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統合失調症、双極性障害で新たに注目される「アデノシン作用」

 アデノシン・モジュレータ補助療法は、統合失調症の精神病理全般(とくに陽性症状)および双極性障害の躁病エピソードの治療において、より大きなベネフィットをもたらすことが示唆された。米国・ヴァンダービルト大学メディカルセンターのTomoya Hirota氏らがシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。Schizophrenia Research誌2013年9月号の掲載報告。 アデノシンは現在、統合失調症の病態生理で注視されているドパミンとグルタミン酸と相互に作用することが報告されている。さらに、双極性障害患者にプリン作動性システムの病態生理学的変化をもたらすという新たな報告もなされていることから、Hirota氏らは本検討を行った。2013年4月25日までに発表されたPubMed、EMBASE、Cochrane Library databases、CINAHL、PsycINFOを検索し、統合失調症および双極性障害患者を対象にアデノシン・モジュレータ補助療法とプラセボを比較した無作為比較試験を選択した。主要評価項目は、陽性・陰性症状尺度(PANSS)、ヤング躁病評価尺度(YMRS)とし、リスク比と95%信頼区間、標準化平均差(SMD)を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症(457例)に関する6試験、双極性障害(289例)に関する3試験の計9試験が解析に組み込まれた。・全体として、統合失調症において、アデノシン・モジュレータ補助療法によるPANSS総スコアがプラセボより優れていた(SMD:-1.07、p=0.01)。症状サブスケールでみると陽性尺度および総合精神病理評価尺度で優れており、陰性尺度では優位性はみられなかった。・個別にみるとアロプリノールは、統合失調症におけるあらゆる主要転帰尺度についてプラセボに対する優位性がみられなかった。・双極性障害におけるアデノシン・モジュレータに関するプールデータの解析からは、プラセボと比較して、YMRSスコアの有意な減少(SMD:-0.39、p=0.004)が示された。・本検討において、アデノシン・モジュレータ補助療法は、統合失調症の精神病理(とくに陽性症状)の治療と双極性障害の躁病治療に有益であることが示唆された。ただし解析に組み込まれた試験はサンプルサイズが限られており、有効性と忍容性の評価についてはさらに多くの研究が必要であることが示された。関連医療ニュース 精神疾患のグルタミン酸仮説は支持されるか 統合失調症の治療ターゲット、新たな遺伝要因を特定 双極Ⅰ型障害患者の症状発症に関連する“キヌレン酸”

5302.

てんかんにVNSは有効、長期発作抑制効果も

 現在、12歳以上のてんかん部分発作に対する補助療法として承認されている迷走神経刺激療法(VNS)。Aurora Epilepsy CenterのGeorge L. Morris III氏らは、VNSに関する一連のエビデンスを評価した。その結果、VNSは小児の発作、レノックス・ガストー症候群(LGS)関連発作、成人てんかんの気分障害の改善に効果が期待できること、また治療継続により発作抑制効果が高まることが示唆され、これらをエビデンスレベルCとして推奨した。Neurology誌オンライン版2013年8月28日号の掲載報告。 本研究では、VNSの有効性と安全性に関する1999年以降のエビデンスを評価することを目的とした。文献レビューを行い代表的な試験を選出し、米国神経学会(American Academy of Neurology)のevidence-based methodologyに従って分類した。 主な結果は以下のとおり。・VNSにより、部分てんかんまたは全般てんかんを有する小児470例の55%(95%信頼区間[CI]:50~59%)において、50%超の発作減少が認められた(13試験:Class III)。・VNSにより、LGSを有する患者113例の55%(95%CI:46~64%)において、50%超の発作減少が認められた(4試験:Class III)。・VNS装置の植込手術後1~5年の間に、発作が50%以上減少する患者の割合が7%増加した(2試験:Class III)。・成人てんかん患者31例において、VNSにより気分障害の指標であるstandard mood scaleの有意な改善が認められた(2試験:Class III)。・小児におけるVNS植込手術部位の感染リスクは、成人に比べ増加した(オッズ比:3.4、95%CI:1.0~11.2)。・VNSは、小児の発作(部分および全般)、LGS関連発作、成人てんかんの気分障害に対して有効な可能性がある。・VNSにより長期の発作抑制効果が期待される。・以上のことから、次の推奨が示された。「VNSは、小児の発作、LGS関連発作、成人てんかんの気分障害の改善に考慮されうる」(Level C)「VNSは長期発作抑制効果が期待できる」(Level C)「小児に対するVNS植込手術後は、局所感染を注意深くモニターすべきである」関連医療ニュース 難治性の部分発作を有する日本人てんかん患者へのLEV追加の有用性は?/a> 抗てんかん薬レベチラセタム、日本人小児に対する推奨量の妥当性を検証 セロトニンが重要な役割を果たす!うつ病合併側頭葉てんかん

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高齢の皮膚疾患患者におけるうつ病の有病率とリスク因子は

 皮膚疾患は、他の慢性疾患の罹患やそれに伴う精神的苦痛と同様に、高齢者におけるうつ病の原因のひとつとなることがある。韓国・カトリック大学校のEun Kyung Kim氏らは、高齢皮膚疾患患者のうつ病の有病率と、そのリスク因子を特定するため、調査を実施した。 その結果、高齢の皮膚疾患患者におけるうつ病の有病率は一般集団より顕著に高率であること、身体の健康、教育レベル、併存疾患の存在がリスク因子であることを報告した(Annals of dermatology誌2013年8月25日掲載報告)。 調査の対象は60歳以上の皮膚疾患患者。高齢者うつ病評価尺度(GDS:The Geriatric Depression Scale )による質問票を用い、うつ病の判定を実施した。さらに、人口統計学的情報や病歴を収集した。 主な結果は以下のとおり。・GDS質問票を完遂したのは313例であった。そのうち男性が39.94%、平均年齢は69.04歳、平均罹患期間は3.23年であった。・高齢皮膚疾患患者の平均GDSスコアは、30点満点中12.35点であり、皮膚疾患は、全体としてうつ病に有意な影響を及ぼしていた(χ2=177.13、p<0.0001)・高齢皮膚疾患患者のうち、中等度~重度のうつ病と評されるGDSスコア10点以上であったのは62.3%であった。一方、一般集団でGDSスコア10点以上であったのは、22.22%であった。・単変量解析によると、高齢皮膚疾患患者のうつ病のリスク因子は、身体の健康、教育レベル、併存疾患の存在であった。・しかし、うつ病の独立した予測因子となる人口統計学的変数および疾患関連の変数を特定するまでには至らなかった。

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急性期統合失調症、ハロペリドールの最適用量は

 急性期統合失調症患者に対し、ハロペリドールの最適な投与量はどの程度なのか。英国・NHS LothianのLorna Donnelly氏らは、この疑問を明らかにするため、無作為化比較試験に関する文献レビューを行った。その結果、>3~7.5mg/日において有効性に関する明確なベネフィットは示されなかったものの、7.5mg/日以上では錐体外路症状の発現を高めることが示されたと報告した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2013年8月28日号の掲載報告。 ハロペリドールは、新規治療薬の有効性を評価する際に基準とされる、利用しやすい抗精神病薬である。研究グループは、急性期統合失調症に対するハロペリドールの最適な用量を明らかにすることを目的としてレビューを行った。2010年2月現在のCochrane Schizophrenia Group Trials Registerを基に、CINAHL、EMBASE、MEDLINE、PsycINFOを用いて検索を行った。急性期統合失調症に対し、ハロペリドール(非デポ製剤)の2用量以上を無作為化試験にて検討し、臨床的に意味のあるアウトカムが報告されている試験を選択した。妥当な選択を行うため、すべての引用を調査するとともに、引用サンプルについても独自に再調査した。議論で同意が得られなかったことについては解決を図り、疑問が残る場合はさらに調査するためフルテキストの文献を入手した。論文を取り寄せてから確実な再調査をし、全文の質を評価した後にデータを抽出した。解析は、intention-to-treat(ITT)にて行い、2つのデータに対するリスク比(RR)と95%信頼区間(CI)を算出した。早期の脱落例または追跡不能例はアウトカム不良とみなした。また、ITT解析における連続変数の平均差(MD)、last observation carried forward (LOCF)データを算出し、観察期間の50%以上が追跡不能であった例のデータは除外した。 主な結果は以下のとおり。・無作為化試験19件を選択し解析に組み込んだ。各試験に用いられた用量はすべて異なり19種類が比較検討されていた。・いずれの試験も再発率あるいはQOLの報告はなかった。1試験でハロペリドール低用量 (>1.5~3mg/日)と高用量の比較が行われていた。・標準低用量(>3~7.5mg/日)と標準高用量(>7.5~15mg/日)の比較検討(1試験、被験者48例)において、標準低用量を用いることによる有効性(臨床的に重要な全体的症状の改善)の低下は認められなかった(RR:1.09、95%CI:0.7~1.8、エビデンスの質きわめて低い)。・また、標準低用量(>3~7.5mg/日)と高用量(>15~35mg/日)との比較検討(2試験、81例)でも、標準低用量を用いることによる有効性の低下はみられなかった(RR:0.95、95%CI:0.8~1.2、エビデンスの質きわめて低い)。・ハロペリドール用量「>3~7.5mg/日」は、臨床的に有意な錐体外路の有害事象の発現が、高用量群に比べ低かった。…vs.標準高用量(2試験、64例、RR:0.12、95%CI:0.01~2.1、エビデンスの質きわめて低い)。…vs.高用量(3試験、144例、同:0.59、0.5~0.8、エビデンスの質きわめて低い)。…vs.超高用量(>35mg/日)(2試験、86例、同:0.70、0.5~1.1、エビデンスの質きわめて低い)。・その他の用量比較において、有意な相違は認められなかった。なお、特定の低用量において、臨床的に意味のある差異の検出力が不足していた。・いずれの結果も最終的な結論には至らなかった。母集団が小さく、試験期間が短期であり質的に限界があった。・以上を踏まえて著者は、「合併症のない急性期統合失調症患者に対するハロペリドール処方を7.5mg/日以上とすることに医師が慎重になること、また統合失調症患者がより高用量の服用を躊躇することは、容易に理解できる。低用量レジメンの有効性と忍容性(とくに>1.5~3mg/日)について、さらなる研究が必要である」とまとめている。関連医療ニュース 急性期精神疾患に対するベンゾジアゼピン系薬剤の使用をどう考える 統合失調症の急性増悪期、抗精神病薬の使用状況は?:国立精神・神経医療研究センター 抗精神病薬の等価換算は正しく行われているのか  担当者へのご意見箱はこちら

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葉酸摂取は双極性障害の治療に有効

双極性障害の治療に葉酸が有効である可能性について、米国・マサチューセッツ総合病院のJi Hyun Baek氏らがレビューを行った結果を報告した。葉酸は、気分障害の治療に最も広く用いられている栄養補助食品の1つである。Baek氏らは、葉酸の代謝について調べるとともに、双極性障害との関連およびその治療可能性について検討した。Australian & New Zealand Journal of Psychiatry誌オンライン版2013年8月22日号の掲載報告。 レビューは、2012年までに発表されたPubMedおよびCochrane Libraryにて関連論文を検索し、背景情報、作用機序、臨床試験の結果をレビューした。得られた主な所見は以下のとおり。・葉酸は、モノアミン合成とホモシステイン調節にとって重大なメチル化反応に関係する基本的な補因子である。・メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(NAD(P)H)の共通の遺伝子異型(MTHFR)による機能的欠損が、双極性障害の症状に影響を及ぼすこともありうる。・双極性障害の治療に気分安定薬として一般的に用いられるバルプロ酸ナトリウム(商品名:デパケンほか)とラモトリギン(同:ラミクタール)は、葉酸とホモシステイン代謝を潜在的に阻害する可能性がある。・先行研究において、うつ病治療についての葉酸の有効性は一貫して支持されている。1試験では、躁病の治療における有効性が示されていた。・生化学的な転換を必要としない葉酸製剤は、双極性障害の治療に有益となる可能性がある。・以上のようにレビューの結果、葉酸服用は、双極性障害の治療に有効な可能性があった。また、共通の遺伝子異型MTHFRが、葉酸服用の治療効果に影響する可能性があった。葉酸製剤は、気分安定薬に関連する葉酸欠乏を潜在的に修正することが可能であり、モノアミン合成の正常化に寄与し、アウトカムを改善する可能性があった。関連医療ニュース 日本人のうつ病予防に期待?葉酸の摂取量を増やすべき うつ病患者の食事療法、ポイントは「トリプトファン摂取」 うつ病補助療法に有効なのは?「EPA vs DHA」

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睡眠障害は痛覚過敏を誘発する

 慢性疼痛患者では睡眠障害が非常によくみられることから、睡眠障害や睡眠不足と疼痛知覚との関連の解明が重要な研究課題となっているが、これまでのところヒトにおける研究で一貫した結果は得られていない。ドイツ・ハイデルベルグ大学のSigrid Schuh-Hofer氏らは、健常人において、全断眠(TSD)は全般的な痛覚過敏を誘発するとともに状態不安を高めることを示した。TSDは睡眠障害の痛覚過敏作用の病理学的機序を解明する疼痛モデルとして役立つ可能性がある、とまとめている。Pain誌2013年9月号(オンライン版2013年5月11日号)の掲載報告。 健常者14人(女性6人、男性8人、平均23.5±4.1歳)を対象に、クロスオーバー法により、全断眠(TSD)と通常睡眠後の体性感覚プロファイルについて網羅的感覚機能評価を用い比較検討した。 主な結果は以下のとおり。・一晩のTSD後は、眠気のレベルが有意に上昇し(p<0.001)、状態不安検査スコアも有意に増加した(p<0.01)。・熱(p<0.05)および鈍的圧力(p<0.05)に対する痛覚過敏に加え、寒冷に対する痛覚過敏(p<0.01)や、針を刺すといった機械的痛覚感受性(p<0.05)も増加したが、時間的加重による変化はなかった。・矛盾熱感または動的アロディニアはみられなかった。・非侵害受容器の検出閾値に変化はなく、TSDは侵害受容器を選択的に変化させた。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・脊椎疾患にみる慢性疼痛 脊髄障害性疼痛/Pain Drawingを治療に応用する・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?

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アリピプラゾール治療を見極めるタイミングは何週目か

 抗精神病薬の治療効果を見極めるタイミングは難しい。韓国・全北大学医学部のPark Jong-Il氏らは、初回エピソード精神疾患におけるアリピプラゾール治療の有効性および安全性を確認するとともに、同治療の3週時点の反応が2週時点の反応よりもその後の反応を正確に予測することが示されたことを報告した。International Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2013年8月21日号の掲載報告。 研究グループは、初回エピソード精神疾患の治療について、アリピプラゾールの有効性と安全性を調べること、また同治療の早期反応と後発反応の関連について調べる、6週間の非盲検多施設共同試験を行った。被験者は、DSM-IV診断分類で、統合失調症様障害、統合失調情動障害、統合失調症、あるいはその他の特定できない精神障害を有した59例であった。主要評価尺度は、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、Clinical Global Impression-Severity(CGI-S)尺度であった。安全性の評価は、薬物関連有害事象、体重、脂質関連変数の測定にて行った。また、2週時点、3週時点の反応がその後の6週時点の反応をどの程度予測するかについて感度、特異度、陽性適中率、陰性適中率を算出した。 主な結果は以下のとおり。・被験者59例のうち、38例が6週間の試験を完了できた。・アリピプラゾール治療は、PANSSとCGIスコアにおいて、時間とともに有意な改善を示した。・治療反応率(ベースラインから最終観察までのPANSS総スコアの減少が30%以上と定義)は、69.1%であった。・後発反応を最も正確に予測した(陰性適中率と特異度による)のは、ベースラインから3週時点のPANSS総スコア20%以上の減少であった。・アリピプラゾールの副作用による負荷はわずかであった。体重および代謝への副作用に関しては安全なプロファイルの特徴が示された。・以上から、アリピプラゾールは初回エピソード精神疾患の治療において有効かつ安全であることが示された。治療反応は3週時点のほうが2週時点よりも、その後の反応を正確に予測した。関連医療ニュース 抗精神病薬の効果をどのタイミングで見極めるべきか? どのタイミングで使用するのが効果的?統合失調症患者への持効性注射剤投与 維持期統合失調症でどの程度のD2ブロックが必要か

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仕事と家庭の両立への悩み、女性ではうつ病リスク

 「仕事-家庭葛藤(Work-home interference: WHI)」すなわち仕事と家庭の両立における葛藤の程度には男女差がみられ、WHIが高度な女性は大うつ病になりやすいことなどが、スウェーデン・ストックホルム大学のMagnusson Hanson LL氏らによる長期研究の結果、示された。WHIとうつ病性障害が関連するか否かに関する長期研究は、これまでほとんど行われていないという。Scandinavian Journal of Work, Environment and Health誌オンライン版2013年8月21日号の掲載報告。 研究グループは、国民を代表する集団を対象に、WHIと大うつ病指標の関連についてプロスペクティブな評価を行った。具体的には、Swedish Longitudinal Occupational Survey of Health(SLOSH)に参加した大うつ病歴および抗うつ薬使用歴のない就労者、男性1,576例、女性1,678例を対象とし、多重ロジスティックおよびCox回帰モデルを用いて、自己報告によるWHIと大うつ病疑い[(Hopkins)Symptom Checklistに基づく簡易自己報告スケールが高スコア]ならびに抗うつ薬による新規治療(処方薬レジスターに基づく)との関連を調べた。観察期間は2年間であった。 主な結果は以下のとおり。・WHIが高度(かなりしばしば/常時)の例が7%、中程度(時々)の例が32%にみられた。・解析結果から、とくに高度WHIと大うつ病や抗うつ薬治療(両方またはどちらか)とがプロスペクティブに関連することが示唆された。同関連は、仕事の時間要因や裁量度(demands、control、support、overtime)などの就労状況で調整した場合も同様であった。・「大うつ病疑い」が惹起される状況に、性別による相違がみられた。別の解析により、WHIが高度な女性においてのみ、大うつ病が有意に惹起されやすいことが示唆された。・また、とりわけ男性で抗うつ薬治療率が高く、これは仕事の内容と一部関連していること、大うつ病は高度のWHIと関連していることなども示唆された。・以上のように、2年間の観察において、高度のWHIは大うつ病と抗うつ薬治療(両方またはどちらか)と関連しており、その影響は性別により若干異なることが明らかになった。関連医療ニュース SRIは月経前症候群の治療に有用か? 「抑うつ+過度な飲酒」その影響は? 仕事のストレスが大きいほど、うつ病発症リスクは高い:獨協医科大学

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精神疾患のグルタミン酸仮説は支持されるか

 初回エピソードの精神疾患患者において、右連合野線条体においてグルタミン酸値の上昇が示されている。しかし、この上昇が、効果的な抗精神病薬治療後に持続するかどうかについては不明であった。メキシコ・Instituto Nacional de Neurologiay NeurocirugiaのCamilo de la Fuente-Sandoval氏らは検討の結果、4週間の抗精神病薬治療により臨床的有効性が認められた初回エピソードの精神疾患患者ではグルタミン酸値が正常化していたことを報告し、「これらの結果は、臨床症状の改善にグルタミン酸値低下が関連している可能性があるとの仮説を支持するものである」と結論している。JAMA Psychiatry誌オンライン版2013年8月21日号の掲載報告。 研究グループは、治療前と治療4週後の同値の測定を行い、性でマッチさせた健常対照被験者のデータとの比較を行った。グルタミン酸値の測定は、陽子磁気共鳴分光学(MRS)を用いて右連合野線条体と右小脳皮質で行った。具体的な試験デザインは、初回エピソードで入院治療を受けた精神疾患患者(24例)と、年齢、性、利き手、喫煙状況でマッチさせた健常対照(18例)による、前後比較試験であった。本検討において被験者は、2回のMRS試験を受けた。MRS試験は、患者被験者はベースライン時と抗精神病薬治療4週後の2回、健常被験者はベースライン時と同撮影時から4週後の2回であった。4週間の抗精神病薬治療は、リスペリドンの経口投与を行い、臨床症状の診断に基づきオープンラベル下で行われた。主要評価項目はグルタミン酸値で、LCModel(バージョン6.2-1T)を用いて推定し、脳脊髄液中の割合で修正算出した。 主な結果は以下のとおり。・初回エピソードの精神疾患患者は、抗精神病薬治療を必要としている状態において、連合野線条体および小脳のグルタミン酸値が、対照群と比べてより高値であった。・臨床的に有効な抗精神病薬治療後は、連合野線条体のグルタミン酸値は有意に減少した。一方、小脳におけるグルタミン酸値に変化はみられなかった。・両群間のグルタミン酸値の有意差は、4週時点では認められなかった。・以上のように、初回エピソードの精神疾患患者においてベースラインでみられたグルタミン酸値の上昇は、臨床的に有効な抗精神病薬治療4週後に正常化していた。・結果を踏まえて著者は、「これらの結果は、臨床症状の改善にはグルタミン酸値の低下が関連している可能性があるとの仮説を支持するものである」と結論した。関連医療ニュース グルタミン酸トランスポーター遺伝子と統合失調症・双極性障害の関係 検証「グルタミン酸仮説」統合失調症の病態メカニズム グルタミン酸ドパミンD3受容体遮断による統合失調症の新たな創薬の可能性

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自閉症スペクトラム障害に対するSSRIの治療レビュー

 オーストラリア・メルボルン大学のKatrina Williams氏らは、自閉症スペクトラム障害(ASD)に対するSSRIによる治療の有用性についてレビューを行った。その結果、小児に対する有効性および有害性のエビデンスはなく、成人については試験規模が小さくバイアスリスクが不明であり有効性のエビデンスは限定的であることを報告した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2013年8月20日号の掲載報告。 SSRIは、ASDにしばしば共存するうつ病や不安症、強迫性障害の治療に対して処方が行われている。研究グループは、そうした治療がもたらす影響について、(1)自閉症の中心的特徴(社会的関係性、コミュニケーション、行動の問題)を改善するか、(2)自傷行動のような非中心的特徴である側面を改善するか、(3)成人または小児およびその介護者のQOLを改善するか、(4)短期的または長期的アウトカムを有するか、(5)有害性の発生の5点について検討した。レビューは、CENTRAL、Ovid MEDLINE、Embase、CINAHL、PsycINFO、ERIC、Sociological Abstractsのデータベースを2013年5月時点で検索して行い、また、ClinicalTrials.govやICTRPなども対象とした。文献リストの補充や当該分野の専門家とのコンタクトも行った。ASD患者を対象に、あらゆるSSRIとプラセボの投与について比較した無作為化試験を適格とし、2名の研究者が独立して試験の選択、データの抽出、各試験のバイアスリスクを評価した。 主な結果は以下のとおり。・9試験、被験者320例がレビューに組み込まれた。小児のみ対象とした試験は5試験、成人のみは4試験であった。・評価に含まれたSSRIは4種類で、フルオキセチン(国内未承認)(3試験)、フルボキサミン(2試験)、フェンフルラミン(国内未承認)(2試験)、シタロプラム(国内未承認)(2試験)であった。・被験者の診断基準、IQ評価の指標は、試験によってさまざまであった。示されていたアウトカム尺度は18種類に及んだ。・複数の試験で、CGIとOCBのアウトカム尺度が用いられていたが、使用されたツールや評価項目は試験によって異なっていた。そのため、1つのアウトカム(改善割合)を除いてメタ解析を行うことは不適当であった。・その中で、大規模かつ質の高い小児の1試験があったが、シタロプラムのポジティブな有効性についてエビデンスは認められなかった。・成人では3試験で、CGIとOCBにおいてポジティブなアウトカム(1試験は攻撃性の改善、2試験は不安症の改善)が示されていたが、試験規模が小さかった。関連医療ニュース 自閉症、広汎性発達障害の興奮性に非定型抗精神病薬使用は有用か? 新たな選択肢か?!「抗精神病薬+COX-2阻害薬」自閉症の治療  大うつ病性障害の若者へのSSRI、本当に投与すべきでないのか?

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慢性疼痛は認知機能障害に影響するのか

 慢性疼痛を有する人は概して認知機能障害を有しているといわれる。オーストラリア・南オーストラリア大学のCarolyn Berryman氏らは、その関連を明らかにするため慢性疼痛患者におけるワーキングメモリ機能に関する文献のシステマティックレビューを行った。その結果、これまでの報告はバイアスリスクならびに不均一性が高いことが明らかになったと報告。そのうえで著者は、「明確に定義されたワーキングメモリの構成概念および標準化された検査方法を使用すれば、さらなる研究で成果が得られるだろう」とまとめている。Pain誌2013年8月号(オンライン版2013年3月14日号)の掲載報告。 研究は、コクラン共同計画およびシステマティックレビューおよびメタアナリシスのための優先的報告項目(PRISMA声明)に従って行われた。 6つのデータベースを用いて検索し、行動的評価項目および生理学的評価項目について慢性疼痛患者と対照者を比較した観察研究24件を対象として選定した。 主な結果は以下のとおり。・すべての研究は、結果を盲検化した査定が行われておらずバイアスリスクが高かった。・24件の研究は、異なるワーキングメモリ検査が用いられ(21種類)、異なるワーキングメモリ構成概念(9種類)、異なる慢性疼痛疾患(9種類)の患者集団が包括されており、不均一性が高かった。・統合解析の結果、不均一性が高いにもかかわらず行動的評価項目については一貫して中等度の影響が示された。一方、生理学的評価項目については、1件の研究を除き影響があるというエビデンスは示されなかった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・脊椎疾患にみる慢性疼痛 脊髄障害性疼痛/Pain Drawingを治療に応用する・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?

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若年者への抗精神病薬投与、2型糖尿病リスクが3倍に

 抗精神病薬を処方された小児および若年者の2型糖尿病リスクは、その他の向精神薬の使用者に比べ3倍高く、用量依存的にリスクが高まることが、米国・ヴァンダービルト大学のWilliam V. Bobo氏らによる後ろ向きコホート研究の結果、報告された。JAMA Psychiatry誌オンライン版2013年8月21日号の掲載報告。 小児および若年者への抗精神病薬の処方が増加しているが、それが2型糖尿病のリスクを高めるのではないかとの懸念が強まっている。Bobo氏らは、抗精神病薬による治療を最近開始した6~24歳の小児および若年者の2型糖尿病リスクを、患者背景をマッチさせたコントロール(別の向精神薬による治療を開始)と比較することを目的に、後ろ向きコホート研究を実施した。対象はTennessee Medicaid programに参加した患者で、内訳は抗精神病薬を開始した患者が2万8,858例、コントロールが1万4,429例であった。糖尿病あるいは統合失調症と診断されたことのある例、認識している治療が抗精神病薬のみであった例は除外した。主要アウトカムは、診断および糖尿病治療薬の処方に基づき、観察期間中に新規に確認された糖尿病とした。 主な結果は以下のとおり。・抗精神病薬使用者は、2型糖尿病のリスクが3倍高く(HR :3.03、95%CI:1.73~5.32)、観察開始後1年以内のリスクが顕著であった(同:2.49、1.27~4.88)。・抗精神病薬の累積投与量(クロルプロマジン換算)に伴い2型糖尿病リスクは上昇し、投与量5g以上におけるハザード比は2.13(95%CI:1.06~4.27)、5~99gでは3.42(同:1.88~6.24)、100g以上では5.43(同:2.34~12.61)であった(p<0.04)。・抗精神病薬の投与中止後も、リスクは1年間にわたり上昇し続けた(HR:2.57、95%CI:1.34~4.91)。・コホートを6~17歳の小児に限定すると、抗精神病薬使用者の2型糖尿病リスクは3倍を超え(HR:3.14、95%CI:1.50~6.56)、累積投与量の増加に伴いリスクの有意な上昇が認められた(p<0.03)。・2型糖尿病リスクの増大には、非定型抗精神病薬の使用(HR:2.89、95%CI:1.64~5.10)、リスペリドンの使用(同: 2.20、1.14~4.26)が関連していた。関連医療ニュース 抗精神病薬治療中の若者、3割がADHD 大うつ病性障害の若者へのSSRI、本当に投与すべきでないのか? 検証!抗精神病薬使用に関連する急性高血糖症のリスク

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統合失調症患者、合併症別の死亡率を調査

 統合失調症は、重大な併存疾患と死亡を伴う主要な精神病性障害で、2型糖尿病および糖尿病合併症に罹患しやすいとされる。しかし、併存疾患が統合失調症患者の超過死亡につながるという一貫したエビデンスはほとんどない。そこで、ドイツ・ボン大学のDieter Schoepf氏らは、一般病院の入院患者を対象とし、統合失調症の有無により併存疾患による負担や院内死亡率に差異があるかどうかを調べる12年間の追跡研究を行った。European Archives of Psychiatry and Clinical Neuroscience誌オンライン版2013年8月13日号の掲載報告。統合失調症の併存疾患の大半は糖尿病合併症またはその他の環境因子に関与 対象は、2000年1月1日から2012年6月末までにマンチェスターにある3つのNHS一般病院に入院した成人統合失調症患者1,418例であった。1%以上の発現がみられたすべての併存疾患について、年齢、性別を適合させたコントロール1万4,180例と比較検討した。多変量ロジスティック回帰解析により、リスク因子(例:院内死亡の予測因子としての併存疾患など)を特定した。 統合失調症の併存疾患を比較検討した主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者はコントロールに比べ緊急入院の割合が高く(69.8 vs. 43.0%)、平均入院期間が長く(8.1 vs. 3.4日)、入院回数が多く(11.5 vs. 6.3回)、生存期間が短く(1,895 vs. 2,161日)、死亡率は約2倍であった(18.0 vs. 9.7%)。 ・統合失調症患者では、うつ病、2型糖尿病、アルコール依存症、喘息、COPDに罹患していることが多く、併存疾患としては23種類も多かった。また、これらの大半は糖尿病合併症またはその他の環境因子に関与していた。・これに対し、高血圧、白内障、狭心症、脂質異常症は統合失調症患者のほうが少なかった。・統合失調症患者の死亡例において、併存疾患として最も多かったのは2型糖尿病で、入院中の死亡の31.4%を占めていた(試験期間中、2型糖尿病を併発している統合失調症患者の生存率はわずか14.4%であった)。・統合失調症患者においては、アルコール性肝疾患(OR:10.3)、パーキンソン病(OR:5.0)、1型糖尿病 (OR:3.8)、非特異的な腎不全(OR:3.5)、虚血性脳卒中(OR:3.3)、肺炎(OR:3.0)、鉄欠乏性貧血(OR:2.8)、COPD(OR:2.8)、気管支炎(OR:2.6)などが院内死亡の予測因子であることが示された。・コントロールとの比較において、統合失調症患者の高い死亡率に関連していた併存疾患はパーキンソン病のみであった。パーキンソン病以外の併存疾患に関しては、統合失調症の有無による死亡への影響に有意差は認められなかった。・統合失調症患者の死亡例255例におけるパーキンソン病の頻度は5.5%、試験期間中に生存していた1,163例におけるパーキンソン病の頻度は0.8%と、統合失調症患者の死亡例で有意に多かった(OR:5.0)。・また、統合失調症死亡例はコントロール死亡例に比べ、錐体外路症状の頻度が有意に高かった(5.5 vs. 1.5%)。・12年間の追跡調査により、統合失調症患者はコントロールに比べて多大な身体的負担を有しており、このことが不良な予後と関連していることが判明した。・以上のことから、統合失調症において、2型糖尿病および呼吸器感染症を伴うCOPDの最適なモニタリングと管理は、鉄欠乏性貧血、糖尿病細小血管障害、糖尿病大血管障害、アルコール性肝疾患、錐体外路症状の的確な発見ならびに管理と同様に細心の注意を払う必要がある。関連医療ニュース 検証!抗精神病薬使用に関連する急性高血糖症のリスク 抗精神病薬によるプロラクチン濃度上昇と関連する鉄欠乏状態 抗精神病薬と抗コリン薬の併用、心機能に及ぼす影響

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オランザピン服用患者の一部で認められる糖尿病などの代謝異常、原因が明らかに:京都大学

 オランザピン服用患者の一部で認められる、体重増加を伴わない脂質異常症や糖尿病の原因について、オランザピンがインスリン分泌を制御する膵β細胞のアポトーシスを引き起こしている可能性があることを、京都大学大学院理学研究科教授・森 和俊氏らが明らかにした。Cell Structure and Function誌2013年第2号の掲載報告より。オランザピンは一部の患者において糖尿病などの代謝異常を引き起こす 統合失調症患者の症状軽減のためにさまざまな薬物投与が行われるが、いくつかの有効な第2世代(非定型)抗精神病薬、とくにオランザピンは一部の患者において、肥満や脂質異常、糖尿病を引き起こす。一般的にオランザピンは、肥満を誘発し、その後インスリン抵抗性が引き起こされることによって糖尿病発症に関与すると考えられているが、森氏らはインスリン分泌を制御する膵β細胞への直接的な薬物作用を、オランザピンほかリスペリドン、その他の非定型抗精神病薬についてハムスターを用いて調べた。また、その際に細胞への悪影響(ストレス)を生じさせる小胞体(ER)ストレスの喚起が認められるかについて、ERストレスセンサー分子PERKの低活性をエビデンスとして調べた。オランザピンによる膵β細胞の損傷が好ましくない代謝の影響に関与 得られた主な知見は以下のとおり。・オランザピン治療細胞でのみ、アポトーシスの誘発が認められた。・オランザピン治療細胞においては、PERK仲介翻訳減衰が選択的に損傷を受けており、そのためにERストレスの持続がみられた。・インスリン分泌は顕著に阻害されていた。そして、プロインスリンとインスリンがいずれもオランザピン治療細胞に蓄積していた。・蛋白質合成抑制とインスリンmRNAのノックダウンにより、それ以後はオランザピン誘発のアポトーシスは減弱した。・以上から、オランザピンを服用する患者の一部で、体重増加することなく高脂血症と高血糖が臨床的に認められることについて、オランザピン治療による膵β細胞への損傷が好ましくない代謝の影響に関与している可能性が示唆された。関連医療ニュース 非定型抗精神病薬治療、忍容性の差を検証 抗精神病薬多剤併用による代謝関連への影響は? 第二世代抗精神病薬によるインスリン分泌障害の独立した予測因子は

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抗精神病薬のアジア実態調査:高用量投与は36%

 アジア人の高齢統合失調症患者における抗精神病薬の処方状況が調査された。その結果、50歳以上のアジア人統合失調症患者の3分の1以上が高用量の抗精神病薬を使用しており、低~中用量を処方されている患者に比べ罹病期間が長く、現在陽性症状または陰性症状を呈している割合が多く、処方されている抗精神病薬の種類が多いことなどを香港中文大学のYu-Tao Xiang氏らが報告した。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2013年8月13日号の掲載報告。 本研究は、アジア人の高齢統合失調症患者における、抗精神病薬高用量使用(クロルプロマジン換算600 mg/日以上)の実態と、その患者背景ならびに臨床特性との関連を検討することを目的とした。Research on Asian Psychotropic Prescription Patterns studyのデータベースを用い、50歳以上の統合失調症入院患者に関する2001~2009年までの情報を抽出した。中国、香港、日本、韓国、シンガポールおよび台湾を含むアジア6ヵ国・地域の患者2,203例のデータを解析に組み込み、社会人口統計学的および臨床的特徴、抗精神病薬の処方状況を確認した。 主な結果は以下のとおり。・高用量の抗精神病薬が処方されていた割合は、全体で36.0%であった。年代別では、2001年38.4%、2004年33.3%、2009年36.0%であった。・多重ロジスティック回帰解析により、低~中用量の抗精神病薬を処方されていた患者に比べ、高用量を処方されていた患者は、罹病期間が長く(オッズ比[OR]:2.0、95%信頼区間[CI]:1.2~3.3、p=0.008)、50~59歳の年齢層が多く(OR:0.95、95%CI:0.94~0.97、p<0.001)、現在陽性症状(OR:1.5、95%CI:1.2~1.8、p<0.001)または陰性症状(OR:1.3、95%CI:1.03~1.6、p=0.03)を呈している割合が高く、複数の抗精神病薬が処方されていた(OR:5.3、95%CI:4.1~6.7、p<0.001)。・高用量グループで錐体外路症状(p=0.25)および遅発性ジスキネジア(p=0.92)の頻度が高いということはなかった。・以上のように、アジア人統合失調症患者の3分の1以上が高用量の抗精神病薬を使用していた。この理由に関してはさらなる検討が求められる。関連医療ニュース 認知症高齢者5人に1人が抗コリン薬を使用 抗精神病薬の等価換算は正しく行われているのか 統合失調症の急性増悪期、抗精神病薬の使用状況は?:国立精神・神経医療研究センター

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各抗うつ薬のセロトニン再取り込み阻害作用の違いは:京都大学

 臨床使用される抗うつ薬の大半は、シナプス間隙でのモノアミン濃度を急激に上昇させるが、その治療効果のために数週間の投与を必要とする。このように効果が遅発性なのは、セロトニン作動性神経における神経適応変化が緩徐なためと考えられている。京都大学大学院薬学研究科の永安一樹氏らは、抗うつ薬慢性処置のセロトニン遊離への影響について、ラットの縫線核脳切片培養系を用いて調べた。The International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2013年8月7日号の掲載報告。 著者らは先の研究において、多量のセロトニン作動性神経を含むラット縫線核脳切片培養系に、選択的セロトニン(5-HT)再取り込み阻害薬(シタロプラム、フルオキセチン、パロキセチン)を持続的に曝露すると、セロトニンの開口放出の増大が生じることを報告した。そこで今回、まだ明らかになっていない他の抗うつ薬における同様の作用について、2つの三環系抗うつ薬(イミプラミン、デシプラミン)、1つの四環系抗抑うつ薬(ミアンセリン)、3つのセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(ミルナシプラン、デュロキセチン、ベンラファキシン)、1つのノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(ミルタザピン)について検討した。 主な結果は以下のとおり。・9つの抗うつ薬のうち7つについて、0.1~100μmの持続的曝露により、細胞外セロトニン濃度の上昇が認められた。・その作用強度の順位は、ミルナシプラン>デュロキセチン>シタロプラム>ベンラファキシン>イミプラミン>フルオキセチン>デシプラミンであった。・ミルタザピン、ミアンセリンは少しも上昇しなかった。・持続的曝露による作用増強が最も大きかったミルナシプランは、α1-アドレナリン受容体遮断薬(ベノキサチアン)によって部分的に減弱された。一方、デュロキセチン、ベンラファキシン、シタロプラムの伝達増大は影響を受けなかった。・以上の結果から、5-HTトランスポーターの阻害が、セロトニン遊離増強には必要であることが示唆された。また、ミルナシプランによる増強は、α1-アドレナリン受容体の活性化を伴うことが明らかになった。関連医療ニュース 抗うつ薬による治療は適切に行われているのか?:京都大学 大うつ病性障害の若者へのSSRI、本当に投与すべきでないのか? 抗うつ薬を使いこなす! 種類、性、年齢を考慮

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大うつ病患者のGERD有病率は高い

 大うつ病(MDD)患者における胃食道逆流症(GERD)の有病率は、健常人と比較して有意に高いことが台中ベテランズ総合病院のPo-Han Chou氏らの研究により明らかになった。精神科医は大うつ病患者を診る際、日常診療において、胸焼けや嚥下障害など、逆流性食道炎の症状がないか注意を払い、症状を認めた場合は専門医に相談すべきである。Psychosomatics誌オンライン版2013年8月13日号の報告。 GERDは、精神疾患の患者において一般的な疾患である。本研究では、GERD有病率とリスクを調査するために、台湾の国民健康保険の研究データベースを用いて横断的研究を行った。 調査対象は2005年にMDDと診断された4,790人(MDD群)と健常人72万8,749人(対照群)。GERD有病率は、カイ2乗検定を用いて、年齢、性別、所得、居住地域、他疾患の合併(糖尿病、高血圧症、腎疾患、高脂血症、虚血性心疾患などの治療中)ごとに比較した。また、GERDとMDDとの関連は、多変量ロジスティック回帰モデルを用いて分析した。 主な結果は以下のとおり。 ・GERDの年間有病率は、MDD群で3.75%、対照群で1.05%であった。・MDD群のGERDの有病率は、すべての年齢、性別、保険金額、居住地域、都市在住サブグループにおいて、対照群よりも有意に高かった(すべてp<0.001)。・GERDの増加率は、対照群のそれと比較し、MDD群で有意に高かった(オッズ比:3.16、95%CI:2.71~3.68、p<0.001)。・以上の結果より、MDD患者のGERD有病率は健常人と比較して有意に高いことが明らかとなった。

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アイアムサム【知能】 

みなさんは、職場で「なんでギスギスしちゃうの?」と思ったことはありませんか?特に、医療の現場でギスギスしてコミュニケーションがうまくいっていないと、取り返しのつかないことになることがありえます。ギスギスするのを、どう考えたらよいのでしょうか?そして、どうしたらよいのでしょうか?これらの疑問を、今回、2001年の映画「アイアムサム」を通して、知能という視点で、みなさんといっしょに考えていきたいと思います。知能―ものごとを理解し判断する能力主人公のサムは、コーヒーショップで働きながら、1人娘のルーシーを育てています。しかし、彼は、一目でとても幼く見えます。彼の目付きや顔付きは締まってはいません。手付きや立ち振る舞いは機敏ではありません。話すと、のんびりとしていて、その語彙(ごい)は決して豊かではなく、まとまりよく伝わらないことが多いです。サムがこのように幼く見える理由は、サムの知能が7歳程度だからでした。知能とは、ものごとを理解し判断するための知的な能力で、生きていくために必要なものです。この知的な能力の目安として、実年齢に対して、精神的な年齢(精神年齢)があります。これが、知能テストによってはじき出される知能指数(IQ, intellectual quotient)とつながります。知能指数、精神年齢、支援のための診断を表1に示します。この表からサムは、中等度知的障害という診断が当てはまります。知的障害は行政で使われる用語で、学問的には精神遅滞という用語が使われています。サムには知的な制限(障害)があります。しかも残念なことに、ルーシーの母親はルーシーを生んですぐに出て行ってしまいました。そんな中、彼は障害者枠で仕事に就き、一生懸命に働きながら、男手一つで育てようとします。そして幸運にも、隣人のアニーや仲間たちが助けてくれたのでした。こうして、彼は、できることに限りがありながらも、周りに支えられながら、ルーシーに溢れるばかりの純粋な愛情を注いでいます。そして、真っ正直に素朴にそして幸せに暮らしてきました。表1 知能指数、精神年齢、診断知能指数精神年齢診断85≦IQ成人正常知能70≦IQ<85中学生境界知能60≦IQ<70高学年の小学生軽度知的障害50≦IQ<60中学年の小学生35≦IQ<50低学年の小学生中等度知的障害20≦IQ<35幼稚園児重度知的障害IQ<20乳幼児最重度知的障害障害を持つ家族の存在―人の弱さや心の痛みを鋭く感じ取る優しさを育むルーシーは、物心がつくと、父親の障害に気付きます。そして、「パパは、ほかのパパとは違う」「でもいいの、私は幸せ」「だってほかのパパは遊んでくれない」と彼女の方が大人びた考え方をするようになっていきます。小学校に入学してすぐの授業参観日、ルーシーが蝶の発表をします。暗記していた内容を一部忘れて困った瞬間、サムは「たくさんあって、覚え切れないよね」と全員の前で話しかけ、温かく見守ります。一方、次のクラスメートのコニーのクモの発表では、彼が言い間違えたら、彼の父親は厳しい表情ですかさず全員の前で訂正し、「どうした!勉強しただろ!」と叱りつけます。すると、コニーは「父さんが書いたんだろ」「僕はハムシをやりたかったのに」と悲しげな表情で言い返します。このシーンで、ルーシーとコニーの親子関係がとても対照的であることが分かります。サムは、ルーシーに対して、決してけなさずに共感し、彼なりにフォローする姿勢を持っています。これは、周りから助けられていることで、相手を感謝し尊敬する姿勢を常に持っているサムならではのものです。サムは、ルーシーをも、自分の分身としてではなく、尊敬する一人の人間として見ています。一方、コニーの父親はコニーを自分の分身、もっと言えば所有物として完全に支配し、自分の思い通りのやり方を押し付けていることが分かります。サムの無条件の愛情によって、そして障害のあるサムそのものの存在によって、ルーシーには人の弱さや心の痛みを鋭く感じ取る優しさ(共感性)が育まれていることが分かります。一方、コニーの父親は「私の言う通りにするなら愛する」という条件付きの愛情を押し付けることによって、コニーが人との勝ち負け(優劣)ばかりを気にする自己中心的な性格に歪んでいくおそれも描かれています。表2 親としての接し方の違いサムコナーの父親愛情は?無条件、共感的(尊敬)条件付き、支配的子どもに育まれるのは?人の弱さや心の痛みを鋭く感じ取る優しさ(共感性)勝ち負け(優劣)ばかりを気にする自己中心的な考え方家族の障害による葛藤―揺らぐ自尊心しかし、ルーシーが7歳の誕生日を迎える頃に、彼女の心は揺れていきます。彼女は勉強ができるのに、勉強をすることを拒み始めたのです。その理由は、自分の知能が父親のサムを上回ってしまう日が近いことに気付き、自分をサムに合わせようとしていたからでした。ルーシーが描いた「家族との時間」というテーマの絵が全てを物語っています。その絵には、ルーシーが自分より小さいサムを引っ張っていたのでした。また、コニーは、サムの違和感に気付き、「君の父さんは障害があるんじゃない?」「君も?」とからかいます。この時に初めてルーシーは他人の目に目覚めるのです。その後、ハロウィーンパーティで、大の大人のサムが小学1年生のクラスメートたち以上に無邪気にはしゃぎます。その様子にクラスメートたちが笑っている状況をルーシーは恥ずかしく思います。周りから父親がどう思われているかという葛藤によって、ルーシーの自尊心は危うくなっているのでした。そして「本当の親じゃない」とコニーに行ってしまうのでした。その後、ルーシーのサプライズ誕生パーティーを企画したサムは、コニー親子を含め、多くのクラスメートたちを家に呼びます。ところが、ルーシーが現れる直前に、サムをバカにしていたコニーは、「バレバレだよ」と白けたことを言います。サムが「そんなこと言うなよ」「隠れてよ」とコニーに触れたところ、「息子を離せ!」と過剰反応したコニーの父親がサムを突き飛ばします。その瞬間に、ルーシーが「あら、パパ!」と言って現れます。さらに追い打ちをかけたのは、コニーが「何がパパだよ、『本当の親じゃない』って言ったくせに」と爆弾発言をします。とんでもないサプライズになってしまったのでした。この様子から、コニーの父親は、その後にコニーをたしなめることはしないでしょう。このシーンは、ルーシーよりもコニーに将来的な危うさを感じさせます。能力の限界―新しいことに弱いサムは、新しい人間関係において、自己主張がうまくできません。パーティーでコニーの父親に突き飛ばされたのに、逆に、コニーへの暴行未遂があったとされてしまいます。また、ある時は、誤解から売春未遂で警察に誤認逮捕されています。ルーシーにせがまれて、サムはルーシーをいつもとは違うファミリーレストランに連れて行った時のことです。それは、同じ生活パターンを繰り返すことで安心感を得ていたサムにとっては、かなりの緊張を伴うものでした。注文したいメニューがないことでパニックになってしまい、テーブルを叩き、「ボブ(レストランチェーンのマスコット)に聞いて!」と言い、ウェイトレスを困らせています。そして、「お客様は神様だ」と連呼して、止まりません(常同症)。サムの職場の店長の寛大な配慮から、サムがコーヒーを運ぶ係から、作る係に昇進した時のことです。彼はマニュアル通りにコーヒーを作ることに問題はなく、順調にこなしていました。ところが、たくさんの注文を同時に受けると、パニックになります。そして、急いで作ろうとして失敗してしまいます。このように、サムの能力の限界は、特に、新しい所へ行く時、新しい仕事をする時、そして新しい人間関係を築く時にはっきりと表れます。つまり、サムは、新しいことへの対応や臨機応変な対応に限界があります。相手の心を読みにくい、物事の先を読みにくい、そして、自分自身の心の動きも読みにくいため、客観的にものごとを考えること(メタ認知)がうまくいかないのです。知能の多様性―頭の回転の速い人も遅い人もいるサムの知的な限界がルーシーに与える影響を心配され、ついに児童福祉局が動き出します。そして、ルーシーはサムから引き離され、裁判が始まります。その時にサムの弁護士として登場するのがリタです。彼女は、とても優秀で努力家で、社会的にも成功し、経済的に恵まれています。しかし、彼女は、金儲けや名声のことばかりを考え、家庭を顧みず、夫に浮気され、幼い息子から嫌われています。サムとは真反対の境遇です。その彼女が、同僚に見栄を張って、サムに無料奉仕で弁護を引き受けたのです。法廷では、検事が登場します。彼は、「子どもを守る」という彼なりの正義感があるようですが、サムを排除することに一生懸命になってしまいます。この検事とリタのやり取りがすさまじく描かれています。両者とも、お互いの言い分や証人の荒探しをして、作戦の読み合いをする知能戦を展開します。その目まぐるしさや冷酷さが、サムの視点で描かれています。このように、知的に制限のあるサムと知的に高いリタとのギャップが際立ちます。私たちは、足の速い人も遅い人もいるのと同じように、頭の回転の速い人も遅い人もいることが分かります。これは、人の多様性であり、個性とも言えます。知能指数(IQ)とは?もともと知能の程度を評価する知能テストは、20世紀に軍事目的で発展してきました。軍人の知的な能力をより効率的に把握していれば、戦闘をより有利に進めることができると考えられたからです。そして、この知能テストのスタイルは、現在まで、教育、医療、そして企業の就職の現場などに引き継がれています。私たちは、知能指数(IQ)が高いことに憧れてしまいがちです。IQが高い方が、仕事を早くこなせて、人間関係もうまくいき、世の中を有利に渡ることができると思うからでしょう。しかし、よくよく考えると、IQはあくまで知能テストによってはじきだされた1つの目安の数値であり、それがそのまま社会に順応する能力(適応度)の高さを表しているわけではないということです。IQが高いとは、知能テストという「ゲーム」がとても得意であるということに過ぎません。ちょうど、受験英語で偏差値が高いからと言って、実際の英語でのコミュニケーションの能力が高いわけではないのと同じです。もっと言えば、IQを高める手っ取り早い方法は、受験英語と同じように、知能テストを繰り返しやって問題慣れすることです。しかし、これで社会への適応度はいっさい高まりません。実際に、IQの数値と企業での勤務成績との相関関係は低いようです。ここで言えることは、IQは、あくまで知的な制限のある人への支援のための目安としてのみ活用するべきであるということです。知能とは?それではそもそも知能とは、何なのでしょうか? 知能とはものごとを理解し判断するための知的な能力であるとさきほど説明しました。しかし、その具体的な要素や重み付けは、時代、場所、文化、職場によって変わってきます。例えば、知能を伸ばすための英才教育として、フラッシュカードという記憶力を高めるトレーニングが注目されてきました。もちろん記憶力は高いに越したことはありませんが、問題は、記憶力を高めることばかりにエネルギーを注ぐことによって、想像力や発想力が疎かになってしまうということです。もはや、コンピュータが普及しているこれからの時代に求められる知的な能力は、記憶力ではなく、想像力や発想力です。記憶力はある程度あれば、あとはスマートフォンで検索すれば済むことです。これは、計算力に関しても同じです。さらには、語学力も、自動翻訳機の技術の進歩によって、あまりもてはやされなくなっていくでしょう。また、これまで求められてきた能力は製造業などでの緻密さですが、これからもっと求められていく能力はサービス業などでのコミュニケーション能力です。このように、知能に求められる価値観は、その時の、そしてその場所の社会によって、揺れ動いており、絶対的なものではないと言えます。知能の多義性―知能にはいろいろな意味や広がりがある知的な制限のあるサムならではの個性によって、リタは知的に高いがために忘れていた大事なことに気付かされます。それは、自分のためにではなく、息子のために大切なことは何かという視点です。裁判が進んでいく中、リタは、サムとルーシーのお互いを思いやる関係を自分と息子の関係に重ね合わせるようになったていたのです。リタはサムに「私の方があなたに救われた」と打ち明けます。「負けを知らない女」として日常的に嘘を平気でつく自分本位な雰囲気はもはやありません。このストーリーで最も成長したのは、リタなのでした。また、法廷に駆け付けた隣人のアニーの言葉が印象的です。「ルーシーはサムが親なのに賢いのではありません」「サムが親だから賢いのです」「引き離されると、彼女の心の中にぽっかりと穴が空いてしまう」「それが心配です」と言い、ルーシーの視点に立ち、ルーシーにとって望ましいのは何かを伝えます。ルーシーを引き取って養母になろうとしているランディの心の変化にも注目しましょう。最初、彼女はサムに対して「この子をどうやってでも守る」と敵意をむき出しにしていました。その後に、サムがランディに「僕には助けが必要だ」「ルーシーにはママが必要だ」と素直に言います。サムの純粋さに触れて、ランディは、共同親権という形で「ルーシーにいつでも会っていいわよ」とサムに申し出るのでした。これが、ルーシーにとって最も望ましい落としどころとなり、ハッピーエンドを迎えます。知能は、広い意味では人間的な賢さです。つまり、賢さという視点で見るなら、知能は、単に相手と敵対して有利になるための情報処理能力ではありません。逆に、敵対的にならないように、感情をコントロールする情動処理能力でもあります。これは、心の知能指数(EQ, emotional quotient)と呼ばれてきました。また、相手を配慮(共感)し、相手の視点に立つ能力(メタ認知)でもあります。そして、お互いの妥協点を探り、自分も相手も共存するために折り合いを付ける能力(社会性)でもあります。このように、知能にはいろいろな意味や広がりがあるのです。そして、この広い意味での知能は、社会的知能(SQ, social quotient)と呼ばれるようになってきています。表3 社会的知能(SQ)を高めるポイント例相手を知るギスギスしている相手ほど耳を傾ける自分を伝えるギスギスしている相手ほど働きかける場数を踏むギスギスしている状況に前向きになる社会的知能(SQ)を高めるには?―「社会力」これからの時代に求められる知能は、コニー親子やかつてのリタのように、相手と敵対して争うために有利な能力、つまり単なる知能指数(IQ)ではありません。それは、ランディのように、相手と協力してお互いを生かすための能力、社会的知能(SQ)です。それでは、このSQを高めるためには、どうしたらよいでしょうか? 3つのポイントがあります。1つ目は、相手のことをよく知ることです。知ろうと興味を持つ中で、相手とかかわり、相手の視点に立つことができるようになります。さらには、いろいろな人の価値観に触れて、バランス感覚を持つことでもあります。そして、相手の長所と短所を見抜く目を持つことで、より良い折り合いを見つけることにつながっていきます。例えば、ギスギスした時に、その相手を避けたり攻撃したりするのではなく、逆にそんな相手の言い分ほど耳を傾けることです。2つ目は、自分のことをうまく伝えることです。1つ目のいろいろな人を知ることを通して、その比較としての自分自身を俯瞰(ふかん)して見ることができるようになります。それは、自分の長所と短所を見極めることにもなります。その見極めを踏まえて、自分と相手が協力してできることをうまく伝えることです。例えば、ギスギスしている相手ほど、まめに働きかけて、前向きで建設的な話をしていく姿勢を示すことです。3つ目は、かかわり合いの場数を踏むことです。私たちは、いっしょに生きている限り、必ず主張の衝突は起こります。その時が自分のSQを高めるための実践トレーニングであると前向きにとらえることです。この姿勢自体ですでにSQは高まっていると言えます。SQは、IQと同じようにテストの数値によって推し量ろうとする研究もされていますが、むしろ、実践によって体得していくものとらえた方が良いでしょう。そして、SQが高いとは、自分と相手の主張の衝突を乗り越えて仲良くできているという実感そのものであると言えます。SQは、そもそもどちらが高いかと競い合うものではありません。自分と相手(社会)が築き上げていくものです。表4 知能指数(IQ)と社会的知能(SQ)の違い知能指数(IQ)社会的知能(SQ)評価方法知能テスト実践の積み重ね要素記憶力、情報処理能力→学力IQの要素に加えて、相手との折り合いをつけるための共感性、想像力、発想力→「社会力」モデルコニーの父親かつてのリタランディその後のリタ学力だけではなく「社会力」を映画では、サムの存在によって、ルーシーの社会的知能(SQ)はとても高まっていることが分かります。しかし、現在の日本の教育事情はどうでしょうか?ルーシーのクラスメートのコニーのように、学力という名の記憶力や情報処理能力ばかりに重きが置かれてしまっています。欧米先進国と違い、日本ではアルバイトが禁止とされている学校がほとんどです。勉強さえしていればよいという価値観が強まり、社会参加を通して人とかかわっていく経験がなくなっています。また、出生率の低下から、兄弟がほとんどいない一人っ子の家庭が多くなっています。その結果、兄弟間の葛藤がなく、人とのかかわりにおいて、押し引きのバランス感覚が伸びず、自分本位の発想をしてしまいがちになっています。それが、現在の引きこもりの社会現象を起こしている原因の1つとなっているように思われます。このように、SQが高まらない学校環境や家庭環境が危ぶまれます。SQを高めるためには、例えば学校教育の中でも、アルバイトやボランティアを推奨する仕組みが望まれます。また、家庭においては、地域のコミュニティでの集まりやイベントを通して、世代をまたいだより多くのかかわりが望まれます。IQを学力に近いものとすると、SQは「いっしょ(社会)に生きていく力」、つまり「社会力」とも言えます。これからのコミュニケーション重視の時代は、学力だけでなく、この「社会力」もとても必要になってきます。特に、人を相手とする医療関係者の私たちは、もちろん学力も必要ですが、バランスよくこの「社会力」を日々高めていく必要があるということです。なぜ知能は進化したのか?―社会脳原始の時代から現在まで、人が知能を進化させることができたのはなぜでしょうか?それは、過酷な環境を乗り越えるために、人が集団(社会)をつくり、助け合ったからでした。そして、その助け合いのためには、表情、身振り、言葉によって、相手の心を読む能力が進化していったからです(社会脳)。この能力から、自分の置かれた状況の先を読む能力、そして自分自身の心の動きを読む能力も進化していきました。これらは、ものごとに距離を置いて客観的にとらえる心の働き(メタ認知)でもあります。現在、この進化した知能が、知能指数(IQ)として相手と敵対して争うために有利な能力として使われすぎています。私たちは、この知能の進化の原点に立ち戻り、社会的知能(SQ)や「社会力」という新しい視点を通して、自分の社会へのかかわり方や社会のあり方そのものを見つめ直すことができるのではないでしょうか。1)ダニエル・ゴールマン:SQ 生き方の知能指数、日本経済新聞出版社、20072)村上宣寛:IQってホントは何なんだ?、日経BP社、20073)村井俊哉:社会化した脳、エクスナレッジ、2007

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SSRI/SNRI治療患者の約7割はアドヒアランス不良

 イタリア・ボローニャ大学のElisabetta Poluzzi氏らは、過去6年間の抗うつ薬処方の傾向と、SSRIまたはSNRIの治療を受ける患者のアドヒアランスについて評価した。その結果、過去6年間で抗うつ薬消費量は20%増えていたこと、SSRI/SNRI治療のアドヒアランスは23.8%であったことなどを報告した。European Journal of Clinical Pharmacology誌オンライン版2013年8月1日号の掲載報告。 Poluzzi氏らは、イタリア北東部に位置するエミリア・ロマーニャ地方における抗うつ薬使用について明らかにすること、またSSRI/SNRI治療を受ける患者のアドヒアランスを評価することを目的とした。同地方衛生局のデータベースで抗うつ薬の処方データ(償還ベース)を検索し、2006~2011年の全消費量から有病率と使用量を割り出した。また、SSRI/SNRI治療を受けていた患者の服薬アドヒアランスを、治療開始から6ヵ月間追跡して評価した。アドヒアランスは、治療期間≧120日間、処方に対する達成≧80%、処方とのギャップ<3ヵ月、の3つの指数で検討した。アドヒアランス不良の決定要因(社会人口統計学的変数、臨床変数など)を特定し、多変量ロジスティック回帰分析にて補正オッズ比(adjOR)と95%信頼区間(CI)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・2006~2011年に、抗うつ薬使用でみた有病率は5%上昇していた(住民1,000人当たり86例から90例に増大)。抗うつ薬の消費量は20%上昇していた(住民1,000人/日当たりの規定1日用量は43例分から51例分に上昇)。・SSRI/SNRI治療例は34万7,615例であった。そのうち良好なアドヒアランスが認められたのは23.8%のみであった。・良好なアドヒアランスは、共存症(adjOR:0.69、95%CI:0.67~0.72)、前年に抗うつ薬治療を繰り返している(同:0.91、0.89~0.92)と関連していた。・パロキセチン(商品名:パキシルほか)の治療を受けていた患者と比べて、デュロキセチン(同:サインバルタ、adjOR:0.58、95%CI:0.55~0.60)、エスシタロプラム(同:レクサプロ、0.64、0.62~0.66)、セルトラリン(同:ジェイゾロフト、0.65、0.64~0.67)の治療を受けていた患者のアドヒアランスは良好であった。・アドヒアランス改善は、より重症な患者で実際に薬物療法のアプローチを必要としている患者で認められるようであった。一方で、抗うつ薬のアドヒアランスの格差は、情報およびスポンサーのバイアスにより一部で起きている可能性があった。・症状の急速な改善あるいは副作用のために服薬を中断しがちな、閾値以下または軽度のうつ病ケースへの抗うつ薬処方は、プライマリ・ケアと精神科専門医との協力関係を改善することで減らせる可能性があった。関連医療ニュース 大うつ病性障害の若者へのSSRI、本当に投与すべきでないのか? 抗うつ薬による治療は適切に行われているのか?:京都大学 日本人のうつ病予防に期待?葉酸の摂取量を増やすべき

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