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事例03 小児科療養指導料査定のポイント【斬らレセプト】

解説小児科を標榜する200床未満病院での事例である。数ヵ月ごとのフォローアップで受診した1歳の女児の母親に療養上の指導を行い、再診料と小児科療養指導料を算定したところ、同指導料が対象疾患不足を理由に査定となった。同指導料の算定要件に対象疾患が定められており、その中の「先天性心疾患」に発作性上室頻拍が含まれると考えられての算定であった。しかし、発作性上室頻拍という病名のみからは、先天性の心疾患であることの判断はつかない。病名の前に「先天性」を表示するか、コメントにて「先天性」であることを示すと査定防止に役立つであろう。また、6歳未満の患児への算定では、病名限定が無いものの出生時体重が1,500g未満とされている。この場合もレセプトに「出生時体重1,500g未満」とあらかじめ補記しておくことが、査定対策に必要である。

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小児ADHD、食事パターンで予防可能か

 これまで子供の行動における食事の役割は議論されてきたが、小児期の行動障害と複数の栄養因子との関連が絶えず示唆されている。韓国・国立がんセンターのHae Dong Woo氏らは、注意欠陥・多動性障害(ADHD)に関連する食事パターンを明らかにするため、症例対照研究を行った。その結果、伝統的かつ健康的な食事を摂取することで、ADHDリスクが低下する可能性があることが示唆された。Nutrients誌オンライン版2014年4月14日号の報告。 対象は7~12歳の小学生192人。食事摂取量を評価するために、3回の非連続的な24時間回想(HR)インタビューを実施し、事前に定義された32の食品群は主成分分析(PCA)で抽出した。 主な結果は以下のとおり。・PCAにより、「伝統的」「海藻-卵」「伝統的-健康的」「軽食」の四大食事パターンを特定した。・「伝統的-健康的」パターンは低脂肪、高炭水化物なだけでなく、脂肪酸やミネラルを多く摂取していた。・「伝統的-健康的」パターンを三分位に分け最高位を最低位と比較すると、多変量調整後のADHDのオッズ比(OR)は、0.31(95%CI:0.12~0.79)であった。・「軽食」パターンのスコアは、明確にADHDリスクと関連していた。しかし、有意な関連は第2三分位のみで観察された。・その他の食事パターンでは、ADHDとスコアの間に有意な関連は認められなかった。関連医療ニュース 小児ADHDの薬物治療、不整脈リスクに注意を 子供はよく遊ばせておいたほうがよい 小児の自殺企図リスク、SSRI/SNRI間で差はあるか

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肺炎・気管支喘息で入院した乳児が低酸素血症となって死亡したケース

小児科最終判決判例時報 1761号107-114頁概要2日前からの高熱、呼吸困難を主訴として近医から紹介された2歳7ヵ月の男児。肺炎および気管支喘息の診断で午前中に小児科入院となった。入院時の医師はネブライザー、輸液、抗菌薬、気管支拡張薬、ステロイドなどの指示を出し、入院後は診察することなく定時に帰宅した。ところが、夜間も呼吸状態は改善せず、翌日早朝に呼吸停止状態で発見された。当直医らによってただちに救急蘇生が行われ、気管支内視鏡で気管分岐部に貯留した鼻くそ様の粘調痰をとりのぞいたが低酸素脳症に陥り、9ヵ月後に死亡した。詳細な経過患者情報気管支喘息やアトピーなどアレルギー性疾患の既往のない2歳7ヵ月男児。4歳年上の姉には気管支喘息の既往歴があった経過1995年1月24日38℃の発熱。1月25日発熱は40℃となり、喘鳴も出現したため近医小児科受診して投薬を受ける。1月26日早朝から息苦しさを訴えたため救急車で近医へ搬送。四肢末梢と顔面にチアノーゼを認め、β刺激薬プロカテロール(商品名:メプチン)の吸入を受けたのち総合病院小児科に転送。10:10総合病院(小児科常勤医師4名)に入院時にはチアノーゼ消失、咽頭発赤、陥没気味の呼吸、わずかな喘鳴を認めた。胸部X線写真:右肺門部から右下肺野にかけて浸潤影血液検査:脱水症状、CRP 14.7、喉にブドウ球菌の付着以上の所見から、咽頭炎、肺炎、気管支喘息と診断し、輸液(150mL/hr)、解熱薬アセトアミノフェン(同:アンヒバ坐薬)、メフェナム(同:ポンタールシロップ)、抗菌薬フルモキセフ(同:フルマリン)、アミノフィリン静注、ネブライザーメプチン®、気道分泌促進薬ブロムヘキシン(同:ビソルボン)、内服テレブタリン(同:ブリカニール)、アンブロキソール(同:ムコソルバン)、クロルフェニラミンマレイン(同:ポララミン)を指示した(容態急変まで血液ガス、経皮酸素飽和度は1回も測定せず)。10:30体温39.5℃、陥没気味の呼吸(40回/分)、喘鳴あり。11:15喘鳴強く呼吸苦あり、ステロイドのヒドロコルチゾン(同:サクシゾン)100mg静注。14:00体温36.7℃、肩呼吸(50回/分)、喘鳴あり。16:30担当医師は看護師から「喉頭部から喘鳴が聞こえる」という上申を受けたが、患児を診察することなく17:00に帰宅。19:30喉頭部の喘鳴と肩呼吸(50回/分)、夕食を飲み込めず吐き出し、内服薬も服用できず、吸入も嫌がってできない。22:00体温38.3℃、アンヒバ®坐薬使用。1月17日02:20体温38.1℃、陥没気味の呼吸(52回/分)、喘鳴あり。サクシゾン®100mg静注。06:30体温37.1℃、陥没気味の呼吸、咳あり。07:20ネブライザー吸入を行おうとしたが嫌がり、機器を手ではねつけた直後に全身チアノーゼが出現。07:30患児を処置室に移動し、ただちに酸素吸入を行う。07:40呼吸停止。07:55小児科医師が到着し気管内挿管を試みたが、喉頭部がみえにくくなかなか挿管できず。マスクによる換気を行いつつ麻酔科医師を応援を要請。08:10ようやく気管内挿管完了(呼吸停止後30分)、この時喉頭部には異常を認めなかった。ただちにICUに移動して集中治療が行われたが、低酸素脳症による四肢麻痺、重度意識障害となる。10:00気管支鏡で観察したところ、気管および気管支には粘稠な痰があり、とくに気管分岐部には鼻くそ様の固まりがみられた。10月26日約9ヵ月後に低酸素脳症により死亡。当事者の主張患者側(原告)の主張肺炎、気管支喘息と診断して入院し各種治療が始まった後も、頻呼吸、肩呼吸、陥没呼吸、体動、喘鳴がみられ呼吸障害は増強していたのだから、気管支喘息治療のガイドラインに沿ってイソプレテレノールの持続吸入を追加したり気管内挿管の準備をするべきであったのに、入院時の担当医師は入院後一度も病室を訪れることなく、午後5:00過ぎに帰宅して適切な指示を出さなかった。夜間帯の当直医師、看護師も、適切な病状観察、病態把握、適切な治療を怠ったため、呼吸不全に陥った。病院側(被告)の主張小児科病棟は主治医制ではなく3名の小児科医による輪番制がとられ、入院時の担当医師は肺炎、気管支喘息の患者に対し適切な治療を行って、起坐呼吸やチアノーゼ、呼吸音の減弱や意識障害もないことを確認し、同日の病棟担当医であった医師へきちんと申し送りをして帰宅した。その後も呼吸不全を予測させるような徴候はなかったので、入院翌日の午前7:00過ぎに突発的に呼吸不全に陥ったのはやむを得ない病態であった。裁判所の判断入院時の担当医師は、肺炎、気管支喘息の診断を下してそれに沿った注射・投薬の指示を出しているので、ほかの小児科医師に比べて格段の差をもって病態の把握をしていたことになる。そのため、小児科病棟では主治医制をとらず輪番制であったことを考慮しても、患者の治療について第一に責任を負うものであり、少なくとも夜間の当直医とのあいだで綿密な打ち合わせを行い、午後5:00に帰宅後も治療に遺漏がないようにしておくべきであった。ところが、入院後一度も病室を訪れず、経皮酸素飽和度を測定することもなく、ガイドラインに沿った治療のグレードアップや呼吸停止に至る前の気管内挿管の機会を逸し、容態急変から死亡に至った。患者側1億545万円の請求に対し6,950万円の判決考察1. 呼吸停止の原因について裁判では呼吸停止の原因として、「肺炎や気管支喘息に起因する気道閉塞によって、肺におけるガス交換が不十分となり呼吸不全に陥った」と判断しています。そのため、小児気管支喘息のガイドラインを引用して、「イソプロテレノールの持続吸入をしなかったのはけしからん、気道確保を準備しなかったのは過失だ」という判断へとつながりました。ところが経過をよくみると、容態急変後の気管支鏡検査で「気管および気管支には粘稠な痰があり、とくに気管分岐部には鼻くそ様の固まりがみられた」ため、気管支喘息の重積発作というよりも、粘調痰による気道閉塞がもっとも疑われます。しかも、当直医が気管内挿管に手間取り、麻酔科医をコールして何とか気管内挿管できたのは呼吸停止から30分も経過してからでした。要するに、痰がつまった状態を放置して気道確保が遅れたことが致命的になったのではないかと思われます。裁判ではなぜかこの点を重視しておらず、定時の勤務が終了し午後5:00過ぎに帰宅していた入院時の担当医師が(帰宅後も)適切な指示を出さなかった点をことさら問題としました。2. 主治医制をとるべきか当時この病院では部長医師を含む小児科医4名が常駐し、夜間・休日の当直は部長以外の医師3名で輪番制をとっていたということです。昨今の情勢を考えると、小児医療を取り巻く状況は大変厳しいために、おそらく4名の小児科医でもてんてこ舞いの状況ではなかったかと推測されます。入院時の担当医師は、肺炎、気管支喘息と診断した乳児に対し、血管確保のうえで輸液、抗菌薬、アミノフィリン持続点滴を行い、ネブライザー、各種内服を指示するなど、中~大発作を想定した気管支喘息に対する処置は行っています。それでも呼吸状態が安定しなかったので、ステロイドのワンショット静注を2回くり返しました。通常であれば、その後は回復に向かうはずなのですが、今回の患児は内服薬を嫌がってこぼしたり、ネブライザーの吸入をさせようとしてもうまくできなかったりなど、医師が想定した治療計画の一部は実施されませんでした。そして、当直帯は輪番制をとっていることもあって、入院時にきちんとした指示さえ出しておけば、後は当番の病棟担当医がみてくれるはずだ、という認識であったと思われます。そのため、11:00過ぎの入院から17:00過ぎに帰宅するまで6時間もありながら(当然その間は外来業務を行っていたと思いますが)一度も病室に赴くことなく、看護師から簡単な報告を受けただけで帰宅し、自分の目で治療効果を確かめなかったことになります。もし、帰宅前に患者を診察し、呼吸音を聴診したり経皮酸素飽和度を測るなどの配慮をしていれば、「予想以上に粘調痰がたまっているので危ないぞ」という考えに至ったのかも知れません。ところが、本件では血液ガス検査は行われず、急性呼吸不全の徴候を早期に捉えることができませんでした。そして、裁判でも、「入院時の担当医師はほかの小児科医師に比べて格段の差をもって病態の把握をしていたため、小児科病棟では主治医制をとらず輪番制であったことを考慮しても、患者の治療について第一に責任を負うものであり、少なくとも夜間の当直医とのあいだで綿密な打ち合わせを行い、午後5:00に帰宅後も治療に遺漏がないようにしておくべきであった」という、耳が痛くなるような判決が下りました。ここで問題となるのが、主治医制をとるべきかどうかという点です。今回の総合病院のように、医師個人への負担が大きくならないようにグループで患者をみる施設もありますが、その弊害としてもっとも厄介なのが無責任体制に陥りやすいということです。本件でも、裁判では問題視されなかった輪番の小児科当直医師が容態急変前に患者をみるべきであったのに、申し送りが不十分なこともあってほとんど関心を示さず、いよいよ呼吸停止となってからあわてて駆けつけました。つまり、入院時の担当医師は「5:00以降はやっと業務から解放されるので早く帰宅しよう」と考えていたでしょうし、当直医師は「容態急変するかも知れないなんて一切聞いてない。入院時の医師は何を考えているんだ」と、まるで責任のなすりつけのような状況ではなかったかと思われます。そのことで損をするのは患者に他なりませんから、輪番制をとるにしても主治医を明確にしておくことが望まれます。ましてや、「輪番制であったことを考慮しても、(入院指示を出した医師が)患者の治療について第一に責任を負う」という厳しい判決がおりていますので、間接的ではありますが裁判所から「主治医制をとるべきである」という見解が示されたと同じではないかと思います。小児科

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麻疹の流行、どう対応する

今年に入り患者数の増加が目立つ麻疹について、国立国際医療研究センター感染症内科/国際感染症センターの忽那賢志氏に、流行の現状と医療者の対応について聞いた。麻疹流行の現状本年第1~8週までの麻疹患者数は199例(2013年12月30日~2014年2月23日)と、すでに昨年1年間の麻疹患者数を超えている。昨年同期比では3.3倍と、季節性を考慮しても大きな増加である。この傾向は、昨年11月頃よりあらわれているという。麻疹は昨年からフィリピンで流行しているが、フィリピンから帰国感染者がわが国での流行の発端となっている。そこから拡大し、現在では海外渡航歴のない感染者も多い。参考:国立感染症研究所IDWRhttp://www.nih.go.jp/niid/ja/measles-m/measles-idwrc.html日本人における麻疹の問題日本人には麻疹の抗体がない方、あっても不十分な方は少なくないという。その原因のひとつは麻疹ワクチンの接種率である。麻疹ワクチンは、MMRワクチンの副作用の影響を受け、1990年代に接種率が減少している。また、ワクチン接種回数の問題もある。麻疹ワクチンは1976年に定期接種となったが、当初は1回接種であった。1回接種の場合、5%程度の方に抗体ができない、あるいは出来ても成人になって抗体が減衰することがある。2006年に麻疹ワクチンは2回接種となったものの接種率は高くなく、生涯ワクチン接種が1回で麻疹に罹患歴がないなど、麻疹ウイルスに対して免疫を持ってない成人が、わが国では7万人いるといわれる。麻疹はわが国における非常に重要な医療問題の一つだと忽那氏は訴える。麻疹の感染力は非常に強く、インフルエンザの約8倍、風疹の約2倍である(基本再生産数に基づく)。また、重症化することが多く、発展途上国では現在も年間50万人以上が死亡する。わが国でも、年間20~30人の麻疹関連死がある。さらに、肺炎、脳炎・脳症などの合併症を伴うこともあり予後も不良である。医療者の対応このような中、医療者はどう対応すべきであろうか。麻疹患者の受診に備え、忽那氏はいくつかの留意点を挙げた。医療者自身に麻疹の抗体があるか確認する麻疹(疑い)患者の診療は抗体のある医療者が行う当然のことではあるが、医療者自身が抗体価を測定し、基準値に達していなければワクチンを接種するべきである。ワクチン接種しても抗体価が上がらない方もいるが、これまでに1回しか接種していないのであれば、2回接種するべきであろう。疑い患者であっても陰圧個室で診察する麻疹は空気感染で伝播するため、周囲の患者さんや医療者に感染することも十分考えられる。疑い患者であっても隔離して陰圧個室で診療すべきである。東南アジア渡航歴があり発熱・上気道症状を呈している患者では麻疹を鑑別に加える麻疹は初期段階では診断が付けにくいケースもあるという。麻疹初期には発熱や上気道炎症状やといった症状(カタル症状)が出現するものの、皮疹が発現せず、数日後に皮疹が出てはじめて麻疹とわかることもある。このカタル症状の病期であっても感染力は強いため、皮疹が確認できなくとも、東南アジアなど麻疹が発生している国の渡航歴があり発熱がある場合は鑑別のひとつとして考えるべきである。また国内でも麻疹は増えており、渡航歴のない患者でも麻疹を疑う閾値を低くしておく必要がある。麻疹罹患歴があっても疑わしければ確認する幼少期の麻疹の診断は臨床症状のみに基いてで行っていることが多い。そのため、たとえ患者さんが麻疹の既往を訴えても、実際には麻疹ではなく風疹やその他の感染症であったということも考えられる。過去の罹患歴があるという場合も臨床的に麻疹が疑われる場合は、感染者との接触、ワクチン接種歴などを確認し、他の診断が確定するまでは麻疹として対応するのが望ましい。東南アジアでの麻疹は拡大し、現在はベトナムでも流行しているという。今後のわが国での大流行を防ぐためにも、流行の動向に留意しておくべきであろう。

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パルスオキシメーター+臨床的評価、先天性心疾患発見に有用/Lancet

 新生児の先天性心疾患の発見に、パルスオキシメーター+臨床的評価のスクリーニングは実質的で信頼性が高いことを、中国・復旦大学附属小児病院・Qu-ming Zhao氏らが前向き試験の結果、報告した。著者は、「この簡便で精度の高い複合的手法を、産科病院では先天性心疾患のスクリーニング法として活用すべきである」と提言している。これまでにいくつかの先駆的な試験において、クリティカルな先天性心疾患検出にパルスオキシメータースクリーニングを広く導入することに関するエビデンスは示されていた。著者は、「しかし、それらの報告は、高所得国で検討されたもので、低所得国でも同様に導入メリットがもたらされるかは不明であった」と、本検討を実施した理由を述べている。Lancet誌オンライン版2014年4月23日号掲載の報告より。中国国内18病院で大規模前向き多施設共同スクリーニング試験 研究グループは中国における、重大な先天性心疾患(とくにクリティカルな例)検出について、パルスオキシメーター+臨床的評価による実行可能性と信頼性を評価する前向き試験を行った。 上海の3病院で検出精度を評価するパイロット試験を行い、データ収集計画を策定後、2011年8月1日~2012年11月30日にかけて、中国国内18病院で生まれた連続新生児(生後6~72時間)について、大規模前向き多施設共同スクリーニング試験を行った。スクリーニング結果が陽性(パルスオキシメーターもしくは臨床的評価のいずれかが異常)だった新生児には、検査後24時間以内に心エコー検査が行われた。なお偽陰性の結果については、臨床的フォローアップおよび両親からのフィードバックで特定を行った。 評価は、パルスオキシメーター単独または+臨床的評価の、重大およびクリティカルな先天性心疾患の検出について、感度、特異度、陽性・陰性適中率、陽性・陰性尤度比を算出し検討した。検出感度、クリティカル例93.2%、重大例90.2% パイロット試験では、6,785例の連続新生児についてスクリーニングが行われた。スクリーニング時の年齢中央値は生後47時間、パルスオキシメーター検査の平均時間は1.6分だった。結果、無症候性の重大先天性心疾患49例のうち46例が(94%)、また無症候性のクリティカルな疾患8例のうち8例が、パルスオキシメーター+臨床的評価により検出できた。 続く前向き多施設試験では、12万2,738例の連続新生児についてスクリーニングを行った(症状なし12万707例、症状あり2,031例)。結果、先天性心疾患1,071例(うちクリティカル例157例、重大例330例)を検出した。 無症候性新生児において、パルスオキシメーター+臨床的評価による検出の感度は、クリティカル例が93.2%(95%信頼性[CI]:87.9~96.2%)、重大例が90.2%(同:86.4~93.0%)だった。 解析の結果、臨床的評価にパルスオキシメーターの情報を加えることで、クリティカル例の検出感度は77.4%(同:70.0~83.4%)から93.2%(同:87.9~96.2%)へと改善したことが示された。 なお、クリティカル例検出に関する偽陽性率は、臨床的評価単独では2.7%(3,298/12万392例)、パルスオキシメーター単独では0.3%(394/12万561例)だった。

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てんかん診療に福祉制度の活用を!

2014年4月23日(水)、東京都品川区で開催された大塚製薬株式会社・ユーシービージャパン株式会社共催の「てんかんアカデミー」にて、ソーシャルワーカーの漆畑 眞人氏(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院 医療福祉相談室長)が「てんかん診療ですぐに活用できる福祉制度」をテーマに講演を行った。福祉制度を活用する意義とはてんかん患者は、治療によって肉体的・精神的「健康」という大きな成果を得ることができる。ただし、その生活はさまざまな社会的障害を抱えることがある。てんかんの医療は、こうした社会的障害にも目を向けて、患者の生活安定とその有意義な人生につながることで、より大きな成果をみることができる。福祉制度の活用は、患者のこのような生活実現を支援するうえで重要なもののひとつである。てんかんで利用可能な福祉制度のうち、主なものには、1)自立支援医療(精神通院)2)精神障害者保健福祉手帳3)障害年金の3つがある。しかしながら、それぞれの制度に対する患者・家族および医療従事者の認知が十分でないため、必ずしもすべてのてんかん患者には支援が行き届いていない現状がある。てんかん患者にとって、これらの福祉制度を活用することは、一方で、医療費の心配をなくして、てんかん治療の中断を防ぐとともに、他方で、患者とその家族の生活安定をはかるものとなる。そうすれば、安定した生活基盤をもとに、患者とその家族が病気や障害を抱えつつも自分自身で納得して満足できる人生を送ることについて、医療が大きな貢献をしていくことができるようになる。(1)自立支援医療(精神通院医療)自立支援医療(精神通院医療)制度は、障害者が人格を尊重されて自立生活を営めるようにすることを目的としているが、直接的には医療費助成制度である。この制度を活用することで、患者は指定医療機関でのてんかん通院医療費が1割負担となる。上限月額も定められているため患者負担が少なくおさえられ、治療を継続しやすい環境が整う。自治体によってはさらに上乗せ助成される場合もあるため、各自治体のホームページなどを参考にされたい。区市町村役所にて手続きが可能である。“精神通院”とあるが、診断書を作成する医師が精神科に限定されるわけではなく、てんかんを含む精神障害の診断または治療に従事する指定医療機関の医師であれば、診療科は問われない。また、「指定医療機関」の認定にあたっては、各種医療・福祉制度の紹介や説明、カウンセリングの実施等が行える体制整備のほかは、主として担当する医師がてんかん医療に3年以上従事していれば指定基準を満たすため、積極的に活用していただきたい。なお、「福祉制度の紹介や説明」とは必ずしもすべての制度を詳細に渡って情報提供することが想定されているわけではない。実際には行政機関窓口等に行って詳しく聞くように助言することだけでも十分である。(関連リンク)厚生労働省『自立支援医療(精神通院医療)について』(PDF)(2)精神障害者保健福祉手帳精神障害者保健福祉手帳は、精神障害者の社会復帰、自立と社会参加の支援を受けやすくすることを目的としている。具体的な支援例としては、公共交通機関の料金割引、公共施設の入場料無料、税金の減額などがある。申請窓口は居住地の保健所や市区役所など自治体によって異なるが、都道府県知事が発行する。ただし、自立支援医療(精神通院医療)制度が「病気治療」について適用されるのに対し、精神障害者保健福祉手帳は「一定の精神障害の状態にあること」が必要とされることから、てんかんと診断された日から6ヵ月が経過している必要がある。診断書の作成医は、精神保健指定医その他てんかんを含む精神障害の診断または治療に従事する医師である。ここでも診療科を問わない。てんかん患者の精神障害等級はてんかん発作の種類と頻度によって、1級から3級に分けられている。等級基準は公開されている。等級を判断する際のポイントは、患者の診察室での様子だけではなく、患者が一人住まいとなった時の日常生活を「想像」して判断する必要があるため、患者の側にいる家族や、保健所保健師、ケアマネージャーなどの地域での支援者から情報をもらうと参考になる。(関連リンク)東京都の場合:東京都福祉保健局 東京都立中部総合精神保健福祉センター「精神障害者保健福祉手帳制度の手続き」(3)障害年金障害年金は、所得保障により障害者の経済的な生活支援を目的としている。ここでも診断書作成医は、てんかんにおいては精神科以外の診療科医師も作成が可能である。障害年金も精神障害者保健福祉手帳と同様に障害等級が定められており、等級判定の手続きが必要となる。なお、障害年金を受給していれば、年金証書等を添付するだけで同じ等級の精神障害者保健福祉手帳を取得することができる。しかし、精神障害者保健福祉手帳があっても障害年金の等級判定手続きはあらためて必要となるため、注意が必要である。また、障害年金の場合は、障害等級の該当性のほかに、保険料の納付要件も必要である。(関連リンク)日本年金機構『障害基礎年金を受けられるとき』障害年金サポートセンター『障害年金の受給までの流れ』制度を活用するうえでのデメリットとは主な3つの福祉制度をみると、患者においてはメリットが大きいように思えるが、デメリットはあるのだろうか。デメリットと考えることには人それぞれの個別性もある。たとえば、精神障害者保健福祉手帳を取得することで自分が「精神障害者である」というレッテルを貼られたくない人もいる。また、自分の周りや職場に知られたくないという人にとっては、制度上は知られないよう個人情報保護が図られているものの、事実上は情報が漏れてしまう可能性がないとはいえない。逆に、職場環境としては、てんかん患者であることを知られた上で安全配慮を受けて仕事をすることもありうる。福祉制度提案の際には、患者とのコミュニケーションをしっかりと図る必要があるだろう。以上のようなデメリットも考慮したうえで、各々の患者が納得して福祉制度を活用することが重要である。てんかん医療は、肉体的・精神的「健康」をめざすとともに患者の生活にも目を向けて福祉制度を積極的に取り込むことを期待されている。多くのてんかん患者が制度活用によって生活を安定させ、それぞれにとっての実りのある有意義な人生を歩んでいくことができる。患者にとってはこのような大きな目標を医療従事者と共有でき、日々の医療の成果はこのような生活の実現に大きく貢献するものとなる。(ケアネット)

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小児期早期のてんかん転倒発作、特徴が判明:東京女子医大

 東京女子医科大学の小国 弘量氏らは、小児期早期の症候性てんかんにおける転倒発作(epileptic drop attack:EDA)について、ミオクロニー失立発作(myoclonic-astatic epilepsy:MAE)との違いを明らかにする検討を行った。その結果、EDAは屈曲側でてんかん性スパスムス(ES)が起きる頻度が最も多く、MAEでみられるような典型的なけいれんの発生はまれであることを明らかにした。今回の所見を踏まえて著者は「臨床では、脳波所見でみられる棘徐波複合の周期的、限局的あるいは多巣性の発現が、ESによるEDAであることを示唆する可能性がある」とまとめている。Brain and Development誌オンライン版2014年4月11日号の掲載報告。 研究グループは、小児期の症候性てんかんにおけるEDAとMAEの違いを明らかにするため、ビデオポリグラフ試験の記録について、両者それぞれの人口統計学的データとともに比較検討した。 主な結果は以下のとおり。・被験者は、月齢7ヵ月~6歳までの間に症候性てんかんを有した21例と、EDAと記録され特発性MAEを有した20例であった。・ビデオポリグラフ試験でEDAが記録されたのは、症候性てんかん児においては総計188件(中央値8件)、特発性MAE児では182件(中央値7件)であった。・EDAが記録された症候性てんかん児における、EDAの発生はESによるものであった。そのうち15例の患者では、二相性の緩徐な弧を描く鋭徐波複合、あるいはフラットな背景脳波活動がみられ、4例において、atoticな発作に特徴的な棘徐波複合が、残り2例においてミオクロニー失立発作がみられた。・ESでのEDA発生は、15例のうち8例で周期的なものであった。また脳波検査において、限局性、多巣性、不規則多発性な棘徐波複合が判明した。・16例のMAE患者では、典型的な発作がみられたが、残り4例では、ミオクロニー屈曲発作がみられた。後者はいずれも、高振幅棘波あるいは多発棘波複合が単独でみられた。関連医療ニュース てんかんの原因遺伝子発見により臨床にどのような変化が起こったか 扁桃体腫大を伴う側頭葉てんかんの特徴は:国立精神・神経医療研究センター 小児外傷後てんかんの予防にレベチラセタムは有用

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小児痙攣性てんかん、ロラゼパムの効果はジアゼパムと同等/JAMA

 小児の痙攣性てんかん発作重積状態に対して、ロラゼパム(商品名:ワイパックスほか)がジアゼパム(同:セルシンほか)よりも有効性や安全性が上回ることはなく、両者の治療効果は同等であることが判明した。米国・国立小児病院のJames M. Chamberlain氏らが、11病院を介して273例について行った無作為化比較試験の結果、明らかにした。これまでに発表されたいくつかの試験結果では、ロラゼパムがジアゼパムより効果・安全性ともに高いことが示唆されていた。JAMA誌4月23・30日号掲載の報告より。被験者を2群に分け、ジアゼパムとロラゼパムを静注 研究グループは、2008年3月~2012年3月にかけて、生後3ヵ月~18歳未満の痙攣性てんかん発作重積状態で、米国内11ヵ所の小児用救急外来を訪れた患者、合わせて273例について試験を行った。 被験者を2群に分け、一方にはジアゼパム0.2mg/kg(140例)を、もう一方にはロラゼパム0.1mg/kg(133例)を静注した。必要に応じて、5分後に半分の用量を追加投与した。12分後にもてんかん発作が継続していた場合には、ホスフェニトイン(商品名:ホストイン)を静注した。 主要有効性アウトカムは、10分以内にてんかん発作重積状態が停止し、30分間無再発であったこととした。副次アウトカムには、てんかん発作の再発率、意識レベルの低下した鎮静状態(Riker Sedation- Agitation Scale[Riker]スコア3未満)の発現率、てんかん発作重積状態停止までの時間、ベースライン時精神状態への回復などを含んだ。 主要安全性アウトカムは、補助呼吸を必要としたかで評価した。 アウトカムの評価は、試験薬投与4時間後に行った。治療有効性は同等、鎮静状態の発現率のみロラゼパム群が高率 結果、主要アウトカムの発生率は、ジアゼパム群で72.1%(140例中101例)、ロラゼパム群で72.9%(133例中97例)と、有効性についての絶対差は0.8%(95%信頼区間[CI]:-11.4~9.8%)だった。補助呼吸を必要とした人は、両群ともに26例で、発生率でみるとジアゼパム群が16.0%、ロラゼパム群が17.6%と、絶対リスク差は1.6%(95%CI:-9.9~6.8%)だった。 副次アウトカムのうち両群で有意差がみられたのは、鎮静状態の発現率で、ロラゼパム群が66.9%に対しジアゼパム群は50%と、絶対リスク差は16.9%(同:6.1~27.7%)だった。

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小児ADHDの薬物治療、不整脈リスクに注意を

 小児における注意欠陥・多動性障害(ADHD)薬の使用について、危険な不整脈のリスクがある子供では注意を払う必要があることを、ノルウェー・ベルゲン大学のAnsgar Berg氏らが文献レビューの結果、報告した。ADHDに対する薬物治療は、一般に安全であると考えられてきたが、今回の結果を踏まえて著者は、「心臓病や不整脈の既往、あるいは心臓病リスク因子を有する子供のADHD治療は、小児循環器の専門家との連携のうえで行われるべきである」とまとめている。Tidsskrift for Den norske legeforening誌2014年4月8日号の掲載報告。 ノルウェーでは、ADHD治療が開始される前の健康な小児または若者へのECGスクリーニングが一般的に行われているようである。しかし一方で、ECGは、リスクのある個人にのみ行われるべきだと推奨されている。 研究グループは、小児と若者のADHD薬物療法について、心血管リスク評価に関するガイドラインの位置づけを明確にすること、また実際的な勧告を提案することを目的としたレビューを行った。2013年10月1日時点でPubMedを介し、著者自身の臨床経験や、任意の評価に基づく論文を探索した。 主な結果は以下のとおり。 ・中枢神経刺激薬、アトモキセチンの使用は、わずかだが血圧、脈拍の上昇と関連しており、同様にわずかだがQT幅の変化と関連していた。・ADHD薬を使用している小児・若者の突然死の頻度は、非使用の小児・若者と比べて頻度は多いということはみられなかった。・その他の健常被験者の心血管系へのADHD薬の長期的な影響に関しては、ほとんどわからなかった。また、心臓病を有する小児・若者におけるADHD薬の使用に関連したリスクについてもほとんどわからなかった。・若干の不整脈がある場合、薬物は、突然死リスクを増大すると考えられる。したがって、不整脈が疑われる小児では、ADHDの使用には注意を払うべきであることが示唆された。・薬物療法を開始する前に、リスクを特定するために臨床検査と詳細な病歴調査が推奨された。また、健康な子供については、ADHD治療開始前にECG検査を行う必要はないことも示唆された。関連医療ニュース 統合失調症患者の突然死、その主な原因は 知的障害者の約半数が向精神薬多剤併用 小児の自殺企図リスク、SSRI/SNRI間で差はあるか

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重症アトピー性皮膚炎にステロイド外用剤ウェットラップ療法は有効な選択肢

 重症アトピー性皮膚炎(AD)に対して、少なくとも4週間にわたる、ステロイド外用剤を塗布後にラップで覆う「ウェットラップ療法(WWT)」は有効な治療選択肢であることが明らかにされた。オランダ・エラスムス大学医療センターのSherief R. Janmohamed氏らが、前向き無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。WWTは、小児の重症ADに対する有効な治療となることが支持され、しばしばADの緊急処置として用いられるようになっていた。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2014年3月31日号の掲載報告。 研究グループは、ステロイド外用剤WWT(治療期間4週間で塗布量を徐々に減量)について評価する無作為化二重盲検プラセボ対照試験を行った。被験者は、6ヵ月齢~10歳までの小児で、重症AD(SCORADスコア40±5以上)であった。 被験者をステロイド外用剤WWT群(1:3モメタゾンフランカルボン酸0.1%軟膏、顔面については1:19モメタゾンフランカルボン酸0.1%軟膏)、または皮膚軟化薬WWT群(ワセリン20%入りクリーム)に無作為に割り付けて評価した。 主要アウトカムは、SCORADの改善。副次アウトカムは、Patient-Oriented Eczema Measure評価やQOL指数などであった。 主な結果は以下のとおり。・ステロイド外用剤WWT群は、皮膚軟化薬WWT群よりも急速かつより有効であった。・最善の結果は、6~9歳群と0~3歳群で得られた。・SCORADで評価した有効性についての差は、すべての測定ポイントで有意差が認められた。・また、QOL指数も同様であった。・本検討は比較数が少なく限定的である。

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小児の腰痛、画像診断で病変を特定

 小児の腰痛は、ほとんど原因を特定できないと示唆する研究が散見されるが、プエルトリコ・Hospital de la Concepcion のNorman Ramirez氏らの検討により、腰痛を主訴に受診した小児患者の3割強は、画像による系統的なアプローチによって病変を特定できることが判明した。著者は、「腰痛や恒常的な疼痛は、病変が潜んでいることを示す警告であることを認識しておかなければならない」とまとめている。Journal of Pediatric Orthopaedics誌オンライン版2014年3月28日号の掲載報告。 研究グループは、(1)小児整形外科クリニックにおける腰痛の有病率の調査、(2)小児腰痛の診断におけるMRIによる系統的なアプローチの有効性の評価、(3)臨床所見の感度、特異度、陽性的中率および陰性的中率の分析を目的とした。 2年間にわたり、腰痛を主訴に小児整形外科クリニックを受診した全患者を登録し、前向きに恒常的な疼痛、夜間痛、神経根痛、神経学的検査異常、身体検査、MRIなどを含む画像診断について調査した。 主な結果は以下のとおり。・腰痛小児の有病率は、8.6%(261/3,042例)であった。 ・261例中、34%(89例)は系統的アプローチによって病変が特定された。・8.8%は既往歴、身体所見および単純X線で診断された。・その他の25%は、MRIで確定診断された。すなわち89例中、26%は単純X線で、74%はMRIで病変が特定された。

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小児時のアトピーは大人になっても治らない?

 米国・ペンシルベニア大学のJacob S. Margolis氏らは、全米から長期にわたり被験者を募って行われている前向き観察コホート研究のPediatric Eczema Elective Registry(PEER)登録患者について分析し、アトピー性皮膚炎(AD)の自然経過を評価し、症状の持続性について明らかにする検討を行った。その結果、すべての年齢(2~26歳)で、登録被験者の80%超がADの症状を有しているか治療を受けていたことが判明したという。ADは小児のありふれた疾患の1つであり、2歳までに発症し、増悪と寛解(waxing and waning)を繰り返し、多くは10歳までに治癒すると報告されていた。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年4月2日号の掲載報告。 ADは遺伝的素因と環境的要因が複雑に作用して発症すると考えられているが、これまで、ADの自然経過や、遺伝的または環境的要因と「増悪と寛解」という性質とがどのように関連しているかについてはほとんど研究されていなかった。 一方で10年前にアトピー性皮膚炎の治療薬として承認された局所免疫抑制薬について、米国食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁(EMA)は製薬メーカーに対して、長期の市販後安全性試験を行うことを義務づけた。PEERは、その1つピメクロリムス(国内未承認)の試験。 研究グループはPEERが軽度~中等度ADの自然経過の評価に適していることから同研究参加者を対象に検討を行った。主要評価項目は、6ヵ月ごとに評価した自己報告に基づくアウトカムで、6ヵ月間AD症状がなかったことであった。 主な結果は以下のとおり。・PEERは2004年に開始され(登録時の適格年齢は2~17歳)、現在まで約10年間参加者を追跡している前向き観察コホート研究である。・分析時点において7,157例登録されており、総観察人年は2万2,550人年であった。4,248例が2年以上、2,416例が5年以上追跡を受けていた。・被験者のAD発症時の平均年齢は1.7歳、試験登録時の平均年齢は7.4歳であった。6ヵ月間隔のサーベイを中央値5回受けていた。・複数の人口統計学的および曝露変数が、ADの持続と関連していた。・すべての年齢(すなわち2~26歳)で、PEER参加者の80%超がAD症状を有していたおよび/またはADの薬物治療を受けていた。・6ヵ月間の無症状または無治療期間を1回以上有した患者の割合が、50%に達することは、20歳前はなかった。 今回の大規模長期コホート研究により、ADに関連した症状は、20歳までの小児期およびそれ以上の長期にわたり持続する可能性が示唆された。著者は、「アトピー性皮膚炎は、おそらく生涯にわたる疾患であると思われる」とまとめている。

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てんかん治療では、より高いゴール設定を!

2014年4月2日(水)、都内にて開催された、グラクソ・スミスクライン株式会社主催の第1回てんかんメディアセミナーにおいて、講師の東北大学大学院医学系研究科てんかん学分野教授 中里 信和氏が「てんかん医療が抱える課題を解決するために」と題して講演を行った。まず冒頭に中里氏は、「てんかんでは本来、適切な診断と治療で7割以上の患者さんが発作をコントロールでき、普通の社会生活を営むことが可能だが、現状ではさまざまな課題によりあるべき医療が実現していない」ことを指摘した。その課題とは1)長時間ビデオ脳波同時記録の未普及2)診療ネットワークの未認知・未成熟3)医師患者間のコミュニケーション不足4)旧薬と新薬の使い分けの未周知5)公的支援制度の未活用に大別される。これらの課題について、グラクソ・スミスクライン株式会社が実施した「てんかん患者さんの意識調査」の結果を交えて解説が行われた。1)長時間ビデオ脳波同時記録の未普及てんかん発作が1年以上抑えられていない場合、長時間ビデオ脳波同時記録を受けることが推奨されるが、実際に検査を受けている患者さんは全体で7%、難治例でもわずか14.8%にとどまる。日本では先進諸外国と比較して本検査の診療報酬点数が著しく低いため、実施できる施設がきわめて限られていることが背景にある。本検査がもっと普及すれば、患者QOLが向上するだけでなく、不要な医療費の削減や、・生産性の向上で経済的利益がもたされ、わが国の財政に大きくプラスになる。2)診療ネットワークの未認知・未成熟日本全国には約100万人のてんかん患者がいるとされているが、専門医は400名あまりしかいないため、専門医とかかりつけ医との連携は欠かせない。現在わが国では「てんかん診療ネットワーク」の整備が進められているが、このネットワークの利用度・認知度を聞いたところ、「知らない」と答えた患者さんが7割以上を占めた。ここで重要なのは、主治医がもつ専門医資格の有無ではなく、患者にとって「発作ゼロ」「副作用ゼロ」「悩みゼロ」の治療ゴールをすべて達成できているかどうかである。患者は、てんかんをあきらめることなく、どれか1つでも欠けていたら、主治医に頼んで専門施設に紹介してもらうべきである。また医師の側にも、ひとりで診療せずネットワークを利用する必要性のあることを強く認識してもらいたい。3)医師患者間のコミュニケーション不足理想的な診察時間は初診の場合1時間、再診でも15分は必要だ。しかし本調査によると、初診時の診察時間は20分未満が半数以上を占め、再診時になると5分未満が半数近くを占める。多くの患者さんが発作以外にも悩みを抱えていることを考えると、現状の診察時間では医師が患者さんの悩みを十分に聞き取り、アドバイスを行うことは難しい。余裕をもった診療ができるよう、今後は医師以外の職種による診療補助や診療連携システムの充実を図るべきであろう。4)旧薬と新薬の使い分けの未周知多くは発作が消失している軽症例であっても、約4割の患者が副作用に悩んでいることが明らかになった。代表的な副作用である「眠気」「意欲の低下」「倦怠感」は従来の抗てんかん薬でとくに出現しやすい。主治医が副作用の少ない新規抗てんかん薬の知識を有し、かつ患者さんがこういった悩みを主治医に相談できていれば、副作用の少ない薬剤に切り替えていくことも可能であろう。なお、現在わが国では新規抗てんかん薬の単剤使用が保険診療上認められていないが、ラモトリギンをはじめとしたいくつかの新規抗てんかん薬においては、単剤使用が認められるよう申請が出されている。5)公的支援制度の未活用てんかん患者さんのための各種支援センターやさまざまな公的支援サービスがあるが、これらの認知・利用はほとんど進んでいない。各種支援センターに関しては、全体で約6割、難治例でも半数の患者さんがその存在を知らず、医師による情報提供が十分でない可能性があると中里氏は指摘した。なお、この調査の対象は現在てんかん治療中の20代以上の男女300例(うち8割が30~50代の働き盛りの年代)であることから、これまで述べたような課題が解決し、生産性が向上した場合の社会的インパクトは大きい。また、対象患者300例のうち8割が軽症例であるにもかかわらず、7割以上の患者が何らかの悩みを抱えている事実からも、医学的問題に加えて社会的問題の解決が重要であるという、てんかんの特殊性がわかる。最後に、「医学的な治療ゴールが達成できても、社会的な偏見を除去することは難しい。てんかんの多様性を理解してもらうためには、継続的な教育・啓発活動が重要である。」という、われわれメディアへのエールで講演は締めくくられた。

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非定型抗精神病薬、小児への適応外使用の現状

 過去20年間における非定型抗精神病薬使用の増大は、注意欠陥・多動性障害(ADHD)を含む未承認適応での頻度が顕著に認められているという。米国・メリーランド大学のMehmet Burcu氏らは、非定型抗精神病薬の使用について、年齢群、メディケイド適格カテゴリー群、またADHDを有さない若者において特徴づける検討を行った。その結果、とくにフォスターケア(里親制度)の小児およびADHDと診断された小児において、長期的な効果、安全性、適切な心臓代謝モニタリングの監督に関するアウトカムについて、探求すべき根拠が認められたことを報告した。Journal of Child and Adolescent Psychopharmacology誌オンライン版2014年4月1日号の掲載報告。 2006年に米国中西部州のメディケイドプログラムに、連続的に登録された2~17歳26万6,590例の診療データを用いて、非定型抗精神病薬使用日数の中央値を二変量分析および多変量分位点回帰にて評価した。また、精神疾患合併の既往はなかったがADHDと診断された若者(非併存例のADHD)のサブ分析を行い、年齢特異的補正後オッズ比やメディケア適格カテゴリー別にみた非定型抗精神病薬の使用期間中央値を評価した。さらに非定型抗精神病薬療法の単剤投与の使用パターン、2剤併用のパターンを明らかにする評価も行った。 主な結果は以下のとおり。・全体的に、非定型抗精神病薬の年間使用期間中央値は、180日(四分位範囲:69~298日)だった。・小児(2~12歳)における使用期間は中央値192日で、年長者(13~17歳)の同179日よりも長期間であった。・精神疾患合併はないがADHDと診断されたフォスターケアの若者の非定型抗精神病薬の使用に関する補正後オッズ比は、所得適格のメディケイドカテゴリー群に登録された若者における使用と比べて、3倍以上であった。・精神疾患合併はないがADHDと診断されたフォスターケアの若者のおよそ3分の1が、年齢に関係なく非定型抗精神病薬を使用していた。そのうち2~12歳における年間使用日数は、中央値250日超であった。・非定型抗精神病薬の併用療法では、リスペリドン、アリピプラゾール、クエチアピンの頻度が最も高くみられた。関連医療ニュース 抗精神病薬治療中の若者、3割がADHD 小児・思春期の双極性障害に対する非定型抗精神病薬vs気分安定薬 若年発症統合失調症への第二世代抗精神病薬治療で留意すべき点

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脱水症の診断が遅れて死亡した8ヵ月女児のケース

小児科最終判決判例タイムズ 952号256-265頁概要右眼充血の精査目的で総合病院眼科へ入院した生後8ヵ月の女児。全身麻酔下の眼圧、眼底、隅角検査にて先天性緑内障、ぶどう膜炎と診断された。全身麻酔から覚醒後、発熱、下痢が出現し、感冒性消化不良症の診断で小児科に転科となった。補液、止痢薬投与などが行われたが、3日間にわたって頻回の下痢が継続し、嘔吐もみられるようになった。そして、発症から4日後の深夜に持続点滴が自然抜針し、大泉門陥没、顔色不良、四肢冷汗など脱水症を示唆する症状がみられた。当直医による血管確保が試みられたがうまくいかず、静脈のカットダウンを行おうとした矢先に噴水状の嘔吐、それに続き心肺停止となり、救急蘇生の効果なく死亡確認となった。詳細な経過患者情報生後8ヵ月、体重7,710gの乳児経過1988年11月頃右眼充血に気付き、近医眼科を受診して治療を受けるが改善せず。12月23日某総合病院眼科受診、全身麻酔下の眼圧、眼底、隅角検査などが必要と判断された。12月24日精査目的で眼科に入院。胸部X線写真、心電図では異常なし。12月25日外泊(このとき兄弟がインフルエンザに罹患していた)。12月26日全身麻酔下の精密検査にて、先天性緑内障、ぶどう膜炎と診断。治療については年明けに大学病院へ転医して検討することになった。麻酔から覚醒後、38.9℃の発熱、水様便が3回みられた。12月27日39.5℃、アセトアミノフェン(商品名:アンヒバ)坐薬投与。小児科に依頼するとともに退院を延期。小児科担当医の診察では、咽頭発赤、皮膚の緊満度がやや減少、血液検査でNa 135、BUN 7、Ht 35.6%、Hb 11.1であり、発熱、下痢が続いていたことから感冒性消化不良症(インフルエンザ疑い)と診断。水様便が15~17回みられたので止痢薬を投与するとともに、20mL/hrで輸液を開始。12月28日38.7℃、解熱薬メフェナム(同:ポンタール)シロップを適宜内服。1時間に2回くらいの水様便、さらに嘔吐もみられるようになる。12月29日病院は年末年始体制へ移行。小児科担当医は当直明けの午前中に診察し、咽頭発赤、下痢、やや粗い呼吸音が聴取されたが、皮膚の緊満度には問題はないと判断し帰宅した。この日も1時間に1回くらい黄色泥状便がみられた。12月29日23:0036.0℃、脈拍142、呼吸数40回、ぐずつきが続き、活気がなく衰弱が激しいと母親は看護師に訴えた。小児科担当医に電話連絡を取ったところ、眼科領域の問題ではないかと考えて眼科医へ連絡するように指示。連絡を受けた眼科医は3日前の検査で眼科的な疾病が原因で衰弱することはないと認識していたため、鎮静薬ジアゼパム(同:セルシン)シロップの投与を指示。12月30日00:00セルシン®シロップ0.7mg哺乳瓶に入れて投与。01:40ようやく入眠。この時看護師は眼窩部のへこみを確認(担当医に上申せず)。03:00母親が抱っこしようとした時に右足に入れていた点滴がぬけていることに気付く。看護師が駆けつけると点滴はシーネごと外れており、足に巻かれた包帯はかなり濡れていた。患児は元気なくぐったりしていて、顔色不良、四肢の冷感が強く、大泉門陥没が認められた。輸液の再開のため四肢を暖め、電気あんかを入れ保温に努めた(深夜ということもありすぐに小児科担当医へは上申せず)。04:10母親が心配したため看護師は内科系の当直に診察を依頼(この日小児科当直は不在)。04:20内科系当直により末梢からの血管確保が試みられたが不成功。06:00再度内科系当直医が末梢血管から点滴を試みたが失敗したため、小児科担当医に連絡。06:45小児科担当医が駆けつけ、経皮的静脈穿刺を試みたが失敗。患児は次第に元気がなくなり、ぐったりしてきた。07:30末梢からの血管確保ができないので静脈のカットダウンが必要と判断し、外科系当直医と産婦人科当直医に応援依頼。この時患児の脈拍は弱くなり、循環不全の症状が出現。07:50応援医師が到着。静脈カットダウンの準備をしている時に患児の呼吸が微弱となったため酸素投与開始。ところがまもなく噴水状の嘔吐を来たし、これを吸い込んで呼吸停止。ただちに吸引して吐物を除去。08:30心停止。気管内挿管、鎖骨下静脈穿刺、心腔内アドレナリン(同:ボスミン)投与などの救急蘇生を行ったが、効果はみられず。09:25死亡確認。病理解剖の同意は得られなかった。当事者の主張患者側(原告)の主張1.小児科担当医は脱水症状を疑うべきであったのに、頻繁に診察することを怠り、血液検査は小児科初診時のみで、かつ体重測定を怠った結果、脱水症の悪化を見落としたため死亡した2.点滴が自然抜針したのであればただちに血管確保するべきであったのに、看護師が担当医師への報告したのはかなり時間が経過してからであり、さらに何度も経皮的静脈穿刺に失敗したのであればただちにカットダウンを行うべきであった病院側(被告)の主張1.死亡するまでの水分補給は十分であり、死亡直前まで脱水症を疑う臨床症状はなかった。点滴が自然抜針してから約5時間半輸液は行われなかったが、それまでの水分補給量に照らすと脱水症によって死亡することはあり得ない2.死亡したのはインフルエンザからライ症候群となったことが原因である裁判所の判断頻回の下痢による水分喪失に対し、死亡前の輸液量、経口水分摂取量、大泉門の陥没、眼窩のくぼみ、四肢冷汗、顔色不良などの所見を総合すると、中等症の脱水症があったと考えられる。それに対し医師および看護師らは脱水症に陥り得ることを予測するべきであったのに、体重測定、血液検査などの十分な観察を怠り、点滴注射が抜針したあとも輸液路の確保を怠ったため、循環不全を起こして死亡した。病院側が主張するライ症候群については、経過中にけいれんがみられなかったこと、脳圧亢進を示す大泉門膨隆とは逆の大泉門陥没が認められたことを考えると採用できない。原告側合計3,390万円の請求に対し、3,190万円の判決考察本件では小児科担当医、内科当直医、眼科医師、小児科看護師などの複数のスタッフが関与していながら、事の重大さを認識することができずに、本来であれば死亡するとは考えにくい乳児が最悪の転帰となってしまいました。もちろん病院側の事情、たとえば容態が急変した時間帯がたまたま年末年始の当直体制とかさなっていたこと、小児科担当医が卒後2年目の研修医であったこと、点滴が抜けたのが深夜であり当直明けの小児科医を呼び出すのがためらわれたこと、直ぐに静脈のカットダウンを行うほど切迫した状況とは思えなかったことなどを考えると、同情すべき点が多々あることも事実です。とはいうものの、以下の点については重要な教訓として今後の参考にしたいと思います。1. 各担当医の認識不足まず、本件の場合には全身麻酔後に出現した発熱、下痢ということで、小児科担当医は「単なる感冒で点滴でもすればいずれ落ち着くだろう」という程度の認識であり、ご両親の主張にもある通り頻繁に患児のもとに診察に訪れなかったと思われます。そして、点滴自然抜針の約4時間前(この時患児を診察していれば脱水症状に気付いていたはず)の23:00に、「呼吸数40回、ぐずつきが続き、活気がなく衰弱が激しい」という看護師の上申を自宅で受けた時も、「きっと眼科的問題によるものだろう」と判断して眼科医の判断を仰ぎました。その根拠としては、約12時間前の診察でとくに異常はみられなかったことが頭にあったのだと思います。この時点で(たとえ当直明けであっても)面倒くさがらずに病院まで赴き患者を診察するか、あるいは内科の当直医師に診察を依頼するなどの対策を講じていれば、最悪の結果を回避できた可能性があったと思います。ところが眼科医にボールを投げてしまったために(眼科医も眼科的には問題ないと確信していたために)、脱水状態にある患児にセルシン®投与を指示し、さらに状態を悪化させたのではないかと思います。この眼科医にしても、頻回の下痢や嘔吐を十分に把握しないままセルシン®を投与したのですから、認識不足は否めないと思います。また、今回の小児科担当医師を監督する立場にある小児科部長医師も、卒後2年目の研修医に適切な指示を与えなかった点において由々しき問題があったと思います(小児科医師同士のコミュニケーション不足も潜在していたのでしょうか)。そして、看護師が点滴再挿入を内科当直医に依頼したのは点滴自然抜針に気付いてから1時間以上経過してからであり(それも母親に催促された)、依頼を受けた内科当直医にしても、当初はおそらく「自分の役割は点滴を入れることだけだ」という程度の認識であり、その当時の患児を注意深く観察せずに眼窩のくぼみ、大泉門陥没などの脱水症状に気付きませんでした。そして、何度も針を刺したもののうまくいかず、いよいよあきらめたのが1時間40分も経ってからでした。このように、本件を担当した病院スタッフはみな脱水症の危険性を念頭におかないばかりか、責任もって観察するという姿勢に欠けていたと思われます。2. 頻回の下痢、嘔吐が続いていながら体重測定や血液検査を怠ったこと。本件は体重わずか7,710gの乳児でした。しかも発症してから3日間はひどい時で1時間に2回という頻回の下痢がみられていましたので、当然脱水症に陥らないように配慮しなければならない状況でした。ところが、血液検査を行ったのは小児科初診時の1回きりであり、以後死亡するまでの3日間は電解質のチェックすら行っていませんし、たいして手間のかからない体重測定も指示しませんでした。しかも頻回の下痢に加えて嘔吐まで出現したのですから、現行の輸液(最初から輸液量20mL/hrで変更なし)でよいのか見直すのはむしろ当然ではなかったかと思います。3. 病理解剖の重要性感冒による発熱、下痢、嘔吐で入院治療中の8ヵ月乳児が4日後に急死したとあれば、病院側のミスを疑うのがむしろ当然ではないかと思います。裁判では「ライ症候群」の可能性、つまり死亡したのは不可抗力であったと主張しましたが、血液検査が行われたのは小児科入院時の1回きりであり、しかも急性脳症を疑う所見は嘔吐だけで脳圧亢進症状(大泉門膨隆)やけいれん発作もなく、臨床上はライ症候群とするには無理があったと思います。もちろん経過中にご家族へはライ症候群という説明はありませんでしたし、判決でもライ症候群の主張は一蹴されました。やはりこのような時、つまり死因が特定できず病院側の不備を指摘されかねない状況では、是が非でも病理解剖を行うべきであったと思います。今回のケースではご遺族の同意が得られず病理解剖ができなかったということですが、はっきりと死因が特定できない場合には少々ためらわれても異状死体として「行政解剖」の手続きをとり、医学的な裏付けをとっておかないと正当性を主張するチャンスを失うことになると思います。今回のようなケースは、日常の診療でも遭遇する機会が多いのではないかと思います。このコーナーをご覧頂いている先生方の多くは診療に対する問題意識が高いと思いますので、もし本件を担当していれば発熱、下痢、嘔吐などの症状から脱水症を早期に発見し、適切な対応を行うことができたのではないかと思います。そうはいっても、本件のようにさまざまな要因が重なって適切な診断へのプロセスが妨げられることもあり得ますので、まずは先入観にとらわれることなく基本的な診察(本件では脱水症の所見を確認すること)をきちんと行うとともに、主治医となって担当する患者さんには可能な限りのコミットメントを行うことが肝心だと痛感しました。小児科

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アトピー性皮膚炎児に多い併存疾患は?

 フランス・ブレスト大学のLaurent Misery氏らは、一般開業医を受診するアトピー性皮膚炎小児患者と適合対照者を9年間追跡し、頻度の高い併存疾患や医療費などを調べた。その結果、呼吸器および眼系の臓器に疾患を伴う頻度が高いことを報告。また医療費はアトピー性皮膚炎患者で高かったが、年齢とともにその差は縮小することも明らかになった。これまでアトピー性皮膚炎患者における併存疾患と治療コストとの関連について、プライマリ・ケア設定での検討はほとんど知られていなかった。Dermatology誌オンライン版2014年3月20日号の掲載報告。 研究グループは、アトピー性皮膚炎患者における併存疾患と治療コストとの関連を調べるため、フランスの一般開業医を受診した患者の電子カルテデータベースを用いて、後ろ向きコホート研究を行った。 生後1歳未満でアトピー性皮膚炎を診断された全乳児と、疾患の有無を問わず性別で適合した乳児を対象に分析した。 主な結果は以下のとおり。・被験児(患児群、適合対照群とも1,163例ずつ)を、9年間追跡した。・分析により、関連疾患、薬剤費、治療費が判明した。・患児群と適合対照群を比較した結果、患児群のほうが併存疾患をより多く有しており、とくに呼吸器系、眼系の臓器に関する疾患が多かった。・皮膚科疾患領域における処方を伴う治療件数および全体的な医療費(一般開業医の診察および治療薬処方)は、アトピー性皮膚炎患者において高かった。しかし、その差は年齢とともに縮小していた。

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当直の前後も通常勤務がいまだ「常識」 約35%の医師が当直が原因のヒヤリ・ハットを経験

ブラック企業並、いやそれ以上と言われるほど勤務医の過酷な労働環境。改善の必要性が叫ばれて久しいですが、実際の現場ではどうなのでしょうか?現在、病院に勤務し、当直勤務をしているケアネット医師会員に勤務状況を聞いてみました。コメントはこちら結果概要当直前後とも通常勤務と答えた医師は8割を超える回答者の平均当直回数は、1ヵ月で3.5回、当直中の平均睡眠時間はおよそ4時間34分であった。年代別に見ると、若いほど当直の回数が多く、当直中の睡眠時間も短かった。大学病院とその他の病院を比較すると、大学病院に勤務する医師のほうが当直回数が多かった。また、当直前後の勤務体系については、当直前は98.3%、当直後は83.3%が通常の勤務をしていると回答。当直後に半日勤務は12.7%、勤務なしは、2.7%、当直前後ともに半日勤務や勤務なしと答えたのはわずか1%であった。ほとんどの医師が、当直時には32時間以上の連続勤務をしていることを示している。医師の当直勤務等による長時間過重労働が問題視されているが、まったく改善されていない現状が明らかとなった。約35%の医師が当直が原因と思われるヒヤリ・ハットを経験当直による睡眠不足や疲労が原因のヒヤリ・ハットの経験の有無を聞いたところ、34.9%の医師が「ある」と答えた。「ある」と答えた医師のほうが、当直回数が多く、当直中の睡眠時間も少ない傾向にあった。また、ヒヤリ・ハットの内容としては、「薬剤の処方(薬剤名・量など)のミス」が最も多く、そのほかにも、「診察中や手術中に眠ってしまった」「患者を間違え、指示を出した」「針刺し事故」といった回答があり、一歩間違えば、大事故につながり得る実態も浮き彫りとなった。「当直明けの通常勤務はツライ」―医師の悲鳴自由回答では、「当直明けはツライ」「当直明けは休みにしてほしい」「せめて半日だけでも」「当直ではなく、夜勤だ」と当直明けの勤務に対し訴える声が多数見られた。一方で、「休むとなると、代わりがいない」「人員不足のため仕方がない」「病院の経営上やむを得ない」など医師の過酷な勤務に頼らざるを得ない現状も浮き彫りとなった。数多くの医師が勤務体制の改善や法的整備を求めている。設問詳細「当直」についてお伺いします。※病院に勤務され、現在、当直勤務のある先生を対象とさせていただきます。Q1.先生の当直の頻度をお聞かせください。月に何回当直があるのか数字を記載してください。[   ]回/月Q2.当直勤務中はどれくらいの時間、寝ることが出来ますか※分は時間に換算してください。例えば6時間30分は6.5(時間)と記載してください。[   ]時間Q3.当直前の勤務体系はどのようになっていますか1.通常勤務2.半日勤務3.勤務なし4.その他【  】Q4.当直後の勤務体系はどのようになっていますか1.通常勤務2.半日勤務3.勤務なし4.その他【  】Q5.当直明けの勤務中に当直による睡眠不足や疲労が原因と思われるヒヤリ・ハット(※)を経験したことがありますか※ヒヤリ・ハット:偶発事象で、適切な処理が行わなければ医療事故につながる可能性のあった事象1.ある2.ないQ5-1.ある場合はどのようなことでしたか[                ]Q6.コメントをお願いします。(当直、勤務体系などに関してのお考えや、これまでに経験されたことなど、どういったことでも結構です。)[                ]2013年3月21日(金)実施有効回答数1,000件調査対象病院勤務で当直勤務のあるCareNet.com医師会員コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承ください)法律上の当直の内容と実情の違いに矛盾を感じる (50代・男性・心臓血管外科)当直明けに休みにすると、その分の人件費が余計にかかる。医療費の値上げが必須(50代・男性・麻酔科)病院当直≠救急外来対応であることを願いたい.(40代・男性・整形外科)主治医制度の廃止、病院集約化ができなければ無理ではあるが、二次救急以上の病院では当直ではなく、夜勤扱いにすべきである。(40代・男性・循環器内科)診療の質を維持するため、当直明けは一定の休息が必要だと思う。(40代・男性・精神科)限られた時間に質のよい睡眠をとれるよう、ベッドや当直室の環境を考えてほしい。(40代・男性・泌尿器科)翌日の仕事効率は落ちるため、明確な勤務体系(半日勤務など)の設定が必要と思います。(30代・男性・放射線科)当直勤務の翌日は午前中勤務にしようという動きがあるが、実際には人手不足のため患者さんのマネージメントなどで通常通りに拘束されてしまう。(50代・男性・血液内科)中身が夜勤なのに当直として勤務体系にカウントされているのは、労働基準法違反(30代・女性・循環器内科)当直後通常勤務は医師になって以来当たり前となっており、特に疑問を抱いていなかったが、最近の裁判などから問題があると再認識している。(50代・男性・循環器内科)当直あけ勤務は非常に危険であり、なくすべきだとおもいます。人が足りないから仕方がないのではなく、当直あけ勤務をしなくていいような人材の集約化を広域地域レベルで行っていくべきだと思います。(30代・男性・小児科)医師も早く3交替にすべき(50代・男性・血液内科)当直明けは休みとすべきであるが、医師不足のため困難である。コンビニ受診は止めて欲しい。(60代・男性・麻酔科)勤務帯をもっと分業制に、無理なら当直前後の代替の休業時間が必要(20代・男性・糖尿病・代謝・内分泌内科)病院の収益が今の倍にでもならないかぎり、大幅な改善など期待できない(50代・男性・消化器外科)大学勤務医は大学の当直以外に、給与の点で外勤で当直をしなければならない現状がある。 人的問題から、当直の翌日に休むことは考えられない状況である。(40代・男性・外科)人間は喉元過ぎれば熱さ忘れるです.体制を決定するときには当直をしていないので今後も改訂されないでしょう(40代・男性・外科)前後の日は通常勤務ですが、寝当直となることも多く、比較的恵まれていると思っています。当直中の暇な時間は、なるべく論文を執筆したり読んだりするのに用いています。(30代・男性・精神科)頻度を減らせるように当直を設置する病院を減らすべき。(40代・男性・整形外科)やはり当直明けは帰って休みたい。朝から麻酔⇒当直⇒明けて朝から麻酔⇒夜に帰宅後緊急で呼び出し。こういうのは辛い。(30代・男性・麻酔科)当直明け日の手術はつらいです。(40代・男性・外科)当直明けは休みたいが、医師不足のため現状では休めない。他職の方は医師は給与高いので、当然だと思っている人が多い、思いやりの気持ちが少ない。 (60代・男性・外科)大雪で引き継ぎの医師が出勤できず3日続けての日勤・当直勤務となったことがありました(これは看護スタッフや栄養課スタッフも同様でした)。イレギュラー時の勤務体制をどうするかなど事前にもっと詰めておくべきだと感じます。(40代・男性・精神科)世の中の人に夜勤とは違うことを理解して欲しい(50代・男性・外科)勤務医は酷使されています。残業手当もでませんし医師の良心ですべて我慢です。(40代・男性・精神科)常勤医の当直は義務だと思うので,「当直しませんが雇ってくれ」は不可だと思う.ただし,外部の医師が当直を埋めてくれているなら,負担軽減も可能だと思う.(40代・男性・精神科)救急当直は地域のボランティアのようなもの。もっと手当を多くすべき。(30代・男性・糖尿病・代謝・内分泌内科)当直とは、通常勤務ではないため、本来診察業務などを行ってはならないことになっています。急患診察は、医師であっても看護師 の様に、「勤務」で対応する必要があり、近い将来改善されることを望みます。(40代・男性・脳神経外科)都内でも当直制度が崩壊寸前。個人の努力ではもはやどうしようもないところまできている。(30代・男性・心療内科)表向きは当直明けは休みですが、外来等の仕事を休めるわけもないので、労働基準法違反と知りながら病院は見て見ぬふりするだけ(50代・男性・整形外科)リハビリ病院であり、救急の外来は見ていないので、原則寝当直です。たまに起こされるぐらいなので、勤務に配慮はありません。(50代・男性・消化器内科)40才後半以降の夜間当直はきつく、とてもからだに悪いことを実感します。文字通り身を削る思いです。 医療安全の面からも避けるべきと考えます。日直ならまだよいですが。(50代・男性・小児科)重なる時は、なぜか、集中して救急車は救急車を呼び、 急変あればさらなる急変あり、いざというときに大変なのに、 なんもないときは、全くコールすらない時もある。(50代・男性・耳鼻咽喉科)当直勤務の負担を軽減しないと、総合病院から医者が消えます。私は6月末で退職します。(50代・女性・産婦人科)医師も交替勤務制にすべきと考えます。当直とは名ばかりの時間外労働をさせていて、医師数は足りているなどと言っている輩はけしからんと思う。(40代・男性・内科)当直免除の医師と人間関係が悪い(50代・男性・内科)当直の翌日は半休扱いになっているが,実際は普通に勤務をせざるを得ない. 時間外が出るだけでも,昔よりましになったと思えるが,「医師は無料で働いて当然」という風潮を何とかしないと,このあたりは改善されないし,そうこうしているうちに崩壊がどんどん進むのではないかと考える.(40代・男性呼吸器外科)「待たなくて済む」「昼間は仕事(用事)がある」という勝手な理由で夜間受診する患者をいかに抑制するか(ペナルティを与えるか)を考える時期。 昼間と同じ検査能力、診断精度、治療内容を求められることが多い。(50代・男性・泌尿器科)当直明けは休みなり半日勤務なりにして欲しい.(40代・男性・消化器内科 他多数)本来おかしい話で、最大40時間近く病院に拘束されてわずかな手当をもらうだけで、寝不足によるリスク増加を背負う。患者もそんなの望んでないだろうし。昔のたまに急患が来るだけの時代を想定した体制なのが問題。実際は手軽に来る患者が多いのだから、きちっと時間を仕分けて体制を作るべき。(30代・男性・整形外科)上司に訴えても「俺達が若い頃はもっと大変だった」「やってもらわないと病院業務が回らない」とまともに取り合ってくれないばかりか、「若い奴らは根性がない」と非難されていたが、最近は当直明けの業務を少し軽減してくれるので、以前より楽になった。(40代・男性・放射線科)報酬が今以上に増えて忙しくても、自分がやりたいと思わせるか、逆に人手が増えてかみんなで取り合いになるか、ぐらいのことが起こらないと現在の当直の問題は解決しないでしょう。だから、現実は空想でしかありませんし、実現不可能です。悲しいけど、このままやるしかないのです。(40代・男性・外科)当直してくれる医師を増やして欲しい。(40代・男性・精神科 他多数)医師にもきちんとした「労働者」扱いでの待遇を求めます。(40代・男性・内科)今の病院は、病棟の勤務だけなので急変がなければゆっくりできます。(60代・女性・小児科)外科系と内科系の2人当直が望ましい(50代・男性・整形外科)翌日は半日勤務となってはいますが、なかなか休めません。(40代・男性・内科)医師の高齢化が進む当院では常に当直問題が取り上げられるが、具体的解決策がないのが現状であり現状維持を強いられている。(40代・男性・消化器内科)当直明けに仕事がないから、翌日の子供の世話もできることが一番のメリット。(30代・女性・小児科)当直という呼び方になっているが、実際は夜勤の救急外来担当であり、給与や勤務時間は労働基準法に違反していると思われるため、全国的に早急に改善する方向に進んで欲しい。(40代・男性・呼吸器内科)当直明けの勤務はせめて半日にしたいが,常勤医師数が少なく現実的には困難.過疎地域で救急までこなす病院の現実です.(50代・男性・外科)技師さんや看護師さんが当直明け朝で帰っているのをうらやましく見ています。(30代・女性・内科)当直をしないと給料が安いので仕方ない。(30代・男性・循環器内科)医師は厚遇されている点もあり、こういう能力がなければ医師になるべきではないと思う。(40代・男性・糖尿病・代謝・内分泌内科)二次救急の当直もしているが、専門とかけ離れた患者ばかりなので、充実感がなく疲れる。(50代・男性・心臓血管外科)医師として当然の義務。(60代・男性・産婦人科)当直明けの勤務はせめて半日にしたいが,常勤医師数が少なく現実的には困難.過疎地域で救急までこなす病院の現実です.(50代・男性・外科)当直というシステム自体がおかしい。小さな病院に勤めている方には申し訳ないが、労働環境を考えると交代勤務にすべき。夜間緊急で働いた場合、翌日通常業務を行わなくても患者を含めて納得するような社会的環境が必要。(40代・男性・麻酔科)消化器外科医です。 肝切除やPDなど、長時間のオペの前日の当直は、なるべく代わってもらうようにしています。(30代・男性・消化器外科)研修医は守られているが、常勤以上だと翌日も通常通りの勤務となるのはおかしい (40代・男性・循環器内科)眼科当直なので、ほとんど呼ばれません。 ありがたい。(30代・男性・眼科)医師の絶対数が増加して代休がとれるとよいが~他の科の事情、自分の翌日の外来担当や予約を調整するのも苦労だとは思う。(50代・男性・小児科)幸い自分は周りのスタッフ・看護師・コメディカルに助けられて大きなヒヤリ・ハットはありませんが、 ”当直”と称して救急外来と病棟当番を兼ねた勤務は看過できません。 報酬として時間外勤務手当を出すのはもちろん、当直後半日勤務は必要だと思います。 ただ、その時には中小病院で一人診療科の先生たちは出来ない相談ですが・・・。(30代・男性・総合診療科)

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