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統合失調症に対する気分安定薬の処方状況~国際的研究

 精神疾患に対する抗精神病薬と気分安定薬の処方状況や投与量を調査した研究は、これまであまりなかった。シンガポール・精神衛生研究所のWai Kwong Lim氏らは、限られた既存のデータと臨床経験に基づき、補助的な気分安定薬の使用と人口統計(年齢など)、臨床的要因(罹病期間など)、抗精神病薬治療の特徴(併用や高用量など)との関連について調査を行った。Human Psychopharmacology誌オンライン版2020年8月1日号の報告。 本研究は、統合失調症の薬物疫学的要因に焦点を当てたアジアリサーチコンソーシアム内で実施された。気分安定薬の併用率や高用量(リチウム換算量1,000mg/日超)、臨床相関などを評価した。 主な結果は以下のとおり。・対象は、アジア14ヵ国で統合失調症と診断された患者3,557例。・気分安定薬と抗精神病薬が併用されていた患者は485例(13.6%)であった。・高用量の気分安定薬が処方されていた患者は53例(10.9%)であった。・補助的な気分安定薬の使用と関連していた因子は以下のとおりであった(すべてp<0.005)。 【人口統計学的要因】女性、若年 【社会的要因】国、入院 【疾患関連要因】罹病期間の長さ、入院回数の多さ、非寛解、解体行動、攻撃性、感情症状、社会的職業機能障害 【治療関連要因】高用量の抗精神病薬、抗精神病薬の多剤併用、高BMI、鎮静作用の強さ・高用量の気分安定薬を投与された患者は、疾患経過が不良で、解体行動や機能低下の頻度が高く、抗精神病薬の投与量がより多かった。 著者らは「アジアの精神科医療施設で、補助的な気分安定薬が処方されている統合失調症患者はより重症であり、シンプルな治療レジメンへの反応性が低いことが示唆された」としている。

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セロクエルとセロクラールとの取り違えに注意

 アステラス製薬とサノフィは、2020年8月、「セロクエル(一般名:クエチアピンフマル酸塩):抗精神病剤」(製造販売:アステラス製薬)と「セロクラール(一般名:イフェンプロジル酒石酸塩):脳循環代謝改善薬」(製造販売元:サノフィ、販売元:日医工、販売提携:日医工サノフィ)について、これらを処方・調剤する際には薬効および販売名を今一度確認すること、また処方オーダーシステムを使用する場合は入力後の内容確認、アラートを表示させるなどの薬剤の選択ミス防止策を検討するよう注意喚起を行った。 これら2剤は販売名が類似していることから、2012年10月に取り違えに関する注意喚起を行っているが、その後も処方オーダーシステムにおける両薬剤の選択ミスや調剤時の薬剤取り違えなどが繰り返され、2020年6月1日時点で25件の事例が日本医療機能評価機構ホームページへ掲載されているという(日本医療機能評価機構 医療事故情報収集等事業報告事例 3件、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業報告事例 22件)。

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「乳腺外科医事件」控訴審、逆転有罪判決の裏側~担当弁護人による「判決の争点」解説~ 【後編】

手術直後の女性患者への準強制わいせつ罪に問われた執刀医が、逮捕・勾留・起訴された事件。一審では無罪判決となったが、控訴審では懲役2年の実刑判決が東京高裁より言い渡された。一転して逆転有罪判決となった経緯には何があったのか。弁護人の1人である水沼 直樹氏に、実際に法廷で論じられた争点について、前・後編で解説いただく。後編では、紙数の範囲内で弁護側推薦の精神科医の証言と判決を取り上げる(前編はこちら)。後編:弁護側の精神科医の証言と判決1.弁護側証人の証人尋問の骨子せん妄は、急性の脳機能不全であり、ベースは意識・注意の障害である。既知のリスクファクターがなくともせん妄の発症率は28%ほどあり1)、幻覚発症率も数割程度2),3)との報告がある。せん妄は直線的に回復するのではなく、日内で変動する。DSM−V等の診断基準に照らすと、患者は術後約30分の間、過活動型または混合型のせん妄状態であった。せん妄のサブタイプ(過活動型、低活動型、混合型)と重症度とは一致せず、いずれも幻覚体験することはあり、幻覚が記憶に残りうる3)。自己の臨床経験では、患者が壁に人がいると言ってスマホで写真撮影した症例があり、患者は一部の幻覚を記憶していた。せん妄により普段慣れている事を幻覚体験することがあり(作業せん妄)、自動車セールスマンの患者がベッドの枕に向かって自動車セールスをしていた症例がある。患者に声をかけると「いま商談中ですので」と遮られた。さらに、自転車に乗るといった意識的な処理なしに機能する「手続記憶」があり、LINEは手続記憶としてせん妄下で操作可能である。「警察に捕まる」と家族にLINEした症例がある。2.控訴審判決(1)せん妄について被害者の証言は、わいせつ被害の不快感、屈辱感を感じる一方で医師がそうするはずがないという生々しいもので、迫真性があり強い証明力がある。「ぶっ殺してやる」との発言*1の有無自体、看護師の証言によるため信用性判断は慎重に行うべきで、カルテに「不安言動はみられた」との記載があるが「せん妄」との記載がなく「術後覚醒良好」と記載されていることから、患者が当該発言をしたか疑問がある。検察側証人はせん妄の専門の研究者ではないが臨床経験が豊富で信用性が高い。弁護側証人は患者の認識能力が劣る場面のみ取り上げ中立性に疑問がある*2。事件から2年以上経過した今、患者が看護師から受けたケアを覚えていないのは止むを得ない。当時の患者はせん妄ではないか、せん妄だとしても幻覚を体験していない。(2)科学鑑定についてア アミラーゼ検査の結果は、相応の専門性、技量のある科捜研研究員が適切な器具等を用いて検査した以上、あえて虚偽の証言する必要性がないから、アミラーゼ陽性を示す客観資料がなくとも、信用性は否定されない。イ DNA定量検査は、標準資料(ママ)の増幅曲線および検量図(ママ)等が保存されずとも、また(9箇所の)ワークシートの消去や書き直しがあっても、信用性は否定されない。唾液は遠くに飛ばず下に落ちると思われ、手術助手より遠位にいた執刀医の唾液だけが検出されており、唾液飛沫が付着したとは考えにくい。3.このような事案を防ぐために被告・弁護側は今回の高裁判決を不服として上告しており、本件については最高裁で争われることになります。今後このような事案を防ぐために、医療従事者単身での回診、見回りは回避し、とくに男性看護師の場合、術後間もないときだけでも単独訪室を避けましょう。また、せん妄診断について手順を再確認してみませんか4)。さらに、手術中待機中の家族に、せん妄に関する動画5)を視聴してもらう等、マンパワーをかけずに啓蒙することも一案です。*1:術後に看護師が被害者の検温を行おうとしたところ、被害者が「ふざけんな、ぶっ殺してやる」と発言したと看護師が証言している*2:DSM−Vは、意識障害等の認識能力が劣る点を診断するものであり、判決は弁護側証人の証言を曲解していると言える参考1)Saporito A, et al. J Anesth. 2014;28:198-201.2)Gupta N, et al. J Psychosom Res. 2008;65:215-222.3)Meagher DJ, et al. BMJ. 2001;322:144-149.4)国立がん研究センター,「がん治療中のせん妄の発症予防を目指した多職種せん妄対応プログラムの開発」:DELTA(DELirium Team Approach)プログラム」5)日本サイコオンコロジー学会,厚生労働省委託緩和ケア普及啓発事業オレンジバルーンプロジェクト「あれ?いつもと様子が違う=せん妄とは?」講師紹介前編はこちらから

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双極性障害の早期発症や治療開始遅延がその後の治療効果に及ぼす影響

 双極性障害の治療アウトカム不良のリスク因子として、早期発症と初回治療開始の遅延の両方がエビデンスで報告されている。米国および欧州の双極性障害患者における、これら2つのリスク因子の発生率とその影響について、米国・ジョージ・ワシントン大学のRobert M. Post氏らが調査を行った。Psychiatry Research誌オンライン版2020年7月3日号の報告。 本研究の参加についてインフォームドコンセントを行い、詳細なアンケートに回答した双極性障害の外来患者967例を対象に、うつ症状または躁症状の発症年齢および初回治療時の年齢を評価した。発症年齢および初回治療開始の遅延について、米国の675例と、オランダおよびドイツ(欧州)の292例を比較し分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・双極性障害の発症年齢は、欧州よりも米国で平均6~7年早く、うつ症状または躁症状の発症年齢についても同様な結果であった。・初回治療開始の遅延は、発症年齢と強い逆相関が認められ、米国は欧州の2倍遅延しており、とくに青年期の躁症状での違いが認められた。・米国での初回治療開始の遅延は、発症年齢の早さによるものだけではないと考えられる。 著者らは「治療開始の遅延は治療上のリスク因子であり、米国における双極性障害の早期発症率の高さを認識することにより、遅延期間の短縮は可能である。また、米国における早期発症率の高さは、欧州と比較し、遺伝的および環境的な脆弱性の要因に関連していると考えられる。小児双極性障害患者に対し、より良い長期的なアウトカムを提供するためにも、新たな治療や研究への取り組みが求められる」としている。

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第20回 武田薬品が仕掛ける早期退職制度に隠された真実?

ここ1週間で国内製薬企業の雄・武田薬品工業(以下、武田)に関する2つのニュースが流れ、関係者がざわついている。一つは8月17日に発表された早期退職者優遇制度(フューチャー・キャリア・プログラム)の実施、もう一つはその翌日に報じられた大衆薬事業の売却である。1781年(天明元年)、大阪の道修町で創業した薬種中買商(薬種卸仲買商、いわば医薬品卸)の「近江屋」を起源とする武田は、ベタな例えをすれば「コテコテの浪速の商人(あきんど)」だが、そこから約240年でまったく別の会社になりつつある。近年同社が最も世を驚かせたのは2013年11月に明らかになった初の外国人社長クリストフ・ウェバー氏の登場であり、極めつけは2019年1月、アイルランドのシャイアー社を約6兆8,000億円という日本史上の最高額の買収で傘下におさめ、製薬企業世界トップ10入りしたことだ。とりわけシャイアー買収は5兆円という巨額な有利子負債を抱えてまで行った乾坤一擲(けんこんいってき)の戦略。投資適格性の指標となる、有利子負債を自社の営業キャッシュフローで返済する能力を示す「純有利子負債/調整後EBITDA比率」は一般に2.0倍以内が投資適格と判断されるが、武田はシャイアー買収後に約4.8倍にまで上昇。同社は買収から3~5年以内にこの比率を2倍以内に急速に低下させると繰り返し公言した。これに関連し、約100億ドルの非コア事業の資産売却を目指す方針も明らかにしていた。実はコロナ禍の影響は少なくない?その意味でこの2つの動きは単純にシャイアー買収による有利子負債返済の加速に向けた「既定路線」と解釈しがちになる。それ自体は概ね間違いではないだろうが、やや短絡的に過ぎるのではないかと思う。たとえば、今回発表された早期退職者優遇制度は国内事業部門が対象だ。しかし、シャイアー買収完了直後、国内事業であるジャパンファーマビジネスユニットプレジデントの岩崎真人取締役は、統合に伴い大幅な人員削減を行うつもりがないことを強調していた。実際、統合直前のシャイアー日本法人には契約社員も含め約250人の社員がいたが、統合後の2019年度末の武田の社員数は約60人しか増加していなかったし、この間にアメリカなどでのシャイアーとの拠点統合の結果としてそれなりの人員削減に成功していた。また、最新(2020年度第1四半期)の純有利子負債/調整後EBITDA比率は既に3.7倍と順調な低下を見せている。むしろここで考慮すべきファクターがあるとするならば今回のコロナ禍である。といってもこの件で直近の売上が大幅に減少しているわけではない。むしろ影響は今後出ると考えられる。昨秋から武田は2025年3月期までに12の新規候補物質について製造承認取得の可能性を見込んでいるとやや前のめりの見通しを示している。しかし、そもそもこれらすべてが上市にこぎつけられるとは限らないうえに、今回のコロナ禍で同社を含む多くの製薬企業が臨床試験の一時中止を強いられている。また、武田に限って言えばこの間の2023年中に全世界で売上高3,000億円弱を叩き出すADHD治療薬・ビバンセが特許失効となる。コロナ禍で先行き不透明感はより増してしまった感がある。そしてコロナ禍による国内売上高に対する影響は、むしろ来期のほうが深刻になる可能性がある。というのも薬剤購入費などを予算化している大病院は今期の経営実績から来期の予算が決まる。ところが、現在多くの医療機関が経営的には苦しい状況に置かれているのは周知のことで、来期の薬剤購入は相当シビアになる可能性がある。同社は表面上、経費削減目的とは言っていないが、このような状況を考えれば、もはや国内事業の人員も「聖域」にしておけないというのが実態だと思われる。早期退職制度、なぜ若手が対象者?一方、今回の早期退職者優遇制度が勤続3年以上、30歳以上を対象としていることに対する驚きも多い。個人的な印象に過ぎないが、ネット上などでの反応を見ると「中高年をターゲットにしていることを隠すためでは?」という声は少なくない。しかし、個人的にはややダウトだ。やや個人的な話が混じるが、私が新卒で医薬品業界紙の記者になった時の武田の社長は創業家出身の武田 國男氏である。父親で武田の社長を務めた6代目武田 長兵衛氏の三男だった國男氏は、自称「武田家の落ちこぼれ」だったが、当初後継者と目されていた兄に加え、父も相次いで急逝し、社長の座についた。副社長時代にアメリカ進出を成功させ、「選択と集中」の名のもとに同社が歴史的に有してきた農薬や化成品、食品などの非コア事業を相次いで切り離し、業績好調の中で早期退職者優遇制度による人員削減を推し進めるという「離れ業」をやってのけた。引退後の現在、ウェバー氏の舵取りは批判的とも伝わっているが、今から20年以上前に國男氏が行ったことは今の体制下で行われていることと重なる。その國男氏時代、武田では毎年1回、ホテルの宴会場で業界紙・専門紙や一般紙の経済部記者などを集め、経営陣との記者懇親会を開催していた。宴会場には料理や飲み物が並び立食形式だったが、実際にこうした席では社長、あるいは営業本部長クラスの取締役は記者に囲まれて質問攻めにあい、最初の乾杯発声時に手にしたグラスを握ったまま、飲食はほとんどできないことが多い。しかし、國男氏はまったく違った。自ら皿を取って料理を山のように盛り、それをガツガツ食べながら記者の質問に答える。従来から自社の社員を「大企業病に罹っている」と公然と批判することもあった國男氏に、当時20代だった私は冗談半分に「いまこの席にいる経営幹部はさすがに大企業病から抜け出してますよね?」と意地の悪い質問をしたことがある。これに対して國男氏はフォークを持ったままの右手で、周辺にいる幹部を次から次に指差し、「彼らは皆、まだまだ大企業病の患者だ」と大声で言い放った。とにかく「和」を重視しがちな日本企業では異色の経営者だったと言える。その後、社長を引き継いだ長谷川 閑史(やすちか)氏は、巨艦・タケダの自前主義からの脱却を図り、米・ミレニアム社を約8,000億円、スイス・ナイコメッド社を約1兆1,000億円で相次いで買収し、世界70ヵ国の販路を確保する国際化を進めた。そして長谷川氏の後を継いだ初の外国人社長のウェバー氏は、シャイアー買収で世界トップ10入りを果たした。まさにこの四半世紀、武田は目まぐるしく変化し、現在では多くの主要なポストの就任要件に英語能力を図るTOEICの基準点があるほど。この間、ついていけないとばかりに武田を去った日本人社員も少なくないのは業界関係者の多くが知るところだ。だが逆に言えば四半世紀の変化を眺め、その現状に適応して現時点まで生き残ってきた武田の中高年社員はむしろとてつもない環境適応能力を持っているとも言える。むしろ武田の方向性がおおむね確定してきたここ10年のゆとり世代入社組と比べ、その底力は計り知れないものがあるはずだ。その意味でこうしたリストラでの一般的な見方である「高給取りの中高年社員の一掃」は、こと武田については当てはまらない気がしている。いずれにせよここ四半世紀、私が見てきた武田は、環境変化という「危機」に乗じ、周囲のさまざまなものを大きく飲み込み、そのたびにプレゼンスを強化する巨大な雲海のごとし。その意味で今回の一連の出来事の先にどんな動きを見せるのか興味津々である。

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健康問題を有する患者のメンタルヘルス改善のためのオンライン心理的介入~メタ解析

 Webベースの心理的介入は、ここ15年間で大幅に増加している。健康状態に慢性的な問題を有する患者における抑うつ、不安、苦痛症状に対するWebベースの心理的介入の有効性について、オーストラリア・ディーキン大学のV. White氏らが、検討を行った。Psychological Medicine誌オンライン版2020年7月17日号の報告。 1990年~2019年5月1日に公表された研究をMedline、PsycINFO、CINAHL、EMBASE、Cochrane Databaseより検索した。健康状態に慢性的な問題を有する成人における不安、抑うつ、苦痛を軽減することを主要および副次的な目的として実施されたWebベースの心理的介入のランダム化比較試験の英語論文を分析対象とした。結果の評価には、ナラティブ分析および変量効果メタ分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・以下の主な疾患を含む17種類の健康状態における70件の適格研究が確認された。 ●がん:20件 ●慢性痛:9件 ●関節炎:6件 ●多発性硬化症:5件 ●糖尿病:4件 ●線維筋痛症:4件・CBT原理に基づいた研究は46件(66%)、ファシリテーターを含む研究は42件(60%)であった。・すべての健康状態に慢性的な問題を有する患者において、Webベースの介入は、メンタルヘルスの症状軽減により有効であった。 ●うつ症状:g=0.30(95%CI:0.22~0.39) ●不安症状:g=0.19(95%CI:0.12~0.27) ●苦痛:g=0.36(95%CI:0.23~0.49) 著者らは「患者自身によるオンライン心理的介入は、健康状態に慢性的な問題を有する患者にとって不安、抑うつ、苦痛の症状軽減に役立つと考えられるが、特定の健康状態に有効かどうかは不明であり、有効性に関するエビデンスは一貫していなかった。明確な結論を導き出すためには、より質の高いエビデンスが求められる」としている。

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日本人女性の食事パターンとうつ病との関連

 健康的な食事や地中海式の食事のような質の高い食事パターンは、うつ病の予防と関連しているといわれている。昭和女子大学の小西 香苗氏は、西洋的な食事パターンとは異なる健康的な日本の食事パターンが、日本人女性の抑うつ症状と関連しているかについて、調査を行った。Public Health Nutrition誌オンライン版2020年7月17日号の報告。 長野県の20~72歳の日本人女性1,337例を対象に横断的研究を行った。うつ症状は、米国国立精神衛生研究所でうつ病の疫学研究用に開発された自己評価尺度(CES-D Scale)を用いて評価を行った。食事パターンは、検証された簡便な食事歴アンケートを用いて評価し、56食品の摂取量から成分分析を行った。主な結果は以下のとおり。・「健康的な日本食」「スイーツ-脂質」「シーフード-アルコール」の3つの食事パターンが特定された。・最も良い食事パターンは、「健康的な日本食」であった。・「健康的な日本食」の特徴は、野菜、きのこ、海藻、大豆製品、じゃがいも、魚介類、果物の摂取量が多いことであった。・「健康的な日本食」スコアの最高四分位における、うつ症状の年齢調整オッズ比(OR)は0.58(95%CI:0.41~0.82)、多変量調整ORは0.69(95%CI:0.45~1.06)であった。・「スイーツ-脂質」「シーフード-アルコール」の食事パターンでは、関連性は認められなかった。 著者らは「健康的な日本の食事パターンは、抑うつ症状を予防する可能性がある。健康的な日本食に含まれる食材は抗炎症作用を示すと考えられ、この要因がより良いメンタルヘルスと関連している可能性がある」としている。

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統合失調症に対する第2世代抗精神病薬の副作用~Webベース横断研究

 統合失調症治療に用いられる抗精神病薬の副作用は、大きく異なることがよく知られている。しかし、患者目線でのこれらの副作用による機能への影響については、あまりわかっていない。米国・西ミシガン大学のRajiv Tandon氏らは、第2世代抗精神病薬の主要な副作用が、機能やQOLにどのような影響を及ぼすかを明らかにするため検討を行った。Annals of General Psychiatry誌2020年7月13日号の報告。 米国、カナダ、オーストラリア、スペイン、イタリア、ノルウェー、デンマークの成人統合失調症患者から報告された副作用に関する横断的なWebベース調査を実施した。本調査には、社会人口統計学的および臨床的な質問、QOLの評価尺度(Q-LES-Q-SF)、抗精神病薬の副作用評価尺度(GASS)を含めた。副作用を8つ(手や腕のふるえ、落ち着きのなさ、睡眠の困難さ、日中の眠気、意識がなくなる/無気力な感じ、めまい/失神、セックスを楽しめない、体重増加)に分類し、機能やQOLへ及ぼす影響に関する質問を追加した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者数は435例(平均年齢:38歳、女性の割合:53.8%)であった。・Q-LES-Q-SF合計スコアでは、患者のQOLに対する満足度は、中程度であった(スコア:44.3[14~70])。・最も一般的な副作用は、以下のとおりであった。 ●日中の眠気:83.2% ●睡眠の困難さ:74.7% ●口渇:63.9% ●セックスを楽しめない:53.4% ●体重増加:52.4%・女性は男性よりも、日中の眠気、セックスを楽しめない、体重増加の報告が多かった。・主要な副作用は、機能の身体的、社会的、職業的、心理的な側面に影響を及ぼしていた。・主要な副作用を有する患者は、その経験に不満を感じることが多かった。・Q-LES-Q-SF合計スコアは、8つに分類した副作用のスコアとの有意な逆相関が認められ、主要な副作用の重症度とQOL低下との関連が示唆された。 著者らは「第2世代抗精神病薬で治療中の安定した統合失調症患者は、賦活的および鎮静的な副作用、性的副作用、体重増加などの問題を抱えている。これらの副作用は、日常的なすべての機能に影響し、QOLおよび満足度の低下と関連している」としている。

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うつを予防する方法(解説:岡村毅氏)-1278

 ビタミンDにうつ病を予防する効果はないという残念な結果であった。これを深掘りしてみよう。 まず、前提としてさまざまなビタミン、ミネラル、アミノ酸、脂肪酸等がうつ病を予防するのではないかという小さなエビデンスは集積されている。ビタミンDでも同様である。 ただし、たとえばビタミンDを摂っている健康な人は、運動もするし、友人も多いし、健康情報もよく知っているのでうつになりにくい可能性はあるだろう(これらを交絡因子という)。したがってうつ病の人と、そうでない人を比べるとビタミン摂取量に差がある可能性はある。 要するに「うつではない人はビタミンを摂っている」と「ビタミンを摂るとうつにならない」のとり違いの可能性である。 真実を知りたい。そこで、この研究のように、対象者をランダムにある地点で2つの同じようなグループに分けて、「その時点から」片方にはビタミンDを追加投与、片方には偽薬を与えるという研究をする。本研究は、なんと2万人近い50歳以上の人が対象になっている。もちろんうつ病だけを狙った研究ではなく、本研究はがんや心血管系の疾患を主な対象にしているのだが。 この結果を受けて、ビタミンDは関係ないのかというと、そうとも言い切れない。 これまでの研究で「ビタミンDは関係ある」という結果が出たのには理由がある。前述の「交絡」である。どんなものが考えられるだろうか? 以下は私の勝手な推測だが、ビタミンDを多く摂っている人は、1)健康に気を使っている【情報】、2)自分を大事にしている【自尊心】、3)(1人でカップラーメンを食べたりするのではなく)みんなで食卓を囲む機会が多い【ソーシャルネットワーク】、4)幼少期からきちんとしたご飯を食べる機会が多かったので習慣化している【安定した幼少期】、5)(野菜は高いので)経済的に困窮していない【経済】、といった可能性があるので、うつになりにくいのかもしれない。また、うつ病になると意欲が低下して食生活が乱れるので、ビタミンDも摂らなくなる、という逆の因果もあろう。 さて、臨床的には明らかに生活習慣が乱れていることが精神的不調の原因の人がいる。そういう人にはうつ病と診断して精神科治療を始める「前に」、まずはまともな生活をすることを指導する(獨協医科大学の井原先生のご著書で世間でもこのような考え方は広く知られるようになってきた)。毎日塩辛いものを食べまくっていて血圧が高い人には、まず適度の減塩を指導するのと同じである。 というわけで、本論文を読んで「ビタミンは関係ないのだ、明日からカップラーメンでいいや」というのは間違った解釈である。真実はとても地味だ。つまり、あえてサプリメントを摂ることはないが、健康に気を付けて、自分を大切にして、3食きちんと食べなさい、栄養バランスは考えて野菜も摂るのよ、夜は寝ろ、疲れたら休め、無理はするな、…帰省できなかった若者の皆さんに地元のおじさん(おばさん)みたいなアドバイスを送りたい。

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双極性障害のうつ症状の適応も有する非定型抗精神病薬「ラツーダ錠20mg/40mg/60mg/80mg」【下平博士のDIノート】第56回

双極性障害のうつ症状の適応も有する非定型抗精神病薬「ラツーダ錠20mg/40mg/60mg/80mg」今回は、抗精神病薬/双極性障害のうつ症状治療薬「ルラシドン塩酸塩(商品名:ラツーダ錠20mg/40mg/60mg/80mg、製造販売元:大日本住友製薬)」を紹介します。本剤は、長期間の治療が必要な統合失調症や双極性障害のうつ症状の患者に対し、忍容性を保ちながら適切な治療効果を維持することが期待されています。<効能・効果>本剤は、統合失調症および双極性障害におけるうつ症状の改善の適応で、2020年3月25日に承認され、2020年6月11日より発売されています。<用法・用量>《統合失調症》通常、成人にはルラシドン塩酸塩として40mgを1日1回、食後に経口投与します。なお、年齢、症状により適宜増減しますが、1日量は80mgを超えることはできません。《双極性障害におけるうつ症状の改善》通常、成人にはルラシドン塩酸塩として20mgから開始し、1日1回、食後に経口投与します。年齢、症状により適宜増減しますが、増量幅は20mgとして、1日量60mgを超えることはできません。<安全性>国内で実施された臨床試験において、安全性評価対象876例中338例(38.6%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められました。主な副作用は、アカシジア75例(8.6%)、悪心40例(4.6%)、統合失調症29例(3.3%)、傾眠28例(3.2%)、頭痛、不眠症各25例(2.9%)などでした(承認時)。なお、重大な副作用として、遅発性ジスキネジア、高血糖、白血球減少(いずれも1%未満)、悪性症候群、痙攣、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、肺塞栓症、深部静脈血栓症、横紋筋融解症、無顆粒球症(いずれも頻度不明)が報告されています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、脳内のドパミン、セロトニンなどのバランスを整えることで、幻覚、幻聴、妄想、不安、緊張、意欲低下などの症状を和らげ、また、双極性障害におけるうつ症状を改善します。2.薬の飲み始めや増量した時期に低血圧が起こることがあります。眠気が出たり、注意力・集中力・反射運動能力が低下したりすることもあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作はしないでください。3.薬を飲み始めてから、じっとしていられない、興奮が強くなる、ちょっとしたことで怒りっぽくなるなど、普段と異なる様子がみられた場合は、医師または薬剤師に相談してください。4.血糖値が上がることがあるので、本剤を服用後に激しい喉の渇きを感じたり、尿の回数や量が増えたりしたら連絡してください。5.動きが遅い、手足の震えやこわばり、呼吸回数の減少、低血圧などが現れたらご相談ください。6.アルコールは薬の効果を強めることがあるので、本剤を服用中は飲酒を控えてください。また、グレープフルーツを含む飲食物によっても、薬の作用が強く現れることがあるので、本剤を服用中は摂取しないよう気を付けてください。<Shimo's eyes>本剤は第2世代の抗精神病薬(非定型抗精神病薬)で、SDA(セロトニン・ドパミン拮抗薬)に分類されます。既存のSDA内服薬としては、リスペリドン(商品名:リスパダール)、ペロスピロン(同:ルーラン)、ブロナンセリン(同:ロナセン)、パリペリドン(同:インヴェガ)の4剤があり、本剤が5番目となります。本剤は、ドパミンD2受容体、セロトニン5-HT2A受容体および5-HT7受容体に対してはアンタゴニスト、5-HT1A受容体に対してはパーシャルアゴニストとして作用する一方で、抗ヒスタミン作用や抗コリン作用は少ないと考えられています。そのため、本剤は既存のSDAにはない、統合失調症における幻聴や妄想といった陽性症状、意欲減退や感情鈍麻といった陰性症状の改善のほか、不安や落ち込みといったうつ症状の改善も期待できます。統合失調症患者もしくは双極I型障害うつ患者を対象とした国際共同第III相試験において、本剤の忍容性に関して大きな問題は認められませんでした。また、長期投与試験において、統合失調症患者の精神症状に対する効果および双極性障害患者のうつ症状に対する効果は、それぞれ52週にわたり維持されたことが確認されています。2020年5月現在、統合失調症治療薬として、欧米を含む47の国と地域で承認されており、また、双極I型障害のうつ症状治療薬としては米国を含む7つの国と地域で承認されています。海外の最新治療ガイドラインでは、体重増加、糖代謝異常などの代謝系副作用が少ないなどの観点から統合失調症に対して推奨され、双極性障害におけるうつ症状では第一選択薬の1つとして推奨されています。処方時の注意点として、中等度以上の腎機能・肝機能障害のある患者では、投与量の制限があるため、投与量を適宜減量し、慎重に投与することとされています。また、本剤は、1日1回食後に服用することで最高血中濃度が引き上げられ、効果が継続するため、食後投与を厳守する必要があります。なお、本剤と同様に「双極性障害におけるうつ症状」の適応を有するクエチアピンフマル酸塩徐放錠(商品名:ビプレッソ)は就寝前投与なので、服用時点を混同しないように注意しましょう。相互作用としては、CYP3A4の基剤であるため、クラリスロマイシン、アゾール系抗真菌薬などのCYP3A4を強く阻害する薬剤や、リファンピシンなどのCYP3A4を強く誘導する薬剤は禁忌です。アルコールやグレープフルーツ含有食品も併用注意になっており、摂取には注意が必要であることを伝えましょう。参考1)PMDA 添付文書 ラツーダ錠20mg/ラツーダ錠40mg/ラツーダ錠60mg/ラツーダ錠80mg

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不眠症に対するレンボレキサントの長期有効性・忍容性

 新規デュアルオレキシン受容体拮抗薬レンボレキサント(LEM)の成人不眠症患者に対する長期の有効性および安全性を評価するため、フィンランド・オウル大学のMikko Karppa氏らは第III相ランダム化臨床試験を行い、その結果を報告した。Sleep誌オンライン版2020年6月26日号の報告。 本検討では、6ヵ月のプラセボ対照試験(第1段階)および治療群のみの6ヵ月フォローアップ試験(第2段階)で構成される12ヵ月間の国際多施設ランダム化二重盲検並行群間第III相試験のうち、第1段階の結果が報告された。18歳以上の不眠症患者949例を対象とし、LEM 5mg群、LEM 10mg群、プラセボ群にランダムに割り付けた。エンドポイントである睡眠開始および睡眠継続は、毎日の電子睡眠日誌のデータを用いて分析した。治療中に発生した有害事象(TEAE)は、研究全体を通じてモニタリングを行った。 主な結果は以下のとおり。・LEM 5mg群およびLEM 10mg群は、プラセボ群と比較し、主観的な入眠時間、中途覚醒、睡眠効率のベースラインからの有意な改善が認められた。・有意な改善効果は、6ヵ月にわたり認められており、LEMの持続的な長期の有効性が示唆された。・LEM治療により、睡眠開始および睡眠継続の治療反応者の割合が有意に上昇した。・LEM治療群では、プラセボ群と比較し、6ヵ月後の睡眠の質の有意な改善が認められた。・TEAEの大部分は、軽度または中等度であった。・重度なTEAEの発生率は低く、死亡例は認められなかった。 著者らは「LEM 5mgまたは10mgによる治療は、プラセボと比較し、不眠症患者の睡眠開始および睡眠継続に大きなベネフィットをもたらし、忍容性も良好であった」としている。

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ライフ・イズ・ビューティフル【こんな人生に意味はない」と嘆かれたら?(ナラティブセラピー)】Part 1

今回のキーワード逆境外在化相対化主流秩序アナザーストーリー化ナラティブ・ベイスト・メディスン(NBM)実存的苦痛フランクル心理学皆さんは「こんな人生に意味はない」と嘆く相手がいたら、どうしますか? または自分がそう思ってしまったら、どうしましょうか? そもそもなぜ人生に意味が「ある」のでしょうか?これらの答えを探るために、今回は不朽の名作映画「ライフ・イズ・ビューティフル」を取り上げます。この映画を通して、逆境への心のあり方を探るナラティブセラピーを紹介します。そして、「人生の意味」を進化心理学的に掘り下げます。人生に意味はないと思うのは?―逆境舞台は、第二次世界大戦さなかのイタリア。主人公のグイドは、妻のドーラと幼い息子のジョズエと幸せな家庭を築いていました。ところが、ある日、彼らはユダヤ人であったため、ナチスの強制収容所に連行されてしまいます。グイドは、ドーラと離れ離れになってしまい、ジョズエを守りながら、収容所で強制労働をすることになります。しかし、食事は不十分で、部屋は不衛生で大人数がひしめき合っています。しかも、高齢者、子ども、弱って働けなくなった人は、次々とガス室に送られるという極限状況です。収容されている人のほとんどが絶望し、魂の抜け殻になったように、無口、無表情、無感情となっていきます。まさに、「こんな人生に意味はない」と思う瞬間です。私たちも、失業、離婚、死別、がん告知などによって、人生の意味を見失いそうになる逆境があるでしょう。人生に意味はないと思った時、どうする?―ナラティブセラピー逆境を嘆く相手にどうしたら良いでしょうか? または、逆境に立ってしまったら、私たちはどうしたら良いでしょうか? ここから、ジョズエへのグイドのセリフをヒントにして、ナラティブセラピーの3つのステップを紹介しましょう。(1)問題と自分を切り離す-外在化グイドは、強制収容所に到着した時、不安がるジョズエに、持ち前の明るさで、「これはゲームなんだ」「みんなと競争するのさ。ルールはこうだ。兵隊さんに従わなければならない。これが難しい。ミスをしたらすぐに家に送り返される。1,000点たまったら優勝」「優勝すればご褒美が出るからね」「優勝賞品は、本物の戦車さ」ととっさに言います。息子を安心させるため、収容所生活をあたかもゲームのであるかのように装うことを思い付いたのです。1つ目は、外在化です。これは、問題とその人自身(アイデンティティ)を切り離すことです。ナラティブセラピーでは、「人が問題なのではなく、問題が問題なのだ」と言われています。逆境を背負う自分が問題なのではなく、逆境そのものが問題だと客観視して、その逆境を「ゲーム」と名付けたり、問題を「○○虫」「○○さん」と擬人化(擬「虫」化?)します。たとえば、「独りぼっちの人生に意味はない」と嘆く相手がいたら、その相手への一般的な質問は、「なんでそう思うの?」でしょう。これを、「何があなたをそう思わせるの?」という言い方に変えることです。すると、「独りぼっち」がその人のせいでなく、独立した問題として、客観視することを促します。相手が「寂しさ」と答えたら、「寂しさに虫の名前を付けるとしたら?」と考えてもらい、たとえば「寂しがり虫」と名付けます。そして、「この寂しがり虫を飼い馴らすのを一緒に考えましょう」「その虫はどうあなたを困らせるの?」「その虫が弱ってる時はどういう時?」「何が駆除の助けになりそう?」と話を進めていくのです。ちなみに、怒りっぽいなら「怒り虫」、イライラしやすいなら「イライラ虫」、うっかりミスをしやすいなら「うっかり虫」、怠け癖があるなら「怠け虫」、疑り深いなら「疑り虫」、さらに幻聴の症状があるなら「幻聴さん」と名付けることができます。(2)問題の影響を考える-相対化日が経つにつれて、ジョズエは「もう家に帰りたい」と弱音を吐きます。すると、グイドは「いいよ、お前が帰りたいなら帰ろう」と帰り支度を始めるふりをします。そして、「残念だな。687点で1番だったのに。これで失格だよ」「戦車はほかの子がもらうことになるなあ」とぶつぶつ独り言を言い続けます。そして、ジョズエは、「ゲーム」を続けることを決心します。戦車が手に入るなら、苦労する価値があると子どもながらに思ったのです。2つ目は、相対化です。「もう自分はだめだ」と絶対的に考えずに、問題の影響の度合いや価値を相対的に考えることです。たとえば、先ほどの「寂しがり虫」の続きの質問として、「寂しがり虫はあなたの人生にどう影響を与えているの?」「その虫がいなかったら、どうなってる?」「その虫は、人生の意味をなくすほどの(価値ある)虫?」と話を進めていくのです。これらは、問題の深刻さがフェアか、つり合っているか、見合っているかを自覚させる質問です。これらを、忖度なく純粋な好奇心として質問していくのです(無知の姿勢)。実は、「人生に意味はない」との嘆きの多くは、世間が好ましいとする価値観(主流秩序)から外れていることが原因となっています。たとえば、「親がいない」「友達がいない」「正社員じゃない」「結婚していない」「子どもがいない」などです。それは、主流秩序を絶対視したら、嘆かわしいことでしょう。しかし、自分がどうしたいかという自分の価値観と照らし合わせて相対的に見たら、そこまで苦悩することではないことに気付くことがよくあります。(3)問題を語り直す-アナザーストーリー化グイドは、ジョズエを含む収容者たちみんなの前で、いきなりドイツ語の通訳を買って出ます。ドイツ兵が「偉大なるドイツ帝国のために働けることを誇りに思え」と言うと、グイドは「私は怒鳴る兵隊の役だ。怖がると減点だ」と言い換えます。さらにドイツ兵が「3つの規則を守れ。脱走を試みるな。どんな命令にも背くな。暴動を起こした者は絞首刑。以上だ」と言うと、グイドは「3つの行為が減点の対象だ。泣きべそをかくこと。ママに会いたがること。お腹が空いたとぐずること。以上だ」と言い換えます。こうして、疑うジョズエを信じ込ませたのでした。エンディングでは、大人になったジョズエのナレーションで「これがぼくの物語だ。父が私にしてくれたこと。それこそが贈り物だった」と締めくくります。ジョズエにとって、収容所生活は過酷な逆境によるトラウマ体験ではなく、自分の幸せを一番に願う父親が必死になって作り上げたゲームによる成長体験になっていたのでした。3つ目は、アナザーストーリー化です。これは、主流秩序の価値観に支配された物語(ドミナント・ストーリー)ではなく、自分が納得する自分ならではストーリー(オルタナティブ・ストーリー)に語り直すことです。たとえば、先ほどの「寂しがり虫」の落としどころの1つは、「虫は、退治しなくても良い」「そのまま飼い慣らしても良い」と思えることです。そして、「よくよく考えると、独りは嫌いじゃなかった」「独りでも、今まで自分なりに生きてきた」「ガーデニングやペットのお世話が癒しになっている」「困ったときは、医療や福祉などのソーシャルサポートがある」と語り直すことです。自分の人生は、意味がないと決め付けて絶望するのではなく、意味を見いだすことで受け入れられることに気付きます(自己受容)。いったん、この自己受容ができれば、その他の落としどころとして、本人がやってみたいと思える範囲で「まずは身近な人に挨拶をしっかりしよう」「自分の趣味の仲間とネットでつながろう」との考えが広がるでしょう。ちなみに、主流秩序のアナザーストーリーをそれぞれ考えてみると、たとえば「親のいない子どもはかわいそうな人生」は、「助けてくれる人に囲まれている人生」です。「結婚できないのは負け犬の人生」は、「自由気ままな生活ができる人生」です。「結婚して子どもができないのは気の毒な人生」は、「夫婦の時間を大切にしている人生」です。次のページへ >>

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ライフ・イズ・ビューティフル【こんな人生に意味はない」と嘆かれたら?(ナラティブセラピー)】Part 2

そもそもなぜ人生に意味が「ある」の?このように、ナラティブセラピーとは、外在化、相対化、アナザーストーリー化によって、自分の人生に意味を見いだすことであると言えます。なお、ナラティブ(語り)に重点を置いた医療であるナラティブ・ベイスト・メディスン(NBM)が近年注目されています。これは、根拠(主流秩序)に重点を置いた医療であるエビデンス・ベイスト・メディスン(EBM)とは対照的に、本人の人生の意味に重点を置いた医療を行うことです。それでは、そもそもなぜ人生に意味が「ある」のでしょうか? ここから、人生の意味付けの起源を3つの段階に分けて、進化心理学的に掘り下げてみましょう。(1)「人生がある」―概念化原始の時代から、もともと動物は、その瞬間を本能的に生きており、「人生の意味」どころか、「人生がある」ことにも気付いていません。約700万年前に人類が誕生して、300~400万年前にアフリカの森からサバンナに出た時、助け合い(協力)と競い合い(競争)を同時に行う部族の生活の中で、相手の心を読む、つまり相手の視点に立つ心理を進化させてきました(心の理論)。約20万年前に喉の構造の進化から発語が可能になり、その後、言葉によって自分自身を外から見る視点を持つ思考が可能になりました(メタ認知)。また、過去、現在、未来という言葉によって、時間軸を外から見る視点を持つようにもなりました。1つ目は、概念化です。概念化によって、人間は自分がいつか死んで人生がなくなる、裏を返せば、今「人生がある」ことに気付くようになりました。(2)「人生に意味がある」―宗教約6万年前に、概念化によって超越的な存在を意識できるようになり、部族の結束やモラルを強める原始宗教が誕生しました。そして、「人間は神のために生きている」「来世のために生きている」との教えが説かれました。2つ目は、宗教です。宗教によって、「人生に意味がある」ことに気付くようになりました。ただし、その人生の意味は、もっぱら部族(社会)に従属された受動的なものだったでしょう。人生の意味を主体的に考えていたのは、古代ギリシアの哲学者などの一部の人に限られていました。(3)「人生に意味があると考えることに意味がある」―心理学18世紀からの産業革命によって、生産性や効率性などの合理主義や、貨幣経済や民主政治によってはっきり個人を区別する個人主義が世の中に広がっていきました。もはや宗教の教えは不合理であることに気付いてしまいました。そして、個人的な人生の意味を主体的に考えるようになったことで、かえって人生に意味はあるとは限らないことに気付くようになりました(実存的空虚)。すると、がんの告知のように、突然、人生の終わりを告げられるのは、「神の思し召し」として納得できなくなり、「生きている意味が分からない」と訴えるようになりました(実存的苦痛)。第二次世界大戦後、ユダヤ人で精神科医のフランクルは、強制収容所の体験から、「あなたが人生の意味を問う前に、あなたは人生からその意味を問われている」という考え方(ロゴセラピー)を広めました(フランクル心理学)。これは、外在化を行うナラティブセラピーに通じます。3つ目は、心理学です。心理学によって、「人生に意味があると考えることに意味がある」ことに気付くようになりました。こうして、ようやく自分で人生の意味付けをする手段を手に入れました。「ライフ・イズ・ビューティフル」とは?―「それでも人生は美しい」この映画の構成は、前半が戦前のグイドの恋物語、後半が戦中のグイドの収容所生活でした。実は、後半だけでなく、前半も彼の人生の意味付けは、一貫していることに気付きます。それは、ユーモアによって主流社会(主流秩序)をひっくり返していることです。たとえば、故障したグイドの車が国王のパレードに乱入してしまった時、グイドは国王と見間違われてしまいますが、彼はそのまま国王になりきります。また、グイドはドーラの気を惹きたいあまりに、ドーラの職場である小学校で監査役になりすまし、演説を披露します。さらに、ドーラとファシストとの婚約パーティでは、ドーラが気乗りしない中、グイドが「ユダヤ馬」と落書きされた馬にまたがって登場し、ドーラと駆け落ちしてしまいます。そして、ラストシーンでグイドは、収容所のドイツ兵に射殺される直前でさえも、ゴミ箱のぞき穴から隠れて見ているジョズエのために、いたずらっ子のようにウインクして、おどけた行進をやってのけます。彼の人生の意味付けは、息子に「それでも人生は美しい」というアナザーストーリーのメッセージを残すことだったのでした。そして、このセリフこそが、このコラムのタイトルの「『こんな人生に意味はない』と嘆かれたら?」という問いへの答えと言えます。この映画から学べることは、人生は美しいかどうかではなく、人生は美しいと思えるかどうかです。このことに気付いた時、自分の人生を、周りのせいにして「意味がない」と不平不満を言い続けるのか、自分の責任としてそのまま味わい深めていき「美しい」と意味付けるかは、自分次第であると思えるのではないでしょうか?<< 前のページへ■関連記事僕の生きる道【自己成長】ショーシャンクの空に【心の抵抗力(レジリエンス)】[改訂版]

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「乳腺外科医事件」控訴審、逆転有罪判決の裏側~担当弁護人による「判決の争点」解説~【前編】

手術直後の女性患者への準強制わいせつ罪に問われた執刀医が、逮捕・勾留・起訴された事件。一審では無罪判決となったが、控訴審では懲役2年の実刑判決が東京高裁より言い渡された。一転して逆転有罪判決となった経緯には何があったのか。弁護人の1人である水沼 直樹氏に、実際に法廷で論じられた争点について、前・後編で解説いただく。前編:経緯と検察側証人の証言1.事案の概要2016年5月、右側の良性の乳腺腫瘍摘出術を受けた30代の女性患者が、術後30分以内に2度回診に来た執刀医からわいせつ行為を受けたと訴えたところ、患者の健側胸部から執刀医と同型のDNA型が検出され、アミラーゼ検査が陽性となった本件について、東京地裁は2019年2月20日無罪判決を言い渡しましたが*、東京高裁は2020年7月13日懲役2年の実刑判決を言い渡しました。2.経緯検察官は、控訴趣意書(本文50頁)の約3分の2を割いてDNA定量検査およびアミラーゼ検査が科学的に問題ないことを主張し、検査時に作成するワークシートが鉛筆書きで良いといった某大学の「化学実験の指針」や検査人に問題がない旨の意見書等を証拠提出しました。これに対して、弁護人は、 DNA定量検査の際の増幅曲線や検量線図が検査ごとに必要である等と主張したり、上記「化学実験の指針」には、「字を消しゴム(訂正インク)を使って消したりまたは逆に塗りつぶしたりしてはならない」等の記載があることを反証し,検察側の意見者が矛盾する論文を執筆していた事実等を証拠請求しました。3.控訴審での動き東京高裁は、患者が当時せん妄状態であったか、せん妄状態でLINE送信が可能か、幻覚を体験し得るか、について関心があると明言し、専門家証人を推薦するよう指示しました。そこで、検察官が精神科医1名を、弁護人が精神科医と集中治療医1名ずつを推薦したところ、東京高裁は2名の精神科医だけを証人採用しました。4.検察側証人の証言(1)主尋問の骨子自分はせん妄の専門家ではないが、救急センター兼任教授としてせん妄患者を診ている。せん妄は、アルコールの酩酊とパラレルに考えられ、アルコール酩酊者がBinderの分類でいう病的酩酊→複雑酩酊→単純酩酊と移行するように、せん妄も過活動型→混合型→低活動型と移行する。幻覚は、過活動型と混合型でみられるものの、記憶に残らない。低活動型の場合、意識障害がなく周囲の状況を理解でき、後から出来事を思い出せるが、幻覚体験をすることはない。前後不覚状態ではLINEを打てず、患者がLINEを打つという合目的的な行動をとっている点で、患者はせん妄状態ではない。患者の訴えは、性被害者の訴えの典型である。今回調べたところ、世界的に医師の性犯罪が問題となっていた。(2)反対尋問の骨子せん妄の論文執筆、研究、学会発表等の経験は一切ない。せん妄とアルコール酩酊をパラレルに考えたのは、模式的に説明するためで、証人としては今後これを医学的論文等で公表したいと考えている。低活動型せん妄で幻覚が生じないことの出典はない。緩和ケアを基礎とするせん妄の診断基準・統計と本件とでは質が違う。せん妄の診断に際して見当識障害のあることが大前提とは言えない。本件患者は直線的に時事刻々と目覚めた。後編では,弁護側証人の証言,控訴審判決を中心に解説します。*:詳細は、本サイト『「乳腺外科医事件」の判決の裏側』(前編/後編)を、または「医療判例解説」Vol.79をご覧ください。後編はこちらから講師紹介

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認知症と女性の生殖期間との関係

 85歳以上の女性は、同年齢の男性よりも認知症の発症リスクが高い。これには、内因性エストロゲンの影響が示唆されている。スウェーデン・ヨーテボリ大学のJenna Najar氏らは、内因性エストロゲンが認知症リスクに及ぼす影響を調査するため、縦断的研究を行った。Alzheimer's & Dementia誌オンライン版2020年6月23日号の報告。 スウェーデン・ヨーテボリ市在住の自然閉経後の女性1,364例を追跡した(追跡期間:1968~2012年)。内因性エストロゲン(初潮年齢、閉経年齢、妊娠回数、母乳育児の月数)に関する情報は、1968~1992年のインタビューより収集した。認知症の診断は、神経精神医学的検査および情報提供者のインタビューによる情報に基づいて確立された基準に従い実施した。 主な結果は以下のとおり。・生殖期間の長さは、認知症リスク増加との関連が認められた。 ●認知症 年間ハザード比(HR):1.06(95%信頼区間[CI]:1.03~1.20) ●アルツハイマー病 年間HR:1.06(95%CI:1.02~1.11)・生殖期間の長さと認知症リスク増加との関連は、とくに85歳以上で認められた。 ●認知症 年間HR:1.10(95%CI:1.04~1.17) ●アルツハイマー病 年間HR:1.15(95%CI:1.06~1.26) 著者らは「認知症の症例数が最も多い85歳以上において、女性は男性よりも認知症発症リスクが高く、このことに内因性エストロゲンが関連している可能性が示唆された」としている。

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高用量ビタミンD3投与、50歳以上のうつ病発症を予防せず/JAMA

 米国の50歳以上のうつ病のリスクを有する集団において、ビタミンD3の長期投与はプラセボに比べ、うつ病の新規発生や再発を予防せず、長期的な気分の変化を改善しないことが、米国・マサチューセッツ総合病院のOlivia I. Okereke氏らが行った「VITAL-DEP試験」で示された。研究の詳細は、JAMA誌2020年8月4日号に掲載された。25-ヒドロキシビタミンDの低値は、人生の後半期におけるうつ病のリスクと関連するが、長期にわたる高用量ビタミンD3投与の大規模試験はほとんど行われていないという。うつ病イベントのリスクと、長期の気分スコアの変化を評価 本研究は、VITAL試験(米国の成人[男性50歳以上、女性55歳以上]2万5,871人を対象に、ビタミンD3とω-3脂肪酸の心血管疾患とがんに及ぼす影響を評価する無作為化臨床試験)の補助的な試験であり、2011年11月~2014年3月の期間に参加者の登録が行われた(米国国立精神保健研究所[NIMH]の助成による)。 対象は、年齢50歳以上、うつ病の既往歴がなく新規うつ病のリスクを有する集団(1万6,657人)と、うつ病の既往歴があるが、過去2年間に治療を受けておらず、うつ病再発のリスクがある集団(1,696人)であった。 被験者は、2×2ファクトリアルデザインにより、ビタミンD3(コレカルシフェロール2,000 IU/日)+魚油を投与する群、またはプラセボを投与する群に無作為に割り付けられた。フォローアップの最終日は2017年12月31日だった。 主要アウトカムは、うつ病イベント(うつ病または臨床的に重要な抑うつ症状)のリスク(初発と再発の総数)と、長期の気分スコアの平均差とした。気分スコアは、8項目の患者健康質問票うつ病尺度(PHQ-8)で評価した(0[最小の症状]~24[最大の症状]点、スコアの変化の臨床的に意義のある最小変化量0.5点)。初発と再発にも有意な差はない 1万8,353人(平均年齢67.5[SD 7.1]歳、女性49.2%)が無作為化の対象となり、ビタミンD3群に9,181人、プラセボ群には9,172人が割り付けられた。治療期間中央値は5.3年で、90.5%が試験を完遂した(試験終了時の生存者の93.5%)。アドヒアランスは両群とも90%を超えていた。 うつ病または臨床的に重要な抑うつ症状のリスクは、ビタミンD3群(609例[12.9/1,000人年])とプラセボ群(625例[13.3/1,000人年])の間に有意な差は認められなかった(補正後ハザード比[HR]:0.97、95%信頼区間[CI]:0.87~1.09、p=0.62)。 気分スコアの経時的変化についても、5年間で両群間に有意な差はみられず(気分スコアの変化の平均群間差:0.01点、95%CI:-0.04~0.05、p=0.72)、フォローアップ期間中のすべての評価時点で有意差はなかった。 初発うつ病(ビタミンD3群459例[10.7/1,000人年]vs.プラセボ群461例[10.8/1,000人年]、HR:0.99、95%CI:0.87~1.13)および再発うつ病(150例[37.6/1,000人年]vs.164例[39.3/1,000人年]、0.95、0.76~1.19)にも、両群間に有意な差はみられなかった。 著者は、「これらの知見は、成人のうつ病の予防におけるビタミンD3の使用を支持しない」としている。

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第19回 炎上したLINE健康相談の件、広報からのモヤモヤ回答を一挙公開!

新型コロナウイルス感染症パンデミックの結果、日本国内の医療の中でやや前進を見せていることがあるとするならば、オンライン診療の拡大傾向である。4月7日に閣議決定された「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」では、感染拡大防止の観点から、「非常時対応」と断りながらも電話やオンラインによる診療・服薬指導の活用を促した。これに対応し、厚生労働省(以下、厚労省)の医政局医事課と医薬・生活衛生局総務課は連名で4月10日付の事務連絡を発出し、初診を含むオンライン診療・服薬指導を時限的・特例的に容認している。同事務連絡は感染拡大動向を踏まえて3ヵ月に1度の見直しを行っているが、今のところは継続されている。あくまで時限的・特例的措置だが、今後これをきっかけに診療報酬上のオンライン診療の条件緩和などが進められる可能性は否定できない。このオンライン診療は厚労省が作成した「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づいて行われる。そして同指針ではオンライン診療と似て非なる「遠隔(オンライン)健康医療相談」を定義している。これは、医師がパソコンやスマホなどの通信機器を利用して医学的な助言を行うもの、医師以外が一般的な医学情報の提供や受診勧奨を行い、いずれも相談者個人の状況に応じた具体的な判断を行わないものを指す。ちなみに厚労省指針では「遠隔健康医療相談」について詳細な規定はしていない。ただ、今回のコロナ禍を反映し経済産業省の主導下で「遠隔健康相談事業」が開始され、メドピアの連結子会社Mediplat社、コミュニケーションアプリLINEで有名なLINE株式会社の連結子会社LINEヘルスケアが受託し、8月末まで無料の健康相談を提供している。ところが今月2日、LINEヘルスケアの遠隔健康相談を利用した人が相談対応医師から罵倒されたというチャット内容がTwitter上に投稿され炎上。この結果、同社はこの事例が規約違反の不適切事例に当たるとしてホームページ(HP)に謝罪文を公表した。この件、端的に言うならば、ごく1人のアウトサイダー医師がやったことで終わりになるはずだが、このLINEヘルスケアのHPでの規約、医師募集の要綱などを見ると、いくつかの疑問が浮かんできた。まず、このオンライン健康相談は、対応診療科が内科、小児科、産婦人科、整形外科、皮膚科、耳鼻咽喉科の6診療科である。ところがこの募集要項では「これらの科目における専門医資格等は必要ございません」「相談対応可能な診療科は自己申告いただきます」とのこと。たぶん多くの利用者は、対応診療科の専門家から回答が得られると期待しているはずだ。また、利用規約では相談でのやり取りを「コンテンツ」と規定し、再利用の可能性があることを表記している。今回の不適切事例でモニタリングを強化すると同社は謝罪文に記載しているが、それがどのような形で行われるのかが想像しにくい。ということで、4点の質問を送ったところ広報部門であるPR室からは次のような回答が返ってきた。▽今回の遠隔健康相談に関して、医師募集要項では対応診療科の専門医資格などは要らない旨を明記しておりますが、これはどういう理由からそのような規定としたのでしょうか?回答LINEヘルスケア社では、医師免許および本人確認を徹底し、当社所定の基準を満たした医師に参加いただいております。さらに、参加する医師には当社ガイドライン、各種法規制の遵守する事に同意いただいております。LINEヘルスケアの健康相談サービスには医行為は含まれませんが、対応科目については、医師自身が対応可能と判断したものを標榜いただいております。▽相談内容と回答内容を「コンテンツ」として、再頒布を可能としたのはなぜでしょうか?回答利用規約7.4及び7.5については、知的財産その他のプライバシー以外の観点から、弊社が、医師と相談者の間で交わされた健康相談の内容について、本人を識別しうる情報を削除した上で二次利用を行う上で必要な許諾等を得るためのものです。同規定に基づく許諾にかかわらず、医師と相談者間の健康相談の内容については、通信の秘密であり、かつ個人情報にあたることから、個別かつ明示的な同意を相談者から取得した上で利用させていただいており、無制限に弊社が相談内容を利用しうることを予定したものではありません。▽お詫びのページに追記した、「モニタリング」とは具体的にどのように行うのでしょうか?回答厚労省のオンライン診療ガイドラインを基にLINEヘルスケア社独自の医師向けガイドラインを作成しており、24時間365日モニタリングを実施しております。しかしながら、医師と相談者の間のコミュニケーションは、電気通信事業法上の通信の秘密に当たり、また医師法上も医師の守秘義務の対象として、弊社を含む第三者がみだりに内容を閲覧することは制限されております。そのため、弊社では、双方の事前同意の範囲内で、リアルタイムでの監視については自動モニタリングを実施しております。今後は、キーワードの見直しを含むモニタリング体制等の見直しを図り、再発防止策を検討、対応してまいります。▽(健康相談で)「おすすめ医師」として推奨表示される医師は、科目×回答数の多さのようですが、回答が多い医師は専門性が高いとはいえますか?回答おすすめ医師のレコメンドのロジックについては、公表していないため、お応え出来かねます。個人的な感想を言うと、どの回答もすっきりと腹落ちはしない。ちょうどこの件については私も発起メンバーの一人でもある「医薬品産業イノベーション研究会」で8月5日に緊急オンライン講演会を開催した。演者はこれまで複数の医療者向けあるいは患者向けの医療情報サイトに携わった編集者の田中 智貴氏(元QLife編集長)だ。今回の問題の根底について田中氏は「LINEヘルスケアではB to Cのサービスとして考えているのに対し、相談者側はD(Doctor) to P(Patient)と考え、双方の期待値に差異があった」と指摘する。いわゆる診断のような医学的判断を伴うオンライン診療、オンライン受診勧奨をメディカル領域、今回のLINEヘルスケアによる健康相談をヘルスケア領域と分類した場合、田中氏は「へルスケア領域はメディカルと同等の権威付けをしたがる」との見解示す。具体的に言うと、たとえば健康食品の宣伝で「○○学会で効果に関して発表」のようなもの。今回の件で言うと、オンラインの健康相談は医師でなくとも可能だが、それを医師がやることを強調する点だ。実際、LINEヘルスケアのHPでは今回のサービスについて「さまざまな不安に医師が直接お答えします」と銘打っている。ただ、そのHPをスクロールして最後になるとようやく注意事項として「本サービスは医師による健康相談のサービスです。症状の診断や治療といった判断を医師に求めることはできません」と表記してある。結果として、この辺はサービス利用者自身の不注意・誤解も含め、期待値の齟齬を起こしてしまう可能性があるということだ。また、田中氏は前述のような回答診療科医師をあくまで自己申告制で募集している背景には、昨年12月のサービススタート以降、LINEヘルスケア公式アカウントの友だち数や相談件数の急増により、回答医師を急募して今回のような利用者に暴言を吐くような医師まで参加する質の低下を招いているのではないかと分析。さらに今回の健康相談サービス全般を見た印象としてIT系のB to C企業によくみられる、ベーシックな機能を備えた段階でとりあえずサービスをスタートさせ、その後、要所要所でユーザーの反応などを見ながら改修していくアジャイル的手法が見受けられると指摘。「医療に関しては軽微でもトラブルがあってはならない」と述べて、そもそもIT系企業お得意の手法がこの領域では馴染まないとの認識を示した。こうした田中氏の指摘、LINEヘルスケアのアカウントを友だち追加後に中を見て発見した疑問点、第一弾の問い合わせの回答に対する疑問点などを含め、再度LINEのPR室に質問を送付し、回答を受け取った。▽前回の回答で登場する厚労省のオンライン診療ガイドラインを参考にした医師向けの自社のガイドラインは、厚労省ガイドラインとどのような違いがあるのでしょうか?回答医師向けのガイドラインは一般向けに公表しておりませんので、お応えしかねます。▽健康相談の回答医師の「資格」の欄には学会しか明記されておらず、単に学会員としての登録なのか、専門医・指導医なのか、会員資格などが更新されているかどうかのチェックは御社では行われているのでしょうか?回答一部ユーザーの方に誤解を招く可能性も勘案し、ご指摘の箇所についての対応の見直しを検討いたします。▽相談可能な診療科が自己申告であり、かつ一般的な医師の専門診療科数が1~2科である中で、御社サービスのおすすめ医師として表示された32人中20人が6診療科対応となっており、御社がコンテンツと定義する医師側の相談対応内容のクオリティコントロールが適正とは言えないかと思います。回答本サービスにて健康相談を実施するのは医師であり、医師自らの責任で相談がなされるサービスです。他方、クオリティコントロールをプラットフォーム提供事業者としてどのようにしていくのかという点については検討のうえ、対応していければと思います。▽サービス利用者は各診療科の専門医に相談ができるとの期待値を持って相談しているケースは少なくないと思われます。結果として「錯覚商法」のようになっていますが、この点について御社ではどのようにお考えでしょうか?回答遠隔健康相談は、個別具体的な症状に対する診断を下すものでなく、医学的知見を用いて医師が一般的な助言をするにとどまるものであり、LINEヘルスケアとしては特段専門医とつながるサービスを標榜してはおりません。専門分野の標榜の箇所もあるので、診療科の標榜が必ずしもユーザーの誤解を招くものではないと認識しております。▽登録医師の中には医療法上広告が認められていない診療科を標榜したり、自由診療を行っている旨の記載など自院誘導ともとられかねないプロフィール表記も認められます。また、登録を禁止している海外勤務医も存在します。法令や規約に基づくチェック体制が不十分と思われますが、この点についてのご見解をお聞かせください。また、現状このチェック体制がどのようになっているかも合わせてご回答お願い致します。回答LINEヘルスケアにおける医師の表記については、医療広告ガイドラインの適用は受けないと判断しております。しかしながら、ご指摘の「自院誘導ととらえられかねないプロフィール表記」については、場合によっては同ガイドラインの適用を受けることはあるものと存じます。もっとも、このような表記は、利用規約において禁止される行為となっています。現在のプロフィールチェック体制につきましては、回答を控えさせていただきます。ただし、今後は、ユーザーの皆さまに誤解を招く可能性があることを勘案し、ご指摘いただいている内容の見直しは検討してまいります。▽今回の不適切事例は相談内容が対応診療科ではない精神科のものでしたが、これまでのモニタリングではこのようなものの検出は不可能だったのでしょうか? また、キーワードによるモニタリングを行っているようですが、モニタリングキーワードは何件くらい設定しているのでしょうか? 今後の強化でこの件数はどのくらい増加する見込みでしょうか?回答モニタリング体制については、先日ご回答をさせていただきました内容以上の開示をしておりません。今後の見直しにつきましても、詳細が確定しましたらご案内とさせていただきます。▽他の医療相談サービスでは規約に含まれていない「コンテンツ」を定義した目的を教えてください。また、コンテンツの再頒布はどのような事例を念頭に置いてのことかを具体例をお教えください。回答おそらく指摘いただいているものと思われる規定は、いわゆるUGC(ユーザー生成コンテンツ)の取扱いに係るものであり、一般的な規定と考えます。現に、他社の同種サービスの規約にもUGCの取扱に係る規定があることはご指摘を受けて確認しておりますので、貴社にて改めてご確認ください。なお、繰り返しになりますが、コンテンツの利用に係る規定は、ご指摘の規定以外にもプライバシーポリシー等に従う必要があり、弊社がコンテンツを自由に扱うことを目的としたものとはならないため、ご留意ください。*注:LINEのPR室によるとUGCのユーザーに医師は該当していないとのこと▽「令和2年度補正遠隔健康相談体制強化事業」として税金補助を受けており、「オンライン遠隔健康相談サービス」において、主導的な役割を果たす立場でありながら、「回答は一般的なアドバイスであること」や「診断・治療行為ではないこと」を発見性が低い、ページ下部に表記することなど、消費者の有利誤認を誘うようなサービスデザインを行っていることについて、企業姿勢としてどのようにお考えでしょうか?回答本件につきましては、利用いただく際に誤認が生じないよう、利用開始時冒頭に注意事項の情報が必ず表示されるようになっております。残念ながら個人的なもやもや感はこの2回目の回答を受けても解消されてはいない。結局、最終的には遠隔(オンライン)健康相談そのものについても厚労省による指針作成が必要になるということだろうか?

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統合失調症と双極性障害の認知機能障害の比較~メタ解析

 認知機能障害は、統合失調症と双極性障害に共通して認められる。中国・マカオ大学のWen Li氏らは、統合失調症と双極性障害の認知機能障害を比較した研究のメタ解析を実施した。Journal of Affective Disorders誌2020年9月1日号の報告。 国際および中国のデータベースを利用して、システマティックに検索した。統合失調症と双極性障害の認知機能をMATRICSコンセンサス認知機能評価バッテリー(MCCB)で比較した研究を、変量効果モデルを用いて分析した。 主な結果は以下のとおり。・12件の研究より対象患者9,518例(統合失調症:4,411例、双極性障害:5,107例)を分析に含めた。・統合失調症患者は、双極性障害患者と比較し、MCCB合計スコアおよびサブスケールスコアの有意な悪化が認められた。【エフェクトサイズ大】 ●合計スコア:SMD=-0.80(95%CI:-1.21~-0.39) ●注意スコア:SMD=-2.56(95%CI:-3.55~-1.57) ●社会的認知機能スコア:SMD=-0.86(95%CI:-1.13~-0.58)【エフェクトサイズ中】 ●処理速度スコア:SMD=-0.75(95%CI:-1.00~-0.49) ●ワーキングメモリスコア:SMD=-0.68(95%CI:-0.91~-0.45) ●言語学習スコア:SMD=-0.78(95%CI:-0.95~-0.61) ●視覚学習スコア:SMD=-0.65(95%CI:-0.83~-0.48) ●推論と問題解決スコア:SMD=-0.61(95%CI:-0.93~-0.29) 著者らは「統合失調症患者は、双極性障害患者と比較し、より重度の認知機能障害(とくに注意、社会的認知)を呈していた。認知機能障害のタイムリーな評価と治療は、両疾患の標準的なマネジメントプロトコールに盛り込まなければならない」としている。

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COVID-19罹患の精神疾患患者に対する推奨治療

 精神疾患患者における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のマネジメントでは、とくに薬物相互作用に関して、いくつかの課題がある。スペイン・バルセロナ大学のG. Anmella氏らは、COVID-19に罹患した精神疾患患者に関する代表的な3つのケースと、既知の文献およびコンサルテーション・リエゾン精神科の専門家チームの臨床経験に基づいた実践的なアプローチの報告を行った。Journal of Affective Disorders誌2020年9月1日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・ロピナビル・リトナビル治療を受けている患者の場合には、継続中の精神薬理学的治療が優先されるべきであり、多くの薬剤においてその投与量は25~50%減量すべきである。例外として、クエチアピン、アセナピン、オランザピン、セルトラリン、ラモトリギン、bupropion、メサドンなどが挙げられる。・精神薬理学的治療の通常の投与量が低~中程度の範囲にある場合には、COVID-19治療薬併用中の用量変更は推奨されない。ただし、必要に応じてECG、副作用および薬物レベルの臨床モニタリングのみ推奨される。・精神薬理学的治療を開始する場合には、心毒性の相互作用の有無をECGでモニタリングしながら漸増しなければならない。(A)興奮性せん妄に対しては、第1選択の抗精神病薬としてオランザピンが推奨され、クエチアピンは避けるべきである。(B)重度の精神疾患に対しては、基本的な治療を維持する必要がある。(C)抑うつ/不安症状を有する重度でない精神疾患に対しては、心理的サポートを実施し、症状を特定したうえで治療を行う必要がある。 著者らは「薬理学的相互作用に関する推奨事項は、限られた定性的なアプローチのみを提供している」としながらも、「COVID-19に罹患した精神疾患患者は、いくつかの臨床基準を考慮し個別にマネジメントするべきであり、COVID-19治療の対象から除外すべきではない。薬理学的相互作用のリスクは絶対的ではなく、状況に応じて対応する必要がある。ほとんどの精神薬理学的治療では、QTc間隔にとくに注意し、ECGを検討すべきである」としている。

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がん患者の脱毛軽減に有用な頭皮冷却装置、国内初の製造販売承認

 2020年7月10日、「抗がん剤治療の副作用による脱毛を低減・抑制する国産初の『頭皮冷却装置』発表記者会見」が開催された(株式会社毛髪クリニックリーブ21主催)。小林 忠男氏(大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻 招へい教授)が「乳がん化学療法患者さんにおけるリーブ21 CellGuard(セルガード、頭皮冷却装置)を用いた脱毛の軽減化について」を、渡邉 隆紀氏(仙台医療センター乳腺外科医長)が「乳がんにおける化学療法と脱毛の問題点」について講演した。 がん化学療法に伴う容姿変化が原因で治療介入に対し消極的となる患者も存在する。そのような患者のサポートを行う上でエビデンスが集約され治療に役立つのが、「がん患者に対するアピアランスケアの手引き」である。これには脱毛をはじめ、爪の変形や皮膚への色素沈着などへの対応法がまとめられ、たとえば、脱毛に関しては“CQ1:脱毛の予防や重症度の軽減に頭皮冷却は有用か”の項で、頭皮冷却の推奨はC1a(科学的根拠はないが、行うように勧められる)とされている。しかし、日本は海外に比べ、医療施設への頭皮冷却装置の導入が遅れているのが現状であるー。頭皮冷却装置でがん患者の満足度アップ 小林氏は化学療法に誘発される脱毛(CIA:Chemotherapy induced-alopecia)のメカニズムについて、頭皮冷却の理論的根拠(温度低下により血管が収縮→血流低下により薬剤濃度低下、または反応速度低下→毛根細胞生存の維持)や脱毛頻度の高い抗がん剤開発と頭皮冷却の歴史を交えて解説。CIAが女性患者にもたらす影響として以下を述べた。●身体的また精神的な悪影響●心理学的な症状●ボディイメージの低下●乳房を失うよりも強いトラウマ●QOLの低下:Identityと個性に強い影響を及ぼす●治療後も持続的な髪質の変化(くせ毛・量・太さ) これらの悩みを解決するべく誕生したのがセルガードであり、この特徴として、「制御付き頭皮冷却のデジタルシステムである。頭皮温度を氷点下で維持することで毛根周囲の血管を収縮させて、毛根周辺毛細血管に到達する抗がん剤の量を抑制することができる。また、1台で2名が利用でき外来化学療法に有用」と説明した。上田 美幸氏らが第18回日本乳癌学会学術総会(2010年)で報告した『頭皮冷却キャップ装着に伴う変化 患者満足度アンケート』によると、装着の問題、使用中の気分不快、頭痛について調査し大多数で満足が得られているほか、加藤乳腺クリニックの29例を対象とした調査では、NCI-CTC scale Grade0は8例、Grade1は17例、Grade2は4例という結果が得られた。これを踏まえ同氏は、「セルガードによる頭皮冷却法がCIAに効果的であると証明された。今後、患者のQOLを向上させるだけではなく、より良い治療へ貢献する可能性がある」と語った。脱毛に関する不安、患者と医療者で大きな差 脱毛の臨床的な見解を示した渡邉氏は、がん化学療法を受けた患者の苦痛調査1,2,3,4)から「脱毛は、この30年間で常に上位に位置するほど患者の大きな悩み。また、別の調査5)でも治療時の不安において、患者は脱毛を4番目に挙げる一方、看護師は9番目、医師は12番目に挙げた」と、がん患者・看護師・医師の認識の乖離を指摘。なかでも、乳がんは患者の増加、初発年齢の若さ、適格な診断・予後の良さに加え、近年では外来化学療法が主流となっているが、体毛すべてに影響を及ぼす乳がん再発予防の治療は患者に大きな負担をもたらしている。同氏らが行った調査6)によると乳がん患者が脱毛した場合、再発毛しても頭髪8割以上の回復は60%、頭髪5~8割の回復は25%、頭髪5割未満の回復は15%で、再発毛不良部位は前頭部と頭頂部が圧倒的に多いことが明らかになった。また、ウイッグの使用期間は平均12.5±9.7ヵ月で、60ヵ月以上もウィッグを手放せない患者も存在した。このことから同氏は「脱毛程度の軽減、再発毛の促進に頭皮冷却装置の効果を期待する」と締めくくった。日本人向け脱毛防止装置で苦痛開放へ 日本での冷却装置導入の遅れに注目したリーブ21代表取締役社長の岡村 勝正氏は、「女性にとって乳がん治療はがん告知、乳房、髪の毛を失う三重の苦しみがあると言われている。欧米で発売されている頭皮冷却装置は日本人に適さないことから、脱毛で悩む日本人を救うため開発を行った」とし、「同製品は本年秋頃、全国のがん診療連携拠点病院に対してプロモーションを予定している」と話した。■参考リーブ21:頭皮冷却装置<セルガード> 1)Coates A, et al. Eur J Cancer Clin Oncol. 1983;19:203-208.2)Griffin AM, et al. Ann Oncol. 1996;7:189-195.3)Dennert MB, et al. Br J Cancer. 1997;76:1055-1061.4)Carelle N, et al. Cancer. 2002;95:155-163.5)Mulders M, et al. Eur J Oncol Nurs. 2008;12:97-102.6)Watanabe T, et al. PLoS One.2019;14:e0208118.

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