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3~17歳へのコロナワクチン、オミクロン優勢期の効果は?/BMJ

 アルゼンチンで、3~17歳の小児・青少年に対する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン(mRNA-1273[モデルナ製]、BNT162b2[ファイザー製]、BBIBP-CorV[Sinopharm製])2回接種の有効性について調べたところ、死亡に対する予防効果は、優勢となっている変異株の種類にかかわらず、小児・青少年ともに高値を維持していたことが明らかにされた。ワクチン接種後の短期間におけるSARS-CoV-2感染予防効果については、オミクロン変異株が優勢であった間は低かったこと、また時間の経過とともに同効果は急激に低下することも明らかにされた。アルゼンチン・保健省のJuan Manuel Castelli氏らが、約14万人のケースとそのマッチング対照を解析した、診断陰性例コントロール試験の結果で、BMJ誌2022年11月30日号で発表された。アルゼンチンで84万例超を対象に診断陰性例コントロール試験 研究グループは、アルゼンチンの国内サーベイランス・システムのデータベースと、ワクチンレジストリを基に、診断陰性例コントロール試験を行い、小児(3~11歳)・青少年(12~17歳)へのCOVID-19ワクチン2回接種の、SARS-CoV-2感染やCOVID-19関連死に対する有効性を推定し評価した。 対象は、2回のCOVID-19ワクチンのプライマリ接種対象者で、SARS-CoV-2感染歴がなく、2021年9月~2022年4月にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査または迅速抗原検査を受けた3~17歳、84万4,460例。マッチング対照の照合を行い、23万1,181例のケースのうち13万9,321例(60.3%)について解析を行った。 主要アウトカムは、SARS-CoV-2感染とCOVID-19関連死だった。条件付きロジスティック回帰分析で、ワクチン2回接種者の非接種者に対するオッズ比(OR)を推算した。ワクチン有効率は、(1-OR)×100%で算出した。小児の対SARS-CoV-2感染有効率、デルタ株優勢期間は61%、オミクロン株では16% デルタ変異株優勢期間のSARS-CoV-2感染に対するCOVID-19ワクチン2回接種の有効率は、小児が61.2%(95%信頼区間[CI]:56.4~65.5)、青少年が66.8%(63.9~69.5)だった。オミクロン変異株優勢期間は、それぞれ15.9%(13.2~18.6)、26.0(23.2~28.8)だった。 ワクチン有効性は、接種後、日数経過とともに低下し、とくにオミクロン変異株優勢期間の低下は急激で、小児では、接種後15~30日で37.6%(95%CI:34.2~40.8)であったが、60日以降では2.0%(1.8~5.6)へと低下し、青少年ではそれぞれ55.8%(52.4~59.0)から12.4%(8.6~16.1%)への低下が認められた。 一方で、オミクロン変異株優勢期間の、SARS-CoV-2感染関連死に対するワクチン有効率は、小児が66.9%(95%CI:6.4~89.8)、青少年が97.6%(81.0~99.7)だった。

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オピオイド使用障害の妊婦、ブプレノルフィンvs.メサドン/NEJM

 オピオイド使用障害の妊婦では、ブプレノルフィンの投与はメサドンと比較して、新生児の有害アウトカム発生のリスクは低下するが、母体における有害アウトカムのリスクに差はないことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のElizabeth A. Suarez氏らの調査で示された。研究の成果は、NEJM誌2022年12月1日号で報告された。米国メディケイド受給者対象のコホート研究 研究グループは、オピオイド使用障害の妊婦において、2つのオピオイド作動薬が新生児および母体のアウトカムに及ぼす影響を比較する目的で、コホート研究を行った(米国国立薬物乱用研究所[NIDA]の助成を受けた)。 対象は、2000~18年に米国の公的保険(メディケイド)に加入していた47州とワシントンDCの妊婦であった。2つの薬剤への曝露は、妊娠前期(妊娠19週まで)、妊娠後期(妊娠20週~分娩前日)、分娩前30日間に評価が行われた。 新生児の有害アウトカムは、新生児薬物離脱症候群、早産、在胎不当過小、低出生時体重とされた。また、母体の有害アウトカムは、帝王切開と重度の母体合併症(妊娠に起因、または妊娠によって悪化した潜在的に生命を脅かす病態の複合)であった。 新生児および母体のアウトカムのリスク比は、傾向スコアのオーバーラップ重み付け法を用いて交絡因子で補正された。妊娠前期と後期で、有害アウトカムの発生状況が一致 生児出生の妊娠254万8,372件が解析の対象となった。妊娠前期に1万704人がブプレノルフィン、4,387人がメサドンの曝露を受けていた。また、妊娠後期には1万1,272人がブプレノルフィン、5,056人がメサドンに曝露されていた(分娩前30日間は、それぞれ9,976人および4,597人)。  分娩前30日間の曝露における新生児薬物離脱症候群の発生は、ブプレノルフィン曝露児の52.0%、メサドン曝露児の69.2%で認められ(補正後相対リスク[aRR]:0.73、95%信頼区間[CI]:0.71~0.75)、ブプレノルフィン曝露児で良好だった。 妊娠前期の曝露における早産の発生は、ブプレノルフィン曝露児の14.4%、メサドン曝露児の24.9%で(aRR:0.58、95%CI:0.53~0.62)、また在胎不当過小の発生がそれぞれ12.1%および15.3%に(0.72、0.66~0.80)、低出生時体重の発生は8.3%および14.9%で(0.56、0.50~0.63)、いずれもブプレノルフィン曝露児で少なかった。 また、妊娠前期の曝露における帝王切開の発生は、ブプレノルフィン曝露妊婦の33.6%、およびメサドン曝露妊婦の33.1%に(aRR:1.02、95%CI:0.97~1.08)、また、重度の母体合併症の発生はそれぞれ3.3%および3.5%で(0.91、0.74~1.13)、いずれも両群間に差はみられなかった。 妊娠後期の有害アウトカムの結果は妊娠前期と一致しており、早産(ブプレノルフィン曝露児14.3% vs.メサドン曝露児25.0%、aRR:0.57[95%CI:0.53~0.62])、在胎不当過小(13.0% vs.15.6%、0.75[0.69~0.82])、低出生時体重(8.2% vs.14.4%、0.56[0.50~0.62])の発生はいずれもブプレノルフィン曝露児で良好で、帝王切開(33.1% vs.32.7%、1.03[0.97~1.09])、重度の母体合併症(3.4% vs.3.6%、0.93[0.77~1.14])の発生については、2つの薬剤の曝露妊婦で差がなかった。 著者は、「この結果は、子宮内でのブプレノルフィン曝露がメサドン曝露よりも新生児に良好なアウトカムをもたらすとする先行研究(MOTHER試験)の知見を支持するものである」とし、「この差の生物学的メカニズムは不明だが、ブプレノルフィン(部分作動薬)とメサドン(完全作動薬)の薬理作用メカニズムの違いが、これらの知見の妥当性を裏付ける可能性がある」と指摘している。

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小児および思春期の抗精神病薬による血清プロラクチンレベルの性差~メタ解析

 血清プロラクチンレベルに及ぼす因子はさまざまあるが、中でも性別、身体的発達、投薬の影響が大きい。抗精神病薬は、成人および若年患者の血清プロラクチンレベルを上昇させることは知られているが、小児・思春期患者における高プロラクチン血症発症に対する性別と脆弱性との潜在的な関連性を検討した研究はほとんどなかった。スペイン・バルセロナ大学のLidia Ilzarbe氏らは、抗精神病薬治療を行っている小児および思春期の精神疾患患者における血清プロラクチンレベルに対する性別の影響を評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。その結果、抗精神病薬を投与された小児および思春期患者では、血清プロラクチンレベルの増加が認められ、この増加は男性よりも女性においてわずかに大きいことが示唆された。Current Neuropharmacology誌オンライン版2022年10月27日号の報告。 小児および思春期患者に対する抗精神病薬投与による血清プロラクチンレベルと性別との関係を検討したランダム化比較試験をMEDLINE、PubMed、Web of Science、Cochraneデータベースよりシステマティックに検索した。 主な結果は以下のとおり。・単剤抗精神病薬とプラセボを比較した研究7件(リスペリドン:4件、ルラシドン:1件、オランザピン:1件、クエチアピン:1件)、1,278例をメタ解析に含めた。・抗精神病薬を投与された小児および思春期患者は、プラセボ群と比較し、男女ともにプロラクチンレベルの有意な増加が認められた。 ●男性:16.53、95%信頼区間[CI]:6.15~26.92 ●女性:26.97、95%CI:9.18~44.75・リスペリドンを使用した4つの研究でも同様の結果であった。 ●男性:26.49、95%CI:17.55~35.43 ●女性:37.72、95%CI:9.41~66.03・男女間の直接比較では、女性のプロラクチンレベルの増加がやや大きいことが示唆されたが、統計学的に有意な差は認められなかった。

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模擬運転プログラムで、10代ADHDの衝突事故が低減/NEJM

 注意欠如・多動症(ADHD)を持つ10代は自動車衝突事故のリスクが高く、衝突リスクの一因として、道路から長時間目をそらす行為が指摘されている。米国・シンシナティ小児病院医療センターのJeffery N. Epstein氏らは、この長時間の目そらしを少なくするためのコンピュータ化された模擬運転プログラムによる介入が、従来の自動車運転教育と比較して、模擬運転で道路から長時間目をそらす行為の回数を減少させ、車線内の中心からの位置のずれを抑制し、実社会でも衝突事故や異常接近が低下することを示した。研究の成果は、NEJM誌2022年12月1日号に掲載された。米国の単施設の無作為化対照比較試験 本研究は、単施設(米国・シンシナティ小児病院医療センター)の無作為化対照比較試験であり、2016年12月~2020年3月の期間に参加者の募集が行われた(米国国立衛生研究所[NIH]の助成を受けた)。 年齢16~19歳、ADHDの診断基準を満たし、自動車運転免許を有する集団が、デスクトップコンピュータベースのソフトウエアである集中力・注意学習プログラムの強化版(FOCAL+)による介入を受ける群(介入群)、または従来の自動車運転教育の強化版を受ける群(対照群)に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、ベースライン、訓練後1ヵ月および6ヵ月の時点での、2回の模擬運転(1回15分)中に道路から長時間(2秒以上)目をそらす回数と、車線位置の標準偏差(車線の中心から側方への移動の指標)とされた。 副次評価項目は、長時間目をそらす行為の発生率と、自動車の運動量の突然の変化(Gイベント)による衝突事故または異常接近の発生率であり、訓練後1年間の車内記録で評価が行われた。薬物療法の影響は判断できない 152例が登録され、介入群に76例、対照群にも76例が割り付けられた。全体の平均(±SD)年齢は17.4±0.9歳、男性が62%であった。 訓練後の模擬運転中の長時間目をそらす行為は、介入群は1ヵ月の時点で1回の運転当たり平均16.5回、6ヵ月の時点では平均15.7回であり、対照群ではそれぞれ28.0回および27.0回であった。1ヵ月時の発生率比は0.64(95%信頼区間[CI]:0.52~0.76、p<0.001)、6ヵ月時の発生率比は0.64(0.52~0.76、p<0.001)であり、いずれも介入群で有意に低下していた。 車線位置の標準偏差(数値はフィート)は、介入群は1ヵ月の時点で0.98 SD、6ヵ月の時点でも0.98 SDであり、対照群はそれぞれ1.20 SDおよび1.20 SDであった。1ヵ月時の群間差は-0.21 SD(95%CI:-0.29~-0.13)、6ヵ月時の群間差は-0.22 SD(-0.31~-0.13)であり、いずれも介入群で良好だった(いずれも交互作用検定のp<0.001)。 訓練後1年間の実社会における運転中での、Gイベント当たりの長時間目をそらす行為の発生率は、介入群が18.3%、対照群は23.9%であった(相対リスク:0.76、95%CI:0.61~0.92)。また、Gイベント当たりの衝突事故または異常接近の発生率は、介入群3.4%および対照群5.6%であった(0.60、0.41~0.89)。 著者は、この試験の限界として「ADHDの薬物療法の影響を判断できない」ほか、シンシナティ(州境の都市圏)で行われているため「10代に段階的な免許取得などを義務付けているオハイオ州の施策を考慮すると、一般化可能性に影響を及ぼす可能性がある」などを挙げている。

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医師が選ぶ「2022年の漢字」TOP5を発表!【CareNet.com会員アンケート】

12月12日は漢字の日。毎年この日に、京都の清水寺で発表される「今年の漢字」(主催:日本漢字能力検定協会)。本家より一足先に、CareNet.com医師会員1,029名に選んでいただいた「2022年の漢字」TOP5を発表します。1年を振り返ってみて、皆さんはどの漢字をイメージしましたか?第1位「戦」第1位には、104票の圧倒的な得票数で「戦」が選ばれました。2022年2月24日にロシアがウクライナへ軍事侵攻し、全世界が戦争の終結を願っているものの、冬を迎えた今も戦禍は続いています。長引くコロナとの戦いに加え、戦争による影響もあり、世界経済も不安定になった1年でした。「戦」を選んだ理由(コメント抜粋)ウクライナの戦争が長引いて庶民は物価高騰との戦いであるから。(50代 眼科/島根)ロシアによるウクライナ侵攻が最大のニュースだった。(40代 循環器内科/東京)ウクライナのように、突如侵略戦争の犠牲になる可能性について考えた。(30代 精神科/埼玉)ウクライナ侵略に正当性はない。(50代 小児科/神奈川)ウクライナにおける惨状を目の当たりにして。(50代 その他/群馬)ワンオペ育児に奔走、コロナと戦い世界的に戦争もあったから。(20代 麻酔科/北海道)第2位「乱」第2位には、「乱」がランクイン。過去にも何度か登場していて昨年は5位でしたが、混乱の世の中は変わらず、再浮上する結果となりました。第1位と同様に、ウクライナでの戦争や、オミクロン株に悩まされたコロナ禍、国内外の経済の混乱などが理由に挙げられました。 「乱」を選んだ理由(コメント抜粋)円安に拍車がかかったり、ミサイルが幾度も飛んできたり、乱れに乱れた1年だったと思うから。(40代 循環器内科/青森)相変わらず社会全体が混乱のさなかにあると感じました。(40代 外科/岡山)ウクライナに対するプーチンの乱暴。(50代 形成外科/北海道)戦争、コロナ、資源高、円安など混乱が続いているから。(40代 精神科/広島)ロシアによるウクライナ侵攻、為替の乱高下などが印象に残っているため。(20代 臨床研修医/香川)コロナ禍やウクライナ情勢、経済的な混乱を目の当たりしたから。(40代 腎臓内科/福岡)■第3位「安」第3位は「安」。全35票のうち27票で理由に挙げられたのが「円安」。一時は32年前の水準と並ぶ1ドル150円台を記録しました。また、7月の参院選で起きた安倍元総理の銃撃事件を挙げた方も見られ、複合的な理由から「安」が上位に入る結果となりました。 「安」を選んだ理由(コメント抜粋)数十年ぶりの円安ドル高、物価上昇など印象に残ったため。(50代 泌尿器科/鹿児島)安倍元総理の事件のインパクトの大きさと安全安心な世界になってほしい気持ちを込めて。(20代 内科/東京)円安が進んでいよいよ日本の国家としての危機が強まったから。(30代 内科/東京)安倍元首相の銃撃事件、急激な円安、安全保障問題など関連することが多いと感じた。(30代 内科/福岡)第4位「禍」昨年はトップだった「禍」ですが、ここにきて第4位に転落。コロナ禍は依然として続いていますが、今年は治療薬や2価ワクチンの登場などもあり、対抗する手段が増えたことで、収束の兆しが見えてきました。 「禍」を選んだ理由(コメント抜粋)医療逼迫にて行政にも振り回される1年となった。(50代 救急科/愛知)コロナが終わらない。(50代 内科/兵庫)コロナ禍は未だ終息せず、ウクライナの戦禍もあったから。(40代 麻酔科/愛知)第5位「耐」第5位は「耐」。オミクロン株の流行の波が何度もやってきた2022年、医療者には引き続き忍耐が強いられました。全国旅行支援のキャンペーンも開始されるなど、日本も解禁ムードに向かっています。来年こそは、これまで我慢していたことをできる日常が戻ってくるといいですね。 「耐」を選んだ理由(コメント抜粋)月並みだけど、コロナ禍で外出(旅行、飲み会など)を我慢してきた。忍耐のみ。(70代以上 膠原病・リウマチ科/神奈川)まだ旅行や宿泊へ行けずに耐えているから。全面解除になったら、ぜひ政府に医療者限定特別旅行期間をもうけてもらわないと、割に合わない。(50代 精神科/石川)値上げや円安で我慢が強いられる年だから。(40代 眼科/大阪)アンケート概要アンケート名『2022年を総まとめ&来年へ!今年の漢字と来年こそ行きたい旅行先をお聞かせください』実施日   2022年11月3日~10日調査方法  インターネット対象    CareNet.com会員医師有効回答数 1,029件

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若年肥満症に対するGLP-1受容体作動薬セマグルチドの効果(解説:小川大輔氏)

 わが国では肥満症の治療としてGLP-1受容体作動薬の使用はまだ認められていないが、欧米では一般によく用いられている。これまでにリラグルチドやセマグルチドなどのGLP-1受容体作動薬の有用性が多数報告されているが、主に成人を対象とした試験であった。今回、若年者(12~18歳)の肥満症を対象とした試験の結果が報告された1)。 この試験は201例の12歳から18歳未満の肥満症を対象に、セマグルチド2.4mgまたはプラセボを投与する群に2対1の割合で無作為に割り付け、週1回皮下投与を行い68週間後のBMIの変化率を評価した。また全例が食事や運動など生活様式への介入を受けた。その結果、試験開始から68週目までのBMIの平均変化量は、プラセボ群(67例)では+0.6%であったのに対し、セマグルチド群(134例)では-16.1%と有意差を認めた(p<0.001)。また5%以上の体重減少の達成割合も、プラセボ群は18%であったが、セマグルチド群は73%と有意に達成割合が高かった(p<0.001)。 肥満症は成人だけでなく小児や青少年でも増加している。高血糖や脂質異常症などの代謝疾患や肝機能障害、さらに睡眠時無呼吸症候群などを併発することが多いため早期からの対策が必要である。生活様式への介入をまず行うが、一般的に効果は弱い。欧州では薬物療法としてリラグルチドが、米国ではリラグルチドに加えて、orlistat、トピラマートが12歳以上の肥満症の治療薬として承認されている。 今回の試験で、肥満のある若年者に対し、週1回セマグルチド2.4mgの皮下投与がBMIや体重を有意に減少し、さらに糖化ヘモグロビン、脂質、肝機能などの代謝パラメーターも改善することが明らかになった。一方、有害事象として消化器症状(悪心、嘔吐、下痢など)はセマグルチド群のほうが多く認められたが、試験の完遂率は90%と高く、おおむね許容できる範囲と推測される。成人だけでなく若年者の肥満症の薬物治療として、セマグルチドの有用性が示されたことは意義深いと思われる。

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アナフィラキシーなどの治療を非専門医向けに/アレルギー総合ガイドライン改訂

 多くの診療科に関係するアレルギー疾患。2022年10月に刊行された『アレルギー総合ガイドライン2022』は、2019年版の全面改訂版だ。各診療ガイドラインのエッセンスを精選して幅広いアレルギー診療の基本をまとめ、前版より大幅なコンパクト化を実現した。編纂作業にあたった日本アレルギー学会・アレルギー疾患ガイドライン委員会委員長の足立 雄一氏(富山大学 小児科学講座 教授)に改訂のポイントを聞いた。重複を削る編集作業で、コンパクト化を徹底――『アレルギー総合ガイドライン』は、各分野のガイドラインや診療の手引きの短縮版を合本してつくられています。これまではそのまま合本していたため、どうしても重複箇所が多くなり、2019年版は700ページを超えました。読者から「読みにくい」「重くて持ち運べない」といった声が出ており、今回はガイドライン委員が全ページに目を通して重複を削る作業をした結果、300ページ近いコンパクト化を図ることができました。――2022年版の編集方針は「総合的に、かつ実用的に」です。章立てを変更し、すべてのアレルギーに共通する「アレルゲン検査」「アレルゲン免疫療法」「アナフィラキシー」の項目に最初の3章を割き、その後に個別疾患の解説が続く、というつくりにしました。――さらに前版の「重症薬疹の診断基準」の章を拡充して「薬物アレルギー」の章を新設しました。ここは前版まで皮膚科の医師だけが執筆していましたが、新たに内科と小児科の医師も執筆に加わり、臨床の場で実際に診ることの多い軽症・中等症の対応にもページを割いています。この1冊でアレルギー全般の診断、治療、管理について最低限知っておくべき知識を得られ、疫学的知識や病態への理解をさらに深めたい方はそれぞれ原本となるガイドラインにあたってもらう、という方針で作成しました。非専門医が主要な想定読者だが、専門医にも有用――読者として想定している層は2つです。メインは日常診療を行う非専門医です。国民の2人に1人がアレルギー性疾患を持つとされ、日常診療を行う医師は誰もがアレルギー診療を避けては通れない状況です。そうした非専門医に向け、アレルギー全般の現在の標準治療がわかる1冊としました。コンパクトにまとまっていることで利便性も増したと思います。さらに、今版からは各章の章末に「専門医への紹介のポイント」という文章を加えており、紹介に迷ったときの指針になると思います。――もう1つの読者層は、アレルギー専門医です。たとえば、私は小児アレルギーが専門ですが、他のアレルギー疾患もある程度まで診られたほうがよいと考えています。というのも、アレルギー疾患は身体の複数の部位に症状が出るケースが多く、たとえば成人喘息の患者さんであれば呼吸器内科にかかり、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎を合併していれば、それぞれ皮膚科と耳鼻科を受診するというケースは少なくないと思います。それぞれが重症であればしかたないでしょうが、いずれかが軽症であれば重症の科の医師が主治医となって他の症状も診ることで患者さんの負担を減らすことができます。本書は、こうした「総合アレルギー専門医(Total Allergist)」の指針ともなる1冊です。――今回の改訂では、これまでの合本の形式から1冊の本へ編集し直す、という大きな方針転換をしました。図表や画像、レイアウト、紙の質まで細かく見直しています。これから集まる読者の感想を聞き、また3年後の改訂につなげたいと思っています。『アレルギー総合ガイドライン2022』定価:5,060円(税込)判型:B5判頁数:419頁発行:2022年10月作成:一般社団法人日本アレルギー学会発行:協和企画https://www.carenet.com/store/book/cg003919_index.html

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気道異物を除去する意外な方法:発想の転換【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第223回

気道異物を除去する意外な方法:発想の転換Pixabayより使用気道異物は、高齢者の場合は歯牙、子供の場合は小さなおもちゃなどの無機物が多いです。気管支鏡を行う呼吸器内科医からすると、ツルツル滑ってなかなか取れない異物が本当に多いです。気道から分泌される粘液には、ムチンやら何やらが含まれていて、異物はツルンツルンになっていますので、鉗子ではまずつかめません。異物除去用の大きな鉗子やバスケット鉗子を使っても、ポロっと脱落することも多いです。Fruchter O, et al.Retrieval of various aspirated foreign bodies by flexible cryoprobe: in vitro feasibility study.Clin Respir J. 2015 Apr;9(2):176-179.さて、呼吸器内科領域には、クライオバイオプシー用の凍結生検プローブがあります。「ちょっと待てよ、異物って凍結すればプローブにくっつくんじゃね?」と考えた人がいました。素晴らしいアイデアです。こ、これは異物界における救世主になるかも…、と著者本人も興奮気味だったことでしょう。この論文はヒトではなく肺モデルを使って、いろいろな異物の凍結特性をex vivoで調べたものです。有機物9種類、無機物9種類の異物を想定して、5秒と10秒の凍結時間で、どのくらいくっつくか試してみました。すると、鶏肉や魚の骨などの有機物は、凍結しやすく、5秒でも問題なくプローブにしっかりくっついて回収できそうな感じでした。しかし、安全ピンやクリップなどの無機物については、凍結してもなかなか接着ができないため、回収が難しい異物が多かったのです。つまり、有機物ならクライオプローブで凍結させれば回収できる、ということです。無機物については課題山積ではありますが、とりあえず有機物気道異物の世界の展望が開けました。ちなみに、当院でも気道異物である豆をクライオプローブで回収したことがあります。含水率が高いものであれば、凍結すればどうにかなりそうです。ちなみに、安全ピンやクリップに対して、磁石を使って異物を除去するという手法も考案されていますが、このあたりはまだ議論の余地があって、無機物気道異物の世界はまだまだ先が長いです。ちなみに、気道異物界に燦然と輝く有名な報告は、過去にも紹介したアサガオを発芽させてしまった子供の症例かと思います。

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母子手帳アプリ『母子モ』で疾患啓発/AZ

 アストラゼネカは、11月28日付のプレスリリースで、母子手帳アプリ『母子モ』を通じた早産児やRSウイルス感染症に関する情報提供を11月11日より開始したことを発表した。 RSウイルスは、2歳までにほとんどの乳幼児が感染するといわれており、早産児や生まれつき肺や心臓などに疾患を抱える乳児では感染すると重症化しやすいとされている。また、正期産であっても生後6ヵ月未満は感染後重症化するリスクが高いため、該当する年齢の乳幼児を持つすべての保護者に疾患情報や感染対策について知ってもらうことが重要である。 今回の取り組みでは、母子手帳アプリ『母子モ』を通じて、妊娠中もしくは該当する年齢の乳幼児を持つ保護者を対象に、アストラゼネカが作成した早産児やRSウイルス感染症に関する情報を提供する。同アプリは、母子健康手帳との併用により、妊娠から子育てまで切れ目ない子育て支援サービスを受けられることが特徴で、全国47都道府県510の自治体で採用されている(2022年11月時点)。 『母子モ』は、妊婦健診など「妊娠中」メニュー、予防接種管理や乳幼児健診の記録、身体発育曲線などの「子育て」メニューを網羅した母子健康手帳機能のほか、子育てイベントやニュースなど地域の子育て情報機能を利用できる。また、本アプリの開発と運営は、生理日予測をはじめとした女性の健康情報サービス『ルナルナ』(2022年2月時点のアプリ累計ダウンロード数1,800万以上)など、モバイルサイトでヘルスケアサービスを提供するエムティーアイの子会社、母子モ株式会社が行っている。なお、今回の取り組みは、i2.JP(アイツードットジェイピー:Innovation Infusion Japan)―「患者中心」の実現に向けて、医療・ヘルスケア業界はどうあるべきか、といった難題の解決策を探るべく発足―というオープンなコミュニティで検討するなかで、『母子モ』を通じた情報提供が可能となった。 アストラゼネカは、「患者中心」の実現を目指すなか、この活動を通じてRSウイルス感染症の効果的な疾患啓発について検討するとともに、母子手帳アプリ『母子モ』で対象となる保護者へのタイムリーかつ適切な情報提供により、早産児やRSウイルス感染症に関する啓発の輪を一層広げていく、としている。

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「肥満」との違いは?肥満症診療ガイドライン改訂

 11月24日に日本肥満学会(理事長:横手 幸太郎氏[千葉大学医学部附属病院長])は、『肥満症診療ガイドライン2022』についてプレスセミナーを開催した。 セミナーでは、肥満症の現況や治療に関する解説と今回刊行されたガイドラインの概要が説明された。また、本ガイドラインは12月2・3日に那覇市で開催される第43回日本肥満学会(会長:益崎 裕章氏[琉球大学大学院 医学研究科 内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座 教授])で発刊される。肥満症とはBMI25以上で何らかの健康障害がある人 はじめに理事長の横手 幸太郎氏が「わが国における肥満症の現況と肥満症診療ガイドライン2022の位置づけ」をテーマに講演を行った。 肥満とは、「脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態」をいい、わが国ではBMI25以上が肥満とされている。その数は、年を経て全世界で増えており、とくにアメリカやアフリカで増加している。 肥満になると糖尿病、高血圧、脂質異常症などの健康障害のほか、膝・腰・足首などへの運動器障害、睡眠時無呼吸症候群などが生じるリスクが高くなる。 そこで、BMIが25以上あり、一定の健康障害(糖尿病、高血圧、脂質異常症、痛風など11項目)がある人を「肥満症」として、医学的に治療が必要な対象者としている(BMI35以上は高度肥満症)。 肥満症の治療は、食事療法、運動療法、行動療法、薬物療法、外科療法と5つの考え方があり、他職種連携によるチーム医療がなされる必要がある。実際、一番身近な保健指導の介入により6ヵ月後のHbA1cは-0.2%減少、中性脂肪は-81.5%減少など改善効果が報告されている1)。 肥満に関して最近のトピックスとしては、若い女性にはBMI18.5未満の「やせ過ぎ」の女性がむしろ増えていることやそのやせ過ぎが将来的に骨粗鬆症や不妊のリスクとなること、高齢者の肥満ではフレイルなどとの関連も考慮し、無理な減量よりも筋肉量維持や増強に心がけることなども指摘されている。 横手氏は終わりに本ガイドラインの目的について「体重を減らすことにメリットがある。『やせるべき人』を選び出す、そして、適切に治療と予防を行うことである」と述べ講演を終えた。小児や高齢者の肥満にも言及 続いて、同学会のガイドライン作成委員会委員長の小川 渉氏(神戸大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌内科 教授)が「肥満症診療ガイドライン2022の改訂のポイント」をテーマに、今回の改訂内容や今後の展望などを解説した。 本ガイドラインは、2006年、2016年と発刊され、今回の2022年版では、主に「肥満症治療の目標と学会が目指すもの」「高度肥満症」「小児の肥満」「高齢者の肥満」「肥満症の治療薬」「コラム」について改訂が行われた。 「肥満症治療の目標と学会が目指すもの」と「高度肥満症」では、肥満症治療指針について「肥満症」と「高度肥満症」とで目標、治療などの治療方針が異なることが記載された。とくに肥満の外科治療の減量・代謝改善手術では保険適用の内容などが改訂された。薬物治療についてはGLP-1受容体作動薬の治験に関して言及され、セマグルチドの68週後の体重変化率についてプラセボ-2.1%に対し、セマグルチド-13.2%と有意な体重減少があったこと、また、本試験が学会の定める肥満症の診断基準に基づいて作成されたプロトコ-ルで実施された試験であることなどが記載されている2)。 「高齢者の肥満」では、日本老年医学会のガイドラインの内容 と統一性を考慮して改訂され、 高齢者肥満症の減量目標をフレイル予防と健康障害発症予防の両者も考慮し「BMI22~25」の範囲とすることが記載され、過剰な減量には留意が必要とされている。 「小児の肥満」では、将来の成長を考慮しBMIではなく、肥満度で判定し、身体面だけでなく、肥満に伴う「いじめ」など生活面への配慮も記載されている。 「肥満症の治療薬」では、「肥満の治療」ではなく、「肥満症の治療」という基本概念のもと、記載の整備と概念を明確化したほか、改訂では製薬企業の開発担当者とも意見交換を行い、評価基準と適応基準は必ず同一ではないことが記載されている。 その他、今回の改訂では「肥満へのスティグマ」についても触れられ、肥満の原因が個人への帰責事由という偏見からくる社会的スティグマと肥満を自分自身の責任とする個人的スティグマへの配慮が述べられている。 最後に小川氏は「肥満症の課題は、認知度がまだ低く、社会的な浸透もメタボリックシンドローム(72.5%)や肥満(81.8%)と比較しても、肥満症(58.3%)は低い。このガイドラインが、診療に役立つだけでなく社会の啓発に寄与することを期待する」と抱負を述べ、レクチャーを終えた。

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【特別インタビュー企画】がん教育が拓く未来~前編

【特別インタビュー企画】がん教育が拓く未来<前編>医師が行う”がん教育”、実際どのように授業を行っているのか?佐々木 治一郎氏(北里大学)、笠井 信輔氏(フリーアナウンサー)出演の特別インタビュー企画<前編>。

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【特別インタビュー企画】がん教育が拓く未来~中編

【特別インタビュー企画】がん教育が拓く未来<中編>”がん教育”で実現できること、医師が携わることの意義とは?佐々木 治一郎氏(北里大学)、笠井 信輔氏(フリーアナウンサー)出演の特別インタビュー企画<中編>。

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isCGMは低血糖予防に有効/京都医療センターほか

 低血糖予防教育に間歇スキャン式持続血糖測定器(intermittently scanned continuous glucose monitoring:isCGM)を用いることで低血糖時間や重症低血糖リスクが低減されることが、村田 敬氏(京都医療センター臨床栄養科)、坂根 直樹氏(同センター臨床研究センター 予防医学研究室長)らの19施設の糖尿病専門医と臨床研究専門家の共同研究により明らかとなった。詳細はDiabetes Research and Clinical Practice誌に11月13日掲載された。isCGMは低血糖予防に役立つツールか 低血糖は、1型糖尿病を持つ人の生活の質を悪化させ、労働生産性を損なうだけでなく、最悪の場合、重大な事故や突然死の原因となることはよく知られていた。しかし、血糖自己測定(SMBG)だけでは、低血糖を予防するには十分ではなかった。村田氏は「isCGMではグルコース値を表示するだけでなく、画面で表すトレンド矢印により血糖変動速度を表示することができる。このトレンド矢印をみて早めに対処することで低血糖時間や重症低血糖リスクが低減したのではないか」と示唆している。 村田氏らのISCHIA研究はインスリンの頻回注射を行っている成人1型糖尿病患者104例を対象に、従来の指先で測る血糖測定器で血糖マネジメントする期間(84日間)とisCGMで血糖マネジメントする期間(84日間)にランダムに割り付けるクロスオーバー試験で行われた。isCGMを使用する患者は、1日10回以上、センサーの表示を確認し、下向きの矢印が出ていて急速に血糖値が低下している状況では、実際に低血糖の症状が出現する前に補食するなどの予防対処をするよう、教育された。isCGMは低血糖リスクを有意に減少 試験を終了した93例のデータが解析され、主要評価項目である低血糖時間(70mg/dL未満)が従来の指先で測る血糖測定器と比べて1日あたり3.1時間(12.9%)から2.4時間(10.1%)に有意に減少することが立証された。また、低血糖指数(LBGI)が5以上の重症低血糖リスクの割合が23.7%から8.6%に減少することがわかった。 本研究について、坂根氏は「isCGMをどの程度活用できたかには個人差があり、センサーのスキャン回数に及ぼす要因やisCGMの費用対効果について検討する必要がある」と述べている。

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