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新型コロナワクチン接種完了者の行動指針を見直し/CDC

 米国疾病対策センター(CDC)は2021年3月8日、新型コロナウイルスワクチン接種完了者を対象に行動指針を見直した。この中では接種完了者同士であれば、マスクを着用せず、小規模な集まりが可能とされている。 「接種完了」の定義としては、ファイザーもしくはモデルナ製の2回接種ワクチンは2回目の接種から、ジョンソン・エンド・ジョンソン(ヤンセン)製の単回接種ワクチンは接種から、それぞれ2週間後としている。 接種完了者に対して、変更された行動指針は以下のとおり。・接種完了者同士であれば、マスクを着用せずに屋内で会うことが可能。・接種完了者は、COVID-19重症化リスクが高い同居人がいない場合には、マスクを着用せずに、ほかの1世帯のワクチン未接種者と屋内で集まることが可能(全員が同居する親戚を訪問する、など)。・接種完了者は、COVID-19感染者と接触しても、症状が出ない限り、他人との接触を避けたり、検査を受けたりする必要はない(ただし、クラスター発生リスクの高い環境[刑務所・拘置所、高齢者施設等]に居住し、COVID-19感染者との接触歴がある場合には、無症状であっても14日間の隔離と検査を受ける)。 接種完了者に対しても、引き続き推奨される行動指針は以下のとおり。・公共の場、複数世帯のワクチン未接種者との集まり、重症化や死亡リスクが高い、またはリスクの高い人と同居するワクチン未接種者と会う場合には、マスク着用・他人と2m以上距離をとる・人ごみや換気の悪い場所を避ける、といった従来の感染予防策を行う。・中~大規模の集まりを避ける。・国内および海外旅行は延期する。・COVID-19の症状を確認する。とくに周囲に体調の悪い人がいる場合は検査を受け、他人との接触を避ける。・職場のガイダンスに従う。

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COVID-19への回復期患者血漿による治療、アウトカム改善効果なし/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者に対する、回復期患者血漿による治療は、プラセボまたは標準的治療と比べて全死因死亡や入院期間、人工呼吸器の使用といった臨床アウトカムのあらゆる有益性と関連しない。スイス・バーゼル大学のPerrine Janiaud氏らが、これまでに発表された10試験についてメタ解析を行い明らかにした。エビデンスの確実性は、全死因死亡については低~中程度で、その他のアウトカムについては低いものだったという。JAMA誌オンライン版2021年2月26日号掲載の報告。ピアレビュー前・後のRCTを対象にメタ解析 研究グループは、ピアレビュー、出版前あるいはプレスリリースされた無作為化試験(RCT)で、回復期患者血漿による治療vs.プラセボまたは標準的治療の臨床アウトカムを評価する検討を行った。 PubMed、Cochrane COVID-19試験レジストリ、LOVE(Living Overview of Evidence)を2021年1月29日時点で検索し、システマティック・レビューを実施。COVID-19の疑いまたは確定診断を受けた患者を対象に、回復期患者血漿による治療とプラセボまたは標準的治療を比較したRCTを特定しメタ解析を行った。 主要解析はピアレビュー済みのRCTのみを対象に行い、2次解析は、出版前やプレスリリースを含む、公表されたあらゆる試験結果を対象に行った。 主要アウトカムは、全死因死亡、入院期間、臨床的改善、臨床的増悪、人工呼吸器の使用、重篤な有害事象だった。レビュー済み4試験とレビュー前6試験を対象に分析 解析には、ピアレビュー済みの4つのRCT(被験者総数1,060例)と、ピアレビュー前の6つのRCT(被験者総数1万722例)が含まれた。 ピアレビュー済み4 RCTの解析において、回復期患者血漿による治療の、全死因死亡に関する要約リスク比(RR)は0.93(95%信頼区間[CI]:0.63~1.38)、絶対リスク差は-1.21%(95%CI:-5.29~2.88)で、データの不正確性によりエビデンスの確実性は低かった。 ピアレビュー前の6 RCTを含めた10 RCTの解析において、全死因死亡に関する要約RRは1.02(95%CI:0.92~1.12)で、非公表データを包含したエビデンスの確実性は中程度だった。 また、ピアレビュー済み4 RCTにおいて、入院期間に関する要約ハザード比は1.17(95%CI:0.07~20.34)、人工呼吸器の使用の要約RRは0.76(0.20~2.87)であり(絶対リスク差-2.56%[95%CI:-13.16~8.05])、両アウトカムに関するデータの不正確性によりエビデンスの確実性は低かった。 臨床的改善、臨床的増悪、重篤な有害事象に関するデータは限定的で、有意差はなかった。

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BRACE-CORONAにより“COVID-19とRA系阻害薬問題”はどこまで解決されたか?(解説:甲斐久史氏)-1360

 2020年9月、欧州心臓病学会ESC2020で発表され、論文公表が待たれていたBRACE-CORONAがようやくJAMA誌に報告された。COVID-19パンデミック拡大早期から危惧された「レニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬が、新型コロナウイルス感染リスクおよびCOVID-19重症化・死亡に悪影響を与えるのではないか?」というクリニカル・クエスチョンに基づく研究である。2020年4月から6月の間に、ブラジル29施設に入院した軽症および中等症COVID-19患者のうち、入院前からアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)を服用していた659例がRA系阻害薬中止群(他クラスの降圧薬に変更)と継続群にランダム化され、入院後30日間の臨床転帰が比較検討された。主要評価項目は、30日間の生存・退院日数。副次評価項目は、入院日数、全死亡、心血管死亡、COVID-19進行(COVID-19悪化、心筋梗塞、心不全の新規発症または増悪、脳卒中など)であった。主要評価項目およびいずれの副次評価項目についても両群間に差はなかった。また、年齢、BMI、入院時の症状・重症度などのサブグループ解析でも主要評価項目に差はみられなかった。以上から、軽症/中等症COVID-19入院患者において、RA系阻害薬をルーチンとして中止する必要はないと結論付けられた。 本研究は、“COVID-19とRA系阻害薬問題”に関する初めての多施設ランダム化臨床試験(RCT)である。これによって、何らかの症状を有した急性期COVID-19の重症化・予後悪化に関してのRA系阻害薬悪玉説は否定されたと考えてもよいだろう。ただし、本研究の対象は高血圧患者で、心不全は約1%(1年以内に心不全入院を有するものは除外)、冠動脈疾患は約4.5%しか含まれないことには注意したい。とはいえ、心不全や冠動脈疾患はCOVID-19重症化・予後悪化の危険因子であり、また、パンデミック下での臨床経験から重症COVID-19による心不全治療においてもRA系阻害薬は有用とされる。したがって、これらの病態を対象に、あえてRA系阻害薬を中止するRCTを行う必要は、理論的さらには倫理的観点からもないであろう。一方、ARB新規投与がCOVID-19入院患者および非入院患者の急性期予後を改善するかについて、感染拡大早期からそれぞれRCTがなされていた。今年2月にようやく症例登録が終了したようである。RA系阻害薬善玉説の観点からの検討であり、その公表が待たれる。 しかし、われわれが最も知りたいことは、このような急性効果ではない。高血圧、腎疾患、さらには心不全や冠動脈疾患といった心疾患に対して、日頃から長期間処方しているRA系阻害薬により、患者さんを感染や重症化のリスクに曝していないかということである。ワクチンや抗ウイルス薬とは異なり、従来の大規模な多施設RCTによる検証は、RA系阻害薬長期服用の感染予防・重症化予防に関してはなじまないであろう。この命題に関しては、中国での感染拡大初期から、単施設や小規模コホートでの後ろ向き登録研究が多くなされた。中にはRA系阻害薬の有用性を強調した報告もみられる。しかし、欧州・米国さらにわが国からの大規模な後ろ向きおよび前向き登録研究、それらを含めた観察研究のメタ解析が次々に報告され、感染確認前のRA系阻害薬服用は、SARS-CoV-2検査陽性、COVID-19重症化や死亡のリスクを増大させることも抑制させることもなく、明らかな影響を与えないことが示されている。有用性評価には依然検討の余地があるが、RA系阻害薬は感染性増大や重症化・予後悪化といった有害事象を増加させないという点では、コンセンサスが得られるのではなかろうか。 そもそも、“COVID-19とRA系阻害薬問題”は、ACE2に関する基礎研究において、「RA系阻害薬がACE2発現を増加させる」「SARSなど急性肺障害モデルにおいてRA系阻害薬が臓器保護的に働く」といった一部の報告が強調され、それぞれ、悪玉説と善玉説の根拠とされている。しかしながら、別稿で詳述したように、これまでの基礎研究を網羅的かつ詳細に検討すると、いずれの主張もその根拠はどうも薄弱なようである(甲斐. 心血管薬物療法. 2021;8:34-42.)。急性期COVID-19に関しては、両仮説ともその妥当性から見直す必要があるかもしれない。最近、急性期に無症候性であった患者も含めて、味覚・嗅覚異常、脱毛、倦怠感、brain fogといった精神症状、息切れなどの症状が数ヵ月間持続するlong COVIDに注目が集まっている。心臓MRIで慢性的な心筋炎症がみられるなど、long COVIDには全身の慢性心血管炎症が関与する可能性が示唆されている。今後、long COVIDの発症予防・治療に対するRA系阻害薬を含めスタチンなどの薬剤の有用性についてRCTを含めた検証を進める意義があろう。 “COVID-19とRA系阻害薬問題”を通じて、質の高い観察研究・ビッグデータ解析の必要性が痛感された。実際にCOVID-19パンデミックをきっかけに、電子診療データやAIを活用したデータの収集、スクリーニング、解析などの各分野に目覚ましい革新が引き起こされている。災い転じて、臨床疫学によるエビデンス構築の新時代を迎えようとしているようである。ちなみに、BRACE-CORONAは、ブラジル全国規模のCOVID-19 registryに基づくregistry-based RCTである。電子診療データなどのリアルワールドデータシステムの枠組み内にRCTを構築することにより、膨大かつ検証可能なデータプールから、自動的に対象症例を抽出し、経時的にデータを収集することができるのみならず、1つのシステム内に複数のRCTを走らせることも可能となる。わが国も遅れをとらないように、情報インフラ・診療情報データベース構築を推し進めなければならない。

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「スーパーの値引き品」で節約した気になっていませんか?【医師のためのお金の話】第42回

こんにちは。自由気ままな整形外科医です。資産をつくるうえでは、「守りが重要」といわれています。「守り」という言葉から、「スーパーの値引き品を狙う」など日々の小さな節約を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、今回お伝えしたい「守り」は節約ではありません。日々の生活でコツコツと節約をしても、時々訪れる大きなお金が動くイベントでミスをすると、大きな損失を被ってしまいます。今回は私の身に起こった具体例も交えながら、大きなお金が動く際での「守り」の態勢づくりがいかに重要なのかをお話ししたいと思います。旅行時の判断ミスは、スーパーの節約100回分私は旅行好きなので、例年は年2回ペースで海外旅行に行っていました。しかし、昨年からはコロナ禍のために国内旅行に転向しました。国内は気楽に行けるため、2~3ヵ月に一度のペースで旅行を楽しんでいるのですが、その時に役立つのが格安航空会社(LCC)です。LCCは航空券代が安く、さまざまなオプションを組み合わせることもできます。自分に必要なオプションだけを選べるのでリーズナブルなのですが、どこまでオプションを付けるかを迷いがちです。私はいつも余分なオプションを一切付けず、最低価格を選択することが多いのですが、先日は何を思ったか、無料で日程変更が可能なプランを選択してしまいました。柄にもなく、「いつ呼び出されるとも限らないし…」と考え、そのような状況にも対応できるプランにしたのです。しかし、よくよく考えてみると、「無料で日程変更ができるプラン」の追加料金と、「最低料金プランで日程を変更する手数料」は1.5倍ほどの差です。日程を変更する可能性がきわめて低いにもかかわらず、割高な無料変更可能プランを選択するのは確率論的に言えばばかげています。冷静になって少し考えればわかることなのですが、忙しさにかまけて深く考えないと、このような要らぬ費用を払ってしまうことになります。自分だけならたいした金額ではなくても、家族分を合わせれば数万円単位の出費です。5万円の余計な出費があれば、夕方のスーパーマーケットで値引き品によって500円得したとしても、それを100回続けなければ取り返すことができません…。税金対策ミスは、スーパーの節約数千回分私はいくつかの法人を運営していますが、昨年度にその中の1社が決算を過ぎてから大きな利益を出していることに気付きました。この法人は資産所有法人なので、例年の決算はあまり変動がありません。しかし、2020年度は新型コロナウイルス感染症が発生したこともあり、事業内容に比較的大きな変更を加えました。それにもかかわらず、収益性のモニタリングを怠っており、決算を過ぎてから税理士から決算概要の報告を受け、ようやく青ざめることになりました。経営セーフティ共済などを用いた基本的な税金対策をしておけば、納税によるキャッシュアウトをある程度防げたにもかかわらず、それをしていなかったのです。税理士報酬の何年間分ものキャッシュアウトを計上し、意気消沈しました。このように、大きなお金の動くところで少しでも油断すると、日々の生活で節約した金額をはるかに上回るキャッシュアウトを招きます。今回のケースは、スーパーの値引き品500円のおトクに換算すると、数千回分の損失となりました。自動車保険の「弁護士特約」という落とし穴自動車を運転する人は、自賠責保険以外にも任意の自動車保険に加入していることと思います。損保各社から魅力的な商品が出ていますが、この中で「弁護士特約」というオプションプランをご存じでしょうか?「弁護士特約」とは、自動車事故の被害に遭った場合、加害者との訴訟にかかる弁護士費用や弁護士への相談費用に対する保険金が出る、というものです。このオプションは4,000~5,000円の追加で付帯できますが、このお金を惜しんで弁護士特約なしにすると、万一の自動車事故の際に大きな損失を被ります。特約で支払われる費用は300万円までとなっていることが多いのですが、不幸にも重い後遺障害を負ってしまった場合には、この費用をはるかに上回る賠償金が支払われるケースが多くなります。たとえば、年収1,000万円の30歳の医師が8級の後遺障害を負った場合、慰謝料と逸失利益を合わせると1億円を超えます。自分で優秀な弁護士を雇う預貯金があればいいのですが、数百万円をすぐに用意できる人は限られるでしょう。また、交通事故の訴訟は専門的で、その分野に強い弁護士を自分で探すのも大変です。「持ち出しゼロ」をうたう弁護士事務所もありますが、実際のところ、お金にならない案件は門前払いされてしまうのが実情です。結局のところ、弁護士特約によって優秀な弁護士とつながり、保険金が弁護士の積極的な介入の原資となり、加害者側との交渉において絶大な威力が発揮されるのです。これがない場合、賠償金が大幅減額、もしくは後遺障害等級が認定されないケースすらありえるのです。数千万円の損失となれば、もうスーパーの値引き品のおトクで取り返すことはできないでしょう。「守り」は大きなお金が動く場面に集中すべきこのように、少し慎重に物事を考えたり判断したりすることで、目先のお買い得品を購入するのとは比較にならないレベルのキャッシュアウトを防ぐことが可能となります。人は生活感のある価格帯では節約家になりやすいものです。しかし、資産形成で成功するためには、大きなお金が動く可能性のある場面で、大きな失敗を防ぐことのほうがよほど重要です。ことの軽重を考えながら、快適な人生を過ごしたいものですね。

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第48回 新型コロナと東日本大震災(前編) あの時の経験は今、医療現場でどう役に立っているか?

東日本大震災から10年こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。3月11日で東日本大震災から10年になります。テレビではいろいろな特集を組んでいるようですが、NHKは例年よりドラマが多い印象です。実際の災害に基づくドラマは、「リアリティに欠ける」場合、視聴者が敬遠する恐れがあります。また、被災地以外の人たちが、このコロナ禍の中、どれだけ東日本大震災に関心を寄せるかという問題もあります。3月7日の夜にNHKで放送されたドラマ「星影のワルツ」は、遠藤 憲一の抑えた演技もよく、シンプルで見応えがあるドラマでした。南相馬市の自宅で津波にのまれ、3日間海を屋根に乗って漂流した男性の実話を基につくられたものです。過度に感傷的にも感動的にもならず、かといって説明的でもなく、海の上を漂流し、ただひたすら生き延びようとする様を淡々と描いていたのが印象的でした。それにしても、10年という時間が経過したことで、東日本大震災については、記事を含めた報道も、ドラマや映画も、つくるのが難しい局面になってきているのかもしれません。私自身、10年前は医療媒体の記者として、被災地に何度か足を運び、医療現場の奮闘や復興の足取りなどを報道しました。震災の1ヵ月後にレンタカーを借りて周った時に見た、三陸沿岸の街の惨状は今でも忘れられません。今回はあの時の現場を思い出しながら、東日本大震災における災害保健医療や医療支援が、今の新型コロナウイルス感染症の感染拡大にどんな形で役立っているか、について考えてみたいと思います。津波による溺死9割、やることがなかったDMAT新型コロナウイルス感染症の感染拡大は「感染災害」だ、という考え方が定着してきています。実際、各都道府県の対策本部の中枢には各地域のDMAT(Disaster Medical Assistance Team:災害派遣医療チーム)のメンバーたちが充てられ、活動しています。DMATがこのコロナ禍の中、各地で重宝されるのは東日本大震災での経験があったからだ、という見方がもっぱらです。DMATは1995年の阪神・淡路大震災での初期医療体制の遅れの反省を踏まえ、2005年に発足しました。ただ、そのDMAT、東日本大震災では活躍の場が限られました。その理由は、亡くなった方の死因の9割が大津波による溺死だったためです。元々「発災から概ね48時間以内、急性期での活動を想定」し、重症患者の救援が主たる目的だったDMATは、被災地に到着してもやることがほとんどなかった、と言われています。大規模な自然災害においては、超急性期や急性期だけではなく、亜急性期や慢性期の医療や、避難所の衛生環境などを保つための保健活動も重要であること、多種多様な支援チームの調整が必須であることが、東日本大震災によってクローズアップされたのです。こうした教訓から、2012年3月の厚生労働省医政局長通知では「救護班(医療チーム)の派遣調整等を行うために、災害対策本部の下に派遣調整本部を迅速に設置できるよう事前に計画を策定」することが求められました。さらに2016年の熊本地震の教訓を踏まえ、2017年7月には厚労省は各都道府県知事宛に「大規模災害時の保健医療活動に係る体制の整備について」という通知を発出、「各都道府県における大規模災害時の保健医療活動を行う体制に関して、保健医療活動チームの派遣調整、保健医療活動に関する情報の連携、整理及び分析等全体的な調整を行うための保健医療調整本部の整備」を求めるに至っています。こうした調整本部の中核を担うことが期待されたのが「統括DMAT」(厚労省が実施する統括DMAT研修を修了し、登録された者)と呼ばれる災害保健医療の専門家たちです。阪神・淡路、東日本、そして熊本と大きな地震を経験し、超急性期対応だけでなく、さまざまな局面でのコーディネートの経験積を積んできたDMATが、新たな災害である「感染災害」として今直面しているのが新型コロナ、というわけです。「感染災害」にDMAT出動コロナでのDMATの関与は中国・武漢からの邦人退避チャーター便での活動を政府から要請されたことにはじまり、その流れでクルーズ船ダイヤモンド・ プリンセス号における活動につながったとされています。厚労省の第21回「救急・災害医療提供体制の在り方に関する検討会(検討会)」(2020年8月21日)では、コロナでのDMATの活動が報告されています。それによれば、中国の武漢市からの邦人退避チャーター便について、厚労省からDMATの派遣要請がなされ、邦人の宿泊場所で健康チェックや感染管理に当たっています。この時の活動期間は1月31日~3月3日、全国から医師、看護師ら151人が集まっています。その後、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号にも派遣要請がされ、DMATと他医療チームの調整、熱発外来、患者の搬送トリアージなどを行っています。この時の活動期間は2月8日~3月1日、全国から医師、看護師ら472人が集まりました。ダイヤモンド・プリンセス号という、コロナ医療の最前線において感染管理やクラスター対策を学んだDMATのメンバーたちは、活動終了後にはそれぞれが所属する病院に戻り、今度は地元でコロナと対峙することになりました。患者搬送コーディネーターに統括DMATをダイヤモンド・プリンセス号での活動実績などを評価した厚労省は2020年3月26日、「新型コロナウイルス感染症の患者数が大幅に増えたときに備えた入院医療提供体制等の整備について(改訂)」と題する事務連絡で、コロナ対応におけるDMATの最大限の活用を各都道府県に要請しました。事務連絡は、「都道府県調整本部には、集中治療、呼吸器内科治療、救急医療、感染症医療の専門家、災害医療コーディネーター等に必要に応じて参加を要請するとともに、搬送調整の中心となる『患者搬送コーディネーター』を配置すること。(中略)その際、円滑な搬送調整実施のために、患者搬送コーディネーターのうち少なくとも1人は、自然災害発生時における『統括DMAT』の資格を有する者であることが望ましい」とし、「都道府県調整本部については、統括DMATなどの関係者との協議の上、都道府県の実情を踏まえてDMATメンバーの参画も考えられる」としています。45都道府県でDMAT登録者が調整本部に参画そういった経緯から、ダイヤモンド・プリンセス号以降も、DMATは「厚労省本部地域支援班」として各地のクラスターの現場対応にあたったり、各都道府県の調整本部において現場の指揮や患者搬送のコーディネートにあたったりしています。第22回検討会(2020年12月4日)の資料によれば、45都道府県でDMAT登録者が調整本部に参画し、27都道府県に常駐(最大時)しているとのことです。東日本大震災とその後のさまざまな災害対応で得られた教訓を糧に調整力や対応力を高めてきたDMATが、このコロナ禍の中、全国でその役割を存分に発揮しているわけです。ただ、震災などの自然災害との大きな違いは、コロナは災害が局所的ではなく、全国で起きていることです。あるDMATの医師はこんなことを話していました。「大災害が起こると、各地のDMATの仲間の間で色んな情報が飛び交うのだが、今回はそれがほとんどない。それだけ、それぞれの地域でDMATがいっぱいいっぱいで頑張っているからだろう」。東日本大震災以来の大災害とも言える新型コロナ。この「感染災害」を乗り越えたとき、日本の災害保健医療は、またもう一皮剥けているに違いありません。

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ファイザーの新型コロナワクチン副反応疑い、2回目に多い?/CDC

 2021年2月時点の米国での新型コロナウイルスワクチン(以下、新型コロナワクチン)の有害事象について、Pfizer/BioNTech社とModerna社のワクチンに関する有害事象を収集した結果、ワクチン副反応報告システム(VAERS)に報告されたレポートの90%超は非重篤なものであった。また、分析期間中のアナフィラキシーの発生は、接種100万回あたり4.5例で、インフルエンザワクチン(100万回あたり1.4例)、肺炎球菌ワクチン(100万回あたり2.5例)の範囲内であることも明らかになった。米国疾病予防管理センター(CDC)が2021年2月19日にMMWR Early Releaseとして発表した。 米国では、食品医薬品局(FDA)が2020年12月11日にPfizer/BioNTech ワクチンを、同年12月18日にModernaワクチンに対して、緊急使用許可(EUA)を発行した。両ワクチンとも接種回数は2回で、まず医療従事者および介護施設(LTCF)の居住者に投与が行われた。 CDCはこれらの安全性モニタリングに、VAERS、有害事象自発報告システム(SRS)、V-safe*などのアクティブな監視システムを使用し、接種の最初の期間(2020年12月14日~2021年1月13日)の安全性データの記述的分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・期間中、1,379万4,904回のワクチンが接種された。このうち843万6,863回(61.2%)は女性に接種された。・VAERSは有害事象に関する6,994例のレポートを受信した。これは非重篤6,354例(90.8%)、重篤640例(9.2%)に区分された。113例(1.6%)が死亡したが、うち78例(65%)はLTCF居住者だった。・VAERSに報告された症例の年齢中央値は42歳(範囲:15~104歳)で、最も報告された症状は、頭痛(22.4%)、倦怠感(16.5%)、めまい(16.5%)だった。・死亡診断書、病理解剖報告、診療記録、およびVAERSと医療者からの報告によると、これらの死亡とワクチン接種に因果関係は示唆されなかった。・アナフィラキシーの報告は62件で、Pfizer/BioNTechは46件(74.2%)、モデルナは16件(25.8%)だった。・V-safeに報告された有害事象のうち、Pfizer/BioNTechワクチンを接種していた症例では、1回目より2回目投与後のほうが多く、発熱と悪寒の割合は2回目の投与後のほうが1回目よりも4倍以上高かった。 研究者らは「アナフィラキシーの出現頻度は他のワクチン接種後に報告されたものと同等の割合で稀なことから、今回の報告は医療提供者ならびに市民に対し安全性の促進に一役買うのでは」と言及している。*:V-safeとは、 CDCが新型コロナワクチン接種プログラムのために特別に確立した安全監視システム。ワクチン接種後の個々の健康状態を把握するため、テキストメッセージとWebで調査するためのスマートフォンベースのツール。ワクチン接種後の最初の週に、登録者は局所注射部位と全身反応に関する調査を毎日行う。登録者は、欠勤の有無、日常生活の可否、症状が出現した場合に医療者からケアを受けたかなどを尋ねられる。

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薬剤師がコロナワクチンを希釈・充填 手技は大丈夫?【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第64回

いよいよ新型コロナウイルスワクチンの接種が始まりましたね。今はまだ医療者の先行接種の段階ですが、高齢者や一般の方に接種が広がった場合の「どこで?」「どのように?」というのはワイドショーなどでも取り上げられて話題になっています。そんな中、2月16日に、厚生労働省が「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き(2.0版)」を発出しました。現時点で想定されているワクチンは「コミナティ筋注(一般名:コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン)」で、一般の方々に接種する場合の準備や手順などが記載されています。この中で薬剤師に関する記述がありましたので、紹介します。「医療機関以外でワクチン接種を行う場合」接種方法や会場の数、開設時間の設定により、必要な医師数や期間が異なることから、地域の実情に合わせて、必要な医療従事者数を算定する。具体的な医療従事者などの数の例:予診・接種に関わる者として、予診を担当する医師1名、接種を担当する医師または看護師1名、薬液充填および接種補助を担当する看護師または薬剤師1名を1チームとする接種後の状態観察を担当する者を1名置く(接種後の状態観察を担当する者は、可能であれば看護師などの医療従事者が望ましい)検温、受付・記録、誘導・案内、予診票確認、接種済証の発行などについては、事務職員などが担当するこれはあくまでも一例ですが、このようなことを想定していますよ、という感じで記載されています。しかしながら、「やば! 薬液充填わからん…」という薬剤師も少なくないのではないでしょうか。そのような不安をくみ取ったのか、地域によっては薬剤師会などでワクチンの希釈・充填の研修がすでに始まっています。薬剤師もワクチン接種に協力しますよ!という積極的なアピールにもなり、とてもいい動きですね。具体的にどのような業務を行うかは地域のワクチン接種の運営方法によると思いますが、まずは得意な領域である添付文書を読んで副反応を想定し、その対処としてエピペン(一般名:アドレナリン注射液)などの在庫や使い方を確認しておくとよいのではないでしょうか。その知識はワクチン接種に不安を抱いている方のサポートにもなると思います。今後の学会などでは、ワクチン接種への薬剤師サポートに関する報告が多数行われるのではないかとワクワクしているうさこでした。参考1)「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き(2.0版)」厚生労働省

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第50回 COVID-19ワクチン接種後数日してからの皮膚反応

接種後の遅れ馳せ(Delayed)の皮膚反応への心づもりが必要新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のスパイクタンパク質を作るmRNAが成分のModerna(モデルナ)社のワクチンmRNA-1273を接種した12人に接種後すぐではなく何日か(4~11日;中央値8日)してから生じた遅れ馳せの皮膚反応を米国ボストン市の著名病院・Massachusetts General HospitalのチームがNEJM誌に報告し1)、皮膚感染症と混同して抗生物質で無闇に治療してはいけないと注意を促しています2)。提供:Massachusetts General Hospital腫れ、痒み、痛みなどを伴う上の写真のようなそれら皮膚反応は接種後すぐの局所や全身の症状が解消した後に注射部位近くに広く生じ、5人の病変の直径は10cm以上ありました。主に冷やすか抗ヒスタミン薬で治療され、何人かにはステロイド(グルココルチコイド)が使われました。また1人は蜂巣炎と推定されて抗生物質が投与されました。症状は発生から2~11日(中央値6日)で解消しました。そのような皮膚反応が遅延型かT細胞を介した過敏反応らしいとの著者等の見立ては報告された12人と同様に遅れ馳せの広域皮膚反応を呈した別の1人の皮膚検体の解析で支持されています。検体の表層血管周囲や毛胞周囲には好酸球や肥満細胞(マスト細胞)を含むリンパ球浸潤が認められました。遅延型過敏反応や注射部位反応を呈した人への2回目接種は禁忌ではないことから12人には2回目の接種を案内し、全員が2回目の接種を済ませました。2回目の接種後に半数の6人は1回目と同様か1回目より軽度の反応を再び被りました。2回目の接種後の皮膚症状はより早く、接種から1~3日(中央値2日)後に発生しています。mRNA-1273ワクチンへの遅れ馳せの局所反応に心づもりができていない医師がいるかもしれませんが、今回の報告はそれらの反応がおよそ恐れるに足るものではないことを改めて示しています2)。著者によると遅れ馳せの皮膚反応は免疫が良好に働いていることをどうやら意味しており、ワクチン接種の妨げにはなりません。今回の報告が不必要な抗生物質使用を減らしてワクチン接種の全うを助けることを著者は望んでいます。皮膚病変はSARS-CoV-2感染でも生じうるワクチンのみならずCOVID-19と種々の皮膚異変の関連も示唆されており、たとえば足のつま先によく生じる3)ことから”COVID toes”として知られる凍瘡(しもやけ)様病変がCOVID-19流行に伴って小児や若い成人患者にとくに多く認められています4)。COVID toes患者の鼻や喉の拭い液のPCR検査でSARS-CoV-2が検出されることは少なく4)、まったく検出できなかった報告5,6)ではSARS-CoV-2感染との関連はなさそうと結論されています。しかし組織を生検した幾つかの試験ではSARS-CoV-2スパイクタンパク質が検出されており、それらの断片が皮膚の内皮細胞のACE2に結合して取り込まれて血管内皮炎を誘発するのかもしれません7)。スパイクタンパク質はPfizerやModerna 社のワクチンが体内で作り出す成分でもあり、スパイクタンパクと内皮細胞のACE2の相互作用がどういう顛末をもたらすのかをさらに調査する必要があります。参考1)Blumenthal KG,et al. N Engl J Med. 2021 Mar 3. [Epub ahead of print]2)MGH researchers call for greater awareness of delayed skin reactions after Moderna COVID-19 vaccine / MGH3)Magro CM, et al.Br J Dermatol . 2021 Jan;184:141-150. 4)Colmenero I, et al.Br J Dermatol. 2020 Oct;183:729-737. 5)Herman A, et al. JAMA Dermatol. 2020 Sep 1;156:998-1003.6)Roca-Gines J, et al. JAMA Dermatol.2020 Sep 1;156:992-997.7)Ko CJ, et al. J Cutan Pathol. 2021 Jan;48:47-52.

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mRNAワクチン、新型コロナ感染歴のある人は単回でも有効か/JAMA

 COVID-19ワクチンの不足から、一部の専門家から単回接種レジメンが提案されている。一方、COVID-19に感染すると少なくとも6ヵ月は免疫があると考えられているが、リコール応答も最適なワクチン投与レジメンも検討されていない。今回、米国・メリーランド大学のSaman Saadat氏らが医療従事者を対象に、COVID-19のmRNAワクチンを単回接種して結合価および中和力価を調べたところ、血清学的検査でCOVID-19感染歴が確認された人は、感染歴のない人よりも抗体価反応が高いことが示された。JAMA誌オンライン版2021年3月1日号リサーチレターでの報告。 2020年7~8月にメリーランド大学医療センターで実施された病院全体の血清調査研究に登録していた医療従事者を、SARS-CoV-2 IgG抗体陰性(抗体陰性)、IgG陽性の無症候性COVID-19(無症候性)、IgG陽性の症候性COVID-19(症候性)の3群に層別化し、無作為に連絡した。登録した参加者は、2020年12月~2021年1月に個人の好みや入手の可能性によりPfizer-BioNTechもしくはModernaのいずれかのワクチンの接種を受け、接種0日目(ベースライン)、7日目、14日目に採血し、50%結合価とID99ウイルス中和力価(0、14日目のみ)を調べた。50%結合価は最大結合の50%となる希釈濃度の逆数、ID99ウイルス中和力価は99%の細胞を保護できる最大の希釈濃度の逆数で表される。 主な結果は以下のとおり。・3,816人のうち無作為に151人に連絡し、59人が登録された(抗体陰性群17人、無症候性群16人、症候性群26人)。年齢中央値は、抗体陰性群38歳、無症候性群40歳、症候性群38歳で、女性の割合は、抗体陰性群71%、無症候性群75%、症候性群88%だった。・50%結合価の中央値は、抗体陰性群(0、7、14日目の順に、<50、<50、924)と比較し、無症候性群(208、29,364、34,033)および症候性群(302、32,301、35,460)で高かった(それぞれp<0.001)。・ID99ウイルス中和力価の中央値は、抗体陰性群(0、14日目の順に、<20、80)と比較し、無症候性群(80、40,960)および症候性群(320、40,960)で高かった(それぞれp<0.001)。 なお、本研究の限界としては、サンプルサイズが小さいこと、ワクチンの効果が示されていないこと、登録者が母集団を代表していないことによる潜在的なバイアスが挙げられる。この結果から、著者らは「現在の世界的なワクチン不足を考えると、COVID-19感染歴がある人を単回接種にしたり、優先接種リストの後方にしたりすることが提案される」としている。

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第45回 接種後アナフィラキシー例はすべて女性、欧米の先行報告と合致

<先週の動き>1.接種後アナフィラキシーはすべて女性、欧米の先行報告と合致2.ワクチン供給不足で4月の高齢者優先接種は計画見直しか?3.救急車の出動件数が各地で減少、受診控えに注意4.旭川医大・学長への解任請求、第三者調査委員会設置へ5.糖尿病患者が減少、健康日本21の効果?NDB分析で明らかに/日医総研1.接種後アナフィラキシー例はすべて女性、欧米の先行報告と合致厚生労働省は、新型コロナワクチン接種の開始後に発生した副反応疑い報告について、情報公開を行っている。事例一覧によると、3月5日から8日にかけて、20~50代の女性8例でアナフィラキシーと疑われる症状が発生し、いずれも処置によって改善したことが明らかになっている。これに対し、森尾 友宏氏(厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会長)は、「すべての症例が女性であることは、欧米での先行報告と合致している。4万6,000人接種の時点では、欧米の報告に比して頻度が高い印象であるが、事例の蓄積で日本におけるアナフィラキシーの頻度を明らかにし、発症者の背景などについて解析することが重要になる」などとコメントしている。これらの事例と、先月26日に接種を受けた3日後にくも膜下出血による死亡が報告された60代女性について、今後さらに情報を収集した上で、次回の審議会にて、ワクチンとの因果関係や接種後の対応方法などが検討・評価される見込み。画像を拡大する(参考)資料 新型コロナワクチン接種後にアナフィラキシーとして報告された事例の一覧(令和3年2月17日から令和3年3月8日までの報告分)(厚労省)新型コロナワクチンの接種後のアナフィラキシーとして報告された事例について(1例目)(同)国内2例目、ワクチン接種の20代女性にアナフィラキシー(読売新聞)ワクチン接種で3例目のアナフィラキシー…30代女性に息苦しさ・のど違和感(同)2.ワクチン供給不十分で4月の高齢者優先接種は計画見直しか?高齢者向けの新型コロナワクチン優先接種は4月以降に開始されることになっていたが、供給量が不十分となる見通しで、実施計画見直しの報道が相次いでいる。厚労省によると、高齢者向けのワクチン供給は4月1週目に100箱(各都道府県2箱、東京・神奈川・大阪は4箱)、2週目と3週目は500箱(各都道府県10箱、東京・神奈川・大阪は20箱)、4週目には1,741箱(すべての市区町村に1箱)と徐々に拡大され、6月末までに高齢者約3,600万人分(2回接種)を配布できる見込みで、接種体制の拡充が急がれる。現在行われている医療従事者の接種分については、5月前半までに約480万人に2回分の配布を完了する予定。なお、現時点で国内承認されているのは、米・ファイザーと独・ビオンテックのワクチンのみだが、すでに米・モデルナと英・アストラゼネカの2製品も厚労省に承認申請しており、早ければ5月に承認される見込み。(参考)ファイザー社の新型コロナワクチンの供給の見通し(厚労省)資料 新型コロナワクチン配送スケジュール(令和3年3月5日時点)(同)今知りたい新型コロナワクチン接種 さまざまな疑問にできる限り答えます(東京新聞)3.救急車の出動件数が各地で減少、受診控えに注意2020年の救急車の出動件数は、各地で前年に比べ減少の報告がされている。新型コロナウイルス感染拡大や緊急事態宣言による外出自粛による交通事故の減少などが要因とみられるが、「受診控え」による影響の可能性もあり、専門家は注意喚起している。また、神奈川循環器救急研究会によれば、昨年1~3月と4~12月までの期間で、患者が病院に到着してから手術までにかかった時間を調べた結果、3月までは中央値64分だったのに対し、4月以降は中央値72分と延長傾向だったという。同研究会は、現場は感染対策と緊急対応のせめぎ合いであることから、「(救急車の)受け入れ準備などには一定の時間がかかるので、心筋梗塞などが疑われるときはなるべく早く受診してほしい」と呼び掛けている。(参考)救急車の出動、一転減少 昨年、コロナ下で受診控えか「体の異変迷わず通報を」(日本経済新聞)宮崎県内救急出動9年ぶり減 20年、コロナ外出自粛影響か(Yahoo!ニュース)心筋梗塞 病院到着から手術までの時間延びる傾向に コロナ影響(NHK)4.旭川医大・学長への解任請求、第三者調査委員会設置へ大学病院でのコロナ患者受け入れを進言した病院長を解任した国立旭川医科大学において、同大の教授らが設立した「旭川医科大学の正常化を求める会」による学長の解任請求が、2月24日、同大学の学長選考会議に提出された。これを受け、同大学の学長先行会議が3月5日に開催され、審議を開始することが明らかになった。また、審議を公平なものとするため、3月末までに第三者による調査委員会も設置することが決定された。同大学の学長を巡っては、昨年11月に学内の会議において、新型コロナウイルス感染のクラスターが発生した病院について不適切な発言を行い、さらに感染患者の受け入れを進言した当時の病院長を解任したことにより、学長の職務停止の要請を全教職員の過半数が署名し、同大学の学長選考会議に要請されるなどが繰り返し報道されていた。同大学の元病院長については、復帰を求める1万5,000人の署名が3月3日に大学側に提出されており、地域医療の最後の砦となる大学病院をめぐって、住民も強い関心を持っているのがうかがえる。(参考)学長の辞職・解任を求める署名活動にご協力下さい(旭川医科大学の正常化を求める会)旭川医大 学長解任、適否審査 選考会議、教授ら署名受け/北海道(毎日新聞)5.糖尿病患者が減少、健康日本21の効果?NDB分析で明らかに/日医総研日本医師会総合政策研究機構(日医総研)が、糖尿病や脳梗塞の治療状況などについて、NDBデータを用いた解析結果をワーキングペーパーにまとめた。これによると、糖尿病の治療を受けている患者数は2010年に比べて、2016年は減少傾向であることが明らかとなった。また、人工透析に至った症例の割合もいずれの年齢階級においても減少しており、厚労省の健康日本21による糖尿病重症化予防への取り組みが、効果を上げていることがうかがえる。40〜64歳の糖尿病患者の場合、脳梗塞のリスク比は11倍以上、急性心筋梗塞のリスク比は13倍以上であり、働く世代における糖尿病コントロールの重要性を示している。また、脳梗塞の治療状況における2010年と2016年の比較では、経皮的選択的脳血栓・塞栓溶解術や経皮的脳血栓回収術といった急性期脳梗塞治療の割合が増加しており、都道府県間の均てん化が進んでいる。(参考)日医総研ワーキングペーパー No.451(日医総研)糖尿病治療患者の人工透析割合が大幅減少、0.88% 日医総研がNDBデータ解析、脳梗塞・認知症リスクは高い(CBnewsマネジメント)

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新型コロナワクチンを拒む一般人の割合と特徴-米国の場合

 米国では2月8日の時点で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン5,930万回分が配布され、少なくとも3,160万人が1回目のワクチン接種を行った。ワクチン開始前に実施された全米世論調査では、多くの人が新型コロナワクチンの接種をためらっていたが、2020年9月から12月にかけて、ワクチンを接種したいと回答した割合は、全体的に39.4%から49.1%に増加し、接種する「可能性が低い」と回答した割合は38.1%から32.1%に減少していたことが明らかになった。米国疾病予防管理センター(CDC)が2021年2月12日に発表した。 CDCは新型コロナワクチンに対する認識と接種意思を調査する目的で、2020年9月と12月に18歳以上の米国人を代表する3,541人に対し確率に基づくサンプル(Ipsos KnowledgePanel)を用いてインターネットパネル調査を実施し、18~64歳(基礎疾患あり/なし)、65歳以上、エッセンシャルワーカー従事に分類した。“もし、新型コロナワクチンを今日無料で接種できるとしたら、接種する可能性はどのくらいありますか?”との質問内容に対し、回答選択肢を「必ず受ける/受ける可能性が非常に高い」「可能性がやや高い」「可能性が低い」と定めた。接種の可能性について“必ず”または“非常に高い”という回答は意思があるとし、“可能性が低い”という回答は意思がないとした。 主な結果は以下のとおり。・「必ず受ける/受ける可能性が非常に高い」の回答は、エッセンシャルワーカー*で8.8ポイント(37.1%→45.9%)、65歳以上で17.1ポイント(49.1%→66.2%)、基礎疾患**を有する18~64歳で5.3ポイント(36.5%→41.8%)と、9月から12月にかけて増加した。・「可能性が低い」との回答は、エッセンシャルワーカーで4.8ポイント(40.2%→35.8%)、65歳以上で11.1ポイント(29.8%→18.7%)、基礎疾患を有する18~64歳で2.1ポイント(40.4%→38.3%)減少した。・また、基礎疾患を持たずエッセンシャルワーカーではない18~64歳の場合、「必ず受ける/受ける可能性が非常に高い」の回答は9.5ポイント(38.0%→48.7%)増加し、「可能性が低い」との回答は7.6ポイント(39.8%→32.2%)減少した。・若年成人、女性、非ヒスパニック系黒人、居住区域が首都圏外、低学歴、低収入世帯(年収:3万5,000〜4万9,999ドル)、健康保険未加入の層がワクチンを接種する「可能性が低い」と最も多く回答していた。*:エッセンシャルワーカー:医療者ほかインフラ整備に必要不可欠な建設作業員など**:慢性腎臓病、心不全、COPDなどを有する者 研究者らは「新型コロナの罹患率と死亡率のリスクが高い集団の健康を保護し、健康の不平等を減らすためにもワクチン接種は重要である。国民の信頼をさらに高める戦略を実施するため、追加の取り組みが必要」としている。

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ロシア製COVID-19ワクチン、約2万人接種で有効率91.6%/Lancet

 ロシア国立ガマレヤ疫学・微生物学研究所(NRCEM)で開発された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の非相同組み換えアデノウイルス(rAd)ベクターワクチンGam-COVID-Vac(スプートニクV)の第III相試験中間解析の結果が、NRCEMのDenis Y. Logunov氏らによってLancet誌2021年2月20日号で報告された。COVID-19に対する有効率は91.6%と高く、2万人を超える大規模な参加者において良好な忍容性が確認された。Gam-COVID-Vacは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)完全長糖蛋白S(rAd26-SおよびrAd5-S)の遺伝子を持つrAd26型(rAd26)とrAd5型(rAd5)をベースとする複合ベクターワクチンで、prime-boost異種ワクチン接種法に基づき、先にrAd26を接種後、21日の間隔を空けてrAd5が接種される。2020年8月に終了した第I/II相試験では、良好な安全性プロファイルを示し、強力な体液性免疫および細胞性免疫の誘導が認められている。モスクワ市25施設のプラセボ対照無作為化第III相試験 研究グループは、COVID-19に対するGam-COVID-Vacの有用性の評価を目的とする二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験を実施し、2020年9月7日~11月24日の期間にモスクワ市の25施設で参加者の登録を行った(ロシア・モスクワ市保健局などの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、抗SARS-CoV-2 IgM/IgG抗体陰性、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法でSARS-CoV-2陰性、COVID-19歴がなく、登録前の14日間にCOVID-19患者との接触がなく、登録前30日間に他のワクチン接種歴のない参加者であった。 被験者は、ワクチン群またはプラセボ群に3対1の割合で無作為に割り付けられた。担当医、参加者を含むすべての試験関係者には、割り付け情報は知らされなかった。ワクチンは、prime-boostレジメンに基づき、1回目にrAd26が筋注され、21日の間隔を空けてrAd5が筋注された(いずれも、ウイルス粒子1011、用量0.5mL)。 主要アウトカムは、初回接種後21日(2回目接種日)以降にPCR検査で確定されたCOVID-19の参加者の割合とした。ワクチンの有効率(%)(予防効果)は、(1-オッズ比[OR])×100の式で算出された。主要アウトカムの評価は2回の接種を受けた参加者で行い、重篤な有害事象はデータベースのロック時に少なくとも1回の接種を受けた全参加者で評価した。21日以降の中等症~重症COVID-19に対する有効率は100% 2万1,977例の成人が登録され、ワクチン群に1万6,501例、プラセボ群には5,476例が割り付けられた。このうち1万9,866例(ワクチン群1万4,964例、プラセボ群4,902例)が2回の接種を受け、主要アウトカムの解析に含まれた。2回接種例の平均年齢はワクチン群が45.3(SD 12.0)歳、プラセボ群は45.3(11.9)歳であり、両群間で性別の分布、合併症の罹患率、感染リスクに差はなかった。 初回接種後21日以降に、COVID-19と確定された参加者は、ワクチン群が1万4,964例中16例(0.1%)、プラセボ群は4,902例中62例(1.3%)であり、ワクチンの有効率は91.6%(95%信頼区間[CI]:85.6~95.2、p<0.0001)であった。 5つの年齢層(18~30歳、31~40歳、41~50歳、51~60歳、60歳以上)および男性・女性の有効率はいずれも87%以上であり、とくに60歳以上の有効率は91.8%(95%CI:67.1~98.3、p=0.0004)と良好であった。また、中等症~重症COVID-19に対する有効率は、初回接種後15~21日は73.6%(p=0.048)であり、21日以降はワクチン群での発生は認められず(対照群は20例で発生)、この期間の有効率は100%(94.4~100.0、p<0.0001)だった。 初回接種後42日時におけるSARS-CoV-2糖蛋白Sの受容体結合ドメイン(RBD)特異的IgG抗体の検出率は、ワクチン群が98%(336/342検体)で、幾何平均抗体価(GMT)は8,996、抗体陽転率は98.25%であり、プラセボ群の15%(17/114検体)、30.55、14.91%と比較して有意に高かった(p<0.0001)。また、中和抗体のGMTは、ワクチン群が44.5、抗体陽転率は95.83%であり、プラセボ群の1.6、7.14%よりも有意に高値であった(p<0.0001)。これらのデータにより、ワクチンによる体液性免疫応答の誘導が確認された。 さらに、ワクチン群では、初回接種日と比較して、28日の時点における抗原再刺激によるインターフェロン-γ分泌量(中央値32.77pg/mL、p<0.0001)が有意に増加し、ワクチンによる細胞性免疫応答の誘導が認められた。プラセボ群では、このような反応はなかった。 最も頻度の高い有害事象は、インフルエンザ様疾患、注射部位反応、頭痛、無力症であった。報告された有害事象のほとんどがGrade1(94.0%[7,485/7,966例])で、Grade2は5.66%(451例)、Grade3は0.38%(30例)であった。希少な有害事象は122例(ワクチン群91例、プラセボ群31例)で報告された。 重篤な有害事象は、68例に70件認められ、ワクチン群が0.3%(45/1万6,427例)、プラセボ群は0.4%(23/5,435例)であったが、独立データ監視委員会によって、いずれもワクチン接種とは関連がないと確定された。試験期間中に4例(ワクチン群3例[<0.1%]、プラセボ群1例[<0.1%])が死亡したが、ワクチン関連のものはなかった。 著者は、「このワクチンは、他のSARS-CoV-2ワクチンとともに、SARS-CoV-2ワクチンの世界的なパイプラインの多様化に貢献すると考えられる」としている。研究グループは、現在、ワクチンの1回接種レジメンを評価する研究を進めているという。

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第47回 ワクチン副反応疑い報道でメディアに課せられた責務

いま、新型コロナウイルス感染症に関する報道と言えば、ワクチン接種に関するものがかなりの部分を占める。そんな中、優先接種対象者として接種した医療従事者の中で、接種3日後にくも膜下出血で死亡した事例が3月2日、厚生労働省から報告された。今回のプレスリリースには、「副反応疑い報告制度の透明性の向上及び周知等のため、当面、接種後にアナフィラキシー又は死亡の報告を受けた際に公表するものです」と但し書きが付いている。いわば因果関係が証明されたものではないし、実際リリースを読み込めば、多くの医療従事者はワクチン接種との因果関係はほぼなしと見るだろう。さて新聞各紙はこれをどう報じたか。一覧にすると次のようになる。「ワクチン接種3日後、くも膜下出血で死亡 因果関係不明」(朝日新聞)「ワクチン接種後にくも膜下出血で死亡か 因果関係は評価できず」(毎日新聞)「ワクチン接種後の初の死亡事例、因果関係不明」(日本経済新聞)「ワクチン接種した60代女性、3日後に死亡…死因はくも膜下出血か」(読売新聞)「コロナワクチン接種後、60代女性死亡 くも膜下出血か」(産経新聞)見出しはきれいにほぼ2種類に分かれた。各紙の報道内容を読めばわかるが、基本的には冷静に淡々と報じている。個人的には、前者3紙の「因果関係不明」のほうが、因果関係なしも含めて示唆する見出しのため、ここからより正確な記事内容の推定が可能になると考える。また、中でも日経は記事の第2パラグラフというかなり早めの段階で「海外の接種事例でワクチンとくも膜下出血の関連を明確に示す報告はないとみられ、偶発的な事案の可能性もある」とより具体的に記述し、「死亡」というキーワードに感覚的に反応しやすい読者に暗に冷静さを求めている。この件については、「わざわざ報じなくとも良いではないか」との意見もあることは承知している。ただ、今回の新型コロナは現代ではまれに見るほど全世界で人々の日常生活をマヒさせており、国や医療関係者もより多くの人にできるだけ早期にワクチンを接種してほしいと願っていると考えて差し支えないだろう。一方、現状で使用可能になったmRNAワクチンは、今回が初の実戦投入。しかも、当初、ワクチン登場まで相当時間がかかるとみられていた中で、わずか1年で臨床現場に出てきたことから、一般人にとっては「期待半分、疑心半分」が本音ではないだろうか?そのような状況下では、たとえ誤解であったとしても国民の一部から「情報隠ぺい」と捉えられるような事態が起これば、一気にワクチンに対する信頼性は低下し、「より多くの国民にできるだけ早期の接種」という目標はあっという間に瓦解する。だからこそ敢えて因果関係の確定までのプロセスも含めてなるべく公開することで信頼性を担保しようという、ある種「苦渋」の決断と考えられる。そしてメディアの側も事情は似たようなものだ。日本中が注目しているワクチンに関して、国が公開している情報を完全に無視すれば「メディアは意図的にワクチンの安全性に目をつぶっている」と言われてしまう。ただ、今回のワクチンに関する安全性をめぐる報道に関しては、メディア側は最終結果も報じる必要があると感じている。最終結果とは因果関係の推定がほぼ終了した時点である。今回の事例で言えば、もしワクチン接種と因果関係がないだろうとの結論になった時点で「3月2日に厚生労働省が発表したワクチン接種後にくも膜下出血を起こして死亡したケースは、死亡とワクチン接種との間に因果関係はない可能性が高いと専門家は判断した」という感じできちんとフォローアップ報道を行うということだ。そうでないと、読者・視聴者は「死亡」という事実のみを脳内に刻み込んでネガティブイメージが維持されるからだ。そのうえで今回のワクチン接種を契機に私たちメディアだけでなく、医療従事者、行政関係者が一致して伝えなければならない情報があると考えている。それは「有害事象」と「副反応」の違いである。もちろん、この記事を目にするであろう方々に「有害事象とはワクチン接種後、その影響があると考えられる期間に起こったネガティブな反応全て。そのうちワクチンとの因果関係が濃厚とされたものが副反応」と説明するのは釈迦に説法である。ところが医療に縁のない一般人にとって、この違いは説明されればその場で理解はできるものの、知識としてはなかなか定着しない。だが、この違いを多くの国民が理解すれば、副反応に対する漠然とした恐怖の一部は緩和できる可能性があると考える。実は先日、ある国会議員と意見交換した時に「今回のワクチン接種を契機に各自治体のワクチン接種に関するHPに<有害事象とは?><副反応とは?>という基礎的な用語集を付記するように働きかけてはいかがか?」と提案した。するとこの国会議員からは「実はその働きかけはすでに行われているのだが、自治体ごとの温度差が大きい」との反応が返ってきた。まあ、さもありなんである。だからといって行政関係者が悪いなどと言うつもりはない。ただ、行政関係者に温度差があるからこそ、その隙間を医療従事者、メディア関係者が埋めなければならないとも思う。さまざまなチャネルからシャワーのように同じこと繰り返し伝えることが、知識としての定着の第一歩であることは、「PCR検査」という言葉が日常的に使われるようになった現在が端的な証明となっている。このように書くと「そうはいってもPCR検査の中身を正確に理解していない人がほとんどだろう」という指摘があることは承知している。ただ、言葉として定着しなければ、知識としての定着はあり得ない。目で見て読めない英単語を耳で聞いても分かるわけはないのと同じである。そして「有害事象」と「副反応」の違いが国民の間に定着してくれば、今回発表されたようなワクチン接種直後の死亡例の公表の仕方、報道の仕方も必然的に変わってくる。新型コロナのワクチン接種開始は、そうした好ましい変化を獲得するための、またとない機会でもある。

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コロナ禍の中で花粉症診療へ行くべきか/アイスタット

 花粉症の季節が到来した。街中ではマスクだけでなく、花粉防止のゴーグルをかけた人を見かけるようになった。新型コロナウイルス感染症が収束をみせない中、慢性疾患や花粉症に代表される季節性疾患の診療に例年とは異なる動きはあるのであろうか。 株式会社アイスタット(代表取締役社長:志賀 保夫)は、2月25日に花粉症の理由で病医院を受診する人の割合、傾向を知る目的として、花粉症に関するアンケート調査を行い、その結果を発表した。 アンケートは、業界最大規模のモニター数を誇るセルフ型アンケートツール“Freeasy”の会員で20~69歳、東京・神奈川・千葉・埼玉に在住の300人を対象に実施した。同社では今後も毎月定期的に定点調査を行い、その結果を報告するとしている。調査概要形式:WEBアンケート方式期日:2021年2月19日対象:セルフ型アンケートツール“Freeasy”の登録者300人(20~69歳)で東京・神奈川・千葉・埼玉在住者アンケート結果の概要・花粉症が「現在ない」と回答した割合は46.3%、花粉症歴が「長い」は26.0%、「中間」は16.0%、「短い」は11.7%・花粉症歴が「長い」と回答した人ほど、医療機関を「毎年、受診している」が多い結果に・花粉症の強さが「軽症」と回答した人は、医療機関を「1度も受診したことがない」が最多に。「中等症」「重症」と回答した人は、医療機関を「毎年、受診している」が最多に・花粉症の三大症状の「鼻水」「目のかゆみ・痛み・涙」「くしゃみ」は70%以上に・花粉症の症状で「鼻水」を回答した人は、医療機関を「1度も受診したことがない」が最多に・コロナ禍により、花粉症の症状で病医院の受診を控えるかは、「そう思う」42.9%が「そう思わない」24.8%を上回ったアンケート結果の概要 「花粉症と自覚した時期」について聞いたところ、「現在、花粉症でない」が46.3%で最多であり、次に「長い」(約15年超)が26.0%、「中間」(約5~15年)が16.0%、「短い」(最近~5年以内)が11.7%だった。※以下は「花粉症歴があると回答した161人」の回答 「花粉症の症状」を聞いたところ、「鼻水」、「目のかゆみ・痛み・涙」がともに77.0%で最も多く、次に「くしゃみ」が73.9%、「鼻づまり」が56.5%、「だるい、ボーっとする」が26.1%と多かった。 「花粉症の強さを自身の判断」で聞いたところ、「軽症」が47.2%で最も多く、次に「中等症」が42.2%、「重症」が8.1%だった。 「花粉症対策として病医院の処方箋・市販薬も含め服用・使用している薬」について聞いたところ、「飲み薬(1種類)」が42.9%と最も多く、次に「点眼薬」が32.9%、点鼻薬が21.1%と上位を占めた。その一方で、「薬を服用、使用していない」が29.2%いた。薬に頼らずに我慢する患者の存在もうかがわれた。 「花粉症の理由で病院に受診したことがあるか」を聞いたところ、「1度も受診したことがない」が45.3%で最も多く、「その年の症状により受診」が32.3%、「毎年、受診している」が22.4%だった。花粉症軽度の割合が多いことから医療機関へ受診につながらないことが推定された。 「今シーズン(2021年春季)、花粉症の治療のために病院を受診するか」を聞いたところ、「受診する予定はない」が70.2%と最多で、「受診する予定」が18.0%、「すでに受診した」が11.8%だった。花粉症診療へ消極的な動きが判明した。 「昨今のコロナ禍により病医院へ受診することを控えようと思うか」を聞いたところ、「非常に」「やや」を足し合わせた「そう思う」が42.9%、「どちらともいえない」が32.3%、「あまり思わない」「まったく思わない」を足し合わせた「そう思わない」の24.8%と診療を控える傾向がうかがわれた。 「花粉症で病医院を受診する決め手」を聞いたところ、「病医院で処方される薬の方がドラッグストアなどの市販薬より、効果があるから」が34.2%で最も多く、次に「病医院で処置・治療してもらうと効き目があるから」が26.7%、「病医院を受診することで安心感を得たいから」が19.9%と上位を占めた。受診の決め手となる動機では、医療機関から処方される治療薬への期待がうかがわれた。

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AZ社の新型コロナワクチン、接種間隔は3ヵ月が有益/Lancet

 ChAdOx1 nCoV-19(AZD1222)ワクチンの2回接種は、主要解析の結果、中間解析と一致して新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対し有効であることが確認された。探索的事後解析では、パンデミックにおける供給不足時にできるだけ早く大多数の住民にワクチンを行き渡らせるための短い接種間隔プログラムより、3ヵ月の接種間隔のほうが2回目接種後の予防効果が改善しており利点があることも示された。英国・オックスフォード大学のMerryn Voysey氏らオックスフォード・ワクチン・グループが、AZD1222ワクチンに関する4つの臨床試験の統合解析結果を報告した。AZD1222ワクチンは、英国の医薬品・医療製品規制庁により標準用量を4~12週間の間隔で2回接種する緊急使用が承認され、英国でのワクチン導入計画では、ハイリスクの人々を対象にただちに初回接種を行い、12週間後に2回目接種を行うことになっていた。Lancet誌オンライン版2021年2月19日号掲載の報告。4試験の統合主要解析と接種間隔別等の探索的事後解析を実施 研究グループは、単盲検無作為化比較試験である英国の第I/II相試験「COV001試験」および第II/III相試験「COV002試験」、ならびにブラジルの第III相試験「COV003試験」と、二重盲検無作為化比較試験である南アフリカの第I/II相試験「COV005試験」について、事前に設定されていた統合解析に主要解析と、探索的事後解析を行った。 試験では、18歳以上の健康成人がChAdOx1 nCoV-19ワクチン接種群(標準用量として5×1010のウイルス粒子を2回接種)、または対照群(対照ワクチンまたは生理食塩水)に1対1の割合で無作為に割り付けられ、英国の試験では、一部の被験者に、1回目は低用量(ウイルス粒子2.2×1010)、2回目は標準用量を接種した。 主要評価項目は、ウイルス学的に確定された症候性COVID-19で、2回目接種後14日以降に1つ以上の特定症状(37.8度以上の発熱、咳嗽、息切れ、嗅覚消失/味覚消失)を認め、核酸増幅検査(NAAT)陽性と定義した。副次有効性解析には、初回接種後22日以降の発症例を組み込んだ。また、免疫測定法および疑似ウイルス中和抗体価で評価した抗体反応を探索的評価項目とした。 主要解析対象集団は、盲検化された独立評価委員会により判定されたNAAT陽性のCOVID-19患者で、ベースライン時にSARS-CoV-2のN蛋白血清反応陰性かつ2回目接種後に最低14日間追跡調査が行われ、NAATで過去のSARS-CoV-2感染の証拠がないすべての被験者であった。安全性解析対象集団には、最低1回の接種を受けた全被験者が含まれた。ワクチン有効率、全体66.7%、標準用量2回接種(接種間隔12週間以上)81.3% 2020年4月23日~12月6日の期間に4つの試験で2万4,422例が登録され、そのうち1万7,178例が主要解析に組み込まれた(ワクチン接種群8,597例、対照群8,581例)。データカットオフ日は、2020年12月7日であった。 主要評価項目を満たした症候性COVID-19患者は計332例発生した。ワクチン群84例(1.0%)、対照群248例(2.9%)で、ワクチンの有効率は66.7%(95%信頼区間[CI]:57.4~74.0)であった。初回接種後21日以降に、COVID-19による入院はワクチン群では確認されず、対照群で15例認められた。 重篤な有害事象は、ワクチン群0.9%(108/1万2,282例)、対照群1.1%(127/1万1,962例)に確認された。接種と関連がないと思われる死亡が7例(ワクチン群2例、対照群5例)発生し、うち対照群の1例はCOVID-19関連死であった。 探索的解析の結果、標準用量単回接種後、22~90日間におけるワクチンの有効性は76.0%(95%CI:59.3~85.9)であった。モデル解析では、初回接種から最初の3ヵ月間で感染予防効果は減弱しないことが示唆された。また、この期間中の抗体価は維持されており、90日目までの低下は最小限であった(幾何平均比[GMR]:0.66、95%CI:0.59~0.74)。 さらに、標準用量2回接種者において、プライム/ブースト(1回目と2回目)の間隔は、長いほうが短期間の場合より2回目接種後の有効性が高かった(有効率:12週間以上81.3%[95%CI:60.3~91.2]、6週間未満55.1%[95%CI:33.0~69.9])。18~55歳の被験者では、接種間隔が12週間以上の場合、6週間未満と比較して抗体価が2倍以上高いことが示唆された(GMR:2.32、95%CI:2.01~2.68)。

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ファイザーの新型コロナワクチン、イスラエルで高い有効性を実証/NEJM

 PfizerとBioNTechによる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のmRNAワクチン「BNT162b2」の推定有効率は、2回接種後で、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染に対しては92%、症候性COVID-19に対しては94%、重症COVID-19には92%と、いずれも高いことが報告された。イスラエル・Clalit Health ServicesのNoa Dagan氏らが、イスラエル最大のヘルスケア組織(HCO)からのデータを用いて、約60万人のワクチン接種者と非接種の適合対照者について行った試験で明らかにした。COVID-19に対する集団予防接種キャンペーンが世界各地で開始されている中、ワクチンの有効性は非コントロール下で多様な集団におけるさまざまなアウトカムの評価が必要となっている。著者は、「今回の試験結果は、全国的なワクチン集団接種について評価したもので、mRNAワクチンBNT162b2がさまざまなCOVID-19関連アウトカムに対して有効であることを示し、無作為化試験の結果と一致する所見が得られた」とまとめている。NEJM誌オンライン版2021年2月24日号掲載の報告。SARS-CoV-2感染、COVID-19による入院や重症などへの有効性を検証 研究グループは、イスラエル最大のHCO「Clalit Health Services(CHS)」の加入者データを基に、2020年12月20日~2021年2月1日に、BNT162b2の接種者と、人口統計学的・臨床的特徴に基づき適合した非接種対照者を対象とした試験を行った。 アウトカムは、記録されたSARS-CoV-2への感染、症候性COVID-19、COVID-19による入院、重症疾患、死亡だった。各アウトカムについて、Kaplan-Meier推定法を用いて、ワクチンの有効性(1-リスク比)を推算し評価した。推定有効率は年齢群を問わず同等 ワクチン接種群と適合対照群には、それぞれ59万6,618人が包含された。 ワクチン初回接種後14~20日後のワクチン推定有効率は、記録されたSARS-CoV-2への感染が46%(95%信頼区間[CI]:40~51)、症候性COVID-19は57%(50~63)、COVID-19による入院は74%(56~86)、重症疾患は62%(39~80)だった。 ワクチン2回目接種後7日以降の同値は、それぞれ92%(95%CI:88~95)、94%(87~98)、87%(55~100)、92%(75~100)だった。 また、ワクチン初回接種後14~20日後の、COVID-19による死亡に関するワクチン推定有効率は72%(95%CI:19~100)だった。 記録されたSARS-CoV-2への感染と症候性COVID-19について評価した、特定サブ集団における推定有効率は、年齢群を問わず同等だった。ただし、複数の併存疾患者においてはわずかだが有効性が低下する可能性が示された。

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第47回 「発症10日したらもう他人に感染させない」エビデンス明示で、回復患者受け入れは進むか?

全国医学部長病院長会議がコロナ重症症例診療で見解こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。春本番、プロ野球のキャンプも日米で本番を迎えています。春の沖縄キャンプ地巡りが大好きな知人がいて、ある時、スポーツニュースを観ていたらバックネット裏にスカウトのように陣取る姿が映り、驚いたことがあります。今年のキャンプは無観客なので、そういった楽しみや驚きもなく、寂しいものです。そんな中、景気のいい話もあります。2月25日、東北楽天ゴールデンイーグルスは田中将大投手に特化したファンクラブの申し込みを同日開始したところ、10人限定の年会費180万円のコースが14分で完売した、と発表しました。また、1,000人限定の1万8,000円のコースも4時間余りで完売したそうです。楽天ファンでもない私でも1万8,000円なら安い、と思いエントリーしようと考えたくらいです。ことほど左様に私を含めた誰もがスポーツ観戦など外に出かけたくうずうずしている今日このごろですが、首都圏以外の6府県の緊急事態宣言が28日で解除されました。各府県は飲食店への営業時間の短縮要請などを徐々に緩和するとのことですが、暖かさに誘われ、飲み会も増えていきそうです。英国型の変異株は実行再生産数を0.4〜0.7引き上げるとの報告もあります。第4波到来の可能性は割と高いのでは、と思いますが、皆さんいかがでしょう。少々状況が落ち着いてきた中、全国医学部長病院長会議は2月24日、「新型コロナウイルス重症症例診療を担う医療施設に関する見解」を、会長の湯澤 由紀夫氏(藤田医科大学病院 院長)と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関わる課題対応委員会委員長の瀬戸 泰之氏(東京大学医学部附属病院 院長)の連名で公表しました。前回、「第46回 第4波を見据えてか!? 厚労省が『大学病院に重症患者を受け入れさせよ』と都道府県に事務連絡」では、大学病院、中でも国立大学病院の動きが鈍い、と書きましたが、全国医学部長病院長会議が自ら、今後の大学病院の役割について対外的に見解を公表したのは大きな意味がある、と言えるでしょう。「今こそ重症症例の診療体制の整備に取り組むべき」見解では、「今後、また未曾有の感染症が襲ってくるときに備えるためにも、わが国の緊急時医療体制の構築を再考する絶好の機会ととらえている。このような重症症例診療を行いうる医療体制の構築に相応の時間を要するのは自明であり、平時よりの備えが肝要である」として、今こそ重症症例の診療体制の整備に取り組むべきだと訴えました。具体的には、コロナの重症者の治療は「高度かつ統制のとれたチームワークのもと治療を行なわなければならない」として、「重症症例の診療は大学病院、救命救急センターなど、従来より高度な集中治療を行ってきた医療施設が中心的に担うべき」としました。一方で、大学病院や救命救急センターなどでは、「新型コロナウイルス感染症の重症患者への診療」と共に「新型コロナウイルス感染症以外の高度医療」を提供しなければならならず、「通常診療の維持を前提とした新型コロナウィルス重症症例診療に必要な医療体制確保について、実態ニーズを踏まえたものとなるよう検討いただきたい」としています。その上で、「新型コロナウィルス重症治療は これまでにない総合的かつ統合的な加療であり、通常の重症肺炎診療とは異なるものでもあり、施行するにあたり相応の診療報酬が病院運営上必須である」と、報酬上の手当も国に求めました。端的に言えば、「コロナの重症者には通常診療と並行して取り組むが、相応のお手当はお願いします」ということのようです。「後方病床あるなら大学病院も頑張る」私自身がとくに重要だと思ったのは、後半の連携に関するくだりです。見解では、「円滑な重症症例病床運用のためには、重症症例を診る施設がその治療に集中するため、軽快ないしは改善した場合の後方病床確保も重要な課題となる」と指摘、「特に、重症から回復した高齢者が退院基準を満たしても、そのまま自宅退院できることはまれであり、後方病床に移送できなければ重症病床の活用に支障が生じる。医療状況が逼迫している折、そのような医療提供体制の役割分担を推進することは医療効率化のためにも極めて重要」と、回復した患者の受け入れる後方病床の整備を強く求めています。「後方病床を整備してくれるなら、大学病院も頑張るよ」とも読めるのですが、確かに回復した患者の引き受け手がなく、いつまでも大学病院に入院させていては、新規入院を受け入れることができないわけで、その体制をつくっておくことは重要です。ちなみに、見解では、後方病床の確保を“下り”の流れと表現しています。退院基準の見直し案と感染可能期間のエビデンス明示ちょうど第3波が収まり、比較的余裕が出てきた今こそ、それぞれの地域において後方病床の役割を果たす病院をきちんと決めておくべきです。ただ、地域のよっては、「コロナ回復患者引き受けます」と手を挙げる病院はまだまだ多くはないようです。“流れ”づくりの主役となるべきは、日本医師会、四病院団体協議会、全国自治体病院協議会によってつくられた「新型コロナウイルス感染症患者受入病床確保対策会議」だと思うのですが、これについては前回書いたので今回は触れません。実は、先々週にも回復患者引き受けに関連した動きがありました。厚生労働省は2月18日の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(座長:脇田 隆字・国立感染症研究所所長)の第24回会合に対し、新型コロナウイルス感染症の退院基準の見直し案を提示、あわせて発症からの感染可能期間などのエビデンスも提示したのです。退院基準見直し案では、有症状者については人工呼吸器等による治療の有無別に分け、治療を行った場合には発症日から15日間経過し、かつ症状軽快後72時間経過した場合に退院可能とするが、「発症日から20日間経過するまでの間は、適切な管理を行う」などの条件を付けました。他方、人工呼吸器等治療を行わない場合(軽症・中等症)については現行通り(1.発症日から10日間経過し、かつ症状軽快72時間経過した場合に退院可能とする。2.症状軽快後24時間経過した後、24時間以上間隔をあけ 2回のPCR検査又は抗原定量検査で陰性を確認できれば、退院可能とする)としました。軽症・中等症は「現行通り」でも大丈夫な理由・エビデンスについては、「軽症・中等症において、感染性のあるウイルス粒子の分離報告は 10 日目以降では稀であり、これら の症例において、症状が消失してからも長期的にウイルス RNA が検出される例からの二次感染を認める報告は現時点では見つからなかった」とし、「退院後のPCR 再陽性例における感染性や、再陽性例からの二次感染を認める報告も現時点では見つからなかった」としています。医療機関だけでなく一般にもアピールすべきでは要するに、「発症日から10日したらもう他人に感染させない」「症状軽快後、PCR陽性が続く場合も他人に感染させない」というわけです。厚労省としては、この見直し案とエビデンスによって、一般病院や介護施設での回復患者の受け入れが進み、重症病床の回転が良くなることを期待しているわけですが、本当に地域でそうした“流れ”が普通に構築されることを期待したいと思います。ところで、なぜこの事実(エビデンス)を、医療機関だけでなく一般にももっと広く、強くアピールしないのでしょう。何かまた、「国民があらぬ誤解する」とでも国は考えているのでしょうか(新型コロナウイルス感染症は発症の数日前から感染力が高まることを、国は昨年の感染拡大当初、国民に知らせるのをためらっていた、と聞いています)。少々、謎です。このエビデンスがしっかり世の中に浸透すれば、それこそ報酬さえ手厚くすれば後方病院は回復患者受け入れに手を挙げるでしょうし、問題となっている職場における理不尽な感染者差別(復職後に陰性証明を要求されたり、在宅勤務を強制されたり人が出ているそうです)なども減ると思うのですが…。

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新型コロナ、医療者の転帰不良リスクはあるか?

 医療従事者は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染リスクが高いが、感染後の転帰不良リスクはあるのか。北米の医療者127例を対象として後ろ向き観察コホート研究の結果が発表された。JAMA Network Open誌2021年1月28日号掲載の報告。 2020年4月15日~6月5日までに北米の36施設で確認された、1,992例のCOVID-19成人患者が対象に含まれた。データ解析は2020年9月10日~10月1日に行われ、患者のベースライン時の特性、併存疾患、症状、治療法および転帰に関するデータが収集された。 主要評価項目は人工呼吸器の利用または死亡の複合エンドポイントだった。 主な結果は以下のとおり。・解析されたのは1,790例で、内訳は医療従事者127例と非医療従事者1,663例だった。3:1の傾向スコアマッチングが行われ、122例の医療従事者と366例の非医療従事者がマッチングされた。・女性は医療従事者で71例(58.2%)、非医療従事者で214例(58.5%)、平均年齢(SD)は医療従事者で52(13)歳、非医療従事者で57(17)歳だった。・複合エンドポイントについて、両者の間に有意差はなかった(補正後オッズ比:0.60、95%信頼区間:0.34~1.04)。・医療従事者は集中治療室への入院を必要とする可能性が低く(0.56、0.34~0.92)、7日以上の入院を必要とする可能性も低かった(0.53、0.34~0.83)。・人工呼吸器の利用(0.66、0.37~1.17)、死亡(0.47、0.18~1.27)、昇圧薬の利用(0.68、0.37~1.24)についても、両者の間に有意差はなかった。

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コロナワクチン「コミナティ」添付文書改訂、輸送・保管時の温度管理柔軟に

 2月14日に特例承認されたファイザーの「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」(商品名:コミナティ筋注)について、3月1日付で添付文書が改訂された。薬剤の保存方法として、-25~-15℃で最長14日間の保存が可能である旨が追記された。 今回の改訂では、「薬剤調整時の注意」の細目として、新たに「保存方法」についての以下の記載が加わった。《保存方法》本剤は-90~-60℃から-25~-15℃に移し、-25~-15℃で最長14日間保存することができる。なお1回に限り、再度-90~-60℃に戻し保存することができる。いずれの場合も有効期間内に使用すること。 本件内容については、-25~-15℃における安定性試験成績に対する医薬品医療機器総合機構(PMDA)の評価を基に追記された。これによりファイザーは「本剤を輸送および保管する際の柔軟性が増すことが期待される」としている。

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特例承認から3日で接種開始した新型コロナワクチン「コミナティ筋注」【下平博士のDIノート】第69回

特例承認から3日で接種開始した新型コロナワクチン「コミナティ筋注」今回は、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)ワクチン「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」(商品名:コミナティ筋注、製造販売元:ファイザー)」を紹介します。本剤は、わが国で初めて承認されたCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)に対するワクチンであり、2回の筋肉内注射で発症を予防することが期待されています。<効能・効果>本剤は、SARS-CoV-2による感染症の予防の適応で、2021年2月14日に特例承認されました。なお、本剤の予防効果の持続期間は確立していません。本剤(コミナティ筋注[1価:起源株])に加えて、2022年1月にコミナティ筋注5~11歳用、2022年9月にコミナティRTU筋注(2価:起源株/オミクロン株BA.1)、2022年10月にコミナティ筋注6ヵ月~4歳用およびコミナティRTU筋注(2価:起源株/オミクロン株BA.4-5)が承認されています。<用法・用量>日局生理食塩液1.8mLにて希釈し、1回0.3mLを合計2回、通常3週間の間隔で筋肉内に接種します。3回目・4回目接種による追加免疫の場合、前回の接種から少なくとも3ヵ月経過した後1回0.3mLを筋肉内に接種します。副反応が現れることがあるので、接種後は一定時間観察を行い、異常が認められた場合には適切な処置を行います。本剤の初回接種時にショック、アナフィラキシーが認められた被接種者に対しては、本剤2回目の接種を行わないこととされています。<薬剤調製時の注意>※抜粋本剤は-90~-60℃から-25~-15℃に移し、-25~-15℃で最長14日間保存できます。なお1回に限り、再度-90~-60℃に戻し保存することができます。冷蔵庫(2~8℃)で解凍する場合は、2~8℃で1ヵ月間保存することができます。希釈後の液は2~30℃で保存し、希釈後6時間以内に使用します。<安全性>海外第I/II/III相試験(C4591001試験)の第II/III相パート(プラセボ対照無作為化多施設共同試験)において、本剤接種群(2回接種後)の安全性評価対象3,758例で報告された主な副反応は、注射部位疼痛2,730例(72.6%)、疲労2,086例(55.5%)、頭痛1,732例(46.1%)、筋肉痛1,260例(33.5%)などでした。また、Grade3以上の有害事象が2%を超えたものは、疲労143例(3.8%)と頭痛76例(2.0%)でした。<患者さんへの指導例>1.ワクチンを接種することで新型コロナウイルスに対する免疫ができ、新型コロナウイルス感染症の発症を予防します。2.本剤の接種当日は激しい運動を避け、接種部位を清潔に保ってください。3.医師による問診、検温および診察の結果から、接種できるかどうかが判断されます。発熱している人などは、本剤の接種を受けることができません。4.合計2回を3週間の間隔で筋肉内に接種します。1回目の接種から3週間を超えた場合は、できる限り速やかに本剤の2回目の接種を受けてください。5.本剤の接種直後または接種後に、心因性反応を含む血管迷走神経反射として、失神が現れることがあります。接種後一定時間は接種施設で待機し、帰宅後もすぐに医師と連絡をとれるようにしておいてください。6.接種後は健康状態に留意し、接種部位の異常や体調の変化、高熱、痙攣など普段と違う症状がある場合には、速やかに医師の診察を受けてください。<Shimo's eyes>本剤は、わが国で初めて承認された新型コロナウイルス感染症の発症予防を目的とするワクチンであり、有効成分はSARS-CoV-2のスパイクタンパク質をコードするmRNA(トジナメラン)です。海外C4591001試験における新型コロナウイルス感染症発症予防効果および本剤2回目接種後2ヵ月時点の安全性のデータに基づいて、米国では2020年12月11日に緊急使用許可(EUA:Emergency Use Authorization)が出され、欧州では同月21日に条件付き販売承認がされています。2021年2月時点ですでに世界70ヵ国以上で接種が行われており、わが国でもようやく医療従事者など向けの優先接種が始まりました。なお、優先接種対象となる医療従事者には薬局薬剤師も含まれることが通知されています。プラセボ群と比較した本剤の発症予防効果は、前述の試験によると95%と報告されており、1回目の接種12日目以降から発症者が少なくなっています。また、試験後に発症し、重症化した10例のうち1例が本剤群、9例がプラセボ群であり、本剤を投与することで重症化を防ぐことができる可能性もあります。効果の持続期間や毎年の接種が必要かどうかについてはまだ十分な見解が得られていません。副反応で最も懸念されるのはアナフィラキシーなどのアレルギー反応です。アナフィラキシーは全身の複数臓器に症状が現れるものであり、アナフィラキシーショックはそのうち血圧低下や意識障害を伴い、場合によっては生命を脅かす危険な状態に至るものです。アナフィラキシーは、迅速かつ適切に対応すれば命に関わることはほとんどないと考えられるので、患者さんが用語を混同して過度に恐れている場合はきちんと説明しましょう。なお、接種後にアナフィラキシーが生じた人の多くは、過去に食品や薬、その他の種類のワクチン、蜂の刺傷などによるアレルギー反応やアナフィラキシーの既往歴がありました。本剤は添加物としてポリエチレングリコール(PEG)を含有しているため、PEGやポリソルベートに重度な過敏症の既往がある人は禁忌となっています。しばしばアレルギー源となる鶏卵やゼラチン(安定剤)、チメロサール(防腐剤)、ラテックス(容器)は使用されていません。わが国の治験は、日本人160例を対象に行われ、海外と同様に免疫を獲得しています。副反応の報告も海外データとの差はなく、重篤なものはありませんでした。しかし、本剤は特例承認されたものであり、製造販売後も引き続き情報を収集する必要があります。有害事象が認められた際は、必要に応じて予防接種法に基づく副反応疑い報告制度を利用しましょう。※2021年5月・11月、2022年4月・10月に添付文書改訂により修正を行いました。参考1)PMDA 添付文書 コミナティ筋注2)ファイザー新型コロナウイルスワクチン医療従事者専用サイト3)コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)(コミナティ筋注)の使用に当たっての留意事項について(厚労省)

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