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ファイザーXBB.1.5対応ワクチン、EMAで生後6ヵ月以上に推奨

 米国・Pfizer社とドイツ・BioNTech社は8月30日付のプレスリリースにて、両社のオミクロン株XBB.1.5対応1価の新型コロナワクチン「COMIRNATY Omicron XBB.1.5」について、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、5歳以上に対して、過去の新型コロナワクチンの接種歴の有無にかかわらず単回投与すること、および生後6ヵ月~4歳の小児に対して、過去の接種回数に応じて投与することを推奨したと発表した。欧州委員会(EC)は本推奨を検討のうえ、承認について近く最終決定を下す予定。 本ワクチンの生後6ヵ月~4歳の小児への投与は、初回シリーズ(3回)のうちの一部または3回すべて、もしくは初回シリーズが完了している小児や感染歴のある小児に対しては、追加接種として単回投与することが推奨されている。 CHMPの推奨は、両社の新型コロナワクチンの安全性と有効性を支持するこれまでの臨床試験、非臨床試験、およびリアルワールドデータのエビデンスに基づく。これらのデータには、XBB.1.5対応1価ワクチンが、BA.4/5対応2価ワクチンと比較して、XBB.1.5、XBB.1.16、XBB.2.3を含む複数のXBB亜系統に対してより優れた反応を示す前臨床試験のデータも含まれている。同試験のデータでは、世界保健機関(WHO)によって「注目すべき変異株(VOI)」に指定されているEG.5.1(エリス)に対しても有効性を示すことが認められている。 本XBB.1.5対応1価ワクチンは、米国でも生後6ヵ月以上を対象として米国食品医薬品局(FDA)に申請されており、近く承認が決定される予定。日本を含む世界各地の規制当局にも申請中だ。

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英語プレゼン、数字の基本的な口語表現(6)知って得する豆知識【学会発表で伝わる!英語スライド&プレゼン術】第22回

英語プレゼン、数字の基本的な口語表現(6)知って得する豆知識今回は数字の表現において、知っておくと便利な「豆知識」をご紹介します。知っていなくてもコミュニケーションに支障がないものもありますが、覚えておけば、英語レベルを一段上げることができるはずです。画像を拡大する1)要注意発音:13 vs.30音の似ている“thirteen”、“thirty”。区別のためには、発音する際に「強調する位置」がきわめて重要です(13は後半、30は前半を強調します)。この2つの数字、伝達ミスの原因となりやすいことは広く認識されており、米国人同士の会話でも、比較的ゆっくり、明確に強調を置いて話されることが多いです。また、区別をより明確にするため、“thirteen, which is one-three”などのように、“thirteen”、“thirty”に続けて、一桁ずつ数字を読み上げることもよくあります。2)形容詞としての数字の使用:A 30-year-old man, a 30-minute infusion数字は、形容詞の一部として使用する場合は「単数形」です。日本語では基本的に複数形の概念がなく、「30歳の男性」と「その男性は30歳です」では「30歳」の部分には変化がないので、間違いに気付きにくいようです。複数形にしてしまっても多くの場合は文脈から通じますが、ネイティブには明確に違和感を持たれるので、英語の上級者になれば気を付けたい表現です。3)数字の表記:数字記号vs.単語学会上など英語のフォーマルな場では、「1~9(または10)までは単語で記載」し、「それ以上は数字記号で記載」する、という伝統的なルールがあります。たとえば、“There are 5 patients”ではなく、“There are five patients”と記載し、“There are 11 patients”はそのままです。日本でも米国でも、このルールに固執するベテラン医師はいます。しかし、近年ではなるべく数字記号で記載することが推奨されています。たとえば、医学論文執筆のルールブックとされる『AMA(American Medical Association) Manual of Style 11th edition』(2020年)では、以下のように記載されています。ただ実際は、医学雑誌ごとに推奨方法が異なっており、学会発表スライドは論文ほどにはフォーマルではないため、聴衆が読みやすいと思うほうを選択すればよいと思います。『AMA Manual of Style 11th edition』(2020年)より抜粋詳細は原文を参照Because numerals convey quantity more efficiently than spelled-out numbers, they are generally preferable in technical writing.(数字記号は数量をより効率的に伝達できるため、科学的な執筆においては、文字での記載よりも一般的に好ましい)In scientific writing, numerals are used to express numbers in most circumstances (eg, 5 not five).(科学的な執筆では数字を表現する多くの場合で数字記号が使用される[例:Fiveではなく5])Exceptions are the following:(以下を例外とする:)Numbers that begin a sentence, title, subtitle, or heading(文章、タイトルなどの先頭が数字の場合)Accepted usage, such as idiomatic expressions and numbers used as pronouns(一般に許容されている使用方法、たとえば、イディオムとしての数字表現や、代名詞としての使用)Ordinals first through ninth(1から9までの序数)4)慣習的な表現:1,000 vs.K英語のコミュニケーションでは、しばしば“K”という1文字で1,000を意味することがあります(“kilo”に由来)。論文などのフォーマルな場では避けるべきですが、米国のカルテなどでは多用されていますし、英会話でも、“5,000”を「ファイブ ケー」と読み上げる人も多くいるので、これも知っておいたほうがよい表現です。講師紹介

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日本人成人強迫症患者におけるADHD併発の影響

 これまでの研究において、小児および青年における強迫症と注意欠如多動症(ADHD)との関連が報告されている。しかし、成人における強迫症とADHDとの生涯併発率との関連を調査した研究は、ほとんどなかった。兵庫医科大学の宮内 雅弘氏らは、日本人成人強迫症患者におけるADHDの併発に関連する臨床的および精神病理学的特徴を調査した。Comprehensive Psychiatry誌2023年8月号の報告。強迫症患者93例のADHD生涯併発率は16.1%と推定された 日本人成人強迫症患者93例を対象に、ADHDの生涯併発率を評価した。ADHDの特徴および重症度の評価には、コナーズ成人ADHD 評価スケール(CAARS)日本語版を用いた。ADHDではないがADHD特性レベルが上昇した患者は、調査結果から除外した。ADHDを伴う強迫症患者とADHD特性が認められない強迫症患者における背景プロファイルおよび強迫症状や心理学的検査結果などの臨床的特徴を比較した。さらに、6ヵ月間の治療結果を、両群間でプロスペクティブに比較した。 日本人成人強迫症患者におけるADHD併発に関連する臨床的および精神病理学的特徴を調査した主な結果は以下のとおり。・強迫症患者93例のADHD生涯併発率は、16.1%と推定された。・ADHDを伴う強迫症患者は、ADHD特性が認められない強迫症患者と比較し、以下の特徴が確認された。 ●強迫症の発症年齢が低い ●ためこみ症(hoarding symptom)の頻度が高い ●抑うつ症状や不安症状レベルが高い ●QOL低下 ●衝動性レベルが高い ●物質依存症や行動依存症の割合が高い ●うつ病の割合が高い・ADHDを伴う強迫症患者は、ADHD特性が認められない強迫症患者よりも、強迫症に対する標準的治療6ヵ月後の Yale-Brown Obsessive Compulsive Scale(Y-BOCS)平均改善率が有意に低かった(16.1% vs. 44.6%)。 著者らはこの結果から、「ADHDの併発は、成人強迫症患者の臨床的特徴や治療アウトカムに重大な影響を及ぼす可能性が示唆された。強迫症患者の全体的な臨床症状の重症化や治療抵抗性を引き起こす因子として、ADHDの根底にある病理学的特徴が関与している可能性があることを考慮することが重要である。このような患者の治療戦略を検討するには、さらなる研究が必要である」と述べている。

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ソリリス、小児の全身型重症筋無力症患者に対する追加承認を取得/アレクシオン

 アレクシオンファーマは、ソリリス点滴静注300mg(一般名:エクリズマブ[遺伝子組換え]、以下「ソリリス」)が日本において、免疫グロブリン大量静注療法(IVIG)または血液浄化療法(PLEX)による症状の管理が困難な抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体陽性の全身型重症筋無力症(gMG)の小児患者の治療に対する用法および用量の追加承認を、8月23日付で取得したと発表した。ソリリスが小児の難治性gMG患者に臨床的有効性を示した gMGは、筋機能および重度の筋力の低下を特徴とする希少な自己免疫疾患である。gMG患者の80%は抗AChR抗体陽性であり、神経細胞と筋肉の接着部である神経筋接合部(NMJ)のシグナル受容体に特異的に結合する自己抗体(抗AChR抗体)を産生する。この結合は、感染に対する身体の防御に不可欠な補体系を活性化し、免疫システムによるNMJの破壊が引き起こされる。これにより炎症が起こり、脳と筋肉との情報伝達の遮断につながる。gMGはどの年齢でも起こりえるが、最も一般的には40歳以下の女性および60歳以上の男性にみられる。初期症状には、構音障害、複視、眼瞼下垂、バランスの喪失などがあり、病気が進行すると、嚥下障害、息苦しさ、極度の疲労、呼吸不全など、より重篤な症状につながる可能性がある。 ソリリスは、小児および青年患者のgMGの治療薬として、日本で初めて承認された唯一の分子標的治療薬である。今回のソリリスの追加承認は、難治性gMGの小児患者を対象とした、ソリリスの第III相臨床試験の結果に基づいている。本試験では、免疫抑制療法が無効で重大な疾患症状が消失せず持続している難治性gMGの小児患者において、ソリリスの臨床的有効性が示された。ソリリスは、主要評価項目である定量的重症筋無力症(QMG)総スコア(疾患の重症度と運動機能を医師が評価する尺度)のベースラインから26週目までの変化に有意な改善を示した(-5.8[95%CI:-8.4~-3.13]、p=0.0004)。 東京女子医科大学小児科の石垣 景子氏は、「gMGの小児患者の治療において、利用できる免疫抑制薬などの現行の治療法では、疾患の進行に伴い、十分に症状をコントロールできない場合もあるなど課題があった。このたびの日本におけるソリリスの小児の適応拡大は、gMGの治療におけるC5補体阻害剤の効果を示すものであり、小児患者が運動機能を維持し、重篤な症状を軽減する可能性のある新たな治療選択肢を提供する」と述べている。また、Alexion(米国)のマーク・デュノワイエ最高経営責任者(CEO)は、「gMGと共に生きる小児患者は、標準治療に反応しなくなり、運動機能、会話、呼吸に影響を及ぼす症状が継続することがある。当社のファースト・イン・クラスのC5補体阻害剤であるソリリスは、小児患者の症状や家族の生活の質を改善する可能性がある。日本においてgMGの小児患者のコミュニティーに、最初で唯一の分子標的治療薬を届けることを誇りに思っている」と語っている。

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妊娠30~34週の硫酸Mg、児の死亡・脳性麻痺を抑制するか/JAMA

 妊娠30週未満の出産前の妊婦に、硫酸マグネシウムを静脈内投与すると、児の死亡と脳性麻痺のリスクが低下することが知られているが、30週以降の効果は不明とされていた。ニュージーランド・オークランド大学のCaroline A. Crowther氏らは、「MAGENTA試験」において、妊娠30~34週に硫酸マグネシウムを投与しても、プラセボと比較して、2年後における児の脳性麻痺のない生存の割合は改善しないことを示した。研究の詳細は、JAMA誌2023年8月15日号に掲載された。オーストラリアとニュージーランドの無作為化臨床試験 MAGENTA試験は、オーストラリアとニュージーランドの24の病院で実施された無作為化臨床試験であり、2012年1月~2018年2月に参加者の登録を行った(オーストラリア国立健康・医学研究評議会などの助成を受けた)。 対象は、妊娠30~34週の期間に早産のリスクがあり、単胎または双胎妊娠で、出産が予定されているか、24時間以内に確実に出産が予測される妊婦であった。被験者を、硫酸マグネシウム(4g)またはプラセボを30分で静脈内投与する群に無作為に割り付けた。 主要アウトカムは、児の補正年齢2歳時までの死亡(死産、退院前の生児の死亡、退院後の補正年齢が2歳になる前の死亡)または脳性麻痺(小児科医の評価による運動機能の喪失、筋緊張と筋力の異常)とした。副次アウトカムは、妊婦と児の健康を評価する36の項目であった。 1,433例(平均年齢30.6[SD 6.6]歳、白人67.4%)の妊婦を登録し、硫酸マグネシウム群に729例、プラセボ群に704例を割り付けた。その児1,679例(マグネシウム群 858例、プラセボ群821例)のうち1,365例(691例、674例)が主要アウトカムの解析に含まれた。イベント発生率(3.3% vs.2.7%)は予測より低い 補正年齢2歳時の死亡または脳性麻痺の発生率は、硫酸マグネシウム群が3.3%(23/691例)、プラセボ群は2.7%(18/674例)であり、両群間に有意な差を認めなかった(リスク差:0.61%[95%信頼区間[CI]:-1.27~2.50]、補正後相対リスク[RR]:1.19[95%CI:0.65~2.18]、p=0.57)。 死亡は、硫酸マグネシウム群が1.4%(12/837例)、プラセボ群は0.9%(7/796例)で認められ(リスク差:0.48%[95%CI:-0.62~1.58]、補正後RR:1.50[95%CI:0.58~3.86]、p=0.40)、脳性麻痺は、それぞれ1.6%(11/679例)、1.7%(11/667例)で発現し(-0.03%[-1.39~1.33]、0.98[0.43~2.23]、p=0.96)、いずれも両群間に有意差はみられなかった。 出生時の入院期間中の新生児では、プラセボ群に比べ硫酸マグネシウム群で呼吸窮迫症候群(34%[294/858例]vs.41%[334/821例]、補正後RR:0.85[95%CI:0.76~0.95]、p=0.01)、慢性肺疾患(5.6%[48/858例]vs.8.2%[67/821例]、0.69[0.48~0.99]、p=0.04)などの発生率が低かった。 出産時の入院期間中の妊婦では、重篤な有害事象は発現しなかったが、注射による有害事象の頻度はプラセボ群に比べ硫酸マグネシウム群で高かった(77%[531/690例]vs.20%[136/667例]、補正後RR:3.76[95%CI:3.22~4.39]、p<0.001)。注射による主な有害事象は、悪心、嘔吐、ほてり、注射を受けた腕の痛み、口腔乾燥、めまい、霧視などであった。 また、帝王切開による分娩を経験した妊婦は、硫酸マグネシウム群のほうが少なかった(56%[406/729例]vs.61%[427/704例]、補正後RR:0.91[95%CI:0.84~0.99]、p=0.03)。一方、産後に大出血を発現した妊婦は、硫酸マグネシウム群で多かった(3.4%[25/729例]vs.1.7%[12/704例]、1.98[1.01~3.91]、p=0.05)。 著者は、「妊娠30~34週での硫酸マグネシウム投与に効果がなかった理由は不明である」としている。また、「本試験では、死亡と脳性麻痺のイベント発生率が予測よりも低かったため、死亡または脳性麻痺のリスクにおける、小さいものの潜在的に重大な差の検出力が不足していたと考えられる」と指摘している。

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アロマターゼ欠損症〔AD:Aromatase Deficiency〕

1 疾患概要■ 定義エストロゲン合成酵素(アロマターゼ)の活性欠損・低下により、エストロゲン欠乏とアンドロゲン過剰とによる症状を呈する遺伝性疾患である。染色体核型が女性型の場合は、性分化疾患(46,XX DSD)に分類される。生理的にエストロゲン合成が亢進する妊娠中と思春期~性成熟期に症状が顕性化する。女性患者と男性患者とで表現型が異なる。■ 疫学10万人に1人以下のまれな疾患である。これまでに30家系50人を超える患者が報告されている。当初はヨーロッパとヨーロッパからアメリカ大陸への移民者の報告が多かったが、最近ではアジア(中国やインド)からの報告も増えている。わが国からの報告はこれまでのところ1例のみである。■ 病因アロマターゼは、アンドロゲンを基質としてエストロゲンを産生する酵素である。アロマターゼ活性欠損により、エストロゲンが産生されずアンドロゲンが蓄積する。その結果、女性でエストロゲンの欠乏と男性ホルモンの過剰による症状が生じる。これに対し、男性ではエストロゲン欠乏による症状のみが生じる。■ 症状1)胎児ヒト胎児副腎は大量の副腎性アンドロゲン(dehydroepiandrosterone)を産生し、これが胎盤(胎児に由来する)のアロマターゼによりエストロゲンに転換される。胎児がアロマターゼ欠損症の場合には、アンドロゲンが蓄積して母体と胎児に男性化が生じる。胎児が女性の場合は、外性器が男性化する。母体では、妊娠中に男性化症状が増悪し、分娩後に軽快する。残存するアロマターゼ活性が1%を越えると、母体に男性化はみられないとされる。2)女性エストロゲンによって生じる二次性徴(初経や乳腺発育・女性型の皮下脂肪など)は欠如する。しかし、活性低下が軽い変異を有する症例では、初経発来や規則月経を呈することがある。エストロゲン補充が行われていない女性では、リモデリングの亢進を示す骨粗鬆症が認められる。女児では、外性器の男性化(Prader 分類II~IV/IV)が全例に認められる。ゴナドトロピンが上昇する前思春期頃から、卵巣に多房性嚢胞(一部は出血性)をみることがある。活性低下の強い症例(truncated type)では索状性腺をみることがある。3)男性男性患者では、出生時に症状はない。思春期に生理的な身長急伸を欠如するとともに、その後の伸長停止(骨端閉鎖)も欠如するのが特徴である。本来伸長が停止する16歳頃を過ぎても身長が伸び続け、高身長(時に2mを超える)・骨粗鬆症となって20歳台後半で診断される例が多い。しばしば、外反膝・類宦官症体型が認められる。肥満、内臓脂肪の増加、インスリン抵抗性、脂質異常症などの代謝異常を示すことも少なくない。また、巨精巣症・小精巣の報告もある。精子数減少を示唆する報告もあるが妊孕性の喪失はない。■ 分類初期の報告例は、アロマターゼ活性低下が高度でエストロゲンがほぼ欠損し、二次性徴を完全に欠如する症例(古典型)であった。その後、エストロゲン欠乏が軽度で、乳腺発育や月経発来といった二次性徴が部分的にみられる症例(非古典型)が報告された。遺伝子変異をtruncated variantsとnon-truncated variantとに分けて検討し、前者ではエストロゲン欠乏に関連する症状(原発性無月経や索状性腺)が強く、後者では症状が軽いとする報告もある。■ 予後本症の長期予後については不明であるが、これまでの情報を総合すると生命予後に直接影響を与えないと思われる。その一方で、エストロゲン低下に伴って生じる骨粗鬆症や脂質異常症などの代謝異常に対して、適切な管理を行い予防する必要がある。アロマターゼ活性低下の強い症例では、女性の妊孕能は低下する。活性低下の軽い症例の女性の妊孕性については不明である。男性患者では妊孕性の低下はみられない。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)■ 臨床症状1)女性女性患者では、本症と診断されないまま無月経に対してエストロゲン投与が継続されていることがあり、その場合、臨床症状から本症を想定することは困難である。患児が本症に罹患している場合、妊娠中に母体の進行性男性化(活性低下の軽い例では欠如)と胎児外陰の男性化(全例にみられる)が診断の手掛かりになる。妊娠母体の男性化は、P450酸化還元酵素欠損症や妊娠黄体腫(母体卵巣)にもみられ鑑別が必要である。P450酸化還元酵素欠損症では、アロマターゼのほか複数のステロイド産生酵素の活性も低下し、性ステロイド以外のホルモンによる症状が出現する。2)男性妊娠母体の男性化症状とエストロゲン低値から胎児の罹患が疑われて、出生後早期に診断された男性患者も報告されているが、実際に出生時に診断される例は少ない。弟妹の女性発端者が手がかりとなって診断されることもある。思春期以降に身長の伸びが止まらず、高身長となって成人期に初めて診断されることが多い。思春期の身長急伸の欠如、成人期の骨端線閉鎖の欠如、高身長、骨粗鬆症が、本症を推定する手がかりとなる。肥満、内臓脂肪の増加、インスリン抵抗性、脂質異常症などの代謝異常の合併も診断の参考となる。■ ホルモン検査1)女性ゴナドトロピン値(FSH、LH)は成人に至るまで一貫して高値を示す。とくにFSH優位の高値を示すのが特徴である。一般に、出生後数週~6ヵ月頃にかけて、視床下部下垂体性腺系は生理的活性化(mini-puberty)を示し、ゴナドトロピンは一過性に上昇する。その後、視床下部下垂体性腺系は強く抑制される時期に入り、ゴナドトロピンは低値となる。前思春期に入ると抑制が徐々に解除され、ゴナドトロピンは上昇に転ずる。アロマターゼ欠損症のゴナドトロピンも同様の二相性変動を示すが、常に同年齢対照より高値を示す。アンドロゲン値も同年齢対照者より高く、同様の二相性の変動を示す。血中エストラジオールは一貫して同年齢対照より低値を示すが、基準域に近い値を示す症例もみられる。測定感度の問題もあり、エストラジオール単独での診断は難しい。FSH値の上昇は、エストロゲン欠乏や表現型の強さを反映し治療効果の指標になる可能性がある。2)男性FSHが高値を示す例は男性では60%で女性よりFSHの診断意義は低い。E2が測定感度以下となるのは男性患者の80%であり、除外診断には注意を要する。LHが高値を示す例は20%、Tが高値となるのは30%と少なく、除外診断には使いにくい。■ 遺伝子型本症の確定診断には、15q21.2にあるCYP19A1に活性喪失変異(loss-of-function mutation)を同定する。これまでに、1塩基置換によるミスセンス変異、ナンセンス変異、スプライシング異常の他、1〜数塩基の欠失や挿入などさまざまな変異が報告されている。ヘテロは無症状で、ホモまたは複合ヘテロで症状が認められ、常染色体潜性(劣性)遺伝を示す。変異は酵素活性に関連するエクソン9に比較的多く認められるが、エクソン2を除きすべてのエクソンにほぼ均等に認められる。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)根本的な治療法はない。欠乏するエストロゲンによる諸症状・疾病の発生を予防するために長期のエストロゲン補充が行われる。■ 46,XX DSDほとんどが女性として育てられている。性自認は女性である。外陰形成術が施行される。性腺摘除が併施されることもある。二次性徴や骨量の獲得と維持を目的にエストロゲン(子宮を有する性成熟期女性ではプロゲスチンを併用)投与を行う。エストロゲン投与により、血清ゴナドトロピン値が正常化し、卵巣嚢胞は消失する。骨量も増加する。■ 46,XY最終身長の適正化と骨量増加・骨粗鬆症の予防を目的にエストロゲン投与を行う。思春期前からの治療では、少量のエストロゲン投与から開始し、漸増させて生理的時期での骨端閉鎖を促す。骨端閉鎖後は、経皮的にエストラジオール25μg/日を生涯にわたって投与する。思春期症例にエストロゲンを投与すると、身長の急伸、骨端閉鎖、骨量の増加といった生理的骨成長と同様の変化が認められる。成人では維持量の投与により、ゴナドトロピン値の正常化、脂質異常の改善、インスリン抵抗性の改善なども期待できる。4 今後の展望本症の発見は、骨におけるエストロゲンの生理的役割などの解明に大きく貢献した。エストロゲン補充により、症状の多くは軽減されるが、女性患者の妊孕性については回復が認められていない。本症の患者数は少なく、系統的な研究が困難である。5 主たる診療科内科、小児科、婦人科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報小児慢性特定疾病情報センター アンドロゲン過剰症(ゴナドトロピン依存性思春期早発症及びゴナドトロピン非依存性思春期早発症を除く)アロマターゼ欠損症は、小児慢性特定疾病対策事業においてアンドロゲン過剰症(ゴナドトロピン依存性思春期早発症およびゴナドトロピン非依存性思春期早発症を除く)の原因疾患の1つに包含されている。(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)Shozu M, et al. J Clin Endocrinol Metab. 1991;72:560-566.2)Singhania P, et al. Bone Reports. 2022;17:101642.3)Stumper NA, et al. Clin Exp Rheumatol. 2023;41:1434-1442.4)Rochira V,et al. Nature Reviews Endocrinology 2009;5:559-568.公開履歴初回2023年8月29日

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モモアレルギー、生か加工品かで対応は異なる!【乗り切れ!アレルギー症状の初診対応】第8回

モモアレルギー、生か加工品かで対応は異なる!講師藤田医科大学 ばんたね病院 小児科 講師 森 雄司 氏【今回の症例】17歳の男性。過去に食物アレルギーによる症状が誘発された経験はない。海外在住歴はない。最近、給食で桃ゼリーを食べて蕁麻疹、咳が出るエピソード、モモの缶詰を食べて蕁麻疹が出るエピソードを経験した。最も考えられる原因アレルゲンはどれか。1.Pru p 1(PR-10)2.Pru p 3(LTP)3.Pru p 4(プロフィリン)4.Pru p 7(GRP)

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過去10年間、日米間の抗がん剤ドラッグラグはどのくらいか

 抗がん剤の日米間のドラッグラグに関する既存の研究や統計では、ドラッグラグは減少したとするものもあるが、一方で日本では未承認の薬剤が多く残されている。北里大学の立花 慶史氏らは、未承認薬がドラッグラグに与える影響を定量化することを目的とした研究を行い、結果をInternational Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2023年8月10日号に報告した。 本研究では、2011~22年の間に米国で承認された抗がん剤136品目の情報が収集された。米国での承認日から日本での承認日までの日数として定義される承認ラグをすべての選択された薬剤について算出し、中央値をKaplan-Meier法で算出した。なお、日本で承認されていない医薬品の承認ラグについては、打ち切りデータとして扱った。承認ラグと関連する可能性のある因子を、Cox回帰分析を用いて検討した。 主な結果は以下のとおり。・前半期(2011~16年)と後半期(2017~22年)の承認ラグの中央値は、それぞれ961日(2.6年)と1,547日(4.2年)であった(log-rank検定のp=0.0687)。・国際的なピボタル試験への日本の参加は承認ラグ短縮と関連し、世界的な売上高トップ20にランクインしていない非日系企業の新薬承認申請は承認ラグ延長と関連した。 著者らは結論として日米間の抗がん剤のドラッグラグはこの10年間減少していないとし、米国での承認に関わるピボタル試験における日本の参加割合は増加しており、今後さらに増加が見込まれることに言及。今後は、中小の非日系企業による国際的な臨床開発計画への参加を促す制度が必要なのではないかとしている。

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若者のうつ病・不安症、未治療での1年後の回復率~メタ解析

 抑うつ症状や不安症状を有する若者に対し、特別なメンタルヘルス介入を行わなかった場合の1年後の回復率は、どの程度か。英国・ロンドン大学クイーンメアリー校のAnna Roach氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析を実施し、これを明らかにしようと試みた。その結果、不安や抑うつ症状を有する若者の約54%は、特別なメンタルヘルス介入を行わなくても回復することが示唆された。BMJ Open誌2023年7月21日号の報告。 1980年~2022年8月に公表された論文をMEDLINE、Embase、PsycINFO、Web of Science、Global Healthよりシステマティックに検索した。特別な介入を行わなかった10~24歳の若者を対象に、ベースラインおよびフォローアップ1年後の抑うつ症状および不安症状を評価した査読済みの英語論文を対象とした。3人のレビュアーにより関連データを抽出した。メタ解析を実施し、1年後の回復率を算出した。エビデンスの質は、Newcastle-Ottawa Scaleを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・スクリーニングされた参考論文1万7,250件のうち5件(1,011例)をメタ解析に含めた。・1年間の回復率は、47~64%の範囲であった。・メタ解析では、全体をプールした若者の回復率は0.54(0.45~0.63)であった。・今後の研究において、回復の予測因子や回復に寄与するリソース、活動を調査する必要がある。

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外来・入院・集中治療別マネジメントを記載、COVID-19診療の手引き第10.0版/厚労省

 厚生労働省は8月21日、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第10.0版」を公開し、全国の自治体や関係機関に通知した。2023年2月に公開された「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第9.0版」以来、5類移行後初めての改訂となる本版は、オミクロン株に置き換わって以降の国内外の知見が反映され、よりコンパクトな内容になっている。とくに外来診療にも役立てられるよう、COVID-19診療の手引きの第4章では、前版までは重症度別に記載されていたマネジメントが、「外来診療」「入院診療」「集中治療」別にまとめなおされ、「外来診療」の項目には、成人の外来診療における抗ウイルス薬の選択フロー図が示された。また、COVID-19診療の手引きを基に「COVID-19 外来診療の基礎知識」の表も公開された。COVID-19診療の手引きに抗ウイルス薬の選択フロー図を追加 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第10.0版」の主な改訂点は以下のとおり。太字は5類移行に関連する改訂点。【1 病原体・発生状況】・病原体/発生状況を更新【2 臨床像】・臨床像に第9.0版の胸部画像所見、合併症の内容を追加し、更新・重症化リスク因子/小児例の特徴/妊婦例の特徴を更新・COVID-19ワクチンに関する説明を追加【3 診断・サーベイランス】・症例定義に関する記載を削除・検体と採取法を説明する表を追加・届出に関する記載を参考として更新 [参考]定点医療機関における届出基準 2023年5月8日より、COVID-19は、流行の状況や症状等を鑑み、感染症法上の位置づけを見直し、5類感染症に位置づけ、インフルエンザと同様、診療科名に内科・小児科を含む指定届出機関による届出対象疾病に追加された。したがってCOVID-19指定届出機関の管理者が届出基準を満たした患者を診断した場合に届出を行うこととなった。【4 重症度分類とマネジメント】・序文、重症度分類/高齢者の管理/小児の管理/妊産婦の管理を更新・重症度別に記載していたマネジメントを「外来診療」「入院診療」「集中治療」にまとめなおし、内容を更新・G-MISを活用した入院調整に関する説明を参考として追加【5 薬物療法】・抗ウイルス薬/中和抗体薬/免疫抑制・調節薬/妊婦に対する薬物療法を更新・オミクロン流行期以降に実施された臨床研究の表、抗ウイルス薬の選択フロー図を追加・日本国内で開発中の主な薬剤を削除し、国内外で開発が中止された主な薬剤を更新 【6 院内感染対策】・序文/職員の健康管理、個人防護具/妊婦および新生児への対応/死後のケアを更新・病理解剖業務における感染対策/医療従事者の就業制限を追加 [参考]医療従事者の就業制限 5類移行後は感染症法に基づく就業規制は行われないが、国は医療機関や高齢者福祉施設等に対して、COVID-19に罹患した従事者の就業制限を考慮するよう呼びかけている。位置づけ変更後の新型コロナ患者の療養の考え方(発症日を0日目として5日間、かつ解熱および症状軽快から24時間経過するまでは外出を控えることが推奨される)等を参考に、罹患した者の体調や業務内容、地域の流行状況、事業継続性等を総合的に判断して、施設ごとに対応することが求められている。・退院基準、解除基準(第9.0版)の内容を感染予防策を実施する期間として更新 [参考]感染予防策を実施する期間 医療施設内で感染予防策を実施する期間(隔離期間)の基準は示されていないが、新型インフルエンザ等感染症に指定されていた際の退院基準を参考にするなど、医療機関ごとに対応が求められる。

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英語で「再確認しましょう」は?【1分★医療英語】第94回

第94回 英語で「再確認しましょう」は?Is this dose correct?(この用量で大丈夫でしたか?)Let’s double-check.(再確認してみましょう)《例文1》医師Have you sent this medication to their pharmacy?(この薬を患者さんの薬局に処方してありますか?)看護師Yes, but let me double-check.(はい、でも再確認しますね)《解説》“double-check(double check)”の表現を学びましょう。これは医学以外でも幅広く使われる英語表現なので、すでに知っている方も多いと思います。日本語でも「ダブルチェック」という言葉はそのまま使われますよね。ただ、日本の医療現場で「ダブルチェック」と言ったとき、「2人が同時にチェックする」という意味で使われることが多いかと思います。英語の場合はちょっとニュアンスが異なります。ケンブリッジ辞典では、“To make certain that something is correct or safe, usually by examining it again.”(もう一度調べることによって、何かが正しいのか問題がないのかを確認すること)と記載がありますが、「正しいかどうかを、チェックすることで確かめる」といったような意味になります。“double-check”を聞かない日はないくらい、医療現場で頻用されている表現です。意味としてはほぼ同じなのですが、さらに“extra”な表現として“double-check”の上の“triple-check”なんて言うこともあります。講師紹介

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外傷の処置(2)擦過創【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q80

外傷の処置(2)擦過創Q80夜間外来もある当直バイト中、とくに既往のない3歳男児が右膝擦過傷で母に抱き抱えられ受診した。家族で散歩中に急に駆け出し、前のめりに転んだようだ。とくに失神や意識障害を示唆する病歴はなく、幸い他の部位に明らかな外傷はない。膝の擦過傷は40×50mm程度に及び、深さは1~2mm程度と浅いが、砂の付着がみられ汚染が強い。患児は痛みで泣き散らかしている。どのように麻酔をする?

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学校でのコロナ感染対策、マスクとワクチン完全接種が有用

 学校の生徒と職員を対象に、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の学校内での感染リスクについて、2年間の接触追跡データに基づいた調査が、米国・マサチューセッツ総合病院のSandra B. Nelson氏らの研究チームによって行われた。その結果、学校生活において、マスクの使用状況やワクチン接種状況、校内の活動や地域の社会的状況など、感染リスクが高くなる要因が明らかになった。JAMA Health Forum誌2023年8月4日号に掲載の報告。 本調査は、マサチューセッツ州の幼稚園から中等教育までの学校を対象に、2020年秋~21年春学期(F20/S21、従来株の優勢期)および2021年秋学期(F21、デルタ株の優勢期)の2つの期間にわたって行われた。F20/S21は70校3万3,000人以上、F21は34校1万8,000人以上が参加した。学校内でSARS-CoV-2に2次感染した割合をSAR(Secondary Attack Rate)と定義した。SARは検査によって確認された値で算出した。感染と関連する可能性のある要因(学年、マスクの着用、曝露した場所、ワクチン接種歴、社会的脆弱性指数[SVI]など)について、ロジスティック回帰モデルを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・F20/S21期での学校関連SARは2.2%、F21期での学校関連SARは2.8%となり、両期間ともに低かった。・F20/S21期では、昼食時(未調整SAR:11.1%)、初発症例者と接触者の両方がマスクを着用していない(11.7%)、学校内での至近距離での接触(18.2%)の場合に、SARが有意に高かった。・F21期では、高学年や職員よりも低学年(未調整SAR:4.6%)、教室内での曝露(3.4%)、接触者がTTSプログラム(毎日の迅速抗原検査)に参加していない場合や、接触者がワクチン接種未完了(5.3%)もしくは未接種(3.6%)、および指標症例が未接種(3.5%)である場合に、SARが有意に高かった。社会的脆弱性指数(SVI)スコアが高いほどSARも高かった(8.0%)。・多変量解析では、F20/S21期において、マスクの着用は、マスクを着用しない場合と比較して、伝播のオッズが低かった(オッズ比[OR]:0.12、95%信頼区間[CI]:0.04~0.40、p<0.001)。・F21期では、教室内の曝露は、教室外の曝露と比較して、伝播のオッズが高かった(OR:2.47、95%CI:1.07~5.66、p=0.02)。ワクチンを完全に接種した接触者は、未接種と比較して、オッズが低かった(OR:0.04、95%CI:0.00~0.62、p<0.001)。・F20/S21期とF21期の両期間とも、SVIスコアが高い地区ほど、伝播のオッズが高かった。 著者らは本結果について、「SVIスコアの高い低所得地域では、教室の密度が高くなる可能性があり、感染リスクが高くなることが示された。感染リスクの高い地域には、感染対策のためのリソースをより多く配分することで、健康と教育の格差を減少させることができるかもしれない」としている。

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ネモリズマブ、6~12歳のアトピー性皮膚炎にも有用

 ネモリズマブは、アトピー性皮膚炎(AD)に伴うそう痒を有し、外用薬や経口抗ヒスタミン薬で効果不十分な6~12歳の小児患者にとって、新たな治療選択肢となる可能性が示された。いがらし皮膚科東五反田院長(前NTT東日本関東病院 皮膚科部長)の五十嵐 敦之氏らが、6~12歳の日本人AD患者を対象に行った第III相多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果を報告した。ヒト化抗IL-31受容体Aモノクローナル抗体ネモリズマブは、13歳以上のAD患者において外用薬との併用でそう痒を軽減し、QOLを改善することが示されていたが、13歳未満のAD患者における有効性および安全性に関するデータは不足していた。British Journal of Dermatology誌オンライン版2023年7月31日号掲載の報告。ネモリズマブによるそう痒の改善は投与2日目から観察された 研究グループは、ADに伴う中等度~重度のそう痒を有し、外用薬や経口抗ヒスタミン薬で効果不十分な6~12歳の日本人小児患者を対象とした試験を2020年9月より実施し、外用薬との併用投与によるネモリズマブの有効性と安全性を評価した。 被験者を1対1の割合で無作為にネモリズマブ30mgを投与する群(ネモリズマブ群)またはプラセボを投与する群(プラセボ群)に割り付け、4週ごとに投与し、16週間追跡比較した。 ネモリズマブの有効性の主要エンドポイントは、かゆみスコア(範囲:0~4、点数が高いほどそう痒が重度、3点以上を効果不十分と定義)の週平均値のベースライン時から16週時までの変化とした。ネモリズマブの有効性の副次エンドポイントは、そう痒(かゆみスコアのベースライン時から2週時までの変化、16週時における1点以下の達成率など)、AD指標(Eczema area and severity index[EASI]のベースライン時から16週時までの変化など)およびQOLであった。安全性は、有害事象および臨床検査値によって評価した。 ネモリズマブの有効性と安全性を評価した主な結果は以下のとおり。・合計で89例が無作為化され試験を完了した(ネモリズマブ群45例、プラセボ群44例)。・ベースライン時のネモリズマブ群とプラセボ群の患者特性は類似していた。被験者の平均年齢(標準偏差[SD])は9.1歳(1.9)、AD平均罹病期間(SD)は8.5年(2.7)であった。・かゆみスコアのベースライン時から16週時までの変化は、ネモリズマブ群-1.3点、プラセボ群-0.5点であり、ネモリズマブ群がプラセボ群と比較して有意に改善した(最小二乗平均差:-0.8、95%信頼区間[CI]:-1.1~-0.5、p<0.0001)。・ネモリズマブによるそう痒の改善は、投与2日目から観察された。・副次エンドポイントについても、ネモリズマブ群が良好であった。・投与中止に至った有害事象は報告されなかった。また、6~12歳のAD患者における安全性プロファイルは、13歳以上のAD患者におけるものと一貫していた。

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12歳から使用可能な経口の円形脱毛症治療薬「リットフーロカプセル50mg」【下平博士のDIノート】第127回

12歳から使用可能な経口の円形脱毛症治療薬「リットフーロカプセル50mg」今回は、JAK3/TECファミリーキナーゼ阻害薬「リトレシチニブ(商品名:リットフーロカプセル50mg、製造販売元:ファイザー)」を紹介します。本剤は、12歳以上の小児から使用できる円形脱毛症治療の経口薬であり、広い患者におけるQOL向上が期待されます。<効能・効果>円形脱毛症(ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)の適応で、2023年6月26日に製造販売承認を取得しました。本剤投与開始時に、頭部全体のおおむね50%以上に脱毛が認められ、過去6ヵ月程度毛髪に自然再生が認められない患者に投与します。<用法・用量>通常、成人および12歳以上の小児には、リトレシチニブとして50mgを1日1回経口投与しますなお、本剤による治療反応は、通常投与開始から48週までには得られるため、48週までに治療反応が得られない場合は投与中止を考慮します。<安全性>1%以上に認められた臨床検査値異常を含む副作用として、悪心、下痢、腹痛、疲労、気道感染、咽頭炎、毛包炎、尿路感染、頭痛、ざ瘡、蕁麻疹が報告されています。なお、重大な副作用として、感染症(帯状疱疹[0.9%]、口腔ヘルペス[0.8%]、単純ヘルペス[0.5%]、COVID-19[0.2%]、敗血症[0.1%]など)、リンパ球減少(1.6%)、血小板減少(0.3%)、ヘモグロビン減少(0.2%)、好中球減少(0.2%)、静脈血栓塞栓症(頻度不明)、肝機能障害(ALT上昇[0.9%]、AST上昇[0.5%])、出血(鼻出血[0.5%]、尿中血陽性[0.1%]、挫傷[0.1%]など)が設定されています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、脱毛の原因となる免疫関連の酵素の働きを抑えることで、円形脱毛症の症状を改善します。2.免疫を抑える作用があるため、発熱、寒気、体のだるさ、咳の継続などの一般的な感染症症状のほか、帯状疱疹や単純ヘルペスなどの症状に注意し、気になる症状が現れた場合は速やかにご相談ください。3.本剤を使用している間は、生ワクチン(BCG、麻疹・風疹混合/単独、水痘、おたふく風邪など)の接種ができないので、接種の必要がある場合は医師にご相談ください。4.妊婦または妊娠している可能性がある人はこの薬を使用することはできません。妊娠する可能性のある人は、この薬を使用している間および使用終了後1ヵ月間は、適切な避妊を行ってください。5.ふくらはぎの色の変化、痛み、腫れ、息苦しさなどの症状が現れた場合は、すぐに医師にご連絡ください。<Shimo's eyes>円形脱毛症は、ストレスや疲労、感染症などをきっかけとして、自己の免疫細胞が毛包を攻撃することで脱毛症状が起こる疾患です。急性期と症状固定期(脱毛症状が約半年超)に分けられ、急性期で脱毛斑が単発または少数の場合には発症後1年以内の回復が期待できます。一方、急性期後に自然再生が認められず、脱毛症状が継続する重症の円形脱毛症では回復率は低いとされ、診療ガイドラインには局所免疫療法や紫外線療法などの治療が記載されていますが、より簡便で効果的な治療法が求められていました。本剤は、JAK3および5種類のTECファミリーキナーゼを不可逆的に阻害する共有結合形成型の経口投与可能な低分子製剤です。円形脱毛症の病態に関与するIL-15、IL-21などの共通γ鎖受容体のシグナル伝達をJAK3阻害により強力に抑制し、CD8陽性T細胞およびNK細胞の細胞溶解能をTECファミリーキナーゼ阻害により抑制することで治療効果を発揮します。全頭型および汎発型を含む円形脱毛症を有する患者を対象とした国際共同治験(ALLEGRO-2b/3、ALLEGRO-LT)で、本剤投与群は、24週時のSALT≦20(頭部脱毛が20%以下)達成割合はプラセボと比較して統計的に有意な改善を示しました。なお、円形脱毛症に使用する経口JAK阻害薬として、すでにバリシチニブ(商品名:オルミエント)が2022年6月に適応追加になっています。バリシチニブは15歳以上が対象ですが、本剤は12歳以上の小児でも使用可能です。本剤はほかのJAK阻害薬と同様に、活動性結核、妊娠中、血球減少は禁忌となっています。また、感染症の発症、帯状疱疹やB型肝炎ウイルスの再活性化の懸念もあるため、症状の発現が認められた場合にはすぐに受診するよう患者さんに説明しましょう。円形脱毛症は、多くの場合は頭皮で脱毛しますが、ときには眉毛、まつ毛を含む頭部全体や全身に症状が出ることでQOLが著しく低下する疾患です。ストレスが多い現代社会で、ニーズの高い医薬品と言えます。

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第159回 新型コロナ感染拡大時の注意喚起に、4つの指標を作成/厚労省

<先週の動き>1.新型コロナ感染拡大時の注意喚起に、4つの指標を作成/厚労省2.コロナワクチン接種、定期接種移行の議論に着手/厚労省3.ポストコロナで動き出す病院再編、地域住民が抗議相次ぐ/厚労省4.子宮頸がん検診の指針見直し、5年毎のHPV検査の導入も検討/厚労省5.医療資源を活用する「紹介受診重点医療機関」を初公表/厚労省6.地域に根ざした医師会活動プロジェクトを始動/日医1.新型コロナ感染拡大時の注意喚起に、4つの指標を作成/厚労省厚生労働省は、新型コロナウイルス感染拡大時の都道府県の注意喚起のための指標を示し、全国の自治体などに通知した。これによると、医療機関の外来が逼迫している割合が25%を超えたり、病床使用率が50%を超えたりした場合に注意喚起が行われることとなる。また、感染者数については、最近のオミクロン型感染拡大で外来の逼迫状況がピークとなる2週間前の感染者数を基準としている。さらに、感染拡大の際、医療機関の受診者数などを報告するシステムが外来逼迫割合が25%を超えるなどの指標に達した場合、各都道府県は住民に対して注意喚起や医療提供体制の強化を行うよう求めている。すでに都道府県で独自の基準を設けているところもあり、国の目安を使用するかどうかは、自治体が地域の医療提供体制や特性を踏まえて判断することになる。これらの指標は、新型コロナウイルス感染拡大の進行による医療逼迫に備えるための措置であり、今後、変更される可能性がある。各都道府県はこうした指標を参考にし、適切な注意喚起や対策を実施していくことが求められている。参考1)新型コロナウイルス感染症に関する住民への注意喚起等の目安について(厚労省)2)コロナ感染拡大時の注意喚起に目安 厚労省、医療逼迫で判断(日経新聞)3)コロナ感染拡大時“注意喚起の目安”4指標作成 厚生労働省(NHK)2.コロナワクチン接種、定期接種移行の議論に着手/厚労省厚生労働省は、8月9日に厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会を開催し、新型コロナウイルスワクチン接種に関する議論を行った。新型コロナウイルスのワクチン接種は、オミクロン株の流行と重症化率の低下から、定期接種化を検討しているが、現在の公費負担による臨時接種であり、今後は自己負担が発生する定期接種への移行を視野に入れ、年内に結論を出す予定。9月20日から行われるオミクロン株の派生型に対応したワクチン接種は、生後6ヵ月以上のすべての人を対象に無料で来年3月まで行うことが承認されたが、積極的な勧奨は高齢者や重症化リスクの高い人に限定して行う。来年度以降の接種について厚労省は、WHOの新指針に基づき、定期的な追加接種を推奨せず、努力義務や接種勧奨は重症化リスクの高い人にのみ適用する。なお、定期接種化は2024年度からの実施を検討しており、今年中に部会で対象者や費用負担について結論を出す予定。参考1)第49回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(厚労省)2)今後の新型コロナワクチン接種について(その7)(同)3)コロナワクチン、来年度以降のあり方議論始まる 定期接種化も視野に(朝日新聞)4)新型コロナワクチン 秋接種、高齢者や重症化リスクのみ勧奨(毎日新聞)3.ポストコロナで動き出す病院再編、地域住民が抗議相次ぐ/厚労省厚生労働省が、新型コロナウイルス感染拡大前から取り組んでいる、「地域医療構想に基づいた病院再編・統合の方針」に対して、地域住民から地域医療の充実を求める意見が相次いでいる。岩手県の県立病院の再編、新潟県では上越市の新潟労災病院の閉院に伴う再編など、人口減少に伴う地域の医療機関の再編はコロナ対策でも必要とする行政側の方針に対して、地域住民からは医療態勢の確保と充実が求める声があげられている。今後、行政では地域のニーズに即した対応が求められている。参考1)県立病院の縮小・統合に反対 署名1万8千筆を県に提出 いわて労連など(デーリー東北)2)上越の病院再編 安心できる将来像確実に(新潟日報)3)三田市民病院の存続求める 市民団体が神戸市長に申し入れ(サンテレビ)4)病院の再編って必要なの? 感染症・高齢化対応で重要に(日経新聞)4.子宮頸がん検診の指針見直し、5年毎のHPV検査の導入も検討/厚労省厚生労働省はがん検診のあり方に関する検討会を開き、子宮頸がんの早期発見を促すため、HPV(ヒトパピローマウイルス)感染を調べる検査を公的検診に導入するため、指針を改正する方針を決定した。厚労省は、30歳以上の女性に対しては2年毎の細胞診と5年おきのHPV検査のどちらかを選ぶことができるように提案。これにより、検診間隔が長くなり、受診者の負担が軽減される一方で、精度管理体制の整備が必要となる。新たな指針は2023年度中に見直され、24年度から導入される見通し。ただし、細胞診とHPV検査は異なるアプローチで、受診者の特定と負担軽減を図るための選択肢として提供される。新たな検診方法では、がんの発症前に高リスクな人を特定し、受診者の負担を軽減する上でのメリットがある。ただし、導入には自治体ごとの準備期間や陽性者のフォローが必要であり、実際の導入は限定的となる可能性がある。HPV検査導入については、自治体が従来の細胞診とHPV検査のどちらかを選択できる形で実施する予定。また、従来通りHPV感染を防ぐワクチンの定期接種も行われる。参考1)HPV検査導入へ指針改正、子宮頸がん早期発見に期待 厚労省検討会(産経新聞)2)指針での子宮頸がん検診、30歳以上にHPV検査も可 各自治体が判断、年度内に指針見直し(CB news)3)子宮頸がん検診、「2年毎の細胞診単独法」のほか、体制整った市町村では「5年毎のHPV検査単独法」も可能に-がん検診あり方検討会(Gem Med)4)第39回がん検診のあり方に関する検討会[資料](厚労省)5.医療資源を活用する「紹介受診重点医療機関」を初公表/厚労省東京都は、医療資源を重点的に活用するための外来施設である「紹介受診重点医療機関」83ヵ所を初めて公表した。この制度は、外来機能報告をもとに地域ごとの「協議の場」で承認されており、病院や診療所の医療実績データを使って医療関係者の協議を通じて決定される。紹介受診重点医療機関は、外来での特定の領域に特化した医療を提供する施設で、病院の外来診療の役割分担と連携を進め、患者の受診をスムーズにし、医療従事者の負担を軽減することを目指している。区中央部では大規模病院が多く、一方、医療資源の少ない地域では施設数は限られている。紹介受診重点医療機関の明示によって、東京都は医療資源の集中と均衡を促進し、地域医療の充実を図りたい考え、また、紹介受診重点医療機関では、病院の外来患者の待ち時間の短縮や勤務医の外来負担の軽減等の効果を見込んでいる。東京都以外の各道府県でも公表を進めており、厚生労働省はこれらをまとめた一覧を掲載している。参考1)紹介受診重点医療機関を都が初公表、計83カ所 1日時点(CB news)2)紹介受診重点医療機関について(厚労省)3)都道府県紹介受診重点医療機関リスト(同)4)紹介受診重点医療機関になると何が変わるのか?(PRRISM)6.地域に根ざした医師会活動プロジェクトを始動/日本医師会日本医師会は「地域に根ざした医師会活動プロジェクト」を発表し、市民への理解を深めることを目指すことを明らかにした。プロジェクトはシンポジウム形式で、実地とWebのハイブリッド開催を予定している。第1回のテーマは「有事の医師会活動」で、大規模災害時の対応や新型コロナウイルス感染症の対策などを取り上げる。シンポジウムはアーカイブ動画や電子パンフレットで提供され、多くの市民が参加できるようにする。プロジェクトを通して、医師会の活動の周知と理解を促進し、地域医療の充実に寄与する目的を持つ。渡辺 弘司常任理事は、地域の時間外や災害時の医療対応など、医師会の多様な活動を通じて地域を支える重要性を語った。また、地域医師会と専門基幹病院の連携事例も紹介され、全国の医師会の活動を通じて地域の医療を支える取り組みを広く知らしめる狙いがある。参考1)日医、市民への新規プロジェクトを開始(時事通信)2)地域に根ざした医師会活動プロジェクトについて(日本医師会)

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花粉症患者が豆乳でアレルギー症状、今後避けるべきは豆腐?納豆?【乗り切れ!アレルギー症状の初診対応】第7回

花粉症患者が豆乳でアレルギー症状、今後避けるべきは豆腐?納豆?講師福井赤十字病院 耳鼻咽喉科 主任部長 大澤 陽子 氏【今回の症例】41歳女性。10年ほど前から2月~5月に花粉症を自覚している。かかりつけ医での血液検査では、スギ5+、ヒノキ3+、ハンノキ3+、シラカンバ2+、カモガヤ1+であった。花粉症を自覚したころから、モモやリンゴを食べた時に口の中がかゆくなっていたが、すぐに改善するため放置していた。豆乳を久しぶりに飲んだ時に口唇の腫れと両眼瞼の腫脹が出現し、その後声が出しにくくなったため、救急外来を受診した。後日、外来受診でモモ、リンゴ、大豆の食物アレルギーを疑いプリックテストと血液検査を実施し、モモとリンゴのプリックテストは陽性であったが、大豆のプリックテストは陰性であった。血液検査では、モモ3+、リンゴ1+、大豆0、Gly m 4 2+であった。今後の生活指導として適切なものはどれか?1.納豆や味噌は食べてもよい2.豆腐やモヤシは食べてもよい3.すべての大豆加工製品は避けたほうがよい

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出生前母体ステロイド投与、児の重篤な感染症のリスク大/BMJ

 出生前ステロイド投与1コースが行われた母親から生まれた児は、生後12ヵ月間、重篤な感染症のリスクが有意に高いことが、台湾・長庚記念病院のTsung-Chieh Yao氏らによる全国コホート研究の結果で示された。新生児の死亡率および罹患率の減少における出生前ステロイド投与の有益性が多くの研究で報告されているが、小児の重篤な感染症に対する出生前ステロイド曝露の潜在的な有害性に関するデータは乏しく、とくに地域住民を対象とした大規模なコホートに基づく厳密なエビデンスは不足していた。著者は今回の結果について、「治療を開始する前に、出生前ステロイド投与による周産期の有益性と、まれではあるが重篤な感染症の長期的リスクについて慎重に比較検討する必要がある」とまとめている。BMJ誌2023年8月2日号掲載の報告。生後12ヵ月以内の重篤な感染症の発生率を出生前ステロイド曝露児と非曝露児で比較 研究グループは、台湾のNational Health Insurance Research Database、Birth Reporting DatabaseおよびMaternal and Child Health Databaseを用い、2008年1月1日~2019年12月31日における台湾のすべての妊婦とその出生児を特定し解析した。 主要アウトカムは、出生前に副腎皮質ステロイド曝露があった児と非曝露児における、生後3ヵ月、6ヵ月および12ヵ月時の入院を要する重篤な感染症、とくに敗血症、肺炎、急性胃腸炎、腎盂腎炎、髄膜炎または脳炎、蜂窩織炎または軟部組織感染症、敗血症性関節炎または骨髄炎、心内膜炎の発生率で、Cox比例ハザードモデルを用い補正後ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を算出して評価した。 台湾において一般的な母体出生前ステロイド投与は、ベタメタゾン12mgを24時間間隔で2回筋肉内投与、またはデキサメタゾン6mgを12時間間隔で4回筋肉内投与である。すべての重篤な感染症、敗血症、肺炎、急性胃腸炎のリスクが有意に増加 解析対象は、196万545組の妊婦(単胎妊娠)とその出生児で、出生前に副腎皮質ステロイド曝露があった児が4万5,232例、非曝露児が191万5,313例であった。 生後6ヵ月において、出生前ステロイド曝露児は非曝露児と比較し、すべての重篤な感染症、敗血症、肺炎および急性胃腸炎の補正後HRが有意に高かった。補正後HRは、すべての重篤な感染症1.32(95%CI:1.18~1.47、p<0.001)、敗血症1.74(1.16~2.61、p=0.01)、肺炎1.39(1.17~1.65、p<0.001)、急性胃腸炎1.35(1.10~1.65、p<0.001)であった。 同様に、生後12ヵ月において、すべての重篤な感染症(p<0.001)、敗血症(p=0.02)、肺炎(p<0.001)、急性胃腸炎(p<0.001)の補正後HRも有意に高かった。 きょうだいをマッチさせたコホートにおいても、コホート全体で観察された結果と同様、生後6ヵ月(p=0.01)および12ヵ月(p=0.04)において敗血症のリスクが有意に高かった。

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カラダワンダーランド、子供たちに医学視点を

医学専門出版社のメディカルレビュー社は、フジテレビジョン主催で4年ぶりの開催となるお台場冒険王2023に「ORGAN ROOMS カラダワンダーランド」を出展した。これは人々の健康維持・予防に取り組む社会を目指す啓発活動・寄付活動「ORGAN ROOMS PROJECT」の一環であり、出展ブースは子供たちが自分の身体の仕組みに興味をもってもらうことを目指したもの。フジテレビ本社屋1階フジテレビモールに8月27日(日)まで出展している。3つの臓器を体感できるORGAN ROOMS カラダワンダーランドには脳・心臓・肺の3つのエリアが設けられ、各臓器をイメージしたゲーム(のぞいてみよう!のうウォッチング、歩いて走って!心臓ゲーム、吸って吐いて!はいゲーム)ができる。このほか、9つの臓器スタンプを集めてカラダを完成させるコーナー、大人も知っておきたい“体のトリビア”が書かれている外壁など、随所に工夫が散りばめられており、子供だけではなく大人も楽しめる。来場時間によっては公式キャラクター「のうポン」とも一緒に記念撮影ができる。また、本ブースではのうポンなどのグッズを販売しており、その売上の一部は、病気と向き合う子供たちの医療、生活環境のサポートのための寄付に役立てる。寄付先は一般社団法人 日本小児総合医療施設協議会(JACHRI)会員施設の38施設をはじめ、小児医療に携わる病院に行う予定だ。プロジェクトは一冊の本との出会いからこのプロジェクトの発端となった「ORGAN ROOMS」はイユダエマ氏(大阪芸術大学デザイン学科グラフィックデザインコース卒)が卒業制作で制作し、学長賞を受賞した作品だ。実際には9つの臓器をデザインしているが、今回の体験ブースには、とくに子供たちに知ってほしい臓器(脳、心臓、肺)をピックアップしている。イユダエマ氏は本インタビューに対し以下のように回答している。-なぜ、身体をテーマにしようと思ったのでしょうか?もともと理科の授業が好きだったこと、コロナの影響で健康や人体というものをみつめ直すことで興味を持ったからです。そして、自分の理科のノートに描いてあった人体図の進化系を作ってみたかったんです。また、人体は一番身近なものにも関わらず、その働きが目に見えないので、それを目に見える形に表現したいと思ったこともきっかけです。-このようなデザインを思いついたきっかけを教えてください大学の講義中に紹介された“内経図”(内丹術の修煉過程を象徴的身体として表現した図)が発想のきっかけです。一見、山のように見えるのですが実は座する身体の側面図にもなっています。おそらく、体内の気の流れを環境に見立てて表現しているのではないでしょうか。この表現方法はおもしろいなと思い、われわれにとって身近でもっとわかりやすい“部屋”で見立てて表現してみたらどうか? と思いました。-今後も医学や身体をテーマにした創作活動を続けられますか?機会があれば、ほかのシリーズを作ってみたいなと思います。高校の生物の授業で苦戦したホルモンのインフォグラフィックスにも挑戦してみたいですね。本書を通じて自分の体に興味を持ち、学びや将来の道を決めるきっかけを与えられたらと思います。いつか、多言語で翻訳されて世界中の人たちに見てもらえれば最高ですね。現在、書籍「臓器がわかる3Dグラフィックス ORGAN ROOMS」が全国の各書店で販売されており、本ブース内での販売も行っている。キャラクターはポケモンのデザイナーが担当本プロジェクトの公式キャラクター「からだっポン」の世界観やキャラクター設定を担当したのは、うたの☆プリンスさまっ♪などの企画・開発経験のある関 彩絵子氏。「からだっポンを通して子供たちに ”自分のからだ” に興味を持ってもらい、予防医療について楽しく知ってほしいと考えた。今回、にしだあつこさんのデザインの魅力がベースにあり、からだっポンたちの設定に、知れば知るほどクスっと笑える魅力を散りばめたので、感じてもらえたらとても嬉しい」と本稿に言葉を寄せた。また、関氏が手掛けた世界観に沿ってキャラクターデザインを担当したのは、にしだ あつこ氏。にしだ氏はこれまでにピカチュウをはじめ、さまざまな人気ポケモンのデザインを担当してきたそう。写真に登場するのうポンこと脳のキャラクター誕生について、「キャラクターを通じて、体のことに興味を持ってもらえるようシンプルでわかりやすく、愛着の湧くようなデザインを目指し作成した。たとえば、のうポンは、真面目でしっかりものの先生タイプだと思う」とし、「からだっポンたちを通じて、医療者と患者さんとのコミュニケーションが取りやすくなると良いなと思っている」とコメントした。子供自身が健康を意識するためにプロジェクト代表の松岡 武志氏(メディカルレビュー社 代表取締役社長)は、「予防医療」「病気と向き合う子供たちへの包括的なサポート」を社会課題に挙げており、これらの啓発・寄付を目的とした「ORGAN ROOMS PROJECT」を立ち上げたが、医療者の賛同も不可欠である。賛同者の一人で国立成育医療研究センター理事長の五十嵐 隆氏は本プロジェクトに対し、「子供が自分の体の仕組みを正しく理解することは“身体”の健康を目指すうえで不可欠なだけではなく、“身体”と“心理”あるいは“社会”との相互作用について理解することにもつながる」とメッセージを寄せている。メディカルレビュー社広報担当者によると「身体の仕組みを知る、たとえば、お腹いっぱいになると体内でどんなことが起こるのかなどを理解することで、自身の身体の変化や違和感などを大人に伝えられるようになることも重要だと考える。今回は本プロジェクトのキックオフに過ぎず、これからの活動が要となるが、将来的にはデジタル絵本を作成し、小児病棟などで身体と病気に関する啓発活動を行っていきたい」と今後の方向性を説明した。参考ORGAN ROOMS PROJECTメディカルレビュー社:臓器がわかる3Dグラフィックス ORGAN ROOMSフジテレビジョン:お台場冒険王

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