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新型コロナウイルス感染妊婦の臨床症状と垂直感染の可能性(解説:小金丸博氏)-1193

オリジナルニュース新型肺炎は母子感染するのか?妊婦9例の後ろ向き研究/Lancet(2020/02/17掲載) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する論文が次々と公表され、一般集団における臨床像、画像所見の特徴などが少しずつ判明してきた。これまで妊婦に関するデータは限定的であったが、今回、新型コロナウイルス肺炎と確定診断された妊婦9例の臨床症状と、児への垂直感染の可能性を検討した論文がLancet誌オンライン版(2020年2月12日号)に報告された。 妊婦9例の年齢は26~40歳で基礎疾患はなく、全例妊娠第3期だった。臨床症状としては、発熱(7例)、咳嗽(4例)、筋肉痛(3例)、咽頭痛(2例)、倦怠感(2例)を認めた。2月4日時点で感染妊婦に重症例、死亡例は確認されなかった。子宮内垂直感染の有無を確認するために、9例中6例で羊水、臍帯血、新生児の咽頭拭い、母乳中のRT-PCR検査が実施されたが、すべて陰性だった。 本論文では、新型コロナウイルス肺炎を発症した妊婦の臨床症状の特徴は妊娠していない成人と同様であり、妊娠後期に感染した妊婦から児へ垂直感染することを示すエビデンスは得られなかった。感染妊婦において重症例、死亡例を認めなかったのは朗報であるが、9例という少数の後ろ向き調査の結果のみで判断することには限界があり、さらなる症例の蓄積が必要である。 今回の妊婦はすべて妊娠第3期に新型コロナウイルス肺炎を発症しており、妊娠早期に感染した場合の妊婦や胎児への影響については評価できない。また、全例帝王切開術で分娩しており、経膣分娩した場合の産道感染のリスクについても評価することはできない。これらの疑問に対する答えは、今後の研究結果を待ちたい。 本邦でも感染者数が増加すると、妊婦の患者も含まれてくることが予想される。インフルエンザや風疹など妊娠中に感染すると妊娠経過や胎児へ影響を及ぼす感染症が多く存在するため、新型コロナウイルス感染妊婦においても慎重に経過を追う必要があると考える。

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浙江省のCOVID-19症例、3割に基礎疾患/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因である新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染した中国・浙江省の患者の臨床的特徴について、中国・浙江大学のXiao-Wei Xu氏らがレトロスペクティブ研究を行った結果、 2020年2月初旬時点では、武漢で感染した患者と比較して、浙江省の患者の症状は比較的軽度であることが明らかとなった。BMJ誌オンライン版2020年2月19日号掲載の報告。 研究者らは2020年1月10日~26日の期間、中国・浙江省でCOVID-19患者受け入れ登録施設である 7病院に検査入院し、SARS-CoV-2感染が確認された62例のデータを収集・調査した。疫学的データとして、武漢渡航歴や体温測定結果、曝露履歴、潜伏期間などを収集し、定形の症例報告書に臨床データを集約した。 主な結果は以下のとおり。・患者の年齢区分は、19~40歳:25例(40%)、41~65歳:33例(53%)、65歳以上:2例(3%)、残り2例(3%)は10歳と11歳だった(中央値41歳、四分位範囲:32~52歳)。・患者の半数以上は男性だった(36例、58%)。・62例のうち集中治療室への入室は1例のみ、調査中に死亡した患者はいなかった。・62例中23例(37%)が武漢市に居住し、残り39例(63%)は発症前に武漢へ旅行していた。また、 56例(90%)でSARS-CoV-2感染が確認されている人との濃厚接触を確認した。・浙江省の感染患者は感染源とされる華南海鮮市場への出入りはなかった。・全症例の感染経路は、ヒト-ヒト感染だった。・62例中20例(32%)に基礎疾患があり、肝疾患:7例(11%)、高血圧症:5例(8%)、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、腎疾患、脳血管疾患患者は各1例であった。・主な症状は、発熱:48例(77%)、咳嗽:50例(81%)、喀痰:35例(56%)、頭痛:21例(34%)、筋肉痛または疲労感:32例(52%)、下痢:3例(8%)、喀血:2例(3%)だった。・入院中に呼吸困難を訴えたのは2例(3%)のみだった。・感染から発症までの時間中央値は4日(四分位範囲:3〜5日)であり、症状発現から入院までに要した時間は2日(同:1〜4日)だった。

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COVID-19、無症状でもウイルス量は発症者と同等/NEJM

 中国・広東省疾病管理予防センターのLirong Zou氏らが、COVID-19の患者18例について、鼻と喉から採取したサンプルを調べたところ、鼻で高いウイルス量が検出され、ウイルスの広がり方は、ゲノム配列が類似しているSARS-CoVよりもインフルエンザに近いことがわかった。NEJM誌オンライン版2020年2月19日号CORRESPONDENCEでの報告。 本研究では、中国・広東省珠海市で新型コロナウイルス陽性と確認された患者18例について、無症状であった1例を除く17例の鼻腔スワブ72本と咽頭スワブ72本から検体を採取。発症日とウイルス量の相関を連続的にモニタリングした。 主な疫学的・臨床的特徴は以下のとおり。・患者の年齢中央値は59歳(範囲:26~76)、男性・女性ともに9例ずつで、うち4例は2つの家族内における2次感染例。・初めに発症した14例は2020年1月7日~26日までに武漢市帰りで37.3度以上の発熱が見られ、COVID-19と診断された。このうち13例については、CTで肺炎の所見が見られた。その後3例はICUでの治療を必要としたが、ほかはいずれも中程度~軽度の症状であった。・1例は臨床症状が見られなかったが、発症者との接触7~11日後に採取された鼻腔スワブ(サイクル閾値[Ct]:22~28)および咽頭スワブ(Ct:30~32)から新型コロナウイルス陽性の反応が確認された。・発症者17例については、発症直後に高いウイルス量が検出された。また、咽頭よりも鼻腔においてより多くのウイルスが検出された。・COVID-19におけるウイルス核酸の放出パターンはインフルエンザと類似している。・無症候者から検出されたウイルス量は、発症者のウイルス量と同程度であり、無症候者およびごく軽症者からの感染の可能性を示唆している。

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COVID-19、中国からドイツへの帰国者126人の追跡調査/NEJM

 世界中に広がる新型コロナウイルスの感染を受け、多くの国が中国からの帰国者、旅行者に制限を設けている。ドイツの研究者らは、中国・湖北省から帰国した126人についての追跡結果を、NEJM誌オンライン版2020年2月18日号のCORRESPONDENCEに報告した。出発時の感染疑い10例と帰国後の症状発現1例は陰性 帰国者らの症状と臨床徴候のスクリーニングは中国を出発する前に実施され、飛行中、感染の可能性が高い10人の乗客は隔離された。彼らは、到着後すぐにフランクフルト大学病院に移送されたが、全員がRT-PCR検査でSARS-CoV-2陰性を示した。 残り116人の乗客(年齢:5ヵ月~68歳、23人の子供を含む)は、フランクフルト空港の医療センターに送られ、医師チームによって評価された。それぞれ症状(発熱、疲労感、のどの痛み、咳、鼻水、筋肉痛、下痢など)に関する聞き取りと体温計測が行われ、1人を除き全員が無熱だった。 38.4℃の発熱と呼吸困難、咳を呈した1人の乗客は、評価のためフランクフルト大学病院に移送されたが、RT-PCR検査結果は陰性だった。症状なしの2例で陽性が発覚 研究者らが、事前に計画されていた検疫プロセスをクリアした115人のうち、同意が得られた114人に追加でRT-PCR検査を実施したところ、2人(1.8%)がSARS-CoV-2陽性を示した。さらに、両サンプルから分離されたSARS-CoV-2は、潜在的な感染性を示した。 これらの2人(58歳男性、44歳女性)は、さらなる評価・観察のためフランクフルト大学病院の感染症ユニットに移送された。58歳の男性は、7日間の観察後も無症候・無熱であり、貧血以外の検査値異常はみられなかった。44歳の女性は、胸部と脚にわずかな発疹と軽微の咽喉炎を示したが、7日後には経過良好であり、検査値異常は報告されなかった。 この調査結果より、研究者らは「感染性のあるウイルスの放出は、発熱がなく、感染の兆候がないか軽微な人にも起こりうるかもしれない」と結論付けている。■補足資料Supplementary Appendix

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COVID-19、年代別の致命率は~4万例超を分析

 4万4,000例を超える新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の疫学的調査結果が報告された。2020年2月11日時点で、中国で診断された全症例の記述的、探索的分析の結果が示されている。CCDC(中国疾病管理予防センター)のYanping Zhang氏らによるChinese journal of Epidemiology誌オンライン版2020年2月17日号掲載の報告。COVID-19症例の年齢分布や致命率を分析 著者らは、2020年2月11日までに報告されたすべてのCOVID-19症例を、中国の感染症情報システムから抽出。以下の6つの観点で分析を実施した:(1)患者特性の要約、(2)年齢分布と性比の分析、(3)致命率(死亡例数/確定例数、%で表す)と死亡率(死亡例数/総観察時間、per 10 person-days[PD]で表す)の算出、(4)ウイルスの広がりの地理的時間的分析、(5)流行曲線の構築、(6)サブグループ解析。 患者特性はベースライン時に収集され、併存疾患は自己申告による病歴に基づく。症例は、確定(咽頭スワブでのウイルス核酸増幅検査陽性)、疑い(症状と暴露状況に基づき臨床的に診断された症例)、臨床診断(湖北省のみ、COVID-19と一致する肺造影像疑いの症例)、無症候(検査陽性だが、発熱やから咳などの症状がみられない症例)に分類された。 流行曲線における発症日は、本調査中に患者が発熱または咳の発症を自己申告した日付として定義。重症度は、軽度(非肺炎および軽度肺炎の症例が含まれる)、中等度(呼吸困難[呼吸数≧30/分、血中酸素飽和度≦93%、PaO2/FiO2比<300、および/または24~48時間以内に>50%の肺浸潤])、重度(呼吸不全、敗血症性ショック、および/または多臓器障害)に分類された。COVID-19の致命率は2.3% COVID-19症例の年齢分布や致命率を分析した主な結果は以下のとおり。・計7万2,314例の患者記録が分析された。内訳は、確定が4万4,672例(61.8%)、疑いが1万6,186例(22.4%)、臨床診断が1万567例(14.6%)、無症候が889例(1.2%)。以下のデータはすべて確定例での分析結果。・年齢構成は、9歳以下が416例(0.9%)、10~19歳が549例(1.2%)、20~29歳が3,619例(8.1%)、30~39歳が7,600例(17.0%)、40~49歳が8,571例(19.2%)、50~59歳が1万8例(22.4%)、60~69歳が8,583例(19.2%)、70~79歳が3,918例(8.8%)、80歳以上が1,408例(3.2%)。・男性が51.4%、湖北省で診断された症例が74.7%を占め、85.8%で武漢市と関連する暴露が報告された。・重症度は、軽度が3万6,160例(80.9%)、中等度が6,168例(13.8%)、重度が2,087例(4.7%)、不明が257例(0.6%)。・併存疾患は、高血圧が2,683例(12.8%)、 糖尿病1,102例(5.3%)、心血管疾患874例(4.2%)、慢性呼吸器疾患511例(2.4%)、がん107例(0.5%)であった。・1,023例が死亡し、全体の致命率は2.3%。・年齢層別の死亡数(致命率、死亡率[per 10 PD])は、9歳以下はなし、10~19歳が1例(0.2%、0.002)、20~29歳が7例(0.2%、0.001)、30~39歳が18例(0.2%、0.002)、40~49歳が38例(0.4%、0.003)、50~59歳が130例(1.3%、0.009)、60~69歳が309例(3.6%、0.024)、70~79歳が312例(8.0%、0.056)、80歳以上が208例(14.8%、0.111)。・併存疾患別の死亡数は、致命率および死亡率が高い順に、心血管疾患92例(10.5%、0.068)>糖尿病80例(7.3%、0.045)>慢性呼吸器疾患32例(6.3%、0.040)>高血圧161例(6.0%、0.038)>がん6例(5.6%、0.036)。なお、併存疾患のない患者で死亡は133例発生し、致命率は0.9%、死亡率は0.005 per 10 PDであった。・発症の流行曲線は1月23~26日頃および2月1日にピークに達し、その後減少傾向にある。・COVID-19は、2019年12月以降に湖北省から外部に広がり、2020年2月11日までに、31省すべてに広がった。・1,716例の医療従事者が確定例に含まれ、5例が死亡している。 著者らは、COVID-19は確定例の約81%で軽度であり、致命率は2.3%と非常に低いとしている。1,023例の死亡のうち、過半数が60歳以上および/または併存疾患を有しており、軽度または中等度の患者では死亡は発生していない。しかし、COVID-19が急速に広がったことは明らかで、湖北省から中国本土の残りの地域に広がるまでたった30日しかかからなかったと指摘。多くの人が春節の長い休暇から戻った現在、流行のリバウンドに備える必要があるとしている。

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COVID-19疑い例の来院時、具体的手順は?

 日本国内で新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が増えつつあり、大きな懸念の一つとされているのが院内での感染の疑いが出ていることだ。中国国内でも14日までに1,716人の医療従事者が感染し、6人の死亡が報告されている。 2月7日に行われた日本感染症学会・日本環境感染学会主催の緊急セミナー(司会は日本感染症学会理事長 館田 一博氏、日本環境感染学会理事長 吉田 正樹氏)において、菅原 えりさ氏(東京医療保健大学大学院 医療保健学研究科感染制御学 教授)が「感染対策の再確認」と題し発表を行った。 菅原氏は「感染対策は基本の徹底が重要。だが、状況が刻々と変わる中で現場に応じた柔軟な対応も必要となるだろう」と説明。接触感染予防・飛沫感染予防を中心に、場合によっては空気感染予防が必要となり、その標準予防策は手指衛生と咳エチケットになる、という基本を確認した後、「疑い患者が来院した場合」を想定したシミュレーションを提示し、重要な以下のポイントを伝えた。外来診察時・帰国者、接触者を中心とした疑い患者と一般患者は受付から動線を分け、その旨を入口のポスターでしっかり注意喚起する。中国語・韓国語・英語表記も必要。・受付で症状を訴えた患者には、すぐにマスクを着用させる。・外来診察は個室を確保。窓があって換気のできる部屋がよい。・近距離で対応する医療者はPPE(個人用防護具)着用。PPEは着脱が難しいので事前にトレーニングを。とくに脱ぐときの感染防止が重要。・検体採取時にはN95マスク・アイシールドを着用。・診察後はしっかりと換気を行う。入院時・個室を確保。陰圧管理はできればベスト。・気管内装管などエアロゾルが発生する場合は、医療者は空気感染の可能性も踏まえたフルPPEを着用。・ICU管理の場合は、相当の負荷がかかる医療者へのケア(シフト等)も必要。環境衛生管理・院内の消毒。WHO(世界保健機関)推奨は通常の環境消毒薬、CDC(米国疾病管理予防センター)推奨はCOVID-19に効果のある消毒薬、となっているが、現状では院内で通常使っている消毒薬でよいだろう。その他・勤務先が「特定感染症指定医療機関」「第一種感染症指定医療機関」「第二種感染症指定医療機関」に当てはまる場合は、それぞれの役割を確認する(厚労省の指定医療機関一覧)。・厚労省や医師会の情報から「患者届け出基準」の最新動向を確認する。・院内モニタリング体制を確認する。・医療従事者の健康チェック体制を見直す。・面会ルールを見直す。・高齢者施設等を行き来する医療者がいる場合は、立ち入りルールを見直す。 菅原氏が理事を務める日本環境感染学会では、オリンピック・パラリンピック前の輸入感染症対策教育を目的としたDVDを制作しており、動画の一部を公開している。「COVID-19を想定したものではないが、感染対策の基本は共通なのでこれも参考にしてほしい」と述べた。

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新型コロナウイルス受診の目安を発表/厚生労働省

 国内での新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、先日開催された内閣の新型コロナウイルス感染症専門家会議で議論された「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安」が、2月17日に厚生労働省より発表された。主な目的は、国民の新型コロナウイルスへの不安の鎮静化と検査や診療による医療機関への過度な集中を防ぐためのものである。 具体的な相談・受診の目安として、「風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続く」「強いだるさや息苦しさがある」、また、「高齢者や基礎疾患(糖尿病、心不全など)があり、前記の2つの症状が2日程度続く」という人は、各都道府県に設置されている帰国者・接触者センターへの相談を要請している。 同省では、同時に「国民の皆さまへのメッセージ」として風邪や季節性インフルエンザ対策と同様に各自の咳エチケットや手洗いなどの実施による感染症対策の励行のほか、症状がある人には「帰国者・接触者相談センター」への相談を呼び掛けている。また、国民向けに啓発資料として「マスクについてのお願い」「一般的な感染症対策について」「手洗いについて」「咳エチケットについて」なども掲載されている。 なお、症状に不安がある場合など、一般的な問い合わせ先も掲載されている。・厚生労働省 相談窓口 電話番号:0120-565653(フリ―ダイヤル) 受付時間9:00~21:00(土日・祝日)・電話でのご相談が難しい方 FAX:03-3595-2756新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安1.相談・受診の前に心がけていただきたいこと○発熱等の風邪症状が見られるときは、学校や会社を休み外出を控える。○発熱等の風邪症状が見られたら、毎日、体温を測定して記録しておく。2.帰国者・接触者相談センターに御相談いただく目安○以下のいずれかに該当する方は、帰国者・接触者相談センターに御相談ください。 ・風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続く方 (解熱剤を飲み続けなければならない方も同様です) ・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある方○なお、以下のような方は重症化しやすいため、この状態が2日程度続く場合には、帰国者・接触者相談センターに御相談ください 。 ・高齢者 ・糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD等)の基礎疾患がある方や透析を受けている方 ・免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方 (妊婦の方へ) 妊婦の方については、念のため、重症化しやすい方と同様に、早めに帰国者・接触者相談センターに御相談ください。 (お子様をお持ちの方へ) 小児については、現時点で重症化しやすいとの報告はなく、新型コロナウイルス感染症については、目安どおりの対応をお願いします。○なお、現時点では新型コロナウイルス感染症以外の病気の方が圧倒的に多い状況であり、インフルエンザ等の心配があるときには、通常と同様に、かかりつけ医等に御相談ください。3.相談後、医療機関にかかるときのお願い○帰国者・接触者相談センターから受診を勧められた医療機関を受診してください。複数の医療機関を受診することはお控えください。○医療機関を受診する際にはマスクを着用するほか、手洗いや咳エチケット(咳やくしゃみをする際に、マスクやティッシュ、ハンカチ、袖を使って、口や鼻をおさえる)の徹底をお願いします。(厚生労働省 新型コロナウイルス感染症についてのサイトより引用)

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【延期:日時未定】ブルーリボンキャラバン~もっと知ってほしい大腸がんのこと2020 in 東京~

【開催延期のお知らせ】2020年2月18日付で案内いたしました大腸がん疾患啓発に係る市民公開講座 「ブルーリボンキャラバン~もっと知ってほしい大腸がんのこと 2020 in 東京」 につきまして、今般の新型コロナウイルスの感染拡大の状況を鑑み、開催が<延期>されることになりました。今後の開催予定につきましては、随時、下記ホームページ等にてお知らせします。(2月21日)https://www.cancernet.jp/28277************************************************************<元のご案内文> 2020年3月20日(金・祝)に、大腸がん疾患啓発イベント「ブルーリボンキャラバン~もっと知ってほしい大腸がんのこと~」が開催される。同イベントは、大腸がんの診断・検査から外科的治療・薬物療法について広く知ってもらうことを目的に、国際的な大腸がん啓発月間である3月に毎年開催されている。会場は、東京医科歯科大学M&Dタワー 2階 鈴木章夫記念講堂で、予約申し込み不要・参加費無料。当日は、来場者全員にオリジナル冊子「もっと知ってほしい大腸がんのこと」が配布される。また、ブルーを身に着けて来場した方には粗品のプレゼントも用意されている。 開催概要は以下のとおり。【日時】2020年3月20日(金・祝)《セミナー》 13:00~16:50《ブース展示》12:00~17:00【場所】東京医科歯科大学 M&Dタワー 2階 鈴木章夫記念講堂〒113-8519 東京都文京区湯島1-5-45【参加費】無料【予定内容】《セミナー》総合司会 中井 美穂氏(アナウンサー/認定NPO法人キャンサーネットジャパン理事)13:00~13:05 開会挨拶 三宅 智氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 がん先端治療部)13:05~13:20 講演1「15分で学ぶ!大腸がんの基礎知識」  岡崎 聡氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 消化器化学療法外科)13:20~13:45 講演2「いろいろ選べる、大腸の検査」 福田 将義氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 光学医療診療部)13:45~14:10 講演3「大腸がんの手術療法~開腹手術からロボット手術まで~」 絹笠 祐介氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 大腸・肛門外科)14:10~14:30 休憩(20分)14:30~14:50 講演4「大腸がん薬物療法の現状」 石川 敏昭氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 消化器化学療法外科)14:50~15:05 体験談「家族の立場から」 酒田 亜希氏(大腸がん患者さんのご家族)15:05~15:30 講演5「大腸がん治療における放射線療法の位置づけ」 伊藤 芳紀氏(昭和大学病院 放射線治療科)15:30~15:55 講演6「がんゲノム医療とは? 大腸がんに対して何ができるのか?」 砂川 優氏(聖マリアンナ医科大学病院 腫瘍内科/ゲノム医療推進センター)15:55~16:10 休憩(15分)16:10~16:45 Q&A「Q&Aトークセッション 質問票にお答えします!」 座長:杉原 健一氏(大腸癌研究会 会長/東京医科歯科大学名誉教授)  パネリスト:演者16:45~16:50 閉会挨拶 植竹 宏之氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 消化器化学療法外科)《ブース展示》12:00~17:00会場では、大腸がんの検査・治療に使用する機器などのブース展示を開催します。展示スペースはどなたでもご自由にご観覧いただけます。[出展協力]・東京医科歯科大学 医学部附属病院 がん相談支援センター/がんゲノム診療科・東京医科歯科大学 医学部附属病院 臨床栄養部・東京医科歯科大学 歯学部口腔保健学科・東京都立中央図書館・オリンパスメディカルサイエンス販売株式会社・株式会社メディコン・ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社・アミン株式会社・コヴィディエンジャパン株式会社・アルフレッサファーマ株式会社・公益財団法人日本オストミー協会/若い女性オストメイトの会 ブーケ【問い合わせ先】ブルーリボンキャンペーン事務局 認定NPO法人キャンサーネットジャパン〒113-0034 東京都文京区湯島1-10-2 御茶ノ水K&Kビル 2階TEL:03-5840-6072(平日10~17時)FAX:03-5840-6073MAIL:info@cancernet.jp【共催】東京医科歯科大学医学部附属病院 消化器化学療法外科/大腸・肛門外科/がん先端治療部/大学院 未来がん医療プロフェッショナル養成プラン【後援】東京医科歯科大学医師会/東京都/文京区/東京都医師会/日本癌治療学会/日本臨床腫瘍学会/大腸癌研究会/公益社団法人 日本オストミー協会/NPO法人ブレイブサークル運営委員会/認定NPO法人西日本がん研究機構詳細はこちら

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COVID-19、水際対策のあるべき姿とは

 “検疫における水際対策を一層徹底する”という内閣総理大臣からの指示がなされ、報道でも水際対策の強化が取り上げられている。2月13日に開催されたメディア・市民向けセミナー「新型コロナウイルス(COVID-19)感染症への対応」において、加來 浩器氏(防衛医科大学校防衛医学研究センター 広域感染症疫学・制御研究部門教授)がその対策の真意を語った(主催:日本感染症学会、日本環境感染学会、FUSEGU2020)。彼を知り己を知れば百戦殆うからず COVID-19とは、ギリシャ語の王冠(corona)に由来するスパイクタンパクを有するウイルスによる感染症である。このウイルスは脂質二重膜からなるエンベロープを有しているため、アルコールで失活しやすく、SARSやMERSの病原体と同じβコロナウイルスに分類されている。 このCOVID-19と闘うためには、「まず、彼を知る(病原体のウイルス学的な特徴、感染源・感染経路における他のコロナウイルスとの類似性、中国と日本での発生状況…)、己を知る(感染が広がらない・重症化しないための対策)」などの事前準備が大切と同氏は訴え、そのためには感染症の理解において、「一般市民と医療者に大きな違いがある」ことを認識しておかなければならないことを指摘した。同氏によれば、「一般市民は、恐怖心や偏見・差別などを抱きつつ、時間経過に伴い無関心・無頓着になる傾向がある」という。新興感染症の特徴と対策 一般的に新興感染症は、(1)臨床像がわからない、(2)市中病院では病原体診断ができない、(3)感染源・感染経路がわからない、(4)有効な治療法やワクチンがないなどの問題がある。とくに(3)のために院内での感染リスクが高まり、全国の医療機関で医療崩壊が起こる可能性がある。したがって海外で発生した新興感染症は出来るだけ早期にその臨床的な特徴を明らかにして、その情報を皆でシェアしなければならない。 一般市民が出来る対策と言えば、マスクの正しい着用やアルコール消毒、うがいなどが挙げられる。一方で、医療者は科学的根拠の収集や法令遵守に努め、患者に良質で適切な医療の提供を行うことが求められるが、このためには国家レベルでの対策が必要であり、その1つが水際対策である。ウイルスの水際対策は、着上陸侵攻対処になぞらえて戦略的に行うべき そこで、一般的に水際対策と言われる検疫業務が実施されるわけだが、同氏はこれについて「単なるウイルスの上陸阻止だけを示すものではなく、国内での輸入感染対策の戦略的な活動の一環であることを理解すべきだ」とコメントした。すなわち、入国する前の検疫の段階で捉えることができた患者には、「感染制御策が行われている医療機関に安心して入院してもらい、人権を尊重しながら適切な医療を提供(迅速診断、病室確保・隔離、治験など)する。そこで明らかになった知見を、いち早く医療機関の医師に情報提供し、全国の医療機関での診療能力を高めて、国内に入り込んだウイルスを一気にたたくという作戦だ」とし、「国内サーベイランスの強化のためには簡易な検査法の開発も重要」と話した。 最後に同氏は、一般市民に対して「類似の感冒やインフルエンザとの鑑別、早期の診断、重症化兆候の把握のために、患者が医療機関を転々とするドクターショッピングを行わず、一貫した診療に協力していただきたい」とメッセージを発信した。

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「COVID-19、世界は収束の方向だが日本の状況を不安視」WHO進藤氏

 2月14日の第35回日本環境感染学会総会・学術集会では、冒頭の会長講演に代わり、「新型コロナウイルス感染症の対策を考える」と題した緊急セミナーが開催された。この中で、WHO(世界保健機関)のメディカルオフィサーとして危険感染症対策に当たる進藤 奈邦子氏が、これまでのWHOの取り組みと世界からの最新情報、そして日本への期待について語った。 冒頭、進藤氏は「現在、WHOは新型コロナウイルス(COVID-19)根絶を目指したオペレーションを展開中だ。中国では既に新たな症例数が減りつつあり、その他の国からの報告例も減っている。その中で唯一、新たな症例数が増えているのが日本だ」と懸念を示した。 これまでの中国の対策については、「SARS・鳥インフルエンザ流行を経験し、対策を積み重ねてきた結果、現在の中国の呼吸器感染症対策は世界トップレベル。今回も情報提供の速さや科学者のオープンネスに信頼を寄せている」と評価した。さらに、武漢を中心とした中国の最新情報として、中国CDCのサイトのデータを参照し、「疑い例も確定診断例も減少の方向にある。武漢に入っている医師からも『新たな病院も完成し、状況をコントロールできつつある』という報告をもらっている」と述べた。続けてCOVID-19の死亡率について、「最新のモデリングを使った計算によると、臨床症状のある人を母数として1%、確定診断の人を母数として4%を切りつつある」、ウイルスの感染しやすさを示す基本再生産数(R0)について、「これまでに発表された論文を総覧するとおおむね2以上となっており、インフルエンザよりは高そうだ。排菌は発症から3、4日後がピークではないかと見ている」と説明した。 日本の状況について、「世界中が収束に向かう中で、新規の感染者が出続けていることを不安視している。とくにクルーズ船の問題は世界の関心を集めている。患者の人権を守り、拡大を食い止める医療を行うことは前提として、臨床とアカデミアが協力し、得られた貴重なデータを世界に報告してほしい」と述べた。最後に、会場を埋めた医療者に向け、「ここで日本が感染を食い止められなければWHOはCOVID-19根絶を諦めねばならない。日本は2009/10年の新型インフルエンザ流行に最もうまく対応した国。今回もできるはずと信じている。専門家の皆さんに期待している」と激励した。 WHOサイトでは、世界から集まったCOVID-19の症例情報等を集約して毎朝9時にレポートを更新、関連する論文データベースを構築するなど、COVID-19の関連情報をまとめ、発信している。

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新型肺炎は母子感染するのか?妊婦9例の後ろ向き研究/Lancet

 中国・武漢市を中心に世界規模で広がっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。これまでの研究では一般集団における感染ルートの検証が行われてきたが、妊婦のデータは限定的だ。武漢大学中南医院産婦人科のHuijun Chen氏らは、新型コロナウイルス陽性と確認された妊産婦について、臨床的特徴と垂直感染の可能性について検証した。Lancet誌オンライン版2月12日版に掲載。 本研究では、2020年1月20日~31日、武漢大学中南医院に入院した患者のうち、COVID-19と診断された妊産婦9例について、臨床記録、検査結果および胸部CT画像を後ろ向きにレビューした。垂直感染を裏付ける根拠として、羊水、臍帯血、新生児の咽頭スワブおよび母乳サンプルが採取された。 主な結果は以下のとおり。・妊産婦9例は26歳~40歳で、いずれも持病はなく、全例が妊娠第3期に帝王切開で出産した。・全例で出生が確認され、新生児仮死は見られなかった。・新生児9例はいずれも1分後アプガースコア(AP)が8~9、5分後APが9~10で正常だった。・妊産婦9例中7例で発熱が見られたほか、咳(4例)、筋肉痛(3例)、咽頭痛(2例)、倦怠感(2例)といった症状が確認された。・2月4日の段階で、妊産婦9例についてCOVID-19重症例および死亡例は確認されていない。・9例のうち6例について、羊水、臍帯血、新生児の咽頭スワブ、および母乳サンプルのウイルス検査が行われ、すべて陰性だった。・2月6日の段階で、新生児1例について、出生36時間後にウイルス検査で陽性反応を示した。・ただし、本症例については出生30時間後に採取されたサンプルであるため、子宮内感染が発生したかどうかは不明である。 本研究の9例は、妊婦が感染していたCOVID-19の母子感染リスクが不明であったため、帝王切開による分娩が選択されたという。著者らは、「この9例に限っては、妊娠後期にCOVID-19を発症した妊婦からの子宮内垂直感染を直接示すエビデンスがないことを示唆している」としながらも、「経腟分娩による母子感染リスクや、母体の子宮収縮がウイルスに及ぼす影響については、さらに調査する必要がある」と述べている。

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日本人COVID-19の特徴、診療第一線医師が語る

 2月13日、「新型コロナウイルス(COVID-19)感染症への対応」と題したメディア・市民向けセミナーが開催された。感染症専門医4名が対応策について講じ、そのなかで、忽那 賢志氏(国立国際医療研究センター 国際感染症対策室医長)は、今回、日本で明らかにされた臨床像として、「発症から数日~1週間くらい『かぜ』のような症状が続き7割くらいの症例で肺炎を伴う、肺炎症例では胸膜下のすりガラス影~浸潤影が見られる」などの特徴を述べた(主催:日本感染症学会、日本環境感染学会、FUSEGU2020)。 日本国内の新型コロナウイルス感染症診療にあたっている忽那氏は、2月13日時点で明らかにされている中国・武漢での臨床像を発表論文1)に基づき以下のようにまとめた。・潜伏期は平均5.2日・感染源の発症から2次感染者の発症まで(発症間隔)は7.5日・受診までは4.6~5.8日・入院までは9.1~12.5日 また、この論文から武漢での症例の特徴について、「重症例の場合、発熱や呼吸苦の症状が強い。軽症者を含めると入院中の発熱、咳、倦怠感、筋肉痛・関節痛、悪寒が見られる」とコメント。重症41例(致死率15%)と軽症含む1,099例(中国全体31省、致死率1.4%)でほぼ同様の症状を有しており、軽症例にも胸部レントゲンや胸部CTが実施されていた。感染者のうち、胸部レントゲンで異常が見られたのは14.7%、胸部CTでは76.4%と報告されたが、これに対して同氏は「感染者全員へのCT検査推奨を意味するわけではない」ことを強調した。 現時点でのCOVID-19による致死率は2.5%であり、ほかの新興感染症と比較して現段階では低いものの、明らかになっている感染者は氷山の一角に過ぎない。同氏は「予断は許さない。重症化しやすい患者には、ICU入室が多い高齢者・持病のある人が挙げられる。感染リスクに男女差はなく、免疫不全や妊婦の重症化は否定できないので考慮が必要」と、述べた。 最後に「現段階では、インフルエンザと比較すると肺炎合併率が高い印象。感染率はインフルエンザと同等と考えられ、基礎疾患、高齢者・高齢者施設を守る対策の徹底が重要」と締めくくった。

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日本環境感染学会が「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド」公開

 新型コロナウイルスの感染者は世界的に増加しており、わが国でも行政や民間の連携の下、さまざまな感染防止、封じ込めに向けて施策が行われている。 こうした状況の中、日本環境感染学会(理事長:吉田正樹)は、医療機関に向けて「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド(第1版)」を2月12日に発表し、日本環境感染学会のサイトで公開を始めた(現在は第2版を公開中)。日本環境感染学会のガイドは高齢者介護施設でも参考に 本ガイドは、今回の新型コロナウイルスが拡大した場合の国内の医療現場の混乱を防ぎ、適切な対応が取られることを目的に作成され、一般の医療機関のほか、高齢者介護施設でも感染対策として参考にできるとしている。ただ、本ガイドの内容は日本環境感染学会が示した1つの目安であり、各施設の状況に応じ具体的な対応を決めることが重要である。ガイドの内容は随時アップデートされる予定。対応ガイドには詳細な感染対策の行動事項を記載 本ガイドは、「ウイルスの特徴」「臨床的特徴」「診断」「治療・予防」「感染対策」「国内における患者の診療体制」「法律上の規定」「相談窓口、問い合わせ先」「参考文献、情報」の項目に分かれて記載されている。 とくに「感染対策」では、1)標準予防策の徹底、2)感染経路別予防策、3)外来患者への対応、4)トリアージ、5)入院患者への対応、6)環境消毒、7)換気、8)職員の健康管理の8項目にわたり、標準予防策として「呼吸器衛生/咳エチケットを含む標準予防策の徹底と個人防護具の選択的着用」「擦式アルコール手指消毒薬での手指衛生」など具体的な行動事項が列挙されている。 日本環境感染学会では、「国内の状況に応じて適宜改訂を行っていく予定だが、各施設での対応の際に参考にしてほしい」と述べている。

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新型肺炎を「COVID-19」と命名、ワクチン開発には18ヵ月か/WHO

 WHO(世界保健機関)は2月11日、スイス・ジュネーブの本部で開いた記者会見で、中国・武漢市を中心に、世界的に感染が拡大している新型コロナウイルス感染症について「COVID-19」と命名し、ワクチンの開発には18ヵ月かかるという見通しを示した。 COVID-19を巡っては、中国国内だけでも4万2,708人の確定症例、1,000人超の死者が報告されており、中国以外では24ヵ国で393例の確定症例、1人の死亡が確認されている(すべて11日6時現在)。各国でワクチンや治療薬の研究が進められており、WHOでは11日から2日の日程で、世界から400人以上の科学者を集めて治療やワクチン開発に関する会議を開催している。 テドロス事務局長は会見で、「最初のワクチンの準備が整うまでには18ヵ月を要する可能性がある。われわれは長期的にこのウイルスと戦うために利用可能な武器を使い、あらゆることを実施していかなければならない」と述べた。

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米国2019-nCoV感染1例目、発熱・咳症状9日目に肺炎/NEJM

 中国・湖北省武漢市でアウトブレークが始まった新型コロナウイルス「2019-nCoV」は、瞬く間に拡大し複数の国で新たな感染例の確認が報告されている。米国疾病管理予防センター(CDC)のMichelle L. Holshue氏らは、2020年1月20日に米国で確認された1例目の感染例について、疫学的および臨床的特徴の詳細をNEJM誌オンライン版2020年1月31日号で発表した。その所見から、「本症例で鍵となるのは、パブリックな注意喚起を見た後に患者が自発的に受診をしたこと、患者の武漢市への渡航歴を地域の医療提供者および郡・州・連邦の公衆衛生担当官が共有し、感染拡大の可能性を認識して、患者の迅速な隔離と検査および入院を許可したことだ」と述べ、「本症例は、急性症状を呈し受診したあらゆる患者について、臨床家が最近の渡航歴または病人との接触曝露歴を聞き出し、そして2019-nCoVのリスクがある患者を適切に識別し迅速に隔離して、さらなる感染を抑制する重要性を強調するものである」とまとめている。渡航歴を考慮し、ただちにクリニックからCDCへと報告が上がる 米国の2019-nCoV感染1例目は、1月19日にワシントン州スノホミッシュ郡の緊急ケアクリニックを受診した35歳男性。咳、主観的発熱の既往は4日間。クリニックに入ると待合室でマスクを着け、約20分待った後、診察室に入った。患者は、家族に会いに武漢市に行き15日に帰ってきたことを申し出、米国CDCの注意喚起を見て、自身の症状と渡航歴を鑑み受診したと話した。高トリグリセライド血症歴はあったが、健康な非喫煙者だった。 診察の結果、熱は37.2度、血圧134/87mmHg、心拍110回/分、酸素飽和度96%。ラ音を認めたため胸部X線検査を行ったが異常は認められなかった。迅速インフルエンザウイルス検査(A、B)の結果は陰性。鼻咽頭スワブ検体を採取し(あらゆる結果が48時間以内に判明する)、渡航歴を考慮してただちに郡・州の保健当局に通知。州当局は臨床担当医とともにCDCの緊急オペレーションセンターに通知した。患者が武漢海鮮卸売市場には行っておらず病人との接触もないと話したが、CDCは「persons under investigation」を基に要検査例と判断。ガイダンスに従い、鼻咽頭および口咽頭スワブ検体を収集。患者は退院したが家族とは隔離し郡保健所がモニタリングにあたった。 翌1月20日にリアルタイムPCR検査の結果、2019-nCoV陽性が確認された。患者は郡医療センターに隔離入院となった。入院時も入院後もバイタルはほぼ安定、しかし入院5日目に肺炎を呈す 患者は入院時、持続性乾性咳嗽と2日間の悪心および嘔吐の既往を認めたが、息切れ、胸痛の訴えはなく、バイタルサインは正常範囲を示していた。入院後、支持療法(悪心に対する2Lの生理食塩水とオンダンセトロン投与)を受けたが、入院2~5日目(疾患6~9日目)のバイタルサインはほとんどが安定していた。 入院2日目に腹部不快感と下痢症状を呈するが翌日に回復。入院3日目に胸部X線検査を行ったが、異常所見を認めなかった。しかし、入院5日目(疾患9日目)の夜から呼吸器症状に変化がみられ、胸部X線検査で左肺下葉に肺炎の所見を認めた。入院6日目に酸素吸入を開始、バンコマイシン、セフェピムの投与も開始。その日の胸部X線検査で両肺に陰影、ラ音を認める。担当医は他施設での報告例を参照し、7日目の夕方に治験中の抗ウイルス薬remdesivirの静脈投与を開始。有害事象は観察されなかった。同日夕方にバンコマイシン投与は中止、セフェピムは翌日に中止している。 入院8日目(疾患12日目)に患者の臨床症状は改善し、支持療法も中止となった。入院11日目の1月30日現在も入院は続いているが、熱は低下(36度台)し、重症度が低下した咳を除き、あらゆる症状が改善した。

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武漢以外の新型コロナウイルス感染患者の臨床的特徴/JAMA

 新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染患者の臨床症状について、健康人集団や武漢以外の患者について、まだあまり報告されていない。中国・北京の中国人民解放軍総医院のDe Chang氏らは、北京市内の病院に入院し2019-nCoV感染が確認された13例の初期の臨床的特徴を、JAMA誌オンライン版2020年2月7日号のリサーチレターに報告した。 著者らは、中国・北京にある3つの病院に2020年1月16~29日に入院した患者(北京清華長庚医院8例、首都医科大学附属北京安貞医院4例、中国人民解放軍総医院1例)を、2月4日まで調査した。2019-nCoV感染の可能性がある患者は入院・隔離し、咽頭スワブのサンプルを収集して中国疾病管理予防センターで2019-nCoVについて定量PCRアッセイを用いて調べた。また、胸部レントゲンもしくは胸部CT検査を実施した。診断された患者は専門病院に移送した。 主な疫学的・臨床的特徴は以下のとおり。・患者の年齢中央値は34歳(25〜75パーセンタイル:34〜48歳)、2例が小児(2歳および15歳)で、10例(77%)が男性であった。・12例は武漢を訪れた家族(両親と息子)や、2019-nCoVの流行発生後に武漢を訪れた小児(2歳)の祖父母などで、1例は武漢との関連が不明であった。・12例は入院前から発熱(平均1.6日)がみられた。・症状は、咳嗽(46.2%)、上気道うっ血(61.5%)、筋肉痛(23.1%)、頭痛(23.1%)などがみられた。・専門病院に移送されるまで(平均2日)に呼吸補助を必要とする患者はいなかった。・最年少患者(2歳)は発熱が1週間断続的に続き、2019-nCoV診断前の13日間、咳が持続していた。C反応性蛋白などの炎症マーカーが上昇し、リンパ球数がわずかに上昇した。・4例が胸部レントゲン、9例が胸部CT検査を実施した。5枚の画像で浸潤影も瘢痕像も認められなかった。胸部レントゲン写真の1枚で、左下肺に陰影が散在していた。6例で、右肺または両肺にスリガラス状陰影がみられた。・2月4日時点ですべての患者が回復したが、12例はまだ病院で隔離されていた。 今回調査した患者のほとんどは、武漢を訪問もしくは武漢から来た人と濃厚接触していたが、1例は当てはまらないことから、著者らは「北京でのウイルス感染がアクティブである可能性を示唆する」としている。また、患者のほとんどが健康成人で、50歳以上と5歳未満の患者は1例ずつのみであったが、これについては、「小児や高齢者のウイルス感受性が低いからではなく、これらの人々は旅行することが限られているためではないか」と考察している。

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新型コロナウイルス肺炎、重症例の特徴と院内感染の実態/JAMA

 中国・武漢大学中南医院のDawei Wang氏らは、2019年新型コロナウイルス(2019-nCoV)肺炎(NCIP)の臨床的特徴(特に重症例)を明らかにするため、自院の入院患者138例について調査した。その結果、重症例では年齢が高く、高血圧や糖尿病といった併存疾患を有する割合が高く、呼吸困難や食欲不振を訴える患者が多かった。また、138例中57例(41.3%)で院内感染が疑われるという。JAMA誌オンライン版2020年2月7日号に掲載。 著者らは、2020年1月1~28日に同院で2019-nCoVが確認された全症例について後ろ向き調査を実施した。症例はRT-PCRで確認し、疫学的、人口統計学的、臨床的、放射線学的特徴および検査データを解析した。アウトカムは2020年2月3日まで追跡された。 主な結果は以下のとおり。・年齢中央値は56歳(22~92歳)で、75例(54.3%)が男性であった。・一般的症状として、発熱136例(98.6%)、倦怠感96例(69.6%)、から咳82例(59.4%)が報告された。・リンパ球減少症(リンパ球数:0.8×109/L[四分位範囲:0.6~1.1])が97例(70.3%)、プロトロンビン時間延長(13.0秒[同:12.3~13.7])が80例(58%)、LDH上昇(261U/L [同:182~403])が55例(39.9%)で認められた。・胸部CTは、全症例で両肺の斑状あるいはすりガラス状の陰影が認められた。・抗ウイルス薬治療(オセルタミビル)を124例(89.9%)が受け、抗菌薬治療を多くの患者が受けた(モキシフロキサシン:89例[64.4%]、セフトリアキソン:34例[24.6%]、アジスロマイシン:25例[18.1%])。また、グルココルチコイド療法を62例(44.9%)が受けた。・36例(26.1%)がICUに移された。理由は急性呼吸促迫症候群(ARDS)22例(61.1%)、不整脈16例(44.4%)、およびショック11例(30.6%)を含む合併症のため。・最初の症状から呼吸困難までの時間の中央値は5.0日、入院までは7.0日、ARDSまでは8.0日であった。・ICUで治療された患者(36例)は、ICUで治療されなかった患者(102例)と比較して、年齢が高く(中央値:66歳 vs.51歳)、併存疾患を有する割合が高かった(26例[72.2%] vs.38例[37.3%])。主な併存疾患は高血圧(21例[58.3%] vs.22例[21.6%])、糖尿病(8例[22.2%] vs.6例[5.9%])、心血管疾患(9例[25.0%] vs.11例[10.8%])など。また、呼吸困難(23例[63.9%] vs.20例[19.6%])、食欲不振(24例[66.7%] vs.1例[30.4%])が多くみられた。・ICUの36例のうち、4例(11.1%)が高流量酸素療法、15例(41.7%)が非侵襲的換気療法、17例(47.2%)が侵襲的換気療法を受けた(うち4例は体外式膜型人工肺に切り替え)。・2月3日時点で、47例(34.1%)が退院し、6例が死亡(全体の死亡率:4.3%)、残りの患者は入院中。・退院した患者47例において、入院期間の中央値は10日間であった(四分位範囲:7.0~14.0)。・57例(41.3%)が院内で感染したと推定され、その中にはすでに他の理由で入院していた17例の患者(12.3%)と40例の医療従事者(29%)が含まれる。・感染した患者のうち、7例は外科部門、5例は内科部門、5例は腫瘍科部門に入院していた。感染した医療従事者のうち、31例(77.5%)が一般病棟で、7例(17.5%)が救急部門で、2例(5%)がICUで勤務していた。

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新型コロナウイルス、国内3症例の経過と得られた示唆

 2月7日、日本感染症学会・日本環境感染学会は「新型コロナウイルス2019-nCoVへの対応について」と題し、学会員に向けた緊急セミナーを開催した(司会は日本感染症学会理事長 館田 一博氏、日本環境感染学会理事長 吉田 正樹氏)。 この中で、大曲 貴夫氏(国立国際医療研究センター 国際感染症センター センター長)は、「新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染症 臨床・感染防止対策」とのテーマで、これまで同センターが診療した3症例の紹介と、そこから得た知見を紹介した。1例目33歳女性・主訴:咽頭痛、倦怠感 1月19日に武漢のホテルに1泊し、20日に来日。23日に咽頭痛出現。24日に1回目の受診。インフルエンザ迅速検査は陰性。初診時の診断は上気道炎。発熱が改善せず、27日に2回目の受診。胸部レントゲンで肺野に浸潤影を確認できず、2019-nCoV感染は否定的と判断。30日に3回目の受診。胸部レントゲンでは両側下葉にスリガラス影と浸潤影の出現があり即日入院。その後2019-nCoV感染が確定。2例目54歳男性・主訴:咽頭痛、鼻汁 2018 年 5 月から武漢に滞在中の日本人。2020 年1月27日から咽頭痛と鼻汁が出現。帰国した29日の飛行機内で軽度の悪寒が出現し、37.1℃の発熱と上気道症状が見られた。30日に2019-nCoV感染が判明、胸部レントゲン検査および胸部CT検査を行うがいずれも肺炎を示唆するような陰影なし。急性上気道炎と診断し、入院継続と経過観察。第6病日まで37℃台の発熱と倦怠感は継続、呼吸状態の悪化はなし。3例目41歳男性・主訴:発熱、咳嗽 2019年12月20日から武漢に仕事で滞在中の日本人、以前も何度も滞在歴がある。帰国した2020年1月31日から38℃の発熱と軽微な咳嗽が出現。発熱と上気道症状あり。2月1日2019-nCoV感染が判明。胸部CT検査で左肺突部と左肺舌区に一部浸潤影を伴うスリガラス影があり肺炎と診断。3日時点で37℃台の発熱はあるが呼吸状態の悪化はなし。※3症例の詳細や胸部レントゲン・CT画像を日本感染症学会サイトに掲載。最初の1週間は風邪との区別は困難、その後の経過を観察 3症例の病状と現在までの経緯を紹介したのち、大曲氏は「現時点において、論文などで紹介される2019-nCoV感染症患者の症状は、中国国内の重症患者から得たものが大半。日本国内でヒト-ヒト感染が広まって受診者が増加した場合、その多くを占めるであろう軽症患者の症状として、今回の3例を参考にしてほしい」と述べた。 軽症患者の臨床的特性としては、「症例数がまだ限られ、現時点で断定的なことは述べるには早すぎる」と断ったうえで、「私たちが診療した例に限れば、最初の1週間は軽い感冒とほぼ同じ症状で、微熱と倦怠感が主訴となり、この時点で2019-nCoV感染の診断は困難。そのまま良くなるケースもあれば、1週間経過時に呼吸苦を訴え、肺炎と診断されたケースもあった」と説明。「感冒様症状が1週間ほど続き、かつ患者の倦怠感が強い点は、通常の感冒やインフルエンザと経過とは明らかに異なるため、臨床的に疑うカギとなるかもしれない」とした。 さらに、中国から報告される症例は重症例が多く、軽症例が報告から漏れている可能性がある点に注目。中国以外の報告例には軽症例が多く、中国国内でも実際には軽症から重症まで幅広く発症していると考えられるため、軽症患者の臨床的特徴を検証する必要性があること、軽症者を母数に加えることで現在報じられている2019-nCoVの致死率が下がる可能性があることを指摘した。 加えて、今回の3例の患者は30~50代であり、「国内で高齢者が罹患した場合のデータはまだない。中国の例を見る限り高齢者は重篤化する危険が高いため、その点も注視したい」とした。 本セミナーの動画は後日、日本感染症学会のYou Tubeチャンネルで公開予定。

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新型コロナウイルス肺炎41例の臨床的特徴(解説:小金丸博氏)-1186

オリジナルニュース新型コロナウイルス、感染患者の臨床的特徴とは?/Lancet(2020/01/28掲載)論文に対するコメント: 2019年12月に中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス(2019-nCoV)による感染症が世界中に拡大しつつあり、本稿執筆時点(2020年2月4日)で確定患者は2万人を超え、そのうち約400人が死亡したと報告されている。そんな中Lancet誌オンライン版(2020年1月24日号)より、2020年1月2日までに新型コロナウイルス肺炎で入院となった41例の患者背景、臨床症状、臨床経過、放射線画像検査の特徴などが報告された。結果の概要は以下のとおりだが、今回の報告は肺炎を発症し入院となった重症患者のまとめであり、自然軽快する軽症例は含まれていないことに留意しながら結果を解釈する必要がある。患者背景: 患者の73%が男性で、年齢の中央値は49.0歳(四分位範囲:41.0~58.0)だった。32%が何らかの基礎疾患(糖尿病、高血圧、心血管疾患など)を有していた。66%が感染源と推測されている華南海鮮市場と何らかの接点があった。男性が多い理由としては、海鮮市場の関係者が多く含まれていることが要因と思われる。臨床症状: 頻度の高い症状は、37.3℃以上の発熱(98%)、咳嗽(76%)、呼吸困難(55%)、筋肉痛または疲労感(44%)だった。ウイルス性肺炎であるためか喀痰は28%とそれほど多くなかった。下痢などの消化器症状の報告は少なく、鼻汁、咽頭痛などの上気道症状をほとんど認めなかったことも特徴的である。臨床経過: 重症例では、発症から約1週間で入院、8日目ごろに呼吸困難が出現、9日目ごろに急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を合併し、10日目以降に集中治療室(ICU)へ入室するという経過をたどった。合併症としてARDS(29%)、急性心障害(12%)、2次感染(10%)などを認めた。32%がICUへ入室し、15%が死亡した。軽症例を含めれば、合併症発生率や致死率は低下することが予想される。放射線画像所見: 胸部CT画像では、98%で両肺野に浸潤影を認め、非ICU入室患者ではスリガラス影が典型的な所見だった。治療: 全例に抗菌薬の投与、93%に抗ウイルス薬(オセルタミビル)の投与、22%に全身ステロイド投与が行われた。ステロイドの有用性については、さらなる症例の集積が必要である。また、新型コロナウイルス感染症に対して、抗HIV薬であるロピナビルとリトナビルの併用療法の有用性を検討するランダム化比較試験が開始されている。 本論文は、新型コロナウイルス肺炎の臨床的特徴を初めて記載したものである。今後さらに症例を蓄積していくことで、軽症例や無症候例の存在、伝染性、正確な致死率などが判明していくと思われる。 コロナウイルスはいわゆる「風邪」の原因ウイルスであるが、ヒトに対して強い病原性を示したSARSやMERSの原因ウイルスでもある。今までの報告からはSARSやMERSほど致命率は高くないと考えられるものの、まだ明らかとなっていないことが多く、今後の動向を注視したい。医療従事者への院内感染事例も報告されており、手指衛生や咳エチケットなどの標準予防策に加え、適切な経路別予防策の実施を心掛けたい。

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新型コロナウイルス、ドイツで無症候性接触者からの感染症例/NEJM

 中国・武漢市で発生した新型コロナウイルス感染症(2019-nCoV)を巡り、無症状の潜伏期間中に接触者へ感染を広げるケースが相次いで報告されている。ドイツ・ミュンヘン大学医療センターのCamilla Rothe氏ら研究グループが、ドイツ国内で報告された、直近に渡航歴のないビジネスマンが無症候の初発患者から感染したとみられる症例を報告した。NEJM誌2020年1月30日号オンライン版に掲載。 報告症例は、1月29日に2019-nCoV陽性反応が確認されたドイツ人男性(33歳)について。男性は20~21日、ミュンヘン郊外の会社でビジネスパートナーである中国人女性と会議に同席。24日に咽頭痛および悪寒、筋肉痛を自覚し、25日には39.1度の発熱があった。その後、26日夕方には症状が改善し始め、翌日には仕事に復帰できるまでに回復したという。 一方、女性は1月19~22日に上海から渡独。滞在中は感染の兆候や症状は見られなかったが、帰国便の機中で体調が悪くなったという。その後、26日に2019-nCoV陽性の検査結果が判明したため接触者の追跡調査が行われ、ドイツ人男性も調査対象となり、29日にRT-PCR法で2019-nCoV陽性反応が出た。男性の喀痰から得られたウイルス量は108コピー/mLと多かった。 また、28日にはドイツ人男性の同僚3人についても、検査の結果2019-nCoV陽性反応が確認された。3人のうち1人は中国人女性と接触しており、ほか2人は接触がなかった。男性と同僚3人はミュンヘンの医療機関に入院したが、いずれもこれまでに重い症状は見られないという。 著者らは、「本症例は、無症候性の初発患者の潜伏期間中に感染が広がったとみられ、2019-nCoVの伝播動態について改めて評価が必要だろう」と述べている。

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