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統合失調症治療に抗炎症薬は有用か

 統合失調症の病態に脳の炎症は関連しているのか。オランダ・ユトレヒト大学のIris E. Sommer氏らは、抗炎症薬による統合失調症の症状軽減効果を評価するため、臨床試験26件について解析を行った。その結果、アスピリン、N-アセチルシステイン、エストロゲン製剤において、症状の重症度に対し有意な改善効果が認められることを報告した。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2013年10月8日号の掲載報告。 統合失調症の炎症説は新しいものではないが、最近、統合失調症の病因における免疫系の役割を示唆するデータが多く発表されており、再び注目を集めている。脳における炎症の増強が統合失調症の症状に関与しているとするならば、炎症の抑制は臨床経過を改善しうると考えられる。実際、最近、数件の試験において、抗炎症薬が統合失調症の症状を改善しうるか否かが検討されていた。本研究では、これまでに実施された臨床試験を基に、統合失調症の症状に及ぼす抗炎症薬の有効性に関する最新情報を調査した。PubMed、Embase、the National Institutes of Health のウェブサイト(http://www.clinicaltrials.gov)、Cochrane Schizophrenia Group entries in PsiTriおよびCochrane Database of Systematic Reviewsを用いてデータベース検索を行った。検索対象は、臨床アウトカムを検討した無作為化二重盲検プラセボ対照試験に限定した。主な結果は以下のとおり。・適格試験は26件が抽出された。・アスピリン、セレコキシブ、ダブネチド(国内未承認)、エイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)などの脂肪酸、エストロゲン製剤、ミノサイクリンおよびN-アセチルシステイン(NAC)について、症状の重症度に及ぼす影響を調査した。・そのうち、アスピリン(重み付け平均効果サイズ[ES]:0.3、270例、95%CI:0.06~0.537、I2=0)、エストロゲン製剤(ES:0.51、262例、95%CI:0.043~0.972、I2=69%)およびNAC (ES:0.45、140例、95%CI:0.112~0.779)において、有意な効果が認められた。・セレコキシブ、ミノサイクリン、ダブネチドおよび脂肪酸では、有意な効果が認められなかった。・以上より、抗精神病薬へのアスピリン、NAC、エストロゲン製剤の追加は有望だと思われた。・これら3製剤は、いずれも非常に幅広い活性を有している。症状の重症度に対する有益な効果が、真にその抗炎症作用を介したものであるか否かを検討する必要がある。関連医療ニュース 抗精神病薬へのNSAIDs追加投与、ベネフィットはあるのか? 新たな選択肢か?!「抗精神病薬+COX-2阻害薬」自閉症の治療  アルツハイマー病、アミロイドβ蛋白による“炎症反応”が関与

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抗精神病薬性の糖尿病、その機序とは

 第二世代抗精神病薬(SGA)により誘発される、インスリン分泌異常の主要機序について、オーストラリア・ウーロンゴン大学のKatrina Weston-Green氏らがレビューの結果を報告した。部分的な中枢および末梢神経でのムスカリンM3受容体(M3R)の阻害によると考えられ、M3Rが初期にインスリン分泌とグルコースホメオスタシスを破壊し、慢性治療中に次第にインスリン抵抗性や糖尿病に結びつく可能性があるという。CNS Drugs誌オンライン版2013年10月10日号の掲載報告。第二世代抗精神病薬のM3Rに対する結合親和性が糖尿病リスクの予測因子 第二世代抗精神病薬は、さまざまな疾患に広く処方されているが、中心となるのが統合失調症と双極性障害である。第二世代抗精神病薬は、グルコース代謝異常を来し、インスリン抵抗性や2型糖尿病を引き起こすという副作用があるが、その機序についてはほとんどわかっていない。研究グループは、その主要機序および治療ターゲットとして、アセチルコリン(Ach)受容体のうちM3Rの可能性についてレビューした。 第二世代抗精神病薬がインスリン抵抗性や2型糖尿病を引き起こすとい主要機序についてレビューした結果は以下のとおり。・M3Rに対する第二世代抗精神病薬の結合親和性が、糖尿病リスクの予測因子であることが特定された。・オランザピン、クロザピンは、副作用として糖尿病の臨床発生率が最も高いが、強力なM3Rアンタゴニストであった。・膵臓のM3Rは、グルコース刺激インスリン分泌のコリン作動性経路を調整する。すなわち、β細胞の活性化がインスリン分泌を促進する一方で、M3R阻害がインスリン分泌を減少する。・マウス試験において、遺伝子組み換えM3Rは、インスリン濃度と耐糖能に強い変化をもたらした。・オランザピンは、視床下部や尾方脳幹の各核レベル、膵臓の迷走神経系支配を介してグルコースホメオスタシスおよびインスリン分泌を調整する部位の、M3R濃度を変化させる。・さらに、M3Rは、グルコースホメオスタシスに影響する主要なポジションに位置しており、膵β細胞への直接的な作用や、視床下部や脳幹におけるシグナル伝達を変えることが可能である。・SGAによって誘発されたインスリン分泌障害は、一部で中枢および末梢神経のM3R阻害による可能性がある。M3R阻害がインスリン分泌やグルコースホメオスタシスを破壊し、慢性治療中にインスリン抵抗性や糖尿病へと次第に結びついていく可能性がある。関連医療ニュース オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学/a> 検証!抗精神病薬使用に関連する急性高血糖症のリスク ドパミンD2受容体占有率が服薬に影響?:慶應義塾大学

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初回エピソード統合失調症患者はプロラクチン値が高い

 プロラクチンは精神医学分野において大きな注目を集めているホルモンである。ドパミン阻害の抗精神病薬に対して血清プロラクチン値上昇がしばしばみられる一方で、血清プロラクチン値の減少は抗精神病薬の効果を反映するとみなされている。しかし、未治療の初回エピソード統合失調症(FES)患者のベースライン時のプロラクチン値を調べた調査は、これまで限られていた。トルコ・Namik Kemal大学のYakup Albayrak氏らは、初の実証研究として検討を行った。Nordic Journal of Psychiatry誌オンライン版2013年10月7日号の掲載報告。 本検討は、未治療のFES患者におけるベースライン時のプロラクチン値を調べること、また、FES患者と非治療(drug-free)統合失調症(DFS)患者、および健常対照者(HC)とのプロラクチン値の格差を調べることを目的とし、トルコのGolbasi Hasvak and Kirklareli州立病院で行われた。被験者に対しては臨床検査と個別面談を行った。そして全薬物治療を開始する前に、8時~10時の間に静脈血5mLを採血し血清プロラクチン値を測定(ラジオイムノアッセイ[RIA])した。 主な結果は以下のとおり。・被験者はいずれも男性で、FES群30例、DFS群41例、HC群32例であった。平均年齢はDFS群が、より高かった。・簡易精神症状評価尺度(BPRS)の平均スコアは、FES群でより高値であった。また、陰性症状評価尺度の平均スコアは、DFS群でより高値であった。・プロラクチンの平均値は、FES群(34.1±19.9ng/dL)が、DFS群(17.9±6.5ng/dL)およびHC群(9.7±2.3ng/dL)と比べて有意に高かった(F=35.5、p<0.001)。また、平均血清プロラクチン値は、DFS群がHC群よりも有意に高かった(p<0.001)。・上記の結果を踏まえて、著者は「統合失調症患者は初回エピソードの間、プロラクチンが保護因子として作用している可能性がある。統合失調症におけるプロラクチンの役割について、さらなる研究が必要である」と結論している。関連医療ニュース 抗精神病薬による高プロラクチン血症に関するレビュー 薬剤誘発性高プロラクチン血症への対処は? 統合失調症の寛解予測因子は初発時の認知機能

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重度ICU患者、せん妄期間と認知機能障害リスクは有意に関連/NEJM

 ICUの重症患者のうち7割以上が、入院中にせん妄を発症するリスクがあり、せん妄期間が長いほど長期の認知機能障害発症リスクが高いことが明らかになった。米国・ヴァンダービルト大学のPratik P. Pandharipande氏らが、800例超のICU重症患者を対象に行った試験で明らかにしたもので、NEJM誌2013年10月3日号で発表した。重症疾患から回復した人は、認知機能障害を発症することが多いものの、その特徴についてはあまり調査がされていなかったという。入院中のせん妄期間と、退院後3ヵ月、12ヵ月の認知・実行機能を評価 研究グループは、内科・外科系のICU患者で呼吸不全やショックを発症した成人821例について、入院中のせん妄と、退院後3ヵ月、12ヵ月時点での認知・実行機能について評価を行った。 同機能の評価については、神経心理検査RBANS とTrail Making Test (TMT ) Part Bを用いた。RBANS神経心理検査は、年齢補正後平均スコアを100(標準偏差:15)とし、スコアが低いほど全般的認知機能が低いと評価し、TMTは、年齢・性別・教育補正後平均スコアを50(標準偏差:10)とし、スコアが低いほど実行機能が低いと評価した。 入院中のせん妄持続期間、鎮静薬または鎮痛薬の服用と、アウトカムとの関連を分析した。退院3ヵ月後、軽度アルツハイマー病患者と同等以下の認知機能の人は26% 被験者821例のうち、ベースライン時に認知機能障害が認められたのは6%のみだった。入院中にせん妄を発症したのは74%だった。 退院後3ヵ月時点で、全般的認知機能スコアが中程度の外傷性脳損傷患者と同等以下(母平均より1.5標準偏差低いスコア)だった人の割合は、40%だった。さらに、軽度アルツハイマー病患者と同等以下(母平均より2標準偏差低いスコア)だった人の割合は、26%だった。 退院後12ヵ月時点でも、この状態は継続しており、それぞれの割合は34%、24%だった。また、こうした状態は若年、高齢患者ともに認められた。 入院中せん妄持続期間と退院後のアウトカムの関連についてみると、入院中せん妄期間が長いほど、退院後3ヵ月、12ヵ月後の全般的認知機能が有意に低く(それぞれp=0.001、p=0.04)、実行機能も有意に低かった(それぞれp=0.004、p=0.007)。 なお、鎮静薬や鎮痛薬の服用は、退院後3ヵ月、12ヵ月の認知機能障害とは関連していなかった。

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アルコール依存症に介入療法は有効か?/JAMA

 アルコールおよび薬物依存症患者に対し、医療・福祉サービスを調整・包括して提供する慢性疾患ケア管理(chronic care management:CCM)の有効性について検討した結果、通常プライマリ・ケアによるサービス提供と比べて、12ヵ月時点の離脱率に有意差はみられなかったことが報告された。米国・ボストン医療センターのRichard Saitz氏らが、無作為化試験「AHEAD」を行い報告した。依存症患者は、健康問題を抱え高度な医療を受けていたり、併存症を有している頻度が高いが、多くの場合、質の低い治療を受けているとされる。CCMは、同患者への治療およびアウトカムを改善するアプローチとして提唱された。JAMA誌2013年9月18日号掲載の報告より。563例をCCM群と通常プライマリ・ケア群に無作為化 AHEAD(Addiction Health Evaluation and Disease Management)試験は、ボストンの病院ベースのプライマリ・ケア診療所で、AHEADクリニックを設定して行われた。被験者は、2006年9月~2008年9月の間に、独立した宿泊設備がある依存症治療ユニットおよび都市部にある教育病院、募集広告によって集められた。2,731例がスクリーニングに参加し、563例が無作為化を受けてCCM群(282例)または非CCM(通常プライマリ・ケア、281例、対照)群に割り付けられた。 CCM群は、プライマリ・ケア医間の調整を図った横断的な治療、依存症克服のための動機付けの強化療法、再発予防カウンセリング、オンサイトでの併存症治療、依存症治療、精神科治療、社会福祉支援および照会などを含めた介入を受けた。 対照群は、プライマリ・ケアの面談を受け、カウンセリングを自ら手配するため電話番号を記した治療ソースのリストを受け取るという介入であった。 主要アウトカムは、オピオイド、興奮剤、大量飲酒について自己申告に基づく離脱状況であった。オピオイド、興奮剤、大量飲酒の12ヵ月時点の離脱率はCCM群44%、対照群42% 被験者563例のうち95%が、12ヵ月間の追跡調査を完了した。 同時点でオピオイド、興奮剤、大量飲酒について離脱を自己申告した割合は、CCM群44%、対照群42%で有意差はみられなかった(補正後オッズ比:0.84、95%信頼区間[CI]:0.65~1.10、p=0.21)。 副次アウトカムとして評価した、依存症重症度、健康関連QOL、薬物問題についても有意差はみられなかった。 また、被験者をアルコール依存症群、薬物依存症群とサブグループで評価した場合においても、アルコール依存症群のCCMにより飲酒問題が減少したという有意な効果はみられなかった(12ヵ月時点の平均スコア:10対13、発生率比:0.85、95%CI:0.72~1.00、p=0.48)。 上記の結果について著者は、「アルコールおよびその他薬物依存症患者へのCCMは通常プライマリ・ケアと同等で、12ヵ月間の自己申告に基づく離脱率を増加しなかった。より強化した介入または長期の介入が有効かについてさらなる調査が必要である」とまとめている。

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青年期の外傷性脳損傷後3年時点で24.3%が持続痛

 青年期における外傷性脳損傷(TBI)後の持続痛の実態について調べた結果、受傷後3年の時点で24.3%が持続痛を有しており、長期の健康関連のQOL低下と関連していることなどが明らかにされた。米国・ワシントン大学のSee Wan Tham氏らによる報告で、同様の検討はこれまで行われていなかったという。Journal of Pain誌2013年10月号(オンライン版2013年8月2日号)の掲載報告。 TBIは小児の身体障害の主要な原因である。持続痛は重大な損傷後合併症と認識されているにもかかわらず、青年期の損傷後疼痛に関するデータは不足していた。そこで研究グループは、青年期におけるTBI後の持続痛の有病率を調べ、疼痛リスク因子を特定し、青年期疼痛の健康関連QOLへの影響について評価する初の調査を行った。 軽度~重度のTBIを経験した若者144例について、受傷後36ヵ月超追跡し、3、12、24、36ヵ月時の疼痛強度、うつ病、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、健康関連QOLについて評価した。 主な結果は以下のとおり。・本検討は、若者のTBI後持続痛の有病率について長期にわたって追跡調査し、またその健康関連QOLへの影響について調べた初の調査である。・TBI後のすべての評価時点(3、12、24、36ヵ月)で持続痛(通常疼痛強度≧3/10と定義)を報告した若者は、24.3%であった。・36ヵ月時点で持続痛を有する予測因子は、女性(オッズ比:2.73、95%信頼区間:1.12~6.63)、受傷後3ヵ月時点での抑うつ症状が高値(同:1.26、1.12~1.43)であった。・混合線形モデルによる評価の結果、TBI後3ヵ月という早期の時点で痛みを有していることが、長期の不良な健康関連QOLと有意に関連していることが示された。・以上の結果から、TBIを有した若者について、タイムリーな評価、および疼痛の発現および影響を最小限とするための介入がベネフィットにつながることが示唆された。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・身体の痛みは心の痛みで増幅される。知っておいて損はない痛みの知識・脊椎疾患にみる慢性疼痛 脊髄障害性疼痛/Pain Drawingを治療に応用する・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?

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自殺リスクが低い食事パターン~日本人での研究

 食事パターンはうつ病と関連するが、自殺リスクとの関連を調べた研究はまだない。JPHC研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study)グループの南里 明子氏らは、食事パターンと自殺による死亡との関連を前向きに調査し、British Journal of Psychiatry誌オンライン版2013年10月10日号に報告した。本研究では、野菜、果物、いも類、大豆製品、キノコ類、海藻、魚介類の摂取量が多い食事が、自殺による死亡リスクの低下と関連している可能性が示唆された。 参加者は、JPHC研究の2次サーベイ(1995~1998年)に参加した男性4万752人および女性4万8,285人。食物摂取頻度調査票によって134種類の食品と飲料の消費量を確認し、主成分分析により食事パターンを調査した。追跡期間の4年目から2005年12月まで自殺のハザード比を算出した。 主な結果は以下のとおり。・男女とも、野菜、果物、いも類、大豆製品、きのこ類、海藻、魚介類の摂取量が高い“prudent”な食事パターンが、自殺リスクの低下と関連していた。・食事パターンスコアの4分位最高区分の最低区分に対する自殺の多変量補正ハザード比は0.46(95%CI:0.28~0.75、傾向のp=0.005)であった。・ほかの食事パターン(西洋化された食事と伝統的な日本食)は自殺リスクと関連していなかった。

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アルツハイマー病、アミロイドβ蛋白による“炎症反応”が関与

 カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のPatrick L. McGeer氏らは、アルツハイマー病(AD)がアミロイドβ蛋白(Abeta)により誘発される炎症反応の結果によるものとし、早期の段階から抗炎症薬による介入を行うことの意義を示唆した。Acta Neuropathologica誌2013年10月号の掲載報告。 ADの重要な病因として、アミロイドカスケード説が広く認知されている。すなわち、ADの原因はAbeta産物であり、Abetaあるいはそのオリゴマーが神経毒性を示すとされている。しかし、筆者らは、Abeta自体がADの原因となりえないと考えたという。その理由として、毒性を引き起こすにはμmol濃度のAbeta体が必要であるが、実際のところ脳内レベルはpmolの範囲内であり、必要とされる濃度の100万倍も低いからだという。そして、おそらくADは、後にタウの凝集につながる細胞外Abeta沈着により誘発される“炎症反応”の結果であると示唆した。 その理由として次の点を挙げている。・実際、疾患進行時に活性化ミクログリアによる炎症反応が過剰に増強されている。・これまでの疾患修飾治療(根本治療)は失敗に終わっており、中心的役割を果たしている炎症を考慮に入れない限り、このような状況が続くと思われる。・多数の疫学研究および動物モデルを用いた研究において、抗炎症薬として最も広く使用されているNSAIDsが、ADに対して実際に補助的な効果を有することが示されている。 そしてこれらの研究は、疾患修飾として“抗炎症”というアプローチを支持するものと言えるとまとめた。 一方、バイオマーカー研究において、臨床的に確認される何十年も前に疾患が発症していることが明らかにされていることについても言及した。著者は、これらの研究が「早期介入の必要性を指摘している」と述べる。バイオマーカーと病理データの組み合わせにより、疾患の経過を約5年単位の6つのphaseに分けることができ、phase1は髄液中のAbetaの減少、phase2は髄液中のタウ増加とPETによる脳内Abeta沈着の確認、phase 3はPET-FDGによる脳内代謝速度の若干の減少、phase 4はMRIによる脳容積の若干の減少とわずかな認知障害、phase 5はスキャンによる異常所見の増加とADの臨床診断、phase 6は病院でのケアを要するADの進行である、とした。 以上を踏まえて、「疾患経過の早期における抗炎症薬の活用により、治療の機会が広がる。予防的でないものの、このような薬剤はAbetaとタウ凝集の両方に引き続いて起こる現象を防ぎうる手段として有利である。疾患発症から認知機能が低下するまでの間には十年以上あるため、真に効果的な疾患修飾レジメンを導入する機会が存在する。この機会の利用が将来の課題である」とまとめている。関連医療ニュース スタチン使用で認知症入院リスク減少 アルツハイマー病の進行抑制に関わる脳内分子を特定 アルツハイマー病の早期ステージに対し、抗Aβ治療は支持されるか?

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スタチン使用で認知症入院リスク減少

 認知症にコレステロールが関与していることは、これまでにも報告されている。イタリア・ビコッカ大学のGiovanni Corrao氏らは認知症による入院リスクとスタチン使用期間との関係を検討した。Atherosclerosis誌2013年10月号の報告。 対象は、人口コホート研究より、イタリア・ロンバルディア州在住で40歳以上、2003年~2004年の間に新たにスタチンを投与された患者、15万2,729例であった。このうち、スタチン投与から2010年までに認知症疾患による入院を経験したのは1,380例であった。 主な結果は以下のとおり。・使用期間6ヵ月未満のスタチン投与患者と比較して、7~24ヵ月で15%(OR:0.85、95% CI:0.74~0.98)、25~48ヵ月 で28%(OR: 0.72、95% CI: 0.61~0.85)、48ヵ月以上で25%(OR: 0.75、95% CI: 0.61~0.94)とそれぞれリスクの減少が認められた。・シンバスタチン、アトルバスタチンは認知症のリスク低下と関連していたが、フルバスタチン、プラバスタチンについては観察されなかった。関連医療ニュース たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能 これからのアルツハイマー病治療薬はこう変わる アルツハイマーの予防にスタチン!?:岡山大学

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統合失調症の寛解予測因子は初発時の認知機能

 統合失調症では認知機能障害が一般的にみられる。しかし、初回エピソード患者におけるこれら障害の長期転帰の予測因子は不明であった。スウェーデン・ウプサラ大学のRobert Boden氏らは、初回エピソード統合失調症患者の5年後アウトカムの予測因子としての思考力の低下および認知機能障害について調べた。その結果、思考速度が社会性や症状寛解に関する長期転帰と関連していることを報告した。Nordic Journal of Psychiatry誌オンライン版2013年9月20日号の掲載報告。 研究グループは、初回エピソード統合失調症と診断され、臨床的症状が安定した患者46例について、総合的認知機能(Synonyms, Reasoning, and Block Design:SRB)、思考速度(Trail Making Test:TMT、およびフィンガータッピング)、言語学習(Claeson-Dahl Verbal Learning Test)について評価した。また、5年後の転帰は、自立生活、職業的機能、社会性、症状寛解に関して評価した。 主な結果は以下のとおり。・思考速度の低下が、5年後の社会性の低下と関連していた。抗精神病薬使用で補正後のオッズ比(OR)は3.37(95%信頼区間[CI]:1.08~10.51)であった。・利き手ではない手のフィンガータッピングの成績が良好であることは、5年後の症状の非寛解リスク増大と関連していた(補正後OR:0.42、95%CI:0.19~0.96)。・職業的機能と自立生活は、評価したいずれのテストとも関連がみられなかった。関連医療ニュース 青年期統合失調症の早期寛解にアリピプラゾールは有用か? 初回エピソード統合失調症患者に対する薬物治療効果の予測因子は 維持期統合失調症でどの程度のD2ブロックが必要か

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定型vs.非定型、せん妄治療における抗精神病薬

 せん妄治療に用いられる抗精神病薬。せん妄治療に対する有用性・安全性において、定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬で違いはないのであろうか。この問題に対し、韓国・延世大学のHyung-Jun Yoon氏らは、6日間の前向き比較観察研究により検討を行った。BMC Psychiatry誌オンライン版2013年9月30日号の掲載報告。 先行研究において大半の報告で、せん妄治療における抗精神病薬に関して定型または非定型の間に有意差はないことが示されていた。一方で、高年齢が同治療反応不良の予測因子である可能性も示唆されていた。そこで研究グループは、せん妄治療について患者の年齢を考慮に入れ、ハロペリドールと3つの非定型抗精神病薬[リスペリドン、オランザピン、クエチアピン]の有効性と安全性を比較することを目的とする試験を行った。試験は、6日間の前向き比較臨床観察研究で、韓国の高度機能病院で行われた。被験者は、せん妄治療に対して精神医学的な診察-リエゾンサービスを紹介され、試験登録前にスクリーニングを受けた80例であった。有効性の評価は、韓国版Delirium Rating Scale-Revised-98(DRS-K)と韓国版Mini Mental Status Examination(K-MMSE)を用いて行われた。安全性の評価は、Udvalg Kliniske Undersogelser副作用スケールにて行った。 主な結果は以下のとおり。・被験者80例は、ハロペリドール群23例、リスペリドン群21例、オランザピン群18例、クエチアピン群18例に割り付けられた。・ベースライン時において4群間に、平均DRS-Kでみた重症度スコアとK-MMSEスコアに有意差はみられなかった。・4群とも試験期間中、DRS-K重症度スコアは有意に低下し、K-MMSEスコアは有意に上昇した。一方で4群間に、DRS-KおよびK-MMSEスコアの改善について有意な差はみられなかった。・同様に、DRS-Kの認知および非認知のサブスケールスコアも、治療群を問わず低下が認められた。・治療反応率は、75歳未満よりも75歳以上の患者において低値であった。とくに、オランザピンの治療反応率は患者が高齢であるほどより低値であった。・被験者合計15例(18.8%)が、いくつかの有害イベントを経験した。イベントに関して、4群間で有意差はみられなかった。・以上のように、ハロペリドールとリスペリドン、オランザピン、クエチアピンは、せん妄治療に関する有効性と安全性は同等であった。一方で、せん妄治療における抗精神病薬の選択において、考慮すべき因子は年齢であることが示された。関連医療ニュース 高齢者のせん妄に対する抗精神病薬のリスクは? 抗精神病薬は“せん妄”の予防に有用か? がん患者のせん妄治療に有効な抗精神病薬は…

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重度精神障害の機能評価ツール、その信頼性は

 スペイン・オビエド大学のMaria P. Garcia-Portilla氏らは、統合失調症および双極性障害患者を対象とし、重度精神障害患者の機能評価ツールとしてUniversity of California Performance Skills Assessment(UPSA)スペイン版の信頼性、妥当性の評価を行った。その結果、UPSAスペイン版はその他の機能評価ツールと良好な相関を示し、信頼性の高い検証ツールであり、「機能アウトカムのモニタリング手段として臨床試験および日常診療での活用が望ましい」と報告した。Schizophrenia Research誌オンライン版2013年9月18日号の掲載報告。 重度精神障害患者における、UPSAスペイン版の検証を目的とし、自然的、6ヵ月間フォローアップ、多施設共同、バリデーション試験を行った。対象は、統合失調症患者139例、双極性障害患者57例、対照31例とし、スペイン版UPSA(Sp-UPSA)、Clinical Global Impression, Severity(CGI-S)、Global Assessment of Functioning(GAF)および Personal and Social Performance(PSP)などのスケールを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。<信頼性>・統合失調症における内部整合性(クロンバックのα係数)は0.81、双極性障害では0.58であった。Test-retestは、それぞれ0.74、0.65(p<0.0001)であった。<構成のValidity>・Sp-UPSAとPSP総スコア間のピアソン相関係数は、統合失調症が0.42(p<0.0001)、双極性障害が0.44(p=0.001)であった。・Sp-UPSAとGAFスコアの相関係数は、それぞれ0.43、0.52(p<0.0001)であった。<弁別的Validity>・ Sp-UPSAにより、患者と対照が識別された。・統合失調症患者において、CGI-Sスコアによる疾患重症度の相違が識別された。・統合失調症における対照/患者の曲線下面積は0.89、カットオフ値85における感度は82.7%、特異度は77.4%であった。・双極性障害における対照/患者の曲線下面積は0.85、カットオフ値90における感度は82.5%、特異度は64.5%であった。関連医療ニュース 統合失調症の再入院、救急受診を減らすには 認知機能トレーニング/リハビリテーションはどの程度有効なのか? 治療抵抗性の双極性障害、認知機能への影響は?

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うつ病患者への禁煙治療、症状悪化の懸念は

 喫煙者の多くにうつ病がみられる。米国のRobert M. Anthenelli氏らは、うつ病を有する喫煙者に対し禁煙補助薬バレニクリン(商品名:チャンピックス)を使用した際の、禁煙率および気分・不安レベルの変化について検討を行った。Annals of internal medicine誌2013年9月13日号の掲載報告。 本試験は、第4相多施設共同無作為化二重盲検並行群間試験。対象は、8ヵ国38医療機関の、大うつ病に対する治療中または治療歴があり、現在、心血管イベントを認めない成人喫煙者525例であった。抗うつ薬の使用とベースライン時のうつ病重症度で層別化した被検者を、1ブロック4例にランダム化し、バレニクリン1mgを1日2回またはプラセボを12週間投与し、40週間無治療としてフォローアップした。主要アウトカムは、9~12週の一酸化炭素確認による持続的な禁煙率(CAR)とした。また、無治療フォローアップ期間中のCAR、気分、不安、自殺企図または自殺行為の状況についても評価した。 主な結果は以下のとおり。・バレニクリン群の68.4%、プラセボ群の66.5%が試験を完了した。・バレニクリン群はプラセボ群と比較して、9~12週のCAR(35.9%vs. 15.6%、オッズ比[OR]:3.35、95%CI:2.16~5.21、p<0.001)、9~24週のCAR(25.0%vs. 12.3%、OR:2.53、95%CI:1.56~4.10、p<0.001)、および9~52週のCAR(20.3%vs. 10.4%、OR:2.36、95%CI:1.40~3.98、p=0.001)が高かった。・自殺企図または自殺行為の状況に2群間で差はなく、各群ともうつまたは不安の悪化はみられなかった。・最も高頻度に発現した有害事象は悪心であった(バレニクリン群27.0%、プラセボ群10.4%)。・無治療期間に、バレニクリン群の2例が死亡した。・本試験では、いくつかのデータが欠落しており、件数が低いイベントに関しては群間差の検出力が低かった。また、うつ病に対し未治療の喫煙者、精神疾患発症例、または気分安定薬および抗精神病薬の投与例を除外していた点でも試験に限界があった。・以上を踏まえて、著者は「うつ病を有する喫煙者に対し、バレニクリンはうつ病や不安を悪化させることなく禁煙率の向上に寄与することが示された」と結論した。関連医療ニュース うつ病の既往歴がある患者に対する禁煙治療は難しい?! 統合失調症の症状悪化に関連?「喫煙」「肥満」の影響 ブプロピオンで統合失調症患者の禁煙達成!?

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日本の統合失調症入院患者は低栄養状態:新潟大学

 欧米では、健常者と比較して、抗精神病薬治療を受けている統合失調症患者における肥満やメタボリック症候群の有病率が高い。しかし日本では、そもそも一般集団の過体重および肥満の有病率が、欧米と比較してかなり低い。新潟大学の鈴木雄太郎氏らは、日本の統合失調症入院患者について調査を行い、低体重の患者の割合が一般集団と比較して高いことを明らかにした。結果を受けて著者は「入院患者の身体的健康について、診療でより考慮する必要がある」と報告している。Psychiatry and Clinical Neurosciences(PCN)誌オンライン版2013年9月2日号の掲載報告。 研究グループは、日本の統合失調症入院患者における、低体重および過体重/肥満の有病率について調査した。被験者は統合失調症入院患者と、年齢・性で適合した健常ボランティア対照であった。BMI 値25以上を過体重/肥満、18.5~25未満を標準体重、18.5未満を低体重と定義した。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症入院患者333例、健常対照191例について調べた。・両群間において、3つの体重定義の有病率に有意差が認められた(p<0.001)。・低体重の有病率は、統合失調症患者群が対照群と比べて有意に高率であった(p<0.001)。・また、統合失調症患者群のほうが対照群よりも、低タンパク血症(p<0.001)、低コレステロール血症(p<0.001)の有病率が有意に高率であった。・さらに統合失調症患者群において、低体重群における低トリグリセリド血症の有病率が、標準体重群および過体重/肥満群よりも有意に高率であった(各々 p=0.003、p<0.001)。・以上の結果を踏まえて著者は、「日本の統合失調症入院患者における低体重の有病率は、一般集団より高率の可能性がある。したがって、臨床診療において入院患者の身体的健康について、より慎重に考慮する必要がある」と結論している。関連医療ニュース 統合失調症患者、合併症別の死亡率を調査 この25年間で統合失調症患者の治療や生活環境はどう変わったのか? 精神疾患患者は、何を知りたがっているのか

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統合失調症の再入院、救急受診を減らすには

 統合失調症の再発を繰り返す患者について、経口抗精神病薬(経口AP)から非定型持効性注射薬(非定型LAT)に切り替えた結果、再入院率および緊急救命室(ER)受診率が減少したことが、後ろ向きデータベース解析の結果から示された。カナダ・Groupe d’analyse社のMarie-Helene Lafeuille氏らがPremier Hospitalの過去5年間の電子カルテデータを解析して報告した。先行研究において非定型LATの有用性は示されているが、大半が再入院にのみ着目し入院やER受診については考慮されていなかった。BMC Psychiatry誌オンライン版2013年9月10日号の掲載報告。 解析に用いられたのは、2006~2010年のPremier Hospitalデータベースの電子カルテデータであった。統合失調症関連の入院中に経口APを服用していた成人患者について、再発例(統合失調症による再入院)を特定し、また(a)非定型LATに切り替えた患者、(b)経口APを継続した患者、に階層化して評価した。評価は傾向スコアモデルを用いて、非定型LAT患者と経口AP患者を1対3の割合で適合させて行った。Andersen-Gill Cox比例ハザードモデルを用いて、時間経過に伴う複数回再発における全要因再入院率とER受診率への非定型LATの影響を評価した。多重性に関する調整は行われなかった。 主な結果は以下のとおり。・非定型LAT患者1,032例と適合した経口AP患者2,796例が評価に組み込まれた。両群の患者は、人口統計学的に釣り合いがとれており(平均年齢:42.1歳対42.4歳、p=0.5622/ 女性患者比:43.6%対44.6%、p=0.5345)、臨床的および入院先の病院特性も同様であった。・全体の追跡期間は平均30ヵ月間であった。その間に、非定型LAT群のほうが経口AP群と比較して、再入院(平均回数:1.25対1.61、p<0.0001)、ER受診(平均回数:2.33対2.67、p=0.0158)が有意に少なかった。同様に、入院日数も有意に少なかった(平均日数:13.46対15.69、p=0.0081)。・再入院率(HR:0.81、95%CI:0.76~0.87、p<0.0001)、ER受診率(同:0.88、0.87~0.93、p<0.0001)は、非定型LAT群のほうが経口AP群よりも有意に低下した。関連医療ニュース 統合失調症の急性増悪期、抗精神病薬の使用状況は?:国立精神・神経医療研究センター 統合失調症、双極性障害の急性期治療に期待!アリピプラゾール筋注製剤 非定型抗精神病薬のLAIを臨床使用するためには

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アスペルガー障害、高機能自閉症への第二世代抗精神病薬は有用か

 カナダ・王立オタワ精神保健センターのNatalie Sochocky氏らは、アスペルガー障害(AD)および高機能自閉症(HFA)に対する第二世代抗精神病薬の有用性についてシステマティックレビューとメタ解析を実施した。その結果、ADおよびHFAの行動症状は第二世代抗精神病薬により改善するが、有害事象として体重増加に注意が必要であることを報告した。Current Clinical Pharmacology誌オンライン版2013年9月20日号の掲載報告。 小児および思春期の低機能自閉性障害の興奮性および攻撃性の治療における、第二世代抗精神病薬に関するエビデンスが蓄積されつつある。ADおよびHFA患者は大きな感情的および行動的な問題、精神的合併症を抱えており、研究グループは、これら患者に対し、より効果的な治療選択を提供するため、第二世代抗精神病薬の有効性に関する発表論文をレビューする必要があるとして本検討を行った。Medline、PubMedおよびPsychINFOのデータベースを用いて、小児および思春期(0~24歳)のADならびにHFAに対する第二世代抗精神病薬使用に関する最近の英語文献について、システマティックレビューとメタ解析を実施した。キーワードとして、「アスペルガー」「高機能自閉症」「自閉症スペクトラム(ASD)」「広汎性発達障害(PDD)」を、「第二世代抗精神病薬」「アリピラゾール」「オランザピン」「クエチアピン」「リスペリドン」「ジプラシドン(国内未承認)」と組み合わせて検索した。 主な結果は以下のとおり。・引用文献214件が抽出された。そのうちIQ 71以上の被験者が25%以上を占める非盲検試験あるいは無作為化対照試験(RCT)のみをレビューの対象とした。・レビュー適格試験は11件であり、8試験についてメタ解析を実施した。・方法論の正確性に限界があったものの、解析の結果、ADおよびHFAの行動症状が第二世代抗精神病薬により改善することが示唆された。・大多数の試験で、有害事象として体重増加が報告されていた。・以上を踏まえて著者は、「各試験には頑健性の欠如による限界がみられ、薬理学的ならびに精神社会的治療に関するさらなる研究が求められる。臨床医は、ベネフィットと心血管代謝リスクとのバランスを考慮して慎重に治療を行うべきである」と結論している。関連医療ニュース 大うつ病性障害の若者へのSSRI、本当に投与すべきでないのか? 自閉症スペクトラム障害への薬物治療、国による違いが明らかに 若年発症統合失調症への第二世代抗精神病薬治療で留意すべき点

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ベンゾジアゼピン使用は何をもたらすのか

 オーストラリア・カンバーランド病院のDonna Gillies氏らは、急性精神疾患に対するベンゾジアゼピン系薬剤の有用性についてレビューを行った。その結果、ベンゾジアゼピン単独または抗精神病薬と併用した場合の効果が、抗精神病薬単独または同薬併用、あるいは抗精神病薬と抗ヒスタミン薬などの併用と比べて、症状改善に差がないことを報告した。ただし、今回の評価の結果について著者は、ベンゾジアゼピンの単独または併用使用に関するエビデンスが弱く現段階では不明確であり、質の高い研究が必要だと指摘している。Cochrane database of systematic reviewsオンライン版2013年9月18日の掲載報告。 急性精神疾患、とくに興奮性または攻撃性の行動が認められる場合は精神安定剤や鎮静剤による緊急治療が必要となる。こうした状況に対し、いくつかの国ではベンゾジアゼピン単独またはベンゾジアゼピンと抗精神病薬の併用がしばしば行われている。本研究は、行動のコントロールならびに精神症状の軽減に対するベンゾジアゼピン単独または抗精神病薬との併用における効果を、プラセボまたは抗精神病薬単独または抗精神病薬と抗ヒスタミン薬を併用した場合の効果と比較検討することを目的としたものであった。 2012年1月現在のCochrane Schizophrenia Group's registerを検索し、適格試験を詳細に調べ、代表的な試験の著者らを調査した。急性精神疾患患者を対象とし、「ベンゾジアゼピン単独またはベンゾジアゼピン+抗精神病薬」と「抗精神病薬単独または抗精神病薬+その他の抗精神病薬、ベンゾジアゼピンまたは抗ヒスタミン薬」を比較したランダム化臨床試験(RCT)をすべて適格とした。 忠実な方法で試験を選択し、それらの質を評価してデータを抽出した。バイナリ(2値)アウトカムに対しては、固定効果モデルを用いて標準推定相対リスク(RR)と95%信頼区間(CI)を算出した。連続アウトカムに対しては、群間の平均差(MD)を算出した。不均質性を認めた場合はランダム効果モデルを用いて探索した。 主な結果は以下のとおり。・21試験、1,968例を評価の対象とした。・「ベンゾジアゼピン」と「プラセボ」を比較した1試験において、大半のアウトカムで有意差は認められなかったが、プラセボ群のほうが「中期(1~48時間)の改善なし」のリスクがより高かった(1試験、102例、RR:0.62、95%CI:0.40~0.97、エビデンスの質:きわめて低い)。・「ベンゾジアゼピン」と「抗精神病薬」の比較において、中期に改善を認めなかった被検者数に差はみられなかった(5試験、308例、同:1.10、0.85~1.42、低)。ただし、ベンゾジアゼピン群では中期に錐体外路作用(EPS)が少ない傾向にあった(8試験、536例、同:0.15、0.06~0.39、中)。・「ベンゾジアゼピン+抗精神病薬」と「ベンゾジアゼピン単独」の比較において、有意差は認められなかった。・「ベンゾジアゼピン+抗精神病薬」と「同一抗精神病薬単独」との比較(すべての試験でハロペリドールであった)において、中期の改善に群間差は認められなかったが(3試験、155例、同:1.27、0.94~1.70、きわめて低い)、併用療法群で鎮静が得られた患者が多い傾向にあった(3試験、172例、同:1.75、1.14~2.67、きわめて低い)。・しかし、「ベンゾジアゼピン+ハロペリドール」群は、オランザピン群(1試験、60例、同:25.00、1.55~403.99、きわめて低い)またはジプラシドン(国内未承認)群(1試験、60例、同:4.00、1.25~12.75、きわめて低い)に比べ、中期の改善を認めた被検者が少なかった。・「ハロペリドール+ミダゾラム」は、オランザピンと比較して改善、鎮静、行動において優れているという若干のエビデンスが認められた。・以上のように、ベンゾジアゼピン単独使用に関して、良い結果は得られなかった。 良質なデータが非常に少なく、大半の試験はポジティブあるいはネガティブな差を検出するには母集団が少なすぎた。その他の薬剤へのベンゾジアゼピン追加による明らかなメリットはみられず、不要な有害事象の可能性があった。従来の抗精神病薬単独使用(抗コリン薬非併用)の妥当性を評価することは厳しいと思われる。本分野においては、より質の高い研究が求められる。関連医療ニュース 統合失調症患者にNaSSA増強療法は有用か:藤田保健衛生大学 急性期統合失調症、ハロペリドールの最適用量は 抗精神病薬へのNSAIDs追加投与、ベネフィットはあるのか?  担当者へのご意見箱はこちら

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女性のアルツハイマー病リスクに関与する遺伝子パターン

 アルツハイマー病(AD)の病因論に迫るため、ADの主要リスク因子が及ぼす影響に関与していると考えられているエストロゲン受容体(ER)の一塩基多型(SNP)の役割について、スペイン・クルセス大学病院のManuel Fernandez-Martinez氏らは、調査を行った。その結果、アポリポ蛋白E(APOE)遺伝子キャリアの女性において、健忘性の軽度認知障害(MCI)およびADに関連する、SNPの未発現の対立遺伝子の組み合わせがあることを明らかにした。なお、APOE遺伝子はAD発症に密接に関与しており、ADの強力な独立リスク因子の一つであるが、その関与は部分的で他の遺伝子または因子の関与が示唆されていた。BMJ Open誌オンライン版2013年9月18日号の掲載報告。 研究グループは、ERのSNPの役割を明らかにすることを目的とした症例対照研究を行った。具体的には、rs9340799、rs2234693、rs2228480(ESR1遺伝子)とrs4986938(ESR2 遺伝子)について、MCIおよびADのリスク因子としての可能性と、APOE遺伝子との関連の可能性について調べた。被験者は、バスク地方の複数の病院の神経学部門から前向きに集められた、50歳以上の白人816例であった。それぞれの対立遺伝子、遺伝子型について調べ、MCIおよびADとの関連についてロジスティック回帰分析モデルを用いて検証した。 主な結果は以下のとおり。・被験者816例は、MCI患者204例、AD患者350例、健常対照262例であった(診断分類は臨床検査、神経心理学的検査に基づく)。・検証したSNPのESR1遺伝子とESR2遺伝子の対立遺伝子および遺伝子型はいずれも、MCIまたはADのリスクと独立した関連はみられなかった。・しかしながら、これらSNPの未発現対立遺伝子の組み合わせ(XPAAと表される)について、APOE*ε4対立遺伝子を有する女性において、MCI(OR:3.30、95%CI:1.28~8.54、p=0.014)およびAD(同:5.16、2.19~12.14、p<0.001)のリスク増大との関連が認められた。関連医療ニュース これからのアルツハイマー病治療薬はこう変わる アルツハイマー病の進行抑制に関わる脳内分子を特定 アルツハイマー病の早期ステージに対し、抗Aβ治療は支持されるか?

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てんかん児は本当に外傷が多いのか

 小児てんかんを有した子どもは外傷が多いというエビデンスは、頭部外傷を除けば存在しないことが示された。米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のChristine B. Baca氏らが、地域住民コホートから特定した、患児とその健常な兄弟姉妹を対照群とした後ろ向きケースコントール評価にて報告した。Journal of Pediatrics誌オンライン版2013年9月18日号の掲載報告。 研究グループは住民ベースコホートから、9歳以前に小児てんかんと診断された青少年501例(平均年齢15.3歳)とその兄弟姉妹について、過去の損傷経験について調べ評価した。501例のうち133例は複雑部分発作例(神経学的検査結果が異常でIQが<80)、368例は単純部分発作例(神経学的検査結果は正常でIQが≧80)であった。また、単純部分発作例について適合した兄弟姉妹対照群は210例であった。被験者について、これまでに「治療を要した重大で深刻な外傷」の経験(てんかんの診断前または以後で)があるかを調べ、もしある場合は、要した治療の詳細も調べた。 主な結果は以下のとおり。・小児てんかん歴のある青少年の約半数(49.1%)が、外傷経験があると報告した。そのうち8.9%は手術/ 入院を要した。また、17.1%が発作に関連した外傷を有した。・発作に関連した外傷は、単純部分発作例のほうが複雑部分発作例よりも頻度が少なかった(13.6%対27.4%、p<0.01)。・外傷のタイプ別にみると、骨折25.2%(126例)、頭部外傷24.4%(122例)、その他外傷10.2%(51例)、歯の外傷8.4%(42例)、熱傷/ やけど8%(40例)であった。・単純部分発作例について兄弟姉妹対照群と比較した検討では、経験したすべての外傷(全体またはタイプ別)について発生は同程度であった。ただし、頭部外傷についてのみ患児群のほうがより発生が多くみられた(30.0%対19.5%、p<0.02)。・上記の結果を踏まえて、著者は「頭部外傷を除いて、てんかんを有した代表的小児コホートにおける外傷リスクが、適合させた兄弟姉妹対照と比較して増大するというエビデンスはみつからなかった。この所見は、患児が重篤な症例でなければ、あるいは外傷への安全策が広く用いられていれば、外傷リスクは増大しないことを示唆するものといえるだろう」とまとめている。関連医療ニュース てんかん患者、脳内ネットワークの一端が明らかに 「抗てんかん薬による自殺リスク」どう対応すべきか? 小児外傷後てんかんの予防にレベチラセタムは有用

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