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事例021 未成年患者の心身医学療法の査定【斬らレセプト シーズン2】

解説事例では、16歳の心身症の患者に 「I004 心身医学療法」を算定し、請求したところ、D事由(告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの)にて査定となりました。心身医学療法の項には、「心身症の患者に対して一定の治療計画に基づいて、診察とカウンセリングなどの心身医学療法に該当する療法を行った場合に算定でき、初診時には、医師自らが、診察と理学的所見の収集および心身医学療法を30分超えて行った場合に算定できる」とあります。事例のカルテを確認すると、20歳未満の患者に、家族も交えて指導が行われていました。算定要件に合致しているはずと再度レセプトを見直すと、傷病名欄に「心身症」としか記載されていません。算定留意事項の「4」には、レセプト傷病名欄において、「心身症による当該身体的傷病の傷病名の次に『(心身症)』と記載する」と記載されています。「胃潰瘍(心身症)」のように記入するとも例示されています。D事由査定の理由が判明し、電子カルテの写しを添えて、再審査請求をしましたが、原審通りに復活となりませんでした。電算レセプトの病名コードの入力誤りに気付かずに、そのまま請求してしまったことが原因でした。レセプトチェックシステムの設定を、心身医学療法が実施されていた場合、「心身症」のみの病名だとエラーとなるように設定を変更し、今後の査定防止対策としました。

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妊婦におけるうつ病の重症度と周産期有害リスクとの関連

 妊娠中は、不安神経症やうつ病の発症に対する脆弱性が高まる。中国・中南大学のKwabena Acheampong氏らは、中等度~重度のうつ病と軽度のうつ病の妊婦における周産期の有害アウトカム発生リスクの比較を行った。Journal of Psychiatric Research誌オンライン版2021年1月21日号の報告。 ガーナ・ベクワイ市のアドベンティスト病院で募集されたうつ病を有する妊婦360例を対象に、プロスペクティブコホート研究を実施した。2020年2月に調査を開始し、2020年8月までフォローアップを行った。うつ病の重症度評価には、Patient Health Questionnaires-9(PHQ-9)を用いた。重症度の定義は、中等度~重度をPHQ-9スコア15以上、軽度をPHQ-9スコア15未満とした。軽度うつ病と比較した中等度~重度のうつ病を有する妊婦の調整済み相対リスク(RR)および95%信頼区間(CI)を推定した。 主な結果は以下のとおり。・中等度~重度のうつ病と分類された妊婦は、43例(11.9%)であった。・潜在的な交絡因子で調整した後、中等度~重度のうつ病を有する妊婦は、軽度うつ病と比較し、以下のリスクが高かった。 ●妊娠高血圧腎症(調整RR:2.01、95%CI:1.21~3.33) ●帝王切開(調整RR:1.78、95%CI:1.18~2.70) ●会陰切開(調整RR:1.66、95%CI:1.06~2.60)・一方、うつ病の重症度と周産期のアウトカムとの間に、統計学的に有意な差は認められなかった。 著者らは「中等度~重度のうつ病を有する妊婦は、妊娠高血圧腎症、帝王切開、会陰切開などのリスクが高かった」としている。

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うつ病の再発に対する残存不眠症状の影響~日本のコホート研究

 うつ病の残存不眠症は、再発リスクに関連するといわれている。東京女子医科大学の稲田 健氏らは、不眠症状の残存している患者とそうでない患者におけるうつ病の再発パターンの比較を行った。Journal of Affective Disorders誌2021年2月15日号の報告。 日本の健康保険レセプトデータベースを用いてレトロスペクティブ縦断的コホート研究を実施した。対象は、2006年1月~2017年6月にうつ病と診断され抗うつ薬を処方された患者。残存不眠症の定義は、睡眠薬の処方として定義し、うつ病の再発は、抗うつ薬の処方として定義した。主要アウトカムは、うつ病の再発までの期間と1年再発率とした。うつ病の再発に関連する因子は、多変量解析により評価した。再発頻度に対する残存不眠症の影響を評価するため、カイ二乗検定を用いた。 主な結果は以下のとおり。・分析対象患者3万381例中、残存不眠症が認められた患者は4,166例であった。・残存不眠症患者の再発までの期間は、残存不眠症のない患者と比較し、有意に短かった(p<0.001)。・うつ病の1年再発率は、残存不眠症患者で43.4%(95%CI:41.9~45.0)、残存不眠症のない患者で7.4%(95%CI:7.1~7.7)であった。・うつ病の再発リスクは、残存不眠症患者のほうが有意に高かった(p<0.0001)。・残存不眠症は、ほかのさまざまな因子と比較し、うつ病再発の高リスクとの関連が認められた(オッズ比:9.98、95%CI:9.22~10.81)。 著者らは「本検討は、レセプトデータに基づいた分析であり、患者の正確な状態や服薬状況は反映されていない」としながらも「残存不眠症は、日本人うつ病患者の再発リスク因子であると考えられる」としている。

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片頭痛予防に対するガルカネズマブの即効性や持続性

 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)に結合するヒト化モノクローナル抗体であるガルカネズマブ(GMB)は、成人の片頭痛予防に承認されている薬剤である。皮下注射として、月1回自己投与を行う注射製剤である。米国・イーライリリー・アンド・カンパニーのDulanji K. Kuruppu氏らは、反復性および慢性片頭痛患者におけるGMBの効果と時間経過との関係を報告した。Advances in Therapy誌オンライン版2021年2月5日号の報告。 3つの二重盲検プラセボ対照第III相試験のデータを分析した。反復性片頭痛患者1,773例および慢性片頭痛患者1,113例は、プラセボ群、GMB 120mg群(初回240mg、以後120mg/月)、GMB 240mg群に、2:1:1の割合でランダムに割り付けられた(2016年1月~2017年3月)。効果発現は、GMBがプラセボに対し統計学的に有意な差が認められ、その後維持できた最も早い時点に基づく逐次解析アプローチを用いて決定した。効果の維持は、GMBとプラセボで治療された患者において、個々の患者レベルで50%以上の反応を維持した割合を比較し決定した。治療の中止は、毎月の片頭痛日数のベースラインからの変化に基づき、治療期間後4ヵ月間で決定した。 主な結果は以下のとおり。・GMBは、初日注射後から片頭痛の割合を低下させた。・二重盲検期間中、GMBの効果は維持された。・治療期間後、ほとんどの患者において、リバウンド頭痛が起こることなく、徐々に効果が消失した。 著者らは「ガルカネズマブは、成人片頭痛患者の新たな予防オプションであり、即効性、持続性、消失性に優れた薬剤である」としている。

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統合失調症患者における小児期の心理行動特性~日本のレトロスペクティブ研究

 統合失調症は、初期発達障害のフレームワークに適応することを示唆する科学的エビデンスが、疫学的研究や遺伝学的研究によって報告されているが、将来統合失調症を発症する子供の心理的行動の特徴は、十分に解明されていない。京都女子大学の濱崎 由紀子氏らは保護者による報告を通じて、小児期統合失調症患者に特有の特徴を明らかにするため、検討を行った。BMC Psychiatry誌2021年1月26日号の報告。 対象は、DSM-IV-TR基準を満たした20代の統合失調症外来患者54例および性別と年齢をマッチさせた健康対照者192例。すべての対象の6~8歳時の特徴を評価するため、対象者の保護者に対する子供の行動チェックリスト(CBCL)のレトロスペクティブ評価質問票を用いた。小児期統合失調症に特有の心理行動の特徴を推定するため、t検定、ロジスティック回帰、ROC曲線解析を用いた。得られたロジスティック回帰モデルを使用して、CBCLスコアに基づいてリスク予測アルゴリズムのプロトタイプを作成した。 主な結果は以下のとおり。・8つのCBCLサブスケールのtスコアのうち、その後の統合失調症診断と有意な関連が認められた項目は、以下のとおりであり、これらの平均スコアは、小児期の臨床範囲に該当しなかった。 ●引きこもり(p=0.002) ●思考の問題(p=0.001) ●攻撃的行動の欠如(p=0.002)・8つのCBCLサブスケールに基づくロジスティック回帰モデルのアルゴリズムは、ROC曲線下の面積が82.8%(95%CI:76~89)であった。このことは、統合失調症の晩年発症に関して、アルゴリズムの予測精度が中程度であることを示唆している。 著者らは「保護者の報告によると、統合失調症の発症を予測する小児期の心理的行動の特性に違いがあることが示唆された。この新たに開発されたアルゴリズムは、その有効性をさらにテストするうえで、将来の研究に使用することが望まれる」としている。

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うつ病患者の睡眠薬処方パターンと再発への影響~日本のレトロスペクティブ研究

 日本においてうつ病患者数は増加している。うつ病は寛解期であっても、不眠症状が持続することが少なくない。不眠症の薬理学的治療では睡眠薬が使用されるが、うつ病の再発や寛解後に残存する不眠症状に対する影響はよくわかっていない。武田薬品工業株式会社ジャパンメディカルオフィスの山戸 健太郎氏らは、日本の大規模な健康保険レセプトデータベースを用いて、うつ病患者に対する睡眠薬処方パターンおよびうつ病の再発に対する睡眠薬処方パターンの影響を調査した。BMC Psychiatry誌2021年1月13日号の報告。 対象は、うつ病診断後、抗うつ薬と睡眠薬を処方された20~56歳のうつ病患者をJMDCデータベース(2005~18年)より抽出した。抗うつ薬治療を180日超経過した後に中止した患者を1年間フォローアップし、うつ病の再発を評価するため、カプランマイヤー法を用いた。うつ病の再発に対する睡眠薬処方パターンの影響を分析するため、ロジスティック回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・2006年1月~2017年6月に抗うつ薬治療を開始したうつ病患者17万9,174例中、睡眠薬を処方された2,946例を分析対象とした。・睡眠薬の併用療法は29.2%であり、多くの患者において睡眠薬は単剤療法(70.8%)で用いられていた。・主な睡眠薬処方パターンは、以下のとおりであった。 ●ベンゾジアゼピン系睡眠薬単剤療法:26.2% ●非ベンゾジアゼピン系睡眠薬単剤療法:28.9% ●睡眠薬の2剤併用療法:21.1%・複数の睡眠薬が処方された患者では、抗不安薬、抗精神病薬、気分安定薬、鎮静系抗うつ薬の併用が多かった。・うつ病の1年再発率は、睡眠薬の単剤、併用療法または睡眠薬の種類にかかわらず同程度であり、約20%であった。・抗うつ薬治療中止後1年以内でのうつ病の再発オッズ比(OR)と関連する因子は以下のとおりであった。 ●被保険者の配偶者(OR:1.44、95%信頼区間[CI]:1.03~2.02) ●被保険者の配偶者以外の家族(OR:1.46、95%CI:0.99~2.16) ●鎮静系抗うつ薬の処方(OR:1.50、95%CI:1.24~1.82) 著者らは「日本人うつ病患者に対する睡眠薬の使用は、ベンゾジアゼピン系睡眠薬が最も多く、併用療法が行われることも少なくない。うつ病の再発に対する睡眠薬処方パターンの影響は認められなかったが、睡眠薬を選択する際には、薬剤間の有効性や安全性の違いを考慮する必要がある」としている。

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認知症介護者の人道的負担~日本の大規模横断研究

 急速な高齢化社会へ進む日本では、認知症やアルツハイマー病の有病率の増加に伴い、介護者の必要性が高まっている。岐阜薬科大学の大野 慎也氏らは、日本での認知症やアルツハイマー病の介護者における人道的負担について、それ以外の介護者との比較を行った。Journal of Medical Economics誌2021年号の報告。 日本の健康調査National Health and Wellness Survey(NHWS)の2018年のデータを用いて、横断的研究を行った。対象は、認知症やアルツハイマー病の介護者805人、それ以外の介護者1,099人、非介護者2万7,137人。アウトカムの指標は、健康関連QOL尺度(HRQoL)であるSF-12、健康状態を評価するEQ-5D、健康が生産性や活動に及ぼす影響、うつ病と不安症の評価とした。群間比較を行うため、潜在的な交絡因子で調整した後、多変量解析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・認知症かそれ以外かにかかわらず介護者は、非介護者よりも、HRQoL、EQ-5Dスコアが低く、全活動障害が多く、不安を経験する傾向が認められた。・日常生活動作(ADL)については、基本的ADLおよび手段的ADLへの影響は、認知症介護者とそれ以外の介護者との間で有意な差は認められなかった。・認知症介護者は、それ以外の介護者よりも、治療の決定や財政的マネジメントと深い関わりが認められた。・患者の居住環境をみると、1人の患者をケアしている認知症介護者において、施設入所は282人、地域社会居住は395人であった。・地域社会居住患者の認知症介護者では、基本的ADLおよび手段的ADLへの影響が大きかった。・認知症とがんの両方を有する患者の介護者は、どちらか一方を有する患者の介護者よりも、介護負担がより大きかった。 著者らは「日本において認知症やアルツハイマー病介護者の人道的負担は、患者の生活環境や合併症に影響されることが示唆された。介護者の負担を軽減するためにも、効果的なケアサポートの提供は不可欠である」としている。

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商用ビデオゲームによるうつ病予防の可能性

 うつ病や抑うつ症状は、多くの青年や若年成人に影響を及ぼす主な公衆衛生上の問題である。さまざまな研究が行われているにもかかわらず、若者を対象としたうつ病予防プログラムの効果に関する報告は、限定的である。また、うつ病予防プログラムをベースとした若者に対する心理療法は、潜在的に最も重要であると考えられる。メンタルヘルスに不可欠な感情的および社会的スキルを若者が実践するうえで、商用ビデオゲームは魅力的な代替方法となる可能性がある。オランダ・ラドバウド大学のMarlou Poppelaars氏らは、抑うつ症状の悪化を予防するため商用ビデオゲームの可能性について調査を行った。Frontiers in Psychology誌2021年1月12日号の報告。 対象は、抑うつ症状を有する15~20歳の244例(平均年齢:17.11±1.76歳、女性の割合:66.4%)。商用ビデオゲームJourneyのうつ病予防に対する有効性を評価するため、Journey(ソーシャルアドベンチャーゲーム、平均時間:3時間20分)群、Flower(リラックスできる1人用ゲーム:平均時間:2時間36分)群、対照(ゲームなし)群にランダムに割り付け、4週間プレーした。また、ビデオゲームを用いたうつ病予防のための潜在的なアクションメカニズムを調査した。 主な結果は以下のとおり。・介入後12ヵ月までに、若者の抑うつ症状の変化に対しJourneyをプレーすることの有用性は認められなかった。・また、Journey特有のアクションメカニズムも認められなかった。・しかし、研究期間を通じて、対象者の抑うつ症状の軽減、拒否感の低下、希望や楽観性の増加が認められた。・拒否感または沈思黙考が減少した人、希望や楽観性または気晴らしや問題解決が増加した人では、抑うつ症状の改善が最も高かった。 著者らは「効果的なうつ病予防戦略として商用ビデオゲームJourneyの有用性は示されなかったが、拒否感、希望、楽観性、沈思黙考、気晴らし、問題解決が、今後のうつ病予防のターゲットとなりうる可能性が示唆された。メンタルヘルスを促進するためのゲームに関する今後の研究では、ゲームの潜在的なアクションメカニズムが、誰にどのように効果的であるかを調査するため、慎重に検討した研究デザインが求められる」としている。

2649.

うつ病から双極性障害への転換に影響を及ぼす怒りの感情

 怒りや易怒性といった感情は、躁病やうつ病(とくに混合状態)の患者でみられる双極性障害の顕著な症状である。オランダ・ライデン大学病院のRahele Mesbah氏らは、うつ病の既往歴を有する患者における、怒りや易怒性と双極性障害への転換との関連について調査を行った。Depression and Anxiety誌オンライン版2021年1月27日号の報告。 オランダで実施されたうつと不安に関する9年間のフォローアップ調査より抽出したうつ病患者を対象とした。躁症状の評価は、Composite International Diagnostic Interviewを用いて、フォローアップ2、4、6、9年目に行った。躁症状と怒りに関連する因子を横断的に調査した。怒りに関連する因子を評価するため、Spielberger Trait Angerサブスケール、Anger Attack調査票、パーソナリティ障害調査票のクラスターBのパーソナリティ特性、反応的攻撃性尺度を用いた。反応的攻撃性が躁症状の発症を予測するかを評価するため、プロスペクティブにCox回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・双極性障害患者(77例)は、うつ病患者(349例)、寛解期うつ病患者(1,159例)と比較し、怒りや反応的攻撃性の特性スコアが有意に高かった。同様に、Anger Attack、反社会的特性、境界性特性も高かった。・1,744例のプロスペクティブ分析では、反応的攻撃性は躁症状の発症を予測し(28例)、多変量調整ハザード比は1.4(95%信頼区間:1.02~1.93、p=0.037)であった。 著者らは「怒りは、単極性うつ病から双極性障害への転換を予測するリスク因子である。双極性障害への転換が認められた患者は、怒り、興奮、過敏性がより多く出現することが示唆された」としている。

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日本人統合失調症患者に対するブレクスピプラゾール切り替え療法の安全性

 CNS薬理研究所の石郷岡 純氏らは、アリピプラゾールまたは他の抗精神病薬(ドパミンD2受容体アンタゴニスト)からブレクスピプラゾールに切り替えた際の、長期的な安全性の評価を行った。Human Psychopharmacology誌オンライン版2021年1月26日号の報告。 日本人統合失調症外来患者を対象とした56週間オープンラベル試験の事後分析を行った。オープンラベル試験では、ブレクスピプラゾール2mg/日へ4週間で切り替えを行った後、52週間フレキシブルドーズ(1~4mg/日)で投与した。主要評価項目は、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド、血糖、体重、プロラクチンとした。副次的評価項目は、有効性、治療による有害事象(TEAE)、錐体外路症状、補正値QT間隔との関連とした。 主な結果は以下のとおり。・対象患者186例中84例(45.2%)は、同意の撤回や有害事象のために治療を中断した(アリピプラゾールからの切り替え群[APZ群]:32.9%、他の非定型抗精神病薬からの切り替え群[AP群]:54.8%)。・56週目のベースラインからの平均変化は、両群ともに総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド、血糖値ではわずかであり、平均体重(APZ群:1.1±4.4kg、AP群:0.4±4.6kg)のわずかな増加が認められた。・平均プロラクチンレベルは、APZ群でわずかな増加が認められたが、AP群では減少が認められた。・症状の重症度は、両群ともに減少が認められた。・TEAE発生率は、86.6%(161例)であった。各群のTEAE発生率は、APZ群で84.1%、AP群で88.5%であり、重度のTEAE発生率は、APZ群で9.8%、AP群で14.4%であった。・錐体外路症状、QT間隔の変化は、ほとんど認められなかった。 著者らは「ブレクスピプラゾールへの切り替えは、代謝異常、体重増加、高プロラクチン血症、錐体外路症状、QT延長、精神症状への長期的な影響が少ない治療方法である」としている。

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うつ病に対するインターネットベースの認知行動療法~メタ解析

 患者自身に適した個別化された治療法を選択することで、うつ病に対するインターネットベースの認知行動療法(iCBT)の有効性を高めることができるかもしれない。スイス・ベルン大学のEirini Karyotaki氏らは、患者レベルのデータを使用して、うつ病に対するガイド付きまたはガイドなしのiCBTの短期および長期有効性を評価した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2021年1月20日号の報告。 PubMed、Embase、PsycInfo、Cochrane Libraryより、2019年1月1日までに公表されたランダム化比較試験(RCT)を抽出した。ガイド付きまたはガイドなしのiCBTを相互またはうつ病患者と対照群との比較を行ったRCTを選択した。選択基準を満たしたすべての研究より、利用可能な患者レベルのデータを収集した。うつ症状の重症度評価は、介入後、ランダム化6および12ヵ月後に評価した。さまざまな患者特性と相対的な治療効果との関連を評価するため、システマティックレビューおよび患者レベルのデータを用いたネットワークメタ解析を実施した。主要アウトカムは、こころとからだの質問票(PHQ-9)スコアとした。 主な結果は以下のとおり。・選択基準を満たした研究42件のうち、39件(うつ病患者:9,751例)をネットワークメタ解析に含めた。そのうち、8,107例分の患者データを統合した。・ガイド付き、ガイドなしのiCBTは、対照群と比較し、短期および長期有効性が高かった。・ガイド付きiCBTは、ガイドなしiCBTと比較し、介入後の有効性は有意に高かったが(PHQ-9スコア平均差[MD]:-0.8、95%信頼区間[CI]:-1.4~-0.2)、ランダム化6および12ヵ月後の差を示すエビデンスは見つからなかった。・ガイド付きiCBTとガイドなしiCBTの有効性の相対的な関連性に最も影響を及ぼす因子は、ベースライン時のうつ症状であった。・ベースライン時のPHQ-9スコアが5~9の閾値下うつ病患者では、ガイド付きiCBTとガイドなしiCBTの有効性の差は小さかった。一方、PHQ-9スコアが9超の患者では、ガイド付きiCBTは、良好なアウトカムとの関連が認められた。 著者らは「うつ病患者に対するガイド付きiCBTは、ガイドなしiCBTと比較し、有効性が高く、中等度~重度のうつ病患者では、その差はより顕著であった。軽度または閾値下うつ病患者では、ガイドなしiCBTでも同様の効果が期待できるようである。うつ病に対する治療リソースを最適化するために、個別化された治療方法を選択する必要がある」としている。

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頬粘膜投与でてんかん重積発作を抑える「ブコラム口腔用液2.5mg/5mg/7.5mg/10mg」【下平博士のDIノート】第68回

頬粘膜投与でてんかん重積発作を抑える「ブコラム口腔用液2.5mg/5mg/7.5mg/10mg」今回は、抗けいれん薬「ミダゾラム(商品名:ブコラム口腔用液2.5mg/5mg/7.5mg/10mg、製造販売元:武田薬品工業)」を紹介します。本剤を使用することで、医療機関外であっても18歳未満のてんかん重積状態患者の発作を速やかに抑えることができます。<効能・効果>本剤は、てんかん重積状態の適応で、2020年9月25日に承認され、2020年12月10日より発売されています。<用法・用量>通常、ミダゾラムとして、修正在胎52週(在胎週数+出生後週数)以上1歳未満の患者には1回2.5mg、1歳以上5歳未満の患者には1回5mg、5歳以上10歳未満の患者には1回7.5mg、10歳以上18歳未満の患者には1回10mgを頬粘膜投与します。シリンジ液剤の全量を片側の頬粘膜に緩徐に投与しますが、体格の小さい患者や用量が多い場合は、必要に応じて両側の頬粘膜に半量ずつ投与することができます。なお、18歳以上の患者に対する有効性および安全性は確立されていません。<安全性>国内第III相試験(SHP615-301試験、SHP615-302試験)において、副作用は25例中5例(20.0%)で報告されており、主なものは、鎮静、傾眠、悪心、嘔吐、下痢各1例(いずれも4.0%)でした。なお、重大な副作用として、呼吸抑制が1例(4.0%)で報告されており、無呼吸、呼吸困難、呼吸停止などが注意喚起されています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、歯ぐきと頬の間に投与することで、脳内の神経の過剰な興奮を鎮めて、てんかん重積状態の発作を抑えます。2.発作が開始してすぐに本剤を投与せず、自然に発作がおさまるかどうか観察し、投与判断の目安は医師の指示に従ってください。患者さんに嘔吐やよだれがある場合は、投与前に拭き取ってください。3.投与する際は、片側の頬をつまみ広げ、シリンジの先端を下の歯ぐきと頬の間に入れ、ゆっくりと全量を注入します。体格が小さい場合や使用量が多い場合は、医師の指示によって両側の頬に半量ずつ注入することもできます。4.この薬は頬粘膜から吸収されるため、可能な限り飲み込まないように注意してください。5.投与後は、原則救急搬送の手配を行い、医療者がこの薬の使用状況を確認できるように使用済みのシリンジを提示してください。6.保管時は、プラスチックチューブに封入された状態でふた側を上向きにして立てた状態にしてください。ふた側を下向きまたは水平にして保管すると、含量が低下する恐れがあります。<Shimo's eyes>通常、てんかん発作の多くは1~2分でおさまりますが、30分以上持続すると脳への長期的な後遺障害に至る可能性が高くなります。そのため、発作が5分以上持続する場合はてんかん重積状態と判断して、治療を始めることが国内外のガイドラインで推奨されています。2020年2月時点で、ミダゾラム口腔用液は欧州を中心に世界33ヵ国で承認されていますが、わが国で発売されているのは注射製剤(商品名:ミダフレッサ)のみで、ほかの小児を含む早期てんかん重積状態の第1選択薬として推奨されている薬剤もジアゼパムやロラゼパムの注射製剤でした。注射製剤は医療機関で投与されますが、救急搬送に時間を要して治療開始までに30分以上経過してしまう例が多く、患者団体や関連学会から非静脈経路で利便性および即効性の高い薬剤の開発が要望されていました。本剤は、国内初のてんかん重積状態に対する頬粘膜投与用のプレフィルドシリンジ製剤で、医療機関外でも家族や介護者などによって投与することができます。第III相臨床試験では、5分以内に64%、10分以内に84%で持続性発作が消失するという速やかな効果が認められました。適応があるのは18歳未満の患者さんで、年齢別に4種類の投与量のシリンジがあり、ラベルで色分けされています。主成分であるミダゾラムはCYP3A4の基質であり、本剤はCYP3A4を阻害あるいは誘導する薬剤との併用は禁忌です。副作用として呼吸抑制および徐脈などが現れる恐れがあるため、本剤の投与時は患者さんの呼吸や脈拍数に異常がないかなどを注意深く観察するとともに、救急車の手配も並行して行うなど冷静な対応が求められます。近年、アナフィラキシーに対するアドレナリン注射液(同:エピペン)に加え、糖尿病の低血糖状態に対する点鼻グルカゴン製剤(同:バクスミー点鼻粉末剤)、そして本剤など、患者さんの緊急時に身近な人が対応できる製剤が増えてきました。薬局では、患者さんや家族・介護者がいざというときに正しく安全に使えるよう、使用方法について理解度の確認が重要です。※2022年7月より、学校・保育所等で児童がてんかんを発症した場合、教職員が当該児童生徒等に代わって投与可能となりました。参考1)PMDA 添付文書 ブコラム口腔用液2.5mg/ブコラム口腔用液5mg/ブコラム口腔用液7.5mg/ブコラム口腔用液10mg

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妊娠および授乳中の女性に対する抗CGRPモノクローナル抗体の安全性プロファイル

 妊娠および授乳中の女性に対する抗CGRPモノクローナル抗体(erenumab、ガルカネズマブ、fremanezumab)の安全性プロファイルについて、スイス・Institute of Pharmacological Sciences of Southern SwitzerlandのRoberta Noseda氏らが、評価を行った。Cephalalgia誌オンライン版2021年1月12日号の報告。 個別症例の安全性報告を集積したWHOのグローバルデータベースであるVigiBaseより2019年12月31日時点のデータを収集した。 主な結果は以下のとおり。・安全性報告件数は94件であった。薬剤ごとの安全性報告件数は、erenumabが50件、ガルカネズマブが31件、fremanezumabが13件であった。・妊娠期や授乳期別の安全性報告件数は、以下のとおりであった。 ●妊娠前の薬剤使用時:5件 ●妊娠中の薬剤使用時:85件 ●授乳中の薬剤使用時:1件 ●父親の薬剤使用:1件 ●不明:2件・薬剤使用時のみの安全性報告は51件であった。・薬剤使用後の安全性報告43件において報告された47件の副作用は、以下のとおりであった。 ●母体毒性:18件 ●母乳不足:1件 ●自然流産:23件 ●早産、未熟児:3件 ●先天性欠損:2件・完全なデータベースと比較し、自然流産の不均衡な報告の兆候は認められなかった(報告オッズ比[ROR]:1.46、95%信頼区間[CI]:0.97~2.20)。・トリプタンを比較対照薬とした場合、抗CGRPモノクローナル抗体(erenumab、ガルカネズマブ、fremanezumab)では、自然流産の不均衡な報告の兆候が認められたが(ROR:1.86、95%CI:1.12~3.13)、交絡安全性報告を除外した後、統計学的に有意な差は消失した(ROR:1.21、95%CI:0.67~2.21)。 著者らは「妊娠および授乳中の女性に対する抗CGRPモノクローナル抗体の使用では、特定の母体毒性、先天性欠損、自然流産の報告増加は認められなかった。しかし、報告された副作用件数は限られており、長期的な安全性データが不足していることから、抗CGRPモノクローナル抗体を妊娠および授乳中の女性に使用する場合には、継続的なモニタリングを行う必要がある」としている。

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若年成人におけるノモフォビア(スマホ依存症)と不眠症や食物依存症との関連

 スマートフォンや携帯電話などの端末を使用することができないことに対して恐怖を抱く状態をノモフォビアという。バーレーン・Arabian Gulf UniversityのHaitham Jahrami氏らは、ノモフォビアと食物依存症および不眠症状との関連について調査を行った。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2021年1月15日号の報告。 対象は、18~35歳のバーレーン若年成人654人(男性:304人、女性350人[女性の割合:54%])。基本的な人口統計学的および身体測定の特徴、ノモフォビア質問票(NMP-Q)、不眠症重症度質問票(ISI)、Yale食物依存症尺度(YFAS)を含む自己評価型の構造化されたオンライン質問票を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・重度のノモフォビア、中等度~重度の不眠症状、食物依存症は、個別または合併ともに、女性では一般的に認められた。しかし、統計学的な有意性は認められなかった。・重度のノモフォビアの有症率は、女性で21.7%(76例)、男性で18.8%(57例)であった(p=0.9)。・中等度~重度の不眠症状の有症率は、女性で16%(56例)、男性で11.84%(36例)であった(p=0.1)。・食物依存症の有病率は、女性で20.29%(71例)、男性で17.43%(53例)であった(p=0.3)。・ノモフォビアと不眠症状との間に統計学的に有意な関連が認められた(r=0.60、p<0.001)。・ノモフォビアと食物依存症との関連は認められなかった。 著者らは「ノモフォビアは若年成人、とくに女性において頻度が高かった。ノモフォビアは、不眠症状との関連が認められたが、食物依存症との関連は認められなかった」としている。

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カインとアベル(前編)【なんで嫉妬をするの?】

今回のキーワード志向性嫉妬性的嫉妬自己愛性パーソナリティ情緒不安定性パーソナリティ承認仲間意識(同調)皆さんは、友達が自分よりも先に出世したり結婚することでもやもやしたことはありませんか? 恋人やパートナーが浮気するんじゃないかと焼き餅をやいたことはありませんか? これらは、嫉妬ですよね。私たちは、なぜ嫉妬をするのでしょうか? この答えを探るために、今回は、テレビドラマ「カインとアベル」を取り上げます。このドラマを通して、嫉妬の心理やリスクを精神医学的に掘り下げてみましょう。嫉妬とは?主人公は、兄の隆一と弟の優。2人とも父親が社長である大企業に勤務しています。隆一は、子どもの頃から成績優秀で、父親の期待を背負い、副社長にまで出世しています。一方、優は、子どもの頃から父親に隆一と比べられ、ダメ出しばかりされてきた一社員です。優は、当初、自分に面倒見が良い隆一に、うらやましさを超えて、憧れを抱いていました。ところが、ストーリーが進むにつれて、隆一が資金繰りの失敗を取りつくろって行き詰まる一方、優は自分らしさを発揮して活躍するようになり、2人の立場が逆転していきます。さらに、優は、隆一の婚約者である同僚の梓に心を寄せるようになります。こうして、隆一は、優への嫉妬に狂っていくのでした。このように、自分が持っているもの(持つべきもの)を相手に取られることへの葛藤(不安)が、嫉妬です。さらに、自分の地位が取られる場合は志向性嫉妬、自分のパートナーが取られる場合は性的嫉妬と分類されます。ちなみに、「嫉妬」という漢字は、2つの女へんが使われており、女性ならではのニュアンスがありますが、実際には、男女問わず、嫉妬はあります。女へんが用いられている理由としては、男性よりも女性のほうが、すぐに感情に出してしまい目立つためでしょう。また、志向性嫉妬については、男性ならではの印象があります。しかし、スクールカーストやママカーストが歴然としてあることから、やはり女性も志向性嫉妬があると言えます。一方で、性的嫉妬については、女性ならではの印象があります。しかし、パートナーの居場所をいちいち確認したり外で働くことを制限するモラルハラスメントやストーカー行為が歴然としてあることから、やはり男性も性的嫉妬があると言えます。なお、厳密には、自分が持っているもの(持つべきもの)を相手に取られる前は「嫉妬」、取られた後は「妬(ねた)み」と言うことが多いようです。この記事では、分かりやすさを優先して、「嫉妬」=「妬み」として、ざっくり説明します。また、自分が持っていないもの(持つべきもの)を相手がもともと持っていることへの葛藤(不安)は、羨(うらや)み(羨望)です。日常的に「妬み」は、この「羨み」と混同して使われることも多いです。ただし、「妬み(嫉妬)」はもともと相手が持っていないものを奪いにくることが前提であるのに対して、「羨み」はもともと相手が持っていることが前提であるため、嫌悪感の強さとしては、羨み<妬み(嫉妬)であると言えます。さらに、「妬み(嫉妬)」は、「羨み」と語源が同じ「恨み」に発展することもよくあります。ちなみに、自分が持っていないもの(持つべきもの)を相手が持っていることへの好感は、憧(あこが)れ(憧憬)です。同じ心理であっても、「羨み」は嫌悪感であるのに対して、「憧れ」は好感であるという違いがあります。まとめると、日常的には、羨み=妬み(嫉妬)=恨みとして使われますが、嫌悪感の強さは、憧れ<羨み<妬み(嫉妬)<恨みであると言えます。なんで嫉妬するの?それでは、なぜ嫉妬をするのでしょうか? ここから、嫉妬のリスクを大きく個人因子と環境因子の2つに分けてみましょう。(1)個人因子個人因子としては、主に3つ挙げられます。1つ目は、自信(自己効力感)があり過ぎることです。自信とは、「自分はできる」と感じることです。隆一は、もともと優秀で完璧主義で、これまで人生のすべてがうまく行っており、ほとんど挫折を知りませんでした。そして、幼少期からすべての点において優に勝っていました。逆に言えば、勝ってばかりでは、負けること(失敗)に慣れておらず、実は負けること(失敗)に不安(嫉妬)を感じやすくなっていると言えます。だからこそ、隆一は、資金繰りの失敗を社長である父親や優に打ち明けられず、一人で抱え込み、姿をくらますのでした。ちなみに、この心理は、自己愛性パーソナリティにつながります。この特徴は、嫉妬を含む逆境にとても脆いです。逆に、優のようにもともと自信がない場合は、嫉妬よりも嫌悪感が少ないうらやましさや、むしろ好感である憧れを持つでしょう。2つ目は、自尊心(自己肯定感)が不安定であることです。自尊心とは、「自分は(うまく行かなくても)大丈夫」と感じることです。隆一は、父親の期待(承認)を一身に背負い、周りから認められて、成長しました。逆に言えば、それは、認められないことに慣れておらず、実は代わりに誰かが認められること(=自分が認められないこと)に不安(嫉妬)を感じやすくなっていると言えます。隆一の母親は、幼少期に病死しており、愛情としてあったのは、父親の条件付きのものだけでした。ちなみに、この心理は、情緒不安定性パーソナリティにつながります。この特徴は、嫉妬にとても敏感になります。3つ目は、仲間意識(同調)が強過ぎることです。仲間意識とは、「自分と相手は同じ」と感じることです。隆一は、優が兄弟であることから、これまで優がうまく行かなくなった時に毎回面倒を見ていました。隆一は優から見れば明らかに違いますが、隆一として優は自分と同じ兄弟であるという意識が強くありました。ただし、同じであることを意識し過ぎることは、少しの変化(違い)に対して不安を感じやすくなると言えます。自信のなかった優が少しずつ前向きになっていくたびに、隆一は毎回敏感に反応していました。挙げ句の果てに、社長の父親と取締役になった優が2人きりで話していることに堪えられなくなり、社長室と取締役室などに盗聴器を仕掛けるのです。なお、承認の心理の詳細については、関連記事1をご覧ください。 (2)環境因子環境因子としては、主に3つ挙げられます。1つ目は、相手との違いが少ないことです(均一性)。隆一にとって、優は男兄弟、つまり同性で近親者です。2つ目は、相手がいつまでも変わらないことです(固定性)。優とは一緒に生まれ育ってきました。そして、同じ会社に勤め、同居しています。3つ目は、相手と距離がとれないことです(閉鎖性)。2人は同じ会社の副社長と一社員であり、上司と部下の関係です。このように、個人的、時間的、そして空間的に「近い」関係であればあるほど、自分の地位やパートナーを取られるなど、自分の立場を脅かすリスクがあるため、不安(嫉妬)を感じやすくなると言えます。もともと2人は8歳の年齢差であること、隆一の出来が良かったのに対して優は出来が悪かったため、隆一は、優を無意識に見下し、安心していました。ところが、優が力をつけるにつれて、隆一は穏やかではいられなくなっていたのでした。このように、「近い」関係という点で、兄弟関係(同胞関係)だけでなく、親友関係や夫婦関係においても、実は嫉妬(とくに志向性嫉妬)はよく見られます。逆に言えば、社長である父親は年齢や立場が「遠い」親子関係であるため、隆一が父親に憧れることはあっても、嫉妬することはないでしょう。ちなみに、嫉妬を引き起こす環境因子は、いじめとよく似ています。いじめの心理の詳細については、関連記事2をご覧ください。 ■参考図書1)病的嫉妬の臨床研究:高橋俊彦、岩崎学術出版社、20062)嫉妬をとめられない人:片田珠美、小学館新書、2015■関連記事ザ・サークル【「いいね!」を欲しがりすぎると?(承認中毒)】告白【いじめ(同調)】

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日本人高齢者における新たな認知症診断予測因子~コホート研究

 高齢者の認知症を予防することは、公衆衛生上の重要な課題である。認知症の予測因子を早期に発見し、是正することは重要であるが、定期的に収集された医療データに基づく認知症の予測因子は、すべて明らかになっているわけではない。京都大学の中奥 由里子氏らは、定期的に収集したレセプトデータを用いて、認知症診断の潜在的な予測因子を調査した。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2021年1月13日号の報告。 新潟県の75歳以上の高齢者を対象に、2012年(ベースライン)と2016年(フォローアップ)のレセプトデータを用いて、レトロスペクティブコホート研究を実施した。年齢、性別、診断、処方箋などのベースライン特性に関するデータを収集し、その後の新規認知症診断の潜在的な予測因子との関係を調査するため、多変量ロジスティック回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時に、認知症と診断されていなかった高齢者22万6,738人をフォローアップした。・認知症と診断された高齢者は、2万6,092人であった。・交絡因子で調整した後、その後の認知症診断と有意な関連が認められた因子は、以下のとおりであった。 ●脳血管疾患(オッズ比[OR]:1.15、95%信頼区間[CI]:1.11~1.18) ●うつ病(OR:1.38、95%CI:1.31~1.44) ●抗精神病薬の使用(OR:1.40、95%CI:1.31~1.49) ●催眠鎮静薬の使用(OR:1.17、95%CI:1.11~1.24) 著者らは「定期的に収集したレセプトデータを分析したところ、うつ病、抗精神病薬の使用、催眠鎮静薬の使用、脳血管疾患などの精神神経症状が、新規認知症診断の予測因子であることが明らかとなった」としている。

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双極性障害とうつ病を鑑別するための感情調節神経回路の調査

 双極性障害(BD)患者の最大40%は、最初にうつ病と診断されており、情緒不安定は両疾患で共通して認められる。しかし、認知的再評価による感情調節の違いが、BDとうつ病を鑑別するのに役立つかは、よくわかっていない。オーストラリア・シドニー大学のSabina Rai氏らは、寛解期BD患者とうつ病患者の感情調節について、調査を行った。Bipolar Disorders誌オンライン版2020年12月25日号の報告。 年齢、性別、うつ病重症度をマッチさせた寛解期BD患者38例、寛解期うつ病患者33例、健康対照者37例を対象に、fMRIスキャン中の感情調節認知再評価タスクを調査した。対象者には、画像の再評価(Think条件)、ネガティブな画像を受動的に見る(Watch条件)、ニュートラルな画像を受動的に見る(Neutral条件)のいずれかを行い、その影響を評価した。感情調節に特有の神経回路における再評価(Think条件vs.Watch条件)および反応性評価(Watch条件vs.Neutral条件)についてグループ間での違いを調査するため、放射化分析、結合性解析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・グループとは無関係に、Watch条件では、Think条件およびNeutral条件と比較し、最もネガティブに評価した。また、Neutral条件と比較し、Think条件では、よりネガティブな評価であった。・とくに、BD患者では、うつ病患者と比較し、再評価における前帯状皮質膝下部(sgACC)活性の低下が認められたが、反応性評価においては、sgACC活性がより大きかった。・うつ病患者では、BD患者と比較し、反応性評価において右扁桃体の活性がより大きかった。・タスク関連の連結性は、グループ間で差は認められなかった。 著者らは「寛解期BD患者およびうつ病患者は、感情的な情報を処理および調整するうえで、異なる脳領域と関与していることが示唆された。これらの違いは、両疾患を鑑別し、BDの根底にある病態生理への新たな洞察を検討するうえで役立つ可能性がある」としている。

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日本人高齢者の認知症リスクと中年期以降の長期的な体重変化~大崎コホート2006

 高齢になるにつれ、体重減少や認知機能障害の頻度が高まるが、日本人高齢者の認知症発症リスクに体重変化が関連しているかは不明である。東北大学の陸 兪凱氏らは、中年期以降の長期的な体重変化と認知症発症リスクとの関連を調査するため、日本人高齢者のコミュニティーベースコホート研究を実施した。Journal of Epidemiology誌オンライン版2020年12月26日号の報告。 2006年に65歳以上の障害のない日本人高齢者を対象としたコホート研究を実施した。対象者は、1994年と2006年に自己報告式質問票を用いて体重データを収集し、体重変化に基づき次のように分類した。安定体重(-1.4~+1.4kg)、体重増加(≧+1.5kg)、体重減少1(-2.4~-1.5kg)、体重減少2(-3.4~-2.5kg)、体重減少3(-4.4~-3.5kg)、体重減少4(-5.4~-4.5kg)、体重減少5(≦-5.5kg)。認知症発症は、公的な介護保険データベースより収集した。対象者のフォローアップ期間は、2007年4月~2012年11月の5.7年間であった。認知症発症に関連する多変量調整ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)の推定には、Cox比例ハザードモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・3万2,865人年のフォローアップ期間中に認知症を発症した高齢者は、564人であった。・安定体重と比較した、体重減少が認められた高齢者の多変量調整HRは、以下のとおりであった。●体重減少1:0.97(95%CI:0.70~1.34)●体重減少2:0.98(95%CI:0.70~1.38)●体重減少3:1.28(95%CI:0.91~1.81)●体重減少4:1.27(95%CI:0.92~1.77)●体重減少5:1.64(95%CI:1.29~2.09) 著者らは「12年間で3.5kg以上の体重減少が認められる日本人高齢者は、認知症発症リスクが高い可能性があることが示唆された」としている。

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日本における緊急事態宣言下のマタニティハラスメントとうつ病との関連

 妊娠への差別として知られるマタニティハラスメントは、先進国において広まったままである。しかし、マタニティハラスメントによるメンタルヘルスへの影響を調査した研究は、十分とはいえない。北里大学の可知 悠子氏らは、日本における妊娠中のマタニティハラスメントとうつ病との関連を調査した。Journal of Occupational Health誌2021年1月号の報告。 日本において一部地域の緊急事態宣言が続く2020年5月22日~31日に妊婦(妊娠確認時に就業していた女性)359人を対象に横断的インターネット調査を実施した。マタニティハラスメントは、国のガイドラインで禁止されている16事項のいずれかを受けた場合と定義した。うつ病の定義は、エジンバラ産後うつ病自己評価票日本語版(EPDS)スコア9以上とした。分析には、ロジスティック回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・就業していた妊婦の24.8%は、上司や同僚からマタニティハラスメントを受けていた。・人口統計、妊娠状態、作業状態、COVID-19への恐怖で調整した後、マタニティハラスメントを経験した妊婦では、経験しなかった妊婦と比較し、うつ病を発症する可能性が高かった(オッズ比:2.48、95%信頼区間:1.34~4.60)。・この関連は、COVID-19に伴うテレワークの有無に影響されなかった。 著者らは「就業していた妊婦の約4分の1は、マタニティハラスメントを経験しており、経験しなかった女性よりもうつ病の有病率が高かった。テレワークを通じて、オフィスから物理的に離れたとしても、マタニティハラスメントによるうつ病への影響は減少しなかった。妊婦のメンタルヘルスと雇用を守るために、雇用主は法律を順守し、マタニティハラスメントを防止する措置を講ずる必要がある」としている。

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片頭痛に対する生物学的製剤のレビュー

 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的とするモノクローナル抗体は、片頭痛の予防に効果があるといわれている。CGRPモノクローナル抗体であるeptinezumab、 erenumab、fremanezumab、ガルカネズマブは、臨床試験において有効性と良好な安全性および忍容性プロファイルを示している。erenumabは、完全ヒトモノクローナル抗体であるが、他の薬剤はヒト化モノクローナル抗体であり、これらの薬剤は免疫反応を引き起こす可能性がある。米国・テバファーマスーティカルのJoshua M. Cohen氏らは、CGRPモノクローナル抗体と免疫原性との関係、それらの潜在的な臨床的意義についてレビューを行った。The Journal of Headache and Pain誌2021年1月7日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・抗薬物抗体(ADA)の発生率、その力価、臨床的重要性は、非常に多様であり、薬剤間および患者要因に依存する。・中和抗体(NAB)は、生物学的製剤に結合し、その薬理活性を阻害または低下させるが、非NABは、薬理活性に影響を及ぼすことなく生物学的製剤に結合することがin vitroの試験において認められている。ただし、薬物動態や薬剤のクリアランスが影響を受ける可能性がある。・標準化されたアッセイがないため、異なる生物学的製剤を用いた臨床試験全体の免疫原性に関するデータを直接比較することができない。・片頭痛予防に対するCGRPモノクローナル抗体を評価した第II相、第III相試験および長期試験には、免疫原性に関するデータが報告されている(各薬剤で5件ずつ)。・これらの研究全体で、ADAの発生率は1%未満~18%の範囲で変動していた。・NABは、一般的とはいえず、発生率は0~12%の範囲であった。・ADA形成に関連する有害事象は、まれであった。 著者らは「より多くのCGRPモノクローナル抗体の研究が実施され、長期のフォローアップデータが利用可能になれば、片頭痛に対する生物学的製剤による治療は、免疫原性の発生率が低く、ADAに関連する有害事象がまれであることを示すエビデンスが増加し、安全性や忍容性が明らかになるであろう」としている。(2月9日12:00 記事の一部を修正いたしました)

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