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ゴーシェ病初の経口薬 サデルガへの期待

 ジェンザイム・ジャパン株式会社は2015年3月26日、ゴーシェ病経口治療薬であるグルコシルセラミド合成酵素阻害薬「サデルガカプセル100mg」(一般名:エリグルスタット酒石酸塩、以下サデルガ)の製造販売承認を取得した。ゴーシェ病とは ゴーシェ病は世界でも患者数が1万人にも満たない先天性脂質代謝異常症である。糖脂質を分解するライソゾームの酵素(グルコセレブロシダーゼ)が生まれつき少ないため、糖脂質が体内の細胞に蓄積し、肝脾腫、貧血、出血傾向、進行性の骨疾患など重篤な全身性の症状を引き起こす。治療として、これまでに酵素補充療法(点滴)や骨髄移植が行われてきた。しかし、2週間ごとに行う点滴のための頻回な通院や、移植の侵襲性・危険性が問題となっていた。サデルガの特徴 サデルガは、ゴーシェ病に対する日本で初めての経口治療薬である。本剤は、肝臓、脾臓、骨髄などに蓄積する糖脂質(グルコシルセラミド)の合成を抑制する。その結果、ゴーシェ病患者の体内に蓄積するグルコシルセラミドの産生が減少し、貧血、肝脾腫、血小板減少症および骨症状などのゴーシェ病の諸症状を改善する作用を持つ。また、第III相試験「EDGE試験」では165例中137例で有効性複合評価項目を達成した。本試験には日本人10例が含まれていたが、その全例が有効性複合評価項目を達成しており、高い効果が示されている。新薬に対する期待 前述したように、サデルガは日本初のゴーシェ病経口治療薬であり、その利便性により患者のQOL向上が期待される。また、この新薬登場により日本のゴーシェ病患者に新たな治療選択肢が提示されることとなる。 本剤は米国食品医薬品局(FDA)と欧州委員会(EC)ですでに承認されているが、日本では臨床試験における投与経験しかない。したがって、適正使用の推進とエビデンスの蓄積により、安全に使用していくことが望まれる。詳細はプレスリリースへ参考サイト:希少疾患ライブラリ ゴーシェ病

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EPA、DHA、ビタミンDは脳にどのような影響を及ぼすか

 米国・オークランド小児病院のRhonda P. Patrick氏らは、注意欠如・多動症、双極性障害、統合失調症などセロトニンが関与している脳機能障害患者では、ビタミンDおよび海洋性ω-3脂肪酸すなわちエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)のレベルがいずれも不十分であり、これらを適切に摂取することが脳機能障害の悪化を抑制・調節する可能性を報告した。FASEB Journal誌オンライン版2015年2月24日号の掲載報告。ビタミンDおよびEPAとDHAによる脳機能の調節メカニズムを提示 セロトニンは多岐にわたる脳機能と働きに関わっている。本報告では、セロトニンが実行機能、感覚ゲーティングおよび社会行動を制御していること、そして注意欠如・多動症、双極性障害、統合失調症、衝動的行動のすべてにおいて、これら脳機能の欠陥が共通して認められるというこれまでの知見を概括した。 概要は以下のとおり。・これらの脳障害において、ω-3脂肪酸とビタミンDの補給が認知機能と行動を改善する理由はいまだ解明されていない。・ビタミンDおよび2つの海洋性ω-3脂肪酸すなわちEPAとDHAによる、脳内のセロトニン合成や放出そして脳機能の調節メカニズムを提示する。・脳内セロトニンは、ビタミンDホルモンにより転写活性化される酵素、トリプトファンヒドロキシラーゼ2を介してトリプトファンから合成される。・脳障害患者では、ビタミンD(集団の~70%にみられる)レベルおよびω-3脂肪酸すなわちEPAとDHAレベルが不十分という所見が共通して認められ、これは脳内セロトニンの合成が最適でないことを示唆している。・著者らは、プロスタグランジンE2の減少に伴いEPAがシナプス前ニューロンからのセロトニン放出の増加を促し、シナプス後ニューロンにおける細胞膜透過性増大に伴いDHAがセロトニン受容体活性に影響を与えるというメカニズムを提案した。・発症の重要な過程においてビタミンD、EPA、DHAが不十分であることは、遺伝因子とも相まって、セロトニン活性および機能の障害へとつながり、神経精神疾患やうつ病の発症機序に寄与している可能性があった。・ビタミンDと海洋性ω-3脂肪酸すなわちEPAとDHAを適切に摂取することが脳機能障害の悪化を抑制・調節する可能性を示していた。関連医療ニュースうつ病補助療法に有効なのは?「EPA vs DHA」統合失調症、ビタミンD補充で寛解は期待できるかEPA/DHAはADHD様行動を改善する可能性あり

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薬剤性アナフィラキシー

概説 アナフィラキシーのtrigger(誘因)は蜂毒、食物、薬剤、運動など多彩であり、頻度が最も高いものは食物である。それに対し、アナフィラキシーによる死亡例に限ると、最も多い誘因は薬剤である。薬剤がアナフィラキシーを起こす場合には、投与直後から症状を生じ重症化しやすい(誘因に曝露されてから速やかにアナフィラキシーを発症するほど、重症化しやすいという一般的傾向がある)ということに加えて、過去に既往がなく不意打ちの形で生じるため、アドレナリン自己注射薬を携帯していないことがほとんどであるという特徴がある。 欧米の疫学調査においても、薬剤性アナフィラキシーによる死亡例は漸増傾向にあり、これは、世界的に薬剤が多様化し、薬剤総数が増加の一途をたどっていることが背景に挙げられている。薬剤によりアナフィラキシーを起こさないのは水と塩分くらいのものであり、われわれが処方する薬剤や日常の処置で曝露される物質(薬剤としては認識されない、皮膚消毒液、ラテックス、器具の消毒薬の残留にも配慮する)は無数に存在する。常識的なことであるが、必要性が曖昧な処置は行わない・薬剤は投与しないことが基本姿勢として重要である。 発症機序と分類 IgEが関与するI型反応が典型的であるが、X線造影剤やNSAIDsなどはIgEが通常関与することなくアナフィラキシーを起こす。従来は、前者(IgEが関与するもの)をアナフィラキシー、後者(IgEが関与しないもの)をアナフィラキシー様反応(anaphylactoid reaction)と呼んだが、世界的な趨勢で両者ともアナフィラキシーと呼ばれるようになってきており、日本アレルギー学会の「アナフィラキシーガイドライン1)」でもこの立場をとっている。今でもアナフィラキシーとアナフィラキシー様反応に区別する方法が用いられることはあるが、将来的にはアナフィラキシーの診断名の下でアレルギー性(IgEが関与するもの・IgE以外の免疫機構が関与するものに分けられる)、非アレルギー性に大別される方向に向かうと考えられる。 たとえば、ペニシリンとNSAIDを内服してアナフィラキシーを発症した場合、従来はアナフィラキシー(様)反応とまず診断し、後日の精査で原因がペニシリンであればアナフィラキシー、NSAIDであればアナフィラキシー様反応と診断名を書き換えていたが、「様反応」を用いないことにしておけば、救急診療で付けられたアナフィラキシーの診断名は、後日原因薬が特定されても書き換えられることなく、踏襲されていくことになる。 診療上の注意点アナフィラキシー発症時は、原因の可能性がある薬剤の中止(たとえば、点滴投与中の抗菌薬を中止し、薬剤を含まない輸液に変更する)とアドレナリン筋注を行い、循環と呼吸の状態を把握する。アナフィラキシーから回復後、あるいは既往を有する患者に対しては、再発を回避するよう、適切な指導を行う。「アナフィラキシーガイドライン」では誘因となる医薬品として、抗菌薬、解熱鎮痛薬(NSAIDs等)、抗腫瘍薬、局所麻酔薬、筋弛緩薬、造影剤、輸血等、生物学的製剤、アレルゲン免疫療法を挙げ、これらによるアナフィラキシーの特徴を簡潔に述べるとともに、手術中に生ずるアナフィラキシーの主な誘因(とくに筋弛緩薬、抗菌薬、ラテックス)にも触れているので、それらに関してはガイドラインを参照されたい。実地診療に当たっておられる先生方に留意していただきたいこととしては、以下のものが挙げられる。 内服薬を誘因とするアナフィラキシーについては、複数薬剤が誘因に挙げられ、病歴だけでは特定に至らないことが多い。また、食後に内服した場合、食事内容が誘因である可能性も念頭に置く必要がある。 医療処置に伴ってアナフィラキシーを発症した場合には、ラテックスが原因候補の1つに挙げられることが多い。ラテックスおよび交差反応性のあるシラカンバ、ハンノキ花粉の特異的IgEは、どの医師においても測定が可能であり参考になる(診断が確定するわけではないが)。 アナフィラキシーの発症前に投与された薬剤、摂取した食品と摂取時刻、症状の経過を、詳細に患者に記録しておいていただくことが重要。この情報は誘因の特定に大変に役立つ。 誘因の特定や安全に使用可能な薬剤の選定、あえて誘因となった薬剤を使わざるを得ない(脱感作が必要)といった場面では、ぜひアレルギー専門医に紹介いただきたい。アレルギー専門医にとって薬剤アレルギーへの対応は時間と労力を要するのだが、薬剤性アナフィラキシーは患者のQOLのためにも、生命予後のためにも重要な疾患であることは昔から一貫している。なお、薬剤を用いた即時型皮膚反応検査(プリックテストや皮内テスト)は、IgEが関与する反応において有用性が高いが、アナフィラキシーを起こした患者に不用意に行うとアナフィラキシーを誘発する可能性があるため、外来ですぐに施行できるわけではないことをご承知おきいただきたい。1)日本アレルギー学会監修.Anaphylaxis対策特別委員会編.アナフィラキシーガイドライン.日本アレルギー学会;2014.

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5歳までのピーナッツ摂取でアレルギー回避?/NEJM

 ピーナッツアレルギー高リスクの小児は、早期よりピーナッツに曝露されたほうが、同アレルギー発症頻度が有意に低減することが、英国キングス・カレッジ・ロンドンのGeorge Du Toit氏らによる無作為化試験の結果、明らかにされた。西欧諸国では、ピーナッツアレルギーの子供の有病率は、過去10年間で2倍になっており、またアフリカやアジアでも出現してきているという。研究グループは、アレルギーリスクが高い乳児でピーナッツアレルギーを発症させないための最も効果的な戦略を確立するために、ピーナッツの摂取と回避の戦略を検討した。NEJM誌2015年2月26日号(オンライン版2015年2月23日)掲載の報告より。乳児640例をSPT陽性・陰性に分類し、無作為化試験 試験は、重症の湿疹、卵アレルギーのいずれかまたは両方を有する640例の乳児を対象とした。無作為化時点の被験児の年齢は、生後4ヵ月以上、11ヵ月未満であった。 皮膚プリックテスト(SPT)でピーナッツに対する感受性を調べ、SPT陰性(測定できる膨疹がなかった)コホート(542例)と、SPT陽性(直径1~4mmの膨疹が認められた)コホート(98例)に分類し、60ヵ月齢までピーナッツを摂取する群と回避する群に無作為に割り付けて評価が行われた。 主要アウトカムは、各コホートにおける、60ヵ月齢時点でのピーナッツアレルギー発症者の割合とした。ピーナッツ摂取群のほうがアレルギー発症が有意に低下 intention-to-treatに含まれたSPT陰性コホートは530例であった。そのうち、60ヵ月齢時のピーナッツアレルギー有病率は、回避群13.7%に対し摂取群1.9%であった(p<0.001)。 一方、intention-to-treatに含まれたSPT陽性コホート98例についても、有病率は回避群35.3%、摂取群10.6%であった(p=0.004)。 主に摂取群では、ピーナッツ特異的IgG4抗体値の上昇がみられ、回避群ではピーナッツ特異的IgE抗体価の上昇がみられた。 ピーナッツアレルギーは、SPTにおいて大きな膨疹がみられたこと、ピーナッツ特異的IgG4:IgEの率比の低下と関連していた。 著者は結果を踏まえて、「ピーナッツの早期曝露はアレルギーリスクの高い小児での発症頻度を有意に低下し、ピーナッツに対する免疫応答を変化させた」とまとめている。

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アナフィラキシーの治療の実際

アナフィラキシーの診断 詳細は別項に譲る。皮膚症状がない、あるいは軽い場合が最大20%ある。 治療(表1)発症初期には、進行の速さや最終的な重症度の予測が困難である。数分で死に至ることもあるので、過小評価は禁物。 ※筆者の私見適応からは、呼吸症状に吸入を先に行う場合があると読めるが、筆者は呼吸症状が軽症でもアナフィラキシーであればアドレナリン筋注が第1選択と考える。また、適応に「心停止」が含まれているが、心停止にはアドレナリン筋注は効果がないとの報告9)から、心停止の場合は静注と考える。表1を拡大する【姿勢】ベッド上安静とし、嘔吐を催さない範囲で頭位を下げ、下肢を挙上して血液還流を促進し、患者の保温に努める。アナフィラキシーショックは、distributive shockなので、下肢の挙上は効果あるはず1)。しかし、下肢拳上を有効とするエビデンスは今のところない。有害ではないので、薬剤投与の前に行ってもよい。【アドレナリン筋肉注射】気管支拡張、粘膜浮腫改善、昇圧作用などの効果があるが、cAMPを増やして肥満細胞から化学物質が出てくるのを抑える作用(脱顆粒抑制作用)が最も大事である。α1、β1、β2作用をもつアドレナリンが速効性かつ理論的第1選択薬である2)。緊急度・重症度に応じて筋注、静注を行う。血流の大きい臀部か大腿外側が薦められる3)。最高血中濃度は、皮下注で34±14分、筋注で8±2分と報告されており、皮下注では遅い4)。16~35%で2回目の投与が必要となる。1mLツベルクリンシリンジを使うと針が短く皮下注になる。1)アドレナリン1回0.3~0.5mg筋注、5~30分間隔 [厚生労働省平成20年(2008)5)]2)アドレナリン1回0.3~0.5mg筋注、5~15分間隔 [UpToDate6)]3)アドレナリン1回0.01mg/kg筋注 [日本アレルギー学会20141)]4)アドレナリン1回0.2~0.5mgを皮下注あるいは筋注 [日本化学療法学会20047)]5)アドレナリン(1mg)を生理食塩水で10倍希釈(0.1mg/mL)、1回0.25mg、5~15分間隔で静注 [日本化学療法学会20047)]6)アドレナリン持続静脈投与5~15µg/分 [AHA心肺蘇生ガイドライン20109)]わが国では、まだガイドラインによってはアドレナリン投与が第1選択薬になっていないものもあり(図1、図2)、今後の改訂が望まれる。 ※必ずしもアドレナリンが第1選択になっていない。 図1を拡大する ※皮膚症状+腹部症状のみでは、アドレナリンが第1選択になっていない。図2を拡大する【酸素】気道開通を評価する。酸素投与を行い、必要な場合は気管挿管を施行し人工呼吸を行う。酸素はリザーバー付マスクで10L/分で開始する。アナフィラキシーショックでは原因物質の使用中止を忘れない。【輸液】hypovolemic shockに対して、生理食塩水か、リンゲル液を開始する。1~2Lの急速輸液が必要である。維持輸液(ソリタ-T3®)は血管に残らないので適さない。【抗ヒスタミン薬、H1ブロッカー】経静脈、筋注で投与するが即効性は望めない。H1受容体に対しヒスタミンと競合的に拮抗する。皮膚の蕁麻疹には効果が大きいが、気管支喘息や消化器症状には効果は少ない。第1世代H1ブロッカーのジフェンヒドラミン(ベナスミン®、レスタミン®)クロルフェニラミンマレイン酸塩(ポララミン®)5mgを静注し、必要に応じて6時間おきに繰り返す。1)マレイン酸クロルフェニラミン(ポララミン®)2.5~5mg静注 [日本化学療法学会20047)]2)ジフェンヒドラミン(ベナスミン®、レスタミン®)25~50mg緩徐静注 [AHA心肺蘇生ガイドライン20109)] 保険適用外3)ジフェンヒドラミン(ベナスミン®、レスタミン®)25~50mg静注 [UpToDate6)]4)経口では第2世代のセチリジン(ジルテック®)10mgが第1世代より鎮静作用が小さく推奨されている [UpToDate6)] 経口の場合、効果発現まで40~60分【H2ブロッカー】心収縮力増強や抗不整脈作用がある。蕁麻疹に対するH1ブロッカーに相乗効果が期待できるがエビデンスはなし。本邦のガイドラインには記載がない。保険適用外に注意。1)シメチジン(タガメット®)300mg経口、静注、筋注 [AHA心肺蘇生ガイドライン9)] シメチジンの急速静注は低血圧を引き起こす [UpToDate6)]2)ラニチジン(ザンタック®)50mgを5%と糖液20mLに溶解して5分以上かけて静注 [UpToDate6)]【βアドレナリン作動薬吸入】気管支攣縮が主症状なら、喘息に用いる吸入薬を使ってもよい。改善が乏しい時は繰り返しての吸入ではなくアドレナリン筋注を優先する。気管支拡張薬は声門浮腫や血圧低下には効果なし。1)サルブタモール吸入0.3mL [日本アレルギー学会20141)、UpToDate6)]【ステロイド】速効性はないとされてきたが、ステロイドのnon-genomic effectには即時作用がある可能性がある。重症例ではアドレナリン投与後に、速やかに投与することが勧められる。ステロイドにはケミカルメディエーター合成・遊離抑制などの作用により症状遷延化と遅発性反応を抑制することができると考えられてきた。残念ながら最近の研究では、遅発性反応抑制効果は認められていない10)。しかしながら、遅発性反応抑制効果が完全に否定されているわけではない。投与量の漸減は不要で1~2日で止めていい。ただし、ステロイド自体が、アナフィラキシーの誘因になることもある(表2)。とくに急速静注はアスピリン喘息の激烈な発作を生じやすい。アスピリン喘息のリスクファクターは、成人発症の気管支喘息、女性(男性:女性=2:3~4)、副鼻腔炎や鼻茸の合併、入院や受診を繰り返す重症喘息、臭覚低下。1)メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム(ソル・メドロール®)1~2mg/kg/日 [UpToDate6)]2)ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム(ソル・コーテフ®)100~200mg、1日4回、点滴静注 [日本化学療法学会20047)]3)ベタメタゾン(リンデロン®)2~4mg、1日1~4回、点滴静注11) 表2を拡大する【グルカゴン】βブロッカーの過量投与や、低血糖緊急時に使われてきた。グルカゴンは交感神経を介さずにcAMPを増やしてアナフィラキシーに対抗する力を持つ。βブロッカーを内服している患者では、アドレナリンの効果が期待できないことがある。まずアドレナリンを使用して、無効の時にグルカゴン1~2mgを併用で静注する12)。β受容体を介さない作用を期待する。グルカゴン単独投与では、低血圧が進行することがあるので注意。アドレナリンと輸液投与を併用する。急速静注で嘔吐するので体位を側臥位にして気道を保つ。保険適用なし。1)グルカゴン1~5mg、5分以上かけて静注 [UpToDate6)]【強力ミノファーゲンC】蕁麻疹単独には保険適用があるがアナフィラキシーには効果なし。観察 いったん症状が改善した後で、1~8時間後に、再燃する遅発性反応患者が4.5~23%存在する。24時間経過するまで観察することが望ましい。治療は急いでも退室は急ぐべきではない13)。 気管挿管 上記の治療の間に、嗄声、舌浮腫、後咽頭腫脹が出現してくる患者では、よく準備して待機的に挿管する。呼吸機能が悪化した場合は、覚醒下あるいは軽い鎮静下で挿管する。気道異物窒息とは違い準備する時間は取れる。 筋弛緩剤の使用は危険である。気管挿管が失敗したときに患者は無呼吸となり、喉頭浮腫と顔面浮腫のためバッグバルブマスク換気さえ不能になる。 気管挿管のタイミングが遅れると、患者は低酸素血症の結果、興奮状態となり酸素マスク投与に非協力的となる。 無声、強度の喉頭浮腫、著明な口唇浮腫、顔面と頸部の腫脹が生じると気管挿管の難易度は高い。喉頭展開し、喉頭を突っつくと出血と浮腫が増強する。輪状甲状靭帯穿刺と輪状甲状靭帯切開を含む、高度な気道確保戦略が必要となる9)。さらに、頸部腫脹で輪状軟骨の解剖学的位置がわからなくなり、喉頭も皮膚から深くなり、充血で出血しやすくなるので輪状甲状靭帯切開も簡単ではない。 絶望的な状況では、筆者は次の気道テクニックのいずれかで切り抜ける。米国麻酔学会の困難気道管理ガイドライン2013でも、ほぼ同様に書かれている(図3)14)。 1)ラリンゲアルマスク2)まず14G針による輪状甲状靭帯穿刺、それから輪状甲状靭帯切開3)ビデオ喉頭鏡による気管挿管 図3を拡大する心肺蘇生アナフィラキシーの心停止に対する合理的な処置についてのデータはない。推奨策は非致死的な症例の経験に基づいたものである。気管挿管、輪状甲状靭帯切開あるいは上記気道テクニックで気道閉塞を改善する。アナフィラキシーによる心停止の一番の原因は窒息だからだ。急速輸液を開始する。一般的には2~4Lのリンゲル液を投与すべきである。大量アドレナリン静注をためらうことなく、すべての心停止に用いる。たとえば1~3mg投与の3分後に3~5mg、その後4~10mg/分。ただしエビデンスはない。バソプレシン投与で蘇生成功例がある。心肺バイパス術で救命成功例が報告されている9)。妊婦対応妊婦へのデキサメタゾン(デカドロン®)投与は胎盤移行性が高いので控える。口蓋裂の報告がある15)。結語アナフィラキシーを早期に認識する。治療はアドレナリンを筋注することが第一歩。急速輸液と酸素投与を開始する。嗄声があれば、呼吸不全になる前に準備して気管挿管を考える。 1) 日本アレルギー学会監修.Anaphylaxis対策特別委員会編.アナフィラキシーガイドライン. 日本アレルギー学会;2014. 2) Pumphrey RS. Clin Exp Allergy. 2000; 30: 1144-1150. 3) Hughes G ,et al. BMJ.1999; 319: 1-2. 4) Sampson HA, et al. J Allergy Clin Immunol. 2006; 117: 391-397. 5) 厚生労働省.重篤副作用疾患別対応マニュアルアナフィラキシー.平成20年3月.厚生労働省(参照2015.2.9) 6) F Estelle R Simons, MD, FRCPC, et al. Anaphylaxis: Rapid recognition and treatment. In:Uptodate. Bruce S Bochner, MD(Ed). UpToDate, Waltham, MA.(Accessed on February 9, 2015) 7) 日本化学療法学会臨床試験委員会皮内反応検討特別部会.抗菌薬投与に関連するアナフィラキシー対策のガイドライン(2004年版).日本化学療法学会(参照2015.2.9) 8) 日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会.第9章治療.In:食物アレルギー診療ガイドライン2012.日本小児アレルギー学会(参照2015.2.9) 9) アメリカ心臓協会.第12章 第2節 アナフィラキシーに関連した心停止.In:心肺蘇生と救急心血管治療のためのガイドライン2010(American Heart Association Guidelines for CPR & ECC). AHA; 2010. S849-S851. 10) Choo KJ, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2012; 4: CD007596. 11) 陶山恭博ほか. レジデントノート. 2011; 13: 1536-1542. 12) Thomas M, et al. Emerg Med J. 2005; 22: 272-273. 13) Rohacek M, et al. Allergy 2014; 69: 791-797. 14) 駒沢伸康ほか.日臨麻会誌.2013; 33: 846-871. 15) Park-Wyllie L, et al. Teratology. 2000; 62: 385-392.

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「家族で食事」はやはり大切だった

 頻繁に家族で食事を取ることは、小児および青年にとって心理社会的によい効果を示し、その効果は女性のほうが大きいことが、カナダ・オタワ大学 Megan E Harrison氏らによって明らかにされた。Canadian Family Physician誌、2015年2月号より掲載報告。 Harrison氏らは、頻繁に家族で食事を取ることが小児および青年の心理社会的効果に影響を及ぼすかどうか、また、その影響は性別で差があるかどうかを明らかにするため、システマティックレビューを行った。 調査は、Ovid社のデータベースを使用し、MEDLINE(1948年から2011年6月5週目まで)とPsycINFO(1806年から2011年7月1週目まで)の検索で文献を特定した。単独または組み合わせて使用した見出しとキーワードは、(1)family、 (2)meal、(3)food intake、(4)nutrition、(5)diets、(6)body weight、(7)adolescent attitudes、(8)eating behaviour、(9)feeding behaviour、(10)eating disordersであった。なお、関連する参考論文についても検討を行った。 検索により得られた1,783編の論文について、以下の基準を満たすことが求められた結果、14編の論文が基準に合致した。なお。調査・分析は2人の独立した調査員によって行われた。1.査読のある英語論文雑誌に掲載されている2.小児および青年を含んでいる3.小児および青年の心理社会的アウトカム(薬物使用、摂食障害、抑うつなど)に対する家族の食事の役割を検討している4.データ解析の統計方法を含む試験デザインが適切である 主な結果は以下のとおり。・頻繁な家族での食事と、青年での摂食障害、飲酒、薬物使用、暴力的な行動、抑うつ、自殺企図は負の相関関係を示した。・頻繁な家族での食事と、自尊心の向上や学校での成功は正の相関関係を示した。・男女別の結果には有意差があり、女性のほうがより顕著な結果を示した。 Harrison氏らはこれらの結果により、「定期的に家族が食事を一緒に取ることのメリットをすべての医療従事者が指導すべきだ」とまとめた。

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寛解後、抗てんかん薬はすぐに中止すべきか

 てんかんは慢性的な神経障害であり、全世界に数百万の患者が存在する。主な治療法は抗てんかん薬(AED)であり、これにより発作を抑制し、てんかんをコントロールする。AEDは大半の症例で有効であるが、認知機能や行動の変化といった長期有害事象との関連が指摘されている。そのため、寛解を認めたらAEDを中止することが患者にとって最善だと考えられるが、その最適な中止時期については明らかとなっていなかった。英国・リバプール大学のIsabella Strozzi氏らは、AEDの最適な中止時期を明らかにするため、以前に行ったコクランレビュー(2001年第3号に発表)のアップデートを行った。その結果、小児てんかん患者において、発作寛解期間が2年未満の早期にAEDを中止した場合は再発率が高いことを報告し、抗てんかん薬は、最低2年の寛解期間を経た後に中止すべきことを示唆した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2015年2月11日号の掲載報告。 研究グループは本レビューで、(1)成人および小児てんかん患者におけるAED早期中止または後期中止後の発作再発リスク、てんかん重積状態および死亡率を定量化し比較する、(2)発作再発リスクに影響を及ぼす因子を評価する、(3)安全にAEDを早期中止できる集団を明らかにする、ことを目的とした。Cochrane Epilepsy Group Specialised Register(2014年6月)、CENTRAL (Cochrane Library第5号、2014年5月)、MEDLINE(1946年~2014年6月)、CINAHL(2014年6月23日)、Scopus(1823年~2014年6月)、ClinicalTrials.gov(2014年6月23日)、WHO International Clinical Trials Registry Platform(2014年6月23日)を検索した。また、電子検索で検出された研究の参考文献一覧についても調査した。 成人および小児てんかん患者において、発作寛解期間別にAED中止による影響を評価した無作為化対照試験、早期(発作寛解期間2年未満)のAED中止と後期(発作寛解期間2年以上)のAED中止を比較した研究を検索対象とした。評価者2人が個別にデータを抽出し、試験の質を評価した。各試験におけるリスク比(RR)を95%信頼区間(CI)とともに、また二分法データの要約RRと95%CIは固定効果モデルを用いて算出した。統合RR算出それぞれについて、統計学的不均一性を検査した。また、各対象試験は、Cochrane Handbookの推奨に基づき「バイアスリスク」を評価。GRADE systemによって情報の全体的な質を評価し、2つのSummary of Findingsという表を提示した。 主な結果は以下のとおり。・5件の試験、無作為化された小児てんかん患者924例をレビューの対象とした。・無作為化時の年齢はすべて16歳以下、追跡期間中央値は5.6年であった。・成人を対象とした試験、死亡率あるいはてんかん重積状態をアウトカムとした試験のなかで適格なものはなかった。・AED中止後の発作再発の統合RRは1.34(95%CI:1.13~1.59、p=0.0007)であった。この推定値に基づくと、有害必要数(早期AED中止により1例の発作再発リスクが増加するのに必要な人数)は8例であった(95%CI:5~20)。・統合RR 1.51(95%CI:0.97~2.35、p=0.07)という結果から、AEDの早期中止は部分発作患者における高い再発率と関連することが示された。・欠神発作タイプは、低い再発リスクと関連していた。・EEG所見異常(統合RR:1.44、95%CI:1.13~1.83、p=0.003)、その中でもてんかん様活動(同2.58、2.03~3.28、p<0.0001)、2歳未満あるいは10歳以降での発作発症、てんかん重積状態の既往、知的能力障害(IQ 70未満)、治療前および治療中の発作多発は、高い再発リスクと関連していた。・性別および家族歴と発作再発との間に有意な関連は認められなかった。・全体的にみると、対象とした試験は方法論的な情報に関する報告がなく、オリジナルの試験報告者による情報提供もなかったため、バイアスリスクは低いあるいは不明確と判断された。 ・小児、とくにEEG異常および部分発作の両方(あるいは一方)を有する小児患者は、少なくとも2年の無発作期間を経過した後にAEDを中止すべき、ということを支持するエビデンスが示されていた。・全般発作を有する小児患者については、AEDの中止時期を明確にするエビデンスは不十分であった。・発作を認めない状態にある成人患者のAED中止時期を示すエビデンスはなかった。・最適なAED中止時期と再発を予測するリスク因子を特定するために、より質の高い無作為化対照試験、とくに成人や全般発作の患者を対象とした試験が必要と思われた。関連医療ニュース 小児てんかん、複雑な経過をたどる 抗精神病薬の種類や剤形はアドヒアランスに影響するのか 統合失調症に対し抗精神病薬を中止することは可能か  担当者へのご意見箱はこちら

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乳児血管腫 プロプラノロールへの期待が高まる

 乳児血管腫治療において、経口β受容体遮断薬プロプラノロール(3mg/kg/日)を6ヵ月間投与するレジメンが有効であったことが、フランス・ボルドー大学病院Christine Leaute-Labreze氏らによる無作為化比較の結果、報告された。これまで、プロプラノロールによる乳児血管腫治療は行われているものの、その使用について無作為化比較試験による報告は限定的であった。NEJM誌2015年2月19日号の掲載報告。 試験は、多施設無作為化二重盲検適応デザイン第II/III相試験で、小児用経口プロプラノロール溶液の有効性と安全性の評価を目的とした。対象は1~5ヵ月の、全身療法を必要とする増殖性乳児血管腫の患児であった。 被験者は、プラセボ群またはプロプラノロール群の4レジメンに無作為に割り付けられた(1mg/kg/日または3mg/kg/日を、各々3ヵ月間または6ヵ月間投与)。 事前に予定されていた中間解析により用量・期間の選択と評価を行い、最終有効性解析で用いるレジメンが決定された。主要評価項目は、24週目時点の治療の成功(標的病変の完全/ほぼ完全な消失)または失敗であった。評価は標準化された画像によって、独立した中央登録で盲検的に行われた。 主な結果は以下のとおり。・無作為化された460例の患児のうち、456例が実際に治療を受けた。・24週の治療期間を終えた初期の188例による中間解析により、最終有効性解析に用いられるレジメンは、「3mg/kg/日を6ヵ月間」に決定した。・24週時点のプロプラノロール群の治療成功率は、プラセボ群よりも有意に高かった(60% vs. 4%、p<0.001)。・ベースラインから5週時点までに改善を示した割合は、プロプラノロール群がプラセボ群よりも有意に高かった(88% vs. 5%、p<0.001)。・プロプラノロール群の治療を完遂した患児のうち、10%の患児が追跡期間(72週)中に全身療法を必要とした。・プロプラノロールに関連する既知の有害事象として、低血糖、低血圧、徐脈、気管支痙攣がまれに発生したが、プラセボ群との間に有意差はみられなかった。

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アナフィラキシーにおける皮膚症状と診断

はじめに アナフィラキシーは、狭義にはIgEを介する、複数の臓器における即時型アレルギー反応で、広義には、造影剤や非ステロイド系抗炎症剤(Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs; NSAIDs)などによる、さらには明らかな誘因なく症状が出現する特発性のものを含む1-3)。皮膚症状に関する限り、誘因による表現型の違いは知られていない。 その症状は、マスト細胞が多く分布する皮膚、粘膜、気道、消化管に多く現れ、末梢血の血漿成分の漏出による循環動態の悪化と神経症状を伴うことが多い。なかでも皮膚症状はアナフィラキシーの80~90%で出現2,4)し(表1)、呼吸困難感、血圧低下など、他の生命に関わる症状に伴って出現した場合の診断的価値は高い。 表1を拡大する アナフィラキシーにおける皮膚症状アナフィラキシーによる皮膚症状は、臨床的にI型アレルギーにより生じる皮膚症状と同様である。すなわち、皮膚、粘膜に分布するマスト細胞の急速な脱顆粒により、ヒスタミンをはじめとするメディエーターが組織内に放出され、血管に作用して微小血管の拡張(紅斑)、血漿成分の漏出(膨疹)、知覚神経の刺激による瘙痒を生じる。この反応は、蕁麻疹と大きく重複するが、蕁麻疹のスペクトラムは広く、アナフィラキシーですべての蕁麻疹の臨床像が起こるわけではない。一方、もともと慢性に反復する患者がアナフィラキシーを生じた場合は、両者の皮疹を区別することは困難であり、臨床像により両者を区別することはできない。しかし、傾向として両者の違いはあり、その特性を認識しておくことは有用である。1)皮疹の範囲皮膚症状をアナフィラキシーの診断の根拠とするには、体表の広い範囲に皮疹が出現していることが大切である。果物や野菜を摂取して起こる口腔アレルギー症候群では、軽症例では口腔ならびに顔面皮膚、粘膜の発赤、腫脹などにとどまり、接触蕁麻疹でも軽度であれば皮疹は接触部位に限局した発赤ないし膨疹となる。WAO(World Allergy Organization) 3)および日本アレルギー学会のアナフィラキシーガイドライン2)では、アナフィラキシーの3項目を挙げ、そのうちのいずれかに該当する場合をアナフィラキシーと診断する。皮膚症状は、その3項目のうちの2項目に含まれ、具体的には「全身の発疹、瘙痒または紅潮」と定義されている。なお、アナフィラキシーでも皮疹がない、あるいは限局性の蕁麻疹が出現する可能性はあるが、日本アレルギー学会のガイドライン2)では、部分的な紅斑、蕁麻疹、膨疹はグレード1(軽症)に位置付けられている。2)膨疹と紅斑蕁麻疹では、初期は膨疹の周囲に広範囲の紅斑を伴うことが多く、浮腫の強い膨疹は白色になることもある。しかし、症状を繰り返すうちに紅斑の範囲は狭まり、慢性蕁麻疹の紅斑は膨疹の範囲に限局することが多い(図1)。私見ではあるが、アナフィラキシーにおける皮膚症状は紅斑が主体で、膨疹はないか、あっても散在する程度のことが多い(図2)。バンコマイシンを急速に点滴または静注することで生じるバンコマイシン症候群(またはレッドマン症候群)は、血中バンコマイシン濃度が上昇するために好塩基球からヒスタミンが遊離され、顔面、頸部に紅斑を生じる現象であるが、この場合も顔面、頸部のびまん性紅斑が主体で膨疹はその主役ではない。 図1を拡大する 図2を拡大する 図2(続き)を拡大する 一方、特発性の蕁麻疹でも体表の広い範囲に膨疹が出現することはあるが、その場合は比較的境界が明瞭で、多くの無疹部を確認できることが多い(図3)。浮腫が眼瞼、口唇に生じると、病変が深部に及び、血管性浮腫となることもある。 図3を拡大する 3)除外すべき皮膚症状アナフィラキシーに伴う皮膚症状の特徴は、個々の皮疹の形よりもむしろその経過にある。また、病態の中心は血管の拡張と浮腫にあって器質的変化を伴わないため、圧迫により消退しないことも診断の根拠にできる(図4)。なお、表在性の膨疹、紅斑を伴わない血管性浮腫は、遺伝性血管性浮腫またはアンジオテンシン変換酵素阻害薬内服中に生じる発作の可能性を考える必要がある。その場合は抗ヒスタミン薬、アドレナリンは無効で、前者には速やかなC1インヒビター(C1-INH)製剤の静注が必要である5)。 図4を拡大する おわりにアナフィラキシー様症状には、パニック発作、迷走神経発作など、アナフィラキシーとは取るべき対応がまったく異なる疾患を鑑別する必要がある。そのために、皮膚症状は重要な診断の助けになり、正確な観察を心がけたい。 1) The Centre for Clinical Practice at NICE. Anaphylaxis. NICE clinical guideline 134. NICE.(Accessed on February 9, 2015.) 2) 日本アレルギー学会監修.Anaphylaxis対策特別委員会編.アナフィラキシーガイドライン.日本アレルギー学会;2014. 3) アナフィラキシーの評価および管理に関する世界アレルギー機構ガイドライン. Estelle F, et al. 海老澤元宏ほか翻訳. アレルギー.2013; 62: 1464-1500. 4) Joint Task Force on Practice Parameters; American Academy of Allergy, Asthma and Immunology; American College of Allergy, Asthma and Immunology; Joint Council of Allergy, Asthma and Immunology. J Allergy Clin Immunol 115: S483-S523, 2005. 5) 秀 道広ほか.日皮会誌.2011; 121: 1339-1388.

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溺水児の蘇生術、30分が目処か/BMJ

 心停止・低体温の溺水児の蘇生について、30分以内に自己心拍再開がみられなかった場合、予後はきわめて不良であることを、オランダ・フローニンゲン大学のJ K Kieboom氏らが後ろ向きコホート研究の結果、報告した。30分以内に自己心拍再開した場合は神経学的転帰は良好となる可能性は高まり、とくに溺水事故が冬に起きた場合にその傾向が認められたという。著者は、「所見は、心停止・低体温となった溺水児について30分超の蘇生治療の価値に疑問符を付けるものであった」とまとめている。BMJ誌2015年2月10日号掲載の報告より。30分超施術児のうち89%死亡、生存児も全例が重度の神経学的障害 検討は、オランダの8つの大学病院の救急部門と小児ICUで行われ、同院に搬送または入室した、心停止および低体温が認められた16歳以下の溺水児を対象とした。 主要評価項目は、溺水後1年の生存および神経学的アウトカムとした。死亡、植物状態での生存、重度の神経学的障害(paediatric cerebral performance category[PCPC]4以上)を不良アウトカムと定義し評価した。 1993~2012年の間に、心停止・低体温の溺水児160例が出現した。そのうち98例(61%)について蘇生術が30分超行われた(施術時間中央値60分)が、うち87例(89%、95%信頼区間[CI]:83~95%)が死亡に至った。 30分超の蘇生術が施された98例のうち、生存児は11例(11%、95%CI:5~17%)であったが全例PCPCスコアは4以上であった。30分を要さなかった小児では、神経学的アウトカム良好が27% 一方、30分超の蘇生術を必要としなかった小児62例(39%)については、17例(27%、95%CI:16~38%)が1年時点でPCPCスコアが3以下であった。内訳は10例(6%)が神経学的アウトカム良好(スコア1)、5例(3%)が神経学的障害が軽度(スコア2)、2例(1%)が同中程度(スコア3)であった。 160例の溺水児のうち、アウトカムを問わず1年時点で生存していたのは44例のみであった。 また、事故発生について季節別に評価した分析では、季節とアウトカムの強い相関が認められ、冬場の事故例が他の季節と比べて有意にアウトカムが良好であった(オッズ比:4.6、95%CI:1.4~15.1、p=0.013)。また、この季節性の影響も、30分以内で自己心拍再開となった子供において顕著にみられた(同:4.8、2.9~7.9、p=0.01)。

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