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歯科従事者の手湿疹有病率36.2%、そのリスク因子とは?

 歯科医療従事職は、手湿疹のリスクが高い職業の1つである。熊本大学大学院 公衆衛生学分野の皆本 景子氏らは、歯科医療従事者における職業性手湿疹の有病率とそのリスク因子を明らかにする目的でアンケート調査を行った。その結果、実際に歯科医療従事者の手湿疹有病率は高いことが明らかになり、著者は、「予防のための教育とより頻繁なパッチテストが必要」と述べている。Contact Dermatitis誌2016年10月号の掲載の報告。 研究グループは、熊本市内の全歯科医院に自己記入式アンケートを郵送するとともに、歯科医療に関連する24種のアレルゲンに対するパッチテストの希望者を募り、パッチテストを行った。 主な結果は以下のとおり。・97医院(全送付先の31.4%)の歯科医療従事者、計528人(全従事者の46.4%)から回答が得られた。・手湿疹の年間有病率は、36.2%であった。・ロジスティック回帰分析の結果、年間有病率の最も重要なリスク因子は、アトピー性皮膚炎(オッズ比[OR]:4.7、95%信頼区間[CI]:2.2~8.8)、喘息・アレルギー性鼻炎(OR:2.0、95%CI:1.3~3.0)、皮膚乾燥(OR:1.7、95%CI:1.1~2.7)、歯科医療従事期間が短いこと(10年以内の20年超に対するOR:2.0、95%CI:1.2~3.5)、手洗浄回数が>10回/日(OR:1.6、95%CI:1.0~2.5)であった。・54人がパッチテストを受けた。職業に関連した接触アレルゲンは、ゴム関連化学物質およびアクリルであった。

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高齢者の「噛む力」と死亡リスク

 70歳時の最大咬合力は、日本人高齢男性における全死因死亡率と独立して関連することが、新潟大学の岩崎 正則氏らによる研究で明らかになった。この研究データは、口腔機能と高齢者の健康との関連についての追加エビデンスになりうる。Journal of oral rehabilitation誌オンライン版2016年4月15日号の報告。 高齢者における口腔機能が死亡率に及ぼす影響に関して、情報は限られている。そこで著者らは、口腔機能、最大咬合力の客観的尺度が高齢者の死亡率と関連しているかどうかを検証するため、13年間追跡する前向きコホート研究を行った。 対象は、ベースライン時に70歳であった日本人559人(男性282人、女性277人)。ベースライン時に健康診断・歯科検診・アンケート調査を行い、電子記録装置(Occlusal Force-Meter GM10)を用いて最大咬合力を測定した。その後、生命状態を確認するために13年間フォローアップ調査を行った。性別で層別化し、Cox比例ハザード回帰モデルを用いて、最大咬合力の三分位間で生存率を比較した。 主な結果は以下のとおり。・13年間で111人が死亡した(男性82人、女性29人)。・単変量解析の結果、男性において最大咬合力の最低群は、最高群と比較して全死因死亡リスクが増加していた(ハザード比[HR] 1.94、95%CI:1.13~3.34)。この関連は、交絡因子の調整後も有意であった(調整HR 1.84、95%CI:1.07~3.19)。・逆に、女性においては、最大咬合力と全死因死亡率との間に関連は認められなかった。

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皮膚有棘細胞がんになりやすい職業

 皮膚有棘細胞がん(皮膚扁平上皮がん、以下cSCC)の職種間の相対危険度の差は社会経済的要因に関連し、職業性曝露にある程度関連する可能性があることが、ノルウェー・National Institute of Occupational HealthのJose Hernan Alfonso氏らによるフィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンでの45年間の追跡調査で明らかになった。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2016年6月1日号に掲載。 北欧諸国におけるcSCCの年齢調整罹患率は過去60年間で増加しており、職種間のcSCCの相対リスクの違いの同定は、予防的な意味合いを持つ可能性がある。 この研究は、1961~2005年の1,290万人の国勢調査データとがん登録データを結合した記録に基づいた歴史的前向きコホート研究である。各国の国民全体のcSCC罹患率を基準として用い、53職種におけるcSCCの標準化罹患比を推定した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中、8万7,619例のcSCC発症が国のがん登録に報告された。・参加したすべての国で、船員、軍人、保安職業従事者、技術者、教師、輸送関連労働者、医師、歯科医師、看護師、その他の医療従事者、宗教関連労働者、事務従事者、管理者、販売代理人において、標準化罹患比の有意な増加が認められた(1.08~1.77)。

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「食べる」ことは高齢者には大問題

 5月9日、日本老年医学会は、6月に開催される「第58回 日本老年医学会学術集会」を前にプレスセミナーを都内で開催した。セミナーでは、同会の活動状況、学術集会の概要が説明されるとともに、「高齢者の低栄養、咀嚼機能、嚥下障害」の3つのテーマについて、レクチャーが行われた。 はじめに学会理事長の楽木 宏実氏(大阪大学大学院医学系研究科老年病・循環器内科学 教授)が、学会の活動を報告。「フレイル」(高齢者における健常な状態と要介護状態の中間の状態)の概念を社会に普及させる活動のほか、先日の熊本地震へ支援として行った「一般救護者用 災害時高齢者医療マニュアル」の配布活動などについて説明した。 続いて、学術集会会長の森本 茂人氏(金沢医科大学高齢医学科 主任教授)が、6月8日より金沢市で開催される学術集会(テーマ「地域で創る健康長寿と老年医学」)について、諸学会との共催シンポジウムの内容や高齢者診療のディベートセッションの概要を説明した。意外に見落とされている高齢者の栄養問題 講演では、葛谷 雅文氏(名古屋大学大学院医学系研究科地域在宅医療学・老年科学 教授)が、「地域高齢者の栄養に関する諸問題」をテーマに、低栄養が高齢者の生命予後に及ぼすリスクについて説明した。 現代人のライフステージでは、加齢などが原因でだいたい約70歳前後で体重は減少に転じていく。この体重減少に低栄養状態が加わるとフレイル、サルコペニア、転倒・骨折、感染症などのリスクが高まっていくという。 高齢者の体重減少・低栄養の要因としては、社会的要因(独居、介護不足など)、疾病ならびに薬剤(臓器不全や摂食・嚥下障害、薬の副作用など)、加齢(食欲低下など)、精神・心理的要因(うつ、認知機能障害など)、その他(一般健康情報のミスリードなど)が考えられている。 低栄養状態になった場合、どのようなリスクが高まるのか。KAIDEC Study(n=1,142)によれば、要介護度が上昇するにつれ、低栄養を示すスコアである簡易栄養状態評価表(MNA®-SF)の数値が上昇すること、摂食・嚥下障害重症度分類(DSS)で問題ありとされる割合も増えることが示唆されている。また、栄養不良の高齢者は、生命予後、入院、施設入所のいずれの項目でもリスクが高く、肥満者よりも健康障害を起こしやすいことが示唆されているという。 現在、平均寿命と健康寿命の差の縮小を目指して、さまざまな施策が、医療・介護の面で行われている。厚生労働省の調査によれば、介護が必要となる原因の半数は老年症候群関連であり、その2番目にフレイルが挙げられている。そのため、フレイル予防が、健康寿命延長につながる。 フレイルは、(1)歩行速度(2)握力(3)体重減少(4)倦怠感(5)活動度などで評価される。フレイルの有症率は、年齢とともに増加する。時にはサルコペニアなどと合併していることもあり、高齢者の筋肉を維持し、減少させないことが重要である。予防・介入方法としては、レジスタント運動や、低栄養を予防する食事(とくにタンパク質、アミノ酸、ビタミンDなどを十分に摂取)が必要とされる。 葛谷氏は、「高齢者医療の現場では、栄養への問題意識は医療者・患者ともにまだ希薄である。高齢者の低栄養対策では、75歳前後ではフレイルの予防、85歳前後では要介護状態での低栄養といった2つの局面を考える必要がある。医療者はこれらに意識を向け、栄養不良を予防することで救える高齢者を見逃してはならない」とレクチャーを結んだ。実は高度な運動能が必要な「咀嚼」 次に、「咀嚼」について菊谷 武氏(日本歯科大学 教授/口腔リハビリテーション多摩クリニック 院長)が、「咀嚼機能が支える高齢長寿社会」をテーマに口腔リハビリテーションの視点から講演を行った。 厚生労働省の歯科疾患実態調査によれば、2011年時点の80歳で28歯中20歯以上を残している高齢者は全体の25.1%と報告され、年々その数は増加しているという。歯の状態は低栄養発症リスクにも関係し、義歯(入れ歯)咬合維持群はそのリスクが1.7倍、咬合崩壊群では3.2倍になるという。また、窒息の発症をエンドポイントに調べた研究(n=486)によれば、3年間で51例に発症し、その独立した危険因子として、臼歯部(奥歯)の咬合不良、認知機能の低下、食事の自立が示唆されている。 要介護高齢者の歯科受診状況は、定期的に歯科受診をしている人はわずか15%、過去3ヵ月に症状があって受診が10%、受診していないは75%にも上っており、適切な口腔の診療や指導を受けていない実態が示された。 食事の摂取で重要な働きをする咀嚼は、口腔の巧みな運動能と関連しており、咀嚼力は「咬合支持×口の力強さ、巧みな動き×認知機能」で機能する。咀嚼は、歯の本数だけでなく、舌の機能と運動能に関係し、運動能が弱まると、食物を一塊として飲み込めず、窒息のリスクが高くなる。また、菊谷氏らが行った摂食状況、摂食形態実態調査によれば、自己の摂食嚥下機能に合致した食事をしている高齢者は32%であり、残り68%はリスクを抱えたまま食事をしている実態が示された。 最後に「咀嚼を運動機能と捉えた場合、要介護高齢者は、舌圧が低く、機能訓練の必要がある。口腔サルコペニアを防止する取り組みが大切であり、継続した歯科診療や口腔リハビリテーションが必要」とレクチャーを終えた。嚥下障害は地域連携で対応 最後に、嚥下障害が起こすリスクとその対応について、藤谷 順子氏(国立研究開発法人国立国際医療研究センターリハビリテーション科医長)が、「在宅高齢者の嚥下障害とその対応」と題して解説を行った。 食事は、高齢者の楽しみの1つであり、外出などの生活行動とも直結するほか、健康維持、疾病予防にも大切な役割を果たしている。現在、嚥下障害をもつ高齢者は、一般医療機関(病棟)で14.7%、老人保健施設で29.5%、訪問看護ステーションで17.7%にも上り、嚥下障害に起因する誤嚥性肺炎が問題となっている。誤嚥性肺炎は、年間30万人が罹患していると推定され、治療後の経過は自宅退院が43%、医療・介護施設が37%、死亡が20%となっている1)。 問題は、退院時のADLであり、自立して食事できる人が全体の33%、自立歩行できる人が24%と、一度でも罹患すると自宅退院者でも要介護状態になりやすいことが示唆されている2)。また、高齢になればなるほど嚥下の力が落ちていき、飲み込んだつもりで窒息する、誤嚥が多いことも報告された。 咀嚼・嚥下機能低下による誤嚥性肺炎予防のためには、嚥下機能などの早期検査、在宅などでのリハビリテーション訓練の実施が求められ、これらは健康寿命を延ばすためにも重要となる。 とくに在宅高齢者の嚥下障害対応としては、軽度であれば地域で行われている啓発活動や介護事業、機能改善や低栄養の予防を図る対応、専門家の利用が望ましい。また、嚥下障害があれば、基幹病院などを巻き込んだ地域包括ケア(例:新宿ごっくんプロジェクト)などが必要とされる。 最後に藤谷氏は、「嚥下リハビリテーションの基本は、現在の嚥下能力でもおいしく食べる機会を持ち、食べることにハンデがあってもできるだけQOLの高い生活を送れるようにすること。下り坂でも、その時々でできることを、外来などでも指導していってもらいたい」と理念を述べ、レクチャーを終了した。参考文献1)山脇正永.総合リハ.2009;37:105-109.2)Yagi M, et al. Geriatr Gerontol Int.2015 Oct 13.[Epub ahead of print]関連リンク第58回 日本老年医学会学術総会高齢者災害医療支援新宿ごっくんプロジェクト~摂食嚥下機能支援~(嚥下観察シートなど書式あり)

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スキマ時間の利用【Dr. 中島の 新・徒然草】(116)

百十六の段 スキマ時間の利用当院に来た今年度の新研修医、医科歯科合わせて16名のうち、「掃除が趣味」と答えた人が男女各1名ずついました。片付け・掃除こそが大切だと思っている私としては、大変頼もしく思った次第です。もっとも、片付けや掃除が重要というのは誰でもわかっているのですが、それを実行するのが難しいわけですね。そこでスキマ時間の活用を提案したいと思います。ある台所名人は、料理をしながら同時に洗い物をして片付けをしていくのだとか。私なんかは到底できませんが、女房に言わせれば、煮物とかミネストローネのような待ち時間の長いものなら、料理と同時に皿を洗ったり片付けたりすることも可能だそうです。同じことは自分の職場でも言えます。自室にいるときは、プリントをしている間にその辺を拭いたり、本を本棚に片付けたりすることができます。外来診察室であれば、空き時間に不要な書類を捨てたり、引き出しの中を整理したりするといいですね。手術中でもフィブリン糊の溶解待ちの間に、術野で絡まっている吸引チューブや電気メスのコード類を整理したり、頭皮の止血をしたりしておくと、後の操作で時間もエネルギーも節約できます。自分が手洗いしていないときにも、手術室の床に落ちているものをゴミ箱に捨てたり片付けたりしておけば、その後の仕事も捗るというものです。片付け・掃除は、それ自体が目的ではありません。仕事を早く終わらせ、自分が疲れないようにするための手段です。私の方法が読者の皆様の省エネのヒントになれば幸いです。最後に1句片付けは スキマ時間の 利用から

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てんかん発作を8分前に予知する技術を開発

 いつ起こるかわからない「てんかん発作」を心拍数の変動から予知する仕組みが開発された。熊本大学の山川 俊貴氏は、京都大学の藤原 幸一氏、東京医科歯科大学の宮島 美穂氏らとの共同研究で、脳の病気であるてんかんの発作を、脳波ではなく心電図を基に算出した「心拍変動」から高精度で予知することに成功した。本研究は、日常的に身につけることが可能(ウェアラブル)なてんかん発作予知システムの開発のため行われた。本研究結果により、発作によるけがや事故を防ぎ、患者さんが安心して暮らすことのできる社会の実現につながると期待が寄せられている。IEEE transactions on bio-medical engineering誌2015年12月24日号の掲載報告。  心拍数を用いたてんかん発作の予知においては、これまで変動解析手法による分析方法が用いられていたが、平常時と発作前の差がわかりにくい、個人差が大きいといった理由から、実用化は困難と考えられていた。 そこで研究グループは、多変量統計的プロセス管理(MultivariateStatistical Process Control:MSPC)という工学的手法で心拍数の揺らぎを解析した。対象としたのはビデオ脳波モニタリングのために入院した患者14例で、心電図データをMSPCによって解析した。 主な結果は以下のとおり。・91%の精度で発作を予知することが可能であることが示された(偽陽性頻度は1時間に0.7回)。・また、発作が起こる約8分前(494±262秒[平均±SD]前)に予知することが可能であることがわかった。 本研究の結果について、研究グループは「わかりやすく、偽陽性が少ないことから、高精度なてんかん発作の予知が可能であることが証明された」と結論付け、心臓のそばに取り付けるウェアラブル予知デバイスの開発を進めることにしている。 熊本大学プレスリリースはこちら(PDF)。

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プロトコールに基づく薬剤師の介入で、医療の質向上を

 日本医療薬学会は2月11日、都内にて「薬剤師が担うチーム医療と地域医療の調査とアウトカムの評価研究シンポジウム」(研究代表者:東京医科歯科大学 教授 安原 眞人氏)を開催した。この研究は2013年から厚生労働科学研究事業として、チーム医療の進展や地域医療の拡充に向けて、薬剤師の担う役割を明確にし、求められる専門性を生かすための実践的方法論を確立することを目的として、3年間の計画で開始された。初年度は先行事例の収集、2014年度はアウトカム評価、そして2015年度は実践的方法論に焦点が当てられた。 チーム医療推進研究においては、プロトコールに基づく薬物治療管理(Protocol Based Pharmacotherapy Management、以下PBPM)の導入・実施をテーマとし、そのアウトカムは、医療の質、安全性、経済性、そして医療従事者の負担軽減を指標として評価された。 また、地域医療推進研究の主題は、かかりつけ薬局機能を持った在宅医療提供薬局を推進するための新たな基準作成であり、2014年に「薬局に求められる機能とあるべき姿」が発表された。これは翌年発表の「患者のための薬局ビジョン」策定へとつながり、さらには2016年度の診療報酬改定で新設された、かかりつけ薬剤師・薬局の評価へと発展していった。 2015年度研究における具体的なアウトカムとして、下記の事例が紹介された。たとえば、名古屋大学医学部附属病院では、医師や看護師と協議のうえ承認されたプロトコールに基づき、薬剤師が処方入力支援をしたことにより、臨時処方や緊急処方が減少した。また、薬剤師外来でのワルファリン療法におけるPBPMにより、PT-INR値が目標治療域に達する患者割合が増加した例なども挙げられた。 地域医療の事例としては、茨城県笠間市の禁煙治療プログラムにおける、プロトコールに基づく薬剤師介入後の禁煙率上昇などが報告された。一方で、地域におけるPBPMは、複数の施設間での合意が必要となるため、医療機関のような同一施設内よりも、導入・実施がより難しいことが指摘された。 2010年度の厚生労働省医政局長通知「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」(医政発0403第1号)では、薬剤師を積極的に活用することが可能な業務の1つとして、「薬剤の種類、投与量、投与方法、投与期間等の変更や検査のオーダについて、医師・薬剤師等により事前に作成・合意されたプロトコールに基づき、専門的知見の活用を通じて、医師等と協働して実施すること」が挙げられている。しかしながら、同研究班の調査によると、同業務を5割以上実施している医療施設の割合は、2013年時点で約15%にとどまっている。同研究班では、最終報告書策定に向けて、現在PBPMの導入マニュアルを作成しており、今後、医療現場での活用が期待される。

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第2回 東京医科歯科大学「がんを考える」市民公開講座/ブルーリボンキャラバン~もっと知ってほしい大腸がんのこと2016 in東京~【ご案内】

 東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター、同院腫瘍化学療法外科、同院大腸・肛門外科は、NPO法人キャンサーネットジャパンと共催で、2016年3月21日(月・祝)に、無料の市民公開講座を開催する。本講座は、がんに関するさまざまなテーマを取り上げる、東京医科歯科大学「がんを考える」市民公開講座の第2回で、毎年各地で行われている大腸がん疾患啓発活動「ブルーリボンキャラバン」との共同開催となる。総合司会は、フリーアナウンサーの中井 美穂氏。当日参加者にはもれなくオリジナルの「もっと知ってほしい大腸がんのこと」冊子をプレゼント。また、ブルーを身に着けて来場した方には粗品も用意されている。 開催概要は以下のとおり。【日時】2016年3月21日(月・祝)《セミナー》11:00~16:50《ブース展示》10:00~17:00【場所】東京医科歯科大学 M&Dタワー 2階 鈴木章夫記念講堂〒113-8519 東京都文京区湯島1-5-45【参加費】無料(※参加申し込みは不要です)【予定内容】《セミナー》総合司会:中井 美穂氏(フリーアナウンサー)11:00-11:10 開会挨拶 小西 敏郎氏(NPO法人キャンサーネットジャパン 理事)11:10-11:30 講演(1) 大腸がんってどんな病気?~特徴と治療の全体像~ 安野 正道氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 大腸・肛門外科)11:30-12:00 講演(2) 大腸がん/大腸ポリープの診断・検査の実際 石黒 めぐみ氏(東京医科歯科大学大学院 応用腫瘍学講座)12:00-13:00 休憩13:00-13:30 講演(3) 大腸がんの外科的治療(手術) 板橋 道朗氏(東京女子医科大学 第二外科)13:30-13:45 講演(4) 大腸がん手術後の生活 金光 幸秀氏(国立がん研究センター中央病院 大腸外科)13:45-14:00 体験談(1) 直腸がん術後、私の日常生活~トイレと上手に付き合いながら~ 高垣 諭氏14:00-14:25 Q&A(1) パネルディスカッション 大腸がんの手術と手術後の生活 パネリスト:安野 正道氏/板橋 道朗氏/金光 幸秀氏/高垣 諭氏14:25-14:35 休憩14:35-15:05 講演(5) 大腸がんの薬物療法(抗がん剤・分子標的薬) 山口 研成氏(がん研有明病院 消化管化学療法科 部長)15:05-15:35 講演(6) 大腸がんの薬物療法の実際~副作用とその対策~ 篠崎 英司氏(がん研有明病院 消化器センター消化器内科)15:35-15:45 情報提供(1) RAS遺伝子検査とは? 石川 敏昭氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍化学療法外科)15:45-16:00 体験談(2) 大腸がんの化学療法~「心と体」副作用と上手に付き合う方法~ 野城 郁郎氏16:00-16:25 Q&A(2) パネルディスカッション 大腸がんの薬物療法と治療中の生活 パネリスト:山口 研成氏/篠崎 英司氏/石川 敏昭氏/野城 郁郎氏16:25-16:35 情報提供(2) 治療費の負担を軽くする制度 近藤 明美氏(近藤社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士)16:35-16:45 情報提供(3) がん相談支援センター利用のすすめ 東京医科歯科大学医学部附属病院 がん相談支援センター16:45-16:50 閉会挨拶 杉原 健一氏(大腸癌研究会 会長/東京医科歯科大学 特任教授)《ブース展示》会場では大腸がんの検査・治療に使用する機器などのブース展示を開催します。展示スペースはどなたでもご自由にご観覧いただけますのでお気軽にお越しください。[出展協力]・株式会社メディコン・アミン株式会社・ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社・オリンパスメディカルサイエンス販売株式会社・公益社団法人日本オストミー協会・ブーケ(若い女性オストメイトの会)・NPO法人がんと暮らしを考える会・東京医科歯科大学 歯学部口腔保健学科・東京医科歯科大学医学部附属病院 臨床栄養部・メルクセローノ株式会社【問い合わせ先】ブルーリボンキャンペーン事務局 NPO法人キャンサーネットジャパン〒113-0034 東京都文京区湯島1-10-2 御茶ノ水K&Kビル 2階TEL:03-5840-6072(平日10時~17時)FAX:03-5840-6073【共催】東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍化学療法外科東京医科歯科大学医学部附属病院 大腸・肛門外科NPO法人キャンサーネットジャパン【後援】東京都/文京区/東京都医師会/東京医科歯科大学医師会/日本癌治療学会/大腸癌研究会/公益社団法人日本オストミー協会/NPO法人ブレイブサークル運営委員会/NPO法人西日本がん研究機構詳細はこちら。画像を拡大する

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第1回 東京医科歯科大学「がんを考える」市民公開講座【ご案内】

 東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター、同院腫瘍化学療法外科、同大学院がんプロフェッショナル養成基盤推進プランは、2016年1月24日(日)に、「がんを考える」市民公開講座を開催する。本講座は、地域がん診療連携拠点病院となった同院の活動の一環として行う、がんに関するさまざまなテーマの公開講座の初の試み。第1回は、がん種を問わず、がんと診断された患者・家族の生活に、明日から役立つ情報の提供を目指した内容になっている。見て、触って、理解が深まるブース展示も多数予定している。 開催概要は以下のとおり。【日時】 2016年1月24日(日) 《セミナー》13:00~16:40 《ブース展示》12:00~17:00【場所】 東京医科歯科大学 M&Dタワー 2階 鈴木章夫記念講堂 〒113-8519 東京都文京区湯島1-5-45【参加費】 無料(※参加申し込みは不要です。)【テーマ】 患者・家族のための「がんとの付き合い方」【予定内容】 《セミナー》 13:00~16:40 鈴木章夫記念講堂 13:00~13:10  開会挨拶  三宅 智氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター センター長) 13:10~13:50  講演1  がんと診断されたら ~受け止め方、周りの人との関わり方~  松島 英介氏 (東京医科歯科大学医学部附属病院 心身医療科 科長[教授]) 13:50~14:30  講演2  がんとともに働く ~知っておきたい仕事とお金に関する制度~  近藤 明美氏(近藤社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士) 14:30~14:40  休憩 14:40~15:00  医科歯科大のがん治療update①  頭頸部がんってなに? 頭頸部がんにならないための生活習慣  朝蔭 孝宏氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 頭頸部外科 科長[教授]) 15:00~15:20  医科歯科大のがん治療update②  医科歯科大の放射線治療:小線源治療をご存知ですか?  吉村 亮一氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 放射線治療科 科長[教授]) 15:20~15:40  医科歯科大のがん治療update③  「認定看護師」ってなに? ~私たちにご相談ください~  東京医科歯科大学医学部付属病院 認定看護師 15:40~15:50  休憩 15:50~16:30  講演3  自分らしい「逝き方」を考える  三宅 智氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター センター長) 16:30~16:40 閉会挨拶  植竹 宏之氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍化学療法外科 科長[教授]) 《ブース展示》 12:00~17:00 講堂前ホワイエ ■がんと栄養・食事(東京医科歯科大学医学部附属病院 臨床栄養部) ■がんと口腔のケア(お口の楽しみ支え隊[東京医科歯科大学歯学部口腔保健学科]) ■メイク・ウィッグを楽しもう!(アプラン東京義髪整形 with 山崎 多賀子氏) ■在宅治療の味方 CV ポート(株式会社メディコン) ■がんと家計(がんと暮らしを考える会) ■がん患者・家族へのピアサポート紹介(特定非営利活動法人がん患者団体支援機構) ■がん相談支援センター活用のすすめ(東京医科歯科大学医学部附属病院 がん相談支援センター) ■NPO法人キャンサーネットジャパン ■あご・顔・口の中のがん患者の会 えがおの会 ■若年性がん患者団体 STAND UP !!【共催】 東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター 東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍化学療法外科 東京医科歯科大学大学院 がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン【協力】 NPO法人 キャンサーネットジャパン【後援】 東京医科歯科大学医師会/東京都医師会/文京区/東京都(予定)第1回 東京医科歯科大学「がんを考える」市民公開講座 詳細はこちら。(PDF)画像を拡大する

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2015年、人気を集めた記事・スライド・動画は?【2015年コンテンツ閲覧ランキング TOP30】

2015年も、日常診療に役立つ情報を、記事やスライド、動画などで多数お届けしてまいりました。その中でもアクセスの高かった人気コンテンツは、何だったのでしょうか?トップ30をご紹介いたします。1位わかる統計教室第1回 カプランマイヤー法で生存率を評価するセクション1 生存率を算出する方法2位特集:アナフィラキシー 症例クイズ(1)3回目のセフェム系抗菌薬静注後に熱感を訴えた糖尿病の女性3位特集:誰もが知っておきたいアナフィラキシー(3)知っておくべき初期治療4位1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより~第16回 犬猫咬傷~傷は縫っていいの? 抗菌薬は必要なの?5位特集:誰もが知っておきたいアナフィラキシー(1)誘因と増悪因子を整理6位CLEAR!ジャーナル四天王高齢者では、NOACよりもワルファリンが適していることを証明した貴重なデータ(解説:桑島 巖 氏)7位Dr.山本の感染症ワンポイントレクチャーQ9.急性腎盂腎炎の標準的治療期間、10~14日の根拠を教えてください。8位特集:誰もが知っておきたいアナフィラキシー(2)診断のカギ9位Dr.山本の感染症ワンポイントレクチャーQ1.急性上気道炎での抗菌薬投与は本当に不要なのでしょうか?10位Dr.山本の感染症ワンポイントレクチャーQ20.尿路感染症にアンピシリン・スルバクタム、正しいですか?11位臨床に役立つ法的ケーススタディ【ケース1】「入院拒否後、自宅で死亡。家族対応はどうすべき?」(後編)12位わかる統計教室第2回 リスク比(相対危険度)とオッズ比セクション2 よくあるオッズ比の間違った解釈13位わかる統計教室第1回 カプランマイヤー法で生存率を評価するセクション2 カプランマイヤー法で累積生存率を計算してみる14位わかる統計教室第2回 リスク比(相対危険度)とオッズ比セクション3 オッズ比の使い道15位特集:誰もが知っておきたいアナフィラキシー(4)再発予防と対応16位特集:アナフィラキシー 症例クイズ(2)海外出張中に救急搬送されたアレルギー体質の35歳・男性の例17位わかる統計教室第2回 リスク比(相対危険度)とオッズ比セクション1 分割表とリスク比18位Dr.倉原の“おどろき”医学論文第45回 急性心筋梗塞に匹敵するほど血清トロポニンが上昇するスポーツ19位Dr.山本の感染症ワンポイントレクチャーQ7.抗菌薬を投与する際、内服・点滴のどちらにするか悩むことがたびたびあります。20位診療よろず相談TV シーズンII第10回「脂質異常症」(回答者:寺本内科歯科クリニック / 帝京大学臨床研究センター長 寺本 民生氏)Q3.LDL、下げ過ぎによるリスクは?21位特集:成人市中肺炎 症例クイズ(2)「何にでも効く薬」は本当に「何にでも効く」のか?22位CLEAR!ジャーナル四天王LancetとNEJM、同じデータで割れる解釈; Door-to-Balloon はどこへ向かうか?(解説:香坂 俊 氏)23位Dr.山本の感染症ワンポイントレクチャーQ5.インフルエンザ感染で、WBCやCRPはどのように変化するか?24位斬らレセプト ―査定されるレセプトはこれ!事例61 「初診料 休日加算」の査定25位Cardiologistへの道@Stanford第6回 会員からのリクエスト「米国医師の給与について」26位アリスミアのツボQ22. 発作性心房細動はやがてどうなるの?27位わかる統計教室第1回 カプランマイヤー法で生存率を評価するセクション4 カプランマイヤー法の生存曲線を比較する28位スキンヘッド脳外科医 Dr. 中島の 新・徒然草五十五の段 責任とってねテレビ局29位Dr.小田倉の心房細動な日々~ダイジェスト版~テレビなど健康番組を見る患者さんへの説明用資料30位患者向けスライド期外収縮の患者さんへの説明

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受動喫煙で3歳時の虫歯リスクが倍増/BMJ

 出生後4ヵ月時にタバコの煙に曝露していた子供は、3歳時の虫歯のリスクが約2倍に上昇したが、母親が妊娠中に喫煙した場合の虫歯への影響は有意ではないことが、京都大学大学院薬剤疫学分野の田中 司朗氏らの調査で示された。先進国では乳歯の虫歯の有病率が高いが、子供の虫歯予防は砂糖の摂取制限やフッ素塗布などに限られている。横断的研究では、受動喫煙が乳歯および永久歯の虫歯に影響を及ぼすことが示唆されているが、コホート研究のデータはスウェーデンの試験が1件あるだけだという。BMJ誌オンライン版2015年10月21日号掲載の報告。受動喫煙の虫歯への影響を後ろ向きコホート研究で評価 研究グループは、日本の小児において、受動喫煙が乳歯の虫歯のリスクに及ぼす影響を検討するために、地域住民ベースのレトロスペクティブなコホート研究を行った。 2004~10年に神戸市で生まれた子供7万6,920例のデータを用いた。これらの小児は、出生時、4、9、18ヵ月、3歳時に市の健康診査を受けた。4ヵ月時に家族の喫煙状況の調査が、18ヵ月および3歳時には子供の歯の検診が行われた。 標準化質問票を用いて、母親の妊娠中の喫煙の有無および出生後4ヵ月時の子供のタバコの煙への曝露状況を調査し、「家族に喫煙者がいない」「家族に喫煙者はいるが子供のいない場所で喫煙する」「子供が2次喫煙に曝露されている」の3つのパターンに分けた。 主要評価項目は、乳歯の虫歯の発生とした。虫歯は、う歯、喪失歯、補綴歯と定義し、正規の歯科医がX線検査を用いずに判定した。 傾向スコアを臨床的および生活様式の背景因子で補正後に、Cox回帰モデルを用いて非喫煙家庭の子供と比較した喫煙者のいる家庭の子供の虫歯発生のハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を算出した。因果関係は不明だが、受動喫煙回避のための介入を支持する知見 7万6,920例の子供のうち、出生後4ヵ月時に家族に喫煙者がいた子供の割合は55.3%(4万2,525例)であり、受動喫煙が確認された子供の割合は6.8%(5,268例)であった。 7万711例(91.9%)が3年間のフォローアップを完遂した。この間に1万2,729本の虫歯が確認され、そのほとんどがう歯であった。 3歳時の虫歯の発生率は、出生後4ヵ月時に非喫煙家庭の子供が14.0%、家族に喫煙者はいるが受動喫煙は確認されていない子供が20.0%、受動喫煙の子供は27.6%であった。 非喫煙家庭との比較における傾向スコアで補正したHRは、喫煙者はいるが受動喫煙は確認されていない子供が1.46(95%CI:1.40~1.52、p<0.01)であり、受動喫煙の子供は2.14(95%CI:1.99~2.29、p<0.01)であった。 妊娠中に喫煙していた母親の子供の、非喫煙家庭の子供に対する虫歯の傾向スコア補正HRは1.10(95%CI:0.97~1.25、p=0.14)であった。 著者は、「子供の虫歯のリスクは、非喫煙家庭に比べ受動喫煙の場合は約2倍、喫煙者のいる家庭の場合は約1.5倍に上昇していたが、母親が妊娠中に喫煙しても有意な影響は認めなかった」とまとめ、「これらの知見は、子供の虫歯と家族の喫煙の因果関係を示すものではないが、受動喫煙の減少に向けた公衆衛生学的、臨床的な介入の拡大を支持するものである」と指摘している。

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トマトジュースは更年期女性の健康改善に有効

 トマトジュースの摂取は、更年期女性の不安などの更年期症状を緩和し、安静時エネルギー消費量・心拍数を増加させ、高トリグリセリド(TG)例(150mg/dL以上)の血清TG値を低下させることが、東京医科歯科大学の廣瀬 明日香氏らの研究により明らかになった。Nutrition journal誌2015年4月号の報告。 トマトベースの食品は健康増進と疾病防止効果があるといわれている。また、トマトジュースの成分には、更年期症状および心血管疾患を持つ女性を含む中年女性にとって、健康上のベネフィットを有するものがあると考えられている。そのため、著者らは、少なくとも1つ以上の更年期症状を持つ40~60歳の女性95人を対象に、健康パラメータに対するトマトジュース摂取の正味の効果を調査するため、非盲検単アーム試験を行った。 参加者は、試験開始前の2週間および試験期間中(トマトジュースを摂取する8週間)はトマトが豊富な食品や飲料の摂取を控えた。試験開始後、無塩のトマトジュース200mLを1日2回、8週間摂取した。更年期症状は、更年期症状スケール(MSS)、Hospital Anxiety and Depression Scale(HADS)、アテネ不眠尺度(AIS)を用いて、ベースラインおよび試験開始4週時、8週時点に評価した。それらと同じタイミングで、BMIや体脂肪率などの体組成、血圧、心拍数、安静時のエネルギー消費量、トリグリセリド、コレステロール、血糖値、HbA1cを測定した。 主な結果は以下のとおり。・93人の女性(98%)が試験を完了した。・以下のパラメータは、ベースラインと比較して4週時、8週時に有意な変化を示した(平均値±標準偏差;ベースライン、4週時、8週時、検定法)。(1)MSSスコアが有意に改善(9.9±5.2、8.5±5.0、8.3±5.0、p<0.0001、ANOVA検定)(2)HADSの不安サブスケールが有意に改善(5.3±2.7、4.8±2.4、4.9±2.9、p=0.041、フリードマン検定)(3)心拍数が有意に増加(62.6±9.4bpm、64.4±8.6bpm、63.8±8.2bpm、p=0.028、フリードマン検定)(4)安静時エネルギー消費量が有意に増加(1,980±368kcal/日、2,108±440kcal/日、2,149±470kcal/日、p=0.0030、反復測定ANOVA)(5)ベースラインに高TG(150mg/dL以上)であったサブグループ(n=22)で血清TG値が有意に低下(237.8±88.9 mg/dL、166.7±86.1mg/dL、170.9±109.7mg/dL、p=0.0002、フリードマン検定)

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「第14回 With You Tokyo ~あなたとブレストケアを考える会~」開催のご案内

 With You ~あなたとブレストケアを考える会~は、10月25日(日)に「第14回 With You Tokyo ~あなたとブレストケアを考える会~」を東京にて開催する。同会は、ブレストケアの質の向上を図るために、患者およびその家族と乳腺診療に携わる多職種の方々が同じ土俵に立って意見を交わすことのできる会で、患者や家族のケアに目を向け、地域に根ざした活動を行っている。これまで、全国7ヵ所(北海道・東北[仙台]・東京・名古屋・関西[大阪]・九州[福岡]・沖縄)で開催されており、東京での開催は14回目を迎える。■開催概要【会期】2015年10月25日(日)13:00~17:00(12:00 開場・受付開始)【会場】聖路加国際大学 アリス・C・セントジョン メモリアルホールアクセス情報はこちら。(PDF)【対象】乳がん患者さんとそのご家族、乳がん診療に携わる医療従事者【参加費】一般:1,000円/ 医療従事者:2,000円/ 医師:3,000円※グループワーク参加希望の方は、所定のハガキによる事前申し込みが必要です。 下記ホームページからの登録も可能です。 http://withyou-tokyo.s2.weblife.me/photo.html (グループワーク参加申し込み締切:2015年9月末日 消印有効)【プログラム】第1部:グループワーク●グループワーク(各教室)さまざまなテーマ(手術/ 乳房再建/ 治療・再発・生活などに対する不安や疑問/ 20~30歳代の患者、仕事をしながら治療を受けている方/ リンパ浮腫(デモンストレーションあり)/ 心のケア/ 家族のグループ/ 緩和ケア/ 乳がん体験者の妊娠・出産について)に関して、患者と医療従事者が意見交換できる。●何でも質問コーナー(グループワークに参加されない方)講堂にて乳がん診療のスペシャリストが参加者からの質問に答える『何でも質問コーナー』を開催。第2部:ミニレクチャー●「乳がん関連情報update 2015」講師:鈴木 正人氏(国立病院機構 千葉医療センター 乳腺外科)乳がんに関する、すぐに役に立つ情報満載の最新の乳がん関連情報●「乳がんと遺伝」講師:喜多 瑞穂氏(がん研有明病院 遺伝子診療部)アンジェリーナ・ジョリーの報道で近年話題となっている遺伝性乳がんについて解説●「骨密度のお話」講師:佐藤 信吾氏(東京医科歯科大学 整形外科 助教)内分泌療法に伴う骨密度の低下について解説第3部:特別講演●『笑顔は最高の万能薬!! ―QOLを高める心と身体のエクササイズ―』講師:広瀬 真奈美氏(一般社団法人キャンサーフィットネス 代表理事)がんサバイバーが、QOLを高めるための心と身体のエクササイズについて講演し、参加者もその場でエクササイズを体感できる。「第14回 With You Tokyo ~あなたとブレストケアを考える会~」の詳細はこちら。「With You ~あなたとブレストケアを考える会~」14年間の活動についてはこちら。画像を拡大する

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【第50回】なぜ歯科医がじん肺になったのか?

【第50回】なぜ歯科医がじん肺になったのか? 足成より使用 じん肺というのは、ご存じのとおり、粉塵に曝露された職歴がある患者さんに長い潜伏期間を経て発症する慢性呼吸器疾患です。肺内には粒状影や結節影がみられることが多く、有効な治療法はありません。アスベストを吸入したことがある患者さんに起こる石綿肺も、じん肺の一種ですね。 今回ご紹介するのは、日本語の症例報告です。え? 英語文献を紹介するんじゃないのかって? いやいや、たまには日本語の論文だって紹介します。 倉持 仁ほか. じん肺症と診断した歯科医の1 例. 日呼吸会誌. 2004;42:528-532. これは、私が所属する日本呼吸器学会の学会誌に掲載された11年前の症例報告です。じん肺と診断された歯科医師の話。皆さん、想像してみてください。長らく歯科医として働いてきた人が、じん肺と診断されてしまったんです。なぜでしょうか? 子供の頃に粉塵が舞う環境で育ったのでしょうか。それとも父親が粉塵曝露のひどい職場で働いていたのでしょうか。この症例報告に登場する歯科医師は74 歳の男性です。彼は、23歳から50年以上にわたり歯科医師として勤務していました。しかしながら、実は歯科技工作業にも従事しており、石膏や各種合金の粉塵に曝露されていたという経験がありました。歯科技工作業にはアルミニウム、シリカ、クロム、コバルトを用いることがあり、とくにアルミニウムとシリカが高頻度に検出されるのが歯科技工作業によるじん肺の特徴です1)。最近の教科書にはあまり記載されていませんが、“歯科技工士肺(dental technician’s pneumoconiosis)”は、実は古典的なじん肺の1つとされています。今では歯科技工技術も進歩し、また歯科医が直接技工に携わる機会も減っているようなので、こうした典型的な歯科技工士肺の患者さんに出会うことは少ないと思いますが、呼吸器内科診療では思わぬところにじん肺が隠れていることがあるので、「1に問診、2に問診」を心掛けています。1) Morgenroth K, et al. Pathol Res Pract. 1985;179:528-536.インデックスページへ戻る

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早期RAでシムジアが初期治療から使用可に

 6月3日都内にて、アステラス製薬株式会社・ユーシービージャパン株式会社共催のプレスセミナーで、北海道大学大学院 免疫・代謝内科学分野 教授の渥美 達也氏が講演を行った。 PEG化TNFα阻害薬「シムジア(一般名:セルトリズマブ ペゴル)」の適応は、これまで「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(RA)」に限られていたが、5月に取得した追加効能承認により、関節の構造的損傷の進展リスクが高いと推測される患者に対しては、抗リウマチ薬による治療歴がない場合でも使用できるようになった。 今回の追加効能承認の根拠である国内第III相試験「C-OPERA」は、メトトレキサート(MTX)投与歴がなく、「抗CCP抗体高値」や「リウマトイド因子陽性かつ/または早期びらんの存在あり」といった予後不良因子を持つ発症後1年以内のRA患者を対象として実施された。 試験結果より、MTXとシムジアを併用した群ではMTX単独投与群と比較して、52週後の骨関節破壊の進展割合が有意に減少することがわかった。 「医療経済的な観点からみるとすべての症例が対象とはいえないが、抗CCP抗体高値、リウマトイド因子陽性など関節破壊の進行が予測され、かつ歯科医師など関節破壊により社会生活に大きな影響を受ける患者は適応となるだろう」と渥美氏は説明した。 安全性に関しては、MTXを最大用量まで投与することもあり、両群ともに重篤な感染症である「ニューモシスティスジロヴェシ肺炎」が数例認められているため、早期RAといえども治療にあたっては注意が必要である。 最後に渥美氏は、「RAの関節破壊はとくに発症後2年間で急速に進行するため、この時期にしっかり治療を行うことが重要である」と強調し、講演を締めくくった。

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第4回 臨床研修医・医学生のための救急セミナー【ご案内】

 日本救急医学会は、本年も臨床研修医・医学生を対象に救急医学の魅力を伝えるセミナーを開催する。救急医の活躍する場は、ER、ICU、手術室、災害医療と多岐にわたる。当日はさまざまな現場で働く現役の救急医が参加し、症例検討、クイズ、ディスカッションを通じて参加者との交流を図る。開催概要【日時】2015年7月18日(土) 13:00~18:30【場所】東京医科歯科大学 湯島キャンパス M&Dタワー2階 共用講義室2キャンパス内地図東京医科歯科大学 湯島キャンパス・駿河台キャンパス周辺地図●交通・JR中央線・総武線「御茶ノ水」駅下車 御茶ノ水橋口より徒歩3分・東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水」駅下車 1番出口より徒歩1分・東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅下車 B1出口より徒歩5分【対象】救急医学に興味のある臨床研修医および医学生 100名(先着順)【参加費】学生 2,000円 医師 3,000円 (懇親会費込み)※セミナー終了後、キャンパス内の別会場にて情報交換会(懇親会)が開催されます。【セミナー内容】企画:学生・研修医部会設置運用特別委員会 セミナー担当委員総合司会:同委員 島崎 淳也氏(大阪警察病院 救命救急科)13:00~13:10 開会挨拶  日本救急医学会 代表理事 行岡 哲男氏(東京医科大学 救急・災害医学分野)13:10~16:00 救急医 ドクターE!!  13:10~14:00 多発外傷 症例提示:松村 隆志氏(大崎市民病院 救急科)  14:10~15:00 集中治療 症例提示:松本 徳彦氏(沖縄県立宮古病院 内科)  15:10~16:00 ER 症例提示:渡邉 紀博氏(名古屋掖済会病院 救急科)   <休憩 30分>16:30~18:20 ワークショップ:「救急医のキャリアパス」  ●司会   増井 伸高氏(札幌東徳州会病院 救急科)  ●発表者(五十音順)   新井 隆男氏(東京医科大学八王子医療センター 救命救急センター)   高橋 麻里絵氏(聖マリアンナ医科大学病院 放射線科)   西川 佳友氏(トヨタ記念病院 救急科)   堀 智志氏(日本大学医学部附属板橋病院 救命救急センター)   村田 希吉氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 救命救急センター)18:20~18:30 閉会挨拶  学生・研修医部会設置運用特別委員会 委員長 太田 祥一氏  (東京医科大学 救急・災害医学分野 / 医療法人社団親樹会恵泉クリニック)【情報交換会(懇親会)】日時:2015年7月18日(土) 18:30~19:30(予定)場所:東京医科歯科大学 M&Dタワー 26階 ファカルティラウンジ参加費:無料(費用はセミナー参加費に含む)【お申し込み方法】参加登録ページのフォームに必要事項を記入のうえ、「申し込む」ボタンを押してください。お申し込み受け付け後、事務局より参加費振込先口座を記載した確認のメールが届きます。参加費のお振り込みは事前にお願いいたします。※ご入金確認をもって正式な申し込み完了となります。※1週間以上過ぎてもメールが届かない場合は、日本救急医学会事務所までご連絡をお願いいたします。【申込締切日】2015年6月26日(金)【主催】日本救急医学会 学生・研修医部会設置運用特別委員会【お問い合わせ】一般社団法人 日本救急医学会 第4回 臨床研修医・医学生のための救急セミナー 事務局 TEL:03-5840-9870 FAX:03-5840-9876 E-mail:jaam-2@bz03.plala.or.jp第4回 臨床研修医・医学生のための救急セミナーの詳細はこちら

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第18回

第18回:高齢者における意図しない体重減少へのアプローチ方法監修:吉本 尚(よしもと ひさし)氏 筑波大学附属病院 総合診療科 高齢者の体重減少は、外来でよく出会う愁訴の1つです。まず真っ先に思い浮かぶのは悪性腫瘍ですが、それ以外にも考えるべき鑑別診断がいくつかあります。外来ではまず、食事摂取がどの程度できているかを、その方の社会的背景を踏まえて評価するかと思います。また、疾患を見つけた場合に治療が可能かどうかを想像しながら、検査の適応を判断しなければいけませんが、非常に個別性が高く、毎回悩ましい問題だと感じています。 以下、American Family Physician 2014年5月1日号1)より意図しない体重減少は高齢者の15~20%に起こり、ADLの低下、病院内での疾病罹患率の上昇、女性の大腿骨頚部骨折、全死亡率の上昇の原因となる。有意な体重減少とは、6~12ヵ月以内に5%以上の体重減少があった場合、などと定義されるが、このような意図しない体重減少に関する適切な評価や管理のためのガイドラインは、現在、存在していない。しかし、もし存在したとしても、このような非特異的な病態に対する適切な検査を決定するのは難しいだろう。体重は通常60歳代をピークとして、70歳代以降は毎年0.1~0.2kgずつ減少する。それ以上の減少であれば、年齢相応の体重減少とは言えない。最もよくある理由としては、悪性腫瘍、非悪性の胃腸疾患、うつや認知症といった精神疾患であるが、全体の割合としては、非悪性の疾患が悪性腫瘍を上回っている。また、6~28%は原因不明である。(表1) 【表1:意図しない高齢者の体重減少】 悪性腫瘍(19~36%) 原因不明(6~28%) 精神疾患(9~24%) 非悪性の胃腸疾患(9~19%) 内分泌(4~11%) 心肺疾患(9~10%) アルコール関連(8%) 感染症(4~8%) 神経疾患(7%) リウマチ関連(7%) 腎疾患(4%) 全身性炎症疾患(4%) 鑑別の記憶法としては、MEALS‐ON‐WHEELS[「食事宅配サービス」の意味、(注1)]あるいは高齢者の9D's(注2)として覚える。薬剤の副作用もよくある原因だが、しばしば見逃される。多剤服薬は味覚に干渉するとみられ、食思不振を生じ、体重減少の原因となりうる。さらには貧困、アルコール問題、孤立、財政的制約などといった、社会的な要素とも体重減少は関連している。Nutritional Health Checklist(表2)は栄養状態を簡単に評価するツールである。各項目に当てはまれば、質問の後ろにある得点を加算し、合計得点を算出する。0~2点は良好、3~5点は中等度のリスク、6点以上はハイリスクである。 【表2:Nutritional Health Checklist】 食事量が変わるような病状がある 2点 食事の回数が1日2回より少ない 3点 果物、野菜、乳製品の摂取が少ない 2点 ほとんど毎日3杯以上のビール、蒸留酒、ワインを飲んでいる 2点 食べるのが困難になるほどの歯や口腔の問題がある 2点 いつも必要なだけの食料を購入するお金がない 4点 ひとりで食事をする事が多い 1点 1日3種類以上の処方か市販薬を服用している 1点 過去6ヵ月で4.5kg以上の予期しない体重減少がある 2点 いつも買い物や料理、自力での食事摂取を身体的に行えない 2点 推奨される一般的な検査としては、CBC、肝・腎機能、電解質、甲状腺機能、CRP、血沈、血糖、LDH、脂質、蛋白・アルブミン、尿酸、尿検査がある。また、胸部レントゲン、便潜血検査は行うべきであり、腹部超音波も考慮されても良いかもしれない。これらの結果が正常だとしても、3~6ヵ月間の注意深い経過観察が必要である。治療には食事、栄養補助、薬物療法などがあるが、研究結果がさまざまであったり、副作用の問題があったりして、体重減少がある高齢者の死亡率を改善するような明確なエビデンスのある治療法は存在しない。(注1:MEALS‐ON‐WHEELS)M:Medication effects(薬剤性)E:Emotional problems, especially depression(気分障害、とくにうつ)A:Anorexia nervosa; Alcoholism(神経性食思不振症、アルコール依存症)L:Late-life paranoia(遅発性パラノイア)S:Swallowing disorders(嚥下の問題)O:Oral factors, such as poorly fitting dentures and caries(口腔内の要因、たとえば合っていない義歯、う歯など)N:No money(金銭的問題)W:Wandering and other dementia-related behaviors(徘徊、その他認知症関連行動)H:Hyperthyroidism, Hypothyroidism, Hyperparathyroidism, andHypoadrenalism(甲状腺機能亢進および低下、副甲状腺機能亢進、副腎機能低下)E:Enteric problems; Eating problems, such as inability to feed oneself(腸管の問題;摂食の問題、たとえば手助けなしに一人では食べられないなど)L:Low-salt and Low-cholesterol diet(低塩分、低コレステロール食)S:Stones; Social problems, Such as isolation and inability to obtain preferred foods(結石;社会的問題、たとえば孤独、好きな食べ物を手に入れられないなど)(注2:高齢者の9D's)Dementia(認知機能障害)Dentition(歯科領域の問題)Depression(抑うつ)Diarrhea(下痢)Disease [acute and chronic](急性・慢性疾患)Drugs(薬剤)Dysfunction [functional disability](機能障害)Dysgeusia(味覚異常)Dysphagia(嚥下困難)※本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) Gaddey HL, et al. Am Fam Physician. 2014; 89: 718-722.

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週1回の投与で血友病患者のQOL向上へ イロクテイトがもたらす定期補充療法

 3月10日、都内においてバイオジェン・アイデック・ジャパン株式会社による血友病のプレスセミナーが、花房 秀次氏(荻窪病院 理事長/血液科 部長)を講師に迎え、開催された。これは同社の血友病A治療薬エフラロクトコグアルファ(商品名:イロクテイト)の発売に関連し行われたものである。血友病の診療の今 はじめに花房氏は、疾患概要について次のように説明を行った。 血友病とは、止血に関与する数種類の凝固因子の1つが不足または欠乏している遺伝性の疾患(家族歴がなく突然変異で出現する場合もある)であり、血液凝固第VIII因子が不足・欠乏しているものを「血友病A」、血液凝固第IX因子が不足・欠乏しているものを「血友病B」と呼んでいる。 患者は、全世界で約14万人。わが国では総患者数5,769人(うち血友病Aの患者は4,761人)、圧倒的に男性に多いのが特徴で、潜在的な患者も2,000人前後存在すると推定される。 症状としては、出血時に血が止まりにくくなることはもちろん、重症化すると肘、膝などで関節内出血を繰り返し、これに伴う痛みや出血により日常行動に支障を来し、歩行困難を起こすなどQOLを著しく下げる。現在、根治治療法はなく、注射による凝固因子の出血時、予備的または定期補充療法が行われている。 患者のライフサイクルでは、出産時、幼児期・青年期、高齢期でそれぞれリスクがあるが、ただ予後は良好で、定期補充療法を受けている患者は、健常人の平均寿命まで生存できるとされている。患者QOLを改善する次のステージへ 日常的に定期補充療法は、現在ガイドラインでも推奨されており、成人で週3回ほど行われ、出血頻度の減少、関節障害の予防に役立っている。しかし、年間150回超の静脈注射のアドヒアランスや注射時間の問題など、患者にとってはまだまだ煩わしいという声が聞かれ、長時間作用製剤への期待が高まっていた。 今回発売されたエフラロクトコグアルファは、こうした期待に応えたもので、血友病Aに対し、生体内のヒト免疫グロブリンG1の自然な再循環経路を利用した機序により、血漿中に長く留まることができる性質を有する(血漿中消失半減期は約19時間)。定期的な投与により、週3~5日間隔、また患者状態によっては週1回の投与により出血を抑制する、長時間作用の血液凝固第VIII因子製剤である。 臨床試験(n=165/多施設共同非盲検一部無作為化試験)における年間出血回数について、定期的投与では、出血時群(n=23)との比較によると週1回群(n=24)で76%減少、個別化群(週3~5回/n=118)では92%減少していた。同じく関節内出血での年間出血回数についても、出血時群では年間18.6回だったのに対し、週1回群、個別化群ともに0回だったと報告された。 また、「本薬は予防的に病状進行を中等症、軽症に抑える効果がありそうだ」と花房氏は述べるともに、心配される副作用(n=164中の9例)については、「倦怠感、関節痛などの風邪症状程度の例しか報告されておらず、死亡例もない」とエフラロクトコグアルファに寄せる期待を語った。血友病診療の発展と期待について 最後に花房氏は、これからの展望として「今後は血液科の医師だけでなく整形外科や歯科、看護師、遺伝カウンセラーなどが連携する包括的ケアチームが必要であり、診断では短時間で精度の高い遺伝子検査ができること、治療薬ではさらなる長時間作用型製剤の開発、根治へ向け遺伝子治療薬の研究が期待される」と語った。 また、課題として「患者への医療費助成継続の問題や、新治療薬発売後すぐに長期処方ができない現行制度下で、専門医偏在が診療に地域間格差を生じさせていることへの解決が必要」と語り、レクチャーを終了した。参考資料新薬情報:発売(イロクテイト静注用250・500・750・1000・1500・2000・3000)

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喫煙は、手の皮膚炎と関係がある?

 喫煙はさまざまな炎症性皮膚疾患に影響することが知られている。ドイツ・イエナ大学のJudit Lukacs氏らは、喫煙と手の皮膚炎との関連を調べるためシステマティックレビューを行った。今回、喫煙が手の皮膚炎の危険因子であることは示されなかったが、喫煙が手の皮膚炎に関与する可能性が除外されたわけではなく、著者は「依然として喫煙が皮膚疾患の経過に負の影響を及ぼす可能性はある」とまとめている。Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology誌オンライン版2015年2月4日号の掲載報告。 研究グループは、MEDLINE、EMBASE、Cochrane Central Register(CENTRAL)を用い、1980年1月1日~2013年12月31日に研究が行われた英語およびドイツ語の論文を検索し評価した。 主な結果は以下のとおり。・コホート研究1件および横断研究2件の計3件、手の皮膚炎患者4,113例、手の皮膚炎を有していない対照者3万4,875例が本レビューに組み込まれた。・これらは、一般集団および高リスク集団(パン屋、美容師、歯科技工士など)における手湿疹に関する危険因子を調査したもので、1件のみ、喫煙と手の皮膚炎との有意な関連が示されていた。・メタ解析の結果、喫煙と手の皮膚炎との関連は確認されなかった(OR:0.99、95%CI:0.88~1.11)。・なお対象とした研究は不均一性が高く(I2=72%)、3件のうち2件の大規模研究は同じ国で行われたものであった。

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