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うつ病治療の休職期間、日本は平均79日間

 うつ病治療が必要になったら休職すべきか。あるいは職場のサポート制度を活用しながら働き続けるべきか―。 ルンドベック社(本社:デンマーク・コペンハーゲン)が、このたび取りまとめた「職場でのうつ病の影響調査」によると、日本では就労者の10人に1人がうつ病と診断されており、そのうち73%がうつ病による休職経験があることがわかった。平均休職日数は79日に及び、約半数が5日未満だった米国と比べると10倍以上で、調査国の中でも休職日数の長さは群を抜いていた。 また、管理職層に限定して、うつ病になった従業員に対してどのようなサポートが可能かという項目については、「会社としては正式なサポートを行っていない」との回答が31%に上った。さらに、会社が実施しているサポート制度について、とても良い・良い・どちらでもない・悪い・とても悪い・わからない、の5段階で評価する項目については、好意的な評価(とても良い・良い)にした日本人の割合は21%で、調査国の中で最低だった。 さらに、うつ病の同僚がいると知って「自分に何か役に立てることはないかと尋ねた」人の割合は16%で、英国(53%)、米国(48%)などと比べるとかなり低い数値に留まった。一方、「何もしない」人の割合は40%で、調査国の中でも最高値。続く米国やカナダ(共に20%)、ドイツ(18%)などと比べても倍以上の差がついている。こうした結果から、うつ病治療に対する職場のサポート体制が十分に整わず、休職を選択する人が多い日本の現状が浮き彫りになった。 それに対して、休職者の割合が低い国(トルコ、メキシコ、ブラジルなど)では、会社のサポート体制に対する好意的な評価の割合がおおむね高くなっており(同72%、68%、65%)、これらの国では、働きながら治療を進める人が多いことがうかがえる。 慶應義塾大学が2011年に取りまとめた調査によると、2008年の日本のうつ病性障害の疾病費用は3兆901億円と推定され、このうち2兆円超が就業者の生産性低下による損失と、非就業による損失とされている。 今回の調査結果について、日本版の監修を務めた国際医療福祉大学 医療福祉学部の上島国利教授は、「2015年中に労働安全衛生法の一部を改正する法律が施行され、企業のストレスチェック導入義務化に注目が集まっているが、うつ病に関しては、予防から発症後の職場復帰への対応まで、包括的なメンタルヘルス対策を充実させることが求められている」とコメントしている。 この調査は、ルンドベック社が昨年2月、世界16ヵ国で、就労している(または過去12ヵ月間に働いていた)16歳~64歳の男女、約1万6,000人を対象に行った。このうち、日本の回答者数は1,000人。

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画像診断から統合失調症の理解を深める:高知大

 海馬のサブフィールドを特定する画像診断戦略は、統合失調症の症状と構造的異常を結び付けたり、疾患初期の進行について理解を深めるのに有益な情報を提供しうることが、明らかにされた。統合失調症における海馬容量の低下は、再現性に優れる知見である。また、新たな画像診断技術の開発により、海馬サブフィールド容量の描出が可能となり、被験者の大半が慢性期統合失調症患者であった試験において、疾患感受性や臨床的特性との関連がサブフィールド間で異なることが示されていた。そこで高知大学の河野 充彦氏らは、初回エピソード、亜慢性期および慢性期の統合失調症患者を対象に、多様な海馬サブフィールドの評価を画像診断戦略で行う断面および追跡研究を行った。PLos One誌2015年2月6日号の掲載報告。 検討は統合失調症患者34例と健康対照15例の海馬サブフィールド容量を測定して行われた。患者群の内訳は、初回エピソード患者19例、亜慢性期6例、慢性期9例であった。初回エピソード患者10例と健康対照12例が、6ヵ月後に再度の画像診断を受けた。 主な結果は以下のとおり。・左側海馬の総量は、健康対照との比較において、亜慢性期患者(p=0.04、効果サイズ1.12)、慢性期患者(p=0.009、効果サイズ1.42)で有意に低量であった。・慢性期患者のCA2-3サブフィールド量が、健康対照と比較して有意に低量であった(p=0.009、効果サイズ1.42)。・CA4-DG量は、健康対照と比較して3つの患者群すべてにおいて有意に低量であった(すべてのp<0.005)。・2つの影響を受けたサブフィールド量は、陰性症状の重症度と逆相関の関連が認められた(p<0.05)。・左側CA4-DG量は、疾患初期の6ヵ月間において、わずかだが統計的に有意な低下が認められた(p=0.01)。関連医療ニュース 統合失調症と双極性障害、脳の違いはどこか 遅発型統合失調症、脳の変化に違い:産業医大 レビー小体病を画像診断で層別解析  担当者へのご意見箱はこちら

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抗うつ薬、どれを使う? 選択によって転帰は変わる?(解説:岡村 毅 氏)-317

 自殺関連行動と抗うつ薬の関連を、プライマリケアのデータベースを用いて研究した、プライマリケアの教室からの論文である。 うつ病と診断され投薬を受けた約24万人の患者さんを10年以上追跡し、既遂、あるいは企図(自傷)をアウトカムにして解析をしている。いわゆるSSRI(現代における第1選択薬)に比べて、三環系抗うつ薬では差はなかったが、MirtazapineやVenlafaxine(その他の抗うつ薬とカテゴライズされている)ではリスクが高いことが示された。 3点指摘したい。 まずは、治療薬選択の際のバイアスに関して。ケアネットの読者の皆さまならそういった心配は必要ないのかもしれないが、このような論文をもって「MirtazapineやVenlafaxineは危険というエビデンスが出た」と早とちりする向きがあるやもしれぬので一応述べておくと、MirtazapineやVenlafaxineは英国のガイドラインでは重症のケースに処方されるので、転帰不良であることは当然といえよう。つまり、単純化していえば、軽症にSSRI、重症にMirtazapineやVenlafaxineというわけである。本研究でも当然初診時の重症度などが調整された解析が行われているが十分とはいえず、したがって予想どおりの結果である。なお、これは本論文の考察でも当然のように記載されており、いちいちここで書くようなことではないかもしれないが、誤解するような早とちりが蔓延しているので……。 次に、Combined Antidepressantsが実はハイリスクである。既遂ではn=2なので統計解析に堪え得ないが、企図ではSSRIの2倍となっている。併用しているということは治療が困難に直面している可能性が高く、したがって重症であるので、転帰も不良なのだと考えることができる。一方で、とても意地の悪い見方をすれば、ガイドライン上は奨励されていない併用を行っているプライマリケア医は能力が低いので転帰も不良、という見方もできなくもない。いうまでもなく、評者はプライマリケア医が使命感を持ちきちんと勉強して臨床をしていると信じているので、前者の見方である。 最後に、非精神科医の読者の皆さまに。抗うつ薬の選択も重要だが、実際のうつ病治療の臨床では、(1)きちんと患者さんに信頼されて情報を聞き出すこと(あるいは他人を信頼できない人からも一定の情報を取り出すテクニック)、(2)大体がこんがらがっている患者さんの課題を解きほぐし単純な問題の和に整理すること、(3)何が治療対象で何がそうでないのかを仕分けて共有すること、(4)まれに現れる訳のわからないステークホルダー(たとえば患者さんが調子の悪いほうが心地よい親族など)の調整、といったことのほうが精神科では重要であったりする。手術に際して術者の力量が最も重要であり、どんな器具を使うのかは本質的ではないのと同じように……、と書くと、書き過ぎであろうか。本研究の公衆衛生的価値をおとしめるつもりは毛頭ないし、これらは尺度化しにくいものであるから声高に主張するつもりもないが、薬剤選択に「正解」があるという誤解を避けたいのであえて書きました。

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「家族で食事」はやはり大切だった

 頻繁に家族で食事を取ることは、小児および青年にとって心理社会的によい効果を示し、その効果は女性のほうが大きいことが、カナダ・オタワ大学 Megan E Harrison氏らによって明らかにされた。Canadian Family Physician誌、2015年2月号より掲載報告。 Harrison氏らは、頻繁に家族で食事を取ることが小児および青年の心理社会的効果に影響を及ぼすかどうか、また、その影響は性別で差があるかどうかを明らかにするため、システマティックレビューを行った。 調査は、Ovid社のデータベースを使用し、MEDLINE(1948年から2011年6月5週目まで)とPsycINFO(1806年から2011年7月1週目まで)の検索で文献を特定した。単独または組み合わせて使用した見出しとキーワードは、(1)family、 (2)meal、(3)food intake、(4)nutrition、(5)diets、(6)body weight、(7)adolescent attitudes、(8)eating behaviour、(9)feeding behaviour、(10)eating disordersであった。なお、関連する参考論文についても検討を行った。 検索により得られた1,783編の論文について、以下の基準を満たすことが求められた結果、14編の論文が基準に合致した。なお。調査・分析は2人の独立した調査員によって行われた。1.査読のある英語論文雑誌に掲載されている2.小児および青年を含んでいる3.小児および青年の心理社会的アウトカム(薬物使用、摂食障害、抑うつなど)に対する家族の食事の役割を検討している4.データ解析の統計方法を含む試験デザインが適切である 主な結果は以下のとおり。・頻繁な家族での食事と、青年での摂食障害、飲酒、薬物使用、暴力的な行動、抑うつ、自殺企図は負の相関関係を示した。・頻繁な家族での食事と、自尊心の向上や学校での成功は正の相関関係を示した。・男女別の結果には有意差があり、女性のほうがより顕著な結果を示した。 Harrison氏らはこれらの結果により、「定期的に家族が食事を一緒に取ることのメリットをすべての医療従事者が指導すべきだ」とまとめた。

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アリピプラゾール持続性注射剤の評価は:東京女子医大

 東京女子医科大学の石郷岡 純氏らは、アリピプラゾール月1回投与持続性注射剤(AOM)の有効性および安全性を評価するため、アジア人統合失調症患者を対象にアリピプラゾール経口製剤との非劣性を検証する多施設二重盲検試験を行った。Schizophrenia research誌2015年2月号(オンライン版2014年12月31日号)の掲載報告。 本研究は、スクリーニングフェーズと経口製剤切り替えフェーズ(12週以内)、経口製剤安定期フェーズ(12週以内)、二重盲検フェーズ(52週)により実施された。経口製剤安定期フェーズで4週間安定基準を満たした患者を、AOM(400mg)群とアリピプラゾール経口製剤(6~24mg/日)群に均等に割り付けた。主要評価項目は、カプランマイヤーで推定された26週での精神症状の非増悪/非再発率とした。 主な結果は以下のとおり。・724例がスクリーニングフェーズにエントリーし、502例が経口製剤安定期フェーズに入った。・二重盲検フェーズで455例が、AOM群228例、アリピプラゾール経口群227例に無作為に割り付けられた。・26週での精神症状の非増悪/非再発率は、AOM群95.0%、アリピプラゾール経口群94.7%であり、その差は0.3%(95%CI:-3.9~4.5)であった。アリピプラゾール経口群と比較したAOM群の非劣性は、事前に設定された非劣性の限界値(-15%)を上回る-3.9%であった。・両群において、精神症状と再発基準において悪化が認められた患者の割合は6.6%、安定していた患者の割合は92.5%であった。・すべての理由による中止率は、AOM群25.9%、アリピプラゾール経口群33.5%であった。・AOMは、アリピプラゾール経口製剤と同様に良好な忍容性を示した。 結果を踏まえ著者らは、「アリピプラゾール月1回投与持続性注射剤は、経口製剤との非劣性が示されたことから、安定化した統合失調症患者の維持療法に有用であり、経口製剤と同様な有効性および忍容性を有すると考えられる」と結論付けている。関連医療ニュース アリピプラゾール持効性注射薬の安全性は アリピプラゾール注射剤、維持療法の効果は 持効性注射剤の歴史を振り返る  担当者へのご意見箱はこちら

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トラマドール・アセトアミノフェン、抗うつ作用と腰痛軽減の両方に効果

 トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠(トラマドール・アセトアミノフェン、商品名:トラムセット)は現在、腰椎変性疾患を含む慢性疼痛の治療に汎用されている。岡山大学の鉄永 倫子氏らは、抑うつ傾向にある慢性腰痛患者に対する治療効果を非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と比較検討した。その結果、トラマドール・アセトアミノフェンのほうが腰痛軽減に効果があり、予防的な抗うつ効果も示唆される結果が得られたことを報告した。Journal of Orthopaedic Science誌オンライン版2015年2月3日号の掲載報告。トラマドール群で抑うつスコアが有意に低かった 研究グループは、抑うつ傾向にある慢性腰痛患者に対するトラマドール・アセトアミノフェンの有効性を前向きに検討する目的で、慢性腰痛患者95例のうち自己評価抑うつ尺度(self-rating depression scale:SDS)により抑うつ性ありと認められた70例(男性26例、女性44例、平均年齢64歳)を、トラマドール・アセトアミノフェン群(以下トラマドール群、35例)またはNSAIDs群(35例)に無作為に割り付けて8週間の治療を行った。 評価項目は、疼痛(数値的評価スケール:NRS)、オスウェストリー障害指数(ODI)、疼痛生活障害評価尺度(Pain Disability Assessment Scale:PDAS)、Hospital Anxiety and Depression Scale(HADS)、SDS、疼痛破局的思考尺度(Pain Catastrophizing Scale:PCS)であった。 抑うつ傾向にある慢性腰痛患者に対するトラマドール・アセトアミノフェンの有効性を検討した主な結果は以下のとおり。・8週後のNRSおよびSDSは、NSAIDs群よりトラマドール群で有意に低かった(p<0.05)・ODI、PDASおよびPCSは、両群間で有意差はなかった(それぞれp=0.47、0.09、0.47)。・HADSの不安スコアは両群間で差はなかったが(p=0.36)、HADSの抑うつスコアはNSAIDs群よりトラマドール群で有意に低かった(p<0.05)。・治療関連有害事象の発現率は、両群で同程度であった。

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認知症の糖尿病合併、どのような影響があるか

 糖尿病は、認知障害およびアルツハイマー病(AD)の急速な進行のリスク因子として認識されているが、これまで糖尿病合併の有無により、AD患者の認知機能および日常生活機能低下の程度が異なるか否かについては明らかとなっていなかった。米国・イーライリリー社のHaya Ascher-Svanum氏らは、軽度AD患者における糖尿病の有無が認知機能および日常生活機能に及ぼす影響を検討した。その結果、糖尿病合併例は非合併例に比べ、日常生活機能が有意に低下していること、有意差はなかったものの認知機能低下の程度がより大きかったことを報告した。Clinical Therapeutics誌オンライン版2015年2月9日号の掲載報告。 研究グループは、事後探索的解析にて、糖尿病合併AD患者と糖尿病非合併AD患者の18ヵ月にわたる認知機能および日常生活機能低下について比較した。また、副次目的としてQOL低下について評価した。AD患者を対象としたソラネズマブおよびセマガセスタット関する3件の18ヵ月間無作為化プラセボ対照試験のプラセボ群のデータを分析した。軽度AD(Mini-Mental State Examination[MMSE]スコア20~26)で、ベースライン時に糖尿病を合併している患者と非合併患者のデータを比較し、認知機能について14項目 AD Assessment Scale-Cognitive Subscale(ADAS-Cog14)およびMMSEを用いて評価した。日常生活機能については、AD Cooperative Study-Activities of Daily Living Inventory(instrumental subset)(ADCS-iADL)により評価した。QOLはEuropean Quality of Life-5 Dimensions scale、プロキシバージョン(proxy utility score and visual analog scale score)、AD患者におけるQOLスコア(Quality of Life in AD scale)、患者の自己報告、プロキシ(介護者)バージョンを用いて評価した。ベースラインから18ヵ月後までの認知機能、日常生活機能、QOL測定値の変化に関する群間比較は、傾向スコア、試験、ベースライン時の認知スコア(機能的あるいはQOL)、年齢、性別、教育レベル、アポリポ蛋白E遺伝子のゲノタイプ、投与中のアセチルコリンエステラーゼ阻害薬とメマンチンで補正した反復測定モデル用いた。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時、軽度AD患者の認知機能は糖尿病合併の有無による有意な差は認められなかったが、非合併患者では日常生活機能を示す数値が有意に高かった。・18ヵ月後において、糖尿病合併患者は糖尿病非合併患者と比較して、統計的に有意でなかったが認知機能低下の程度が大きかった[群間差の最小二乗平均:ADAS-Cog14スコア1.61(p=0.21)、MMSEスコア-0.40(p=0.49)]。・また日常生活機能については、糖尿病合併患者において統計学的に有意な低下が認められた(群間差の最小二乗平均:ADCS-iADLスコア-3.07、p=0.01)。・QOL低下に関して両群間に有意な差はみられなかった。 結果を踏まえて著者らは、「軽度AD患者の日常生活機能低下に糖尿病が影響する可能性が示唆された。今回の事後探索的解析の限界を踏まえて、確認された差異の原因を究明すべく研究の積み重ねが期待される」とまとめている。関連医療ニュース 日本人の認知症リスクに関連する食習慣とは? 長期抗コリン薬使用、認知症リスク増加が明らかに 認知症、早期介入は予後改善につながるか

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寛解後、抗てんかん薬はすぐに中止すべきか

 てんかんは慢性的な神経障害であり、全世界に数百万の患者が存在する。主な治療法は抗てんかん薬(AED)であり、これにより発作を抑制し、てんかんをコントロールする。AEDは大半の症例で有効であるが、認知機能や行動の変化といった長期有害事象との関連が指摘されている。そのため、寛解を認めたらAEDを中止することが患者にとって最善だと考えられるが、その最適な中止時期については明らかとなっていなかった。英国・リバプール大学のIsabella Strozzi氏らは、AEDの最適な中止時期を明らかにするため、以前に行ったコクランレビュー(2001年第3号に発表)のアップデートを行った。その結果、小児てんかん患者において、発作寛解期間が2年未満の早期にAEDを中止した場合は再発率が高いことを報告し、抗てんかん薬は、最低2年の寛解期間を経た後に中止すべきことを示唆した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2015年2月11日号の掲載報告。 研究グループは本レビューで、(1)成人および小児てんかん患者におけるAED早期中止または後期中止後の発作再発リスク、てんかん重積状態および死亡率を定量化し比較する、(2)発作再発リスクに影響を及ぼす因子を評価する、(3)安全にAEDを早期中止できる集団を明らかにする、ことを目的とした。Cochrane Epilepsy Group Specialised Register(2014年6月)、CENTRAL (Cochrane Library第5号、2014年5月)、MEDLINE(1946年~2014年6月)、CINAHL(2014年6月23日)、Scopus(1823年~2014年6月)、ClinicalTrials.gov(2014年6月23日)、WHO International Clinical Trials Registry Platform(2014年6月23日)を検索した。また、電子検索で検出された研究の参考文献一覧についても調査した。 成人および小児てんかん患者において、発作寛解期間別にAED中止による影響を評価した無作為化対照試験、早期(発作寛解期間2年未満)のAED中止と後期(発作寛解期間2年以上)のAED中止を比較した研究を検索対象とした。評価者2人が個別にデータを抽出し、試験の質を評価した。各試験におけるリスク比(RR)を95%信頼区間(CI)とともに、また二分法データの要約RRと95%CIは固定効果モデルを用いて算出した。統合RR算出それぞれについて、統計学的不均一性を検査した。また、各対象試験は、Cochrane Handbookの推奨に基づき「バイアスリスク」を評価。GRADE systemによって情報の全体的な質を評価し、2つのSummary of Findingsという表を提示した。 主な結果は以下のとおり。・5件の試験、無作為化された小児てんかん患者924例をレビューの対象とした。・無作為化時の年齢はすべて16歳以下、追跡期間中央値は5.6年であった。・成人を対象とした試験、死亡率あるいはてんかん重積状態をアウトカムとした試験のなかで適格なものはなかった。・AED中止後の発作再発の統合RRは1.34(95%CI:1.13~1.59、p=0.0007)であった。この推定値に基づくと、有害必要数(早期AED中止により1例の発作再発リスクが増加するのに必要な人数)は8例であった(95%CI:5~20)。・統合RR 1.51(95%CI:0.97~2.35、p=0.07)という結果から、AEDの早期中止は部分発作患者における高い再発率と関連することが示された。・欠神発作タイプは、低い再発リスクと関連していた。・EEG所見異常(統合RR:1.44、95%CI:1.13~1.83、p=0.003)、その中でもてんかん様活動(同2.58、2.03~3.28、p<0.0001)、2歳未満あるいは10歳以降での発作発症、てんかん重積状態の既往、知的能力障害(IQ 70未満)、治療前および治療中の発作多発は、高い再発リスクと関連していた。・性別および家族歴と発作再発との間に有意な関連は認められなかった。・全体的にみると、対象とした試験は方法論的な情報に関する報告がなく、オリジナルの試験報告者による情報提供もなかったため、バイアスリスクは低いあるいは不明確と判断された。 ・小児、とくにEEG異常および部分発作の両方(あるいは一方)を有する小児患者は、少なくとも2年の無発作期間を経過した後にAEDを中止すべき、ということを支持するエビデンスが示されていた。・全般発作を有する小児患者については、AEDの中止時期を明確にするエビデンスは不十分であった。・発作を認めない状態にある成人患者のAED中止時期を示すエビデンスはなかった。・最適なAED中止時期と再発を予測するリスク因子を特定するために、より質の高い無作為化対照試験、とくに成人や全般発作の患者を対象とした試験が必要と思われた。関連医療ニュース 小児てんかん、複雑な経過をたどる 抗精神病薬の種類や剤形はアドヒアランスに影響するのか 統合失調症に対し抗精神病薬を中止することは可能か  担当者へのご意見箱はこちら

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薬物過剰摂取のリスクを高める薬物は

 米国・テキサス大学健康科学センター・サンアントニオ校のBarbara J. Turner氏らは、非がん性疼痛に対してオピオイド等を投与された患者を対象に後ろ向きコホート研究を行った。結果、オピオイドならびにベンゾジアゼピン系薬の長期投与は薬物過剰摂取と関連しており、オピオイドのリスクはうつ病患者で最も高いこと、うつ病患者では抗うつ薬の長期使用が過剰摂取のリスクを低下させるが、非うつ病患者ではすべての抗うつ薬使用が過剰摂取のリスクを高めることを報告した。Journal of general internal medicine誌オンライン版2015年2月4日号の掲載報告。 本検討で研究グループは、オピオイド、ベンゾジアゼピン系薬、抗うつ薬およびゾルピデムの処方と、精神障害患者の薬物過剰摂取の関連について調べた。対象は、HMO(健康維持機構)加入者で登録期間が1年以上、2009年1月~2012年7月の間に、非がん性疼痛に対してSchedule IIまたはIIIオピオイドを2つ以上処方された18~64歳の患者であった。評価は、オピオイドを初めて処方された後の薬物過剰摂取による初回入院または通院をアウトカムとした。予測変数として6ヵ月ごとおよび過剰摂取発現の直前6ヵ月のオピオイド使用(1日平均モルヒネ等価量)、ベンゾジアゼピン系薬使用(1日投与量)、抗うつ薬使用(1日投与量)、ゾルピデム使用(1日投与量)を算出するとともに、精神障害(うつ病、不安症/PTSD、精神病)、疼痛関連症状、物質使用障害(アルコール、他の薬物)について調べた。 主な結果は以下のとおり。・薬物過剰摂取例は、計1,385例(0.67%)であった(発生頻度421/10万人年)。・薬物過剰摂取の補正後オッズ比(AOR)は、1日オピオイド量とともに単調に上昇した。・同AORは非うつ病またはオピオイド使用患者との比較で、うつ病かつオピオイド高用量使用(1日100mg以上)患者が最も高かった(AOR:7.06)。・うつ病患者の抗うつ薬長期使用(91~180日)は、短期使用(1~30日)あるいは未使用との比較で、薬物過剰摂取のAORが20%低かった。・非うつ病患者では、抗うつ薬使用により薬物過剰摂取のAORが増加した。未使用との比較において短期使用で最も高かった(AOR:1.98)。・全対象において薬物過剰摂取のAORはベンゾジアゼピン系薬の使用期間とともに増大し、91~180日間で未使用の2.5倍以上となった。関連医療ニュース 抗精神病薬の有害事象との関連因子は なぜSSRIの投与量は増えてしまうのか ベンゾジアゼピン処方、長時間型は大幅に減少  担当者へのご意見箱はこちら

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フルフェナジンデポをいま一度レビューする

 英国・Enhance Reviews社のNicola Maayan氏らは、統合失調症患者に対するフルフェナジンデカン酸およびエナント酸と、経口抗精神病薬およびその他の神経遮断薬のデポ製剤を比較し、臨床的有効性、社会経済的アウトカムを評価するレビューを行った。その結果、フルフェナジンについてエナント酸よりもデカン酸に関するデータのほうが多く存在すること、いずれも有用な抗精神病製剤であること、データの質は低く有害事象データは曖昧だったがフルフェナジンデカン酸は他の経口抗精神病薬よりも運動障害の発生が少なかったことなどを明らかにした。結果を踏まえて著者は、「本検討では、アドヒアランスの面でデポ薬に経口薬を上回る有益性は認められなかったが、このことを単純に日常診療には適用できないと思われる」とまとめている。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2015年2月5日号の掲載報告。 レビューは、Cochrane Schizophrenia Group's Trials Register(2011年2月~2013年10月16日)を検索して行った。フルフェナジンデカン酸またはエナント酸と、プラセボまたは経口抗精神病薬、その他デポ製剤を比較した統合失調症患者を対象とした無作為化試験(RCT)を適格とし分析に組み込み、質の評価やデータの抽出・評価を行った。二分データについて推定リスク比(RR)と95%信頼区間[CI]を算出。分析はintention-to-treatにて行った。正常な連続データについては平均差(MD)を用いた。追跡失敗が50%超の連続データは除外し、不均一性、刊行バイアスの評価を行った。高い不均一性が認められなかった場合、固定効果モデルを用いてすべての分析を行った。本報告では、包含試験のリスクバイアスを評価し、サマリー所見を作成するためにGRADE(Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation)アプローチ法を用いた。 主な結果は以下のとおり。・無作為化試験73件、被験者4,870例を解析に組み込んだ。・全体的に、エビデンスの質は「低い」「非常に低い」ものであった。・プラセボと比較してフルフェナジンデカン酸の使用は、死亡において有意差をもたらさなかった。・また、6ヵ月~1年間における再発についても、低下をもたらさなかったが、1件の長期試験においてフルフェナジン群で再発が有意に減少したことが報告されていた(54例、RCT 1件、RR:0.35、95%CI:0.19~0.64、エビデンスの質は非常に低い)。・中期試験(6ヵ月~1年)で早期に離脱した被験者数は、フルフェナジンデカン酸群(24%)とプラセボ群(19%)でほぼ同程度であった。一方で2年の試験で、フルフェナジンデカン酸を支持する有意な結果が示されていた(54例、RCT 1件、RR:0.47、95%CI:0.23~0.96、エビデンスの質は非常に低い)。・Brief Psychiatric Rating Scale(BPRS)で評価または錐体外路の副作用で判断された精神状態において、有意差は認められなかった。ただしこれらのアウトカムは、それぞれ1件ずつの小規模試験で報告されていただけであった。・フルフェナジンデカン酸とプラセボを比較した試験において、全体的な状態または入院における臨床的に有意な変化は報告されていなかった。・中期的に、フルフェナジンデカン酸が経口神経遮断薬と比較して再発を減らすことは認められなかった(419例、RCT 6件、RR:1.46、95%CI:0.75~2.83、エビデンスの質は非常に低い)。小規模試験での検討であったが、全体的な状態の臨床的に有意な変化は認められなかった。・フルフェナジンデカン酸群(17%)と経口神経遮断薬(18%)群の間で、試験早期に離脱した被験者数の差はみられなかった。また、BPRS評価の精神状態でも有意差はみられなかった。・錐体外路系の副作用は、経口神経遮断薬と比較してフルフェナジンデカン酸投与を受けた人において有意に少数であった(259例、RCT 3件、RR:0.47、95%CI:0.24~0.91、エビデンスの質は非常に低い)。・フルフェナジンデカン酸と経口神経遮断薬を比較した試験において、死亡または入院の報告はなかった。・フルフェナジンデカン酸とフルフェナジンエナント酸の間に、中期的に、再発率の有意な差はみつからなかった(49例、RCT 1件、RR:2.43、95%CI:0.71~8.32、エビデンスの質は非常に低い)。直近や短期の試験においても差は不確かであった。・試験早期における離脱者の報告をしていたのは、1件の非常に小規模の試験で(29% vs. 12%)、BPRS評価の精神状態は報告されていたが、どちらのアウトカムも有意差はみつからなかった。・フルフェナジンデカン酸とフルフェナジンエナント酸の間に、錐体外路系副作用の有意差は認められなかった。・フルフェナジンデカン酸とフルフェナジンエナント酸を比較した試験において、死亡、および臨床的に有意な変化(全体的な状態または入院)は報告されていなかった。関連医療ニュース 持効性注射剤の歴史を振り返る いま一度、ハロペリドールを評価する アリピプラゾール持効性注射薬の安全性は  担当者へのご意見箱はこちら

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ヨガの呼吸法や瞑想、産前うつ軽減によい

 産前うつは、母体と胎児のどちらに対しても身体的、精神的な悪影響を及ぼす可能性がある。産前うつに対するヨガの有効性を明らかにするため、中国・第二軍医大学のHong Gong氏らは、6件の無作為化対照試験(RCT)の妊婦375例を対象に、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。その結果、呼吸法や瞑想を通して深いリラックスを促すタイプのヨガにより、うつが軽減されることを報告した。BMC Psychiatry誌オンライン版2015年2月5日号の掲載報告。 本検討では、産前うつマネジメント介入としてヨガの効果を評価した。2014年7月までに本件に関して報告のあったすべての試験を、PubMed、Embase、Cochrane Library、PsycINFOを用いて検索し、RCTのシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・システマティックレビューの対象として6件のRCTを特定した。・対象は妊婦375例で、大半が20~40歳であった。・うつ病の診断は、DSM-IV構造化臨床面接およびCES-D(うつ病自己評価尺度)のスコアに基づいて行った。・ヨガ群は、対照群(標準的産前ケア群、標準的産前エクササイズ群、ソーシャルサポート群など)と比較し、うつレベルの有意な低下が認められた(標準化平均差[SMD]:-0.59、95%信頼区間[CI]:-0.94~-0.25、p=0.0007)。・1群のサブグループ解析において、産前うつ女性および非うつ女性のいずれも、ヨガ群では対照群と比べうつ症状レベルが有意に低いことが示された(産前うつ女性SMD:-0.46、95%CI:-0.90~-0.03、p=0.04 / 産前非うつ女性SMD:-0.87、-1.22~-0.52、p<0.00001)。・また、2種類のヨガ、すなわち「身体的運動を中心とするヨガ」と、それに加えて「ヨガの呼吸法(pranayama)や瞑想、深いリラックスを促す統合ヨガ」の産前うつに対する効果を予測するサブグループ解析も行った。・その結果、統合ヨガ群でうつレベルの有意な低下が示された(SMD:-0.79、95%CI:-1.07~-0.51、p<0.00001)。身体的運動を中心としたヨガ群では有意な低下は認められなかった(同:-0.41、-1.01~0.18、p=0.17)。・妊婦における産前のヨガ運動は、うつ症状の部分的軽減に有効な可能性が示唆された。関連医療ニュース 産後うつ病への抗うつ薬治療、その課題は ヨガはうつ病補助治療の選択肢になりうるか 統合失調症女性の妊娠・出産、気をつけるべきポイントは  担当者へのご意見箱はこちら

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統合失調症患者のQTc延長、アジア人では低い

 これまで、アジア人統合失調症患者におけるQT間隔(QTc)延長のパターンについては、ほとんど知られていなかった。中国・マカオ大学のYu-Tao Xiang氏らは、統合失調症のアジア人患者におけるQTc延長の発生状況と患者背景との関連について検討した。その結果、アジアではQTc延長の発生頻度は低く2.4%であったこと、また2004年と2008/2009年を比べると減少が認められ、なかでも中国と香港で顕著な減少がみられたことを明らかにした。さらに、原因薬剤の中でもチオリダジンが最も高頻度にQTc延長を引き起こしていたことなども報告した。Human Psychopharmacology誌オンライン版2015年1月22日号の掲載報告。 研究グループは、アジアの6つの国と地域において、2004年から2008/2009年にかけての統合失調症入院患者のQTc延長発生状況の傾向、およびその人口動態学的ならびに臨床的な関連を検討した。入院中の統合失調症患者3,482例(2004 年:1,826例、2008/2009 年:1,656例)のデータを1ヵ月間かけてカルテ審査あるいはインタビューにより収集した。標準的なプロトコルおよび収集手順を用いて、患者の社会人口学的特性、臨床的特徴、抗精神薬の処方、QTc間隔を記録した。 主な結果は以下のとおり。・全サンプルにおけるQTc延長(>456 ms)の発生頻度は2.4%であった。・経時的推移をみると、2004年に3.1%であったのが、2008/2009年には1.6%と有意な減少が認められた(p = 0.004)。ただし、国により大きなばらつきがみられた。・上記の減少傾向は、中国と香港でのQTc延長の発生頻度減少によるところが大きかった(いずれもp<0.05)。・全サンプルの多重ロジスティック回帰分析により、この傾向は罹病期間が5年以上、アリゾナCERT(Arizona Centre for Education and Research on Therapeutics)のリスト‐1に分類される抗精神病薬の投与を受けている患者でみられた。・2004年と比較し、2008/2009年はQTc延長を示す患者が少ない傾向がみられた。・QTc延長を最も高頻度に引き起こした薬剤はチオリダジンで(オッズ比[OR]:4.4、95%信頼区間[CI]:1.2~15.2)、次いでスルピリド(同:2.4、1.3~4.5)、クロザピン(同:2.4、1.4~4.2)、クロルプロマジン(同:1.9、1.07~3.5)の順であった。・以上のように、アジア人統合失調症患者におけるQTc延長の発生頻度は低かった。・2004年から2008/2009年にかけて同発生頻度は、中国と香港では減少していたが、台湾では増加していた。その他の国は低いままであった。関連医療ニュース 統合失調症患者は血栓症リスク大 統合失調症患者の突然死、その主な原因は 統合失調症の心血管リスク、その出現時期は  担当者へのご意見箱はこちら

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持効性注射剤の歴史を振り返る

 フランス・ロウファッハ総合病院のM. A. Crocq氏は、抗精神病薬の持効性注射剤(LAI)による統合失調症治療について歴史的観点からまとめた。L'Encephale誌オンライン版2015年1月15日号の掲載報告。 報告の概要は次のとおり。・1952年、クロルプロマジン(フェノチアジン誘導体)が統合失調症の治療薬として導入された。・その後、間もなく抗精神病薬LAIが開発され、1966年には最初のLAIとしてエナント酸フルフェナジンが誕生し、1968年にはデカン酸フルフェナジンも登場した。他の第1世代抗精神病薬のLAIも1960~1970年代に相次いで開発された。・第1世代抗精神病薬のLAIは、地域精神医学の発展に貢献した。潜在的なノンコンプライアンスを予防し、患者への社会的・精神的支援がコンプライアンスをさらに高めた。・しかし、第2世代抗精神病薬が登場すると、LAIへの関心は失われていった。・2003年、第2世代抗精神病薬LAIが誕生した。これをきっかけに再びLAIへの関心が高まり、2003〜2013年の10年間で4つの第2世代抗精神病薬LAIが承認された。・第2世代抗精神病薬LAIは、第1世代抗精神病薬LAIとはデポ技術(薬剤を貯留し徐々に放出する技術)が異なるだけではなく、治療の目的も異なっている。・第2世代抗精神病薬LAIを用いることによって、治療の自己中断による再発を予防できるだけではなく、一定した血中濃度が得られるため血中濃度上昇による副作用や血中濃度低下による効果減弱を低減できる。さらに、急性症状のコントロールに限らず、予後の鍵を握る陰性症状や認知障害の軽減を目指すことができる。関連医療ニュース アリピプラゾール持効性注射薬の安全性は 抗精神病薬の種類や剤形はアドヒアランスに影響するのか 抗精神病薬注射剤を患者は望んでいるのか  担当者へのご意見箱はこちら

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統合失調症患者は血栓症リスク大

 オーストラリア・シドニー大学のVincent Chow氏らによる検討の結果、統合失調症患者について、静脈血栓塞栓症のリスク増大に寄与する可能性がある、複数要因から成る凝固亢進状態および線溶低下状態を有するとのエビデンスが示された。これまで、同患者では静脈血栓塞栓症のリスク増大がみられていたが、その機序についてはほとんどわかっていなかった。Schizophrenia Research誌オンライン版2015年1月26日号の掲載報告。 研究グループは、統合失調症患者において、血液凝固能が亢進状態にあるのか否かを調べるため、総合的止血能(OHP)アッセイを用いて、総合的凝固能(OCP)、総合的止血能(OHP)、総合的線溶能(OFP)を評価した。アッセイは、抗精神病薬治療を長期間受けている統合失調症患者からクエン酸添加血漿を採取し、血漿に組織因子および組織プラスミノーゲンアクチベータを添加した後、フィブリン形成および分解の時間的経過を分光分析法(405nmの吸光)により測定し、年齢、性別をマッチさせた健常対照と比較した。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者90例(抗精神病薬治療期間15.9±9.7年)と、対照30例が登録された。・統合失調症患者では、喫煙率と炎症マーカーの値が健常対照と比較して高かった(高感度CRP、好中球/リンパ球比)。・D-ダイマー、フィブリノゲン、血小板数については、統合失調症患者と健常対照の間に差はなかった。・しかし、統合失調症患者において、OCP(54.0±12.6 vs 45.9±9.1、p=0.002)およびOHP(12.6±5.8 vs 7.2±3.7、p<0.001)が高く、OFP(76.6±9.8% vs 84.9±6.4%、p<0.001)は低いことが示された。これらの結果から、統合失調症患者において凝固亢進状態と線溶低下状態の両方が存在することが示唆された。・さらに、総合的な凝固異常が、プラスミノーゲンアクチベータ‐1、フィブリノゲン、血小板数、炎症マーカー、血漿トリグリセリドの各数値により独立して予測された点は重要な知見であった。すなわち原因となる因子は複数あることが示唆された。関連医療ニュース 統合失調症患者の突然死、その主な原因は 統合失調症の心血管リスク、その出現時期は 抗精神病薬の高用量投与で心血管イベントリスク上昇:横浜市立大

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うつ病急性期治療、どの抗うつ薬でも差はない

 抗うつ薬治療による急性期からのアウトカムを評価した結果、薬物間で差はみられなかったことが明らかにされた。米国・オハイオ州立大学医学部のRadu Saveanu氏らによる、最適なうつ病治療予測のための国際研究(International Study to Predict Optimized Treatment in Depression:iSPOT-D)からの報告で、今回の結果について著者は、「治療アウトカムの神経生物学的および遺伝子的な予測因子を明らかにする根拠となり得るものだ」と述べている。Journal of Psychiatric Research誌2015年2月号の掲載報告。 本検討で研究グループは、プラクティカルなデザインの大規模国際コホート試験に参加した、大うつ病性障害(MDD)を有する外来患者の特徴づけを行った。目的は、MDD急性期治療に用いられる一般的な3つの抗うつ薬治療に伴うアウトカムの、臨床的に有用な予測因子を特定するためであった。 iSPOT-Dには、5ヵ国・17地点で治療を必要としていた外来患者(18~65歳)1,008例が登録された。治療前に、症状、病歴、機能的状態、併存疾患による特徴づけが行われた。被験者は、エスシタロプラム、セルトラリン、徐放性ベンラファキシンを受ける群に無作為に割り付けられ、医師による各治療と通常診療が行われた。8週後に、症状、機能、QOL、副作用のアウトカムを評価した。また、不安症と治療反応および寛解との関連を、Axis I診断、不安症状の存在/消失、不安症状重症度により複合的に評価した。 主な結果は以下のとおり。・評価対象者は、中等度~重度の症状を有しており、重大な併存疾患および機能障害もみられた。・8週時点の評価が完了した参加者のうち、うつ病に関する17項目ハミルトン評価尺で、62.2%が治療反応を示し、45.4%が寛解を達成していた。16項目簡易抑うつ症状評価尺度では、それぞれ53.3%、37.6%であった。機能的改善は、全領域の評価について認められた。・大部分の被験者で副作用がみられ、発生頻度は25%弱であった。一方で大部分の被験者は、わずかな/軽度の強度や負荷については「なし」と報告した。・アウトカムは、治療薬間で差はみられなかった。・治療前に不安症状がより重度であることと寛解率が低いこととの関連が、すべての治療において認められた。抑うつ症の重症度、併存疾患や副作用との関連はみられなかった。・すべての治療薬において、症状、機能、および併存した不安症の予後で一貫した同程度の改善がみられた。関連医療ニュース 各種抗うつ薬の長期効果に違いはあるか 新規抗うつ薬の実力、他剤比較で検証 なぜSSRIの投与量は増えてしまうのか  担当者へのご意見箱はこちら

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長期抗コリン薬使用、認知症リスク増加が明らかに

 抗コリン作用を有する薬剤の累積使用量が多いほど、認知症およびアルツハイマー病の発症リスクが高まることが、米国・ワシントン大学のShelly L Gray氏らが行った前向き住民ベースコホート試験の結果、明らかにされた。抗コリン作用を有している薬剤は多い。これまでの検討で、抗コリン作用誘発性の認知障害は、抗コリン薬の中止により回復すると考えられている。一方で、抗コリン作用を有する薬剤が、認知症リスク増加と関連する可能性については、少数の検討しか行われていなかった。今回の結果を踏まえて著者は、「抗コリン薬の長期使用を最小限に抑えるため、薬剤に関連するリスクの可能性について医療関係者および高齢者の認識を高める努力が重要である」と指摘している。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2015年1月26日号の掲載報告。 試験は、ワシントン州シアトルの統合保険提供システムGroup Healthが実施した Adult Changes in Thought studyのデータを使用して行われ、抗コリン作用を有する薬剤の累積使用が、認知症発症の高リスクと関連するか否かを検討した。対象は、試験登録時に認知症を認めない65歳以上の3,434例であった。被験者の募集は1994~1996年、2000~2003年に実施され、2004年以降は、死亡による入れ替えが継続的に行われた。全被験者について2年ごとにフォローアップを実施。本報告には2012年9月30日までのデータが含まれている。抗コリン作用を有する薬剤の累積投与量は、薬物処方記録データを使用して、過去10年間に処方された標準的1日投与量の合算(TSDD)として算出した。なお、前駆症状に関わる使用を避けるために、直近12ヵ月間の薬剤使用については除外。累積投与量はフォローアップ時に更新された。主要評価項目は、標準的な診断基準を用いて評価した、認知症およびアルツハイマー病発症の有無とした。統計解析は、患者背景、健康に関わる行動、併存してみられる症状など健康状態で補正し、Cox比例ハザード回帰モデルを使用して行われた。 主な結果は以下のとおり。・処方頻度が高かった抗コリン薬の種類は、三環系抗うつ薬、第1世代抗ヒスタミン薬、膀胱に作用する抗ムスカリン薬であった。・平均フォローアップ期間7.3年の間に、797例(23.2%)が認知症を発症した(そのうち673例 [79.9%]がアルツハイマー病)。・10年間の累積投与量と認知症およびアルツハイマー病との間に関連がみられた(傾向検定のp<0.001)。・認知症に関して、抗コリン薬非使用に対する累積使用の調整ハザード比は、1~90TSDDの場合0.92(95%信頼区間[CI]:0.74~1.16)、91~365TSDDの場合1.19(同:0.94~1.51)、366~1,095TSDDの場合1.23(同:0.94~1.62)、1,095超TSDDの場合は1.54(同:1.21~1.96)であった。 ・アルツハイマー病に関しても、同様のパターンが示された。・2次解析、感度解析、事後解析によっても結果に変わりはなかった。関連医療ニュース 抗コリン薬は高齢者の認知機能に悪影響 ベンゾジアゼピン処方、長時間型は大幅に減少 統合失調症患者の抗コリン薬中止、その影響は

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Twitterの言葉で心疾患死亡リスクを予測

 敵意や慢性ストレスは心疾患の危険因子として知られているが、大規模な研究はコストがかかる。米国・ペンシルベニア大学のJohannes C Eichstaedt氏らは、アテローム硬化性心疾患による年齢調整死亡率についてコミュニティレベルにおける心理的な相関をみるため、Twitter上の言葉を評価した。その結果から、著者らは「ソーシャルメディアを通じてコミュニティの心理的特性を把握することは可能であり、これらの特性はコミュニティレベルでの心血管疾患死亡率の強いマーカーとなる」と結論している。Psychological science誌オンライン版2015年1月20日号に掲載。 主な結果は以下のとおり。・ネガティブな社会関係や離脱(disengagement)、感情(とくに怒り)を反映した言葉は、心疾患死亡率の高さと関連した。一方、ポジティブな感情や心理的なつながりを反映した言葉は、心疾患死亡率の低さと関連した。この関連のほとんどが、収入や教育について調整した後も有意なままであった。・Twitter上の言葉のみによる断面回帰モデルは、一般的な人口統計学的因子、社会経済的因子、健康リスク因子(喫煙・糖尿病・高血圧症・肥満など)を組み合わせたモデルよりも、アテローム硬化性心疾患の死亡率予測の精度が優れていた。

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統合失調症の正確な早期診断のためには

 統合失調症では早期の正確な診断と治療が、患者に長期的な利益をもたらすとされている。英国・Enhance Reviews社のKarla Soares-Weiser氏らは、診断ツールとしてFirst Rank Symptoms(FRS)が有用であるかどうか、その診断精度についてレビューした。その結果、FRSの統合失調症の識別能は75~95%であること、トリアージでの使用においては100例につきおよそ5~19例に誤った診断が下る可能性があることや診断感度は60%であることなどを報告した。結果を踏まえて著者は、「FRSに依存すると治療の遅れや中断などが生じる可能性があるが、現状では、臨床症状のばらつきが大きな疾患に対する簡便、迅速かつ有用なツールである」と述べている。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2015年1月25日号の掲載報告。 研究グループは、統合失調症におけるFRSの診断精度を調べるため、非器質性精神症状を有すると思われる成人および青少年についての専門家(精神科医、看護師、ソーシャルワーカーなど)による診断歴や検査結果を照合した。ICDやDSMといった診断基準やチェックリスト使用の有無は問わなかった。MEDLINE、EMBASE、PsycInfo using OvidSPを介して、2011年4、6、7月と2012年12月に該当文献を検索、2013年12月にMEDIONの検索も行った。QUADAS-2を用いて、バイアスリスクを評価した。 主な結果は以下のとおり。・21試験、被験者6,253例(うち解析に包含したのは5,515例)を解析に組み込んだ。試験は1974~2011年に行われたもので、うち80%は1970年代、80年代または90年代に行われた試験であった。・大半の試験で、試験方法の報告が不十分であった。また多くに、適用可能性に関する強い懸念があった。・FRSが統合失調症とその他疾患を識別した感度は57%(50.4~63.3%)、特異度は81.4%(74%~87.1%)であった(20試験)。・また、FRSが統合失調症と非精神病性精神障害とを識別した感度は61.8%(51.7~71%)、特異度は94.1%(88~97.2%)であった(7試験)。・FRSが統合失調症とその他タイプの精神疾患を識別した感度は58%(50.3~65.3%)、特異度は74.7%(65.2~82.3%)であった(16試験)。・以上、分析に組み込んだ試験は過去のものが多く質的に限定的であるが、当時の時点で、FRSが統合失調症の人を正しく特定した割合は75~95%であった。・トリアージにおけるFRSの使用は、100例につき5~19例については統合失調症を有すると誤った診断をする(専門家はその診断に同意しない)可能性が示された。それでもなお、これらの人々は、専門家の評価を受けることが適当であったり、行動や精神状態の重度の障害により援助の対象となる可能性があった。・また、FRSの診断感度は60%であった。すなわちトリアージでFRSを参照することで、約40%の人(専門家は統合失調症であるとみなしているが)については誤った診断が下る可能性があった。トリアージでFRSに依存して統合失調症の診断を行った場合、適切な治療を受けることが遅れたり、早期に治療が中断される人が出る可能性があった。・そうしたエラーを回避するためには、FRSの限界を知ったうえで使用する必要がある。・今後のコクランレビューで、新たな試験のより良い結果が示されることが望まれる。しかし、新たな試験がない場合でも、FRSは統合失調症が疑われる人の初回スクリーニングでは、なお有用と考えられる。・現状ではFRSは、ばらつきの大きな疾患における簡便、迅速かつ有用な臨床指標である。関連医療ニュース 統合失調症患者を発症前に特定できるか:国立精神・神経医療研究センター 抗精神病薬は統合失調症患者の死亡率を上げているのか 抗精神病薬の種類や剤形はアドヒアランスに影響するのか  担当者へのご意見箱はこちら

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抗精神病薬の種類や剤形はアドヒアランスに影響するのか

 抗精神病薬のアドヒアランスは統合失調症の治療成績向上に寄与するが、アドヒアランス行動に最も影響している要因についてのコンセンサスはない。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのKyra-Verena Sendt氏らは、その要因を特定すべくシステマティックレビューを行った。対象論文の選定は方法論的に難しく、多くの研究が小規模であり、アドヒアランス率も大きく異なっていたが、いくつかの要因について知見が得られた。著者らは、「この分野の研究では横断的デザインが広く用いられているが、臨床的に意義のある枠組みを提示するためには自然主義的で長期にわたる大規模な前向き研究を優先的に行うべきである」とまとめている。Psychiatry Research誌2015年1月号の掲載報告。 研究グループは、統合失調症スペクトラム障害の薬物療法に対するアドヒアランスに関与する要因を特定する目的でアドヒアランス、抗精神病薬、統合失調症に関する論文を検索し、方法論的に厳密な研究を適格とした。計13件(6,235例)の観察研究データがレビューに組み込まれた。 主な結果は以下のとおり。・報告されたアドヒアランス率は、47.2~95%と大きく異なっていた。・薬物療法に積極的に取り組む姿勢および病識が、より良好なアドヒアランスと一貫して関連する唯一の要因であった。・社会人口統計学的特性、症状の重症度、副作用とアドヒアランスとの関連については、矛盾した結果が得られた。・個別の治療関係、若年者における社会的支援は、良好なアドヒアランスと関連していた。・抗精神病薬の種類や剤形、神経認知機能はアドヒアランスに影響しないことが示唆された。関連医療ニュース 調査:統合失調症患者における抗精神病薬の服薬状況 持効性注射剤のメリットは?アドヒアランスだけではなかった アリピプラゾール持効性注射薬の安全性は  担当者へのご意見箱はこちら

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