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アトピー乳児、喘息発症リスクが高いのは?

  アトピー性皮膚炎(AD)は喘息や他のアトピー性疾患に先行して発症することが知られる。“アレルギーマーチ”と呼ばれるこれらの発症順序は必ずしも決まっておらず、乳幼児が喘息を発症するリスクについて取り組んだ研究は少ない。フランス・パリ公立アルマン・トゥルソー小児病院のFlore Amat氏らは、生後12ヵ月未満のAD患者を6歳まで追跡したObservatory of Respiratory risks linked with Cutaneous Atopy(ORCA)研究データを解析し、早期発症AD乳児において複数感作あるいは喘息家族歴を認める場合は、幼児期に喘息の発症リスクが高いことを明らかにした。PLoS One誌オンライン版2015年6月24日号の掲載報告。 研究グループは、喘息に発展する恐れのある早期発症ADの表現型を特定することを目的に、ORCA研究に登録された乳児214例についてクラスター分析を行った。  ORCA研究は、皮膚科医によりADと確定診断され、喘鳴の既往がない生後12ヵ月未満の乳児を6歳まで追跡し、AD、アレルギーおよび喘息について毎年調査した研究である。 主な結果は以下のとおり。・次の3つのクラスターが同定された。・クラスター1は「低感作AD群」(94例)。食物または空気アレルゲンへの感作なし~低度(それぞれ27.7%および10.6%)、AD重症度は中等度(SCORAD 25.29±14.6)。・クラスター2は「複数感作AD群」(84例)。AD重症度が高く(SCORAD 32.66±16.6)、食物または空気アレルゲンへの感作も高く(それぞれ98.6%および26.2%)、複数の食物アレルゲンに感作されている(96.4%)。・クラスター3は「喘息家族歴があるAD群」(36例)。親が喘息の既往歴を有し、AD重症度は中等度(SCORAD 24.46±15.7)、食物アレルゲン(1つ)への感作は中等度(38.9%)、空気アレルゲンへの感作はない。・6歳時点で喘息に罹患していた小児の割合は、クラスター1(14.9%)に比べてクラスター2および3で高かった(それぞれ36.1%および33.3%、p<0.01)。

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事例61 「初診料 休日加算」の査定【斬らレセプト】

解説事例では、5月5日の「こどもの日」の休診日に来院した初診患者に対して、休日加算を算定したところB事由(医学的に過剰・重複と認められるものをさす: 過剰)を理由に査定となった。休日加算の留意事項には、「当該休日を休診日とする保険医療機関に、又は当該休日を診療日としている保険医療機関の診療時間以外の時間に、急病等やむを得ない理由により受診した患者」に算定するとある。時間的算定要件は満たしているものの、初診料以外に診療行為がなく「急病等やむを得ない理由」を満たす判断をする材料がない。よって、事例の休日加算は、「過剰」と判断されたものであろう。再審査の検討にカルテをみた。「昨日に虫刺 来院前、発赤かゆみ(++)来院時、発赤残るもかゆみ軽く」のみの記載があった。虫の種類も刺された部位も不明であり、緊急性が読み取れないため再審査は断念した。患者が緊急に来院する理由はさまざまであるが、医師の休日診察は事実である。カルテには、緊急性を再現できるように記載をお願いした。その一方で、事例のように緊急性が読み取れないレセプトには、「緊急応診をしたが、回復」などの補記をすることとした。

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経口H.pyloriワクチン、未感染小児に高い効果/Lancet

 中国で開発中の経口組換え型H.pyloriワクチンについて、未感染小児に対する有効性、安全性、免疫原性が確認されたことを、中国食品医薬品検定研究所のMing Zeng氏らが4,464例を対象とした第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。投与後1年時点の有効性は71.8%であったという。著者は、「本ワクチンはH.pylori感染の発生を大幅に減少することができた。さらなる長期追跡によりその予防効果を確認する必要がある」と述べている。Lancet誌オンライン版2015年6月30日号掲載の報告より。H.pylori未感染の6~15歳4,464例を対象に無作為化二重盲検プラセボ対照試験 試験は、江蘇省カン楡区の1施設で行われ、H.pylori感染の既往歴または現病歴がない6~15歳の健康児を対象とした。コンピュータ無作為化にて1対1の割合で、H.pyloriワクチンを受ける群またはプラセボを受ける群に割り付けた。本ワクチン投与は3回(0、14日、28日)で計画された。 主要有効性エンドポイントは、ワクチン投与後1年以内のH.pylori感染の発生とした。被験児およびその保護者、また研究者に治療割り付けに関する情報はマスキングされ、解析は、事前プロトコル集団について行われた。 2004年12月2日~2005年3月19日の間に、被験者4,464例がワクチン群(2,232例)またはプラセボ群(2,232例)に無作為に割り付けられた。そのうち4,403例(99%)が、3回服用のワクチン投与予定を完了し事前プロトコルの有効性解析に組み込まれた。副反応、有害事象は両群で同等、免疫原性はワクチン群で有意に高値 結果、ワクチン投与後1年以内のH.pylori感染の記録は64例であり(ワクチン群2,074.3リスク人年当たり14例 vs.プラセボ群2,089.6リスク人年当たり50例)、ワクチンの有効性は71.8%(95%信頼区間[CI]:48.2~85.6)であった。 ワクチン群157例(7%)、プラセボ群161例(7%)で、1件以上の副反応の報告があった。重大有害事象は、ワクチン群5例(<1%)、プラセボ群7例(<1%)で報告されたが、いずれもワクチン投与とは無関係であると思われた。 本試験のフォローアップは3年時点まで延長され、2年目にH.pylori感染はさらに32例(ワクチン群10例 vs.プラセボ群22例)が、3年目は19例(6例 vs.13例)が記録された。これらのデータに基づくワクチンの有効性は、2年時点で55.0%(95%CI:0.9~81.0)、3年時点で55.8%(同:-24.7~86.2)であった。H.pylori感染の発生率は、プラセボ群は3年間で100人年当たり2.4から1.4へと変動がみられたが、ワクチン群はほぼ0.7で一定していた。 免疫原性についてみた、特定の抗ウレアーゼBサブユニットの血清IgGと唾液中IgAの幾何平均抗体価(GMT)は、ベースラインでは両群で同等だったが、投与(3回完了)後は3年時点までワクチン群が一貫して有意に高値であった(3年時点の血清IgG GMTはワクチン群が4.1倍高く、唾液中IgA GMTは1.6倍高いなど)。

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侮れない侵襲性髄膜炎菌感染症にワクチン普及願う

 サノフィ株式会社は2015年7月3日、侵襲性髄膜炎菌感染症(Invasive Meningococcal Disease、以下IMD)を予防する4価髄膜炎菌ワクチン(ジフテリアトキソイド結合体)(商品名:メナクトラ筋注)のプレスセミナーを開催。川崎医科大学小児科学主任教授 尾内 一信氏と、同大学小児科学教授 中野 貴司氏がIMDの疾患概要や予防ワクチンの必要性について講演した。  細菌性髄膜炎の起因菌にはHib(インフルエンザ菌b型)、肺炎球菌などがあるが、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)もその1つである。髄膜炎菌は髄膜炎以外にも菌血症、敗血症などを引き起こし、それらをIMDと呼ぶ。IMDの初期症状は風邪症状に類似しており、早期診断が難しい。だが、急速に進行し発症から24~48時間以内に患者の5~10%が死に至り、生存しても11~19%に難聴、神経障害、四肢切断など重篤な後遺症が残ると報告されている。また、髄膜炎菌は感染力が強く、飛沫感染で伝播するため集団感染を起こしやすい。そのため、各国の大学・高校、さらにスポーツイベントなどでの集団感染が多数報告されている。このような状況から、IMDは本邦でも2013年4月より第5類感染症に指定されている。 IMDは全世界で年間50万件発生し、うち約5万人が死亡に至っている。IMDの発生は髄膜炎ベルトといわれるアフリカ中部で多くみられるが、米国、オーストラリア、英国などの先進国でも流行を繰り返しており注意が必要だ。米国疾病予防管理センター(CDC)によれば、米国では2005年~2011年に年間800~1,200人のIMDが報告されている。発症年齢は5歳未満と10歳代が多くを占める。本邦でも、2005年1月~2013年10月に報告されたIMD 115例の好発年齢は0~4歳と15~19歳であった。 IMDの治療にはペニシリンGまたは第3世代セフェム系抗菌薬などが用いられるが、急速に進行するため予防対策が重要となる。IMDの予防にはワクチン接種が有効であることが明らかになっている。本邦の第III相試験の結果をみても、4価髄膜炎菌ワクチン接種後、80%以上の接種者の抗体価が上昇しており、その有効性が示されている。このような高い有効性から、発症数は多くないものの、米国、オーストラリア、英国においてはすでに定期接種ワクチンとなっている。 本邦でも4価髄膜炎菌ワクチン「メナクトラ筋注」が本年(2015年)5月に発売され、IMDの予防が可能となった。しかしながら、本邦におけるIMDの認知度は医師および保護者の双方で低い。また、IMDワクチンの医師の認知率は49%と約半分である。IMDの罹患率は低いが、そのリスクは無視できない。今後の啓発活動が重要となるだろう。サノフィプレスリリース「侵襲性髄膜炎菌感染症」に関する意識調査(PDFがダウンロードされます)「メナクトラ筋注」新発売のお知らせ(PDFがダウンロードされます)

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低ホスファターゼ症治療薬として日本で世界初の承認を取得

 2015年7月6日、米国・アレクシオン ファーマスーティカルズ(Nasdaq:ALXN)は、日本の厚生労働省が、生命を脅かすきわめてまれな代謝性疾患である低ホスファターゼ症(HPP)に対する治療薬として、ストレンジック(一般名:アスホターゼ アルファ)の使用に関する新薬承認申請(NDA)を承認したことを発表した。骨を標的とした酵素補充療法であるストレンジックは、HPPの治療薬として世界に先駆けて日本で初めての承認となる。 HPPは、複数の身体器官に深刻な影響をもたらす遺伝性、進行性、および代謝性の超希少疾患であり、消耗性または致死的な合併症が引き起こされる骨石灰化不全を特徴とし、骨の変形などの骨格異常のほか、重篤な筋力低下、けいれん発作、疼痛、および呼吸不全などの全身性合併症を生じ、乳児では早期死亡に至ることがある。 ストレンジックは、HPPの根本的な原因であるアルカリホスファターゼ(ALP)の欠損を解消すべくデザインされた、骨を標的とした画期的新薬(ファースト・イン・クラス)の酵素補充療法である。 ストレンジックによる治療は、欠乏したALPの補充を通じて酵素基質濃度上昇と骨の石灰化障害を改善し、それにより重篤な骨格および全身性の重篤な病態と早期死亡を予防することを目標としている。 日本でのストレンジックの承認は、日本の患者も参加した1本を含む3本のピボタル試験であるプロスペクティブ試験とそれらの延長試験、乳児を対象とした1本のレトロスペクティブな自然経過観察試験、および1本の医師主導試験から得た臨床データに基づいており、カプラン・マイヤー分析の推定では、ストレンジックを投与した乳児の HPP 患者の全生存率は 168 週目で 84%を示した。有害事象で頻度の高かったものは、注射部位反応および投与時反応であった。詳細はプレスリリース(PDF)へ参考 希少疾病ライブラリ 低フォスファターゼ症

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事例60 在宅自己注射指導管理料(アナフィラキシー)の査定【斬らレセプト】

解説事例では、エピペン®ならびにC101在宅自己注射指導管理料が、A事由(医学的に適応と認められないもの: 病名不足)にて査定となった。カルテを見ると「患者は小学生、複数回の蕁麻疹の既往、4月にはアナフィラキシー発現で他院を受診、RAST検査で牛肉がクラス6であったと、家族が患者を伴い、診療情報提供書を持参して来院、アドレナリン注射による救命措置があることを伝えて緊急時の注射方法を指導して処方した」と記載されていた。病名欄にアナフィラキシーの記載はなかった。同指導管理料の留意事項には、「アドレナリン製剤については、蜂毒、食物及び毒物等に起因するアナフィラキシーの既往のある患者(中略)に対して、定量自動注射器を緊急補助的治療として用いた場合に限り算定する」とあり、アナフィラキシーの病名が必要であることがわかる。医師と算定者双方には「蕁麻疹のみでは算定対象とならない」ことを申し伝えた。

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小児アトピーへのpimecrolimus、がんリスク増大せず

 米国FDAにより、「アトピー性皮膚炎への外用pimecrolimus(国内未承認)の使用は悪性腫瘍リスクと関連する可能性がある」と黒枠警告されている。米国・ペンシルベニア大学ペレルマン医学大学院のDavid J. Margolis氏らは、2万5,000人年超をベースとした市販後調査コホートにおける同リスクの評価を行い、統計的にがんリスク増大との有意な関連はみられなかったことを報告した。JAMA Dermatology誌2015年6月1日号の掲載報告。 黒枠警告の掲示は、アトピー性皮膚炎への外用pimecrolimus使用に関して、臓器移植における経口カルシニューリン阻害薬使用と類似しており、リンパ腫および皮膚悪性腫瘍などの報告があるためとしている。 研究グループは、市販後調査コホートを対象に外用pimecrolimusに曝露された小児の悪性腫瘍リスクを評価した。具体的には、対象者は全米から小児を登録して行われている現在進行中の長期コホート試験Pediatric Eczema Elective Registry(PEER)の参加者で、アトピー性皮膚炎の病歴および外用pimecrolimus使用歴を有している。2014年5月時点で入手したデータを評価した。 PEER参加者における悪性腫瘍の発生報告と、Surveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)プログラムにおける期待値を比較した。 主な結果は以下のとおり。・全体で、PEER試験に登録された小児は7,457例、総計2万6,792人年のデータが入手できた。・小児の試験登録時の外用pimecrolimusの使用量は、平均(SD)793(1,356)gであった。・2014年5月現在、報告された悪性腫瘍は5例であった。・内訳は、白血病2例、骨肉腫1例、リンパ腫2例で、皮膚がんの報告例はなかった。・年齢標準化SEER集団に基づく全悪性腫瘍の標準化発生比(主要アウトカム)は、1.2(95%信頼区間[CI]:0.5~2.8)であった。・副次解析の各悪性腫瘍の標準化発生比(それぞれ2例に基づく)、リンパ腫2.9(95%CI:0.7~11.7)、白血病2.0(同:0.5~8.2)であった。・これらの所見はいずれも、統計的に有意ではなかった。・結果を踏まえて著者は、「2万5,000人年超PEERコホートの追跡調査に基づき、アトピー性皮膚炎治療のために使用された外用pimecrolimusと、悪性腫瘍のリスク増大は関連していないようである」とまとめている。

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複合免疫不全症の遺伝子欠損を特定/NEJM

 複合免疫不全症からの早期発症の侵襲性細菌・ウイルス感染症を発症した小児について、常染色体劣性のdedicator of cytokinesis 2 遺伝子(DOCK2)の欠損を特定したことを、米国・ボストン小児病院のKerry Dobbs氏らが報告した。複合免疫不全症は、存在するT細胞の量的および機能的不足というT細胞免疫の先天異常を特徴とする。液性免疫障害も一般的にみられ、患者は重度の感染症または自己免疫疾患、あるいは両方を呈する。複合免疫不全症は複数のタイプがみられ、特異的な分子、細胞および臨床的特徴は不明のままであった。NEJM誌2015年6月18日号掲載の報告より。5例の患児について検討 研究グループは、早期発症の侵襲性の細菌・ウイルス感染症を有した非血縁の小児5例について、遺伝子的および細胞免疫について検討した。 患児には、リンパ球減少症、T細胞、B細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞の反応低下がみられた。対象のうち2例は早期に死亡。その他3例は、同種異系造血幹細胞移植後、T細胞機能が正常となり臨床的改善を認めた症例であった。DOCK2欠損症の症状が共通 検討の結果、これら5例の患児について、DOCK2における両変異アレルが特定された。 また、T細胞におけるRAC1活性化の障害、T細胞、B細胞、NK細胞においてケモカインに誘導された遊走とアクチン重合の障害を確認した。NK細胞の脱顆粒の影響を受けていたことも確認された。 ウイルス感染後には、末梢血単核球によるインターフェロン-αおよびインターフェロン-λの産生低下がみられた。さらにDOCK2欠損線維芽細胞において、ウイルス複製が亢進しており、ウイルス誘導による細胞死の増加を認めた。これらの状態はインターフェロンα-2bによる治療後、または野生型DOCK2の発現後に正常化した。 これらを踏まえて著者は、「DOCK2欠損症は、造血性・非造血性免疫の多面的異常を伴う新たなメンデル遺伝性疾患である」と述べ、「複合免疫不全症の臨床的特徴、とくに早期発症の侵襲性感染症を発症した小児では、これらの症状がみられる可能性がある」とまとめている。

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幼若脳への放射線照射、どのような影響を及ぼすか

 放射線療法は小児脳腫瘍に対する一般的な治療であるが、しばしば認知機能低下を含む遅発性の後遺症を引き起こす。その機序としては、海馬でのニューロン新生の抑制が部分的に関与していると考えられている。しかし、若年者の成長過程にある脳への放射線照射が歯状回のニューロンネットワークにどのような変化をもたらすかはまだよくわかっていない。スウェーデン・ヨーテボリ大学のGinlia Zanni氏らは、マウスを用いた研究を行い、成熟脳への照射では長期増強(LTP)の減少のみが引き起こされるが幼若脳ではさらに長期抑圧(LTD)も生じ、成熟脳と幼若脳とで長期シナプス可塑性に対する全脳照射の影響が異なることを明らかにした。結果を踏まえて著者らは、「シナプス変性のメカニズムを解明する必要はあるが、今回の知見は発達過程の脳への放射線照射の影響、ならびに頭部放射線療法を受けた若年者にみられる認知機能障害の理解につながる」とまとめている。Developmental Neuroscience誌オンライン版2015年6月2日号の掲載報告。 研究グループは、生後11日目の雄のWistar系ラットに全脳照射(6Gyの単回照射)を行い、歯状回の電気生理学的な特性を解析した。 主な結果は以下のとおり。・細胞外野の興奮性シナプス後電位(fEPSP)と線維斉射(fiber volley)の比から内側貫通線維路(MPP)における興奮性伝達を評価すると、偽照射群と比較し照射群でシナプス効力が増加した。・MPP-顆粒細胞間シナプスのPaired-pulse ratio(PPR)は、照射により変化しなかったことから、神経伝達物質の放出確率は変化しないことが示唆された。・高周波刺激(4train)を加え歯状回での長期シナプス可塑性を誘導すると、偽照射群に比べ照射群ではLTPからLTDへの変化が認められた。・ダブルコルチンの免疫染色により形態学的変化を調べると、照射後はニューロン新生が完全に消失していたが、パルブアルブミン介在ニューロンの抑制性ネットワークは損傷されていなかった。・これらのデータは、幼若脳への照射がシナプス可塑性の永続的な変化を引き起こしたことを示唆しており、陳述学習の機能障害と一致する。・著者らによるマウスでの先行研究とは異なり、リチウムを投与しても研究パラメータは改善しなかった。関連医療ニュース マグネシウム摂取と脳内NMDA受容体の関与が明らかに 抗精神病薬は脳にどのような影響を与えるのか EPA、DHA、ビタミンDは脳にどのような影響を及ぼすか  担当者へのご意見箱はこちら

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「伝染性紅斑」と「手足口病」に気を付けろッ!

国立感染症研究所の『感染症週報』(2015年第21週)によると、「伝染性紅斑(リンゴ病)」と「手足口病」が、例年に比べ早いペースで感染が拡大している。小児だけでなく成人にも感染する疾患であることから、両疾患の概要とその対応策について、CareNet.comでお馴染みの忽那 賢志氏(国立国際医療研究センター 感染症内科/国際感染症センター)にお話を聞いた。伝染性紅斑(リンゴ病)の気を付け方約5年ごとに大流行を繰り返す伝染性紅斑は、ヒトパルボウイルスB19が原因となる感染症である。主に気道分泌物から飛沫する鼻水、咳・くしゃみで感染し、毎年、年始めから7月頃をピークに以降は減少していく。約5年ごとに大きな流行を繰り返す傾向があり、本年は、その大流行期に当たるのかもしれない。症候として、小児では、感染後10~20日の潜伏期間の後、頬に真っ赤な発疹が出現するのが特徴。また、先行する感冒症状として、頬に発疹が出る約7日前に発熱する患児もいるが、発熱がなく、急に発疹が出る患児もいる。そのほか、手足にレース様の紅斑の皮疹が出現する場合もある。成人では、頬に発疹が出ることはなく、四肢にレース様の紅斑が現れることがある。また関節炎の頻度が高く、時に歩行が困難になるくらいである。女性のほうが関節炎が起こりやすい。ウイルスの排出は、先行する感冒症状の時期に排出され、顕在症状期には感染は広がらないとされている。診断では、問診や視診などが中心となるが、患児では頬に紅斑が出るなど顕在症状があるので、診断はつきやすい。しかし、成人では関節炎や皮疹などにより、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)との鑑別診断も必要となるので、本来はパルボウイルスB19IgM抗体検査などで確定診断することが望まれる。現在パルボウイルスB19IgM抗体検査は妊婦以外では保険適用外のため、1日も早い保険適用を期待したい。治療については、抗ウイルス薬がないために、対症療法が行われる。本症は自然寛解する感染症であるが、発熱があれば水分補給をしっかりとし、関節炎などが強ければ非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの使用が必要となることもある。なおワクチンについては、現在有効なものはない。過去に1度罹患すると免疫獲得により再罹患はないとされている。成人の罹患はさまざまなリスクに注意注意すべきポイントとして、本症は小児と成人では症状が異なることである。成人では、妊婦が罹患した場合、胎児水腫などの発生が懸念され、自己免疫性溶血性貧血などの血液疾患の既往がある場合には一過性骨髄無形成クリーゼと呼ばれる合併症のリスクが、また免疫不全患者での慢性パルボウイルスB19感染では赤芽球癆による重症貧血などの合併症のリスクがあるので、外出時にマスクの着用や子供の多いところに出かけないなどの対策が必要となる。診療する医療側の対策としては、ウイルス排出時期にパルボウイルスB19感染症と診断することは難しいため、適切に感染対策を行うことは難しい。本症の流行期にはインフルエンザ流行期と同様に本症を疑う患者には、サージカルマスクや手袋を着用しての診療が望まれる。手足口病の気を付け方3種類のウイルスが交互に流行手足口病は、わが国では主にコクサッキーウイルスA6、同A16、エンテロウイルス71(EV71)などが原因となり、飛沫感染と接触感染(糞口感染も含む)などで感染する。毎夏にピークが来るが、秋から冬にかけても流行する。今季はコクサッキーウイルスA16が流行している模様である。重複することもあるが3種類のウイルスが交互に流行を繰り返すのが特徴で、年によって流行するウイルスは異なる。症候としては、3~5日間の潜伏期間の後、口腔内粘膜、手のひら、足の裏などに水疱性病変ができる。患児によってはひざ、ひじ、臀部などでも観察される。これは、成人もほぼ同様で、口腔内の水疱のため、嚥下がしづらくなるなどの主訴を経験する。水痘、単純ヘルペスと区別がつかないことがあり、鑑別診断で注意を要する。治療については、抗ウイルス薬がないために、対症療法が行われる。本症は自然寛解する感染症であるが、口腔内の水疱の痛みで水分補給が不足する場合など補液が必要となる。なおワクチンについては、現在有効なものはない。過去に1度罹患しても、原因ウイルスの違いにより、再度罹患することもあるので注意が必要である。インフルエンザと同様の対応で感染防止注意すべきポイントとしては、小児が罹患した場合、とくにエンテロウイルス71が脳炎、髄膜炎を引き起こすなど、重症化することもある。成人も同様に注意が必要だが、合併症の頻度は小児のほうが高いとされる。診療する医療側の対策としては、本症を疑う患者には、個室に入ってもらい、飛沫感染予防、接触感染予防を行う。また、インフルエンザ流行時のようにマスク、ガウン、手袋着用での診療が望ましい。トピックスとして、重症化した小児の脳症がとくに東南アジア、東アジアでは問題となっており、中国ではEV71ワクチンの開発が進められている(現在第III相試験)。流行を防ぐためにいずれの疾患も小児領域では、お馴染みの疾患であるが、どちらも成人にも感染し、重症化リスクを伴うものである。これからの流行拡大の注意喚起のために現在の状況を解説いただいた。両症ともにとくに家族内感染が多く、患者には、こまめな手指消毒や外出の注意などの指導で感染を防ぐ取り組みが必要とされる。関連リンク感染症週報(2015年第21週)

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事例57 小児特定疾患カウンセリング料の査定【斬らレセプト】

解説事例では、B001「4」小児特定疾患カウンセリング料が、D事由(告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの)により査定となった。小児特定疾患指導カウンセリング料は、小児科を標榜する医療機関で小児科専任の医師が療養上必要なカウンセリングを同一月内に1回以上行った場合に、2年を限度として月2回に限り算定できるものである。また、適応病名も心身症などの定められたものに限るとされている。事例では病名に問題はないが、同カウンセリング料の初回算定日は、平成25年4月19日である。2年を限度とする条件を満たすのは3月までであって、今回算定の4月分は算定要件を満たさない。事例の同カウンセリングは、患者の状態をみて2年を経過していても、医学的必要性にて実施されていた。計算担当者は、カルテにカウンセリングの実施が記載されていたために漫然と算定していた。算定可能期間の限度は、厳密に適用されることから、同カウンセリング料算定時に期間超過エラーが表示されるようにレセプトコンピュータを改修して、対応策とした。

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9割の成人ADHD、小児期の病歴とは無関係

 米国・デューク大学のTerrie E. Moffitt氏らは、成人期注意欠如・多動症(ADHD)と小児期発症神経発達症との関連を明らかにするため、ニュージーランドで1972~1973年に生まれた1,037例について解析を行った。その結果、成人期ADHDの90%が小児期ADHD歴を有していないことを報告した。成人期ADHDは小児期発症神経発達症であるとの仮説が広く知られているが、これまで成人期ADHD患者の小児期に言及した長期前向き試験はなかったという。American Journal of Psychiatry誌オンライン版2015年5月22日号の掲載報告。 研究グループは、1コホートにおいて、成人期に診断されたADHD患者のフォローバック解析を、小児期に診断されたADHD患者のフォローフォワード解析と共に報告した。ニュージーランド、ダニーデンで1972~1973年に出生した1,037例の被験者を同時出生コホートとし、38歳まで追跡調査した(保持率95%)。ADHD症状、臨床的特徴、合併症、神経心理学的欠陥、ゲノムワイド関連研究による多遺伝子リスク、生活障害指標を評価した。データは、被験者、両親、教師、その他の情報提供者、神経心理学的検査の結果、薬歴などから収集した。成人期ADHDは研究アウトカムの評価基準に基づくDSM-5分類により診断し、発症年齢およびcross-settingによる確証は考慮しなかった。  主な結果は以下のとおり。・予想されたとおり、小児期ADHDは6%に認められ(大部分が男性)、小児期の合併症、神経認知障害、多遺伝子リスク、残された成人期の生活障害と関連した。・同じく予想どおり、成人期ADHDは3%(性差なし)に認められ、成人期の薬物依存、生活障害および受療との関連が認められた。・一方、予想に反して、小児期ADHD群と成人期ADHD群は実質的にまったく重複する部分がなかった。すなわち、成人期ADHDの90%が小児期ADHD歴を有していなかった。・同様に予想に反して、成人期ADHD群では小児期、成人期のいずれにおいても神経心理学的欠陥が認められず、また、小児期ADHD患者の多遺伝子リスクが認められなかった。 以上より、ADHDの臨床像を示す成人が小児期神経発達症を有していない可能性が考えられた。著者らは「もし結果が再現されれば、本疾患の分類体系における位置付けを再考するとともに、研究を行って成人期ADHDの病因を追及すべきと思われる」と指摘している。関連医療ニュース 成人ADHDをどう見極める メチルフェニデートへの反応性、ADHDサブタイプで異なる 成人発症精神疾患の背景に自閉スペクトラム症が関連

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出生地が双極性障害発症時期に影響

 出生直後の環境条件は、概日システムの刷り込みや、その後の環境応答に影響するかもしれない。ドイツ・カールグスタフ・カールス大学病院のMichael Bauer氏らは以前、とくに気分障害の家族歴を持つ人において、春の日射量の増加が双極性障害の発症年齢と関連することを報告していた。本研究では、出生地の日照時間がこの関連に影響を与えているかどうかを検討した。Journal of psychiatric research誌2015年5月号(オンライン版2015年3月27日号)の報告。 以前収集した23ヵ国、36施設のデータから、双極I型障害患者3,896例のデータが得られた。患者の出生地は、北緯1.4度から70.7度および南緯1.2度から41.3度の範囲であった。出生地の日照時間の変数をベースモデルに追加し、発症年齢と日射との関連を評価した。 主な結果は以下のとおり。・乳児期の出生地のより多い日照時間は、より高齢での発症と関連していた。このことは、発症地での春の日射の増加が、将来の概日リズムに対する脆弱性を低下することを示唆していた。・出生後最初の3ヵ月における、平均月間日照量の最小値を変数に加えることでベースモデルが改善し、発症年齢と正の相関がみられた。・その他すべての変数における係数は安定、重大かつベースモデルと一致した。 結果を踏まえ、著者らは「出生後早期の光曝露は、とくに冬場の自然光が少ない緯度地域の、双極性障害を発症しやすい人に重要な影響を与える。出生後早期の光曝露は、その後の概日リズム応答のための長期的な適応性に影響を与える可能性がある」とまとめている。関連医療ニュース 双極性障害ラピッドサイクラーの特徴は 小児・思春期の双極性障害に対する非定型抗精神病薬vs気分安定薬 冬季うつ病、注意が必要な地域は  担当者へのご意見箱はこちら

2596.

HPVワクチン、男児にも接種するメリット/BMJ

 ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種を女児だけでなく男児へも接種をすることのメリットについて、オランダ・VU大学メディカルセンターのJohannes A Bogaards氏らが、ベイズ法によるエビデンス統合解析を行い報告した。女児への接種で男性は間接的な利益を得られるが、現状の接種率60%ではHPV関連がん、とくに肛門がんのリスクは残ったままで、女児への接種率が90%に高まり、男児への接種も行うことで肛門がんの予防がもたらされ、男性同性愛者へのHPV予防に寄与することが示唆されたという。BMJ誌オンライン版2015年5月12日号掲載の報告より。男性のがん負担が軽減するかを評価 研究グループは本検討で、HPVワクチンを女児とともに男児へも接種した場合、男性のがん予防の負担が軽減するかを調べた。 ベイズ法エビデンス統合解析を用いて、HPV16または18ワクチンの肛門がん、陰茎がん、口咽頭がんへの影響を、異性愛および同性愛の男性について評価した。 被験者はオランダの一般住民で、12歳男児をHPVワクチンプログラムに組み込み、質調整生存年(QALY)と予防に必要なワクチン接種数(NNV)を主要評価項目とした。女児への接種率90%超で、男性のHPV関連がん66%減少 オランダにおけるHPVワクチンプログラム実施前の、HPV関連がんによる男性1,000人当たりのQALY損失は14.9(95%信頼区間[CI]:12.2~18.1)だった。この負担は、女児へのワクチン接種が現状の60%で推移した場合は、37%(同:28~48%)の減少であると予測された。 この場合、男性のがんを1例予防するのに必要な男児へのNNVは795例(95%CI:660~987例)と予測された。がんの種別でみると、肛門がん予防に必要なNNVは2,162例、陰茎がん3,486例、口咽頭がん1,975例だった。 男性のHPV関連がんの負担は、女児へのワクチン接種率が90%を超えれば66%(同:53~80%)の減少につながると考えられた。その場合の男児へのNNVは1,735例(同:1,240~2,900例)で、がんの種別にみると、2,593例、2万9,107例、6,484例であった。

2600.

小児てんかん、多剤併用療法の悪影響は

 英国・Young EpilepsyのColin Reilly氏らは、小児活動性てんかんにおける全般的認知、ワーキングメモリおよび処理スピードの障害について調査した。その結果、とくにワーキングメモリおよび処理スピードの障害が顕著であること、多剤併用療法は全般的認知、ワーキングメモリおよび処理スピードの障害に関連していることを報告した。これまで、小児てんかんに特異的な認知プロファイルに関する住民ベースの検討データはなかった。Journal of Clinical and Experimental Neuropsychology誌2015年5月号の掲載報告。 研究グループは、住民ベースのサンプルにおいて、抗てんかん薬(AED)服用中および/または過去1年間にけいれん発作を認めた小児の「活動性」てんかんの、全般的認知、ワーキングメモリおよび処理スピードの障害の頻度を明らかにすることを目的とした。活動性てんかんを有する5~15歳の学童85例(適格例の74%)について、全般的認知、ワーキングメモリおよび処理スピードを含む包括的な精神学的評価を行った。認知下位テストのスコアをペアt検定にて比較した。線形回帰解析により、認知障害に関連する因子を評価した。 主な結果は以下のとおり。・小児の24%がIQ 50未満、40%がIQ 70未満であった。・処理スピード指数スコアは、VerbalスコアまたはWechsler式パフォーマンス指数スコアに比べ、有意に低値であった。・Coding下位テストの成績は、その他のWechsler式下位テストと比べ有意に低かった。・4つのワーキングメモリ下位テストの少なくとも1つ以上において、小児の58%はメモリが未熟(メモリスコア1 SD以下で評価したIQ)であった。・全般的認知障害と有意に関連する因子は、多剤併用療法施行中(β=-13.0、95%CI:-19.3~-6.6、p=0.000)および注意欠如/多動症(ADHD、β=-11.1、95%CI:-19.3~-3.0、p=0.008)であった。・多剤併用療法施行中は、ワーキングメモリおよび処理スピード複合の低スコアとも関連していた。・発達性協調運動症(DCD)は、処理スピード複合の低スコアと関連していた。・小児てんかんにおいて、全般的および特異的認知障害が高頻度にみられ、ワーキングメモリおよび処理スピードにおいて障害が最も顕著であった。・小児てんかんにおける認知障害の予測因子は、てんかん関連因子および行動因子であり、認知評価のドメインによって異なる可能性が示唆された。関連医療ニュース てんかん患者への精神療法、その効果は 精神障害を伴う難治性てんかん患者への術前ビデオ脳波は禁忌なのか 寛解後、抗てんかん薬はすぐに中止すべきか  担当者へのご意見箱はこちら

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