サイト内検索|page:176

検索結果 合計:5819件 表示位置:3501 - 3520

3501.

双極性障害に併存する不安障害の治療

 不安障害は、双極性障害患者において最もよく認められる併存疾患である。米国・パデュー大学のCarol A. Ott氏は、不安障害の治療に関して、現時点での情報をまとめた。The Mental Health Clinician誌2018年11月1日号の報告。不安障害への対処として気分安定薬による治療が確立されるべき 不安障害の治療に関する主なまとめは以下のとおり。・併存する不安障害の診断は、双極性障害の症状重症度に有意な影響を及ぼし、自殺念慮のリスクを上昇させ、心理社会的機能やQOLを低下させる可能性がある。・CANMAT(Canadian Network for Mood and Anxiety Treatments)タスクフォースは、2012年に治療法の推奨事項を公表しており、併用治療薬として、特定の抗けいれん気分安定薬と第2世代抗精神病薬を選択肢として挙げている。・セロトニン作動性抗うつ薬は、ほとんどの不安障害の治療に対して第1選択薬とされているが、双極性障害患者では問題となることがある。・双極性障害での抗うつ薬の使用は、躁転リスクや気分の潜在的な不安定化と関連している。・不安障害を併発した双極性障害患者および不安障害患者における不安障害への対処として、他の薬剤を併用する前に、気分安定薬による治療が確立されるべきである。・ベンゾジアゼピンは、CANMATタスクフォースの推奨では、第3選択療法とされているが、不安障害を併発した双極性障害患者、PTSD(心的外傷後ストレス障害)患者、物質使用障害患者では避けるべきである。・現在の臨床研究に基づき、ベンゾジアゼピン使用は、すべての患者において可能な限り避けなければならない。・対人関係療法、認知行動療法、リラクゼーション療法は、不安症状(とくに感情的体験)の治療に対し有効である。■関連記事双極性障害と全般性不安障害は高頻度に合併双極性障害患者の約半数が不安障害を併存双極性障害に対するベンゾジアゼピンの使用開始と長期使用

3502.

統合失調症患者に対するベンゾジアゼピン使用と肺炎リスク

 統合失調症患者では、ベンゾジアゼピンの投与量や使用頻度が一般集団よりも高い。台湾・台北市立連合医院のSheng-Yun Cheng氏らは、統合失調症患者におけるベンゾジアゼピン使用と肺炎発症リスクとの関連を調査するため、ネステッド・ケース・コントロール研究を実施した。Psychopharmacology誌2018年11月号の報告。 台湾の全民健康保険研究データベースを用いて、2000~10年の統合失調症コホートより3万4,929例を抽出した。統合失調症コホート内より、肺炎患者2,501例およびマッチした対照群9,961例(比率1:4)を抽出した。ベンゾジアゼピン使用は、薬剤、治療期間、1日投与量で分類した。ベンゾジアゼピン使用と肺炎リスクとの関連性は、条件付きロジスティック回帰モデルを用いて分析した。 主な結果は以下のとおり。・30日以内のベンゾジアゼピン使用において肺炎リスクが高かった薬剤は、以下の順であった。 ●ミタゾラム(調整リスク比:6.56、p<0.001) ●ジアゼパム(調整リスク比:3.43、p<0.001) ●ロラゼパム(調整リスク比:2.16、p<0.001) ●トリアゾラム(調整リスク比:1.80、p=0.019)・また、現在使用されているほとんどのベンゾジアゼピンにおいて、肺炎リスクに対する用量依存反応が認められた。・肺炎リスクは、γ-アミノ酪酸A α1、α2、α3受容体との親和性と相関が認められた。 著者らは「統合失調症患者において、ベンゾジアゼピン使用と肺炎リスクには、用量依存的な関連が認められた。各薬剤のリスクと作用機序の違いについては、さらなる検討が必要である。臨床医は、ベンゾジアゼピンを使用している統合失調症患者における肺炎の早期兆候を見逃さないようにすべきである」としている。■関連記事アルツハイマー病患者へのベンゾジアゼピン使用と肺炎リスクベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は統合失調症治療、ベンゾジアゼピン系薬の位置づけは

3503.

日本人高齢者のうつ病に関連する社会的要因~AGESプロジェクト

 日本人高齢者のうつ病発症を予防するためには、生物学的および心理学的要因を考慮しながら、縦断的データを用いて、うつ病の社会的決定要因を明らかにする必要がある。そのような決定要因の特定は、社会政策を通じて、より積極的な介入を可能にするかもしれない。日本大学の三澤 仁平氏らは、日本人高齢者のうつ病に関連する社会的要因を明らかにし、これに関連する政策的意義を検討するため、本研究を行った。Aging & mental health誌オンライン版2018年11月8日号の報告。 愛知老年学的評価研究(AGES)プロジェクトの縦断調査(Wave1~Wave2)から、65歳以上の高齢者3,464例のパネルデータを抽出した。アウトカム変数は、老年期うつ病評価尺度(GDS)で評価したうつ病とした。友人と会う頻度、ソーシャルサポート、趣味、団体への参加、ライフイベント、疾病、健康状態の自己評価、手段的日常生活動作、首尾一貫感覚を説明変数とし、性別ごとにロジットモデルで検討した。 主な結果は以下のとおり。・Wave1で精神疾患やうつ病でなかった高齢者のうち、14%はWave2で抑うつ症状が認められた。・男女ともに、ライフイベントはうつ病発症率を上げる予測因子であり、首尾一貫感覚はうつ病発症率を下げる予測因子であった。・男性において、友人と会う頻度、趣味、健康状態の自己評価はうつ病発症率を下げる予測因子であった。・女性においては、年齢がうつ病発症率を上げる予測因子であった。 著者らは「全体として、日本のうつ病を予防するうえで、社会的交流は重要である。社会的交流を促進できる体制の確立やライフイベントの中で高齢者にケアを提供することは、うつ病を予防するための有用な社会政策アプローチとなりうる」としている。■関連記事少し歩くだけでもうつ病は予防できるうつ病の新規発症予防へ、早期介入プログラム高齢者に不向きな抗うつ薬の使用とその後の認知症リスクとの関連

3504.

ローランドてんかんに対するレベチラセタムと従来薬の有効性比較

 レべチラセタム(LEV)はカルバマゼピン(CBZ)やバルプロ酸ナトリウム(VPA)と比較して、良性ローランドてんかんにおけるローランド発射(RD)を抑制する効果が優れていることが、山梨大学の金村 英秋氏らの研究によって明らかになった。Seizure誌2018年11月号に掲載。 中心・側頭部に棘波をもつ良性ローランドてんかんは、小児の特発性部分てんかんの1つである。本研究では、小児における非定型進化を予防するためのLEVの有効性を、従来の抗てんかん薬(AED)と比較するために、小児の良性ローランドてんかんにおける発作間脳波(EEG)上のRDの低減における、従来薬であるCBZおよびVPAとLEVの有効性を比較した。 患者は最初の単剤治療に基づいてCBZ群、VPA群、LEV群に分けられた。CBZ群とVPA群については後ろ向き研究、LEV群については前向き研究が実施され、RDの出現数をカウントし、発射頻度を計算した。ベースラインと比較して、AED処方時のEEG応答を完全消失と反応(RDの頻度が50%以上減少)に分類した。各AED治療群について、EEG反応者において完全消失または反応を達成するのに要する時間を評価した。 主な結果は以下のとおり。・奏効例の割合は、CBZ群で11.2%(10/89例)、VPA群で56.2%(41/73例)、LEV群で71.4%(25/35例)であった。・EEG応答の達成までに要した平均時間は、CBZ群で36.3ヵ月、VPA群で23.1ヵ月、LEV群で14.7ヵ月であり、CBZ群(p<0.001)またはVPA群(p<0.005)よりもLEV群で有意に速く達成された。・痙攣コントロールは、検討した3種類の薬剤すべてで有意差はなかった。

3505.

日本における非定型抗精神病薬による悪性症候群~医薬品副作用データベース

 慶應義塾大学の安齋 達彦氏らは、日本における非定型抗精神病薬使用に関連する有害事象の悪性症候群に関する報告を評価した。日本の医薬品副作用データベースを用いて、実臨床における非定型抗精神病薬の単剤療法および併用療法での悪性症候群発生について調査を行った。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2018年10月29日号の報告。 1つ以上の非定型抗精神病薬またはハロペリドールの使用に関連する有害な薬物反応報告を分析した。定型抗精神病薬を使用しない非定型抗精神病薬の単剤療法および併用療法、ハロペリドール単剤療法後の悪性症候群発生率のオッズ比を、多重ロジスティック回帰を用いて推定した。 主な結果は以下のとおり。・定型抗精神病薬の使用がない非定型抗精神病薬1つ以上の使用に関連した悪性症候群は、1万1,071例において721件報告された。・ほとんどの非定型抗精神病薬の単剤療法および併用療法後の悪性症候群発生率は、ハロペリドール使用後と比較して低かった。・しかし、ブロナンセリン単剤療法、クエチアピンとゾテピンの併用療法、リスペリドンとゾテピンの併用療法は、オッズ比が1超と推定され、悪性症候群の報告を増加させていた。 著者らは「本結果は、精神疾患治療に臨床的に使用される非定型抗精神病薬などの医薬品に関する有用な情報を提供できる可能性があるが、さらなる研究が必要である」としている。■関連記事抗精神病薬の併用療法、有害事象を解析どの向精神病薬で有害事象報告が多いのか統合失調症治療に用いられる抗精神病薬12種における代謝系副作用の分析

3506.

長期ベンゾジアゼピン使用者における認知症リスク~メタ解析

 ベンゾジアゼピン(BDZ)と認知症リスクに関する報告には、相反するエビデンスが存在する。中国・四川大学のQian He氏らは、BDZの長期使用と認知症リスクとの関連を調査するためにメタ解析を行った。Journal of clinical neurology誌オンライン版2018年10月26日号の報告。 2017年9月までの関連文献をPubMed、Embaseデータベースよりシステマティックに検索を行った。文献検索は、BDZの長期使用と認知症リスクとの関連を分析した観察研究にフォーカスした。プールされた率比(RR)および95%信頼区間(CI)は、ランダム効果モデルを用いて評価した。結果のロバスト性は、サブグループ解析および感度分析で確認した。 主な結果は以下のとおり。・症例対照研究6件およびコホート研究4件、合計10件の研究が抽出された。・BDZ使用患者の認知症発症のプールされたRRは、1.51(95%CI:1.17~1.95、p=0.002)であった。・認知症リスクは、半減期の長いBDZを使用している患者(RR:1.16、95%CI:0.95~1.41、p=0.150)およびBDZを長期使用している患者(RR:1.21、95%CI:1.04~1.40、p=0.016)において高かった。 著者らは「10件の研究をまとめた本メタ解析では、高齢者におけるBDZ使用が認知症リスクを有意に増加させることを示唆している。そのリスクは、半減期20時間超のBDZを使用する患者およびBDZ使用期間が3年超の患者において高かった」としている。■関連記事ベンゾジアゼピン使用に伴う認知症リスクに関するメタ解析ベンゾジアゼピンと認知症リスク~メタ解析ベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は

3507.

統合失調症の世界的な疫学と負担

 世界の疾病負荷(global burden of disease:GBD)研究より、統合失調症による疾患推定の詳細、疫学、負荷を導き出すことができる。オーストラリア・クイーンズランド大学のFiona J. Charlson氏らは、年齢、性別、年、すべての国における統合失調症の推定有病率、推定負荷についてGBD 2016において報告を行った。Schizophrenia bulletin誌2018年10月17日号の報告。 統合失調症に関連する有病率、発症率、寛解率および/または超過死亡率を報告した研究を特定するため、システマティックレビューを行った。20の年齢層、7つの大都市、21の地域、195の国と地域における統合失調症の有病率を特定するため、包含基準を満たした研究の推定値は、GBD 2016で用いられたベイズ・メタ解析ツールに入力された。統合失調症の急性および慢性状態の疾患推定値は、性別、年齢、年、地域に特有の有病率の掛け合わせや、これらの状態で経験した障害を代表して2つの障害の重み付けにより導いた。 主な結果は以下のとおり。・システマティックレビューでは、合計129件の個別データソースが抽出された。・2016年の統合失調症の年齢標準化された世界的なポイント有病率は、0.28%と推定された(95%不確定性区間[UI]:0.24~0.31)。・有病率の性差は認められなかった。・統合失調症の年齢標準化されたポイント有病率は、国や地域により大きな違いはなかった。・世界的な有病数は、1990年の1,310万人(95%UI:1,160万~1,480万)から2016年の2,090万人(95%UI:1,850万~2,340万)に増加した。・統合失調症は、世界の疾病負荷に伴う1,340万人の障害生存年数に影響を及ぼす。 著者らは「統合失調症の有病率は低いものの、疾病負荷は大きい。われわれのモデリングでは、とくに中所得国において、人口の著しい増加と高齢化が統合失調症による疾病負荷の大幅な増加につながっていると示唆された」としている。■関連記事統合失調症の推定生涯有病率、最新値は何%統合失調症の再発、コスト増加はどの程度日本における認知症の総合的なコスト~公式統計に基づく経時分析

3508.

有給休暇とうつ病リスクとの関連

 米国は、労働者の有給休暇取得を保証していない唯一の先進経済国である。実証研究によると、有給休暇は幸福感やストレスと関連しているといわれているが、有給休暇とうつ病との関連性については研究されていない。米国・ノースイースタン大学のDaniel Kim氏は、45~52歳の男女の代表的な労働者3,380例をサンプルとした1979年の全国縦断調査(National Longitudinal Survey of Youth 1979)を用いて、有給休暇の取得がうつ病を予防するかについて検討を行った。Scandinavian journal of work, environment & health誌オンライン版2018年11月7日号の報告。 50歳時にうつ病評価尺度簡易版(CES-D-SF)で測定したうつ病に対する、40歳時の年次有給休暇日数の影響について、多変量線形回帰モデルとロジスティック回帰モデルを用いて推定した。モデルは、人口統計、社会経済的要因、身体的健康状態、週の労働時間、個々の固定効果で調整を行った。 主な結果は以下のとおり。・女性において、有給休暇が10日間追加されるごとに、うつ病オッズが29%低下した(オッズ比[OR]:0.71、95%信頼区間[CI]:0.55~0.92、p=0.01)。この関連は、男性では認められなかった。・線形回帰モデルでは、男女ともに関連が認められなかった。・10日間の有給休暇ごとに、白人女性ではうつ病オッズが36%低下し、2人以上子供がいる女性ではうつ病オッズが38%低下した。 著者は「本研究は、有給休暇とうつ病との関連性を検討した最初の報告であり、2人以上の子供がいる白人女性において、有給休暇取得によるうつ病予防効果が示唆された。この関連性の因果関係が正当であり、全年齢の成人女性労働者に共通した影響をもたらすと仮定すると、平均有給休暇10日間の場合、毎年56万8,442件の女性のうつ病発症が回避され、毎年29億4,000万米ドルのコスト削減につながる可能性が示唆された。有給休暇取得の権利を与える政策は、米国の女性労働者の健康および経済的負担に対し好影響をもたらす可能性がある」としている。■関連記事うつになったら、休むべきか働き続けるべきか職場ストレイン、うつ病発症と本当に関連しているのか長時間労働やシフト作業は認知症発症に影響するか

3509.

妊娠中の有害なライフイベントと5歳時のADHD症状との関連

 妊娠中の有害なライフイベントの経験は、子供のADHDと関連があるといわれているが、家族性交絡の影響はよくわかっていない。スウェーデン・カロリンスカ研究所のMina A. Rosenqvist氏らは、妊娠中の有害なライフイベントが、子供のADHD症状と関連しているかを明らかにするため、家族性の要因について検討を行った。Journal of Child Psychology and Psychiatry誌オンライン版2018年10月27日号の報告。 人口ベースのノルウェー母子コホート研究(Norwegian Mother and Child Cohort Study)に参加した子供3万4,751例(6,427例の兄弟姉妹を含む)のデータを収集した。母親からは、妊娠中に特定のライフイベントを経験したかどうかの報告を収集した。5歳時のADHD症状は、Conners' Parent Rating Scale-Revised(CPRS-R)簡易版を用いて評価した。ライフイベントと平均ADHDスコアとの関連は、全コホートにおける最小二乗法を用い、家族性交絡のために兄弟姉妹比較における固定効果線形回帰を用いてモデル化した。 主な結果は以下のとおり。・有害なライフイベントに曝露した子供では、5歳時のADHDスコアが高かった。最も影響が大きかったのは金銭的な問題(調整モデルにおける平均差:0.10、95%CI:0.09~0.11)、最も影響が小さかったのは親しい人の喪失であった(調整モデルにおける平均差:0.02、95%CI:0.01~0.04)。・有害なライフイベント曝露の不一致を兄弟姉妹で比較すると、統計学的に有意ではない減弱した推定値が得られた。たとえば、金銭的な問題の平均差は-0.03(95%CI:-0.07~0.02)であった。・母親がつらいまたは困難な経験をした場合には、イベント数に応じてADHDスコアが上昇し、兄弟姉妹比較の分析では、正常なほうへ推定値が減少した。 著者らは「本結果では、妊娠中の有害なライフイベントと子供のADHD症状との関連性が示唆され、これは家族性の要因によって説明される」としている。■関連記事母親の体格がADHD、自閉症リスクと関連か母親のADHD症状と子供のアウトカムとの関係ADHD発症しやすい家庭の傾向

3510.

食事の炎症指数とうつ病に関するメタ解析

 中国医科大学のJian Wang氏らは、食事炎症指数(dietary inflammatory index:DII)でスコア化された食事の炎症能とうつ病との関連性を評価するため、システマティックレビュー、メタ解析を行った。Public health nutrition誌オンライン版2018年10月15日号の報告。 2018年8月までに実施された、DIIスコアとうつ病または抑うつ症状との関連を調査した観察研究を、PubMed、Web of Science、EMBASEのデータベースより包括的に検索した。 主な結果は以下のとおり。・4件のプロスペクティブコホート研究と2件の横断研究より、4万9,584例が抽出された。・全体として、DIIスコアが最も高い群では、最も低い群と比較し、うつ病リスクが23%高かった(リスク比[RR]:1.23、95%信頼区間[CI]:1.12~1.35)。・試験デザインにより層別化すると、プロスペクティブコホート研究のプールされたRRは1.25(95%CI:1.12~1.40)、横断研究のプールされたRRは1.16(95%CI:0.96~1.41)であった。・性別特異的分析では、この関連性は女性では認められたが(RR:1.25、95%CI:1.09~1.42)、男性では統計学的に有意な差は認められなかった(RR:1.15、95%CI:0.83~1.59)。 著者らは「高いDIIスコアで推定される炎症促進作用を有する食事は、とくに女性において、うつ病リスクの上昇と独立して関連していることが示唆された。しかし、抗炎症作用を有する食事が、うつ病リスクを低減できるかを評価するためには、適切に設計された研究が必要である」としている。■関連記事うつ病治療と食事パターン魚を食べるほどうつ病予防に効果的、は本当かうつ病患者で重要な食事指導のポイント

3511.

かかりつけ医でうつ病の治療をする時代に気を付けたいこと(解説:岡村毅氏)-957

 今後のわが国の医療がどのように変化するかわからないが、「まずはプライマリケアあるいは総合診療医にかかり、重篤や難治なケースが専門医に紹介される」という方向におおむね進むと理解している。 精神医療はどうだろうか? 多くの国ではうつ病の治療もプライマリケアでまず行うとされる。わが国でも今後そうなるかもしれず、この論文の知見は興味深い。 うつ病が疑われる患者さんが来て、薬物治療が必要な場合まず何を使うか? これについては多くのガイドラインが明確には語れない状況にある。とはいえ、ここでもったいをつけていても仕方ないのでえいやっとまとめてみたい。つまり、ここから下は個人的見解である。 おそらく現代の大多数の専門医はファーストラインでSSRI(なかでもセルトラリンとエスシタロプラムが総合的に優れているとされる。信頼できるエビデンスがあるのだ)を使うことが多いと一致するのではないか。 十分量を十分期間使っても効果がない場合にどうするか(セカンドライン)が本論文で検証されている。他の抗うつ薬(とくに薬理的に異なるもの)への変更、一部の抗うつ薬の追加(この論文のまさに主題であるがミルタザピンが使われることが多い、多くの治療アルゴリズムでそうなっているのだ)、抗精神病薬の抗うつ作用の利用、気分安定薬の利用、などなどの選択肢がある。とはいえ人間というものは多様過ぎて、この段階ではどれが優れているとは言い難い。そしてこの論文が示したのは、セカンドラインでの「ミルタザピンの追加は効果がなかった」というものだ。 ところで、精神科医はうつ病の方が受診した場合は、どのように治療戦略を考えるのだろう? 私見だが、多くの精神科専門医が最も注意を払うのは「本当にうつ病か」という点ではないかと思う。現代社会はますます複雑化する一方で、余裕は失われている。多くの人が、多様な悩みや苦しみを抱いて精神科を受診する。うつ病ではない人を、質問票に惑わされて、間違ってうつ病治療の文脈に導いてしまうと、「うつ病が治らないのは治療が悪いからだ、今は良い治療をするべきで、他の問題解決をするべきではない」という偽りの平衡状態にしばらく陥ることになる。この平衡状態では、医師は責任を感じて焦燥するし、患者はよくならないことに焦燥する、という絶望的なゲームとなる。 個人的臨床経験では、中核的・古典的・単純なうつ病の場合は最初の抗うつ薬(それが何であれ)でほとんど軽快する。一方で、最初の抗うつ薬が効果不十分な場合(つまりこの論文の対象集団だ)は、他の抗うつ薬に変更しようが、何かを加えようがあまり効果はない。その場合、臨床医として私なら、場合によってはミルタザピンを処方はするかもしれないが―――ミルタザピンは鎮静系なので睡眠は改善するだろうし―――内心では「そもそもの見立てを再構築しよう」と焦り、「家族内の葛藤などの語られていない情報はないか」、あるいは「双極性が隠れていないか」と考え、どうやって情報を集めようかと考えはじめるだろう。 この論文を読んで、非専門家がファーストラインで治せないうつ病は抜本的に治療戦略を見直すべきであり、そこで拘泥することは患者・医師双方にとって悲劇であると感じた。そして、この論文はきわめてまっとうな結論(さっさと専門家に紹介だ)を暗に示しているように思われた。 最後に、個々の抗うつ薬についてはさまざまなエビデンスが集積されていますし、その医師にとって使い慣れた、知り尽くした抗うつ薬がある意味で最も安全といえます。筆者はミルタザピンをファーストラインで使用することもあり、決して効果がないと言っているのではありません。本コラムの内容はあくまで単純化した一般論であり、誤解なきようお願いします。また、薬物治療は、精神療法や環境調整と並ぶ治療の大きな柱ですが、すべてではありません。

3512.

統合失調症の認知機能に対するアセチルコリンエステラーゼ阻害薬

 統合失調症で認められる認知機能障害は、予後の悪化をもたらす。そのため、統合失調症における認知機能改善を目的とした治療は、臨床的に重要であると考えられる。スペイン・バスク大学のBorja Santos氏らは、統合失調症患者の認知機能に対し、抗精神病薬とアセチルコリンエステラーゼ阻害薬併用療法の有効性を評価するため、検討を行った。Journal of Psychopharmacology誌2018年11月号の報告。 2018年3月までの研究をMedline、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trialsより検索を行った。特定の認知機能領域(処理速度、注意、ワーキングメモリ)について、抗精神病薬とアセチルコリンエステラーゼ阻害薬との併用、抗精神病薬とプラセボとの併用を比較した、ランダム化比較試験(RCT)を抽出した。2人の独立したレビュー著者が、研究適格性を評価し、データを抽出し、研究のバイアスリスクを評価した。ランダム効果モデルを用いてメタ解析を行い、エビデンスの質の評価には、Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation(GRADE)を使用した。 主な結果は以下のとおり。・9件のRCTが抽出された。・6件のRCT(219例)では、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬併用群は、処理速度を改善するエビデンスが示された(標準化平均差[SMD]:-0.52、95%信頼区間[CI]:-0.79~-0.25、p=0.0002)。・その一方で、8件のRCT(252例)では、注意領域への改善効果はプラセボ併用群の方が優れているという結果が示された(SMD:-0.43、95%CI:-0.72~-0.13、p=0.005)。・8件のRCT(273例)では、両群間でワーキングメモリの改善に差は認められなかった(SMD:-0.14、95%CI:-0.51~0.24、p=0.47)。 著者らは「現在のエビデンスでは、統合失調症患者の認知機能改善に対し、抗精神病薬への補助療法としてアセチルコリンエステラーゼ阻害薬を併用することへの推奨レベルは非常に弱かった。また、効果予測に対する信頼性も限定的であった。」としている。■関連記事統合失調症の精神病理および認知機能障害に対する抗認知症薬に関するメタ解析統合失調症の認知機能改善に抗認知症薬は有用か統合失調症の認知機能障害、コリン作動系薬の可能性

3513.

ベンゾジアゼピン使用と認知症リスクとの関連性が示唆された

 ベンゾジアゼピンの使用は、メンタルに関連する混乱や遅延を潜在的に引き起こす可能性がある。これらのよく知られているベンゾジアゼピンの副作用は、認知症と診断されるリスクの増加と関連しているといわれている。韓国・成均館大学校のKyung-Rock Park氏らは、ベンゾジアゼピンと認知症との関連について評価を行った。International Journal of Clinical Pharmacy誌オンライン版2018年10月26日号の報告。ベンゾジアゼピン使用が認知症リスク増加と関連しているかを調査 2002~13年の韓国医療データベースよりデータを抽出した。ベンゾジアゼピン使用が認知症リスク増加と関連しているかを調査するため、Sequence symmetry analysis(SSA)を行った。新規のベンゾジアゼピン使用者と新規に認知症と診断された患者(ICD-10:F00~03、G30、G318)を定義した。ベンゾジアゼピンは、作用時間に基づき長時間作用型と短時間作用型の2群に分類した。結果の非因果的解釈の可能性を除外するため、抗うつ薬、オピオイド鎮痛薬、スタチンの使用者を活性比較者とした。関連性を同定するため、時間傾向調整順序比(ASR)と95%信頼区間(CI)を用いた。主要アウトカム指標は、ASRとした。長時間作用型ベンゾジアゼピン使用者は認知症リスクが高い 主な結果は以下のとおり。・ベンゾジアゼピン使用者は、認知症との関連が認められた(ベンゾジアゼピン:4,212対、ASR:2.27、95%CI:2.11~2.44)。・長時間作用型ベンゾジアゼピン使用者(長時間作用型:3,972対、ASR:2.22、95%CI:2.06~2.39)は、短時間作用型ベンゾジアゼピン使用者(短時間作用型:5,213対、ASR:1.88、95%CI:1.77~2.00)よりも、ASRが高かった。・本SSAでは、期間と反応との関連は認められなかった。 著者らは「本研究において、ベンゾジアゼピンと認知症との関連が示唆された。さらに、長時間作用型ベンゾジアゼピン系薬剤使用患者は、同薬剤の短時間作用型使用患者よりも、認知症リスクが高いと考えられる。この疫学的関連性の因果関係を明らかにするためにも、さらなる研究が求められる」としている。

3514.

統合失調症に関する10年間の調査~実臨床のためのレビューとレコメンド

 フランス・パリ・エスト・クレテイユ大学のF. Schurhoff氏らは、統合失調症専門家のための学術研究センター(FondaMental Academic Center of Expertise for Schizophrenia:FACE-SZ)グループによる最初の10年間のコホート研究について報告を行った。L'Encephale誌オンライン版2018年10月13日号の報告。 FACE-SZでは、700以上のコミュニティで安定している患者を募集し、現在まで評価を行っている。対象者は、平均年齢32歳、男性の割合75%、平均罹病期間11年、平均発症年齢21歳、統合失調症の平均未治療期間1.5年、喫煙者55%であった。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者におけるメタボリックシンドロームの有病率は、一般集団と比較し2倍であり、正しい評価や治療が行われていなかった。・ベンゾジアゼピン使用患者および慢性低悪性度末梢炎症患者において、認知機能低下が認められた。・うつ病の合併は、対象患者の約20%で認められた。・うつ病は、QOL低下や統合失調症の喫煙者におけるニコチン依存症の増加と関連が認められた。・うつ病および陰性症状の改善は、統合失調症患者のQOL改善のための最も効果的な治療戦略であると考えられる。・大麻使用患者および発症年齢が19歳未満の患者では、統合失調症の未治療期間が長くなる傾向が認められた。・治療開始後、主観的にネガティブの印象を報告した患者では、錐体外路症状や体重増加などの客観的な副作用とは無関係に、治療に対するアドヒアランスが低下した。・アカシジアは、統合失調症の18%で認められ、これは抗精神病薬の多剤併用と関連が認められた。 結果を踏まえ、臨床ケアを行う際の、著者らのレコメンドは以下のとおりである。・統合失調症の早期診断は、青年および大麻使用者でとくに強化すべきである。・すべての患者において、治療開始時および安定後に総合的な神経心理学的評価を行わなければならない。・代謝パラメータや生活習慣(食生活や身体活動)の改善を強化すべきである。・ベンゾジアゼピンおよび抗精神病薬の多剤併用については、ベネフィット/リスク比を定期的に再評価し、できるだけ早い段階で是正すべきである。・うつ病の改善は、統合失調症のQOLを大幅に改善する可能性があるため、うつ病の診断、治療を行うべきである。・認知リハビリテーション療法や抗炎症戦略は、より治療戦略に組み込むべきである。■関連記事統合失調症患者の死亡率に関する30年間のフォローアップ調査初回エピソード統合失調症患者における抗精神病薬治療中止に関する20年間のフォローアップ研究統合失調症患者の強制入院と再入院リスクとの関連~7年間のレトロスペクティブコホート研究

3515.

双極I型障害と双極II型障害の親と子の間の精神病理的相違に関する横断研究

 双極I型障害(BP-I)および双極II型障害(BP-II)を有する親と子の間の精神病理学的な相違について、韓国・順天郷大学校のHyeon-Ah Lee氏らが検討を行った。Psychiatry Investigation誌オンライン版2018年10月26日号の報告。 対象は、BP-IまたはBP-IIの親を有する6~17歳の子供201例。感情病および統合失調症の児童用面接基準(K-SADS)- Present and Lifetime Version韓国版を用いて対照児の評価を行った。Lifetime DSM-5診断、うつ病、小児期のトラウマを含めた精神病理学的および臨床的特徴について評価を行った。Lifetime DSM-5診断は、6~11歳の小学生と12~17歳の青年の間でも比較を行った。 主な結果は以下のとおり。・Lifetime DSM-5診断において、BP-Iの親を有する子供は、BP-IIの親を有する子供よりも、大うつ病性障害およびBP-Iを発症するリスクが有意に高かった。・臨床的特徴に関して、BP-Iの親を有する子供は、BP-IIの親を有する子供よりも、ADHD評価スケールおよび小児トラウマスケールが有意に高かった。 著者らは「本研究は、BP-IとBP-IIが病理学的に異なる可能性を示唆している。BP-IとBP-IIの相違点の理解を深めるためには、双極性障害の子供に関するさらなる研究が必要とされる」としている。■関連記事双極性障害、リチウムは最良の選択か学歴とうつ病の関連は、遺伝か、環境か子供の好き嫌いの多さに影響する親の精神症状

3516.

男性医師と女性医師によるコリンエステラーゼ阻害薬の処方実態比較

 男性医師と女性医師では、患者をケアする方法にわずかではあるが重大な違いがあるといわれており、女性医師は、ベストプラクティスの推奨事項を遵守する傾向が強いとするエビデンスもある。カナダ・トロント大学のPaula A. Rochon氏らは、認知症のマネジメントにおいて推奨用量より低用量でのコリンエステラーゼ阻害薬(ChEI)による薬物療法を開始することで、男性医師と女性医師で処方実態に違いがあるかを検討した。PLOS ONE誌2018年10月22日号の報告。 対象は、カナダ・オンタリオ州に在住し、2010年4月~2016年6月に経口ChEI(ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)を新規に投与された66歳以上の認知症高齢者。医師の性別と推奨用量より低用量でのChEI治療開始との関連は、患者および医師の特徴で調整し、一般化線形混合回帰モデルを用いて分析した。データは、専門分野別に層別化を行った。副次的分析では、医師の性別と心臓スクリーニング、初期処方の期間短縮との関連性を分析した。 主な結果は以下のとおり。・分析対象は、男性医師5,811人、女性医師3,443人で、大多数はかかりつけ医であった(83%)。・女性医師は推奨用量よりも低用量でChEI治療を開始する傾向が強かった(調整オッズ比:1.43、95%CI:1.17~1.74)。・女性医師は男性医師と比較し、ChEI治療開始時の心臓スクリーニング(55.1% vs.49.2%、p<0.001)や初期処方の期間短縮(41.8% vs.35.5%、p<0.001)などの保守的な処方を実施する傾向が強かった。 著者らは「男性医師と女性医師では、ChEIの処方パターンにおいて統計学的に有意な差が認められ、女性医師の処方パターンは、より注意深く保守的である可能性が示唆された。今結果は、将来、推奨用量より低用量で治療を受けている患者において、良い結果が得られているかを判断するために役立つであろう」としている。■関連記事抗認知症薬処方前の甲状腺機能検査に関するレトロスペクティブ観察研究アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の安全性、専門家による評価なぜ、フィンランドの認知症死亡率は世界一高いのかコリンエステラーゼ阻害薬の副作用、全世界の報告を分析

3517.

慢性不眠症に対するレジスタンスエクササイズの影響

 慢性不眠症患者におけるレジスタンスエクササイズやストレッチが、睡眠、気分、QOLに及ぼす影響について、ブラジル・サンパウロ連邦大学のCarolina V. R. D'Aurea氏らが検討を行った。Revista Brasileira de Psiquiatria誌オンライン版2018年10月11日号の報告。 レジスタンスエクササイズ群10例、ストレッチ群10例、対照群8例に対し、4ヵ月間の治療を行った。睡眠の評価には、睡眠ポリグラフ検査、アクチグラフ測定、アンケートを用いた。気分の評価には、POMS(気分プロフィール検査)、QOLの評価にはSF-36を用いた。 主な結果は以下のとおり。・レジスタンスエクササイズ群とストレッチ群の治療に、有意な差は認められなかった。・レジスタンスエクササイズ群とストレッチ群は、対照群と比較し、不眠症重症度指数、睡眠潜時のアクチグラフ測定、入眠後の目覚め、睡眠効率について有意な改善が認められた。 ●不眠症重症度指数(レジスタンスエクササイズ群:-10.5±2.3、ストレッチ群:-8.1±2.0、対照群:2.3±1.8) ●睡眠潜時のアクチグラフ測定(レジスタンスエクササイズ群:-7.1±4.6分、ストレッチ群:-5.2±1.9分、対照群:2.2±2.1分) ●入眠後の目覚め(レジスタンスエクササイズ群:-9.3±2.8分、ストレッチ群:-7.1±3.0分、対照群:3.6±4.2分) ●睡眠効率(レジスタンスエクササイズ群:4.4±1.8%、ストレッチ群:5.0±0.8%、対照群:-2.3±2%)・レジスタンスエクササイズ群とストレッチ群は、対照群と比較し、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)総スコア、睡眠持続時間においても改善が認められた。 ●PSQI総スコア(レジスタンスエクササイズ群:-5.3±0.8、ストレッチ群:-3.9±1.5、対照群:-0.1±0.8) ●睡眠持続時間(レジスタンスエクササイズ群:1.2±0.3時間、ストレッチ群:1.6±0.6時間、対照群:-0.1±0.2時間)・PSQI-睡眠効率は、対照群と比較し、レジスタンスエクササイズ後に増加が認められた(レジスタンスエクササイズ群:19.5±3.9%、対照群:2.1±4.3%)。・睡眠ポリグラフ検査またはQOLの評価では、有意な差は認められなかった。・ストレッチ群では、対照群と比較し、不安緊張が少なかった。 著者らは「中等度のレジスタンスエクササイズおよびストレッチは、慢性不眠症患者の客観的および主観的な睡眠において、同様の改善をもたらす」としている。■関連記事音楽療法が不眠症に有用不眠症の人おすすめのリラクゼーション法とは就寝時、部屋は暗くしたほうがよいのか:奈良医大

3518.

慢性うつ病と非慢性うつ病の差に関するシステマティックレビュー

 慢性うつ病(Chronic Depression:CD)が、非CDと対照的に、明確な特徴をどの程度有しているかはよくわかっていない。ドイツ・シャリテー大学病院のStephan Kohler氏らは、CD患者の社会人口統計学的要因、精神病理および疾患の経過に関して、非CD患者との比較を行うため、システマティックレビューを行った。Depression and Anxiety誌オンライン版2018年10月9日号の報告。 構造化データベース検索(MEDLINE、PsycINFO、Web to Science、CENTRAL)を実施した。CD患者と非CD患者を比較したすべての研究が含まれた。DSM-IVまたはDSM-5に従い、サブグループの診断を行ったコホート研究、横断研究、観察研究を含む28件の研究が特定された。主要アウトカムは、社会人口統計学的要因、小児期虐待、疾患発症、併存疾患、抑うつ症状の重症度および経過、明確な精神病理に関するグループ間の比較とした。 主な結果は以下のとおり。・CD患者は、非CD患者と比較し、抑うつ症状の早期発症、精神医学的併存疾患の高率な合併、複雑な治療経過(例:高い自殺念慮率)が認められた。・非CD患者と対照的な、CD患者の精神病理学的に明確な特徴(従順および敵対的な対人関係)がいくつか認められた。・小児期の虐待については、一貫性が認められなかった。・抑うつ症状の重症度および多くの社会人口学的要因に関して、差は認められなかった。 著者らは「いくつかの矛盾はあったものの、CD患者と非CD患者の間に重要な差が認められた。しかし、より多くの治療戦略を見いだすためには、今後、非CD患者と比較したCD患者の明確な精神病理を特徴付けるための研究が必要とされる」としている。■関連記事たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能治療抵抗性うつ病を予測する臨床的因子~欧州多施設共同研究治療抵抗性うつ病の予測因子に関するコホート研究

3519.

益と害を見極めてポリファーマシーを解消させる

 超高齢化社会に伴い多剤併用が問題視されているが、果たして何が原因なのだろうか。2018年11月6日にMSD株式会社が主催する「高齢者の多剤併用(ポリファーマシー)に関する実態と不眠症治療の課題」について、秋下 雅弘氏(東京大学大学院医学系研究科加齢医学講座教授)と池上 あずさ氏(くわみず病院院長)が登壇し、ポリファーマシーの原因と不眠症治療のあり方について語った。ポリファーマシーはなぜ起こり、何が問題なのか 多剤服用でも、とくに害をなすものをポリファーマシーと呼ぶ。そして、薬物有害事象、アドヒアランス不良など多剤に伴う諸問題だけを指すのではなく、不要な処方、過量・重複投与などあらゆる不適正処方を含む概念に発展している。 ポリファーマシーが高齢者で起こる理由は、年齢とともに疾患リスクが上昇するからであり、脳心血管疾患、生活習慣病、消化器や運動器などの併存疾患、そして老年症候群に対する処方薬剤の積み上がりが原因とされている。 秋下氏は、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬が不眠症治療薬としても利用されている点を問題視しており、「患者は両者が同じ系統の薬剤であることを理解せずに、さまざまな医師に相談をもちかける。結果、重複して服用することになる」と、問題が起こる状況の例を示した。高齢者の多剤併用、どうやって何を減らすと良いのか 患者からの『なぜこれまで飲んでいた薬を減らすのか』という問いに対し、「きちんと説明できない医師が多い」と同氏は語る。こういう場合は、急性期から慢性期、外来から在宅へ移行するタイミングがチャンスだという。東大病院では、薬剤師が主導となり、入院時に“持参薬評価テンプレート”を用いて薬剤調整を実施している。6剤以上服用かつ7つの評価項目のいずれかに該当する場合は、調整対象となり、対象者の21%で薬剤の必要性が見直され、減薬に成功している。 また、さまざまな疾患で使用される抗コリン系薬剤は、認知症リスクを高める報告があるため、高齢者や認知機能が低下している患者において、同氏は「この種の薬剤の重複投与をなるべく避けるよう検討することが重要」と、注意を促した。“中止を前提”として不眠症治療薬を処方する 漫然と処方されがちな不眠症治療薬であるが、高齢者の場合は、服用時の転倒・骨折だけではなく、長期間の服用継続によるせん妄誘発や認知症リスクの増大、さらにはそれらが引き金となり、誤嚥性肺炎から死につながることもある。 不眠症には3つのタイプがあり、入眠困難が年齢と関係ないのに対し、中途覚醒や早朝覚醒は60歳以上になると増える傾向にある。これを踏まえ池上氏は、「夜間頻尿など患者の不眠原因を追求したうえで、“5時間以上眠れたらOK”、“無駄に布団にいない”よう指導する」など、服用中断への導き方を指南した。 また、糖尿病をはじめ生活習慣病に罹患している患者は、不眠症治療薬の服用率が高い。これに対し同氏は、「生活習慣病で病院に受診していると先生に不眠であることを訴えやすく、不眠症治療薬に手が届きやすい」と疾患以外の原因についても言及した。減薬には時間をかけることが大切 「ポリファーマシーに関する診療所医師と保険薬局薬剤師の意識調査」1)における、ポリファーマシーに対する減薬アプローチについて、医師は41.3%が関与していた。一方、服薬指導を行う立場である薬剤師の関与は7.2%であった。これについて秋下氏は、「ポリファーマシーの問い合わせを疑義照会と同じタイミングで行おうとしているのではないか。その場で減薬ができなくても、次やその次に減薬ができれば良いという感覚で問い合わせを行えば、もっとアプローチができるのではないか」と、医師への問い合わせにためらいをみせる薬剤師に対してアドバイスした。 池上氏は、「患者は不眠症治療薬を飲むうえで、“依存性があり止められなくなる”、“効果がなくなる(量が増える)”などの不安を抱え、本当は飲みたくない方が多い。患者一人ひとりの生活環境を把握し、コーヒーやお茶などカフェインを含む飲料は睡眠の4時間前にとるように指導するなど、患者に寄り添うことで減薬は可能である。しかし、減薬する際は、反跳性不眠などのリスクを考慮しながら、しっかり時間をかけて行ってほしい」と、減薬におけるリスクとベネフィットを説明した。 最後に、秋下氏は「レセプトデータ等の処方解析やエビデンス蓄積に努めていく」とし、池上氏は「不眠症も生活習慣病の一つと考え、睡眠衛生指導を行い、出口を見据えた不眠症薬物療法を実践する」と今後の方針や意気込みを示した。■参考日本老年学会:高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015日本睡眠学会:睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン1)AMED長寿科学研究開発事業 平成28年度~29年度「高齢者の多剤処方見直しのための医師・薬剤師連携ガイド作成に関する研究」■関連記事身体能力低下の悪循環を断つ診療高齢者の処方見直しで諸リスク低減へ待望の刊行 「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」

3520.

在宅医療で使う漢方薬の役割と活用法

 2018年10月24日、漢方医学フォーラムは、都内で第138回目のプレスセミナーを開催した。当日は、在宅医療における漢方薬の役割について講演が行われた。在宅医療は患者のレジリアンスを高める 講演では、北田 志郎氏(大東文化大学 スポーツ・健康科学部 看護学科 准教授/あおぞら診療所 副院長)を講師に迎え、「地域包括ケアシステムと漢方~“暮らしのなかでいのちを支える” 在宅医療で発揮される漢方薬の役割~」をテーマに講演が行われた。 同氏は、内科ローテートを修めた病院で東洋医学を専攻。以降、精神医学の診療に従事するとともに、中国に短期留学をし、漢方専門外来に従事するなど、漢方薬には深い造詣を持つ。 講演では、少子高齢化、多死化、高齢者の独居化が増加する日本社会で、地域包括ケアの重要性を強調。最新の治療機器、治療薬などで医療を提供し、健康長寿国であるにも関わらず、受益者である患者の医療制度への満足度は低く、提供している医療者は疲弊しきっていることに言及し、その原因を医療需要(患者の思い)と供給(医療者の思い)のミスマッチにあると指摘する。たとえば、終末期の患者を病院で看取ることは、本当に患者が望んでいることなのか、医療者の思いだけで医療の提供をしているのではないかと疑問を呈した。 具体的例として、80代の認知症患者を挙げ、自宅での終末期の過ごし方が患者の病状緩和やQOLの向上に役立ったと自験例を説明した。これを同氏は「レジリアンス(復元力・打たれ強さ)」と呼び、古い記憶をたどる傾向のある認知症では自宅だからこそ医療・介護に役立つ利点があると語る(ただし、在宅医療に拘泥することなく、病の軌跡の局面に応じて使い分けるべきだとも指摘する)。 また、在宅医療では、先端医療の導入が困難であり、治療手段も限定される中で、患者の暮らしと乖離しない技術として伝統医学との親和性を提案する。とくに高齢者の在宅診療では、「虚弱に対する補法」として、代替医療が真価を発揮する場になるという。高齢者への5つの漢方薬の使い方 『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン 2015』(日本老年医学会 編集)では、「漢方薬・東アジア伝統医薬品」と別章を作り、クリニカルクエスチョンとして5剤について有効と記載している。 ガイドラインでは、「半夏厚朴湯」につき、「誤嚥性肺炎の既往をもつ患者における嚥下反射を改善させ、肺炎発症の抑制に有効である」とされている。また、エビデンスについても「有意に肺炎発症を減少させただけでなく、自力経口摂取維持にも有効」とされる。その他の方剤として、「抑肝散」が(アルツハイマー型、レビー小体型、脳血管性)に伴う行動・心理症状のうち易怒、幻覚、昼夜逆転、興奮、暴力など、いわゆる「陽性症状」に、「大建中湯」は脳卒中後遺症における機能性便秘ならびに腹部術後早期の腸管蠕動運動促進に、「麻子仁丸」は高齢者の便秘に、「補中益気湯」は慢性閉塞性肺疾患における自他覚症状、炎症指標および栄養状態の改善にそれぞれ有効とされている。 在宅医療で漢方を用いる意義について同氏は「老いること、死ぬことは生活に属し、現代医学による管理を緩めつつ、医療者に見放されることなく、在宅の生をまっとうする契機を得ることができる」と説明し、最後に「在宅医療における漢方の導入は『医療の根幹部とは何か』を模索する思考につながる」と思いを語り、レクチャーを終えた。

検索結果 合計:5819件 表示位置:3501 - 3520