバイオシミラーの登場は、課題である高額な医療費の抑制に貢献することが期待される。

20054.

フルベストラントとAI剤併用の意義(解説:矢形寛氏)-1044

 本試験は2つの内分泌療法薬の併用(FUL+AI)で、PFSだけでなくOSの改善までみられたという点で大変興味深いが、臨床応用においては注意が必要である。ポイントをまとめてみたい。1.AI単独群でPD後はFULの使用を無料で提供しており、半数弱が切り替えていたにもかかわらずOSの明確な改善がみられた。2.FULは250mgと通常の半量の使用であり、FUL 500mgより医療経済的にメリットが高そうである。3.現在の標準であるFUL単独(500mg)のAI剤に対する優位性はすでに示されているが(FALCON試験)、OSに関しては明確ではない(弱い間接的証拠はある[FIRST試験+CONFIRM試験])。 ・FUL+AIとFUL単独の比較をみたいところではある。 ・FUL 500mg+AIの効果を知りたいところである。4.現在、CDK4/6阻害薬の使用が可能となっており、AI単独またはFUL単独との併用が基本である。5.本邦ではFUL+AIの併用は保険上認められていない。6.さらに、あらかじめ計画されたサブグループ解析では、内分泌療法薬(TAM)使用歴があると、AI単独群と比較してFUL併用群のAbsolute benefitはなさそうである。これはFUL単独群でも同様かもしれない。 1〜3よりFUL+AIは非常に優れた治療であるが、4、5を考慮すると使用する場面は非常に少ないのが現状であろう。

20055.

横断中の歩きスマホがもたらすリスク【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第138回

横断中の歩きスマホがもたらすリスクぱくたそより使用今はもう、はやっていないのかもしれませんが、一時期「ポケモンGO」がものすごく流行しましたよね。社会現象になったくらい。私は時間がもったいなかったのでプレイしませんでしたが、街中にスマホを持ってウロウロしている人がたくさんいたのを覚えています。 Chen PL, et al.Pedestrian smartphone overuse and inattentional blindness: an observational study in Taipei, Taiwan.BMC Public Health. 2018;18:1342.この台湾の研究を最初読んだとき、歩きスマホで失明するのかと勘違いしそうになったのですが、タイトルにある非注意性盲目(inattentional blindness)というのは、無意識のうちに選んだ対象に注意を向ける際、その周囲で起こっている事象が背景化してしまい、記憶に残りにくいという現象のことを指します。マジックやイリュージョンでよく使われる現象です。この研究は、台北市において、スマホにおける通話、音楽、テキストメッセージのやりとり、ゲーム、ネットサーフィンといった行動が、スマホの過剰使用と歩行者の非注意性盲目に与える影響を調べたものです。Wi-Fiカメラを用いて、歩行者が信号を横断するときにスマホを使っていたかどうかを判断しました。横断した後、個々にインタビューを行い、気が散っていたか散っていなかったかの2群に分類されました。さて、どうやってそれを判定したかというと、横断歩道の反対側からピエロがスマホを持ち、そこからそれなりの音量の国歌を流して渡っていたので、普通ならば気付くでしょう、ということです。スマホに没入していると、ピエロには気付かないですよね。また、赤信号になっている間、歩行できる残り時間が表示されるのですが、渡り切ったときに「どのくらい時間が残っていたか」についても尋ねました。写真. 台湾の歩行者用信号(小緑人)Wikipediaより引用地道な作業が続けられ、なんと合計2,556人の歩行者のデータが集まりました。このうち、横断する前の歩道を歩いていた時点からインタビューするまでの間、スマホを触っていたのは2,215人で、横断している最中も触っていたのは約半数の1,112人に上ります。恐ろしい。判明したのは、調査当時に大流行していたポケモンGOのユーザーの非注意性盲目が顕著であったことです。ロジスティック回帰モデルで非注意性盲目の関連を調べると、ほかに独立リスク因子として記載されているのは、スマホの画面が大きいこと、データ使用制限がないスマホ、学生であること、でした。音楽を聴きながら横断していたなら国歌が聴こえないのはわかりますが、ゲームに熱中してピエロが国歌を流していたことがわからない集団がいるというのも怖い話です。何を言わんとしているかというと、とくに道路を横断しているときは歩きスマホは注意しましょうということです。

20056.

小児双極性障害の最新疫学研究~メタ解析

 小児双極性障害に関連する研究は、過去7年間で増加している。米国・ザッカーヒルサイド病院のAnna Van. Meter氏らは、2011年の小児双極性障害の有病率についてのメタ解析をアップデートし、有病率に影響を及ぼす因子について検討を行った。The Journal of Clinical Psychiatry誌2019年4月2日号の報告。 2018年、PubMedおよびPsycINFOより、英語で出版された論文を用いて文献レビューを行った。選定基準は、青少年の疫学サンプル、双極性スペクトラム障害を有する青少年の数、21歳以上と分類された青少年の有病率(両方を含む場合)とした。検索された2,400件中44件を評価し、8件を解析対象とした。各双極性障害サブタイプの有病率は、報告に沿って記録し、仮説モデレーター(研究の特徴や環境要因など)もコーディングした。 主な結果は以下のとおり。・8件の追加試験より、合計サンプル数19件が得られ、サンプルサイズは、5万6,103例(双極性障害患者1,383例)で3倍となった。・米国での研究が7件、南アメリカ、中央アメリカ、ヨーロッパでの研究が12件であった。・双極性スペクトラム障害の加重有病率は、3.9%(95%CI:2.6~5.8%)であった。・研究間での有意な不均一性が認められた(Q=759.82、df=32、p<0.0005)。・双極I型障害のプール率は0.6%(95%CI:0.3~1.2%)であり、これらにおいても不均一性が認められた(Q=154.27、df=13、p<0.0001)。・双極性スペクトラム障害有病率の高さの予測因子は、広義の双極性障害基準の使用(p<0.0001)、最少年齢(p=0.005)、生涯有病率(p=0.002)であった。・より新しい研究において、有病率の低さとの関連が認められた(p<0.0001)。 著者らは「最新のメタ解析では、米国の双極性スペクトラム障害有病率は、他の西欧諸国と比較し高くはなく、経時的な増加も認められないことが確認された。標準的でない診断基準は、全スペクトラムを除外した小児双極性障害の狭義の定義に焦点を当てた場合と同様に、さまざまな有病率を示すことにつながる。小児双極性障害の有病率に関する問題を解決するためには、検証済みの基準を一貫して適用することが求められる。非西欧諸国での研究は、国際的な有病率と危険因子を理解するうえで必要である」としている。■関連記事若年双極性障害への治療効果を高めるには小児・思春期の双極性障害に対する非定型抗精神病薬vs気分安定薬小児および青年期の重度な精神疾患発症率と薬理学的治療

20057.

芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍にtagraxofuspが効果/NEJM

 未治療または再発の芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)成人患者において、tagraxofusp(SL-401)の投与が臨床的奏効をもたらしたことが示された。発現頻度が高かった有害事象は肝機能異常および血小板減少症であり、重篤な有害事象は毛細血管漏出症候群であった。tagraxofuspは、短縮ジフテリア毒素と遺伝子組み換えヒトインターロイキン-3(IL-3)が融合したCD123標的細胞毒素である。米国・テキサス州立大学M.D.アンダーソンがんセンターのNaveen Pemmaraju氏らが、BPDCN患者11例を対象としたパイロット試験の良好な結果を受けて、tagraxofusp単独療法の安全性および有効性を検証する多施設共同非盲検第II相臨床試験を実施し、結果を報告した。BPDCNは、IL-3受容体サブユニットα(IL3RAまたはCD123)を過剰発現する形質細胞様樹状細胞の形質転換によって引き起こされる予後不良の進行性血液がん(造血器腫瘍)であり、白血病やリンパ腫に対する従来の治療法では効果がない。NEJM誌2019年4月25日号掲載の報告。tagraxofusp 7μg/kgまたは12μg/kg投与の有効性と安全性を評価 研究グループは、2014~17年に、未治療/再発BPDCNの患者47例をtagraxofusp 7μg/kg投与群および12μg/kg投与群(いずれも、1サイクル21日として1日目~5日目に静脈内投与)に割り付け、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで投与を継続した。 主要評価項目は、未治療患者における完全奏効および臨床的完全奏効を合わせた割合、副次評価項目は奏効持続期間であった。 47例中、未治療群(初回治療としてtagraxofuspの投与を受けた)は32例、既治療群は15例、患者の年齢は中央値(範囲)で70歳(22~84)であった。奏効率は、未治療患者の高用量群で90%、既治療患者でも全体で67% 未治療群の12μg/kg投与を受けた29例において、完全奏効および臨床的完全奏効は21例(72%)で確認され、部分奏効も合わせた全奏効率は90%であった。29例中13例(45%)は、tagraxofusp治療後の寛解期に幹細胞移植を受けた。18ヵ月生存率は59%、24ヵ月生存率は52%であった。また、既治療群の15例において、全奏効率は67%、全生存期間中央値は8.5ヵ月であった。 とくに発現頻度の高かった有害事象はALT値上昇(64%)、およびAST値上昇(60%)で、次いで低アルブミン血症(55%)、末梢性浮腫(51%)、血小板減少症(49%)であった。毛細血管漏出症候群は19%の患者で報告され、各投与量群1例の死亡と関連した。 なお、本試験の結果に基づき、tagraxofuspは成人および2歳以上の小児のBPDCNに対する治療薬として2018年12月に米国で承認された。

20058.

蠕虫感染症治療のベース、学校集団vs.地域集団/Lancet

 英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のRachel L. Pullan氏らは、土壌伝播蠕虫感染症に対する、学校集団を対象とした駆虫プログラムの代わりとなる集団治療の有効性を評価したクラスター無作為化比較試験を実施した。その結果、地域社会全体を対象に行った年1回の治療が、学校集団を対象とした同じく年1回の治療と比較して、鉤虫症の罹患率および感染強度の低下に有効であることが明らかにされた。検討では、年2回の介入も検討され、付加的利点はほとんど認められなかったことも判明した。学校集団を対象とした駆虫プログラムは、小児の土壌伝播蠕虫感染症の罹患率を低下させうるが、より広い地域社会への伝播は阻止できていなかった。今回の結果について著者は、「介入の範囲および効果の点で、地域社会全体への治療が非常に公正であることが示された」と述べている。Lancet誌オンライン版2019年4月18日号掲載の報告。学校集団(2~14歳)vs.地域集団(全年齢)、アルベンダゾール投与を比較 研究グループは、2015年3月18日~2017年5月17日の期間で、ケニア・クワレ地区(15万世帯)の120地域単位を対象に、アルベンダゾールによる治療を、2~14歳の学校集団で年1回実施する群、地域単位で全年齢を対象に年1回実施する群または年2回実施する群に1対1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要評価項目は、反復横断調査で評価した12ヵ月および24ヵ月時点の鉤虫症の罹患率であり、副次評価項目は、回虫および鞭虫の罹患率、各土壌伝播蠕虫感染症の感染強度ならびに治療の範囲と費用とし、intention-to-treat解析で評価した。地域集団の治療で鉤虫症罹患率が41~54%の低下 24ヵ月後、鉤虫症の罹患率は年1回学校集団治療群で18.6%(95%信頼区間[CI]:13.9~23.2)から13.8%(95%CI:10.5~17.0)に、年1回地域単位治療群で17.9%(95%CI:13.7~22.1)から8.0%(95%CI:6.0~10.1)に、年2回地域単位治療群で20.6%(95%CI:15.8~25.5)から6.2%(95%CI:4.9~7.5)に変化した。 年1回学校集団治療群と比較した、年1回地域単位治療群のリスク比は0.59(95%CI:0.42~0.83、p<0.001)、年2回地域単位治療群は同0.46(95%CI:0.33~0.63、p<0.001)であった。 リスクの低下は、12ヵ月の時点でも確認されたが24ヵ月の時点よりも少なかった。24ヵ月後のリスク比は、人口統計学的および社会経済的なサブグループ間で差異はなかった。アルベンダゾールに関連した有害事象の報告はなかった。

20059.

高齢者NSCLCにおけるペムブロリズマブの成績/ELCC2019

 ペムブロリズマブの3つ無作為化比較試験KEYNOTE-010、024、042のプール解析の結果、高齢の非小細胞肺がん(NSCLC)患者では、ペムブロリズマブでの全生存期間が化学療法を有意に上回った。この研究は3件の臨床試験の高齢(75歳以上)患者264例と75歳未満の患者2,292例の結果を比較したもので、九州がんセンターの野崎 要氏らが欧州肺学会(European Lung Cancer Congress 2019)で発表した。対象患者はPD-L1(TPS)1%以上であり、高齢患者の半数はPD-L1(TPS)50%以上であった。 主な結果は以下のとおり。・PD-L1(TPS)1%以上の高齢患者における化学療法群と比較したペムブロリズマブ群の全生存期間(OS)のHRは0.76(95%CI:0.56~1.02)であった。 ・PD-L1(TPS)50%以上の高齢者のOSにおいてもペムブロリズマブ群が化学療法群に比べ改善した(HR:0.41、95%CI:0.23~0.73)。・高齢患者と若年者を比較した1年OS率は、PD-L1 (TPS)1%で53.7%対54.9%、PD-L1 (TPS)50%以上で61.7%対61.7%と、共に同程度であった。・ペムブロリズマブ群高齢患者の治療関連有害事象(TRAE)の頻度は、化学療法群に比べ少なかった(68%対94%)。Grade3~5のTRAEも、ペムブロリズマブ群で少なかった(24%対61%)。・高齢患者における免疫関連有害事象およびインフュージョンリアクションはペムブロリズマブ群で多くみられた(25%対7%)ものの、その頻度は若年者と同様であった(25%)。

20060.

乳がんのリンパ浮腫が一過性から持続性になるリスク因子

 乳がん治療関連リンパ浮腫(breast-cancer-related lymphedema、以下BCRL)には一過性と持続性があるが、持続性への移行のリスク因子が明らかにされた。台湾・Koo-Foundation Sun Yat-Sen Cancer CenterのI-Wen Penn氏らによる5年間のコホート研究の結果、対象患者342例のうち3分の2が持続性で、「リンパ節転移が多い」「体重増加がある」「上腕周囲径の差(circumferential difference、以下CD)が大きい」患者ほど、持続性の尤度が高いことが示されたという。Supportive Care in Cancer誌2019年3月号掲載の報告。 研究グループは、(1)BCRLを有する全患者において、持続性リンパ浮腫(persistent lymphedema、以下PLE)のリスク因子を特定すること、(2)PLE発症の予測モデルを確立することを目的とし、BCRLを有する患者342例を、腫脹発症から中央値5年間追跡し解析を行った。 PLEの定義は、皮下組織の硬化、上腕CDまたは追跡期間中の腫脹再燃とした。 多重ロジスティック回帰法にて、PLEリスク因子(腫脹、治療、患者関連因子など)を特定した。モデルの予測精度は、ROC曲線下面積(AUC)を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・BCRL342例のうち、229例(67%)がPLEであった。・多重ロジスティック回帰分析により、リンパ節転移の数(p=0.012)、初回腫脹時の最大上腕CD(p<0.001)、追跡期間中の同差の最大値(p<0.001)が、PLEの有意な予測因子であることが明らかにされた。AUCは0.908であった。・体重増加(p=0.008)と、追跡期間最終時の最大CD(p=0.002)を含めると、分析精度はさらに上昇することが示された(AUC=0.920)。

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