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新型コロナワクチン、12~15歳に100%の有効性/ファイザー・BioNTech

 米国・Pfizerとドイツ・BioNTechは3月31日、両社の新型コロナウイルスワクチン(BNT162b2、商品名:コミナティ筋注)の12~15歳の青年を対象とした第III相試験で、以前報告された16~25歳を対象とした試験結果を超え、100%の有効性と強力な抗体反応を示したという速報をプレスリリースで発表した。両社は、米国食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁(EMA)に緊急使用許可を申請する意向を示している。  本試験には、米国で12~15歳の青年2,260例が登録された。結果は、プラセボ群(1,129例)で18例の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が観察されたのに対し、ワクチン接種群(1,131例)では観察されなかった。また、ワクチン接種は、SARS-CoV-2中和抗体の幾何平均抗体価(GMT)1,239.5を誘発し、2回目の投与から1ヵ月後のサブセットで強い免疫原性を示した。これは、以前の分析で16~25歳の参加者に誘発されたGMT(705.1)に劣っていなかった。さらに、副反応は16~25歳の参加者で観察されたものとおおむね一致しており、良好な忍容性が示された。すべての参加者は、2回目の投与後さらに2年間、長期的な予防効果と安全性について引き続き観察される。 なお、両社はさらに、6ヵ月~11歳の子供を対象としたワクチンの安全性、忍容性、免疫原性を評価するために、国際共同シームレス第I/II/III相試験を計画している。この研究では、6ヵ月~2歳、2~5歳、5~11歳と3つの年齢グループに分け、2回投与スケジュール(約21日間隔)で評価する。5~11歳のコホートではすでに先週投与が開始されており、来週にも2~5歳のコホートで投与を開始する予定だ。

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完全人工膵臓開発における熾烈な競争(解説:住谷哲氏)-1371

 筆者は本連載1167回の『完全人工膵臓実現へのさらなる一歩』で、高血糖時に投与するcorrection bolusを自動化したControl-IQシステムについてコメントした。この点でControl-IQシステムに一歩遅れをとっていたMedtronicが新たに開発したシステムであるadvanced hybrid closed-loop system(AHCL)についての報告である。Medtronicはすでにhybrid closed-loop system(HCL)としてMiniMed 670Gを市場に送り出していたが、MiniMed 670Gにcorrection bolus投与自動化アルゴリズムを持つMD-Logic artificial pancreas algorithm(DreaMed Diabetes[イスラエル、ペタフ・ティクバ])を組み込んだAHCLを新たに開発した。MiniMed 670Gとハード(インスリンポンプとCGM)はまったく同一で、新しいソフトを搭載した機種になる。 試験の対象となったのは1型糖尿病のなかでも血糖管理が困難とされている思春期・若年成人(adolescents and young adults)1型糖尿病患者113人である。機種の違いを比較する試験でありmaskingは不可能であるが、対象患者間の個体差を最小にするために無作為化クロスオーバーデザインが用いられた。Correction bolus投与自動化による有益性を評価するのが試験目的であるので、日中における血糖値>180mg/dLの時間と、<54mg/dLの時間との2つの主要評価項目coprimary endpointが設定された。結果は、血糖値>180mg/dLの時間がHCL期間で34%、AHCL期間で37%(p<0.001)でありAHCLで有意に減少していた。 それではControl-IQシステムとadvanced MiniMed 670G(今回検討された新機種)のどちらが優れているだろうか? 両機種には機能に種々の相違点があるが、この疑問は両者のhead-to-head試験が実施されない限り(その実現可能性はきわめて低いが)答えられない。しかしControl-IQシステムは自己血糖測定によるCGMの較正が不要であるのに対して、MiniMed 670Gに搭載されたCGMは12時間ごとの較正が必要であり、この点ではControl-IQシステムが利便性に勝る。Control-IQシステムvs.MiniMed 670Gの勝者がいずれになるかは、食事の前に投与するmeal bolusの自動化をどちらが達成するかにかかっていると思われる。

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コロナ流行下で小児のライノウイルス感染リスクが2倍超

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行が1年以上続き、マスクや手洗いなどのコロナ感染予防はいまや一般常識レベルに浸透している。この対策はCOVID-19のみならず、あらゆる感染症予防に有用と考えられる。東京大学の河岡 義裕氏(医科学研究所感染・免疫部門ウイルス感染分野教授)は、共同研究グループと共にCOVID-19流行下の呼吸器感染症ウイルス検出状況を調査したところ、全年齢層においてインフルエンザをはじめとする代表的な呼吸器感染症ウイルスの検出率は低下していた一方、10歳未満の小児では、風邪を引き起こすライノウイルスの検出率が著しく上昇していたことを発見した。研究結果は、Influenza and Other Respiratory Viruses誌オンライン版2021年3月15日号に掲載された。ライノウイルス検出率はCOVID-19流行期に著しく上昇 本研究では、COVID-19流行前後における呼吸器感染症ウイルスの検出状況を比較するため、2018年1月~2020年9月の期間、横浜市で2,244例の呼吸器疾患患者(COVID-19患者を除く)から採取された呼吸器検体(鼻腔ぬぐい液、咽頭ぬぐい液、鼻汁、唾液、気管吸引液、喀痰)を解析し、代表的な呼吸器感染症ウイルス(インフルエンザウイルス、ライノウイルス、コクサッキーウイルスA/B、エコーウイルス、エンテロウイルス、ヒトコロナウイルス229E/HKU1/NL63/OC43、ヒトメタニューモウイルス、パラインフルエンザウイルス1/2/3/4、パレコウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、ボカウイルス、パルボウイルスB19、単純ヘルペスウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス)の検出を行った。 COVID-19流行前後におけるインフルエンザウイルスやライノウイルスなど呼吸器感染症ウイルスの検出状況を比較した主な結果は以下のとおり。・2,244例の内訳は、男性1,197例(53.3%)、女性1,044例(46.5%)、性別不明3例(0.1%)。年齢分布は、10歳未満1,119例(49.9%)、10歳以上1,105例(49.2%)、不明20例(0.9%)。・全検体のうち、最も多く検出されたのはインフルエンザウイルス(592例)で、次いでライノウイルス(155例)だった。475例からは、その他の呼吸器感染症ウイルスが検出された。・インフルエンザウイルスやその他の呼吸器感染症ウイルスの検出率は、全年齢層でCOVID-19流行後に低下していた。対照的に、ライノウイルス検出率はCOVID-19流行期に著しく上昇し、例年の2倍以上だった。 本研究では、インフルエンザ症例数の増加期にはライノウイルス感染数が減少しており、インフルエンザウイルスがライノウイルスに何らかの干渉作用がある可能性が示唆された。著者らは、SARS-CoV-2出現後、感染対策が奏功し市中のインフルエンザ感染者が減少したことが、10歳未満の小児におけるライノウイルス感染増加と関連しているのではないかと指摘している。ライノウイルスは、コロナウイルスやインフルエンザウイルスと異なり、ノンエンベロープウイルスであるため、アルコール消毒よりも石鹸と水を使った手洗いが有効だという。

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「ビソルボン」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第45回

第45回 「ビソルボン」の名称の由来は?販売名ビソルボン®錠4mgビソルボン®細粒2%※ビソルボン吸入液と注射液はインタビューフォームが異なるため今回は情報を割愛しています。ご了承ください。一般名(和名[命名法])ブロムヘキシン塩酸塩(JAN)効能又は効果ビソルボン錠4mg・細粒2%:下記疾患の去痰急性気管支炎、慢性気管支炎、肺結核、塵肺症、手術後用法及び用量ビソルボン錠4mg:通常成人には1回1錠(ブロムヘキシン塩酸塩として4mg)を1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ビソルボン細粒2%:通常成人には1回0.2g(ブロムヘキシン塩酸塩として4mg)を1日3回経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。警告内容とその理由該当しない禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)禁忌(次の患者には投与しないこと)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者※本内容は2021年3月31日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2017年7月改訂(改訂第7版)医薬品インタビューフォーム「ビソルボン®錠4mg/ビソルボン®細粒2%」2)サノフィ e-MR:製品情報

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TRK阻害薬ラロトレクチニブ、NTRK陽性固形がんに国内承認/バイエル

 バイエル薬品は、2021年3月23日、神経栄養因子チロシンキナーゼ受容体(NTRK)融合遺伝子陽性の進行・再発固形がん治療薬として、ラロトレクチニブ(商品名:ヴァイトラックビ)の製造販売承認を取得した。 ラロトレクチニブは、NTRK遺伝子融合陽性の進行・再発の固形がんの治療に特化した経口トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害薬として開発され、TRK融合を有する成人および小児固形がん患者に対し、高い奏効割合と持続的な奏効を示し、TRK融合を有する中枢神経系原発腫瘍に対して高い病勢コントロール率を示している。 日本におけるヴァイトラックビの承認は、成人および青年期の患者を対象とした第II相試験NAVIGATE、および小児を対象とした第I/II相試験SCOUTのデータに基づくもの。 また、同剤のコンパニオン診断としては、ファウンデーション・メディシン社の「FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル」が、本年1月22日に適応追加の承認を取得している。

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自閉スペクトラム症における統合失調症や気分障害の合併率

 自閉スペクトラム症(ASD)患者は、他の疾患を合併しているケースが少なくない。多くの研究において、ASD患者を対象に精神医学的合併症の有病率が報告されているものの、合併症の発生率は明らかになっていない。台湾・国立台湾大学医学院附設病院のYi-Ling Chien氏らは、台湾レセプトデータベースを用いて、ASD患者における主な精神医学的合併症の発生率および性別、ASDサブタイプ、自閉症関連の神経発達状態と発生率との関連について調査を行った。Autism Research誌2021年3月号の報告。ASD患者の統合失調症スペクトラム障害併発は9.7人/1,000人年 対象は、ASD患者3,837例(自閉症:2,929例、アスペルガー症候群:447例、特定不能な広汎性発達障害:461例)および年齢、性別をマッチさせた対照群3万8,370例。統合失調症スペクトラム障害、双極性障害、うつ病の発生率を調査した。 主な結果は以下のとおり。・3つのASDサブタイプすべてにわたる対照群と比較し、ASD患者の精神医学的合併症の発生率は、有意に高かった。 ●統合失調症スペクトラム障害:9.7人/1,000人年 ●双極性障害:7.0人/1,000人年 ●うつ病:3.2人/1,000人年・特定不能な広汎性発達障害は、自閉症よりも、うつ病リスクが高かった。・アスペルガー症候群の女性は、男性よりも、統合失調症スペクトラム障害リスクが有意に高かった。・自閉症関連の神経発達状態を考慮すると、合併症の発生率は大幅に低下した。 著者らは「ASD患者では、精神医学的合併症の発生率は高く、ASDサブタイプ、性別、自閉症関連の神経発達状態の影響を受けることが示唆された」としている。

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新型コロナ学級内クラスターの発生はわずか、スイス/BMJ

 2020年8月から再開されたスイスの初等~中等学校では、いくつかの予防措置が講じられたことで、地域社会の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の伝播が中等度~高度で全体的な血清有病率が上昇した時期にあっても、血清陽性の子供の小規模感染者集団が発生した学級はごくわずかであったことが、同国・チューリヒ大学のAgne Ulyte氏らの調査で明らかとなった。研究の詳細は、BMJ誌2021年3月17日号に掲載された。SARS-CoV-2感染症の伝播における児童生徒の役割には議論の余地があるが、現に学校での感染爆発は起きており、子供の血清有病率は成人と同程度の可能性がある。児童生徒におけるSARS-CoV-2感染の伝播とその影響を理解することは、適切な緩和策の実施のために重要とされる。チューリヒ州の6~16歳の前向きコホート研究 研究グループは、2020年6月~11月の期間に、スイス・チューリヒ州において、SARS-CoV-2の血清有病率の長期的な変動を調査し、学級内で血清陽性となった子供たちにおける小規模感染者集団の発生状況を明らかにする目的で、前向きコホート研究を行った(Swiss School of Public Health[SSPH+]の調達資金などから助成を受けた)。 スイスは、2020年秋に欧州で発生した最大規模の第2波SARS-CoV-2パンデミックの一角を占めた。この時期に学校を再開したことで、中等度~高度な曝露環境となったため、SARS-CoV-2感染の調査が実施された。 地区ごとに無作為に選ばれた学校および学級の子供たちが、SARS-CoV-2の血清検査を受けるよう要請された。保護者は、社会人口統計学的な質問と健康に関する質問に答えた。検査では、SARS-CoV-2の4つの標的(受容体結合ドメイン、スパイクタンパク質S1とS2、ヌクレオカプシドタンパク質N)に対する免疫グロブリン(IgG、IgM、IgA)を解析した。 要請を受けた156校のうち55校が調査に参加し、この中から275の学級(6~16歳)が無作為に選ばれた。参加者数は、2020年6月~7月(夏期)が2,603人、同年10月~11月(晩秋期)が2,552人であった。 主要アウトカムは、2020年6月~7月と10月~11月のSARS-CoV-2血清検査、学級内の小規模感染者集団、子供の症状とされた。血清有病率の解析にはベイズロジスティック回帰法が用いられた。陽性者の40%が陰性化、陽性者3人以上は7学級(5%)のみ 血清検査の陽性者は、夏期は検査を受けた2,496人中74人であったが、晩秋期には2,503人中173人に増加した。SARS-CoV-2の血清有病率は、夏期が2.4%(95%信用区間[CrI]:1.4~3.6)で、夏期に陽性でなかった子供における晩秋期の新規陽性率は4.5%(3.2~6.0)であり、血清陽性の子供の割合は7.8%(6.2~9.5)であった。 地区ごとの血清有病率にはばらつきがあり、晩秋期は1.7~15.0%の幅が認められた。低学年(6~9歳)、中学年(9~13歳)、高学年(12~16歳)で、夏期陽性者と晩秋期新規陽性者を併せた割合に差はなかった(それぞれ8.5%、8.0%、6.4%)。また、性別の違いで血清有病率に差はなかった。 夏期と晩秋期の両方で血清検査を受けた2,223人のうち、夏期に陽性の70人のうち28人(40%)が晩秋期には陰性化し、夏期に陰性の2,153人のうち109人(5%)が陽性化した。 症状は、血清陰性者の22%(420/1,923人)および夏期以降の新規陽性者の29%(29/101人)にみられた。血清陽性者で頻度の高い症状は、頭痛(13.9%)、鼻水/鼻詰まり(11.9%)、咽喉炎(11.9%)、疲労(8.9%)であった。また、SARS-CoV-2感染症の診断を受けた子供の血清陽性者に対する比は、2020年1月~11月の期間が1対13で、2020年7月~11月の期間は1対8だった。 少なくとも1人の子供が新規に血清陽性となったのは、55の学校中47校、275の学級中90学級であった。生徒の参加率が高かった130の学級のうち、血清陽性者が発生しなかったのは73学級(56%)、陽性者1~2人は50学級(38%)で、3人以上の陽性者が発生したのは7学級(5%)だった。 著者は、「SARS-CoV-2の新たな変異株や、地域社会での感染レベルの活発な変動が起きた場合に、これらの知見も変化するかに関しては、確実なことはいえない」としている。

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同種HCT後の心房細動、死亡リスク増大/JCO

 同種造血幹細胞移植(HCT)後の、新規心房細動は予後不良と関連するとの知見が示された。米国・ロサンゼルス小児病院のEllen K. Chang氏らは、同種HCTに関連した転帰に対する心房細動の影響を検討する目的で後ろ向きコホート研究を行い、同種HCT後の心房細動発症は生存率の低下と関連していることを明らかにした。また、患者背景、HCT前の心臓パラメータおよびHCTに関連した曝露と、心房細動リスクとの重要な関連を特定し、HCT中およびHCT後の予防戦略についても示している。Journal of Clinical Oncology誌2021年3月10日号掲載の報告。 研究グループは、コホート内症例対照研究法を用いて、2014~16年に同種HCTを受けた487例を対象に、HCT前の心エコー測定とその後の心房細動イベントとの関連を解析した。 主な結果は以下のとおり。・HCT時の年齢中央値は52.4歳、心房細動発症までの期間中央値は117.5日であった。・心房細動の5年累積発生率は10.6%であった。・心房細動の独立した危険因子は、高齢(50歳以上)(ハザード比[HR]:2.76、95%信頼区間[CI]:1.37~5.58)、HLA非血縁ドナー(HR:2.20、95%CI:1.18~4.12)、脂質異常症(HR:2.40、95%CI:1.23~4.68)、HCT前のQTc延長(HR:2.55、95%CI:1.38~4.72)であった。・心房細動発症患者は非発症患者と比較し、左室収縮機能が同等であったにもかかわらず、HCT前の左房駆出率低値、左房リザーバー機能低下および三尖弁逆流ジェット速度上昇を呈する可能性が顕著に高かった。・心房細動後の脳卒中発症率は1,000人年当たり143例だった。・補正後解析では、全死因死亡リスクは12.8倍(HR:12.76、95%CI:8.76~18.57)、非再発死亡リスクは15.8倍(HR:15.78、95%CI:8.70~28.62)であった。

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ほむほむ先生の小児アレルギー教室

ほむほむ先生が、親御さんから寄せられた小児アレルギー関連の実際のご質問にお答えしま~す!授業形式の本書、ほむほむ先生の授業はとってもわかりやすく、漫画家の青鹿ユウさんの漫画やイラストもとてもかわいいですよ!全国の小児アレルギーに悩むお子さんや親御さんのために、ほむほむ先生が、アレルギーの仕組みや検査、お薬のお話などをやさしく教えてくれます。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    ほむほむ先生の小児アレルギー教室定価2,420円(税込)判型B5判変型頁数278頁発行2021年3月著者堀向 健太画青鹿 ユウ

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第50回 「コロナ禍でも医療機関の減収なし」菅首相の答弁と、実態調査の乖離

菅 義偉首相は2月の衆議院予算委員会で、コロナ禍でも政府の支援や診療報酬上の手当てにより医療機関の「減収はない」と答弁したが、果たして本当だろうか。1都3県に先立ち、2月末に緊急事態宣言が解除された大阪府の保険医協会は2月26日、会員医療機関(4,058件)に対し、コロナ禍による医療機関への影響についてアンケート調査を行った。それによると、2020年の保険診療収入を2019年と比較すると、約8割が患者数減や受診回数減により「減った」と回答。菅首相の答弁は、一体何を根拠にしているのだろうか。4割の医療機関が20%以上減収減収割合では、10~20%未満が25.1%でトップ。次いで20~30%未満が22.2%、30%以上が17.8%と、20%以上減収した医療機関は約4割に上った。とくに、小児科と耳鼻科では30%以上減が半数を超えた。また、健診数も大きく減っている。全体では「減った」は46.5%だが、内科に限ってみると59.7%が「減った」と回答。地域医療を支える医療機関の減収が深刻であることが浮き彫りになった。受診・健診控えによる初診時の重症化や慢性疾患の増悪などの事例を聞いたところ、37.6%が「あった」と回答。がんの発見遅れや進行により亡くなった例もあった。補助金で減収補填は無理「減った」と回答した医療機関に、国からの補助金制度で減収を補填できたかどうか聞いたところ、「不十分」が52.9%、「全く補填にならない」が25.3%と、国の補助金などの制度に不満を持つ意見が8割近くを占めた。その理由に関しては「受診抑制に見合わない」が一番多く、次いで「経費増に見合わない」が続いた。申請については、「手続きがわかりにくい(難しい)」「書類が複雑すぎる」などの意見が多く見られた。昨年は診療報酬の改定があり、ただでさえ保険診療請求の入力作業などの事務作業が大幅に増えていた。そこに加えて複雑な補助金申請となれば、事務作業がさらに増えるため、「申請していない」医療機関も少なくなかった。また、申請したものの「入金がまだない」「入金されるか不安」という声もあった。「感染収束までは補償が必要」との声政府は、医療機関への補助として、2021年4月~9月までの半年間、初・再診料に1回当たり5点(50円)、診療報酬を上乗せする。しかし、1ヵ月の来院者が仮に1,000人(1日約40人)としても、上乗せ分の金額は5万円にしかならないことから、「人件費にもならない」との声が少なくないという。また、56.5%が「感染収束までは補償が必要」と答えた。コロナ禍で経営が厳しい中でも、地域の診療所・クリニックはスタッフの賃金を維持し、補助金の有無にかかわらず新型コロナウイルス感染症と闘っている。アンケートの意見欄には「減収でも今は何とかやっていける。しかし、これ以上続くとわからない」「もう使命感だけでやっている」との切実な声があがっていた。アンケートの最後に自院の将来展望を聞いたところ、約半数が「不安」と回答した。ギリギリのところで踏ん張っている医療機関の実態をつぶさに調査、確認したならば、冒頭のような答弁はあり得ないと思うのだが、どうだろうか。

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書類仕事は苦手…、そんなこと言ってると痛い目に遭いますよ、という話【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第14回

第14回 書類仕事は苦手…、そんなこと言ってると痛い目に遭いますよ、という話漫画・イラスト:かたぎりもとこ医業承継や開業においては、多くの契約が発生します。これらの契約について「固い文書は苦手だから」「業者を信頼しているから」といった理由から、十分な確認をしないまま契約を締結するケースが散見します。医業承継における主な契約には下記のようなものがあります。業務委任契約(医業承継仲介契約)秘密保持契約基本合意契約最終契約(譲渡契約)融資契約テナント賃貸借契約不動産仲介契約リース契約雇用契約今回はテナント賃貸借契約のトラブル例を紹介しました。テナント賃貸借契約は、立地がよい物件ほど多くの入居相談があり、必然的にオーナー(貸主)側の交渉力が高い傾向があります。そうした際には、貸主に有利となる条項が盛り込まれている場合があり、十分に確認をして契約を締結する必要があります。今回のケースでも、テナント賃貸借契約に「診療所を第三者に承継する場合は不動産オーナーの許可が必要となり、さらにその際には不動産オーナーに対し『承諾金』を支払う」という条項が盛り込まれていました。これは実際に私たちが手掛けた案件にあった例です。さらに、「承諾金」の200万円のほか、買い手側が不動産オーナーに賃料の2ヵ月分の礼金、不動産仲介会社に賃料1ヵ月分の仲介手数料を支払う、という内容まで盛り込まれていました。旧院長がしっかり内容を確認しなかったために、貸し手にかなり有利な契約となっていたのです。実際のところ、不動産仲介会社が不動産オーナーにこうした条項を入れるように提案するケースが多いようです。こうしたケースでは、当初の契約内容に従って案件を進めざるを得ませんが、交渉によって当初の条件が緩和されることもあるため、まずは再度きちんと契約内容を確認したうえで、交渉のステージに上がることが重要です。

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潰瘍性大腸炎、患者の90%が持つ自己抗体を発見/京大

 潰瘍性大腸炎(UC)は、その発症に免疫系の異常が関連していると考えられているが、原因はいまだ解明されておらず、国の指定難病となっている。京都大学・塩川 雅広助教らの研究グループは3月9日、潰瘍性大腸炎患者の約90%に認められる新たな自己抗体を発見したことを発表した。現在、この自己抗体を測定する検査キットを企業と共同開発中。Gastroenterology誌オンライン版2021年2月12日号に掲載。潰瘍性大腸炎患者の大多数はインテグリンαVβ6に対する自己抗体を持っていた 本研究は、潰瘍性大腸炎患者112例と対照患者165例が登録された。潰瘍性大腸炎は、症状、内視鏡所見、組織学的所見、および代替診断の欠如の組み合わせによって診断。血清サンプルは、2017年7月~2019年11月までに京都大学医学部附属病院で採取され、潰瘍性大腸炎患者112例と対照患者155例が、それぞれトレーニング群と検証群に分けられた。 23の組換えインテグリンタンパク質を使用して、潰瘍性大腸炎患者と対照患者の血清に対して酵素免疫測定法を実施した。また、結腸組織におけるインテグリン発現とIgG結合を、それぞれ免疫蛍光抗体法と共免疫沈降法を使用し、自己抗体の遮断活性は、細胞接着アッセイを使用して調べた。 潰瘍性大腸炎患者の抗体を調べた主な結果は以下のとおり。・スクリーニングにより、潰瘍性大腸炎患者はインテグリンαVβ6に対するIgG抗体を持っていることが明らかになった。両群では、潰瘍性大腸炎患者の92.0%(103/112例)と対照患者の5.2%(8/155例)が抗インテグリンαvβ6抗体を持っていた(p<0.001)。・潰瘍性大腸炎に対する抗インテグリンαVβ6のIgG自己抗体における感度は92.0%、特異度は94.8%だった。・抗インテグリンαVβ6抗体価は、疾患の重症度と一致し、IgG1が主要なサブクラスだった。・免疫蛍光法により、結腸上皮細胞におけるインテグリンαVβ6タンパクの発現が示され、免疫沈降法が、潰瘍性大腸炎患者の結腸粘膜におけるインテグリンαVβ6へのIgG結合を明らかにした。潰瘍性大腸炎患者のIgGは、インテグリンαVβ6-フィブロネクチンの結合を阻害した。 研究者らは、「潰瘍性大腸炎患者の大多数はインテグリンαVβ6に対する自己抗体を持っていた。これは、高い感度と特異性を備えた潜在的な診断バイオマーカーとして役立つ可能性がある」と結論している。

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親または教師におけるADHDの診断精度

 小児や青年における注意欠如多動症(ADHD)の発見において親または教師の診断精度および親と教師における診断や症状の一致率について、トルコ・エーゲ大学のAkin Tahillioglu氏らが調査を行った。Nordic Journal of Psychiatry誌オンライン版2021年2月22日号の報告。 ADHD診断が行われていないコミュニティサンプルより6~14歳の小児および青年417人を対象に、半構造化された親および教師のADHD Rating Scale-IVを用いて評価を行った。ADHDの診断を確実にするため、障害の基準を考慮した。各カテゴリーのサンプルより、感度、特異性、陽性予測値、陰性予測値、診断精度の測定値を算出した。そのうえで、親および教師の報告内容の一致率を調査した。 主な結果は以下のとおり。・ADHDの診断精度は、親と教師で同程度であった。・男児、女児それぞれにおける親と教師の診断精度に差は認められなかった。・女児では、男児よりも、親と教師の診断精度が高かった。・教育レベルの低い親では、教育レベルの高い親および教師よりも診断精度が低かった。・親と教師の報告には、低~中程度の一致と相関が認められた。 著者らは「ADHDの診断精度は、親と教師で同程度であった。しかし、子供の性別や親の教育レベルがADHD診断精度に影響を及ぼす可能性が示唆された。臨床医は、正確なADHD診断を行うために、親と教師の報告を評価することは重要であろう」としている。

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高リスク初回再発B-ALL小児の地固め療法、ブリナツモマブが有望/JAMA

 高リスクの初回再発B細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)の小児の治療において、同種造血幹細胞移植前のブリナツモマブの1サイクル投与は、標準的な多剤併用強化化学療法による地固め療法と比較して、無イベント生存割合が有意に優れ、安全性も良好であることが、イタリア・ローマ・ラ・サピエンツァ大学のFranco Locatelli氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2021年3月2日号に掲載された。ブリナツモマブは、CD3/CD19を標的とする二重特異性T細胞誘導(BiTE)分子であり、T細胞を動員してCD19発現B細胞を溶解する。再発・難治性B-ALLの小児を対象とする第I/II相試験で、ブリナツモマブは抗白血病活性が示され、分子レベルでの抵抗性を有するB-ALLの成人および小児において、微小残存病変の高い完全寛解率を誘導したと報告されている。13ヵ国47施設の非盲検無作為化第III相試験 本研究は、高リスクの初回再発B-ALL小児の治療において、同種造血幹細胞移植前に残存白血病負担を軽減することで、移植後の転帰の改善を目指すアプローチにおけるブリナツモマブの有効性の評価を目的とする非盲検無作為化第III相試験であり、13ヵ国47施設が参加し、2015年11月~2019年7月の期間に患者登録が行われた(Amgenの助成による)。 対象は、生後28日~18歳未満の小児で、フィラデルフィア染色体陰性の高リスク初回再発B-ALLであり、M1 marrow(骨髄の芽球が<5%)またはM2 marrow(骨髄の芽球が≧5~<25%)の患者であった。 被験者は、3回目の地固め療法として、ブリナツモマブ(15μg/m2/日、4週間、持続静注)を1サイクル投与する群または化学療法を施行する群に無作為に割り付けられた。ブリナツモマブ群では、第1日のブリナツモマブ投与前にデキサメタゾン(5mg/m2)が投与された。 主要エンドポイントは無イベント生存割合とした。イベントは、再発、死亡、2次性悪性腫瘍、完全寛解導入の失敗と定義された。重要な副次エンドポイントは全生存(OS)割合であり、他の副次エンドポイントには微小残存病変の寛解(芽球<10-4)や有害事象が含まれた。死亡・再発のリスクが低く、微小残存病変の寛解割合が高い 108例(年齢中央値5.0歳[IQR:4.0~10.5]、女子51.9%、M1 marrow 97.2%)が無作為化の対象となり、ブリナツモマブ群に54例、化学療法群に54例が割り付けられた。事前に規定された中止規則に従い、ブリナツモマブの有益性により患者登録は早期中止となった。 フォローアップ期間中央値22.4ヵ月(IQR:8.1~34.2)の時点で、主要エンドポイントのイベントはブリナツモマブ群が31%(17/54例)、化学療法群は57%(31/54例)で発生し、無イベント生存割合はそれぞれ69%(37/54例)および43%(23/54例)であり、有意な差が認められた(ハザード比[HR]:0.33、95%信頼区間[CI]:0.18~0.61、log-rank検定のp<0.001)。すべてのサブグループで、HRはブリナツモマブ群が良好であった。 死亡は、ブリナツモマブ群で8例(14.8%)、化学療法群で16例(29.6%)発生した。OS割合のHRは0.43(95%CI:0.18~1.01)であった。また、再発は、ブリナツモマブ群が24.1%(13/54例)、化学療法群は53.7%(29/54例)で認められた。再発の累積発生の層別HRは0.24(0.13~0.46)だった。 第2完全寛解期の同種造血幹細胞移植は、ブリナツモマブ群で48例(88.9%)、化学療法群で38例(70.4%)に施行された。移植関連死は、それぞれ4例(8%)および4例(11%)で発生し、再発/病勢進行による死亡は3例(6%)および8例(21%)でみられた。 微小残存病変の寛解割合は、ブリナツモマブ群が90%(44/49例)と、化学療法群の54%(26/48例)に比べて高かった(群間差:35.6%、95%CI:15.6~52.5)。 致死的有害事象の報告はなかった。重篤な有害事象の発生は、ブリナツモマブ群が24.1%、化学療法群は43.1%、Grade3以上の有害事象の発生は、それぞれ57.4%および82.4%で認められた。ブリナツモマブ群で頻度の高いGrade3以上の有害事象は、血小板減少(18.5%)、口内炎(18.5%)、好中球減少(16.7%)、貧血(14.8%)であった。投与中止の原因となった有害事象は、ブリナツモマブ群で2例報告された。 著者は、「この患者集団において、移植前のブリナツモマブ投与は従来の化学療法よりも有効性が高く、有益な地固め療法となる可能性がある」としている。

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副腎白質ジストロフィー〔ALD:adrenoleukodystrophy〕

1 疾患概要■ 概念・定義副腎白質ジストロフィー(adrenoleukodystrophy:ALD)は、1923年に副腎萎縮を伴う進行性脱髄疾患として報告された。X連鎖性遺伝形式をとり、臨床的には男性患者で大脳半球の進行性の炎症性脱髄を特徴として、5〜10歳に発症して数年で寝たきりになる小児大脳型や、思春期以降に痙性歩行で発症するadrenomyeloneuropathy(AMN)など、遺伝子型と相関しない複数の臨床型を有している。大脳型の唯一の治療法は発症早期の造血幹細胞移植であり、予後改善には早期診断が極めて重要である。また、女性保因者でも加齢とともにAMN類似の脊髄症を発症することがある。■ 疫学2016年度に厚生労働省難治性疾患政策研究班において実施した全国調査で260人程度の国内患者の存在が推測されている。一方、米国・ニューヨーク州の3年間の新生児スクリーニングからは男女15,000出生に1人の患者が報告されている。■ 病因ペルオキシソーム膜に存在するトランスポータータンパク質をコードするABCD1の遺伝子異常によるX連鎖性の遺伝性疾患である。ABCD1タンパクは飽和極長鎖脂肪酸のペルオキシソーム内への輸送に関与し、患者では極長鎖脂肪酸のβ酸化が障害され、全身の臓器に蓄積を認める。しかし、病態はほとんど解明されておらず、脱髄の発症機序や飽和極長鎖脂肪酸蓄積による病態への関与も不明である。■ 病型分類と症状男性患者では遺伝子型や極長鎖脂肪酸値と相関しない複数の臨床病型を有している。また女性保因者発症も相関せず、いずれも同一家系内であっても発症前の予後の予測は難しい。1)小児大脳型(CCALD)発症年齢は3~10歳で、6、7歳にピークがある。性格・行動変化、視力・聴力低下、知能の障害、歩行障害などで発症し、数年で寝たきりに至ることが多い。最も多い臨床病型である。2)思春期大脳型(AdolCALD)発症年齢は11~21歳。小児大脳型に類似も、やや緩徐に進行する傾向にある。3)adrenomyeloneuropathy(AMN)10代後半~成人。痙性対麻痺で発症し、緩徐に進行する。軽度の感覚障害を伴うことがある。軽度の末梢神経障害、膀胱直腸障害、陰萎を伴うこともある。4)成人大脳型(ACALD)性格変化、認知機能低下、精神症状で発症し、小児型と同様に急速に進行して植物状態に至る。精神病、脳腫瘍、他の白質ジストロフィー、多発性硬化症などの脱髄疾患との鑑別が必要。AMNや小脳・脳幹型からACALDに進展する場合もある。5)小脳・脳幹型小脳失調、下肢の痙性などを示し、脊髄小脳変性症様の臨床症状を呈する。6)アジソン型無気力、食欲不振、体重減少、皮膚の色素沈着など副腎不全症状のみを呈する。神経症状は示さない。大脳型やAMNに進展する場合もある。7)女性発症者女性保因者の一部は加齢とともにAMNに似た臨床症状を呈する場合があり、下肢の痙縮、痛みから歩行障害を来すこともある。また、末梢神経障害や尿・便失禁の症状を呈することもある。8)発症前男性生下時より極長鎖脂肪酸は増加しており、診断は可能であるが、予後予測は不可能である。■ 予後男性大脳型患者では無治療の場合、急速に進行して数年で寝たきりになることもあるため、早く疑い、診断して、速やかに移植を実施することがその後のQOLの向上につながる。一方、AMNは緩徐に進行するが一部で大脳型に進展して急速に進行する。すべての男性ALD患者では、副腎機能を定期的に評価し、早期にステロイド補充計画を進めることは生命予後に重要である。女性保因者では、加齢とともに脊髄症状を来すことがあり、オランダの報告では軽微な症状を含めると60歳以上では80%の女性保因者で神経症状を来しているとの報告もある。一方で、副腎不全や大脳型を来すことはほとんどまれである。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)男性患者では病型ごとに発症時期や症状も多彩であるため、以下の臨床所見に留意した上で、早期に診断検査を行うことが重要である。■ 臨床所見1)高次脳機能障害小児・思春期大脳型では幼稚園や学校等での落ち着きのなさや行動異常、成績低下、書字やしゃべり方の異常から注意欠陥/多動性障害(ADHD)や学習困難として対応されている症例がみられる。成人大脳型では社会性の欠如や性格変化、行動異常、認知機能低下などの症状で発症する。2)眼科的症状(視知覚異常)小児大脳型では途中から気付く斜視や、見づらそうな様子から眼科を受診する症例もみられる。斜視や視線が合わない、見えにくそうにしている以外に、物や人にぶつかりやすい、転びやすいなどの視覚性注意障害としての症状がみられることもある。3)耳鼻科的症状(聴覚異常)聞き返しが多い、電話などでは会話が理解できないなどの症状から耳鼻科を受診する症例もみられる。4)歩行障害歩行障害は大脳型やAMN、女性発症者など比較的広くみられる。錐体路症状としての痙性麻痺以外に、視覚性注意障害として転びやすいなどの症状や小脳・脳幹型では両下肢の痙性歩行や小脳失調によるふらつき歩行がみられる。5)自律神経障害AMNや女性発症者では排尿・排便障害、AMNでは陰萎がみられることがある。6)副腎不全症状非特異的な症状である易疲労感、全身倦怠感、脱力感、筋力低下、体重減少、低血圧などさまざまな症状を訴える。■ 検査1)脳MRI検査大脳型では脳MRIで異常が検出される。典型例ではT2強調、またはFLAIR法にて後頭葉の側脳室周囲の白質から脳梁膨大部に左右対称の病変が確認される。また、ガドリニウム造影にて病変境界部が線状に造影される。一方、前頭葉から後方に進展する例も10%程度みられる。2)副腎機能検査副腎不全症状がなくても男性ALD患者の80%に副腎皮質機能不全を認めるとの報告もあり、非ストレス刺激下での早朝ACTH、コルチゾール値と迅速ACTH負荷試験を行う。3)血中極長鎖脂肪酸検査(保険収載)副腎白質ジストロフィー男性患者では血中極長鎖脂肪酸の増加を認める。一方、女性保因者では10%程度は正常範囲に入るため、極長鎖脂肪酸検査が正常だけでは保因者を否定することはできず、発端者で同定されたABCD1遺伝子変異の有無を確認する必要がある。2020年度の保険診療の改定により衛生検査所でも保険診療による検査が可能である。4)ABCD1遺伝子検査(保険収載)2020年度より副腎白質ジストロフィー遺伝学的検査が保険収載されている。かずさ遺伝子検査室などの衛生検査所以外に、岐阜大学でも「ALDペルオキシソーム病ホームページ」にて極長鎖脂肪酸検査とABCD1遺伝学的検査を病的意義などのコメントを添えて保険診療で受託しており、大脳型発症早期疑い例では数日で解析結果を提供して迅速な治療に繋げている。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)大脳型の唯一の治療法は発症早期の造血幹細胞移植で、移植の可否や時期は知的・生命予後を左右する。また、アジソン型でも早期のステロイド補充療法が予後に繋がるため早期介入が重要である。1)ステロイド補充療法副腎不全は病状や生命予後にも深くかかわるため、負荷試験も実施して定期的に副腎機能を評価しながら治療を管理していく必要がある。これは移植施行後も含めたすべてのALD男性患者に対して必要である。2)造血幹細胞移植現在、大脳型ALDに対して、唯一有効な治療法は発症早期の造血幹細胞移植で、小児・思春期以外に成人大脳型にも有効との報告がある。また、骨髄非破壊的前処置による低リスクの移植や、臍帯血による移植例も比較的良好な治療成績を挙げている。その機序はドナー由来の単球から分化したマクロファージ系細胞が脳内で機能する可能性が示唆されている。3)遺伝子改変造血幹細胞移植2009年にフランスのグループが、適合する移植ドナーが得られなかった2例の大脳型ALD患者に対して、患者本人から血液幹細胞を採取して、レンチウィルスベクターにより正常ABCD1遺伝子を導入した自己造血幹細胞移植を施行し、その後の観察にて進行停止を確認し、従来の造血幹細胞移植と同等の効果を得たことを報告した。その後、米国Bluebird bio社の支援により治験が実施されている。4 今後の展望■ 新生児スクリーニングの導入大脳型や副腎不全の進行を阻止して予後改善に繋げるにはできる限り早期の診断が望まれる。海外では新生児スクリーニングがすでに実施されており、米国・ニューヨーク州では2013年末から新生児スクリーニングが開始され全米に広がりつつあり、オランダも2019年10月より男児のみのパイロット研究が開始されている。国内でも令和3年度より一部の自治体で有償での選択的スクリーニングがパイロット研究として開始が検討されている。■ 予後予測法の開発大脳型発症の病態はほとんど解明されておらず、発症前患者の予後予測が不可能なため、定期的なMRI検査で異常を確認してから治療を施行している現状にあり、確実な発症阻止に繋げるためには、大脳型発症因子の探索から発症予測法の開発、さらには大脳型発症動物モデルの開発が重要になる。5 主たる診療科小児科、神経内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報ALD info(医療従事者向けのまとまった情報)岐阜大学ALD&ペルオキシソーム病ホームページ(医療従事者向けのまとまった情報)難病情報センター 副腎白質ジストロフィー(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)ALDの未来を考える会(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)日本先天代謝異常学会編. 副腎白質ジストロフィー(ALD)診療ガイドライン2019. 診断と治療社.東京.2019.2)Kato K, al. Mol Genet Metab Rep. 2018;18:1-6.3)Cartier N, et al. Science. 2009;326:818-823.公開履歴初回2021年03月08日

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「手伝うよ」、開業時の家族サポートにありがちなワナ【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第13回

第13回 「手伝うよ」、開業時の家族サポートにありがちなワナ漫画・イラスト:かたぎりもとこ医院開業に当たって、家族・親族のサポートを受けることは非常に重要です。とくに開業直後は、家族が診療以外の間接業務を支援してくれることで、スムーズな立ち上がりにつながることも多いようです。家族のサポートを受けるためにも、家族の意見をうまく開業に組み込むことが必要でしょう。その際には、一点、注意が必要です。今回にも当てはまることですが、家族が理想とする住環境や子供の教育環境を重視するあまり、診療所の経営といったビジネス観点ではない意見や主張をして、当事者もそれに基づいた物件選定を行ってしまう、というケースです。実際に、私たちが担当した案件でも、下記のようなケースがありました。家族が「どうしても東京の世田谷区に住みたい」と主張。診療圏で見ると診療所の数が飽和しているにもかかわらず、無理に物件を見つけて開業してしまい、集患に苦労する内装を設計する際に、患者視点でのデザイン(安心・落ち着く)ではなく、家族が主張するデザイン(スタイリッシュ・非日常)を選択し、スタッフや患者から不評医師の親がアドバイスし、開業当初から高額な什器や備品をそろえた結果、その後の資金繰りに苦しむもちろん、ビジネス観点からの合理的な判断であれば、家族のサポートやアドバイスを受け入れることに問題はありません。ビジネス観点とは、具体的には下記のような項目となるでしょう。収支が見合うか競合医院との差別化につながるか患者にとってメリットがあるかスタッフの採用しやすさや、離職防止策につながるか上記のようなケースに気を付けながら、家族・親族をうまく巻き込み、開業することをお勧めします。

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食物アナフィラキシー、20年で入院は3倍も死亡率は低下/BMJ

 英国では、1998~2018年の20年間に、食物によって誘発されたアナフィラキシーによる入院が3倍以上に増加したが、死亡率は低下しており、就学児童で最も頻度の高い致死的なアナフィラキシーの単一の誘因は牛乳であることが、同国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのAlessia Baseggio Conrado氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2021年2月17日号で報告された。アナフィラキシーは全身性の重篤な過敏反応で、通常、急速に発症し、死に至る可能性もある。食物アナフィラキシーによる入院は世界的に増加しており、イングランドとウェールズでは1998~2012年の期間に倍増したが、致死的アナフィラキシーの発生率はこの間安定していたという。英国の20年間の経時的な傾向を調査 研究グループは、英国における過去20年間の食物アナフィラキシーによる入院および死亡の経時的な傾向を明らかにする目的で、全国的な調査を行った(英国医学研究協議会[MRC]などの助成による)。 解析には、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドにおけるアナフィラキシーによる入院と死亡に関連するデータと、アドレナリン(エピネフリン)自己注射器の処方データを用いた。アドレナリン自己注射器の処方率は336%上昇 1998~2018年の期間に10万1,891人がアナフィラキシーで入院した。これらの入院のうち3万700人(30.1%)が、食物が誘因のアナフィラキシーであった。食物アナフィラキシーによる入院は、1998年の年間10万人当たり1.23人から、2018年には4.04人へと増加し、年間増加率は5.7%(95%信頼区間[CI]:5.5~5.9、p<0.001)であった。 入院率が最も高かった年齢層は15歳未満であり、1998年の年間10万人当たり2.1人から、2018年には9.2人へと増加しており、年間増加率は6.6%(95%CI:6.3~7.0)であった。他の年齢層の年間増加率は、15~59歳が5.9%(5.6~6.2)、60歳以上は2.1%(1.8~3.1)だった。 1998~2018年の期間に、食物を誘因とするアナフィラキシーが原因の可能性がある致死的イベントによる死亡は152件認められた。致死的食物アナフィラキシーは、1998年の0.70%から、確定例は0.19%へと減少し(率比:0.931、95%CI:0.904~0.959、p<0.001)、疑い例は0.30%へと低下した(0.970、0.945~0.996、p=0.024)。 1992~98年の35件を含む合計187件の死亡のうち、少なくとも86件(46%)は、ピーナッツまたはナッツ類(tree nut)が誘因の死亡であった。また、就学児童(16歳未満)の66件の死亡のうち、17件(26%)は牛乳によるものであった(成人は5%)。 同時期の20年間に、アドレナリン自己注射器の処方率は336%上昇した(率比:1.113、95%CI:1.112~1.113、年間増加率:11%)。 著者は、「アレルギーを持つ人々に牛乳がもたらす固有のリスクを浮き彫りにし、食品製造企業の意識を高めるには、より多くの教育を要する」とし、「若年成人における重症アナフィラキシーに対する年齢関連の脆弱性のエビデンスを評価し、その結果として食物アレルギー患者のリスクを層別化し、致死的な転帰のリスクを低減するわれわれの能力を向上させるための研究が必要である」と指摘している。

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第49回 米国FDAの大忙しの週末~ネアンデルタール人から授かったCOVID-19防御

米国FDAはこの週末大忙しだったに違いなく、25日木曜日にはPfizer/BioNTechの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)予防ワクチン接種施設を増やしうる保管方法を許可し、25日と翌日26日には稀な病気2つの新薬と運動選手の脳を守る首輪を承認し、27日土曜日には大方の予想通りJohnson & Johnson(J&J)のCOVID-19ワクチンを取り急ぎ許可しました。25日に報告された興味深い研究成果、ネアンデルタール人から授かったと思しきCOVID-19防御因子の発見も併せて紹介します。COVID-19ワクチンをいっそう推進溶解前の冷凍状態のPfizerワクチンの保管温度はこれまで超低温の零下80~60℃とされてきましたが、より一般的な冷凍庫の温度である零下25~15℃で最大2週間保管することが許可されました1,2)。また、零下25~15℃での保管後に一回のみ零下80~60℃に戻すことが可能です。超低温冷凍庫をわざわざ購入する負担が減ってワクチンを扱える場所が増えるだろうとFDAの審査部門(Center for Biologics Evaluation and Research)長Peter Marks氏は言っています1)。Pfizerワクチンと違って受け取り後に冷凍不要のJ&JのCOVID-19ワクチンは26日金曜日の諮問委員会での満場一致の賛成の翌日27日土曜日に18歳以上の成人への使用が早々と取り急ぎ認可されました3)。J&Jのワクチンバイアルの針刺し前の保管温度は2~8℃であり、冷凍してはならず、最大12時間は9~25℃で保管可能です4)。J&Jは接種1回のそのワクチン2,000万人超への投与分を今月末までに出荷できる見込みです5)。また、今年前半には米国人口の約3分の1相当の1億人への投与分が出荷される予定です。稀な病気の新薬FDAは25日に稀な病気・デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の治療薬Amondys 45(casimersen)、翌日26日には世界での診断数150人未満の超稀な病気・モリブデン補因子欠損症(MoCD)A型の治療薬Nulibry(fosdenopterin)を承認しました。Amondys 45は筋肉細胞に必要なタンパク質ジストロフィンをエクソン45スキッピングという作用機序を介して増やします。その作用が通用する変異を有するDMD患者への同剤使用が承認されました6)。DMD患者のおよそ8%がその変異を有します。MoCD A型は男児3,600人あたりおよそ1人に生じるDMDよりさらに稀で、世界で確認されている患者数は150人未満です。Nulibry(fosdenopterin)はFDAが承認した初のMoCD A型治療薬となりました7)。10万人あたり0.24~0.29人の発生率と推定されるMoCD A型患者は遺伝子変異のせいでcPMP(環状ピラノプテリン一リン酸)という分子が作れません7,8)。Nulibry はcPMPを供給することで尿中の神経毒Sスルホシステインを減らします。Nulibryの生存改善効果が13人への投与で示されています。それらの患者の84%は3年間生存し、非投与群18人のその割合は55%でした。MoCD A型の患者数は診断数より多いらしく、米国と欧州(EU)で毎年22~26人が診断されないままと推定されています9)。運動選手の脳を守る”首輪”運動選手の頭部の衝撃から脳を守る首輪Q-Collarは26日に米国FDAに承認されました10)。頭部が衝撃を受けると頭蓋内で脳が揺れて神経が捻れたり切れたりして脳が傷みます。首にはめたQ-Collarは頸静脈を圧迫することで頭蓋内の血液量を増やして脳をより固定させ、衝撃を受けてもグラグラと揺れないようにします。米国の13歳以上のフットボールチーム員284人が参加した試験などでQ-Collarの効果や安全性が示されています。その試験でQ-Collarを使用した139人の脳のMRI写真を調べたところおよそ8割(77%)107人の神経信号伝達領域(白質)は無事でした。一方、非使用群145人では逆にほとんどの73%(106/145人)に有意な変化が認められ、Q-Collarの脳保護効果が示唆されました。Q-Collar使用に伴う有意な有害事象は認められませんでした。ネアンデルタール人から授かったらしいCOVID-19防御COVID-19患者最大1万4,134人と対照群最大128万人を調べたところ、RNAウイルスに対する自然免疫の一部を担うオリゴアデニル酸シンセターゼ(OAS)の一つ・OAS1の血中量が多いこととCOVID-19になり難いことやたとえCOVID-19になっても入院、人工呼吸器使用、死に至り難いことが示されました11,12)。さらに504人の経過を調べたところ血漿OAS1量が多いことは後にCOVID-19になり難いことやCOVID-19による入院や重病に至り難いことと関連しました。OAS1はいくつかの種類(アイソフォーム)があります。興味深いことに、数万年前にネアンデルタール人と交わったときに受け継いだp46というアイソフォームがどうやらCOVID-19防御作用を担うと示唆されました。幸いなことにOAS1を増やす前臨床段階の化合物13)が存在するのでそれらを最適化してCOVID-19への効果を臨床試験で調べうると著者は言っています。参考1)Coronavirus (COVID-19) Update: FDA Allows More Flexible Storage, Transportation Conditions for Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine / PRNewswire2)EMERGENCY USE AUTHORIZATION (EUA) OF THE PFIZER-BIONTECH COVID-19 VACCINE TO PREVENT CORONAVIRUS DISEASE 2019 (COVID-19) / FDA3)FDA Issues Emergency Use Authorization for Third COVID-19 Vaccine / PRNewswire4)EMERGENCY USE AUTHORIZATION (EUA) OF THE JANSSEN COVID-19 VACCINE TO PREVENT CORONAVIRUS DISEASE 2019 (COVID-19) / FDA5)Johnson & Johnson COVID-19 Vaccine Authorized by U.S. FDA For Emergency Use / PRNewswire6)FDA Approves Targeted Treatment for Rare Duchenne Muscular Dystrophy Mutation / PRNewswire7)FDA Approves First Treatment for Molybdenum Cofactor Deficiency Type A / PRNewswire8)Nulibry PRESCRIBING INFORMATION9)BridgeBio Pharma and Affiliate Origin Biosciences Announce FDA Approval of NULIBRYTM (fosdenopterin), the First and Only Approved Therapy to Reduce the Risk of Mortality in Patients with MoCD Type A / GLOBE NEWSWIRE10)FDA Authorizes Marketing of Novel Device to Help Protect Athletes' Brains During Head Impacts / PRNewswire11)Zhou S,et al.Nat Med. 2021 Feb 25. [Epub ahead of print]12)Discovery: Neanderthal-derived protein may reduce the severity of COVID-19 / EurekAlert13)Wood ER, et al. J Biol Chem. 2015 Aug 7;290:19681-96.

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妊娠28週時の母親の心血管状態が子供の心血管リスクと関連/JAMA

 妊娠28週時の母親の良好な心血管系の健康状態(CVH)は、その子供の10~14歳時のCVHが良好であることと関連することが、米国・ノースウェスタン大学のAmanda M. Perak氏らが実施した「HAPO Follow-Up試験」で明らかとなった。研究の成果は、JAMA誌2021年2月16日号で報告された。妊娠は、母親のCVHを最適化し、子供の生涯にわたるCVHに影響を及ぼす重要な機会とされる。また、母体の劣悪な健康状態への胎内曝露は、たとえば心臓代謝調節遺伝子のエピジェネティックな修飾を介して、子供に継続的に心血管疾患(CVD)のリスクが高い状態をもたらす可能性があるという。9地域2,302組の母子のコホート研究 研究グループは、妊娠中の母親のCVHと子供のCVHの関連を評価する目的で、国際的なコホート研究を行った(米国ユーニス・ケネディ・シュライバー国立小児保健発達研究所[NICHD]などの助成による)。 Hyperglycemia and Adverse Pregnancy Outcome(HAPO)試験(2000年7月~2006年4月)と、HAPO Follow-Up試験(2013年2月~2016年12月)のデータを使用した。解析には、補助的なCVH研究として、HAPO Follow-Up試験の参加者の48%に相当する2,302組の母子が含まれた。 参加者は、米国(ベルフラワー、シカゴ、クリーブランド)、バルバドス(ブリッジタウン)、英国(マンチェスター、ベルファスト)、中国(香港)、タイ(バンコク)、カナダ(トロント)の9地域で登録された。 妊娠28週時の母親のCVHが、5つの評価基準(BMI、血圧、総コレステロール値、血糖値、喫煙)に基づいて評価された。個々の評価基準は、妊娠ガイドラインを用いて、「良好」「中間的」「不良」の3つに分類された。総CVHスコアは、「すべて良好」「中間的が1つ以上で不良がない」「不良が1つ」「不良が2つ以上」の4つに分類された。 主要アウトカムは、子供の10~14歳時のCVHとし、4つの評価基準(BMI、血圧、総コレステロール値、血糖値)で評価された。総CVHスコアは、母親と同様に分類された。母親のCVH分類の悪化とともに、子供の「すべて良好」の割合が低下 2,302組の母子の平均年齢は、母親が29.6(SD 2.7)歳、子供は11.3(1.1)歳であった。妊娠期間中の母親の平均CVHスコアは10点満点の8.6(1.4)点で、32.8%が「すべて良好」であったのに対し、6.0%は「不良が2つ以上」であった。子供の平均CVHスコアは8点満点の6.8(1.3)点で、37.3%が「すべて良好」、4.5%が「不良が2つ以上」だった。 母親のCVH分類が悪化するに従って、子供のCVH分類が「すべて良好」の割合が低くなった。すなわち、母親が「すべて良好」の子供が「すべて良好」の割合は42.2%であったが、母親が「不良が2つ以上」の子供が「すべて良好」の割合は30.7%に低下した。また、母親が「すべて良好」の子供が「不良が1つ」の割合は18.4%で、母親が「不良が2つ以上」の場合に子供が「不良が1つ」の割合は30.7%に増加し、母親が「すべて良好」の子供が「不良が2つ以上」の割合は2.6%で、母親が「不良が2つ以上」になると子供が「不良が2つ以上」の割合は10.2%に増加した。 補正済みのモデルでは、母親のCVH分類が「すべて良好」と比較して悪化するほど、子供のCVH分類が「不良が1つ」「不良が2つ以上」となる相対リスクが高かった。すなわち、母親のCVH分類が「すべて良好」の場合に比べ、母親が「不良が1つ」の子供が「不良が1つ」の相対リスクは1.66、母親が「不良が2つ以上」の子供が「不良が1つ」の相対リスクは2.02であり、母親が「不良が1つ」の子供が「不良が2つ以上」の相対リスクは3.32、母親が「不良が2つ以上」の子供が「不良が2つ以上」の相対リスクは7.82だった(これらの相対リスクはいずれも包括検定でp<0.001)。 一方、明確な出生因子(妊娠高血圧腎症など)で追加補正を行っても、これらの有意な関連は十分には説明できなかった。たとえば、拡大された出生因子で補正後の、母親の「不良が2つ以上」と子供の「不良が2つ以上」の関連の相対リスクは6.23(95%信頼区間[CI]:3.03~12.82)だった。 著者は、「われわれの知る限り、これは母親の妊娠中のCVHとその後の子供のCVHの関連を評価した初めての研究である」としている。

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