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認知症発症予測に歩行速度や嗅覚テスト

 軽度認知障害(MCI)、認知症、死亡率における、老化に伴う危険因子の性質および共通性は、よくわかっていない。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のDarren M Lipnicki氏らは、認知機能が正常な多くの人々を含む6年間のシングルコホート研究で潜在的な危険因子を同時に調査した。Journal of the American Medical Directors Association誌オンライン版2016年12月31日号の報告。 対象者は、Sydney Memory and Ageing研究の地域住民873例(70~90歳、ベースライン時に認知症なし)。ベースラインから6年後、認知機能正常、MCIまたは認知症を発症、死亡に分類した。ベースライン時の患者背景、ライフスタイル、健康状態、医学的要因、アポリポ蛋白E(APOE)遺伝子型を調査した。対象には、ベースライン時MCIであったが2年以内に寛解した患者を含んだ。 主な結果は以下のとおり。・83例(9.5%)が認知症を発症、114例(13%)が死亡した。・約33%はベースライン時MCIであったが、そのうち28%は2年以内に寛解した。・ベースライン要因のコアセットは、MCIおよび認知症と関連していた。 ●高齢(1年当たりのオッズ比[95%CI]):MCI(1.08[1.01~1.14])、認知症(1.19[1.09~1.31]) ●ベースライン時のMCI(1年当たりのオッズ比[95%CI]):MCI(5.75[3.49~9.49])、認知症(8.23[3.93~17.22]) ●嗅覚の低下(追加試験当たりのオッズ比[95%CI]):MCI(0.89[0.79~1.02])、認知症(0.80[0.68~0.94]) ●歩行速度の遅さ(1秒当たりのオッズ比[95%CI]):MCI(1.12[1.00~1.25])、認知症(1.21[1.05~1.39]) ●APOEε4キャリア(1年当たりのオッズ比[95%CI]):MCI(1.84[1.07~3.14])、認知症(3.63[1.68~7.82])・APOE遺伝子型を除くすべてが死亡率と関連していた(年齢:1.11[1.03~1.20]、MCI:3.87[1.97~7.59]、嗅覚:0.83[0.70~0.97]、歩行速度:1.18[1.03~1.34])。・2年以内にMCIから寛解した患者は、認知機能正常者と比較し、将来のMCIリスクが高かった(3.06[1.63~5.72])。・2年以内にMCIから寛解した患者は、MCI患者よりも、ベースライン時のリスク要因と6年後のアウトカムとの間に異なる関連性を示した。 著者らは「身体的および精神的な脆弱性を示す高齢リスク要因のコアグループは、6年後の認知症やMCI発症、死亡率のそれぞれと関連が認められた。歩行速度の遅さや嗅覚の低下に関する検査は、認知機能低下をスクリーニングするうえで役立つと考えられる。MCIの病歴を有する高齢者は、将来に認知機能障害リスクが高くなる」としている。関連医療ニュース 脳トレーニングで認知症予防、認知機能低下リスクが20~30%減 歩くのが遅いと認知症リスク大 魚を食べると認知症は予防できるのか

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「カイジ」と「アカギ」(前編)【ギャンブル依存症とギャンブル脳】

今回のキーワードカジノを含む統合型リゾート(IR)行動経済学システム化報酬予測ニアミス効果損失回避欲求自助グループ(GA)ギャンブル依存症とは?現在、国はカジノを含む統合型リゾート(IR)の実施に向けて動き出しています。皆さんはギャンブルに興味はありますか?宝くじくらいはやったことがありますか? 宝くじだけでなく、パチンコ、パチスロ、競馬、競輪、競艇、オートレースなど様々なギャンブルがあります。そして、これらのギャンブルをやめたくてもやめられない人たちは、ギャンブル依存症と呼ばれます。国は、カジノの実地の成功に向けて、この対策にも乗り出しています。彼らは、なぜギャンブルをするのでしょうか? なぜ男性に多いのでしょうか? そもそもなぜギャンブルは「ある」のでしょうか? そして、どうすれば良いのでしょうか? これらの疑問を解き明かすために、今回、福本伸行氏のシリーズ作品の「カイジ」と「アカギ」をまとめて取り上げます。この2人に共通するのは、命がけのギャンブルをしていることです。そして、彼らのセリフには人生哲学があることです。彼らの名セリフを通して、ギャンブルの心理(ギャンブル脳)を、進化医学的な視点で解き明かし、行動経済学的な応用をご紹介します。そして、ギャンブル依存症への対策を探っていきましょう。どんな症状がある?―表1カイジは、上京して3年間、1日も働かず、しょぼいギャンブルをして、金がないと泣き、路上に駐車中の高級車をパンクさせるなどのいたずらを繰り返す「クズ人間」でした。そんな中、不本意な借金の返済話が舞い込み、一念発起して、命がけのギャンブルに挑んでいきます。ストーリーの中で、カイジは、ギャンブルで兵藤(難敵)に敗れ、一時的に片耳と4本の指を失う痛手を負います。それでも、しばらくしたら、遠藤(仲介人)の前に現れ、「紹介してくださいよっ…ギャンブルっ…!」「分かるんですっ…!次は勝てる…!絶対にね…!となりゃあ…ここで引く手はないっ!」と言います。さすがの遠藤もドン引きしますが、カイジは引き下がらず、迫るのです。カイジは、完全にギャンブルに心を奪われています(渇望)。これは、ギャンブルに限らず、依存症(嗜癖)の根っこにある心理で、診断基準の重要な1つです。また、別のシーンで、カイジと手を組んだ坂崎は、負けが込んでくると、「勝たにゃあならんっ…!取り返さにゃあならんのだっ…!」と言います。負けた分を取り返そうと、さらにギャンブルを深追いしています(負け追い行動)。完全に熱くなっており、冷静な判断力を失っています。これも、診断基準の1つです。なぜギャンブルをするの? -夢、勝負、そして覚悟カイジは、なぜギャンブルをするのでしょうか? その答えは、ギャンブルは男のロマンだからです・・・と言うのは、冗談ではなく、本当です。ここから、ギャンブルを依存症というマイナス面だけでなく、生き様というプラス面として、この男のロマンという「男らしさ」の心理を、「夢」「勝負」「覚悟」の3つのキーワードから解き明かしてみましょう。(1)夢を追う行動力カイジは、「限定ジャンケン」という頭脳戦のギャンブルで、勝負半ばですでに敗色濃厚となった参加者たちがトイレに吹き溜まって泣いているのを発見します。あまりの絶望的な雰囲気に、カイジは「奴ら…」「言っちゃ悪いが正真正銘のクズ…」「負けたからクズってことじゃなくて可能性を追わないからクズ…」とつぶやきます。また、カイジが地下の強制労働施設で重労働を課せられている時のシーン。当初、外出券の獲得のために、少ない賃金を節制しようとします。その矢先、ビールとおつまみを売り込もうとする班長からの甘い誘惑に負けてしまいます。班長は、ビールと焼き鳥をほおばるカイジを遠目に見てあざ笑います。「食べ終わったら…奴はとりあえず満足して…こう考えるだろう。明日からがんばろう…明日から節制だ…!と…!が…その考えがまるでダメ…『明日からがんばろう』という発想からは…どんな芽も吹きはしない…!そのことに20歳を越えてまだ…わからんのか…!?明日からがんばるんじゃない…今日…今日だけがんばるんだっ…!今日をがんばった者…今日をがんばり始めた者にのみ…明日が来るんだよ…!」と。班長はカイジの心の奥底を見透かしていたのでした。カイジは、この時、易きに流されていたのです。1つ目の心理は、可能性を追う、つまり一攫千金などで成り上がりの夢を追う行動力です。これは、人生に置き換えると、夢や目標に向かって全力を尽くして、その瞬間その瞬間を必死になって努力することです。例えば、仕事にしても恋愛にしても普段の生活の中で積極的に動いているかということです。逆に言えば、受け身のままであったり、簡単にあきらめ、安楽な娯楽に満足するのは、「男らしくない」ということになります。ちなみに、この夢や目標が大きすぎる場合がギャンブルであるといえます。(2)勝負に挑む決断力かつてカイジは、人生の岐路に立たされるたびに、いつも決断を他人に委ね、流されるままに生きてきました。そんなカイジは、ギャンブルの大勝負で追い詰められる中、「他人なんか関係ねえんだよ…!オレだっ…!オレだっ…!オレなんだっ…!肝心なのはいつも…!オレがやると決めてやる…ただそれだけだっ…!」と気付くのです。カイジの成長ぶりがうかがえます。一方、「アカギ」の主人公の赤木は、カイジとは対照的に、最初からどこまでもクールです。赤木に敗れて多額の借金を背負った浦部(対戦相手)が「いつか必ずおまえを倒す」と怒りの声を上げるシーン。すると、赤木は、相手の借金と相手の両手首を賭けて、もう1回の勝負を吹っかけます。しかし、相手はこの勝負を受けません。この時、赤木は「あの男は死ぬまで純粋な怒りなんて持てない。ゆえに本当の勝負も生涯できない。奴は死ぬまで保留する…」と言い、去っていきます。赤木は、浦部の「倒す」という怒りが本物ではないと見抜いていたのでした。2つ目の心理は、勝負に挑む決断力です。これは、人生に置き換えると、やるかやるまいか迷った時に、リスクを踏んでまずやってみることです。例えば、受験、留学、就職、昇進、結婚などのビッグチャンスから、友人作り、デートのお誘いなどの何気ないチャンスなど、人生には勝負をかける重大な局面が何度も訪れます。その時うまく行かなくて、無駄骨になるかもしれません。損をするかもしれません。傷付くかもしれません。それでも、自分の人生において本当に求めているもの、つまり夢や目標がはっきりしているなら、勝負に挑むことが大切であるということです。そして、たとえうまく行かなかったとして、その経験が次の勝負への糧になります。そして、チャレンジする生き方自体に喜びを感じることができるようになります。逆に、何もしないで「保留」をし続ければ、本来求めているものへの純粋さがどんどん失われていきます。勝ちも負けもしない薄っぺらい人生になってしまいます。ちなみに、この勝負をしすぎるのがギャンブルであると言えます。(3)覚悟を決めている安定感若かりし赤木が、負ければ殺されるという状況に追い詰められている南郷の対戦をそばで見ているシーン。南郷は、怯えきってしまっており、せっかくの逆転トップになりそうな大物手が入ったのに、対面のリーチに恐れをなして、現物の安牌を切って安手に受けようとしていました。その時、赤木は南郷に「死ねば助かるのに…」とつぶやきます。一見して禅問答のように矛盾した言い回しです。また、晩年に赤木が自分がアルツハイマー病に冒されていると知ったシーン。赤木は「無念だ…!」と繰り返します。そして、「愛していた…無念を…!」と添えるのです。無念だと残念がりつつ、同時にその無念さを愛していたという表現は両価的な言い回しです。3つ目の心理は、覚悟を決めている安定感です。これは、人生に置き換えると、うまく行かなくても、それを受け入れる覚悟をすでにしていると、行動がブレないということです。また、そもそも人生には完全なマニュアルも保証も結局のところはないです。恋愛や結婚では、自分がどんなに相手に尽くしても、相手が自分に尽くしてくれるとは限りません。自分がどんなに真面目に生きていても、思いもよらない事故や病気に見舞われるかもしれないです。そんな不確かなことも含めて、自分の人生を受け入れる、つまり自分の信じた道に殉じることができるかどうかということです。さらには、その無念さ、不本意さ、理不尽さをも、人生をより生き生きと豊かにする愛すべきものと思えるかということです。まさにそうすることが、自分の人生を生きたという証になります。覚悟の美学です。逆に、覚悟を決めていない、つまりそもそも人生とは無念なものであるという前提を冷静に理解していないと、かつてのカイジのように、人生そのものを自分の責任として受け止めることができず、自分の人生のマイナス面ばかりに目を向けて、「理不尽で不公平だ」と不平不満ばかりを言う悲しい人生になってしまいます。ちなみに、全てを失う覚悟をしすぎるのがギャンブルであると言えます。なぜギャンブルは男性に多いの? -システム化これまで、なぜギャンブルをするのかという理由を整理しました。それは、「夢」「勝負」「覚悟」という男のロマンだからでした。それでは、そもそもなぜ「男のロマン」なのでしょうか? 言い換えれば、なぜギャンブルは男性に多いのでしょうか? その答えを、進化心理学的に考えてみましょう。まず、私たちがヒトとなり体と心(脳)を適応させていった数百万年前の原始の時代の狩猟採集社会に目を向けてみましょう。なぜなら、この時代に私たちの心(脳)の原型が形作られたからです。一方、現代の農耕牧畜社会から始まる文明社会は、たかだか1万数千年の歴史しかなく、体や心(脳)が進化するにはあまりにも短いからです。原始の時代、男性(父親)は日々狩りをして、女性(母親)は日々子育てをして、性別で役割を分担し、家族をつくりました。そして、この基本となる家族が血縁によっていくつも集まって100人から150人の大家族の生活共同体(村)をつくり、つながって協力しました。そして、そうする種、そうしたいと思う種が生き残りました。その子孫が現在の私たちです。逆に、そうではない種は、子孫を残さないわけですから、理屈の上ではこの世にほぼ存在しないと言えます。狩りをする男性は、より確実に、より多くの食料を得ることができれば、生存の確率を高めることができます。そして、それを女性に分け与えることができれば、その女性から選ばれて、生殖の確率を高めることができます。そのために進化した心理が、システム化という「男らしさ」です。この心理が重視する3つの要素を、ギャンブルに絡めて整理してみましょう。(1)因果関係1つ目は、因果関係です。因果関係とは、原因と結果のつながりです。原始の時代、冷蔵庫や保存食は身近にはなく、常に飢餓状態です。普段から、「この動物の足跡をたどれば獲物に近づける」「この湿気だとこの後に雨が降るから早く帰ろう」など、状況(原因)から結果を予測する心理によって、何とか食料を確保して身を守っていました。予測を外せば、家族もろとも飢えて死んでしまうという意味では「ギャンブル」です。そのような状況で、近付いてくる獲物を穴場でじっと待ったり、罠を仕掛けたりするなどの予測をして当たることに快感を覚える男性ほど、より生き残り、より子孫を残したでしょう。その子孫が現代の男性です。男性は、ギャンブルの不確かな要素を研究したり、観察力やテクニックを磨いたりして、駆け引きをすることで、何とか攻略したいという心理がもともとあるのです。「ギャンブル必勝法」の特集が、女性誌になくて、男性誌やスポーツ新聞に多くあるのも、うなずけます。ちなみに、株式投資や投機には、より多くの判断材料がありますが、不確かな要素が残り、リスクがあるという意味では、ギャンブルの延長と言えます。そして、男性の中でも、知的能力が高く資金力がある人がより多く関わっています。(2)上下関係2つ目は、上下関係です。上下関係とは、強者(リーダー)を頂点として、多くの弱者(フォロワー)を下の階層とするピラミッド構造のことです。原始の時代、男性たちが協力して狩りをするために必要なのは、人間関係の統率をスムーズにする上下関係の心理です。この時の上下の順番の目安は、獲物をより多く仕留める能力でした。そして階層が上の男性ほど、偉そうにできて女性にもモテるため、より子孫を残したでしょう。その子孫が現代の男性です。ただ、現代の文明社会の「獲物」はお金、「獲物をより多く仕留める能力」は経済力です。つまり、ギャンブルによって、手っ取り早く気軽にステータスを上げたいという心理がもともとあるのです。一攫千金、一発逆転というありがちなキャッチフレーズが男性の心をつかむのも、うなずけます。男性誌の裏表紙によく見かける広告には、真偽は定かではありませんが、あえてパッとしない風の男性とハデな若い女性のツーショットの写真付きで、その男性が「サエないボクが、この必勝法で一発当てて女性にモテるようになりました」と言っています。(3)契約関係3つ目は、契約関係です。契約関係とは、お互いがあらかじめ決めたルールや約束をきっちり守るこだわりのことです。原始の時代、上下関係を決める能力の勝負で、負けた弱者は、強者に対してひれ伏しました。そうすることで、その集団は、人間関係がスムーズになるため、より多くの子孫を残したでしょう。その子孫が現代の男性です。現代でも、役職、年齢、経済力などをお互いが確認して、どっちがどっちを立てるかの暗黙の了解があります。つまり、ギャンブルで負けても、それを受け入れるという心理がもともとあるというわけです。そうでなければ、負けが怖くてそもそもギャンブルなどできません。「男に二言はない」「負けたら潔く身を引く」「ケジメを付ける」という言い回しも、うなずけます。もちろん、日本に独特の切腹の美学があるように、この契約関係を重視する心理は、文化的に強化されている面もあるでしょう。★次回に続く

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抗精神病薬の高用量投与は悪か

 統合失調症に対する抗精神病薬の高用量投与について、良好な症状改善との関連および有害事象や神経認知機能に対する影響を、ギリシャ・テッサロニキ・アリストテレス大学のKonstantinos N Fountoulakis氏らが、小規模パイロット自然主義横断研究により評価を行った。Progress in neuro-psychopharmacology & biological psychiatry誌オンライン版2017年1月28日号の報告。 対象は、統合失調症入院男性患者41例。PANSS、カルガリー抑うつ評価尺度、UKU副作用評価尺度、SAS(Simpson-Angus Scale)、認知機能評価バッテリーにより評価した。薬剤、投与量は、治療者の臨床判断に従って行った。 主な結果は以下のとおり。・臨床的変数および有害事象は、高用量群と推奨量群で差は認められなかった。・高用量投与は、抑うつ症状と相関していたが、神経認知機能の低下と相関は認められなかった。 著者らは「抗精神病薬の推奨用量を超えた投与は、難治性患者の良好なレスポンスを達成可能であり、抑うつ症状や軽度な集中力の欠如に有効であるが、ほかの神経認知機能や錐体外路系副作用はない。現在臨床医は、高用量投与が必要な場合には、第1世代抗精神病薬を好むが、新規抗精神病薬の副作用プロファイルを考慮すると、新規抗精神病薬の高用量投与に関する研究を進めることが重要である」としている。関連医療ニュース 抗精神病薬のスイッチング、一括置換 vs.漸減漸増:慶應義塾大 統合失調症患者への抗精神病薬高用量投与、自律神経系への影響は:横浜市大 統合失調症患者の再入院、ベンゾジアゼピンの影響を検証:東医大

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SSRI治療抵抗性うつ病に対する増強療法の比較

 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)に反応しないうつ病患者におけるアリピプラゾールとbupropion増強療法の有効性および安全性を、韓国・嶺南大学のEun-Jin Cheon氏らが比較検討を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌2017年4月号の報告。 アリピプラゾールとbupropion増強療法の初めての無作為化プロスペクティブオープンラベル直接比較研究。対象者は、4週間以上のSSRI治療後に中等度以上のうつ症状を有する患者103例。アリピプラゾール群(56例)またはbupropion群(47例)に無作為に割り付け、6週間治療を行った。その間、他の向精神薬の併用は行わなかった。モントゴメリー・アスベルグのうつ病評価尺度(MADRS)、ハミルトンうつ病評価尺度17項目版(HAM-D17)、Iowa Fatigue Scale(IFS)、薬原性錐体外路症状評価尺度(DIEPSS)、Psychotropic-Related Sexual Dysfunction Questionnaire scoresを、ベースラインおよび治療1、2、4、6週間後に評価した。 主な結果は以下のとおり。・全体として、両群ともに重篤な有害事象を起こすことなく、抑うつ症状を改善した。・MADRS、HAM-D17、IFS、レスポンス率に有意な差は認められなかった。・しかし、アリピプラゾール群は、bupropion群と比較し、6週間後の寛解率が有意に高かった(55.4% vs.34.0%、p=0.031)。・性的有害事象、錐体外路症状、アカシジアの発生率は、両群間で有意な差が認められなかった。 著者らは「SSRIで治療不十分なうつ病患者に対するアリピプラゾール増強療法の有効性と忍容性は、bupropion増強療法と同等以上であった。両増強療法共に、うつ病患者の性機能障害や倦怠感を軽減する可能性があり、効果的かつ安全な増強療法である。本知見を確認するためにも、二重盲検による研究が必要である」としている。■関連記事うつ病の治療抵抗性と寛解を予測する因子とはうつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は統合失調症に対する短期治療、アリピプラゾール vs. リスペリドン

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脳トレーニングで認知症予防、認知機能低下リスクが20~30%減

 精神的な刺激となる活動への取り組みと、軽度認知障害(MCI)またはアルツハイマー病のオッズ低下との、横断的な関連が報告されている。しかし、70歳以上の高齢者による精神的な刺激となる活動がMCI発症を予測するかについての縦断的アウトカムは、ほとんど知られていない。米国・メイヨー・クリニックのJanina Krell-Roesch氏らは、高齢者における精神的な刺激となる活動とMCI発症リスクとの関連を仮説検証し、アポリポ蛋白E(APOE)ε4遺伝子型の影響を評価した。JAMA neurology誌オンライン版2017年1月30日号の報告。 ミネソタ州オルムステッド郡のメイヨー・クリニック加齢研究の参加者を対象に、コホート研究を行った。ベースライン時に認知機能が正常であった70歳以上の高齢者について、MCI発症アウトカムをフォローアップした。調査期間は、2006年4月~2016年6月とした。ベースライン時、参加者は研究参加1年以内の精神的な刺激となる活動に関する情報を提供した。認知神経学的評価は、ベースライン時に実施し、その後15ヵ月間隔で実施した。認知機能の診断は、公表されている基準に基づき、専門家コンセンサスパネルにより行った。性別、年齢、教育レベルで調整した後、Cox比例ハザード回帰モデルを用いて、ハザード比(HR)および95%CIを算出した。 主な結果は以下のとおり。・最終的には、認知機能が正常であった1,929人(ベースライン時の年齢中央値:77歳[四分位範囲:74~82歳]、女性率:50.4%[973人])を対象に、MCI発症のアウトカムをフォローアップした。・フォローアップ期間の中央値は4.0年であった。・MCI発症リスク低下と関連していた項目は以下であった。 ●ゲームのプレイ(HR:0.78、95%CI:0.65~0.95) ●手工芸(HR:0.72、95%CI:0.57~0.90) ●コンピュータの使用(HR:0.70、95%CI:0.57~0.85) ●社会活動(HR:0.77、95%CI:0.63~0.94)・APOEε4キャリアステータスによる層別解析では、精神的な刺激となる活動を行ったAPOEε4ノンキャリアのMCI発症リスクが最も低く(例えば、コンピュータの使用あり[HR:0.73、95%CI:0.58~0.92])、精神的な刺激となる活動を行っていないAPOEε4キャリアのMCI発症リスクが最も高かった(例えば、コンピュータの使用なし[HR:1.74、95%CI:1.33~2.27])。 著者らは「精神的な刺激となる活動を行っている認知機能が正常な高齢者は、MCI発症リスクが低下することが示唆された。この関連は、APOEε4キャリアステータスにより異なる可能性がある」としている。関連医療ニュース 米国の認知症有病率が低下、その要因は 認知症予防へのビタミンDや日光曝露、さらなる研究が求められる 魚を食べると認知症は予防できるのか

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うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は

 うつ病治療に用いられる薬剤に関連する相対的な罹患率および死亡率を測定し、重大なアウトカムに関連する特定の臨床的影響について、米国・カリフォルニア大学のJ Craig Nelson氏らが検討を行った。The American journal of psychiatry誌オンライン版2017年1月31日号の報告。 米国、プエルトリコ、ワシントンD.C.に拠点を置く中毒センターから報告を受けた全米中毒情報データシステム(National Poison Data System)より、2000~14年の12歳以上に対する1回の薬剤曝露情報を照会した。薬剤は、抗うつ薬、非定型抗精神病薬、抗痙攣薬、リチウム、およびうつ病治療に用いられるその他の薬剤であった。主要アウトカムは、罹患率(1,000曝露当たりの重大なアウトカム数)、死亡率(1万曝露当たりの死亡アウトカム数)とした。 主な結果は以下のとおり。・15年間で、調査した48薬剤の単一薬剤曝露は、96万2,222件であった。・重大なアウトカムは15年間で2.26倍に線形に増加した。・三環系抗うつ薬やMAO阻害薬による薬物療法は、高い罹患率および死亡率と関連していたが、他の新規薬剤のいくつかは、危険な可能性があった。・リチウム、クエチアピン、オランザピン、bupropion、カルバマゼピンは、高い罹患率指標と関連していた。・リチウム、ベンラファキシン、bupropion、クエチアピン、オランザピン、ziprasidone、バルプロ酸、カルバマゼピン、citalopramは、より高い死亡率指数と関連していた。 著者らは「うつ病治療に用いられる薬剤に対する過量服薬や意図しない曝露による重大なアウトカムは、過去15年間で劇的に上昇した。現在のデータでは、罹患および死亡リスクが、薬剤間で異なることを示唆している。この違いは、うつ病患者、とくに自殺リスクの高い患者における治療法を選択する際に重要となる」としている。関連医療ニュース うつ病の治療抵抗性と寛解を予測する因子とは うつ病への薬物療法 vs.精神療法 vs.併用療法 ADHD治療薬は将来のうつ病発症に影響するか

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認知症予防へのビタミンDや日光曝露、さらなる研究が求められる

 日光曝露や高ビタミンD状態は、認知症発症を予防するといわれている。オーストリア・クレムス継続教育大学のIsolde Sommer氏らは、経時的な日光曝露の欠如やビタミンD欠乏症が認知症と関連しているかを検討した。BMC geriatrics誌オンライン版2017年1月13日号の報告。 MEDLINE(PubMed経由)、Cochrane Library、EMBASE、SCOPUS、Web of Science、ICONDAおよび1990~2015年10月までの適切なレビュー記事のリファレンスリストをシステマティックに検索した。認知症リスクのサロゲートマーカーとしての日光曝露またはビタミンDの影響を評価するために、パブリッシュおよびノンパブリッシュデータのランダム効果メタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・日光曝露と認知症リスクとの関連性を調査した単一研究は特定できなかった。・認知症リスクに対する血清ビタミンD濃度の影響に関するデータには、6件のコホート研究があった。・5件の研究のメタ解析では、重篤なビタミンD欠乏症患者(25nmol/L未満または7~28nmol/L)は、十分なビタミンDの供給を有する者(50nmol/L以上または54~159nmol/L)と比較し認知症リスクが高いことが示された(ポイント推定:1.54、95%CI:1.19~1.99、I2=20%)。・重篤なビタミンD欠乏症は、認知症発症リスクが高いと考えられるが、研究に含まれた観察研究の性質と残存または重要な交絡因子調整の欠如(例えば、ApoEε4遺伝子型)、ならびに日光曝露の代わりとなるビタミンD濃度と認知症リスクとの間接的な関係が含まれる。 著者らは「本レビューから、低ビタミンD濃度が認知症発症に影響すると考えられる。日光曝露と認知症リスクとの直接的および間接的関係を調査するための、さらなる研究が必要である。このような研究には、ビタミンD濃度または日光曝露と認知症アウトカムの均質で反復的な評価を伴う大規模コホート研究が必要である」としている。関連医療ニュース 魚を食べると認知症は予防できるのか 歩くのが遅いと認知症リスク大 米国の認知症有病率が低下、その要因は

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統合失調症、服薬アドヒアランス研究の課題とは

 生涯に1,000人中およそ7人が罹患すると推定される統合失調症患者のうち、約50%が自殺を試みるといわれている。しかし研究において、統合失調症患者の服薬アドヒアランスを測定することは困難であり、現時点では標準的な手法が存在していない。統合失調症患者におけるノンアドヒアランスを評価するための信頼性の高い手法がなければ、アドヒアランス改善戦略の研究は進まない。米国・サウスカロライナ医科大学のCordellia E Bright氏は、統合失調症患者の服薬アドヒアランスを測定するための既存の機器について、妥当性、信頼性、エビデンスレベルを評価した。Archives of psychiatric nursing誌2017年2月号の報告。 本統合レビューでは、評価、測定、服薬アドヒアランス、統合失調症、薬物ノンアドヒアランス、妥当性、信頼性、対策の検索用語を使用した。CINAHL、PubMed、PsycINFO、Scopusのデータベースを検索した。対象期間は2000~16年とした。6件の研究より14の機器が抽出された。 主な結果は以下のとおり。・検討したすべての機器は、妥当性と信頼性が弱く、エビデンスレベルの低さと関連していた。・3種類の機器(うち2種類は極めて新しい)は、より良い妥当性、信頼性、感度を有していたが、広範かつ多様なサンプルで評価されていないため、一般的かは不明である。 著者らは「統合失調症患者の服薬アドヒアランスに関する研究を行うためには、さまざまな患者の特性に対し、適切な妥当性、信頼性、感度を有する機器の開発が必要である」としている。関連医療ニュース 錠剤埋め込み型服薬管理システムは、安全なのか 抗精神病薬の種類や剤形はアドヒアランスに影響するのか 双極性障害青年、ちゃんと薬を飲んでいるか

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抗精神病薬、賦活と鎮静の副作用を比較

 抗精神病薬の副作用である賦活や鎮静は、薬物治療の妨げとなる可能性がある。米国・ニューヨーク医科大学のLeslie Citrome氏は、第2世代抗精神病薬の賦活および鎮静の副作用について評価を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌オンライン版2017年1月30日号の報告。 本研究では、統合失調症および大うつ病の補助的治療に適応を有する薬剤の製品ラベルで報告されている副作用の割合を調査し、第1選択薬として用いられる経口の第2世代抗精神病薬の賦活および鎮静特性を定量化し評価した。追加データソースとして、規定文書、調査概要、パブリッシュされた調査レポートを含んだ。副作用リスク増加とNNH(Number Needed to Harm:有害必要数)は、各薬剤対プラセボにて算出した。抗精神病薬の一部では賦活と鎮静の両方の副作用の可能性 抗精神病薬の賦活および鎮静の副作用について比較した主な結果は以下のとおり。・賦活や鎮静の副作用は、各抗精神病薬で違いが観察され、一部では賦活と鎮静の両方の副作用の可能性が示唆されている。・統合失調症に用いられる薬剤では、主な賦活系の抗精神病薬としてlurasidone(NNH:アカシジア11 vs.傾眠20)、cariprazine(NNH:アカシジア15 vs.傾眠65)が挙げられる。・リスペリドン(NNH:アカシジア15 vs.鎮静13)、アリピプラゾール(NNH:アカシジア31 vs.眠気34)の賦活と鎮静のバランスは同程度であった。・主な鎮静系の抗精神病薬は、オランザピン、クエチアピン、ziprasidone、asenapine、iloperidoneが挙げられる。・賦活、鎮静に作用しない抗精神病薬は、パリペリドン、brexpiprazoleであった。・うつ病に用いられる抗精神病薬については、全体的に統合失調症と同様な所見であった。・抽出されたデータは、製品ラベルに含まれる有害事象表に寄与する登録研究からの入手可能なものに限られていた。その後の比較研究では、異なる結果が示される可能性がある。

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もしかしたら、食生活の改善でADHD発症を予防できるかも

 注意欠如・多動症(ADHD)は、栄養不足や不健全な食事と関連しているが、地中海式ダイエット食との関連を調査した報告は、これまでにない。スペイン・サン・ジョアン・デウ病院のAlejandra Rios-Hernandez氏らは、地中海式ダイエット食の低アドヒアランスとADHD診断の増加に正の相関があるかを検証した。Pediatrics誌オンライン版2017年2月号の報告。 新規にADHDと診断された小児および青年60例および性別と年齢をマッチさせた対照群60例を対象とした症例対照研究。ADHD診断は、DSM-IV-TRに基づき行われた。エネルギー、食事摂取、地中海式ダイエット食のアドヒアランス、家族背景を測定した。地中海式ダイエット食のアドヒアランスとADHDとの関連の検証には、ロジスティック回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。・地中海式ダイエット食の低アドヒアランスとADHD診断には関連が認められた(OR:7.07、95%CI:2.65~18.84、相対リスク:2.80、95%CI:1.54~5.25)。・潜在的な交絡因子で調整した後でも、本関連は有意なままであった。・果物、野菜、パスタ、ライスの低消費や、朝食を抜く、ファーストフード店での食事の高頻度がADHD診断と関連していた(p<0.05)。・砂糖、キャンディー、コーラ飲料、コーラ以外の清涼飲料水の高頻度(p<0.01)や脂肪魚類の低消費(p<0.05)は、ADHD診断の有病率上昇と関連していた。 著者らは「本横断的関連は、因果関係を示すものではないが、地中海式ダイエット食の低アドヒアランスがADHDの発症に役割を担っている可能性を示唆している。ADHDでは、特定の栄養素だけでなく、食事全体を考慮する必要があると考えられる」としている。関連医療ニュース ADHD発症や重症度にビタミン摂取が関連 小児ADHD、食事パターンで予防可能か 地中海ダイエットは認知症予防に効果があるのか

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うつ病の治療抵抗性と寛解を予測する因子とは

 うつ病に対する抗うつ薬使用は、汎用されている治療にもかかわらず、大うつ病患者の約3分の1には十分な効果を発揮しない。オーストリア・ウィーン大学のAlexander Kautzky氏らは、治療アウトカムのための臨床的、社会的、心理社会学的な48の予測因子による新たな洞察を、治療抵抗性の研究グループのデータと機械学習を利用し、検討を行った。The Journal of clinical psychiatry誌オンライン版2017年1月3日号の報告。 患者は、2000年1月より登録され、DSM-IVに従って診断した。治療抵抗性うつ病は、2種類以上の抗うつ薬による十分な投与量と期間で治療を行った後、ハミルトンうつ病評価尺度(17項目:HDRS)スコアが17以上とした。寛解は、HDRSスコア8未満とした。ランダムフォレストを用いたステップワイズ法を行い、治療アウトカムの分類に最適な数を見出した。重要値が生成された後、400例の患者サンプルで寛解と治療抵抗性の予測を実施した。予測のために、サンプル外の80例を使用し、レシーバの動作特性を計算した。 主な結果は以下のとおり。・治療アウトカムのもっとも有益な予測因子として、以下が挙げられる。 ●最初と最後のうつ病エピソードの間隔 ●最初のうつ病エピソードの年齢 ●最初の抗うつ薬治療に対するレスポンス ●重症度 ●自殺念慮 ●メランコリー ●生涯うつ病エピソード数 ●患者のアドミタンスタイプ ●教育 ●職業 ●糖尿病の併存 ●パニック症 ●甲状腺疾患・単一予測因子は、ランダム予測と異なる予測精度に達しなかったが、すべての予測変数を組み合わせることにより、治療抵抗性を0.737の精度で検出し、寛解を0.850の精度で検出できた。・その結果、治療抵抗性うつ病の65.5%、寛解の77.7%を正確に予測できた。関連医療ニュース 晩年期治療抵抗性うつ病の治療戦略に必要なものとは 治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのか 難治性うつ病、抗うつ薬変更とアリピプラゾール追加、どちらが有用か

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ストレス対策は新たな循環器疾患の予防戦略となりうるか?(解説:有馬 久富 氏)-643

 以前より、慢性的なストレスが循環器疾患のリスクを増大させうることが知られていたが、そのメカニズムは長い間不明であった。今回、マサチューセッツ総合病院でFDG-PET検査を受けた293例を平均3.7年間追跡した成績から、慢性ストレスが、扁桃体の活性化、骨髄由来前駆細胞の放出、動脈壁の炎症を経て、循環器疾患のリスクを増大させる可能性が示唆されたとLancet誌に報告された。ストレスから循環器疾患に至るメカニズムが明らかになったことにより、ストレス対策およびストレスから動脈硬化へ至るプロセスへの対策が、循環器疾患の予防戦略となりうることが示唆された。 しかし、本論文にはさまざまなLimitationがある。本研究は、がんのスクリーニングなどのためFDG-PET検査を受けた者を対象とし、全検査受診者のうち5%だけを解析対象としている。したがって、本研究の成績が一般住民に当てはまるかどうかは不明である。また、追跡期間中に発症した循環器疾患はわずか22例であり、本研究から得られた成績に再現性があるかどうかは不明である。さらに、扁桃体活性化から動脈硬化に至るまでに、骨髄由来前駆細胞の放出、動脈壁の炎症を経ているという結論は、あくまでも統計学的な検討に基づいており、メカニズムには不明な点も残されている。今後、大規模な疫学研究による再現性の検討およびメカニズムに関する詳細な検討が必要であるが、新たな循環器疾患の予防戦略につながりうる非常に重要な報告であったと考えられる。

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65歳未満での抗うつ薬使用、認知症増加と関連

 抗うつ薬の使用がアルツハイマー病などの認知障害や認知症と関連しているかを、カナダ・サスカチュワン大学のJohn Moraros氏らは、検討を行った。Depression and anxiety誌オンライン版2016年12月28日号の報告。 Medline、PubMed、PsycINFO、Web of Science、Embase、CINAHL、the Cochrane Libraryのシステマティックな検索を行った。アブストラクトとタイトルより初期のスクリーニングを行い、関連する全文献をレビューし、その方法論的質について評価した。検索した文献より粗悪な効果推定値を除き、ランダム効果モデルを用いてプールされた推定値を算出した。 主な結果は以下のとおり。・最初にプールされた4,123件から5件の研究が抽出された。・抗うつ薬の使用は、認知障害や認知症の2倍増と関連していた(OR:2.17)。・年齢は、抗うつ薬使用と認知障害や認知症、アルツハイマー病と関連の可能性がある修飾因子であった。・65歳以上の平均年齢の参加者を含む研究では、抗うつ薬使用が認知障害のオッズの増加と関連し(OR:1.65)、65歳未満の参加者での研究では、さらに強い関連が示された(OR:3.25)。 著者らは「抗うつ薬の使用は、アルツハイマー病や認知症と関連しており、65歳未満での使用では特に顕著であった。この関連は、うつ病やその重症度により生じる可能性もある。しかし、認知症への抗うつ薬曝露を潜在的に結び付ける生物学的メカニズムが説明されているため、抗うつ薬の病因学的影響の可能性がある。この関連性の確認とともに、根底にある病因経路の明確化に緊急に注目する必要がある」としている。関連医療ニュース ベンゾジアゼピンと認知症リスク~メタ解析 米国の認知症有病率が低下、その要因は 抑うつ症状は認知症の予測因子となりうるのか

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精神的苦痛は発がんリスクを増大/BMJ

 精神的苦痛(うつ、不安の症状)が重くなるほど、大腸がんや前立腺がんのリスクが高まり、精神的苦痛は発がんの予測因子となる可能性があることが、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのG David Batty氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2017年1月25日号に掲載された。精神的苦痛とがんとの関連については、(1)精神的苦痛に繰り返し曝されるとナチュラルキラー細胞の機能が喪失して腫瘍細胞の増殖を招く、(2)うつ症状は視床下部-下垂体-副腎系の異常をもたらし、とくにホルモン関連がんの防御過程に不良な影響を及ぼす、(3)苦痛の症状は、喫煙、運動不足、食事の乱れ、肥満などの生活様式関連のリスク因子への好ましくない影響を介して、間接的に発がんの可能性を高めるなどの機序が提唱されている。英国の16研究の参加者16万人以上を解析 研究グループは、部位別のがん死の予測因子としての、精神的苦痛(うつ、不安の症状)の可能性を検証するために、1994~2008年に開始された16件の前向きコホート研究に参加した患者の個々のデータの統合解析を行った(特定の研究助成は受けていない)。 イングランドの13件およびスコットランドの3件の健康調査から、英国の典型的なサンプルを収集した。試験登録時に16歳以上で、がんの診断歴がなく、参加者自身の報告による精神的苦痛スコア(精神健康調査票[GHQ-12])の記録がある16万3,363例が解析の対象となった。 精神的苦痛はGHQ-12スコアにより、無症状(0点)、潜在性症状(1~3点)、有症状(4~6点)、重度症状(7~12点)に分類した。16種のがん、その他のがん、喫煙関連がん、喫煙非関連がんに分け、精神的苦痛との関連を解析した。苦痛が重度の群はがんのリスクが32%増加 ベースラインの平均年齢は46.3(SD 18.3)歳、女性が54.9%を占めた。精神的苦痛スコアの平均値は1.5(SD 2.6)点、平均BMIは26.6(SD 4.8)、義務教育修了年齢以降の学歴ありは67.9%、喫煙者は26.3%、週1回以上の飲酒は62.0%だった。 16件の研究の死亡調査の平均期間は9.5年で、この間に1万6,267例が死亡し、このうち4,353例ががんで死亡した。 年齢、性別、教育、社会経済的状況、BMI、喫煙、アルコール摂取で補正し、逆因果関係を左側打ち切り(left censoring)で、欠損データを代入法で調整した解析を行ったところ、精神的苦痛が軽度の群(GHQ-12スコア:0~6点)に比べ、苦痛が重度の群(同スコア:7~12点)は、すべての部位のがんを合わせた死亡率が有意に高かった(多変量補正ハザード比[HR]:1.32、95%信頼区間[CI]:1.18~1.48)。 また、精神的苦痛が重度の群は、喫煙非関連がん(HR:1.45、95%CI:1.23~1.71)、大腸がん(1.84、1.21~2.78)、前立腺がん(2.42、1.29~4.54)、膵がん(2.76、1.47~5.19)、食道がん(2.59、1.34~5.00)、白血病(3.86、1.42~10.5)のリスクが有意に高かった。大腸がんと前立腺がんのリスクは、精神的苦痛スコアが上がるにしたがって有意に増加した(いずれも、傾向検定のp<0.001)。 著者は、「精神的苦痛が、特定のがん発症の予測能を有する可能性を示唆するエビデンスが得られた」とまとめ、「個々の精神的苦痛とがんの因果関係がどの程度に及ぶかを解明するために、さらなる検討が求められる」と指摘している。

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双極性障害に対する抗うつ薬使用の現状は

 エビデンスに基づく臨床実践ガイドラインにおける双極性障害I型II型のための薬物療法は、双極性障害治療のために利用可能である。スウェーデン・サールグレンスカ大学病院のCharlotte Persson氏らは、本ガイドラインがスウェーデンの臨床現場でどの程度利用されているかを調査した。Lakartidningen誌オンライン版2017年1月10日号の報告。 双極性障害のための国際品質のレジスタ(BipolaR)を用いて、2015年の双極性障害患者に対する薬物療法を分析した。そして、双極性障害I型(BD I)とII型(BD II)とを比較した。 主な結果は以下のとおり。・大部分の患者に対し、単剤療法または一部併用療法で気分安定薬が処方されていた(BD I:87%、BD II83%、p<0.001)。・リチウムはBD I(BD I:65%、BD II:40%、p<0.001)、ラモトリギンはBD II(BD I:18%、BD II:42%、p<0.001)に対して、もっとも一般的な気分安定薬として処方されていた。・抗うつ薬は、BD IにおいてBD IIよりも使用されていなかった(BD I:35%、BD II:53%、p<0.001)。・抗精神病薬(第1または第2世代)は、BD IにおいてBD IIよりも頻繁に使用されていた(BD I:49%、BD II:35%、p<0.001)。・中枢神経刺激薬は、あまり使用されていなかった(BD I:3.1%、BD II:6.6%、p<0.001)。・気分安定薬と抗精神病薬の併用は、BD IにおいてBD IIよりも多かった(BD I:27%、BD II:12%、p<0.001)のに対し、気分安定薬と抗うつ薬の併用は、BD IにおいてBD IIよりも少なかった(BD I:16%、BD II:28%、p<0.001)。 著者らは「ほとんどの双極性障害患者に対し気分安定薬が使用されており、BD IとBD IIの違いは臨床症状の違いと合理性があると結論付けられる。また、長年議論されている双極性障害に対する抗うつ薬の使用は、非常に高かった」としている。関連医療ニュース 双極性障害の過去のエピソードや治療反応を評価する簡便なスケール 双極性障害に抗うつ薬は使うべきでないのか 成人てんかんに対するガイドライン準拠状況は

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アルツハイマー病が回復する可能性

 アルツハイマー病では、脳内にアミロイドベータ(Aβ)が蓄積することにより神経細胞に異常が現れると考えられている。最近、Aβの集合体(Aβオリゴマー)がこれらの病態の引き金になることが明らかになってきたが、この引き起こされた神経細胞の障害が回復する可能性について明確な実証はなされていなかった。今回、国立精神・神経医療研究センターなどの研究グループが、ラット由来の神経細胞モデルを用いて検討した結果、Aβオリゴマーによって引き起こされる神経細胞の障害は、Aβオリゴマーを除去することによって回復可能であることを初めて実証した。Molecular Brain誌オンライン版2017年1月31日号に掲載。  研究グループは、ラットの胎児脳由来の神経細胞をAβオリゴマーで2日間処理した後、Aβオリゴマー処理を継続する細胞と、Aβオリゴマーを含まない培養液に交換しAβオリゴマーを除去する細胞に分け、さらに2日間培養した。 主な結果は以下のとおり。・最初の2日間のAβオリゴマー処理後の細胞では、無処理の細胞に比較し、カスパーゼ3の活性化などのアポトーシス誘導性の変化が現れるとともに、リン酸化や分子内切断の増加といったタウタンパク質の異常変化が認められた。また、シナプスの形成・維持などに重要な役割を持つβカテニンの異常変化も観察された。・Aβオリゴマー処理と除去に分けた2日間で、Aβオリゴマー処理を継続した細胞では、細胞死誘導性変化は増悪し、タウタンパク質やβカテニンの異常が持続した。一方、Aβオリゴマーを除去した細胞では、細胞死誘導性変化やタウタンパク質の異常が無処理の細胞と同程度まで回復し、βカテニンの異常も部分的に回復した。 これらの結果から、Aβオリゴマーが主に細胞外から毒性作用を発揮し、その結果生じる細胞内の障害性変化は可逆的なものであること、また、Aβオリゴマーを除去することにより回復可能なことが示唆された。国立精神・神経医療研究センターのプレスリリースはこちら

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抗精神病薬のスイッチング、一括置換 vs.漸減漸増:慶應義塾大

 抗精神病薬の切り替えは、臨床現場では日常的に行われているが、一括置換法と漸減漸増法のどちらが好ましいスイッチング法であるかは不明である。一括置換法は、リバウンドや離脱症状の出現や増悪と関連しているのに対し、漸減漸増法はクロスオーバーアプローチで用いられる場合、相加的または相乗的な副作用リスクをきたすと考えられる。慶應義塾大学(カナダ・オタワ大学)の竹内 啓善氏らは、抗精神病薬のスイッチング戦略について検討を行った。Schizophrenia bulletin誌オンライン版2017年1月1日号の報告。 MEDLINE、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trialsをシステマティックに検索した。統合失調症および、または統合失調感情障害患者の抗精神病薬スイッチングにおける一括置換法と漸減漸増法を調査した無作為化比較試験を抽出した。臨床結果に関するデータは、試験中止、錐体外路症状、治療中に出現した有害事象を含むデータが抽出された。 主な結果は以下のとおり。・メタ解析には、適格基準を満たした9研究1,416例が含まれた。・両スイッチング法で、臨床的に有意な差は認められなかった(all Ps>0.05)。・感受性分析では、アリピプラゾールへのスイッチングが行われた研究または抗精神病薬の一括置換法が行われた研究では、結果が変わらなかったが、オランザピンまたはziprasidoneへのスイッチングでは、有意な差が認められた。 著者らは「これらの知見より、抗精神病薬の一括置換法と漸減漸増法は実行可能な治療選択肢であることが示唆された。臨床医は、個々の患者ニーズに応じて、抗精神病薬のスイッチング戦略を選択することが推奨される。抗精神病薬の多剤併用を是正するためのスイッチングは、一括置換法が有効である可能性がある」としている。関連医療ニュース 抗精神病薬の変更は何週目が適切か 抗精神病薬の切り替えエビデンス、どう評価すべきか 統合失調症のLAI切替、症状はどの程度改善するのか

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PPIは認知症リスクになるのか~系統的レビュー

 最近の研究で、プロトンポンプ阻害薬(PPI)服用者における認知障害や認知症リスクの増加が示唆されている。オーストラリア・モナッシュ大学のRiley Batchelor氏らが、これらの関連を系統的レビューにより検討したところ、PPI使用と認知症および急性の認知障害に正の相関が認められた。著者らは、今回の系統的レビューには方法論的な問題と相反する結果があるため、さらなる縦断研究が必要としている。Journal of gastroenterology and hepatology誌オンライン版2017年1月27日号に掲載。 著者らは、MEDLINE、EMBASE、Cochrane Controlled Trials(CENTRAL)、PSYCinfo、Scopus、Web of Science、ClinicalTrials.govにおいて、各データベースの開始から2016年6月30日までの公表論文を系統的に検索した。主要アウトカムはPPI使用と認知症もしくは急性の認知障害の診断であり、対象が18歳未満の論文は除外し、すべての研究デザインを対象とした。2名のレビューアーが独立して研究の質を評価し、データを抽出した。 主な結果は以下のとおり。・系統的な検索とスクリーニングにより11件の研究を同定した。PPI使用と認知症についての研究が4件、PPI使用と急性の認知障害についての研究が7件であった。・認知症について研究している4件中3件で、PPI使用と正の相関が認められた。・急性の認知障害を研究した大部分の研究でも、PPI使用と正の相関がみられた。

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うつ病、男女間で異なる特徴とは

 いくつかの研究によると、男女間でうつ病に関連した異なる症状が報告されているが、この関連を分析したシステマティックレビューやメタアナリシスはパブリッシュされていない。オーストラリア・Illawarra Health & Medical Research InstituteのAnna Cavanagh氏らは、うつ病に関連する症状の性差のエビデンスをレビューした。Harvard review of psychiatry誌2017年1・2月号の報告。 PubMed、Cochrane、PsycINFOのデータベースとリファレンスリストを調べた。32研究が基準を満たした。単極性うつ病の臨床サンプルおよびコミュニティサンプル10万8,260人を含んだ。32研究のすべてにおいて質を評価し、出版バイアスについて検討した。性差の影響を評価するため、32研究より抽出された26症状についてメタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・本研究では、少数で重要な性別といくつかの症状との関連が示された。・うつ病男性は、女性と比較し、アルコールや薬物乱用(Hedges's g:0.26、95%CI:0.11~0.42)、リスクテイキング、脆弱な衝動性コントロール(g:0.58、95%CI:0.47~0.69)と関連していた。・うつ病女性は、抑うつ気分のようなうつ病の診断基準に含まれる症状(g:-0.20、95%CI:-0.33~-0.08)、摂食障害や体重変化(g:-0.20、95%CI:-0.28~-0.11)、睡眠障害(g:-0.11、95%CI:-0.19~-0.03)と関連していた。 著者らは「本結果は、物質使用と気分障害の有病率における性差に関する既存の研究結果と一致する。男性のうつ病を評価する際には、物質乱用、リスクテイキング、脆弱な衝動性コントロールをスクリーニングすることの有用性が強調される。うつ病と併存症状に関する性差を明らかにするためにも、今後の研究が必要とされる」としている。関連医療ニュース 統合失調症、男と女で妄想内容は異なる 女はビタミンB6、男はビタミンB12でうつリスク低下か 双極性障害、男女間で肥満割合に違いあり

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