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ADHDに対するメチルフェニデートの評価は?

 注意欠陥多動性障害(ADHD)の治療に用いられる中枢神経刺激剤メチルフェニデート。カナダ・アルバータ大学のSalima Punja氏らは、小児のADHDに対するメチルフェニデートの有効性および安全性に関して長時間作用型製剤と短時間作用型製剤で違いがあるかをシステマティックレビュー、メタアナリシスにて検討を行った。BMJ open誌オンライン版2013年3月15日号の報告。 18歳未満の小児ADHD患児を対象としたメチルフェニデートの長時間作用型製剤と短時間作用型製剤を比較したランダム化比較試験(RCT)の英語文献をCENTRAL、MEDLINE、PreMEDLINE、CINAHL、EMBASE、PsychINFO、Scopus、Web of Scienceにて検索を行った(1950年から2012年)。追加研究のため該当文献の参考文献リストの確認も行った。文献の抽出、データとバイアスのリスク評価は2名のレビュアーが独立して行った。連続的なアウトカムは治療群間で標準化平均差(SMD)を用いて行った。有害事象は治療群間のリスクの差により評価した。異質性は使用された長時間作用型製剤の種類に基づいて、サブグループ解析により検討した。 主な結果は以下のとおり。・13のRCTから882例のデータが得られた。・多動性・衝動性に関して親の報告を用いた3試験では、長時間作用型製剤が支持された(SMD:-0.30、95%CI:-0.51 ~ -0.08])。・対照的に、多動性に関して教師の報告を用いた3試験では、短時間作用型製剤が支持された(SMD:0.29、95%CI:0.05 ~ 0.52])。・不注意・過活動に関して親の報告を用いた3試験のサブグループ解析では、浸透圧を利用した放出制御システム(OROS)による長時間作用型製剤が支持された(SMD:-0.35、95%CI:-0.52 ~ -0.17])。また、第2世代薬は短時間作用型製剤より有効性が劣る結果であった(SMD:0.42、95%CI:0.17 ~ 0.68])。・有害事象は長時間作用型製剤のほうが短時間作用製剤と比較し、わずかに多かった(578 vs 566)。・本システマティックレビューより、長時間作用型製剤は、親の報告から、多動性・衝動性や不注意・過活動について適度な効果があることが示唆された。一方で、多動性についての教師の報告では、短時間作用型製剤がより評価されていた。関連医療ニュース ・小児双極I型障害に対するアリピプラゾールの効果は? ・双極性障害とADHDは密接に関連 ・EPA/DHAはADHD様行動を改善する可能性あり?

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抗精神病薬によるプロラクチン濃度上昇と関連する鉄欠乏状態

 小児および思春期患者への使用が増加している非定型抗精神病薬は、脳内ドーパミンを修飾する。ドーパミン作動性シグナル伝達において、鉄は重要な役割を果たしている。米国・アイオワ大学のChadi Albert Calarge氏らは、体内の鉄含量が精神症状の重症度、治療反応性、引き続き行われる抗精神病薬療法の忍容性と関連するか否かについて検討を行った。その結果、対象の45%が鉄枯渇、14%が鉄欠乏状態にあること、また鉄欠乏症を認める患者では血清プロラクチン濃度の上昇が強まることを報告した。Journal of Child and Adolescent Psychopharmacology誌オンライン版2013年3月12日号の掲載報告。 対象は、2005年11月~2009年8月に、リスペリドンの長期安全性を検討する横断研究に登録された内科的には健康な7~17歳のリスペリドン投与中の患者であった。身体所見により精神症状の重症度および食事摂取量を評価し、また、血清中のフェリチン、トランスフェリン受容体、およびプロラクチン濃度を測定した。多変量線形回帰分析により体内鉄含量と症状の重症度、リスペリドンおよび精神刺激薬の用量、血清プロラクチン濃度との関連を評価した。 主な結果は以下のとおり。・115例(男性87%、平均年齢11.6±2.8歳)を対象とした。・大半が外在化障害を有しており、リスペリドン服用歴は2.4±1.7年であった。・体内鉄含量は低く、45%が鉄枯渇、14%が鉄欠乏症であった。・体内鉄含量とリスペリドン治療中の体重増加、インターロイキン-6濃度との間に負の関係がみられた。・体内鉄含量と精神症状の重症度、リスペリドンおよび精神刺激薬の1日投与量との間に関連は認められなかった。・一方、体内鉄含量とプロラクチン濃度との間には負の関係が認められ、鉄欠乏症のグループではプロラクチン濃度が約50%高かった。・慢性的にリスペリドンによる治療を受けている小児や思春期患者では、鉄枯渇および鉄欠乏症がしばしばみられ、鉄欠乏状態に伴って、抗精神病薬に起因するプロラクチン濃度の上昇が強まることが示された。・さらなる研究により本知見を確認するとともに、抗精神病薬治療中の患者における鉄補給の潜在的ベネフィットを検討すべきである。関連医療ニュース ・抗精神病薬と抗コリン薬の併用、心機能に及ぼす影響 ・小児双極I型障害に対するアリピプラゾールの効果は? ・第二世代抗精神病薬によるインスリン分泌障害の独立した予測因子は

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小児双極I型障害に対するアリピプラゾールの効果は?

 米国・ジョンズ・ホプキンス大学のRobert L. Findling氏らは、小児の双極I型障害に対するアリピプラゾール長期投与の有効性と安全性を検討する、30週間の無作為化プラセボ対照試験を行った。その結果、アリピプラゾール10mg/日群、30mg/日群ともプラセボ群に比べ優れた有効性を示し、忍容性も良好であることを報告した。Bipolar Disorders誌2013年3月15日号の掲載報告。 試験は、10~17歳の双極I型障害(躁症状または混合型症状)患者296例(精神障害の有無は問わない)を対象とした。4週間の急性期治療完了後、二重盲検期に移行し、26週間の治療を行った。主要アウトカムは、ヤング躁病評価尺度(Young Mania Rating Scale:YMRS)による総スコアの変化とした。 主な結果は以下のとおり。 ・26週間の延長試験に登録された210例のうち、試験を完了した者は32.4%であった(アリピプラゾール10mg/日群:45.3%、アリピプラゾール30mg/日群:31.0%、プラセボ群:18.8%)。試験完了率はいずれの群も低かった。・プロトコールで規定されていた最終観察日を評価に繰り込んだ解析において、アリピプラゾール10mg/日群、30mg/日群とも、プラセボ群に比べてYMRS総スコアの有意な改善が認められた(p<0.001)。しかし、30週時点におけるObserved case (OC)解析や混合モデル反復測定 (MMRM) 法による解析では同様の結果は得られなかった。・あらゆる原因による試験中止までの期間は、アリピプラゾール10mg/日群15.6週、アリピプラゾール30mg/日群9.5週、プラセボ群5.3週であった(アリピプラゾール両群のプラセボに対するp値はいずれもp<0.05)。・すべての解析で、アリピプラゾール10mg/日群、30mg/日群はプラセボ群に比べ、エンドポイントにおける奏効率、小児用包括的評価尺度(Global Assessment of Functioning)および臨床的全般改善度-双極性障害用(Clinical Global Impressions-Bipolar)による重症度、躁症状スコアにおいて有意に優れていた。・報告の多かった有害事象は、頭痛、眠気、錐体外路障害であった。・本検討では試験完了率がいずれの群も低かった点に留意が必要である。関連医療ニュース ・アリピプラゾールvsその他の非定型抗精神病薬:システマティックレビュー ・難治性双極性障害患者への併用療法は? ・アリピプラゾールが有用な双極性障害の患者像とは?

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ナルコレプシーのリスクが約16倍に、インフルワクチン接種の子ども/BMJ

 ASO3アジュバント添加パンデミックA/H1N1 2009インフルエンザワクチン(Pandemrix)の接種を受けた英国の子どもで、接種後6ヵ月以内に睡眠障害であるナルコレプシーを発症するリスクが約16倍に増大したことが、同国健康保護局(HPA)のElizabeth Miller氏らの調査で明らかとなった。2010年8月、フィンランドとスウェーデンで同ワクチンの接種とナルコレプシーの関連を示唆するデータが提示され、2012年にはフィンランドの疫学調査により、ワクチン接種を受けた小児/青少年でリスクが13倍に増大したことが判明した。現在、北欧諸国以外の国での検証が進められている。BMJ誌オンライン版2013年2月26日号掲載の報告。ナルコレプシーのリスクを後ろ向きに解析 研究グループは、2009年10月以降にASO3アジュバント添加パンデミックA/H1N1 2009インフルエンザワクチン接種を受けた、英国の小児/青少年におけるナルコレプシーのリスクの評価を目的にレトロスペクティブな解析を行った。 2011年8月~2012年2月までの英国内の睡眠センターおよび小児神経センターの診療記録から、臨床情報および睡眠検査の結果を抽出し、専門家委員会がレビューを行って診断を確定した。対象は、2008年1月以降にナルコレプシーを発症した4~18歳の小児/青少年であった。 ナルコレプシー患者におけるワクチン接種のオッズ比を、年齢をマッチさせた英国人集団との比較において算出した。自己対照ケースシリーズ(SCCS)法を用いて、ワクチン接種6ヵ月以内と、この期間以外のナルコレプシーの発生状況を比較した。6ヵ月以内の発症のオッズ比16.2、寄与リスクは5万7,500~5万2,000接種に1例 245人の診療記録がレビューの対象となった。2008年1月以降に75人がナルコレプシーを発症し、そのうち56人にはナルコレプシーの特徴とされるカタプレキシー(情動脱力発作)が認められた。 11人(4~8歳:7人、9~13歳:2人、14~18歳:2人、男児8人、女児3人)がナルコレプシー発症前にワクチン接種を受けており、そのうち接種後6ヵ月以内の発症は7人だった。2011年7月までに診断を受けたナルコレプシー患者における時期を特定しないワクチン接種のオッズ比は14.4[95%信頼区間(CI):4.3~48.5]で、発症前6ヵ月以内のワクチン接種のオッズ比は16.2(同:3.1~84.5)であった。 2008年10月~2010年12月に発症し2011年7月までに診断を受けた患者についてSCCS法による解析を行ったところ、ナルコレプシーの相対的発症率は9.9(95%CI:2.1~47.9)であった。また、寄与リスクは5万7,500接種に1人から5万2,000接種に1人と推定された。 著者は、「ASO3アジュバント添加パンデミックA/H1N1 2009インフルエンザワクチンの接種を受けた英国の子どもにおいてナルコレプシーのリスク増大が確認された。これはフィンランドの知見と一致する」と結論した上で、「確認バイアス(ascertainment bias)は最小化されているとはいえ、ワクチン被接種者をより早急に抽出することによるリスクの過大評価の可能性は残る。寄与リスクを適正に評価するには、被接種者のより長期のフォローアップを要する」と指摘している。

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より確実な血糖値管理を目指すなら、インスリンの早期導入を!

 3月2日、サノフィは「インスリン全国講演会2013」と題し、医師向けのセミナーを開催した。このセミナーは、同社の代表製品であるインスリン グラルギン(商品名:ランタス)の発売10年を記念して開催されたもので、糖尿病診療に従事する医師が参集した。 はじめにOpening Remarksとして渥美義仁氏(永寿総合病院)が、インスリンの発見と製薬の歴史を振り返るとともに、「持効型溶解インスリンの登場は、糖尿病治療に新しい選択肢をもたらした」とその役割を評価した。そして、今回のセミナーのテーマであるBOT(basal supported oral therapy)などにも触れ、今日の講演の意義を述べた。 第1部では経口血糖降下薬との併用療法について講演が行われた。はじめに「BOTの有用性」をテーマに鈴木大輔氏(東海大学医学部)が、外来でのBOTについて講演し、経口血糖降下薬とインスリンの併用で確実な血糖降下ができる反面、体重増加への配慮やSU薬併用時の低血糖に注意が必要であると語った。 次に「Basal Plus、B2Bの有用性」をテーマに大工原裕之氏(坂出市立病院)が、基礎インスリン補充の意義を自院のデータで示し、追加インスリンをいかに安全に増やしていくかを説明した。とくにBOTでも効果が弱い患者には、朝夕の追加インスリンの導入などが効果的と自験例を述べた。 続いて「Basal Bolusの有用性」をテーマに横山宏樹氏(自由が丘横山内科クリニック)が、初期診療後のインスリン導入とSU薬減薬への取り組みや自院の取り組みを講演した。とくに教科書的な処方だけではなく、「低血糖 しないさせない 絶対に」を合言葉に、食事と患者の運動量や生活環境も見据えてインスリン量を決定していること、クリニックスタッフが電話で患者フォローをする取り組みを行っていることを述べた。 第2部では主に1型糖尿病について、「1型糖尿病治療 Basal Bolus療法におけるインスリン製剤の使い方-内科の立場から-」をテーマに柳澤克之氏(市立札幌病院)が、講演を行った。「札幌では雪かきによる低血糖が多いこと」がレポートされ、超速効型インスリンで低血糖発生を防止していることや患者満足度調査も良好なことが報告された。 次に「1型糖尿病治療 BasalBolus療法におけるインスリン製剤の使い方-小児科の立場から-」をテーマに浦上達彦氏(駿河台日本大学病院)が、小児糖尿病のインスリン治療について講演した。小児の治療では、成人と異なる生活習慣のために幼児期、学童期、思春期に合わせたインスリン提供のスケジューリングや低血糖予防の指導が必要であると語った。 最後にClosing Remarksとして河盛隆造氏(順天堂大学大学院スポートロジーセンター)が登壇し、「より効果的にインスリンが用いられるようになることが今後の課題であり、2型糖尿病の患者であれば、インスリン分泌ができなくなる前に早期に導入し、分泌の回復につとめることが大きな目標となる。その後インスリンからの離脱を期すのが次の目標である」と述べ、講演会は終了した。サノフィ 医療関係者向け製品情報サイトケアネット特集「糖尿病」のバックナンバーはこちら

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摂食障害、成人期と思春期でセロトニン作動系の特徴が異なる!

 摂食障害の発症にセロトニン作動系が関与していることは、確立した知見である。ただし、これまでの血小板セロトニン・トランスポーターに関する研究で示されている結論は、平均年齢20歳以上の患者を対象とした検討結果に基づくものであった。スウェーデン・ウメオ大学のJeanette Sigurdh氏らは、思春期の摂食障害患者におけるセロトニン作動系の関わりについて検討した。その結果、成人患者で得られている知見とは異なり、思春期の患者では同年代の健常対照と比べ血小板セロトニン・トランスポーター密度が高く、5-HT2A受容体密度が低いことを報告した。International Journal of Neuroscience誌オンライン版2013年2月19日号の掲載報告。 本研究での目的は、成人の摂食障害患者における従来の知見が、摂食障害を発症してまもない思春期の患者にも当てはまるかどうかを検討することである。摂食障害を認める思春期女性15例(神経性無食欲症11例、神経性無食欲症の基準を満たさないものの、明らかに拒食症の摂食行動を示す患者4例)ならびに健常対照32例を対象とし、血小板セロトニン・トランスポーターに結合する[3H]パロキセチンおよび5-HT2A受容体に結合する[3H]リゼルグ酸ジエチルアミド([3H]LSD)について検討を行った。主な結果は以下のとおり。・摂食障害患者におけるセロトニン・トランスポーター密度は、同年齢の健常対照に比べて有意に高かった([3H]パロキセチン結合タンパク:775±165 vs. 614±111 fmol/mg、p=0.003)。・摂食障害患者における5-HT2A受容体密度は、同年齢の健常対照に比べて有意に低かった([3H]LSD結合タンパク:215±59 vs. 314±151 fmol/mg、p=0.005)。・これら血小板セロトニン・トランスポーター密度の増加、5-HT2A受容体密度の低下は、成人患者で示されている結果とは異なるものであった。・結果が異なった要因として、本研究の被験者(低年齢で罹病期間が短い)における、ストレスに関連する精神的および生物学的要因の多様性が考えられる。・既知の知見とは異なるものであったが、本結果は摂食障害におけるセロトニン作動性要因に関わる情報の厚みを増し、本疾患におけるセロトニン作動系の制御に患者特性および経過に関連する因子が影響を及ぼす可能性を示唆するものである。関連医療ニュース ・EPA/DHAはADHD様行動を改善する可能性あり? ・摂食てんかんの特徴が明らかに ・双極性障害とADHDは密接に関連

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結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の治療に新たな選択肢

 結節性硬化症は、遺伝子(TSC1、TSC2)の異常により、全身に良性の腫瘍が形成され、それに伴い、さまざまな症状が引き起こされる遺伝性の希少疾患である。胎児期から成人まで、年齢に応じて特徴的な腫瘍がさまざまな部位に発生するため、それぞれの腫瘍に対してすべて1つの科で診療することはできず、小児から成人に至る過程で発生する腎血管筋脂肪腫などを見逃す可能性がある。その現状と課題について、ノバルティス ファーマ メディアフォーラム(2013年2月26日開催)にて、大阪大学泌尿器科 教授 野々村 祝夫氏が講演した。その内容をレポートする。■結節性硬化症は症状の個人差が大きい 結節性硬化症は、脳(上衣下巨細胞性星細胞腫、脳室上衣下結節、大脳皮質結節、てんかん発作、発達遅延、自閉症など)、眼(網膜過誤腫)、心臓(心横紋筋腫)、肺(肺リンパ脈管筋腫症など)、腎臓(腎血管筋脂肪腫、腎嚢胞など)、皮膚(白斑、顔面血管線維腫など)など、全身性に腫瘍が形成され、さまざまな症状が現れる疾患である。潜在患者数は、日本では1~2万人とされる。問題となる症状の発症時期は年齢期ごとに異なり、心臓や脳の腫瘍は10歳未満、腎臓の腫瘍は10~40歳、肺の腫瘍は20歳以上に注意する必要がある。また、症状の個人差が大きく、多くの症状が現れる場合もあれば、生涯を通じて症状が現れない場合もある。 これまで対症療法しかなかったこれらの腫瘍のうち、腎血管筋脂肪腫と上衣下巨細胞性星細胞腫に対して、2012年11月、mTOR阻害薬であるエベロリムス(商品名:アフィニトール)が承認された。■結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の治療 腎血管筋脂肪腫は浸潤・転移をしない良性腫瘍であるが、次第に大きくなること、出血などのさまざまな症状が出現すること、腎機能が低下することが問題となる。腫瘍径が4cmを超えると出血や側腹部痛などの臨床症状が呈することが多く、また、破裂した腫瘍は4cmをすべて超えていたという報告がある。 腎血管筋脂肪腫のマネージメントの基本方針は、腎機能を温存しつつ出血のリスクを減らすことであり、出血した場合は速やかに止血する必要がある。 治療は、腫瘍径が4cm以上であれば症状が出る前に予防的に、4cm未満なら症状が出てから行う。この治療介入の必要性を判断するために、野々村氏は、定期的なモニタリングの重要性を指摘した。治療には、血管内治療である塞栓術と手術(腎摘、腎部分切除)が施行されている。塞栓術は効果的でよく施行されるようになってきたが、壊死に伴う発熱や痛みなどの合併症や、再発(約30%)の問題がある。■薬物治療が治療選択肢の1つに このような状況のなか、昨年、初めて薬物治療としてエベロリムスが承認され、新たな選択肢が加わった。結節性硬化症においては、TSC1またはTSC2遺伝子の変異によりmTORの活性を制御するTSCタンパクが抑制され、mTORが過剰に活性化することにより腫瘍の形成や症状が発生する。エベロリムスはmTOR活性を阻害することにより、腫瘍の増大や症状を抑制する。 結節性硬化症あるいは孤発性リンパ脈管筋腫症における腎血管筋脂肪腫患者に対するエベロリムスの効果をプラセボと比較したEXIST-2試験では、エベロリムス群(79例、うち日本人7例)の奏効率が41.8%(95%信頼区間:30.8~53.4)と、プラセボ群(39例、うち日本人3例)の0%(95%信頼区間:0.0~9.0)に対して、有意(p<0.0001)に高い結果が得られた。 有害事象は、口内炎、ざ瘡、高コレステロール血症などがエベロリムスに特徴的であり、これまでの忍容性プロファイルと一致していた。また、野々村氏は、22歳女性の症例で腫瘍の縮小とともに自閉症の症状も改善したことを紹介し、結節性硬化症の他の症状にも効果が期待できることを示した。■どのように組み合わせて治療するかが課題 結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の今後の治療戦略として、野々村氏はまず、4cm以上の腫瘍では症状がなくても、動脈瘤などからの出血リスクが高い場合には、エベロリムスあるいは塞栓術による積極的治療を実施することを提唱し、どちらを先に行うかはこれから解決すべき課題であると述べた。また、4cm以下の腫瘍でも症状があれば、エベロリムスあるいは塞栓術による何らかの治療が必要であり、手術は、塞栓術あるいはエベロリムスが無効な場合に考慮するとした。 一方、エベロリムスが治療の選択肢に加わったとはいえ、課題として、長期投与のデータが乏しいこと、高価(約70万円/月)であること、投与方法に関する工夫の必要性などを挙げ、今後、実際の臨床の場で情報を出して行く必要があると述べた。 最後に野々村氏は、結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の治療に薬物療法という選択肢が増えたが、今後、これをどのように組み合わせて治療していくか、課題として投げかけられていると述べ、講演を締めくくった。関連ページ ケアネット 希少疾病ライブラリ(毎週木曜日更新)

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ファイザー、アナフィラキシー啓発サイトをオープン

 ファイザーは21日、一般向け疾患啓発サイト「アナフィラキシーってなあに.jp」(http://allergy72.jp/)をオープンした。 同サイトでは、食物や蜂毒などにアレルギーを持つ患者とその家族にとどまらず、保育士・教職員をはじめ、広く役立つ情報を提供する。 これまで食物アレルギーの治療においては、アレルギーを引き起こす食物(アレルゲン)を摂取しないこと、つまり予防が一般的であったが、経口免疫療法といわれる新しい治療も一部の専門施設で研究的に実施されている。「アナフィラキシーってなあに.jp」では、こうした最新の治療法はもちろん、アレルギーとは何かに始まり、下記の6つのコンテンツを柱に専門的な情報をわかりやすく解説する。・よくわかる アレルギーとアナフィラキシー・日頃からしっかり対策 食物アレルギー・子どもの食物アレルギー ママ&パパ応援コーナー・もしもにそなえておきたい 蜂毒アレルギー(※3月以降の公開を予定)・アレルギーに関するイベント情報・病医院検索詳細はプレスリリースへhttp://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2013/2013_02_21.html

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話せばわかる?通報する?“モンスターペイシェント”

“困った患者さん”を通り越して“モンスターペイシェント”なんて言葉さえ見られる昨今。法外な要求、目を剥くような行動、ついには暴力の果てに負傷、うつ状態に追い込まれる医師・スタッフも…。皆さんどうやって対処していますか?モンスター化させないコツは?医師1,000人から聞いた“モンスターペイシェント事情“、必見です!コメントはこちら今すぐできる対策はこちら結果概要7割近くの医師が“モンスターペイシェント”の対応経験あり、うち1割は『月に1度以上』全体で7割近くの医師がそうした患者・家族に対応した経験があり、勤務施設別では診療所の57.4%に比較して一般病院では70.7%という結果となった。頻度を尋ねたところ、うち7割強が『半年に1度』以下であったが、一方で『月に1度』以上との回答が1割、中には『週に2~3度以上』という医師も。治療費不払い、脅迫、暴力…「犯罪では?」「病院内では不当に軽く扱われることがある」内容として『スタッフの対応へのクレーム』が60.5%、『自分を優先した診察ほか待ち時間に関する要求・暴言』が47.1%、次いで『不要/過剰な投薬の要求』が37.6%と続く。『治療費の不払い』も3割に上り、「無銭飲食と同様に罪に問うべきだ」といったコメントも寄せられた。暴力を受けた経験があるとの回答は16.2%、脅迫に関しては27.6%に上った。また「個室での診察中に監禁された」といった声も。全体の16.2%が『警察OBを雇用』、担当者を定めない施設では医師個人に負担がそうした患者への最終的な対応として、3人に1人が『以後の診察を拒否した』と回答。次いで『転院させた』『担当医を交代した』と続く。警察への連絡に関しては『出動を要請した』16.4%、『相談した』11.5%となった。一方『特に対応をとったことがない』との回答は22.5%。「キャリアの浅い頃は、怖さのあまりに従ってしまったことがあった」といった声も。その他、施設内で通常取られている対策としては『担当者を決めている』が最も多く約3割に上った。次いで『対応マニュアル』『事例の共有』と続く。『警察OBを雇用している』の回答は16.2%であり、その存在は非常に有効との声が多かった。担当者を定めず医師・スタッフ個人の対応に任せている施設においては「対応に疲れ果てうつ病になった」「退職した」といった経験談が寄せられ、個人ではなく施設としての対応が必要だとのコメントも複数見られた。設問詳細医療従事者や医療機関に対して、自己中心的で理不尽な要求、果ては暴言・暴力を繰り返す患者や、その保護者・家族等を指し、「モンスターペイシェント」といった言葉が使われることがあります。そこで先生にお尋ねします。Q1.患者・家族から暴言・暴力、その他“通常の域を超えている、診察に著しく影響を及ぼすレベル”の行動・要求・クレームを受けたことがありますか。あるない(Q1で「ある」と回答した方のみ)Q2.その内容について当てはまるものを全てお答え下さい。(複数回答可)診察をしないで投薬のみ要求する不要な投薬・過剰な投薬を要求する自分を優先した診察ほか、待ち時間に関する要求・暴言を吐く「空いている」などの理由で、時間外・夜間診療を繰り返すスタッフの対応が気に食わない、とクレームをつける治療法・薬剤を指定するなど、自分の見立てを強硬に主張する事実と異なることを吹聴して回る検査・診察・食事・内服等を拒否する治療費・入院費を払わない入院を強要する退院を拒否する土下座ほか度を越した謝罪を要求する「訴える」「刺す」「暴力団関係者を連れてくる」「マスコミに流す」などと脅迫するご自身・スタッフに暴力を振るうその他(Q1で「ある」と回答した方のみ)Q3.上記のような患者・家族への対応に関しご経験があるものをお答え下さい。(複数回答可)他の医師と担当を交代した転院させた以後の診察を拒否した弁護士・司法書士等に相談した警察に相談した警察に通報した、出動を要請した患者の対応に参って体調を崩した退職したその他特に対応をとったことがない(Q1で「ある」と回答した方のみ)Q4.上記のような患者・家族に遭遇する頻度について最も近いものをお答え下さい。週に2~3度以上週に1度半月に1度月に1度2~3ヶ月に1度半年に1度1年に1度それ以下Q5.院内で設けられている対応策について当てはまるものをお答え下さい。(複数回答可)対応マニュアルがある対策システムがある防犯・対策セミナーを実施している院内で事例を共有している対応担当者を決めている担当部署を設置している警察OBを雇用している弁護士・司法書士に相談する体制をとっている「警察官立寄所」のステッカー・看板を掲げているICレコーダー・カメラ等を設置しているその他    (               )特に対応策をとっていないQ6.コメントをお願いします(具体的なエピソードや解決方法、対策ノウハウ、院内の体制などなんでも結構です)2013年2月12日(火)~13日(水)実施有効回答数1,000件調査対象CareNet.com会員コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)「混雑時に自分だけ早く診ろ、と要求して来るケースが多い。」(40代,呼吸器科,一般病院)「女性医師というだけで高飛車な態度をとる患者さんがおられます。自分で対応しようとしても困難な場合もあり、その時は患者さんが興奮して手がつかなくなる前に他の職員に助けを求めます。」(40代,その他,大学病院)「一般なら暴行罪や脅迫罪なのに、病院内だと不当に軽く扱われることがある。」(40代,内科,一般病院)「警察OB,弁護士の関与は有効だと思います。患者の度を超えたクレームは警察OBの立ち合いで、殆ど問題化しません(患者の言いがかりの場合)。」(50代,外科,大学病院)「モンスターペイシェントの対応に心身ともに疲れはて、うつ病になってしまい半年間入院しました。」(40代,内科,一般病院)「今後医師は、モンスターペイシェントに対する対応を必須講座として受講すべきだと思う。」(70代以上,内科,一般病院)「セクハラの要素もあるが、循環器内科であるにもかかわらず局所を出して『腫れているので触ってくれ』となんども強要する。毎週土曜日に遠方からやってくる。事務長に泌尿器科に行くよう指示してもらったが、今度は看護師に座薬、浣腸を強要するので、こわもての男性薬局長にきてもらい浣腸してもらったら、二度と来なくなった。」(40代,循環器科,診療所・クリニック)「厄介なのは身内が次々と来て同じ説明を求める家族です。 最後は長男を代表者と決めて1回だけにしました。」(50代,循環器科,診療所・クリニック)「医療安全対策室で対応してもらうようになっています。」(70代以上,外科,一般病院)「本当にモンスターだらけで、善意が消えていくのが分かります」(30代,内科,一般病院)「特に自分が被害をこうむったことはないが、対象事例が起こった場合は全館放送で起こったことを知らせ、対処することとなっている。」(40代,整形外科,一般病院)「まず十分に言いたい事を相手がもう疲れたというまで黙って傾聴する。時々『そうですか…』と言いつつメモしたりし、『今までのことは一応録音してますが一緒に聞き直して間違いないか確認していきましょうか』と伝えると大体お帰りになられる。」(40代,内科,診療所・クリニック)「とにかくすぐ医師会の顧問弁護士に相談して、初期対応のアドバイスをもらう。」(50代,内科,診療所・クリニック)「モンスターペイシェントに対してほとんどの病院は弱腰である。もっと毅然とした対応をすべきである。治療費不払いなどは無銭飲食と変わらないので即警察に通報すべきだ。」(40代,整形外科,一般病院)「30年医師をしているが、自分にはモンスターペイシェントの経験はない。丁寧に対応すれば問題となるような事態は起きないと思う。」(50代,内科,診療所・クリニック)「モンスターなどという曖昧な表現ではなく、 暴行、脅迫、業務妨害、食い逃げならぬ不払い、 詐欺等々、積極的に警察と連携し、刑事及び民事で罪に問うべきであり、 医療機関間で情報共有し、診療不可として出入り禁止にすべき」(40代,内科,一般病院)「精神科の病院とクリニックなので,モンスターなのか精神障害かの区別は難しい」(60代,精神・神経科,一般病院)「危険が予測される場合には、眼鏡やポケットの中身などを外すようにしています。」(30代,精神・神経科,一般病院)「小児科なのでモンスターペアレントが多いです」(40代,小児科,一般病院)「俺の言うとおりの薬だけを出せと強要する。血圧を測ろうとすると断固拒否する。」(60代,内科,診療所・クリニック)「公立病院に勤務しておりますが、モンスターペイシェントを警察に届けた例を見たことがありません。どの程度で届出をしたほうがいいのか。その際の罪の重さはどの程度なのか。」(50代,内科,一般病院)「変な権利意識が強くなってきて、増えているような印象 病院をホテルとかのサービス業と勘違いしている人も増えている」(40代,循環器科,一般病院)「逃げ場のない個室で診察しているときに、監禁されたことあり。 逃げられるドアのある部屋で診察するようにしている」(40代,内科,診療所・クリニック)「脅迫を受けましたが謝ることはしませんでした」(50代,内科,診療所・クリニック)「マニュアルは最低必要.300床以上では専門部署の設置が望ましい」(60代,外科,大学病院)「対策ガイドラインが策定されると、判断基準が定まり、対応がしやすくなる。 厚生労働省など公式な機関からの公示を期待したい。」(30代,内科,診療所・クリニック)「ターゲットにされている医師・看護師などをできるだけ担当から外し、事務系のもので対処するようにしている。場合により、警察OBの方に前面に出ていただくようにしている。記録を取らしていただくように宣告する・・・などです。」(60代,外科,一般病院)「クレームを言わせないような暖かな雰囲気のクリニックにしています。幸い今のところありません。」(50代,代謝・内分泌科,診療所・クリニック)「いくら患者さん御本人と良好にコミュニケーションを取れていても、事態を把握していない第三者のクレームが入ることもあり、閉口しました。」(50代,内科,一般病院)「患者の自分本位な要求に応じなかったら、激昂して殴られたことがある。精神科の診療であるし(情動障害を主とする適応障害)軽いかすり傷を負った程度なので不問にした。度量が大きいと映ったのか、以後関係改善し特別扱いを求めなくなったが、後日他科の医師にも暴力を振るってしまい診療科間の問題にまで発展した。初回から暴行事件として刑事告訴すべきだったと反省している。」(40代,精神・神経科,診療所・クリニック)「正直、モンスターペイシェントに対する院内での明確な対応マニュアルはない。他院では警察OBを雇用するなど、毅然とした対応を行っているところも多いと聞くが、当院ではひたすら事務の人が謝るなど、こちらが下手に出て患者と対話をしている。個人的には、明らかなモンスターに対しては謝る必要はなく病院を出て行ってもらうなど、強い態度を示してほしいと考えている。」(30代,代謝・内分泌科,一般病院)「受付の対応時の言葉の前後を組み合わせて、勝手に自分の中で解釈し、こちらが言ってもいないようなことを言ったとのクレーム。夜間に自宅側のインターホンを執拗に鳴らし、出ないとなるとポストに苦情の手紙を投函。何日までに自宅まで謝罪に来いとの期限付きで一方的に求めてきた。」(40代,内科,診療所・クリニック)「中絶手術に付き添ってきた男性が『なんでこんなに高い料金なんだ』と怒鳴りつけてきて火災報知器を鳴らし、消防署への対応、火災報知器の修繕は自前で対応した。男性は右翼関係者だったらしく、破門されていて荒れていた状態だと分かり、まもなく自殺した連絡が入り、それで事案が終了した。」(50代,産婦人科,診療所・クリニック)「義務を果たさず、権利ばかりを主張する世の中になってしまった為と、諦めています。個人の対応には限度がありますので、とにかく、病院全体で対応することに尽きます。 」(60代,内科,一般病院)「『診療でなく話だけだ」と言って保険証提示を拒否し、順番も無視して割り込んで、症状を言って、診断名の可能性だけ聞くと無料で帰っていくことを繰り返す人がいました。保険証の提示をしつこく求めると『俺は話だけで来たので診察を受けにきたのではない!』と言い張りました。『それも診察です!』と強く言ってからは来院していません。」(40代,内科,診療所・クリニック)「これまではラッキーなことにモンスターと言うほどの患者には当たっていませんが、それでも対応に苦慮する様な方はいらっしゃいますね。」(50代,外科,一般病院)「医師になって25年間で初めてのものすごいモンスター患者さんに遭遇したが、土下座して謝れなどの脅しに屈しなかったら、矛先が保健所など違う相手に向いた。有名なクレーマー患者だったと後で知ったが、前医への悪口が尋常ではなかったので、前医に問い合わせをしてから診療に応じればよかったかなと思う。」(50代,内科,診療所・クリニック)「理不尽な要求をする患者の診察は、ICレコーダーで録音している」(30代,内科,診療所・クリニック)「患者や家族の理不尽な要求に腹立たしい思いを何度もしているが、よりよい病院にしていくための改善や対策のヒントが隠れている場合もある。大変ではあるが、理不尽な要求をするようになったその背景を探ることで勉強になることもあった。」(60代,精神・神経科,一般病院)「生活保護の患者が、『薬が足りない』『無くした』と再三取りにくる。自費でというと『殺す気か』と怒鳴り散らす。 」(30代,内科,一般病院)「会計踏み倒しなど、日常にある。」(40代,内科,診療所・クリニック)「地域医師会と所轄署とで定期的に講習会を開いている」(50代,泌尿器科,診療所・クリニック)「自己負担分の踏み倒しが多々ある。更に市町村の福祉医療制度を悪用し、病院に掛かって自己負担分を稼ごうとする輩もいる。自己負担分を払わないので福祉医療の請求書を出さなかったら、後日『自己負担金の還付が無い』と文句の電話が来て唖然とした。 大学生の踏み倒しも増えている。この場合は実家に連絡すると大体片付く。どうしても払わず、実家の祖母に振り込ませたこともある。」(50代,内科,診療所・クリニック)「特に医療関係者の家族が、クレームをつけて『保健所や医師会に訴える』などと脅してくる。」(40代,整形外科,一般病院)「けいれん重積を治療後、てんかんの診断名が気に入らない。点滴を入れたせいで、指の動きに問題が出たとクレーム。頭痛を治せと暴れる。ソセゴンを打てと脅す。ぜんそく発作が夜出た場合、点滴後、(タクシーではなく)バスで帰れるように、真夜中すぎまで待って救急車を呼ぶ。順番が遅い、とスタッフを怒鳴る。MRIで異常がないとわかった後、支払いをせず逃走。救急で入院した患者の具合を早く良くしろと家族に詰め寄られるなどなど、書ききれないほどのエピソードがあり、疲れて退職しました。もう、二度と救急対応はやりたくありません。」(50代,神経内科,診療所・クリニック)「酔っ払いが最悪です。処置をしようとすると『痛い』だのと騒ぎ暴れたり物を投げる。帰りのタクシー代がないから救急車を呼べと騒ぐ。『今は金がない』と帰って医療費を払わない。酔っ払いを診ない病院が増えてこっちに回ってくることが多くなったが、断れるものなら断りたい。」(40代,脳神経外科,一般病院)「ブラックリストがあり、時間外受診の問い合わせがあった際には、必ずそれに目を通すようにしています。」(30代,精神・神経科,一般病院)「投薬強要には毅然と拒否するように心がけていますが、キャリアの浅いときは、怖くて従ってしまったこともありました。薬物中毒疑いの暴力団風の患者が夜間の救急外来に現れ殴られそうになったことがありますが、警察に連絡したら逃げていき事なきを得ました。診察費、入院費を払わない患者家族にも何回か遭遇しましたが、事務方と相談し対処、退院させたり、大変な思いをしたこともあります。」(50代,内科,一般病院)「クレームが発生する主な原因は、医療機関側にもあると思われます。 当院では自己防衛のため、定期的に接遇の院内勉強会を実施しています。これだけでクレームは防げる訳ではありませんが、最小限に止める事は出来ると思います。事実、当院は開業7年目ですが、殆ど大きなトラブルは経験しておりません。 上記のことから、患者応対のスキルアップが一番のクレーム対策になると考えます。」(40代,内科,診療所・クリニック)「窓口金を一切払わない。順番待ちが長い、自分の方が先に来ていたなど大声で騒ぐ。 受診後、看護師の態度が悪いと電話でクレームをうける。」(50代,循環器科,診療所・クリニック)「見つければすぐにつまみだし、暴れれば警察を呼び、顧問弁護士を通して法的に厳正に対処する。また院内の男性スタッフに柔道や極真空手の有段者がいるので、暴れる者への対応を躊躇しないことにしています。」(40代,皮膚科,診療所・クリニック)「最近暴力マニュアルを作成し、院内にて異常が起った場合コードブルーにて院内スタッフを直ちに招集するシステムを構築した。」(40代,循環器科,一般病院)「受付デスクにセコムの非常ボタンを設置している。」(50代,外科,診療所・クリニック)「問題のある患者が発生した場合には、担当部署(医療安全室)に連絡し、警察OBの方にお越し頂いて対応しています。その他問題発生時には医療安全室に相談する体制となっています。」(50代,内科,大学病院)「精神科専門で30年も臨床をやっていれば、この手のエピソードに遭遇しない訳がありません。重篤な精神疾患に罹患している患者自身よりも、むしろ家族がモンスターであることの方が対応に苦慮します。」(50代,精神・神経科,一般病院)「警察OB雇用の話はありますが、大病院以外は費用が高すぎるとの理由で、非採用。」(60代,整形外科,一般病院)「入院費を踏み倒した患者家族には、何度も説明を求められ職員の疲弊とトータルの時間喪失は非常に大きかった。この患者はブラックリストに載せておいたので夜間救急要請時は受けることなく更なるトラブルを回避できた。」(50代,外科,一般病院)「年に一度程度なので、運が悪かったとあきらめが半分。違法なことに関しては毅然とした対応を心がけている。」(40代,眼科,診療所・クリニック)今すぐできる対策をCheck!一般医療機関における暴言・暴力の予防と対策医療従事者に向けられる理不尽な暴言・暴力。その場しのぎの場当たり的な対応、していませんか?一貫した取り組みをしていかないと、スタッフの心身を損ねてしまうだけでなく一般の患者さんも逃げてしまいます。土下座など過度な謝罪を要求する母親、暴言がエスカレートする男性患者…暴言・暴力の実例を通して、予防・対策のあり方や進め方についてわかりやすく解説。

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エキスパートに聞く!「COPD」Q&A

認知症や寝たきり患者さんのCOPD診断の方法は?この場合、呼吸機能検査や胸部所見もとれませんので厳しい状態ではありますが、換気不全については呼気CO2アナライザーを用いて確認可能です。換気不全があると呼気中CO2濃度は上昇します。間質性肺疾患など拘束性換気障害ではこのような現象はみられませんので、呼気中CO2濃度の上昇は閉塞性障害がベースにあるという根拠になります。長い喫煙歴がありCOPDの肺所見もあるが、スパイロメトリーは正常な患者に対する対応法は?横隔膜の平低化などの画像所見がある方で、スパイロメトリーが正常だということはまずなく、何か異常があるものです。しかし、閉塞性換気障害が確認できない場合でも、咳や痰などの症状がある場合、旧分類ではステージ0とされ、将来COPDになる可能性が高いため、禁煙が推奨されています。また、こういった方たちの進行をいかにして防ぐかというのは今後の課題でもあります。呼吸器・循環器疾患の既往がなく非喫煙者であるものの、スパイロメトリーが異常な患者に対する対応法は?このケースではさまざまな要素が考えられます。閉塞性換気障害があることを想定すると、まず喘息の鑑別が必要です。また、非喫煙者であっても受動性喫煙についての情報をとることも重要です。さらに、胸郭の変形の確認や、日本人にはほとんどいませんがαアンチトリプシン欠損の除外も必要です。それから、もう1つ重要なことは、再検査によるデータの確認です。患者さんの努力依存性の検査ですから、適切に測定されて得られる結果かどうかの確認はぜひとも必要です。COPDと心不全合併症例における治療方針は?原則としてCOPDについてはCOPDの治療を行いますが、薬物療法とともに低酸素血症への酸素投与が重要です。COPDにより誘導される心不全は、基本的には右心不全であり、利尿薬が選択されます。拡張性心不全に準じて、利尿薬とともに利尿薬によるレニン-アンジオテンシン系の刺激作用を抑制するためにACE阻害薬やARBの併用が勧められています。不整脈などの症状が出たら、それに合わせた対応が必要となります。吸入ステロイドを導入するケースは?吸入ステロイド(以下:ICS)はCOPDそのものに対する有効性はあまり認められていません。しかし、急性増悪の頻度を減らすことが認められています。そのため、ICSは増悪を繰り返す際に安定を得るために投与するのが良いと考えられます。また、現在は長時間作用性β2刺激薬(以下:LABA)との配合剤もあり、選択肢が広がっています。LAMA、LABA/ LAMA配合薬、ICS/LABA配合薬の使い分けについて教えてくださいLAMAおよびLABA/LAMAについては、さまざまな有効性が証明されており、COPDの薬物療法のベースとして考えていただくべきだと思います。ICS/LABA配合薬 については、上記ICSの適応症例に準じて、適用を判断していくべきだと思います。また、テオフィリンのアドオンも良好な効果を示し、ガイドラインで推奨されているオーソドックスな方法であることを忘れてはいけないと思います。*ICS:吸入ステロイド、LABA:長時間作用性β2刺激薬、LAMA:長時間作用性抗コリン薬

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新規結核ワクチンの有効性示せず:MVA85A 020 Trial Study/Lancet

 開発中の新規結核ワクチンMVA85Aは、BCG接種歴のある幼児において良好な安全性を示したものの、予想に反して結核の予防効果はほとんどないことが、南アフリカ共和国・ケープタウン大学のMichele D Tameris氏の検討で示された。2011年の世界の結核患者数は約870万人で、約140万人が結核が原因で死亡している。南アフリカのような流行地では、BCGが広く普及しているにもかかわらず、幼児、小児の結核発症率がきわめて高く、ワクチンの改良が喫緊の課題とされる。MVA85AはBCGの予防効果を増強するようデザインされ、結核の予防に重要と考えられる抗体特異的Th1細胞およびTh17細胞を誘導することが確認されているという。Lancet誌オンライン版2013年2月4日号掲載の報告。安全性、有効性を無作為化第IIb相試験で評価 MVA85A 020 Trial Studyは、幼児における結核およびMycobacterium tuberculosis感染に対するMVA85Aの安全性、免疫原性、有効性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化第IIb相試験。 BCGワクチン接種歴があり、HIVに感染していない健康な幼児(生後4~6ヵ月)を対象とした。これらの幼児を、MVA85Aを皮内接種する群またはプラセボ群に無作為に割り付けた。3ヵ月ごとに最長37ヵ月のフォローアップを行った。 主要評価項目は安全性(有害事象および重篤な有害事象の発現)とし、ワクチン接種群の有効率の評価も行った。有効性の評価項目として、微生物学的、X線画像上、臨床的な判定基準に基づく結核の発症率およびM tuberculosis感染(抗体陽性化)の検討を行った。結核発症に対する有効率17.3%、感染に対する有効率-3.8% 2009年7月15日~2011年5月4日までに2,797人が登録され、MVA85Aワクチン接種群に1,399人が、プラセボ群には1,398人(2人が接種を受けなかった)が割り付けられた。per-protocol集団のフォローアップ期間中央値は24.6ヵ月で、両群間に有意な差はなかった。ワクチン接種群の1,399人(生後146.6日、男児51%)、プラセボ群の1,395人(同:145.7日、51%)が解析の対象となった。 局所的有害事象の発生率はワクチン群で多かった[89%(1,251/1,399人)vs 45%(628/1,396人)]が、全身性の有害事象[80%(1,120/1,399人)vs 76%(1,059/1,396人)]や重篤な有害事象の発生率に差は認めなかった[18%(257/1,399人)vs 18%(258/1,396人)]。これら515人の幼児にみられた648件の重篤な有害事象はMVA85Aワクチンとは無関係だった。 ワクチン群の結核の発症率は2%(32/1,399人)で、これは100人年当たり1.15〔95%信頼区間(CI):0.79~1.62〕に相当した。M tuberculosis感染率は13%(178/1,398人、95%CI:11.0~14.6)であった。 これに対し、対照群の結核発症率は3%(39/1,395人)で、100人年当たり1.39(95%CI:1.00~1.91)、感染率は12%(171/1,394人、同:10.6~14.1)だった。 結核の発症に対するワクチン接種の有効率は17.3%(95%CI:-31.9~48.2)、M tuberculosis感染に対する有効率は-3.8%(同:-28.1~15.9)であった。 著者は、「MVA85Aワクチンは良好な忍容性を示し、細胞性免疫反応も誘導したが、結核の発症およびM tuberculosis感染の抑制効果はほとんどなかった」と結論し、「現行の結核ワクチンの候補選定のパラメータは不適切な可能性があり、試験のデザインや遂行の仕方をも含め、本試験の教訓は今後のワクチン開発にとって重要である」と指摘している。

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エンテロウイルス71ワクチン、第2相試験で免疫原性、安全性を確認/Lancet

 エンテロウイルス71(EV71)ワクチンについて、第2相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、乳幼児に対する免疫原性と安全性を確認したことを中国・江蘇省疾病管理予防センターのFeng-Cai Zhu氏らが報告した。EV71は1969年に米国カリフォルニアで初めて報告された腸管ウイルスで、その後14ヵ国以上(日本も含む)から報告が寄せられている。とくに中国では過去に3度重大流行が発生し2009年には255人超が死亡したという。今回検討されたワクチンは、中国Beijing Vigoo Biologicalが開発したアラムアジュバンドワクチン製剤で、第1相試験で臨床的に認容性のある安全性プロファイルと免疫原性が示唆されたことを受けて本試験が行われた。Lancet誌オンライン版2013年1月24日号掲載報告より。生後6~36ヵ月の乳幼児を対象に無作為化二重盲検プラセボ対照試験 EV71ワクチンの第2相試験は、江蘇省東海県の1施設で、生後6~36ヵ月の健康な男女児を適格被験者として行われた。 被験児を無作為に5群[アラムアジュバントEV71ワクチン160U、320U、640U群と、非アジュバントワクチン群、プラセボ(アラムアジュバントのみ含有)群]に、SAS9.1ブロックランダムリストを用いて割り付けた。無作為化情報は、被験児および試験担当者には知らされなかった。 主要エンドポイントは、56日時点での幾何平均抗体価(GMTs)で、プロトコルに基づき解析が行われた。320Uアラムアジュバント製剤が最適 無作為化された被験児は1,200例で、各接種群には240例ずつ(乳児:6~11ヵ月齢児120例、幼児:12~36ヵ月齢児120例)が割り付けられた。そのうち試験を完了したのは1,106例であった。被験児のドロップアウトは、同意が得られなかったことと血液サンプル提供の拒否が主な理由であった。 解析の結果、乳児640U接種群が56日時点のGMTsが最も高値であった(742.2、95%CI:577.3~954.3)。次いで乳児320U接種群が続いた(497.9、383.1~647.0)。 幼児では320U接種群が最も高値であった(1,383.2、1,037.3~1,844.5)。 全体では、ワクチン接種群が非接種群よりもGMTs値が有意に高値であった(p<0.0001)。 ベースラインで血清陰性であった被験児のサブグループについて、640U接種を受けた乳児および幼児の両群が56日時点のGMTsが最も高値であった(乳児:522.8、403.9~676.6、幼児:708.4、524.1~957.6)。次いで320U接種群であった(乳児:358.2、280.5~457.5、幼児:498.0、383.4~646.9)。 安全性について、1,200例のうち549例(45.8%)が1つ以上の注射部位あるいは全身性の副反応を報告したが、副反応発生率は接種群間で有意な差はみられなかった(p=0.36)。ただし硬結発生率について、640Uアジュバントワクチン接種群が非アジュバントと比較して有意に高率であった(p=0.001)。 以上を踏まえて著者は、「EV71ワクチンの免疫原性、安全性、製剤の生産性が確認された。おそらく第3相試験には320Uアラムアジュバント製剤が最も適しているであろう」と結論している。

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経口アザチオプリン、難治性小児アトピー性皮膚炎にベネフィットをもたらす可能性

 難治性小児アトピー性皮膚炎に対する経口アザチオプリン(商品名:アザニンほか、アトピー性皮膚炎には適応外)は、ベネフィットがある可能性を、米国・ジョージタウン大学医学部のMaura Caufield氏らが無作為化試験の結果、報告した。欧米ではアザチオプリンは、難治性アトピー性皮膚炎などでステロイドを節減する薬物として処方されるが、小児アトピー性皮膚炎での適正使用とモニタリングについては、前向きデータが限られており、Caufield氏らは、アザチオプリンの治療反応とモニタリングのあり方について検討した。Journal of the American Academy of Dermatology誌2013年1月号(オンライン版2012年8月11日号)の掲載報告。 研究グループは、アザチオプリンの治療反応を評価し、治療中にTPMT(thiopurine methyltransferase)活性を繰り返し測定することの必要性、および6-チオグアニンヌクレオチド(6-TGN)ならびに6-メルカプトプリン(6-MP)の代謝レベルの測定が有用であるかについて調べた。 重症難治性アトピー性皮膚炎の小児を対象に、経口アザチオプリンを投与し、前向きに追跡。疾患重症度は、SCORing AD指数によって判定した。 TPMTはベースラインで測定した後、症状の改善や十分な効果が得られない場合、あるいは治療反応が認められた場合に、6-TGNや6-MPとともに繰り返し測定した。 主な内容は以下のとおり。・被験児は12例であった。・アザチオプリン治療は、1例を除いた全患者の臨床的改善と関連していた。・有害事象はほとんどみられなかった。・3例では、治療中のTPMT活性に有意な変化がみられた。そのうち2例は軽度な低下を示し、1例は中間値から標準値へと増大する酵素誘導性を示した。・一方、こうした変化(臨床的効果と逆相関を示すような変化)は、6-TGNあるいは6-MP値ではみられなかった。・著者は、本試験が小規模であり限界があるとした上で、「難治性小児アトピー性皮膚炎治療において、アザチオプリンはベネフィットがある可能性が示された」と結論。また、「TPMT活性の反復評価が治療未反応あるいは反応の評価に有用であり、さらなる試験の根拠となりうる。対照的に、治療期間中のチオプリン代謝活性の測定は臨床的に役立たなかった」と報告した。

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「ヒヤリ・ハット」、先生は報告してますか?記名or匿名?電子or紙?実態大公開

診療中、検査中、手術中、「おっと危ない」と心のなかでつぶやいたこと、ありませんか?「ひょっとしてとんでもない事態になっていたかも」と大汗をかいても、喉元過ぎれば…でまた繰り返してしまったり。最近は「とにかく報告をあげろ」という病院も増えているようですが、果たして防止策につながっているのか?責任追及や懲罰は?具体的なエピソードと共に、一挙公開します!コメントはこちら結果概要3人に1人が月に一度以上ヒヤリ・ハットを経験、最も多いシーンは『薬剤の処方・投与』日々の診療でのヒヤリ・ハットの経験頻度について尋ねたところ、『週に一度』(5.7%)『月に一度』(26.3%)を合わせ3人に1人が月に一度以上は何らかの形でヒヤリ・ハットに遭遇していると回答。一方『なし』とした医師は全体の14.4%。内容別では『薬剤の処方・投与』『治療・処置』『転倒・転落』と続くが、「報告は形式的で成果が上がっていない。誤薬と転倒のみが表立っていて、もっと問題視すべき事象は表に出ないまま」「報告数を増やすため些細なものも報告している」などの他、「“報告すること”が目的化してしまい、有効な対策の検討にはつながっていない」といった声も挙がった。経験医師の約6割が『報告しないことがある』、最も多い理由は『レポート作成が手間』そうしたケースに遭遇した場合の報告の有無について尋ねると、全体の41.1%が『全て報告する』と回答。その他の医師の“報告しない理由”として、『レポート作成に手間がかかるため』46.0%、次いで『院内に報告の仕組みがないため』『報告しても事故予防に役立たないと思うため』と続く。『責任追及される、評価・懲罰に関わるため』とした医師は全体の2.2%。しかしその内訳は勤務施設によって異なり、診療所・クリニックにおいては『報告の仕組みがない』が約6割に上った。報告システムの電子化進むが、「かえって面倒」との声も施設の報告体制・安全対策として、4割近い医師が『スタッフ用マニュアル』『定期会議での検討・分析』『研修・セミナー』があると回答。当事者を明らかにするか否かについては、『記名式』35.5%、『匿名式』17.2%であった。報告手段については『紙ベース』44.9%、『電子化された報告システム』32.3%となったが、電子化システムの導入について施設別に見ると、一般の病院では26.5%だったのに対し、参加登録申請医療機関では60.2%、報告義務医療機関では70.1%となった。しかし前述の“報告しない理由”で『レポート作成が手間』とした医師は、報告義務医療機関では66.3%に上り「紙ベースの時のほうが報告しやすかった」「面倒なシステムだと、文化以前の段階で敬遠されてしまう」といった声も見られた。設問詳細ヒヤリ・ハットおよびその報告についてお尋ねします。昨年12月21日のCB医療介護ニュースによると、『日本医療機能評価機構は20日、今年7-9月の四半期に報告を受けた医療事故情報が、同機構が医療事故情報収集・分析・提供事業を始めた2004年10月以降で最多の814件だったことを明らかにした。(中略)同機構によると、9月末現在、報告が義務付けられている国立病院や特定機能病院など「報告義務対象医療機関」は273施設で、自主的に事業に参加している「参加登録申請医療機関」は637施設。7-9月は、157施設の報告義務対象医療機関から計726件、29施設の参加登録申請医療機関から計88件が報告された。同機構の担当者は、前年の報告数が約2800件に上ったことや、今回、四半期としての記録を更新したことから、「事故を報告する文化が定着しつつあるのではないか」と話している(略)』とのこと。医療事故につながる事例として「ヒヤリ・ハット」あるいは「インシデント」があります。日本医療機能評価機構による「ヒヤリ・ハット」の定義は以下です。(1)医療に誤りがあったが、患者に実施される前に発見された事例。(2)誤った医療が実施されたが、患者への影響が認められなかった事例または軽微な処置・治療を要した事例。ただし、軽微な処置・治療とは、消毒、湿布、鎮痛剤投与等とする。(3)誤った医療が実施されたが、患者への影響が不明な事例。そこで先生にお尋ねします。Q1.日々の診療におけるヒヤリ・ハットのご経験について過去1年間で最も近い頻度をお選び下さい。週に一度月に一度半年に一度年に一度なし(Q1で「なし」を選んだ方以外)Q2.どのような場面でヒヤリ・ハットを経験しましたか?当てはまること全てをお選び下さい。治療・処置薬剤の処方・投与ドレーン・チューブ類の使用転倒・転落検査医療機器の使用輸血その他(Q1で「なし」を選んだ方以外)Q3.経験したヒヤリ・ハットへの報告の有無についてお答え下さい。全て報告している報告しないことがある全く報告しない(Q3「全て報告している」を選んだ方以外)Q4.報告しない理由について最も当てはまるものをお選び下さい。レポート作成等に手間がかかるため責任追及されるあるいは評価・懲罰に関わるため報告しても事故予防に役立たないと思うため院内に報告の仕組みがないためその他Q5.ご勤務施設のヒヤリ・ハット報告体制、および医療安全対策について当てはまることを全てお選び下さい。電子化された報告システムを導入している報告書は紙ベースである報告は匿名式である報告は記名式である報告されたヒヤリ・ハットに関し定期的な会議にて検討・分析している報告件数・内容などが集計され院内に発表される医療安全に関わる研修・セミナーを実施しているスタッフ用医療安全マニュアルがある上記全て当てはまらないQ6. コメントをお願いします(具体的なエピソード、防止策、報告に関する勤務施設内での対応方針、報告したことによる評価・責任追及・懲罰の有無、その他ご意見など何でも結構です)F1. 先生が勤務されている施設を以下からお選び下さい。おわかりにならない先生は「上記以外」からお選び下さい。「報告義務医療機関」とは国立高度専門医療センター及び国立ハンセン病療養所独立行政法人国立病院機構の開設する病院学校教育法に基づく大学の付属施設である病院(病院分院を除く)特定機能病院「参加登録申請医療機関」とは上記以外で医療事故情報収集等事業の参加に希望する医療機関報告義務医療機関参加登録申請医療機関上記以外の病院(20床以上)上記以外の一般診療所・クリニック(19床以下)その他F2. 年代F3. 診療科2013年1月17日(木)~18日(金)実施有効回答数1,000件調査対象CareNet.com会員コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)「報告自体が医師の負荷を増しているのが悩ましい」(40代,内科,上記以外の病院)「同じような失敗が性懲りもなく繰り返されるが、対策を立てると減少する事例、患者サイドの要因が大きくなかなか減少しない事例がある。」(40代,脳神経外科,上記以外の病院)「報告システムはあるが形式的で結局なにも成果があがっていない。 誤薬と転倒のみが表立っていてもっと問題とするべき事項は表に出ないまま終わっている」(50代,神経内科,報告義務医療機関)「薬剤名の間違い(電子カルテで上下の段にある薬を誤って処方してしまう)がほとんど」(60代以上,耳鼻咽喉科,上記以外の一般診療所・クリニック)「他職種のヒヤリハットであっても、全て医師が患者や家族に説明する体制になっていてなんとなく腑に落ちないときがある」(40代,精神・神経科,上記以外の病院)「どの程度から報告したらよいか悩むことがある。今回、報告しなかったのは子どもが診察室の椅子で暴れて落ちそうになったことであり、ヒヤリハットの定義に当てはまらないと思われるが、転落してケガをしたら報告しなくてはならない。小児科であり、今回と同様のことをすべて報告していたらきりがない。以前の病院では、名前を伏せたレポートを冊子化しており、“こんなことが起こりうるのか”“このように注意したらよいのか”など参考になることがあった。レポートを提出することで注意されたり非難されたりしたことは一切なかったので、その環境はレポートを提出しやすくなるので大切」(60代以上,小児科,上記以外の病院)「ただ単に報告するだけでは、重大事故は防げないと思う。重大事故が既に過去に生じているから「ヒヤリ・ハット」と認識できるのであり、それだけでは新たな重大事故防止に不十分であると思うからです。報告することが目的のように勘違いされている風潮があります。重大事故を想像・想定する一歩進めたKYT(危険予知トレーニング)をもっと重視するべき」(50代,外科,上記以外の病院)「エピソードの報告があっても、原因・対応策の真剣な取り組みが見られないし、指導する者が居ない」(60代以上,内科,上記以外の一般診療所・クリニック)「医師は本来業務が煩雑で、ヒヤリ・ハットが多いが、忙しすぎていちいち報告できないのが現状」(40代,内科,上記以外の病院)「インシデント・アクシデントの報告は病院にとって宝であり、原則責任追及や懲罰はなく、特に発見者や対応策の提示者には表彰があります。」(40代,内科,上記以外の病院)「ピリン禁忌の患者にピリン系薬剤を処方し薬剤師より注意された。」(40代,内科,上記以外の一般診療所・クリニック)「電子カルテを最近導入したが,処方の際に小数点が落ちてしまったり,前回処方をコピーしようとして 前々回の処方をコピーしたりすることがある。電子カルテの操作性や,日付順に記載内容が表示されない など,電子カルテそのもののできが悪いとしか言いようがない。」(50代,小児科,報告義務医療機関)「昔なら問題にすらならないようなことまで、問題にされる傾向である。」(50代,内科,上記以外の一般診療所・クリニック)「事故を起こした個人の責任とせず、組織で再発防止を考える最近の流れに、大いに賛成しています。 昔は、ひどかった・・・。」(40代,内科,上記以外の一般診療所・クリニック)「ミスは誰にでもあるので、個人的な責任を問わないという姿勢も大事だとは思うが、明らかにミスを繰り返す傾向のある人もいる。その人に対して、どう対応すればいいのか?」(50代,小児科,上記以外の病院)「事故を報告する文化の醸成が重要、文化のないところにシステムを構築しても機能しないのではないかと思う。それと、報告システムの手間の軽減策、あまりに面倒なシステムだと、それが足かせとなって文化以前の段階で敬遠されてしまう。」(50代,消化器科,報告義務医療機関)「後日、重要なものについては医療安全管理室から事情聴取がある。」(60代以上,麻酔科,その他)「codeblueの館内放送が流れない部屋があったり、ブレーキの壊れた車椅子で院外に出た患者が危うく交通事故に合いそうになったりなど。」(60代以上,救急医療科,その他)「対策はしても責任追及はしない。あまりに報告が少ない部署は、むしろ要注意。」(50代,整形外科,上記以外の病院)「オカーレンスレポートを提出した事がありますが、某教授から退職するように強要されました。責任を追及しないなんて全くの嘘ですので。」(50代,循環器科,上記以外の一般診療所・クリニック)「責任追及ではないので、報告することで病院機能改善の方向に向かうと考えている。」(50代,耳鼻咽喉科,参加登録申請医療機関)「自身も含めインシデント・アクシデントの報告・連絡・相談は思うように行かない・・というのが実感」(40代,内科,上記以外の病院)「玄関前が凍結しており、患者が転倒することがあった。打撲程度であり、患者家族にも理解をしてもらえた。それ以後、翌朝凍結が予想されるときには診察終了時に玄関前に凍結防止剤(塩)を散布し、朝には湯をかけて凍結転倒しないよう配慮している。」(50代,内科,上記以外の一般診療所・クリニック)「報告件数・内容などが集計され院内に発表され対策会議にて再発予防策を策定しています。」(50代,泌尿器科,上記以外の病院)「自分自身、規格違いの内服薬の誤処方、静注薬の過量投与などを起こしたことがあるが、インシデントが起きたことを患者に説明すると、院長名の文書で具体的な改善策を求められ、患者側の意識が以前より高くなっていると感じる。当院ではレベル3b以上では、緊急に医療安全管理委員会が開かれて対応を協議している。報告は原則として安全管理システムの向上を目的としており、当事者の責任追及や懲罰はなされないのが通常の対応であるが、分析によって明らかに当事者個人の対応に問題があった場合はあり得る。」(50代,小児科,参加登録申請医療機関)「以前勤めていた病院で、手術中のエピソード(腰椎麻酔下での血圧低下と一過性の呼吸抑制のため一時術野から手をおろし対応)を報告したら、現場を知らない事務方に医療事故対応をとられる寸前のところだった。県立大野病院の事件の直後の頃である。ヒヤリ・ハットの報告も大事だが、関わるすべての人にきちんと責任をもってもらいたい。」(40代,産婦人科,上記以外の一般診療所・クリニック)「絶対ベッド上安静の患者(認知症なし)が勝手にベッドから降りようとして転倒した。 少ないスタッフでの看護にも限界あり。」(40代,整形外科,上記以外の病院)「外来での処方忘れや、看護師への細かい指示の行違い等、報告しているとキリがない。これらを無くすることは現実的には無理だと思う。 報告すべき事例と、しなくても良い事例の線引きが困難である。 」(40代,循環器科,報告義務医療機関)「ヒヤリハットの範囲が不明確である。処方での入力ミス(非危険薬):用法用量などがキーの入力ミスで 入力後気づく、あるいは薬剤師からの疑義解釈で気づくなどの場合、ヒヤリハットといえるか必ずしも明確でない(手書きでは起こらないことが電カルでは頻繁に起こる)。」(60代以上,リウマチ科,上記以外の病院)「電子カルテシルテムの様式が煩雑でハードルが高い」(50代,眼科,参加登録申請医療機関)「無床クリニックでの安全体制って、皆様いかが取り組んでいらっしゃるのか、知りたいところです。」(40代,内科,上記以外の一般診療所・クリニック)「研修医は直属の上司がはっきりしないため、報告システムが確立していない。」(30代以下,内科,報告義務医療機関)「よく似た名前の患者は、呼名で確認しても患者がハイと返事するので困った。番号で呼ぶのが良いかもしれない。」(50代,腎臓内科,上記以外の病院)「定期的に発信していかないと、報告数が減少してしまいます。報告者への責任や懲罰はありませんが、個別にはいろいろともめる原因になっているようです。」(40代,産婦人科,参加登録申請医療機関)「日常業務に差し支えのない程度の簡単な報告様式にするか、事務が書いてくれるなどしてくれるといいのだが。」(30代以下,産婦人科,報告義務医療機関)「外来処方時の日数間違えなどは登録していません。 入院中の点滴オーダー忘れや検査で有害事象が起きたときはすべて報告しています。」(30代以下,循環器科,その他)「当院では報告しても周囲に報告やお知らせなどせず、反映されていない」(40代,整形外科,報告義務医療機関)「もっと簡単なフォーマットになっていればいいと思います。」(40代,その他,報告義務医療機関)「うちの施設では、犯人探しになってしまうことが多い」(40代,呼吸器科,上記以外の病院)「電子カルテになって、電子化された報告システムになったが、紙ベースのときの方が報告しやすかった」(50代,外科,上記以外の病院)「懲罰はないが、あまりにひどい場合には依願退職した人もいる。」(60代以上,放射線科,参加登録申請医療機関)「報告による評価・責任追及・懲罰の有無はないとされているが、長期的に見た場合、全くヒヤリハット報告がない医師と、正直にすべて報告した医師とで、本当に評価の差が無いのか不安。」(30代以下,小児科,その他)「報告はある程度保存したあとは、残さないというルールでなければ報告は増えないと思います。」(40代,整形外科,上記以外の病院)「どこの病院でも医師からのインシデントレポート(ヒヤリ・ハット)は少ない。関係者が複数の場合、だれが報告を上げるかでも病院幹部の考え方が違っており統一されていない点が問題である。医療評価機構などが報告数を上げることを目的にしているように医師には思えてくるのではないか?真の医療の質の向上に結びついているという実感がないことが多いため報告しない可能性が高いと思う。」(50代,小児科,参加登録申請医療機関)「安全に対する対策費の増額が必要であるが、現状の医療環境の中で捻出が困難」(50代,消化器科,その他)「ワクチンの打ち間違えは痛かった。院長である以上、スタッフ全員に目を配らなければ。」(50代,小児科,上記以外の一般診療所・クリニック)「看護師による誤投薬で責任を取らされたことがあり腑に落ちない」(30代以下,呼吸器科,上記以外の病院)「処方箋の記入間違いがどうしても減らず困っています。」(50代,内科,参加登録申請医療機関)「医者は基本的にインシデント報告をしない人が多い気がします」(30代以下,精神・神経科,報告義務医療機関)「報告により責任追及は行われないことになっているが、誰が見ても防げる単純なミスなどはみっともないと思われるのは通常。どこまでを報告範囲とすべきか、決まっていないものもあり、手術時間の延長についても報告されない場合とされる場合がある」(40代,外科,報告義務医療機関)「MRM委員会と事例検討会が毎月開催されています。」(40代,呼吸器科,その他)「ヒューマンエラーは決してゼロにはならないとの観点から、ヒヤリハットの報告システムは重要と考える。しかし、報告したことや情報を収集したことで満足し、業務内容の改善等に生かされないのであれば意味がない。」(40代,血液内科,報告義務医療機関)「外来診察で高度の認知症のある別の患者が入室したことがあったが、診察終了までそれに気がつきませんでした。」(30代以下,皮膚科,報告義務医療機関)「病院首脳でヒヤリハット会議に出席しているメンバーに、ヒヤリハット事例の常連メンバーがおり、会議自体が形骸化している」(40代,内科,参加登録申請医療機関)「医師からの報告が少ないので、数字を増やすため、些細なものも報告している」(50代,内科,上記以外の一般診療所・クリニック)「報告しても、防ぐ手立てがないものが多い。今後、お互いに気をつけましょうで終わってしまう。」(50代,精神・神経科,上記以外の病院)

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全米小児病院の再入院率、疾病や病院間で有意な差/JAMA

 米国・ボストン小児病院のJay G. Berry氏らが、全米の小児病院急性期部門の再入院率を調査した結果、予定外の30日再入院率は6.5%であったことが報告された。再入院率は、患者が入院の間、および退院後に受ける治療の質のインジケーターとして利用される。本調査の再入院率も、疾病や病院間で有意差がみられ、著者は「本病院の質的改善活動に役立つであろう」とまとめている。JAMA誌2013年1月23日号掲載の報告より。1年間の72小児病院57万弱の入院について検証 調査は、小児病院急性期部門の再入院率と、病院間の格差について調べることを目的とした。 2009年7月1日~2010年6月30日の間、米国小児病院・関連施設協会のデータに基づき、72の小児病院での56万8,845件の入院について検証した。 病院、年齢、慢性疾患指標(Chronic Condition Indicators)ごとに30日再入院率を、階層的回帰モデルを用いて算出した。再入院率の「高い」「低い」は、病院ごとに求めた調整後再入院率の平均値にて特定した。 主要評価項目は、すべての診断、または10の入院診断項目で最も高率であった、未計画の30日再入院率とした。計画的再入院は、ICD-9-CMのコードで特定した。再入院率は6.5%、病院間の格差は28.6% 全入院児の未調整30日再入院率は、6.5%(3万6,734件)であった。 同値が「高い」病院と「低い」病院間の格差は大きく、調整後比較で28.6%であった[7.2%(95%信頼区間:7.1~7.2)対5.6%(同:5.6~5.6)]。 10の入院診断について最も高かった再入院率について検証したところ、調整後同割合は17.0%~66.0%にわたり、高い病院と低い病院の差が大きいことが認められた。たとえば、鎌状赤血球の再入院率は、最も高い病院で20.1%(95%信頼区間:20.0~20.3)であったのに対し、最も低い病院では12.7%(同:12.6~12.8)であった。

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重症血友病Aに対する第VIII因子製剤投与のインヒビター抗体発生リスク/NEJM

 未治療の重症血友病A患児に対する第VIII因子製剤投与のインヒビター(阻害)抗体発生リスクについて調べた結果、全長遺伝子組換え型製剤間で発現リスクの有意な違い(第二世代製剤が第三世代に比べ約1.6倍増大)が示されたことが報告された。一方で、血漿由来製剤と遺伝子組換え製剤、製剤中のフォン・ヴィレブランド因子の含有量、製剤間の切り替えによる同発生リスクの増大はいずれも認められなかったという。オランダ・ユトレヒト大学メディカルセンターのSamantha C. Gouw氏らが患児600人弱について調べた結果で、NEJM誌2013年1月17日号で発表した。これまで未治療の重症血友病A患児に対する第VIII因子製剤の、種類や製剤間の切り替えなどと、臨床的に重要なインヒビター抗体発現リスクとの関連は明らかではなかった。インヒビター抗体発生の累積発現率は32.4% 研究グループは、2000~2010年に生まれた重症血友病Aの小児574人(年齢中央値:6.4歳、四分位範囲:4.0~8.9)を対象に、第VIII因子製剤によるインヒビター抗体リスクについて調査を行った。被験者の第VIII因子活性は、0.01IU/mL未満だった。 その結果、インヒビター抗体が発生したのは、574人中177人(累積発現率:32.4%)だった。そのうち116人は、ピーク力価が5ベセスダ単位/mL以上の高力価阻害抗体が認められた(累積発現率:22.4%)。インヒビター抗体リスク、血漿由来製剤と遺伝子組換え製剤では同等 インヒビター抗体発生リスクは、血漿由来製剤と遺伝子組換え製剤では同等だった(遺伝子組換え製剤に対する補正後ハザード比:0.96、95%信頼区間:0.62~1.49)。 一方、第二世代全長遺伝子組換え型製剤は、第三世代全長遺伝子組換え型製剤に比べ、インヒビター抗体発生リスクは有意に高かった(補正後ハザード比:1.60、同:1.08~2.37、p=0.02)。 製剤に含まれるフォン・ヴィレブランド因子量や、製剤の変更によるインヒビター抗体発生リスクの増大は認められなかった。

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双極性障害とADHDは密接に関連している

 双極性障害は合併症を有する割合が高いことが報告されている。なかでもADHDでみられる多弁、注意欠陥、多動性などの症状が、双極性障害の症状と高率にオーバーラップしていることから、双極性障害とADHDの関連に注目が集まっている。トルコ・チャナッカレ・オンセキズ・マルト大学のElif Karaahmet氏らは、双極性障害における注意欠陥・多動性障害(ADHD)の合併頻度、ならびにADHD合併の有無による双極性障害の臨床的特徴の相違について検討した。その結果、双極性障害患者の約23%にADHDの合併が認められたこと、ADHD合併例では双極性障害の発症年齢が低く、躁病エピソードの回数が多くみられたことを報告した。Comprehensive Psychiatry誌オンライン版2013年1月7日号の掲載報告。双極性障害患者の23.3%に成人ADHD 本研究では、双極性障害におけるADHDの合併頻度、ならびにADHD合併患者の臨床的特徴を明らかにすることを目的に検討を行った。2008年8月1日から2009年6月30日までにゾングルダク・カラエルマス大学Research and Application病院の双極性障害ユニットを訪れ、DSM-IV 分類により双極性障害と診断された患者は142例であった。同意書にサインした118例のうち、試験を完了した90例を評価対象とした。試験に参加した全患者に、社会人口統計学評価票である「ウェンダー・ユタ評価尺度(Wender Utah Rating Scale;WURS)」、「成人ADD/ADHD Diagnostic and Evaluation Inventory」および「DSM-IV 第 I 軸障害構造化面接(Structural Clinical Interview for DSM-IV Axis I Disorders, Clinical Version;SCID-I)」を施行し、評価した。 主な結果は以下のとおり。・双極性障害患者の23.3%に成人ADHDが認められた。・成人ADHD合併の有無で、双極性障害患者の社会人口統計学的特性に相違はみられなかった。・成人ADHD合併患者は、成人ADHD非合併患者に比べて最低1年間留年している者が多く、その差は統計学的に有意であった。・成人ADHD合併群は、成人ADHD非合併群と比べて双極性障害発症年齢が有意に低く(p=0.044)、躁病エピソードの回数がより多かった(p=0.026)。・成人ADHD合併群ではパニック障害(p=0.019)が、小児ADHD合併群では強迫性障害(p=0.001)が最も高頻度にみられた。・双極性障害において成人ADHDは頻度の高い合併症であり、双極性障害の早期発症、多い躁病エピソード、Axis Iに分類されることなどと関連していた。

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