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ファイザー製ワクチン後、4ヵ月と6ヵ月で効果の差は?/NEJM

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のデルタ変異株に対する免疫は、2回目のワクチン接種から数ヵ月後には全年齢層において減弱したことが、イスラエル・Technion-Israel Institute of TechnologyのYair Goldberg氏らの研究で示された。イスラエルでは、2020年12月から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するBNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)の集団接種キャンペーンが開始され、大流行が急激に抑制された。その後、SARS-CoV-2の感染例がほとんどない期間を経て、2021年6月中旬にCOVID-19の流行が再燃。その理由として、デルタ(B.1.617.2)変異株に対するワクチンの有効性の低下と、免疫の減弱が考えられたが、イスラエルにおけるデルタ変異株に対するBNT162b2ワクチン免疫の減弱の程度は不明であった。NEJM誌オンライン版2021年10月27日号掲載の報告。ワクチン接種完遂後の感染率と重症化率を接種時期別に比較 研究グループは、2021年6月以前にワクチン接種を完遂したすべてのイスラエル住民を対象として、全国データベースを用いて2021年7月11日~31日における、確認された感染および重症化に関するデータを収集した。 ポアソン回帰モデルを用いて、ワクチン接種時期別のSARS-CoV-2への感染と重症COVID-19の発生を、年齢で層別化し交絡因子を補正して比較検討した。ワクチン完遂が2ヵ月早い人の感染率は1.6~1.7倍 7月11日~31日における感染率は、60歳以上では、2021年1月(接種対象となった最初の時期)にワクチン接種を完遂した人のほうが、2ヵ月後の3月にワクチン接種を完遂した人より高率であった(率比:1.6、95%信頼区間[CI]:1.3~2.0)。 40~59歳でも、同年齢層の接種開始月である2月にワクチン接種を完遂した人のほうが、2ヵ月後の4月に接種した人より高率であった(率比:1.7、95%CI:1.4~2.1)。16~39歳でも、3月(同年齢層の接種開始月)にワクチン接種を完遂した人は、2ヵ月後の5月に接種した人と比較して感染率比が1.6(95%CI:1.3~2.0)であった。 重症COVID-19の発生率については同様の比較において、60歳以上では率比が1.8(95%CI:1.1~2.9)、40~59歳で2.2(0.6~7.7)であった。16~39歳では症例数が少なく率比を算出できなかった。

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第82回 新型コロナとインフルエンザ「同時流行」の可能性は?

先週末の総選挙では、自民党単独では公示前の議席を減少させたものの、国会を安定的に運営できる「絶対安定多数」は確保した。閣僚による不祥事などが起きない限り、今後は安定的に政権を運営でき、医療界では新たな医療体制の構築や次期診療報酬改定に向けた動きが期待されている。医療界にとっての懸念は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第6波の動向と共に、今冬のインフルエンザの行方だろう。早くも、インフルエンザワクチンが新型コロナの影響で足りないという。地域によっては、インフルエンザワクチンの接種予約がかなり困難な状況で、子どもの予約を取るために、いくつもの医療機関に50回近く電話をかけ続けたという母親も。Twitterには「インフルエンザの予約が取れない。子どもはコロナ打てないんだから、インフルくらい打たせて」といった親たちの切実な叫びが綴られている。コロナ対応のあおりでインフルワクチンは供給不足日本感染症学会は9月、今年はインフルエンザが大きな流行を起こす可能性もあるとのメッセージを発信した。例年のインフルエンザの感染者数は約1,000万人だが、昨シーズンは3密回避・手洗い・うがいの徹底などが奏功して約1万4,000人にまで減少した。しかし、それによってインフルエンザの免疫を持つ人が減少し、日本全体が感染しやすい状態になっているという。12歳以下の子どもの場合、インフルエンザワクチンは2回接種が必要だが、「2週間後ぐらいに2回目接種をしないと、ワクチンが足りなくなる可能性がある」と言う医師もいる。都内のあるクリニックでは、当初10月~12月までのインフルエンザワクチンの予約を受け付けていたが、10月分から予約を制限しており、11月分の新規予約は受け付けないという。なぜワクチン不足の状況になっているのか。厚生労働省によると、今年は10月第5週の時点では全体の65%の出荷量にとどまっており、11月~12月中旬頃まで継続的にワクチンが供給される見込みだ。厚労省は9月、各都道府県にインフルエンザワクチンの供給が遅れることを通達。世界的に原料が不足している上、ワクチン製造で使う部品が新型コロナ用に回され確保が難しくなっていることから、供給が遅れる見通しだという。今季の供給予定量は、2,567~2,792万本(1本:大人2回分)の見込みで、昨シーズンの8割程度だ。経済活動再開でインド・バングラのウイルス拡散もこのような状況下、果たして新型コロナとインフルエンザの同時流行はあるのだろうか。「同時流行はあり得る」と言い切るのは、感染症専門の大学教授だ。インフルエンザ流行の可能性について、日本感染症学会は以下の2つの理由を挙げる。まず前述の通り、前のシーズンにインフルエンザがほとんど流行しなかったため、集団免疫が形成されていない可能性があること。もう1つは海外の要因だ。今夏、インドおよびバングラデシュでインフルエンザが流行しており、国境を越えた人々の移動が再開されれば、世界中にウイルスが拡散される懸念があるという。新型コロナとインフルエンザ、各々の症状には発熱と咳という共通した症状があり、同時流行が起きた場合、にわかに区別が付きにくい。そのため、インフルエンザが流行すれば医療現場に双方の患者が混在し、混乱と逼迫を招く可能性がある。厚労省によると、新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンは原則、同時接種は不可だが、2週間空ければ他方のワクチンも接種可能となる。ただ、あまり双方にとらわれ過ぎると、子どもの場合、その他の疾患の早期発見に遅れを来す懸念もあるだろう。新型コロナワクチン接種率のさらなる向上や、効果の高い治療薬の登場により、感染症としての位置付けが現状のままなのか、インフルエンザ並みになっていくのかが、今後の医療体制の構築に重要なポイントになるだろう。

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HPVワクチンとCOVID-19ワクチンの優先順位【今、知っておきたいワクチンの話】特別編2

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陽性者の増加も落ち着き、新しい日常が始まっている。COVID-19ワクチンについても成人の2回接種率が約7割を超える(11月1日現在)とともに、12歳以上のCOVID-19ワクチン接種も進んでいる。そんな環境の中でHPVワクチン接種も引き続き定期接種として行われており、徐々にではあるが増えてきている。そのためか、定期接種の最終年にあたる高校1年生についてCOVID-19ワクチンとHPVワクチンの接種時期が重複した場合のスケジュール調整や両ワクチンのリスクなどについて相談が寄せられているという。今回本稿では、こうしたケースでの被接種者や被接種者の保護者への説明に医療者が知っておきたい事項を本コーナーの監修であり、家庭医として活躍されている中山 久仁子氏にお聞きした。※このインタビューは2021年10月23日に行いました。掲載内容もインタビュー時点の情報です。臨床現場からみた両ワクチンの接種の注意点質問:COVID-19ワクチン、HPVワクチンについて臨床の現場から最近の知見などを教えてください回答:COVID-19ワクチンについては、現在満12歳以上で接種できるようになり、接種が進んでいます。私のいる自治体では10代の接種率も80%を超えました。COVID-19は、若年者の重症化リスクは低く、無症状で経過する場合が多いです。ですから、COVID-19ワクチンはまずは基礎疾患がある方、今後受験・進学などのイベント、集団での活動を予定している方などは接種していただきたいです。また、第5波では小児は家庭内感染の一因にもなっていたため、家族への感染予防という観点からも接種のメリットがあると考えます。未成年者にCOVID-19ワクチンを接種した場合、成人と同様に局所の副反応などがあります。そして、とくに注意したいのが「心筋炎」です。発生する確率は非常に低いですが、10~20歳代の男性に接種した場合、接種後1週間ほどは激しい運動を避けていただき、接種後4日程度の間に発症のリスクが高くなりますので胸痛、動悸、息切れ、浮腫などの症状がないかの観察が必要です。ファイザー社と武田/モデルナ社のワクチンのいずれでも心筋炎は起こりますが、ファイザー社のワクチンの方が発生頻度の報告頻度は少ないですが、直接の比較検討の報告はありません。また、新型コロナ感染による心筋炎のほうが、ワクチン後のリスクよりも高いと報告されています(参考資料:令和3年10月15日厚生科学審議会資料)。海外ではより低年齢の小児への接種が承認されました。今後、日本での接種年齢が12歳未満に引き下げられるかは、臨床試験の結果と感染者数の推移などにより厚生労働省が決定しますので現段階では不明です。ただ、接種するかしないかは、「ワクチンの効果」と「COVID-19に感染したときのデメリット(症状や後遺症など)とワクチン接種でのデメリット(副反応)の比較」を考慮して被接種者に考えていただくことが大切です。被接種者が迷ったとき、不安なときには、かかりつけ医に相談していただき、正確な情報を基に判断してもらうようにしてください。次にHPVワクチンについて、本ワクチンのメインターゲットの子宮頸がんなどのHPV関連がんの発症は、HPVに感染してから時間がかかります。ワクチンによるHPV感染の減少と前がん症状の減少の効果については以前より報告がありましたが、最近子宮頸がんの減少が海外・国内1,2)から報告されています。また、ワクチン接種後の「多様な症状」とHPVワクチンとの因果関係を示す根拠は報告されておらず、これらは機能性身体症状と考えられるとの見解が発表されています。名古屋スタディ3)でも「多様な症状」がHPVワクチン接種後に特有の症状ではないことが示され、海外でもワクチン接種と機能性身体症状の研究レポート4)などもでており、世界保健機関(WHO)も世界中の最新データを継続的に評価し、HPVワクチンの推奨を変更しなければならないような安全性の問題はみつかっていないと発表しています。わが国ではしばらく積極的勧奨が差し控えられていますが、今後は、HPVワクチンの接種機会が増えてくると思われます。その際、接種時に被接種者の不安や緊張感を減らすことが大切です。接種の際に、緊張させないため十分なコミュニケーションをとり、接種のメリットと起こりうる副反応についてあらかじめ説明して理解してもらい、納得した上で接種することが大切です。HPVワクチンのトピックスとして、9価ワクチン(商品名:シルガード9)が2020年に製造販売承認され、2021年2月24日に発売、使用できるようになりました。定期接種ではありませんが任意接種で使用できます。本ワクチンは世界的に主流となってきています。確認としてHPVワクチンの標準的なスケジュール(図1)と緊急の場合のスケジュール(図2)を示します。図1 HPVワクチン接種の標準スケジュール画像を拡大する図2 HPVワクチン接種 標準的な接種ができない場合のスケジュール画像を拡大する定期接種最終年であれば先にHPVワクチンを接種質問:COVID-19ワクチンとHPVワクチンが重複した場合の優先順位、スケジュールなど教えてください。回答:今問題になっているのは、11月中に高校1年生の女子学生がHPVワクチンの1回目接種をしないと3回目が定期接種の枠から外れてしまうことです。そのためHPVワクチンとCOVID-19ワクチンでは、どちらを先に接種した方がよいかという問題があります。結論から言いますと、定期接種の期間に接種するために「HPVワクチンを優先して接種した方がよい」と言えます。HPVワクチンと新型コロナワクチンの標準的なスケジュールは、4価ではHPVワクチンの初回の接種後にCOVID-19ワクチンを2回接種し、その後2回目のHPVワクチンを接種するスケジュールになります。2価は1回目と2回目の間が1ヵ月のため、1回目と2回目のHPVワクチンを接種してから、2回目の接種後2週間以降にCOVID-19の接種を開始します。期間が短くて標準的な接種ができない場合のモデルスケジュールを図3に示します。2価・4価ともに1回目と2回目の間が1ヵ月のため、HPVワクチンの1回目と2回目を接種して、2回目の接種後2週間以降にCOVID-19の接種を開始します。図3 HPVワクチンを標準的な接種ができない場合のスケジュールとCOVID-19ワクチン画像を拡大するなお、COVID-19ワクチンの接種の際に注意すべき点として、ワクチンを接種するとき前後2週間の間隔を空ける必要があります。これは、副反応などが起きた場合、どのワクチンとの関係があるかの確認のためです。また、COVID-19ワクチンの接種の際にHPVワクチンのスケジュールと情報提供を行うと、今後のスムーズな接種に役立ちます。被接種者に寄り添ったワクチン接種を最後にHPVワクチンの動向として、今後もさまざまなワクチンの効果などに関するエビデンスがでてきますので注目してほしいと思います。厚生労働省も2020年10月と21年1月に各自治体に対し「接種対象者に被接種者である旨のお知らせの送付について」事務連絡を行いました。この事務連絡により、自治体は被接種者に被接種者であることを通知できるようになりました。年間3千人もの方が子宮頸がんで亡くなっていることを考慮しますと、対象者に被接種者であるお知らせが届き、正確な情報が伝わることは大事なことです。同様に文部科学省では、2021年3月に「がん教育推進のための教材」が改訂され、がんの予防にワクチン接種による感染対策が有効であること追加されました。今後は自治体や学校など、地域においてワクチンで病気を予防することの教育や啓発を行っていっていただけると期待しています。HPVワクチンを接種する医療者は、ワクチンの効果と副反応の説明をしっかりと行い、副反応がでた場合には、その対処や必要時に紹介できる体制などをあらかじめ確認しておき、安心して接種できる環境にすることが望まれます。そして、日常診療やインフルエンザワクチンなどで接種対象者が外来などに受診した場合には、その方に必要で接種可能なワクチンについて情報提供することで、ワクチンで予防できる疾患の予防について、本人に伝えていっていただきたいと思います。参考となるサイトこどもとおとなのワクチンサイト(日本プライマリ・ケア連合学会)ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~(厚生労働省)1)Lei J, et al. N Engl J Med. 2020;14:1340-1348.

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第84回 COVID-19を防ぐ遺伝子変化を見つける国際研究が発足

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染して発症した人と接したにもかかわらず感染を免れたそれらの同居家族、とくに、感染者の非感染配偶者(serodiscordant spouse)や感染者と寝床が一緒の非感染者のゲノムやエクソームを解析して感染防御に大いに貢献している遺伝子変化を同定する試みが始まっています1,2)。感染を防ぐ遺伝子変化は他の病原体の研究で少ないながら3つほど見つかっています。1970年代に赤血球のDuffyという抗原の欠如がそれら細胞の三日熱マラリア原虫感染を阻止することが突き止められ、1990年代になってその欠如がGATA転写因子結合領域を妨害してDuffy遺伝子プロモーターの活性を損なわせる遺伝子変異によって引き起こされることが判明しました3)。同じく1990年代にはHIVの共受容体CCR5(別名:CKR5)の欠損がその感染を防ぐことが判明し4-6)、2000年代に入るとFUT2欠損がノロウイルスの胃腸感染を阻止することが明らかになります7)。Duffy遺伝子プロモーターと三日熱マラリア原虫のDuffy結合タンパク質、CCR5とHIVのgp120-gp41二量体の関係と同様にFUT2はノロウイルスのカプシドタンパク質VPgの結合相手です。それら3種の関連のどれをとっても病原体の細胞侵入を図らずも手助けする受容体や共受容体の完全な欠損が感染防御を担うことは単なる偶然ではなさそうであり、SARS-CoV-2感染でも同様の防御の仕組みが存在するらしいことがこれまでの研究で示唆されています。今年6月にmedrxivに発表された全ゲノム関連解析(GWAS)結果8)によるとSARS-CoV-2のスパイクタンパク質の受容体ACE2の遺伝子近くの変化がSARS-CoV-2感染を防ぐ役割を担い、どうやらその変化はACE2発現を減らすようです。7月に発表されたメタ解析9)ではSARS-CoV-2の感染しやすさと血液型が関連することが確実になりました。血液型O型のSARS-CoV-2感染防御の仕組みはまだはっきりしていませんが、血液型抗原は微生物の受容体や共受容体を担いうることがわかっており、SARS-CoV-2もそうなのかもしれません。血液型O型のSARS-CoV-2感染防御効果は微々たるものです。全世界の10の研究所からのチームが立ち上げた今回の取り組みはSARS-CoV-2感染を強力に防御する希少な遺伝子変化を明らかにすることを目標の一つとしています。そのような遺伝子変化は感染の仕組みの理解を助けることに加えて、CCR5欠損の同定とCCR5遮断薬マラビロック(maraviroc)がすでに証明している通り、SARS-CoV-2感染の予防や治療の開発にも役立つでしょう。マラビロックはHIV感染治療の一画を占める存在となっています。先月中旬にNature Immunology誌に掲載された試験の紹介によるとすでに被験者数は400人を超えており1)、その掲載から2週間と経たない間にロシアやインドなどの600人ほどから試験への参加を自薦する問い合わせがありました2)。試験は少なくとも千人を集めることを目指しており、世界中からの参加を歓迎すると研究者は言っています2)。参考1)Andreakos E,et al. Nat Immunol. 2021 Oct 18:1-6. [Epub ahead of print]2)The search for people who never get COVID / Nature3)Tournamille C,et al. Nat Genet. 1995 Jun;10:224-8. 4)Samson M,et al.Nature.1996 Aug 22;382:722-5.5)Liu R,et al.Cell . 1996 Aug 9;86:367-77.6)Dean M,et al.Science. 1996 Sep 27;273:1856-62.7)Lindesmith L,et al.Nat Med. 2003 May;9:548-53.8)Genome-wide analysis in 756,646 individuals provides first genetic evidence that ACE2 expression influences COVID-19 risk and yields genetic risk scores predictive of severe disease. medRxiv. June 10, 20219)COVID-19 Host Genetics Initiative. Nature 2021 Jul 8. [Epub ahead of print]

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第76回 過労自殺の半数はうつ病発症から6日以内/過労死等防止対策白書

<先週の動き>1.過労自殺の半数はうつ病発症から6日以内/過労死等防止対策白書2.12月開始の3回目ワクチン、接種対象者は限定せず/厚労省3.新型コロナワクチンの接種率、日本は人口の7割に到達4.制度にそぐわないDPC病院に是正か退出を/中医協5.研修医マッチング、昨年に続き6割以上が大学病院外で内定1.過労自殺の半数はうつ病発症から6日以内/過労死等防止対策白書政府は、「過労死等防止対策白書」を10月26日に閣議決定した。これは2014年に成立した過労死等防止対策推進法に基づいて国会に毎年報告を行っており、過労死等の概要や政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況を取りまとめたもの。今回の白書によれば、うつ病など精神障害で労災認定された過労自殺者は、発症から6日以内と短期間で亡くなる人が半数に上るとの調査結果が明らかとなっており、より一層の対策を求めている。(参考)コロナ影響の悩み、ストレスチェックで気付きを 厚労省が過労死等防止対策白書を公表(CBnewsマネジメント)過労自殺の半数、うつなど発症から6日以内 厚労省報告(日経新聞)資料 令和3年版過労死等防止対策白書の概要(厚労省)2.12月開始の3回目ワクチン、接種対象者は限定せず/厚労省厚生労働省は、10月28日に厚生科学審議会予防接種を開催し、新型コロナウイルスワクチンの追加接種(3回目)の対応方針をめぐって議論を行った。国内外の感染動向やワクチン効果の持続期間、諸外国の対応状況から、追加接種の必要があるとした。また、追加接種の時期は2回目接種完了からおおむね8ヵ月以上経過後に実施、使用するワクチンは、原則1・2回目に用いたワクチンと同一のものを用いることとされる。3回目接種の実施対象者は、高齢者や重症化リスクのある人に限定せず、2回目接種が完了したすべての人とする方針で一致した。(参考)“3回目接種”12月から順次開始へ 気になる副反応は(NHK)3回目ワクチン接種、対象者を限定せず 2回目終えた全員に、厚科審・分科会(CBnewsマネジメント)資料 新型コロナワクチンの接種について(厚労省)3.新型コロナワクチンの接種率、日本は人口の7割に到達政府は10月26日に、新型コロナウイルスワクチンの2回目接種を終えた人が、全人口の70.1%である8,879万人に到達したと発表した。アメリカは全人口の57%、フランス68%、イギリス67%、ドイツ66%であり、G7では2位のイタリア(71%)とほぼ肩を並べ、1位のカナダ74%に次ぐトップ水準となった。(参考)新型コロナワクチンについて(内閣府)ワクチン2回接種終えた人、人口の7割超える…海外より高水準(読売新聞)人口7割がワクチン完了 G7でトップ水準(産経新聞)Which countries are on track to reach global COVID-19 vaccination targets?(Our World in Data)4.制度にそぐわないDPC病院に是正か退出を/中医協厚労省は10月27日に中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会を開催し、2022年度診療報酬改定に向けて検討結果の取りまとめを行った。そこでDPC病院において、診療密度や在院日数が平均から外れている病院も認められ、DPC制度にそぐわない可能性があると指摘があったことから、調査報告について、支払い側の委員から「イエローカードを出し、それでも是正がなければレッドカードを出すべきだ」と意見が出された。今後、DPC制度にそぐわない病院をどのように対処するか仕組みの検討がなされるだろう。(参考)DPC外れ値病院、当面は「退出ルール」設定でなく、「診断群分類を分ける」等の対応検討しては―入院医療分科会(Gem Med)DPC外れ値病院へ、「是正なければレッドカードを」中医協・小委で支払側委員(CBnewsマネジメント)資料 第206回 中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会(厚労省)5.研修医マッチング、昨年に続き6割以上が大学病院外で内定厚労省は10月28日に、2021年度「医師臨床研修マッチング」の結果を発表した。新医師臨床研修制度が2004年4月に導入され、その翌年から大学病院以外の研修病院で研修を受ける医師が半数を超えている。今回、大学病院の内定割合36.7%(前年度38.1%)に対し、大学病院以外の臨床研修病院での内定割合は63.3%(前年度61.9%)と、大学病院以外での研修がさらに浸透してきていることが明らかとなった。(参考)2022年4月からの臨床研修医、都市部6都府県以外での研修が59.2%、大学病院以外での研修が63.3%に―厚労省(Gem Med)医師臨床研修の内定者数が増加 厚労省が2021年度のマッチング結果公表(CBnewsマネジメント)資料 令和3年度 研修医マッチングの結果(医師臨床研修マッチング協議会)資料 2021年度 研修プログラム別マッチング結果(同)

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コロナ禍で子供の神経性やせ症が増加/成育医療研究センター

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による外出自粛は社会経済上、多大な負の影響を及ぼした。また、子供たちはおいては学校に登校できない、当たり前にできていた運動会や修学旅行などの学校行事の中止や延期などでつらい時間を過ごしている。こうしたCOVID-19による社会変動は、子供たちにどのような影響を及ぼしているのであろう。 国立成育医療研究センター(理事長:五十嵐隆)は、子供の心の診療ネットワーク事業の一環で、「新型コロナウイルス感染症流行下の子供の心の実態調査」を実施。その結果を10月21日に発表した。 この調査は、全国26医療機関が参加したもので、コロナ流行前の2019年度と比較し、2020年度では神経性食欲不振(神経性やせ症:摂食障害の1つ。極端に食事制限をしたり、過剰な食事後に吐き出したり、過剰な運動を行うなどして、正常体重より明らかに低い状態になる疾患)の初診外来患者数が約1.6倍、新入院者数が約1.4倍に増加していたことが判明した。神経性やせ症が増加した一方で病床が足りない 本調査はコロナ禍の子供の心の実態調査を把握するため、2021年4月30日~6月30日に実施。子供の心の診療ネットワーク事業の全国26医療機関にアンケートを送付し、20歳未満の患者について回答を得たものを解析・集計した。 調査結果のポイントは下記の通り。・コロナ禍で、食事を食べられなくなる神経性やせ症が増加・子供の心の診療ネットワーク事業拠点病院から、コロナ禍で神経性痩せ症の患者が重症化し、入院期間が延びているとの報告があった・一方で、摂食障害の患者のための病床数が不足していることがわかった。摂食障害の病床充足率について回答があった5施設の内、4施設で病床使用率が増加し、充足率(現時点で摂食障害で入院している患者数/摂食障害の入院治療のために利用できる病床数×100)が200%を超える施設が2施設あった。摂食障害を治療できる医療機関が少ないこともあり、特定の施設に入院患者が集中していることが推測される。また、COVID-19感染者への病床数を増やしたため、摂食障害の患者の入院まで対応できなくなったことが影響している可能性も考えられる・神経性やせ症の患者増加の背景には、緊急事態宣言や学校の休校などの生活環境の変化によるストレス、子供たちが感染対策のために家に引きこもっていること、行事などのアクティビティが中止になったこと、友達に会えないこと、COVID-19感染症への不安などがあると推測される。当センターが実施した「コロナ×こどもアンケート」の第3回調査では、回答者(6〜18歳)全体の73%に、第5回調査では76%に、何らかのストレス反応がみられた・コロナ太り対策のダイエット特集の報道やSNSでの情報に、子供たちが影響された可能性も考えられる・「コロナ×こどもアンケート」の第4回調査では、「あまり食欲がない、または食べ過ぎる」と回答した子供(9~18歳)が、全体の約半数だった。また、同第5回調査では、いまの自分の体型について回答者(9~18歳)全体の38%が、「太りすぎ」「太りぎみ」と思っていると回答し、48%が痩せたいと思っていると回答した。さらに、痩せるために、回答者全体の4%が「食事の量を普段の3分の2以下に減らす」、2%が「食べたものを吐く」と回答していた。これらから、「コロナ禍の子供の心の実態調査」で判明した患者数以上に、摂食障害の潜在患者や予備軍の子供がいる可能性も推測される 以上の調査結果をうけ、「神経性やせ症患者が増加し、また入院日数も伸びていることから、入院病床数を確保することが必要であり、摂食障害を診察できる医療機関の拡充も求められる。神経性やせ症の場合、本人が病気を否認して医療機関での受診が遅れがちとなる。子供の食欲や体重の減少に家族や教育機関で気を配り、深刻な状態になる前に、まずは内科、小児科などのかかりつけの医を受診することが必要」とコメントしている。

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12~18歳のデルタ株への感染予防効果90%、ファイザー製ワクチン/NEJM

 デルタ変異株が流行しているイスラエルで、ファイザー製ワクチンの効果を12~18歳を対象とした観察コホート研究で調べたところ、2回目接種後7~21日の感染予防の有効率は90%、発症予防の有効率は93%だった。この結果から、ファイザー製ワクチンの接種完了後数週間は、デルタ株への感染とCOVID-19発症のどちらにも非常に有効であることが示唆された。米国・Boston Children's HospitalのBen Y. Reis氏らが、NEJM誌オンライン版2021年10月21日号のCORRESPONDENCEで報告した。 著者らは、デルタ変異株に対するファイザー製ワクチン(BNT162b2 mRNAワクチン)の有効性を推定するために、イスラエル最大の医療機関であるClalit Health Servicesのデータを使用し、2021年6月8日~9月14日にワクチン接種を受けていた新型コロナウイルス感染歴のない12~18歳を対象に観察コホート研究を実施した。ワクチンの有効率は、1からリスク比を引いた数字とした。 主な結果は以下のとおり。・ワクチン接種者18万4,905人のうち、13万464人が適格要件を満たし、このうち9万4,354人がワクチン未接種の対照9万4,354人と一致した。・PCR検査の頻度は、ワクチン接種群とワクチン未接種群で同様だった。・感染のカプランマイヤー曲線は、最初の数日間はワクチン接種群と未接種群で類似していたが、その後ワクチン接種群で上昇が遅れ始めた。・新型コロナウイルス感染に対する推定有効率は、初回接種後14~20日で59%(95%信頼区間[CI]:52~65)、初回接種後21~27日で66%(同:59~72)、2回目接種後7~21日で90%(同:88~92)だった。・COVID-19発症に対する推定有効率は、初回接種後14〜20日で57%(95%CI:39〜71)、初回接種後21〜27日で82%(同:73〜91)、2回目接種後7〜21日目で93%(同:88〜97)だった。

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6~12歳未満にコロナワクチン半量投与で強い抗体、第III相試験中間解析/モデルナ

 米国・モデルナ社は10月25日付のプレスリリースで、同社の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンについて、12歳未満の小児を対象にした第II/III相試験の中間解析のデータを公表した。公表したのは6歳~12歳未満のコホートで、良好な安全性プロファイルを有するmRNA-1273ワクチン50μg(通常100μgのところ、その半量)を2回投与したところ、強い中和抗体応答を示したという。モデルナは、本解析結果を近く米国食品医薬品局(FDA)をはじめ、海外諸国の規制当局に提出する。 モデルナが6ヵ月~12歳未満の小児を対象に実施している第II/III相試験(KidCOVE試験)では、6ヵ月~2歳未満、2~6歳未満、6歳~12歳未満の3つの年齢層に分け、mRNA-1273ワクチン50μgを2回接種した際の安全性、忍容性、反応原性および有効性を評価している。このうち6歳から12歳未満のコホートには4,753例が登録。第III相COVE試験(18歳以上対象、mRNA-1273ワクチン100μg×2回接種)で得られた若年成人と本コホートを比べたSARS-Cov-2血清中和抗体価の幾何平均比(GMR)は1.5(95%信頼区間[CI]:1.3~1.8)、血清反応率は99.3%だった。2回目接種の1ヵ月後に本コホートで強い免疫応答を示し、主要評価項目である第III相COVE試験を対照群として比較した免疫原性における非劣性を達成した。有害事象の大半は軽度または中等度で、最も一般的な誘発有害事象は、疲労、頭痛、発熱、注射部位の痛みだった。KidCOVE試験では、引き続き6ヵ月~6歳未満の小児の登録を継続し、研究が続いている。 COVID-19ワクチンを巡っては、米国・ファイザー社でも小児を対象とした臨床試験を進めている。同試験では、5~11歳の小児に対し、BNT162b2ワクチンの2回接種後7日以降の発症予防率が90.7%を示すデータが先ごろ公表され、FDAの諮問委員会は10月26日、ファイザー製ワクチンの緊急使用承認(EUA)の対象を5~11歳にも拡大するよう勧告した。

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小児における抗うつ薬の投与量の推移と向精神薬増強療法との関係

 米国・メリーランド大学のO' Mareen Spence氏らは、小児における抗うつ薬治療開始後最初の6ヵ月間の抗うつ薬の投与量を調査し、その投与量と他の向精神薬による増強との関連について評価を行った。Pharmacoepidemiology and Drug Safety誌オンライン版2021年9月16日号の報告。 対象は、米国の商業保険患者に関する包括的なデータベースであるIQVIA PharMetrics Plusを用いて特定された、2007年1月~2015年6月に新規で抗うつ薬治療を開始した3~18歳のうつ病患者5,655例。新規抗うつ薬使用の定義は、治療開始前1年以内での抗うつ薬使用がないこととした。抗うつ薬治療開始6ヵ月間における投与量の推移は、潜在クラス成長分析を用いて分類した。アウトカムは、レジメンの変更(他の向精神薬による増強療法、他の抗精神病薬への切り替えの有無にかかわらず抗うつ薬の中止)とした。抗うつ薬治療開始前6ヵ月間に測定したベースラインの共変量は、人口統計学的要因、精神医学的併存疾患、医療サービスの利用であった。抗うつ薬の投与量の推移とレジメン変更とのオッズ比(OR)の算出には、多項ロジスティック回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。・抗うつ薬の投与量の推移は、以下の5つに分類された。 ●急激な減量:897例(16%) ●ゆっくりと減量:1,029例(18%) ●最小用量で安定:1,397例(25%) ●最大用量で安定:1,783例(32%) ●高用量への増量:549例(10%)・最小用量で安定した患者と比較し、急激な減量およびゆっくりと減量を行った患者では、抗うつ薬を中止する可能性が高かった。【他の向精神薬への切り替え】 ●急激な減量(OR:5.91、95%CI:3.23~10.80) ●ゆっくりと減量(OR:1.67、95%CI:1.04~2.68)【すべての向精神薬中止】 ●急激な減量(OR:6.64、95%CI:4.24~10.39) ●ゆっくりと減量(OR:1.62、95%CI:1.22~2.13)・最大用量で安定および高用量への増量を行った患者は、他の向精神薬への切り替えよりも、治療を中止する可能性が低かった。【どちらかの切り替え】 ●最大用量で安定(OR:0.38、95%CI:0.24~0.61) ●高用量への増量(OR:0.30、95%CI:0.16~0.59)【すべての向精神薬中止】 ●最大用量で安定(OR:0.15、95%CI:0.12~0.20) ●高用量への増量(OR:0.02、95%CI:0.01~0.03) 著者らは「抗うつ薬治療開始6ヵ月間の抗うつ薬の投与量の推移は、他の向精神薬による増強療法に影響を及ぼしていることが示唆された」としている。

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第83回 小児にCOVID-19抗体は生じ難い~ワクチンは有望で効果91%

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染した成人はほとんど(90%超)が抗体反応を示し、それらの抗体は少なくとも12ヵ月間は持続するようです1)。感染を経て抗体ができた成人の更なる感染は7~9割ほど少なくて済むようになることが示されています2,3)。一方、SARS-CoV-2感染(COVID-19)小児のどれほどが抗体を備えるかはわかっていませんでした。無症状や軽症の小児はなおさらそうです。そこでオーストラリアのMurdoch Children’s Research Instituteの感染/免疫研究者Paul Licciardi氏等は同国メルボルンの非入院の無症状か軽症のSARS-CoV-2感染患者108人を募って小児の抗体反応が成人とどう違うかを調べました4,5)。その結果、小児と成人のウイルス量は同程度だったにもかかわらずSARS-CoV-2への抗体ができていた小児の割合は成人のおよそ半分ほどでしかありませんでした。小児57人の年齢中央値は4歳で、それらのうち解析が可能だった54人のおよそ4割(37%;20/54人)にしかSARS-CoV-2への抗体ができていませんでした。成人は51人(年齢中央値37歳)のうち解析が可能だった42人の8割ほど(76%;32/42人)に抗体ができていました。抗体ができていた成人には細胞免疫も認められましたが、小児はそうなっておらず、小児が感染で確かな細胞免疫を確立することは難しいのかもしれません。SARS-CoV-2感染小児のほとんどは無症状か軽症で済んでいて入院を必要とすることはほとんどありません。しかしデルタ変異株をはじめとするSARS-CoV-2変異株の出現を受けて小児のSARS-CoV-2感染は2021年になって増えており、小児の免疫を危ぶむ声も上がっています。SARS-CoV-2に感染しても抗体ができなかった小児は再感染する恐れがあり、抗体ができ難い小児は長い目で見て成人に比べてSARS-CoV-2感染をより許してしまうのかもしれません。今回の結果によると小児をCOVID-19から守るためにワクチン接種を含む手立てを講じる必要があるようです5)。実際COVID-19ワクチンは成人や10代の若者と同様に幼い小児の感染予防の手立てとなりうることが今週開催される米国FDA諮問委員会に先立って先週末に公表された解析結果6,7)で示されています。第II/III相試験の第1集団2,268人の10月8日までのデータ解析の結果、Pfizer/BioNTechのmRNAワクチンBNT162b2は5~11歳小児のCOVID-19発症のほとんどを防ぎました。2,268人は2対1の割合でBNT162b2かプラセボに割り付けられ、BNT162b2投与群は1,518人、プラセボ群はその約半数の750人となりました。先立つ感染経験がない小児のCOVID-19発症数はBNT162b2投与群ではわずか3人でした。一方、プラセボ群はBNT162b2投与群より人数が少ないにもかかわらず16人がCOVID-19を発症し、BNT162b2は先立つ感染経験がない5~11歳小児のCOVID-19発症の90.7%を防ぎました。米国FDAの承認や疾病管理予防センター(CDC)の後押しが得られて事がすべてうまく運べば同国の5~11歳小児へのワクチン接種は来月11月の最初の週かその次の週には可能になるだろうと同国政府感染症対策のリーダーAnthony Fauci(アンソニー・ファウチ)氏は述べています8)。参考1)Feng C,et al. Nat Commun. 2021 Aug 17;12:4984.2)Rovida F,et al. Int J Infect Dis. 2021 Aug;109:199-202.3)Lumley SF, et al. N Engl J Med. 2021 Feb 11;384:533-540.4)Children with mild COVID-19 may lack antibodies afterward / Reuters5)Reduced seroconversion in children compared to adults with mild COVID-19. medRxiv. October 18, 20216)Pfizer Briefing Document / Vaccines and Related Biological Products Advisory Committee Meeting October 26, 20217)FDA Briefing Document / Vaccines and Related Biological Products Advisory Committee Meeting October 26, 20218)Wuhan research theory 'molecularly impossible': Fauci / abcNEWS

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細胞培養由来4価ワクチン、小児で良好なインフル予防効果/NEJM

 インフルエンザ流行期の健康な小児/青少年における感染予防では、細胞培養由来4価不活化インフルエンザワクチン(IIV4c、Flucelvax Quadrivalent、英国・Seqirus製)は非インフルエンザワクチンと比較して、インフルエンザワクチン接種歴の有無を問わず良好な有効性が認められ、有害事象の発現は両者でほぼ同様であることが、オーストラリア・メルボルン大学のTerence Nolan氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌2021年10月14日号で報告された。3回の流行期、8ヵ国の無作為化第III/IV相試験 研究グループは、8ヵ国の小児/青少年において、Madin-Darbyイヌ腎臓(MDCK)細胞株を用いたIIV4c(A/H1N1、A/H3N2、B/Yamagata、B/Victoria)の有効性、免疫原性、安全性の、非インフルエンザワクチン(髄膜炎菌ACWY[A、C、W-135、Y群]ワクチン)との比較を目的に、観察者盲検化層別無作為化第III/IV相試験を行った(Seqirusの助成による)。 3回のインフルエンザ流行期に、8ヵ国(39施設)で参加者(2~<18歳)が募集された。各流行期の参加国は、シーズン1(2017年の南半球の流行期[~2017年12月31日])がオーストラリア、フィリピン、タイ、シーズン2(2017~18年の北半球の流行期[~2018年6月30日])がエストニアとフィンランドで、シーズン3(2018~19年の北半球の流行期[~2019年6月30日])はエストニア、フィンランド、リトアニア、ポーランド、スペインだった。 参加者は、IIV4cまたは髄膜炎菌ACWYワクチンの接種を受ける群(比較群)に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。全参加者が、試験ワクチンの1回目の接種を受けた。インフルエンザワクチン接種歴がなく、IIV4c群に割り付けられた2~<9歳の小児は、29日目に2回目の接種を受け、比較群に割り付けられた小児にはプラセボが接種された。有効性と安全性に関して、少なくとも180日間の追跡が行われた。 インフルエンザ様疾患に罹患した参加者は、鼻咽頭拭い液を採取され、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法およびウイルス培養でインフルエンザウイルスの有無が確定された。 主要エンドポイントは、2~<18歳の集団における、最終接種から14日以降、流行期最終日までに検査で確認されたA型またはB型インフルエンザの初回発生であった。有効率は、A/H1N1が80.7%、A/H3N2は42.1%、B型は47.6% 3回の流行期に4,514例(平均[SD]年齢8.8±4.1歳、女性48.5%)が登録され、IIV4c群に2,258例、比較群に2,256例が割り付けられた。全体の65.9%がインフルエンザワクチン接種歴を有し、50.7%が2~<9歳であった。 全体のインフルエンザウイルス感染者は、IIV4c群が7.8%(175/2,257例)、比較群は16.2%(364/2,252例)であり、IIV4c群の有効率は54.6%(95%信頼区間[CI]:45.7~62.1)であった。 A型インフルエンザのうちA/H1N1に対するIIV4c群の有効率は80.7%(95%CI:69.2~87.9)、A/H3N2に対する有効率は42.1%(20.3~57.9)であり、B型インフルエンザに対する有効率は47.6%(31.4~60.0)であった。年齢別、性別、人種別、インフルエンザワクチン接種歴の有無別のサブグループで、IIV4c群の有効性(有効率42.1~82.3%)が一貫して認められた。 免疫原性の評価には721例(2~<9歳、IIV4c群364例、比較群357例)が含まれた。IIV4c群における2つの流行期(シーズン2と3)のワクチン接種後の幾何平均抗体価(GMT)は、A/H1N1で283.5から380.7へ、B/Victoriaで45.3から66.8へ、B/Yamagataでは52.8から108.5へと、それぞれ増加した。比較群では、シーズン2と3で接種後のGMT増加は観察されなかった。 接種後6時間~7日までに非自発的に報告された有害事象の割合は、IIV4c群が51.4%、比較群は48.6%であった。発熱(体温≧38.0℃)は、IIV4c群が5.3%、比較群は4.5%にみられ、重度発熱(≧40.0℃)はそれぞれ0.3%および0.2%で発現した。また、重篤な有害事象は、1.1%および1.3%に認められた。担当医によってワクチン関連と判定された有害事象はなく、試験中止の原因となった有害事象もなかった。 著者は、「IIV4cは、卵を使用しないインフルエンザワクチン製造プラットフォームで作製されており、卵馴化変異の回避や、新型のインフルエンザウイルス発生時の対応に要する時間の短縮など、一定の利点を有する」と指摘している。

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第75回 新たに81件のワクチン健康被害が救済認定、計147件に/厚労省

<先週の動き>1.新たに81件のワクチン健康被害が救済認定、計147件に/厚労省2.国保、高所得者の保険料上限額を年3万円引き上げへ/厚労省3.主治医による小児アレルギーの情報提供が診療報酬の対象に/中医協4.帝王切開を架空請求、沖縄の産婦人科医院長を逮捕/沖縄県警5.贈収賄事件で製薬企業の会員資格停止、再発防止を/製薬協6.日大背任事件、大学理事長にも6,000万円の資金還流か/特捜部1.新たに81件のワクチン健康被害が救済認定、計147件に/厚労省厚生労働省は、22日に「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」を開催し、新型コロナウイルスのワクチン接種後に「アナフィラキシー」などを発症した81例について、予防接種との因果関係を審議し、全件を認定した。今回認定された81件のうち、70件が女性で、男女合わせた年齢別では40代が22件ともっとも多く、その次は20代・50代がそれぞれ15件、30代・60代は11件であった。このうちアナフィラキシーが45件、アナフィラキシー様症状が18件として認定された。これにより、新型コロナワクチン接種に関する健康被害の救済認定は計147人となった。(参考)コロナワクチン接種 81人を救済認定 医療費など支給へ 厚労省(NHK)アナフィラキシーなど「接種が原因」、新たに81人認定…国の救済適用計147人に(読売新聞)資料 副反応疑い報告の状況について(第71回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会)2.国保、高所得者の保険料上限額を年3万円引き上げへ/厚労省厚労省は、22日に社会保障審議会医療保険部会を開催し、国民健康保険の加入者のうち、高所得者の保険料について、財政基盤の安定化、保険料の国民負担に関する公平性の確保のため、高所得者が保険料の賦課限度額までしか負担しない仕組みを改め、保険料の賦課限度額を引き上げるべきとして、保険料上限を現在の年99万円から3万円引き上げ、102万円とする案を示した。引き上げは、2022年度に実施する方針で、2年ぶりとなる。(参考)国民健康保険 高所得者の保険料上限額 引き上げ案了承(NHK)国民保険料の限度額上げ 厚労省案、3万円増え102万円に(日経新聞)資料 国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額について(厚労省)3.主治医による小児アレルギーの情報提供が診療報酬の対象に/中医協厚労省は、22日に開催された中央社会保険医療協議会において、アレルギー疾患を持つ子供の主治医が、生活の注意点などを記載した文書を作り、学校や保育所に提供した場合、新たに診療報酬対象とすることについて提案し、了承された。今後、厚労省は来年4月の診療報酬改定に向け、対象となる学校など施設の範囲、年齢、疾患などの具体的調整を進める。(参考)アレルギー対応保険適用へ 主治医と学校の連携強化 来年4月にも、厚労省(産経新聞)アレルギー疾患の情報提供、診療報酬で評価へ 中医協・総会(CBnewsマネジメント)4.帝王切開を架空請求、沖縄の産婦人科医院長を逮捕/沖縄県警沖縄県警は、帝王切開を行ったように装って診療報酬を受け取った沖縄市内の産婦人科医師を20日に詐欺容疑で逮捕した。この医師は2018年6月に自らが経営する産婦人科医院で、自然分娩の妊婦について、緊急帝王切開術を行ったと偽って診療報酬を請求し、82万円を保険団体から受け取っていた。警察は、関係者からの情報を受け、今年の7月に病院から資料を押収し、捜査を進めて本事件が発覚した。その後の捜査によって、妊婦健康診査でも、実際には診察を行っていないのに、行ったとカルテを偽造し、架空請求を繰り返したことも明らかとなっている。(参考)診療報酬不正で産婦人科医を逮捕 詐欺容疑で沖縄県警(琉球新報)診療報酬だまし取った疑い 沖縄市の産婦人科院長を逮捕(NHK)妊婦健診でも架空請求か 「私一人だけで少なくとも50件」 複数の関係者が証言(沖縄タイムス)5.贈収賄事件で製薬企業の会員資格停止、再発防止を/製薬協日本製薬工業協会は21日の記者会見において、小野薬品工業による資金提供を受けた三重大学の贈収賄事件を受け、再発防止を目的に奨学寄付金の提供の在り方について再徹底するよう通知を発出した。製薬協は、奨学寄付金を自社医薬品に関する臨床研究に対する資金提供の方法として用いないことや、営業部門から独立した組織で利益相反を十分確認のうえ決定することなどの遵守を求めている。日本製薬工業協会は、社員2名が贈賄罪の有罪判決になったのを受け、小野薬品の製薬協の会員資格停止を9月に公表している。(参考)会員会社に対する処分について(製薬協)「処方拡大の見返り」賄賂認定…奨学寄付金の落とし穴(Answers)製薬協 奨学寄附金の在り方再徹底で通知発出 第三者供賄で小野薬品の会員資格停止受け(ミクスonline)6.日大背任事件、大学理事長にも6,000万円の資金還流か/特捜部日本大学附属病院の建て替え工事をめぐって、大学の資金2億円超を流出させた事件で逮捕された大阪の医療法人グループ理事長が、日本大学の理事長に「現金3,000万円を2回渡した」と供述していることが明らかになった。大阪の理事長は、業者選定前に大学側から入手した内部資料を都内の設計事務所に提供したことも明らかになっている。さらに、逮捕された日大元理事が、付属病院の医療機器調達に絡んで大学に約1億5,000万円を不正に支出させた疑いが23日に発覚し、特捜部は真相解明のために捜査を続けている。(参考)日大背任事件 元理事 実態のない契約書作り資金の一部還流か(NHK)「日大理事長に5000万円」複数回提供も供述 理事長は否定(産経新聞)「日大理事長側に6000万円」本人は否定、医療法人元トップ供述(日経新聞)医療機器巡り資金流出か 背任容疑の日大元理事1.5億円、地検解明へ(同)

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不動産ごと引き継いで欲しい!で難易度アップ【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第28回

第28回 不動産ごと引き継いで欲しい!で難易度アップ漫画・イラスト:かたぎりもとこ地方の診療所では自宅と診療所が同じ建物にある場合が多く、売り手から「医業承継時に不動産ごと引き継いで欲しい」という希望が寄せられることが多くなります。実際、弊社にお問い合わせいただく案件の3割程度がそうしたケースです。一方、買い手で「最初から不動産を所有して診療所運営を行いたい」という希望者は全体の2割程度です。つまり、「不動産ごと引き継いで欲しい」という条件を付けることで買い手候補が全体の2割に絞られ、承継の難易度が上がってしまうのです。なぜ買い手の8割が「不動産を所有しない(=テナント形式)で開業したい」と考えるのでしょうか?診療所の開業には、新規開業と承継開業の2種類があります。このうち承継開業を選択する主な理由(メリット)は下記の2点です。1)初期投資額を抑えられる2)初期段階から黒字経営が見込める(売り手の患者を引き継げるため)「不動産ごと引き継ぐ」という選択によって、2つのメリットのうち「1)初期投資額を抑えられる」が失われてしまうのです。新規開業をテナント形式で行う場合、初期投資額は高くても1億円程度です。一方、承継開業をテナントで行う場合、初期投資額は4,000万円程度となります。それが「不動産付きの承継開業」となると、初期投資額は新規開業と同レベルの1億円超まで跳ね上がってしまうのです。これが都心の不動産であれば、不動産価格の値上がりを期待して、1億円超でもリスクを取って開業しよう、という買い手が現れるかもしれません。しかし、現実には、このような不動産付きの承継案件の大半は地方にあるのです。買い手候補がそもそも少ない地方において、承継開業のメリットを見いだしにくい不動産付きの承継案件は、なかなか成立しません。弊社では、このようなケースでは「不動産は売却せず、賃貸契約にする」といった方法も提案しています。さらに難易度が高いエリアの場合は診療所の承継を諦め、一般居住用として不動産を売却する、という提案をすることもあります。

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ファイザー製ワクチン後の心筋炎、発症率と重症度/NEJM

 イスラエルの大規模医療システムにおいて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)mRNAワクチン「BNT162b2」(Pfizer-BioNTech製)を1回以上接種した人の推定心筋炎罹患率は2.13/10万人で、16~29歳の男性の罹患率が最も高く、重症度は軽症~中等症だったという。イスラエル・Rabin Medical Center・Beilinson HospitalのGuy Witberg氏らが、1回以上接種者250万人超を調べた結果を報告した。心筋炎発症とCOVID-19のmRNAワクチン接種との関連を示唆する報告がされているが、これまで頻度や重症度について大規模な調査は行われていなかった。NEJM誌オンライン版2021年10月6日号掲載の報告。イスラエルで、初回ワクチン接種日から42日までの心筋炎罹患率を分析 研究グループは、イスラエル最大の医療組織(HCO)「Clalit Health Services」のデータベースから、mRNAワクチンBNT162b2を1回以上接種し、心筋炎の診断を受けた患者を抽出した。心筋炎の診断は、米国疾病管理予防センター(CDC)の定義に基づき、循環器専門医が判断した。 患者の電子健康記録から、症状、臨床経過、アウトカムを要約。Kaplan-Meier法で、初回ワクチン接種日から42日までの心筋炎罹患率を分析した。16~29歳・男性の推定罹患率が最も高く10.69/10万人 ワクチン接種をした16歳以上のHCO会員250万人超において、心筋炎の診断基準に適合した症例は54例だった。ワクチン1回以上接種者の推定罹患率は、2.13/10万人(95%信頼区間[CI]:1.56~2.70)だった。推定罹患率が最も高かったのは、16~29歳の男性で、10.69/10万人(6.93~14.46)だった。 心筋炎の重症度は、76%が軽症で、22%が中等症だった。心原性ショックとの関連が認められたのは1例だった。 心筋炎発症後、中央値83日の追跡期間中、病院再入院は1例で、退院後に原因不明の死亡が1例報告された。入院中に心エコー検査で左室機能不全が認められたのは14例で、そのうち退院時点で同機能不全を有していたのは10例、うち5例はその後の検査で正常な心機能が確認された。

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ファイザー製ワクチン後の心筋炎、非接種者と比較した発症率/NEJM

 mRNAワクチン「BNT162b2」(Pfizer-BioNTech製)接種後の心筋炎の罹患率は、低率だが、とくに若い男性の2回接種者で増大すること、また臨床症状は概して軽症であったことを、イスラエル・Hadassah Medical CenterのDror Mevorach氏らが同国保健省のモニタリングデータを分析して報告した。イスラエルでは2021年5月31日時点で、約510万人がmRNAワクチン・BNT162b2の完全接種を受けている。同国保健省は、有害事象のモニタリングにおいて心筋炎が報告された早期の段階から積極的なサーベイランスを行っていたという。NEJM誌オンライン版2021年10月6日号掲載の報告。初回接種・2回目接種後のリスク差などを評価 研究グループは2020年12月20日~2021年5月31日のイスラエル保健省のデータベースから、臨床・検査データや退院サマリー、電子カルテを後ろ向きにレビューし、全心筋炎について、Brighton Collaboration定義を用いて分類した。 心筋炎の罹患に関する分析では、ワクチン初回接種後と2回目(21日後)接種後の罹患率を、リスク差を算出して比較。診断確実性とは独立した、ワクチン初回接種後21日以内、2回接種後30日以内の、観察/予測罹患率の標準化罹患率比を算出して評価した。また、2回目接種後30日の率比を、ワクチン非接種者との比較によって求め評価した。2回目接種後の標準化罹患率比は全体では5.34 心筋炎症状が認められた304例のうち、21例は別の診断名が付いていた。それらを除く283例のうち、BNT162b2ワクチン接種後の発症例は142例で、うち136例がdefinitive/probableに分類された。 definitive/probable例のうち129例(95%)が軽症と判断されたが、劇症だった1例は死亡している。 ワクチン1回目と2回目接種後のリスク差は、全体では1.76/10万人(95%信頼区間[CI]:1.33~2.19)で、16~19歳男性で最も差が大きく13.73/10万人(8.11~19.46)だった。 過去のデータに基づく予測値と比較した2回目接種後の標準化罹患比は5.34(95%CI:4.48~6.40)で、16~19歳男性の2回目接種後が最も高く13.60だった(9.30~19.20)。 ワクチン完全接種者の2回目接種後30日の、ワクチン非接種者に対する心筋炎発症に関する率比は2.35(95%CI:1.10~5.02)で、16~19歳男性で8.96(4.50~17.83)と最も高く、6,637人中1人の割合で発症していた。

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切り傷の縫合処置(表皮縫合)【漫画でわかる創傷治療のコツ】第7回

第7回 切り傷の縫合処置(表皮縫合)《解説》今回は、仕上げの表皮縫合を説明します。ついにキズモンスターをやっつけるぞ!最後に表皮縫合:目的は段差の修正!真皮縫合が終了した時点で創縁は寄っているため、表皮縫合では少しズレている創縁を揃えるように行います。きつく結紮する必要はありません。針糸は角針、非吸収性のモノフィラメント糸を使うことが多いです。太さは真皮縫合と同じか少し細くてもよいです。真皮縫合と同様に、針は皮膚に直角に刺入しますが、その際しっかり皮膚を外反させる必要があります。持針器を持つ手もクイッとしっかり返しましょう!ここまで説明したのは、一般的によく使われる「単純縫合」についてです。縫合の方法にはほかにも種類があり、緊張のかかり方や角質の厚さ等で選択します。水平マットレス縫合:手掌部など硬い皮膚の縫合に使用垂直マットレス縫合:創縁を確実に合わせたい場合に使用また、3つの創縁を寄せるときに使う「三点縫合法」という方法もあります。知っていると便利です!さて、縫合についての基本は確認できましたか。正しい道具と針糸、少しのコツを知るだけで、キズモンスターの発生をかなりの確率で防ぐことができます! 一緒に頑張りましょう!!参考1)波利井 清紀ほか監修. 形成外科治療手技全書I 形成外科の基本手技1. 克誠堂出版;2016.2)菅又 章 編. PEPARS(ペパーズ)123 実践!よくわかる縫合の基本講座<増大号>. 全日本病院出版会;2017.3)上田 晃一 編. PEPARS(ペパーズ)88 コツがわかる!形成外科の基本手技―後期臨床研修医・外科系医師のために―. 全日本病院出版会;2014.4)日本形成外科学会, 日本創傷外科学会, 日本頭蓋顎顔面外科学会編. 形成外科診療ガイドライン2 急性創傷/瘢痕ケロイド. 金原出版;2015.

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キッズ・オールライト(その3)【じゃあどう法整備する?「精子ドナーファーザー」という生き方とは?(生殖補助医療法)】Part 1

今回のキーワードアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)生殖カウンセリングテリング(真実告知)特別養子縁組精子ドナーが生物学的な子どもを知る権利選択的シングルマザー前回(その2)では、映画「キッズ・オールライト」を通して、精子提供によって生まれた子どもにその事実やそのドナーを知る権利(出自を知る権利)がなかなか認められない原因を突き止め、生殖ビジネスの、ある「不都合な真実」を明らかにしました。さらに、出自を知る権利が認められたら顕在化する法的な問題も考えました。今回(その3)では、それらを踏まえて、その子どもは、そして国はどうすればいいのかを考えます。そこからさらに、「精子ドナーファーザー」という生き方について考えてみましょう。精子提供によって生まれた子どもはどうすればいいの?まず、「不都合な真実」を踏まえて、精子提供によって生まれた子どもはどうすればいいのでしょうか? ここから、その取り組みを大きく3つ挙げてみましょう。(1)仲間を作る-自助グループ1つ目の取り組みは、仲間を作る、つまり自助グループです。自分と同じ境遇の人とつながることで、心理的なサポートが得られます。実際に、日本でも精子バンクから生まれた当事者の団体があります。海外では、このような自助グループを介してドナー兄弟(同じ精子ドナーから生まれた兄弟姉妹)が見つかるケースもあります。(2)社会に発信する-コミットメント2つ目の取り組みは、社会に発信する、つまりコミットメントです。自分たちの苦しみや葛藤を世の中に伝えていくことで、出自を知る権利の保障を主張し続けることです。そして、より良い世の中にしたいという使命感を持つことです。そうすることで、自分のことをどこまで知るかは、自分が決めること、親によって隠されるべきではないという考え方が浸透していくでしょう。(3)それでも幸せになれることに気づく-アクセプタンス3つ目の取り組みは、それでも幸せになれることに気づく、つまりアクセプタンスです。確かに、親が精子提供の事実をきちんと教えてくれて、自分の生みの父親(精子ドナー)が分かり、彼が自分を受け止めてくれれば、すばらしいです。しかし、そうでなかったとしても、不幸だと決め付けることはないです。その1でも触れた責任転嫁(認知的不協和)に陥ることもないです。それでも、辛さは辛さとして受け止めつつ、人生を前に進めていくことができることに気づけます。自分自身の生殖の物語を作ることができます。私たちは、苦しいことがあった時、その苦しさの存在自体に苦しく思う、つまり苦しみに苦しむという新たな「苦しみ」を生み出している場合があります。苦しみは苦しみとして気づき、人生の責任転嫁に気づくことで、自分の気持ちに距離を置いて、さらに「苦しみ」を生み出さないというアクセプタンスをすることができます。そのためにも、コミットメントに目を向けることができます。なお、コミットメントとアクセプタンスの詳細については、関連記事1をご覧ください。次のページへ >>

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キッズ・オールライト(その3)【じゃあどう法整備する?「精子ドナーファーザー」という生き方とは?(生殖補助医療法)】Part 2

国はどうすればいいの?「不都合な真実」を踏まえて、精子提供によって生まれた子どもの取り組みを考えました。それでは、国はどうすればいいのでしょうか?ここから、出自を知る権利を保障するために、さらに必要な生殖補助医療法への具体的な法整備を大きく3つ挙げてみましょう。(1)精子を提供される親に生殖カウンセリングを義務付ける1つ目の法整備は、精子を提供される親に生殖カウンセリングを義務付けることです。この目的は、真実告知についての親の理解を得ることです。具体的には、生殖心理カウンセラーによる2段階のカウンセリングが望ましいです。1段階目は、精子提供を受ける前に、精子提供によって生まれた子どもの心理と精子を提供された親の心理を一緒に説明します。そして、最終的な判断は親に委ねるものの、真実告知を推奨することです。2段階目は、精子提供によって妊娠が判明した後に、真実告知のタイミングややり方の情報提供をすることです。たとえば、そのタイミングは、親子の情(愛着)と理解力(知能)が育まれる最中の幼児期よりも後で、親への反抗が始まる思春期よりも前、つまり小学校低学年の学童期が望ましいでしょう。もちろん、もともと父親がいない場合は、幼児期に子どもから質問されるでしょう。その時は、子どもが理解できる言葉で安心感を優先して、ある程度伝える必要があります。また、そのやり方は、最近ではテリングという、より軟らかいニュアンスで、本などで紹介されています。こうして、心の準備が促されます。オプションの3段階目として、実際にテリング(真実告知)をする前に、カウンセリングの中で指導を受けることもできます。この取り組みは、生殖が多様化したことで求められる新たな倫理観を学ぶことであり、生殖への拡大した権利に伴う新たな義務とも言えます。大事なことは、分からなくて不安だから隠すのではなく、オープンにできるように情報提供や心理的サポートの体制を作ることです。積極的に真実を伝えてこそ、親子の本当の信頼関係が得られます。精子提供の事実を伝えたからと言って、信頼関係が揺らぐことはまずないです。実際に、精子提供によって生まれた子どもへのアンケート調査では、真実を教えてくれないほうが良かったという子どもはほとんどいないことが分かっています。なお、子どもにとっての親子の信頼関係の詳細については、関連記事2をご覧ください。なお、この取り組みは、出生前診断における遺伝カウンセリングに似ています。(2)精子提供の事実を戸籍に記載する2つ目の法整備は、精子提供の事実を戸籍に記載することです。この目的は、出自を知る権利を確実に保障することです。いくら真実告知の必要性について親に心理教育をしたとしても、親が実行しない可能性もあります。しかし、戸籍に記載されていれば、いずればれることが明らかであるため、親による告知は必然的に促されるでしょう。また、この法整備は、法的な親子関係を明確にして、精子ドナーが法的な親になれないよう規制することでもあります。この目的は、先ほど指摘しました認知請求のトラブルの懸念を払拭することで、精子提供の法的な安全性がより社会に認知され、より多くの精子ドナーを確保することです。実際に、この映画の舞台となっているアメリカでは、統一親子関係法によって、この規制がすでにあります。なお、特別養子縁組では、これが成立した時点で、子どもと生みの父母との法的な親子関係は終了し、その審判が戸籍に記載されます。(3)精子ドナーが生物学的な子どもを知る権利を認める3つ目の法整備は、精子ドナーが生物学的な子どもを知る権利を認めることです。これは、子どもが成人したら、子どももドナーもお互いに知ることができるシステムです。この目的は、出自を知る権利をより確実に保障することです。親が真実告知をしないと子どもがわざわざ戸籍を見ない可能性もあります。この規定があることで、子どもが成人した時点で、精子バンクを通して、精子ドナーから子どもに連絡が来る可能性があるため、親はその前に真実告知をすることが必然的に迫られます。告知を法的に強制しないとしたら、最後に親のウソがばれるというこのシステムは、とても理に適っていると言えるでしょう。もちろん、ドナーはこの権利を行使しない可能性もあります。それは、ドナーの自由です。ただ、やはり子どもの出自を知る権利を最優先に考えた場合、ドナーから連絡することも推奨されるべきでしょう。実際に、オーストラリアのヴィクトリア州では、精子提供で生まれた子どもは、その事実が出生登録に記載される上に、ドナーも成人した子どもの同意のもと、子どもの個人情報を得ることができます。この取り組みは、出自を知る権利の保障において、最も先進的であると世界的に注目されています。また、このもう1つの目的は、近親婚を防ぐことです。精子提供で生まれた子ども全員の精子ドナーが特定されていれば、ドナー兄弟が確実に判明します。それは、裏を返せば、近親婚を防ぐことになります。さらに、ほかの目的として、新たなドナー確保につながる可能性があります。匿名希望のドナーは、多くが若い学生でした。やはり「楽して儲かる」という金銭目的や献血レベルの気軽さが見透かされます。一方、非匿名のドナー(オープンドナー)は、ある程度の年齢を経た社会人であることが分かっています。もちろん相応の報酬は必要ですが、その後に生物学的な子どもへのフォローの意識が高いでしょう。ドナーの知る権利として、自分の精子がどう使われ、実際に生物学的な子どもが生まれたかどうか、何人生まれたかを知ることができるシステムにしたら、心の準備ができるため、新たな自覚や目的意識を持ったドナーが集まっていく可能性があります。<< 前のページへ | 次のページへ >>

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キッズ・オールライト(その3)【じゃあどう法整備する?「精子ドナーファーザー」という生き方とは?(生殖補助医療法)】Part 3

「精子ドナーファーザー」という生き方とは?ポールは、ジュールスたちと一緒になるため、恋人として良い関係を築いていたタニアにあっさり別れを告げます。しかし、突然すぎたため、怒った彼女から暴言を吐かれます。その後に、謝罪を口実に、彼は不倫相手のジュールスがいる4人の家に押しかけていきます。しかし、出迎えたジョニから「良い人だと思ってたのに」とがっかりして告げられます。そして、ニックに「あなたは侵入者よ。家族を作りたいなら自分で作って」と言われ、追い返されるのです。このポールの一連の行動から、実は彼の自由気ままさは、彼の無責任さであることに気づかされます。彼は、独身生活が長い分、裏を返せば結婚生活や家庭生活を送ってこなかった分、相手の気持ちに思いを馳せたり、相手とつながるほかの人に配慮したり、時に子どもに厳しい指摘をする責任感が乏しいのでした。これは、最後に、ジュールスがニックたちの前で「結婚生活は、終わりのないマラソンよ。でも私は努力したい(責任を持ちたい)」と説く謝罪の演説とは対照的です。映画の途中までは、ポールが良い人キャラで、ニックとジュールスが悪役のように描かれていました。しかし、最後の最後で、ポールの薄っぺらさが露呈し、一方でニックとジュールスはお互いに欠点がありながらも一生懸命に支え合って生きていこうとしていることに気づかされます。人間関係における責任感という物差しによって、善悪が逆転してしまうのです。ポールのように、もともと結婚生活や家庭生活に向いていない男性はいます。また、結婚生活や家庭生活を望まない男性もいます。そして増えています。いわゆる非婚の心理です。その詳細については、関連記事3をご覧ください。ただし、結婚したくないし子育てもしたくないけれど自分の子どもだけは欲しいという男性はいます。つまり、自分の遺伝子を残したいという思いです。これは、その1でもご紹介した生殖心理です。そんな男性は、優秀な精子を持っていれば、精子ドナーとして打って付けでしょう。そして、先ほどにも触れましたが、だからこそ、そんな男性がドナーとして生物学的な子どもを知る権利を得ることができれば、ドナーが増えていく可能性があります。非婚の男性が増えていることから、ドナーの知る権利を認めることは、ドナー確保のウルトラCの解決策になる可能性があります。彼らは、結婚しないで子育てもしないけれど自分の子どもを持つ生き方をすることになります。名付けるなら「精子ドナーファーザ」です。一方で、結婚したくないけれど子育てはしたいという女性がいます。実際に、結婚しないことを最初から自ら選んで子どもを持つ女性は、選択的シングルマザーと呼ばれ、海外では増えています。精子バンクを利用する選択的シングルマザーと、精子バンクに精子を提供する「精子ドナーファーザー」は、実はそれぞれのニーズがきれいに一致します。これは、男女の協力関係においての社会構造が「しなければならないかどうか」から「したいかどうか」へシフトしつつあるからとも言えます。なお、選択的シングルマザーの心理の詳細については、関連記事4をご覧ください。「キッズ・オールライト」とは?不倫騒動からしばらく経っても、ニックとジュールスは、ぎすぎすしていました。ラストシーンで、とうとうジョニが大学の寮に引っ越したあと、その帰り道の車の中で、レイザーはニックとジュールスに、ぼそっと「別れちゃだめだよ。だって、二人とも年取りすぎてるから」と言うのです。あまりにも率直な意見で、見ている私たちも、ついクスっと笑ってしまいます。空気が一変して、ニックとジュールスは久々に手をつなぐのでした。この映画のタイトルは「キッズ・オールライト」でした。精子提供で生まれた子どもたちでしたが、それでも「子どもたちは大丈夫」という意味でしょう。同時に、それはそんな子どもたちによって「ペアレンツ・オールライト(親たちは大丈夫)」になることであるとも言えるでしょう。この映画を通して、私たちも「キッズ・オールライト」と言えることを一番に考えた時、より良い生殖補助医療法を、そしてより良い社会を作ることができるのではないでしょうか?1)生殖医療はヒトを幸せにするのか:小林亜津子、光文社新書、20142)精子提供:歌代幸子、新潮社、20123)ルポ生殖ビジネス:日比野由利、朝日新聞出版、20154)生殖医療の衝撃:石原理、講談社現代新書、20165)生殖補助医療で生まれた子どもの出自を知る権利:才村眞理:福村出版、20086)「子どもの出自を知る権利」について 生殖補助医療法と法:小泉良幸、J-STAGE、20107)「精子売買はグレーマーケットだった」“不妊治療大国”で元証券会社社員が精子バンク日本語窓口を立ち上げたワケ:こみねあつこ、文春オンライン、20218)生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律の成立について:法務省<< 前のページへ■関連記事テネット【なんで時間を考えるのが癒しになるの?(アクセプタンス&コミットメント・セラピー[ACT])】そして父になる(その1)【もしも自分の子じゃなかったら!?(親子観)】私 結婚できないんじゃなくて、しないんです【コミュニケーション能力】カレには言えない私のケイカク【結婚をすっ飛ばして子どもが欲しい!?そのメリットとリスクは?(生殖戦略)】

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