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小児に対するLAI治療、その安全性は

 長時間作用型注射剤抗精神病薬(LAIA)の数は、年々増加している。しかし、小児に対するLAIA治療の安全性、有効性は確立されていない。米国・ケースメディカルセンターのStephanie Pope氏らは、ケースシリーズにより小児に対するLAIA治療を研究することで、その知見不足を補うための試みを行った。Journal of child and adolescent psychopharmacology誌オンライン版2016年3月30日号の報告。 本研究は、精神科急性期病棟の専門家により確認された、過去24ヵ月にLAIAによる新規初期治療を行ったすべての患者を含む、レトロスペクティブカルテレビューである。ケースシリーズ9例から、入院、退院時の臨床全般印象-重症度(CGI-S)スコアと臨床全般印象-改善度(CGI-I)スコアを収集した。そのほかに、主要な精神医学的診断報告、併存疾患、年齢、性別、前治療薬とLAIAの種類、LAIAによる治療理由、有害事象、CGI-SおよびCGI-Iスコア、治療を継続するために利用された外来患者のリソースが含まれた。 主な結果は以下のとおり。・ケースシリーズは、14~17歳の女性2人と男性7人であった。・患者に投与されていた薬剤は、パルミチン酸パリペリドン5例、リスペリドン1例、フルフェナジン1例、アリピプラゾール1例であった。・患者の精神科1次診断は、統合失調症5例、統合失調感情障害1例、双極性障害I型1例、特定不能な双極性障害1例、特定不能な気分障害1例であった。・すべてのケースで、ノンコンプライアンスによりLAIAを選択した。・頻繁な逃走、疾患の重症度が各1例認められた。・すべての患者は、注射サービスの公共リソースを必要とした。・本研究は、母集団が小さく、薬物療法を越えたCGI-SやCGI-Iスコアに及ぼす他の要因、また、レトロスペクティブカルテレビューの性質上、限界がある。また、薬剤間の比較は行っていない。・維持治療および長期的安全性は、本研究の範疇を越えていた。今後、小児集団に対する安全性を明らかにするための、オープンラベル試験や無作為化二重盲検比較対照試験が必要とされる。関連医療ニュース 第2世代抗精神病薬、小児患者の至適治療域を模索 小児に対する抗精神病薬、心臓への影響は 若者に対する抗精神病薬、リスクを最小限にするためには

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成人期まで持続するADHD、その予測因子は

 注意欠如・多動症(ADHD)は、診断された症例の半数において成人期まで症状が持続する神経発達障害と考えられている。現在、疾患の経過に関連する因子を明らかにするエビデンスは得られていない。ブラジル・リオグランデドスール連邦大学のArthur Caye氏らは、ADHD症状の成人期までの持続を予測するため、小児期のリスクマーカーに関する文献を検索し、システマティックレビューを行った。European child & adolescent psychiatry誌オンライン版2016年3月28日号の報告。 著者らは、2万6,168件のアブストラクトを検討し、72件のフルテキストレビューを選択した。6件の集団ベースのレトロスペクティブサンプルと10件の臨床フォローアップ研究を含む16件の研究データを同定した。少なくとも3件の研究により評価された要因について、メタ分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・ADHD症状の成人期までの持続を予測する小児期の因子は、ADHD重症度(OR:2.33、95%CI:1.6~3.39、p<0.001)、ADHD治療(OR:2.09、95%CI:1.04~4.18、p=0.037)、素行症の併存(OR:1.85、95%CI:1.06~3.24、p=0.030)、うつ病の併存(OR:1.8、95%CI:1.1~2.95、p=0.019)であった。関連医療ニュース 成人ADHDをどう見極める 9割の成人ADHD、小児期の病歴とは無関係 ADHDに対するメチルフェニデートは有益なのか

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ニーマン・ピック病C型〔NPC : Niemann-Pick disease type C〕

1 疾患概要■ 概念・定義1, 2)ニーマン・ピック病は、多様な臨床症状と発病時期を示すがスフィンゴミエリンの蓄積する疾患として、1961年CrockerによりA型からD型に分類された。A型とB型はライソゾーム内の酸性スフィンゴミエリナーゼ遺伝子の欠陥による常染色体性劣性遺伝性疾患で、ニーマン・ピック病C型は細胞内脂質輸送に関与する分子の欠陥で起こる常染色体性劣性遺伝性疾患である。D型は、カナダのNova Scotia地方に集積するG992W変異を特徴とする若年型のC型である。■ 疫学C型の頻度は人種差がないといわれ、出生10~12万人に1人といわれている。発病時期は新生児期から成人期までと幅が広い。2015年12月の時点で日本では34例の患者の生存が確認されている。同時点での人口8,170万人のドイツでは101人、人口6,500万人の英国では86例で、人口比からすると日本では現在確認されている数の約5倍の患者が存在する可能性がある。■ 病因遺伝的原因は、細胞内脂質輸送小胞の膜タンパク質であるNPC1タンパク質をコードするNPC1遺伝子、またはライソゾーム内の可溶性たんぱく質でライソゾーム内のコレステロールと結合し、NPC1タンパク質に引き渡す機能を持つNPC2タンパク質をコードするNPC2遺伝子の欠陥による。その結果、細胞内の脂質輸送の障害を生じ、ライソゾーム/後期エンドソームにスフィンゴミエリン、コレステロールや糖脂質などの蓄積を起こし、内臓症状や神経症状を引き起こす。95%の患者はNPC1遺伝子変異による。NPC2遺伝子変異によるものは5%以下であり、わが国ではNPC2変異による患者はみつかっていない。■ 症状1)周産期型出生後まもなくから数週で、肝脾腫を伴う遷延性新生児胆汁うっ滞型の黄疸がみられる。通常は生後2~4ヵ月で改善するが、10%くらいでは、肝不全に移行し、6ヵ月までに死亡する例がある。2)乳児早期型生後間もなくか1ヵ月までに肝脾腫が気付かれ、6~8ヵ月頃に発達の遅れと筋緊張低下がみられる。1~2歳で発達の遅れが明らかになり、運動機能の退行、痙性麻痺が出現する。歩行を獲得できる例は少ない。眼球運動の異常は認められないことが多い。5歳以降まで生存することはまれである。3)乳児後期型通常は3~5歳ごろ、失調による転びやすさ、歩行障害で気付かれ、笑うと力が抜けるカタプレキシーが認められることが多い。神経症状が出る前に肝脾腫を指摘されていることがある。また、検査に協力できる場合には、垂直性核上性注視麻痺を認めることもある。知的な退行、けいれんを合併する。けいれんはコントロールしづらいこともある。その後、嚥下障害、構音障害、知的障害が進行し、痙性麻痺が進行して寝たきりになる。早期に嚥下障害が起こりやすく、胃瘻、気管切開を行うことが多い。7~15歳で死亡することが多い。わが国ではこの乳児後期型が比較的多い。また、この型では早期にまばたきが消失し、眼球の乾燥を防ぐケアが必要となる。4)若年型軽度の脾腫を乳幼児期に指摘されていることがあるが、神経症状が出現する6~15歳には脾腫を認めないこともある。書字困難や集中力の低下などによる学習面の困難さに気付かれ、発達障害や学習障害と診断されることもある。垂直性核上性注視麻痺はほとんどの例で認められ、初発症状のこともある。カタプレキシーを認めることもある。不器用さ、学習の困難さに続き、失調による歩行の不安定さがみられる。歩行が可能な時期に嚥下障害によるむせやすさ、構語障害を認めることが多く、発語が少なくなる。ジストニア、けいれんがみられることが多く、進行すると痙性麻痺を合併する。30歳かそれ以上まで生存することが多い。わが国でも比較的多く認められる。5)成人型成人になって神経症状がなく、脾腫のみで診断される例もまれながら存在するが、通常は脾腫はみられないことが多い。妄想、幻視、幻聴などの精神症状、攻撃性やひきこもりなどの行動異常を示すことが多い。精神症状や行動異常がみられ、数年後に小脳失調(76%)、垂直性核上性注視麻痺(75%)、構語障害(63%)、認知障害(61%)、運動障害(58%)、脾腫(54%)、精神症状(45%)、嚥下障害(37%)などがみられる。運動障害はジストニア、コレア(舞踏病)、パーキンソン症候群などを認める。■ 予後乳児早期型は5歳前後、乳児後期型は7~15歳、若年型は30~40歳、成人型は中年までの寿命といわれているが、気管切開、喉頭気管分離術などによる誤嚥性肺炎の防止と良好なケアで寿命は延長している。また、2012年に承認になったミグルスタット(商品名: ブレーザベス)によって予後が大きく変化する可能性がある。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)ニーマン・ピック病C型の診断の補助のためにSuspicion Indexが開発されている。これらはC型とフィリピン染色で確定した71例、フィリピン染色が陰性であった64例、少なくとも症状が1つある対照群81例について、内臓症状、神経症状、精神症状について検討し、特異性の高い症状に高いスコアを与えたスクリーニングのための指標である。この指標は便利であるが、4歳以下で神経症状の出現の少ない例では誤診する可能性のあることに注意して使用していただきたい。現在、4歳以下で使えるSuspicion Indexが開発されつつある。このSuspicion Indexは、(http://www.npc-si.jp/public/)にアクセスして使用でき、評価が可能である。一般血液生化学で特異な異常所見はない。骨髄に泡沫細胞の出現をみることが多い。皮膚の培養線維芽細胞のフィリピン染色によって、細胞内の遊離型コレステロールの蓄積を明らかにすることで診断する。LDLコレステロールが多く含まれる血清(培地)を用いることが重要である。成人型では蓄積が少なく、明らかな蓄積があるようにみえない場合もあり注意が必要である。骨髄の泡沫細胞にも遊離型コレステロールの蓄積があり、フィリピン染色で遊離型コレステロールの蓄積が確認できれば診断できる。線維芽細胞のフィリピン染色は、秋田大学医学部附属病院小児科(担当:高橋 勉、tomy@med.akita-u.ac.jp)、大阪大学大学院医学系研究科生育小児科学(担当:酒井 規夫、norio@ped.med.osaka-u.ac.jp)、鳥取大学医学部附属病院脱神経小児科(担当:成田 綾、aya.luce@nifty.com)で対応が可能である。確定診断のためにはNPC1遺伝子、NPC2遺伝子の変異を同定する。95%以上の患者はNPC1遺伝子に変異があり、NPC2遺伝子に変異のある患者のわが国での報告はまだない。NPC1/NPC2遺伝子解析は鳥取大学生命機能研究支援エンター(担当:難波 栄二、ngmc@med.tottori-u.ac.jp)で対応が可能である。近年、遊離型コレステロールが非酵素反応で形成される酸化型ステロール(7-ケトコレステロール、コレスタン-3β、5α、6βトリオール)が、C型の血清で特異的に上昇していることが知られ、迅速な診断ができるようになっている1、2)。わが国では、一般財団法人脳神経疾患研究所先端医療センター(担当者:藤崎 美和、衞藤 義勝、sentanken@mt.strins.or.jp、電話044-322-0654 電子音後、内線2758)で測定可能であり、連絡して承諾が得られるようであれば、凍結血清1~2mLを送る。さらに尿に異常な胆汁酸が出現することが東北大学医学部附属病院薬剤部から報告され9)、この異常も診断的価値が高い特異的な検査の可能性があり、現在精度の検証が進められている。診断的価値が高いと考えられる場合、また精度の検証のためにも、東北大学医学部附属病院へ連絡(担当者:前川 正充、m-maekawa@hosp.tohoku.ac.jp)して、凍結尿5mLを送っていただきたい。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)■ ミグルスタット の治療効果C型の肝臓や脾臓には、遊離型コレステロール、スフィンゴミエリン、糖脂質(グルコシルセラミド、ラクトシルセラミド)、遊離スフィンゴシン、スフィンガニンが蓄積している。一方、脳では、コレステロールやスフィンゴミエリンの蓄積はほとんどなく、スフィンゴ糖脂質、とくにガングリオシッドGM2とGM3の蓄積が顕著である。このような背景から、グルコシルセラミド合成酵素の阻害剤であるn-butyl-deoxynojirimycin(ミグルスタット)を用いてグルコシルセラミド合成を可逆的に阻害し、中枢神経系のグルコシルセラミドを基質とする糖脂質の合成を減少させることで、治療効果があることが動物で確認された。さらに若年型と成人型のC型患者で、嚥下障害と眼球運動が改善することが報告され、2009年EUで、2012年わが国でC型の神経症状の治療薬として承認された。ミグルスタットは、乳児後期型、若年型、成人型の嚥下機能の改善・安定化に効果があり、誤嚥を少なくし、乳児後期型から成人型C型の延命効果に大きく影響することが報告されている。また、若年型のカタプレキシーや乳児後期型の発達の改善がみられ、歩行機能、上肢機能、言語機能、核上性注視麻痺の安定化がみられることが報告されている。乳児早期型では、神経症状の出現前の早い時期に治療を開始すると効果がある可能性が指摘されているが、乳児後期型、若年型、成人型の神経症状の安定化に比較して効果が乏しい。また、脾腫や肝腫大などの内臓症状には、効果がないと報告されている。ミグルスタットの副作用として、下痢、鼓腸、腹痛などの消化器症状が、とくに治療開始後の数週間に多いと報告されている。この副作用はミグルスタットによる二糖分解酵素の阻害によって、炭水化物の分解・吸収が障害され、浸透圧性下痢、結腸発酵の結果起こると考えられている。ほとんどの場合ミグルスタット継続中に軽快することが多く、ロペラミド塩酸塩(商品名:ロペミンほか)によく反応する。また、食事中の二糖(ショ糖、乳糖、麦芽糖)の摂取を減らすことでミグルスタットの副作用を減らすことができる。さらには、ミグルスタットを少量から開始して、増量していくことで副作用を軽減できる。■ ニーマン・ピック病C型患者のその他の治療について2)C型のモデルマウスでは、細菌内毒素受容体Toll様受容体4の恒常的活性化によって、IL-6やIL-8が過剰に産生され、脳内の炎症反応が起こり、IL-6を遺伝的に抑制することで、マウスの寿命が延長することが示唆されている5)。また、モデルマウスに非ステロイド性抗炎症薬を投与すると神経症状の発症が遅延し、寿命が延長することが報告されており6)、C型患者で細菌感染を予防し、感染時の早期の抗菌薬投与と抗炎症薬の投与によって炎症を抑えることが勧められる。また、教科書には記載されていないが、C型患者では早期に瞬目反射が減弱・消失し、まばたきが減少し、この結果眼球が乾燥する。この瞬目反射の異常に対するミグルスタットの効果は不明である。C型患者のケアにあたっては、瞬目反射の減弱に注意し、減弱がある場合には、眼球の乾燥を防ぐために点眼薬を使用することが大切である。4 今後の展望シクロデキストリンは、細胞内コレステロール輸送を改善し、遊離型コレステロールの蓄積を軽減させると、静脈投与での効果が報告されている3)。シクロデキストリンは、髄液の移行が乏しく、人道的使用で髄注を行っている家族もあるが、今後アメリカを中心に臨床試験が行われる可能性がある。また、組み換えヒト熱ショックタンパク質70がニーマン・ピック病C型治療薬として開発されている。そのほか、FDAで承認された薬剤のなかでヒストン脱アセチル化阻害剤(トリコスタチンやLBH589)が、細胞レベルでコレステロールの蓄積を軽減させること4, 7)や筋小胞体からCaの遊離を抑制し、筋弛緩剤として用いられているダントロレンが変異したNPCタンパク質を安定化する8)ことなどが報告され、ミグルスタット以外の治療薬の臨床試験が始まる可能性が高い。5 主たる診療科小児科(小児神経科)、神経内科、精神科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報厚生労働省難治性疾患克服事業 ライソゾーム病(ファブリー病を含む)に関する調査研究班 ライソゾーム病に関して(各論)ニーマン・ピック病C型(医療従事者向けのまとまった情報)鳥取大学医学部N教授Website(ニーマン・ピック病C型の研究情報を多数記載。医療従事者向けのまとまった情報)NP-C Suspicion Index ツール(NPCを疑う症状のスコア化ができる。提供: アクテリオン ファーマシューティカルズ ジャパン株式会社)The NPC-info.com Information for healthcare professionals に入り、Symptoms of niemann pick type C diseaseにて動画公開(ニーマン・ピック病C型に特徴的な症状のビデオ視聴が可能。提供: アクテリオン株式会社)患者会情報ニーマン・ピック病C型患者家族の会(患者とその患者家族の情報)1)大野耕策(編). ニーマン・ピック病C型の診断と治療.医薬ジャーナル社;2015.2)Vanier MT. Orphanet J Rare Dis.2010;5:16.3)Matsuo M, et al. Mol Genet Metab.2013;108:76-81.4)Pipalia NH, et al. Proc Natl Acad Sci USA.2011;108:5620-5625.5)Suzuki M, et al. J Neurosci.2007;27:1879-1891.6)Smith D, et al. Neurobiol Dis.2009;36:242-251.7)Maceyka M, et al. FEBS J.2013;280:6367-6372.8)Yu T, et al. Hum Mol Genet.2012;21:3205-3214.9)Maekawa M, et al. Steroids.2013;78:967-972.公開履歴初回2013年10月10日更新2016年04月19日

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アトピー性皮膚炎の免疫および炎症性因子発現のリスク因子とは?

 アトピー性皮膚炎(AD)のリスク因子と、免疫炎症性因子(免疫グロブリンE(IgE)およびインターロイキン(IL)-4、IL-18)の中国におけるAD有病率の関係を明らかにすることを目的とした出生コホート研究が中国で行われた。Molecular and Cellular Probes誌オンライン版2016年3月31日号の掲載報告。 幼児ADのリスク因子を評価するため、合計921組の母親-新生児ペアを2009~11年の間に実施したアンケート調査から登録した。静脈血は母親から出産入院中に、臍帯血は出産時に採取した。幼児AD-母親のペア35組をAD患者群、ランダムに選択した非ADペア35組をコントロール群とした。酵素免疫測定法(ELISA)でIgE、IL-4、およびIL-18値を検出し、AD有病率との関係を検討した。アレルギーのリスク因子は、IgE 陽性例で評価された。 主な結果は以下のとおり。・家族収入、親のアトピー既往歴、初潮年齢、妊娠前の住宅リフォーム、妊娠中のウイルス感染、妊娠中のカルシウム補給が幼児ADの発症率を決定する要因となる可能性がある。・コントロール群と比較して、AD患者群で母体血清と臍帯血のIgEとIL-4値がより高いレベルを示した(p<0.01)。・AD症例において、IL-8は母体血清中でのみ増加した(p<0.01)。・イエダニのアレルゲン、ヨモギ花粉、真菌胞子は、IgE陽性AD発生のリスク因子であった。

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乳児期に抗菌薬投与すると幼児期に太るのか/JAMA

 生後6ヵ月以内の抗菌薬使用は、7歳までの体重増と統計的に有意な関連はみられないことが、米国・フィラデルフィア小児病院のJeffrey S. Gerber氏らが行った後ろ向き縦断研究の結果、示された。マウスを用いた動物実験では、誕生後早期の抗菌薬使用は、腸内細菌叢を乱し炭水化物・脂質の代謝を変化させ肥満と関連することが示されている。一方、ヒトの乳児期抗菌薬使用と幼少期体重増との関連を検討した研究では、相反する報告が寄せられている。JAMA誌2016年3月22・29日号掲載の報告。6ヵ月以内の抗菌薬使用と、6ヵ月齢~7歳までの体重変化の関連を主要評価 研究グループは、ペンシルベニア州、ニュージャージー州、デラウェア州にわたる30の小児プライマリケア診療所のネットワークから、人種や社会経済的背景が多様な20万例超の小児を集めて、後ろ向きに、単生児縦断研究および適合双生児による縦断研究を行った。 被験者は、2001年11月1日~11年12月31日に、在胎期間35週以上で、出生時体重2,000g以上または在胎期間基準体重の5パーセンタイル以上で誕生し、生後14日以内に予防接種・健康診査を受け1歳までにさらに少なくとも2回受診している小児であった。複合的慢性症状がある児、長期に抗菌薬を投与もしくは複数の全身性コルチコステロイド処方を受ける児は除外した。 検討には、単生児3万8,522例と、抗菌薬使用が不一致の双生児92例(46組)を包含。フォローアップの最終データ日は12年12月31日であった。 主要アウトカムは、生後6ヵ月間で全身性抗菌薬を使用した児の、月齢6ヵ月から7歳までの予防接種・健診時に測定した体重とした。乳児期抗菌薬使用と幼少期体重変化に有意な関連なし 単生児群は女児が50%、平均出生時体重は3.4kgであり、生後6ヵ月間の抗菌薬使用例は5,287例(14%)であった。使用時の平均年齢は4.3ヵ月であった。使用例の24%が広域スペクトラム抗菌薬、5%がマクロライド系抗菌薬の投与で、大半(79%)が1コースのみの投与であった。また、あらゆる抗菌薬の使用は、月齢24ヵ月では67%に増加しており、52%が広域スペクトラム、19%がマクロライド系であった。 解析の結果、生後6ヵ月の抗菌薬使用は体重変化率と、統計的に有意な関連はなかった(0.7%、95%信頼区間[CI]:-0.1~1.5、p=0.07)。2~5歳の体重変化率に相当する推定体重増は0.05kg(95%CI:-0.004~0.11)であった。サブ解析で、抗菌薬の投与コース数の違い(1、2、≧3コース)や種類別(狭域スペクトラム、広域スペクトラム、マクロライド系)にみた場合も、使用と体重変化に有意な関連はみられなかった。 双生児は女児38%、平均出生時体重2.8kgで、抗菌薬使用時の平均年齢は4.5ヵ月であった。 解析の結果、生後6ヵ月の抗菌薬使用と、体重変化の差と関連はみられなかった(使用双生児群と非使用双生児群の年当たりの差:-0.09kg、95%CI:-0.26~0.08、p=0.30)。 著者は、「低年齢の健康児では、抗菌薬使用を制限する多くの理由があるが、その1つに体重増は該当しないようだ」と述べている。

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第28回

第28回:子供の発疹の見分け方監修:吉本 尚(よしもと ひさし)氏 筑波大学附属病院 総合診療科 小児科医、皮膚科医でなくとも、子供の風邪やワクチン接種の時などに、保護者から皮膚トラブルの相談をされることがあると思います。1回の診察で診断・治療まで至らないことがあっても、助言ぐらいはしてあげたいと思うのは私だけではないと思います。文章だけでははっきりしないことも多いため、一度、皮膚科のアトラスなどで写真を見ていただくことをお勧めします。 以下、American Family Physician 2015年8月1日号1) より子供の発疹は見た目だけでは鑑別することが難しいので、臨床経過を考慮することが大切である。発疹の外観と部位、臨床経過、症状を含め考慮する。発熱は、突発性発疹、伝染性紅斑、猩紅熱に起こりやすい。掻痒はアトピー性皮膚炎やばら色粃糠疹、伝染性紅斑、伝染性軟属腫、白癬菌により起こりやすい。突発性発疹のキーポイントは高熱が引いた後の発疹の出現である。体幹から末梢へと広がり1~2日で発疹は消える。ばら色粃糠疹における鑑別は、Herald Patch(2~10cmの環状に鱗屑を伴った境界明瞭な楕円形で長軸が皮膚割線に沿った紅斑)やクリスマスツリー様の両側対称的な発疹であり、比較的若い成人にも起こる。大抵は積極的な治療をしなくても2~12週間のうちに自然治癒するが、白癬菌との鑑別を要する場合もある。上気道症状が先行することが多く、HSV6.7が関与しているとも言われている。猩紅熱の発疹は大抵、上半身体幹から全身へ広がるが、手掌や足底には広がらない。膿痂疹は表皮の細菌感染であり、子供では顔や四肢に出やすい。自然治癒する疾患でもあるが、合併症や広がりを防ぐために抗菌薬使用が一般的である。伝染性紅斑は、微熱や倦怠感、咽頭痛、頭痛の数日後にSlapped Cheekという顔の発疹が特徴的である(筆者注:この皮疹の形状から、日本ではりんご病と呼ばれる)。中心臍窩のある肌色、もしくは真珠のようなつやのある白色の丘疹は伝染性軟属腫に起こる。接触による感染力が強いが、治療せずに大抵は治癒する。白癬菌は一般的な真菌皮膚感染症で、頭皮や体、足の付け根や足元、手、爪に出る。アトピー性皮膚炎は慢性で再燃しやすい炎症状態にある皮膚で、いろいろな状態を呈する。皮膚が乾燥することを防ぐエモリエント剤(白色ワセリンなど)が推奨される。もし一般的治療に反応がなく、感染が考えられるのであれば組織診や細菌培養もすべきであるが、感染の証拠なしに抗菌薬内服は勧められない。※本内容にはプライマリ・ケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) Allmon A, et al. Am Fam Physician. 2015;92:211-216.

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テレビに殺された子供【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第64回

テレビに殺された子供 >FREEIMAGESより使用 「この子を殺した犯人は、そのテレビだ!」なんて指をビシっと差す名探偵がいたら、アタマ大丈夫ですか? と言われそうなもの。しかし、医学論文の世界には、テレビに殺されたと思われる子供の症例報告が存在します。 Kodikara S, et al. Fatal pediatric head injury due to toppled television: does the injury pattern overlap with abusive head trauma? Leg Med (Tokyo). 2012;14:197-200. 小児における頭部外傷は、事故であったり虐待であったり、いろいろな理由があるとされています。昔ながらのブラウン管テレビは、その重さゆえ致死的な頭部外傷を起こす可能性が示唆されています。この症例報告の主人公は、2歳の女児です。彼女は、自宅で心肺停止の状態で倒れているところを発見されました。迅速な心肺蘇生が行われましたが、残念ながら心拍が戻ることはありませんでした。状況から考えて、27インチのブラウン管テレビが原因であることは明白だったようです。彼女の兄弟は、事故の現場を目撃していました。テレビスタンドの上にある大きなテレビの上に乗ろうとしたところ、テレビもろとも床に落ちたというのです。その際、致死的な頭部外傷を呈し、くも膜下出血を起こしました。今回のように目撃情報があるケースは別として、小児の頭部外傷は、法医学的に虐待なのか事故死なのか、判断が難しいとされています。隠された虐待を見逃さないようにしたいものですが、まれな事故死の可能性も考えておかねばならないのですね。なお、テレビ外傷は1~3歳児に最も多いとされています。軽い液晶テレビが普及してきた近年では、ブラウン管テレビよりも落下しやすいという側面から、液晶テレビによる外傷の頻度が増えているそうです1)。参考文献1)De Roo AC, et al. Pediatrics. 2013;132:267-274.インデックスページへ戻る

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子供の好き嫌いの多さに影響する親の精神症状

 特定の食品を拒否するなどの子供の好き嫌い行動と親の不安とうつ病との関連を、オランダ・エラスムス大学医療センターのLisanne M de Barse氏らが調査した。Archives of disease in childhood誌オンライン版2016年2月25日号の報告。 本研究は、オランダの胎児期以降の前向きコホート研究Generation Rに組み込まれた。対象は、4,746人の4歳児およびその親。親に内在する不安や抑うつ症状といった問題は、妊娠中と就学前(3歳)の期間にBrief Symptoms Inventoryにて評価した。主要評価の測定は、子供の食行動に関するアンケートによる食品に対する好き嫌いスケールで行った。 主な結果は以下のとおり。・妊娠中および就学前の母親の不安は、子供の食品における好き嫌いの合計スコアの高さと関連していた。・たとえば、交絡因子の調整後、妊娠中の不安スケール1ポイントにつき、子供の好き嫌いスケールの合計スコアは平均1.02点高かった。・同様に、妊娠中および就学前の母親の抑うつ症状は、子供の好き嫌い行動と関連していた。たとえば、出産前のうつ病スケール1ポイントにつき、食品に対する好き嫌いスコアの合計スコアは0.91ポイント高かった(95%CI:0.49~1.33)。・父親に内在する問題と子供の好き嫌いとの間にも、大部分で類似した関連が認められた。しかし、妻の妊娠中における父親の不安との関連は認められなかった。 著者らは「母親や父親に内在する問題は、子供の未就学時期における好き嫌いと関連することが見込まれる。医療従事者は、両親の不安や抑うつの非臨床的な症状が、子供の好き嫌いの危険因子であることを認識する必要がある」とまとめている。関連医療ニュース 小児ADHD、食事パターンで予防可能か 子供はよく遊ばせておいたほうがよい 9割の成人ADHD、小児期の病歴とは無関係

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アレルギー予防、生後3ヵ月からの食物摂取の効果は?/NEJM

 生後3ヵ月という早期からアレルギー性食物の摂取を始めても、食物アレルギー発症防止に関する有意な効果は認められなかったことが、英国・ロンドン大学のMichael R. Perkin氏らが行った1,303例を対象とした無作為化試験の結果、示された。世界保健機関(WHO)が生後6ヵ月までの完全母乳哺育を推奨している一方で、アレルギー性食物摂取の待機的開始を推奨していた欧米の2つのガイドラインはすでに撤回されている。これまでに観察研究や無作為化試験で、早期からアレルギー性食物を与えることの食物アレルギー発症の抑制効果が報告されていたが、開始年齢については明らかになっていなかった。研究グループは、生後3ヵ月での開始の効果について検証した。NEJM誌オンライン版2016年3月4日号掲載の報告より。生後3ヵ月で6種のアレルギー性食物摂取を開始、食物アレルギー発症率低下を評価 試験は、英国セント・トーマス病院単施設で2009年11月2日~12年7月30日に、イングランドとウェールズの一般集団から、生後3ヵ月間、母乳のみで育てられた乳児1,303例を集めて行われた。 被験者を、6種のアレルギー性食物(ピーナッツ、鶏卵、牛乳、ゴマ、白身魚、小麦)の早期摂取開始群(652例)、または現在英国で推奨されている生後約6ヵ月間は完全母乳哺育を行う(標準摂取開始)群(651例)に無作為に割り付けた。 主要アウトカムは、1~3歳で発症した6種のうち1種以上の食物アレルギーとした。標準摂取開始(6ヵ月)群と有意差みられず 結果、intention-to-treat解析(追跡データが得られ解析できた全被験者を包含)では、6種のうち1種以上の食物アレルギーを発症したのは、標準摂取開始群7.1%(42/595例)に対し、早期摂取開始群は5.6%(32/567例)であり、早期開始による有意な抑制効果はみられなかった(相対リスク[RR]:0.80、95%信頼区間[CI]:0.51~1.25、p=0.32)。 per-protocol解析は、割り付け介入の十分順守(両群とも母乳は月齢5ヵ月以上与え、標準摂取開始群は月齢5ヵ月以前にピーナッツ、鶏卵、ゴマ、白身魚の消費なし、早期摂取開始群は、月齢3~6ヵ月に5種以上を5週間以上摂取など)が確認された全被験者を包含して行った。その結果では、全食物アレルギー発症率は、標準摂取開始群(7.3%、38/524例)よりも早期摂取開始群(2.4%、5/208例)で有意な低下が認められた(RR:0.33、95%CI:0.13~0.83、p=0.01)。種別では、ピーナッツアレルギーが早期摂取開始群は0%、標準摂取開始群2.5%(p=0.003)、卵アレルギーは1.4% vs.5.5%(p=0.009)で有意差がみられた。牛乳、ゴマ、白身魚、小麦については有意な効果がみられなかった。 ピーナッツまたは卵の白身の2g/週摂取が、非摂取と比較して、有意なピーナッツアレルギー、卵アレルギーの発症の抑制と関連していた。 なお、6種すべての食物の早期摂取開始について、安全性に問題はなかったが、早期摂取の達成に困難性がみられた。 これらの結果を踏まえて著者は、「今回の試験でintention-to-treat解析の結果では、アレルギー性食物の早期摂取開始の有効性は示されなかった」と述べるとともに、「さらなる解析の結果、標準母乳哺育で複数のアレルギー性食物の早期摂取を開始するという食物アレルギー予防策は、アドヒアランスや用量によって可能であることが示唆された」とまとめている。

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てんかん発作を8分前に予知する技術を開発

 いつ起こるかわからない「てんかん発作」を心拍数の変動から予知する仕組みが開発された。熊本大学の山川 俊貴氏は、京都大学の藤原 幸一氏、東京医科歯科大学の宮島 美穂氏らとの共同研究で、脳の病気であるてんかんの発作を、脳波ではなく心電図を基に算出した「心拍変動」から高精度で予知することに成功した。本研究は、日常的に身につけることが可能(ウェアラブル)なてんかん発作予知システムの開発のため行われた。本研究結果により、発作によるけがや事故を防ぎ、患者さんが安心して暮らすことのできる社会の実現につながると期待が寄せられている。IEEE transactions on bio-medical engineering誌2015年12月24日号の掲載報告。  心拍数を用いたてんかん発作の予知においては、これまで変動解析手法による分析方法が用いられていたが、平常時と発作前の差がわかりにくい、個人差が大きいといった理由から、実用化は困難と考えられていた。 そこで研究グループは、多変量統計的プロセス管理(MultivariateStatistical Process Control:MSPC)という工学的手法で心拍数の揺らぎを解析した。対象としたのはビデオ脳波モニタリングのために入院した患者14例で、心電図データをMSPCによって解析した。 主な結果は以下のとおり。・91%の精度で発作を予知することが可能であることが示された(偽陽性頻度は1時間に0.7回)。・また、発作が起こる約8分前(494±262秒[平均±SD]前)に予知することが可能であることがわかった。 本研究の結果について、研究グループは「わかりやすく、偽陽性が少ないことから、高精度なてんかん発作の予知が可能であることが証明された」と結論付け、心臓のそばに取り付けるウェアラブル予知デバイスの開発を進めることにしている。 熊本大学プレスリリースはこちら(PDF)。

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尿素サイクル異常症〔UCD : urea cycle disorders〕

1 疾患概要■ 概念・定義尿素サイクル異常症(urea cycle disorders:UCD)とは、尿素サイクル(尿素合成経路)を構成する代謝酵素に先天的な異常があり高アンモニア血症を来す疾患を指す。N-アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症、カルバミルリン酸合成酵素欠損症、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、シトルリン血症I型、アルギニノコハク酸尿症、高アルギニン血症(アルギナーゼ欠損症)、高アンモニア高オルニチン高ホモシトルリン尿(HHH)症候群、リジン尿性蛋白不耐症、シトリン異常症、オルニチンアミノ基転移酵素欠損症(脳回転状脈絡膜網膜萎縮症)が含まれる。■ 疫学UCDは、希少難病である先天代謝異常症のなかで最も頻度が高い疾患のひとつであり、尿素サイクル異常症に属する各疾患合わせて、約8,000人に1人の発生頻度と推定されている。家族解析やスクリーニング検査などで発見された「発症前型」、新生児早期に激しい高アンモニア血症を呈する「新生児期発症型」、乳児期以降に神経症状が現れ、徐々に、もしくは感染や飢餓などを契機に、高アンモニア血症と症状の悪化がみられる「遅発型」に分類される。■ 病因尿素サイクルは、5つの触媒酵素(CPSI、OTC、ASS、ASL、ARG)、補酵素(NAGS)、そして少なくとも2つの輸送タンパクから構成される(図1)。UCDはこの尿素サイクルを構成する各酵素の欠損もしくは活性低下により引き起こされる。CPSI:カルバミルリン酸合成酵素IOTC:オルニチントランスカルバミラーゼASS:アルギニノコハク酸合成酵素ASL:アルギニノコハク酸分解酵素ARG:アルギナーゼ補助因子NAGS:N-アセチルグルタミン酸合成酵素ORNT1:オルニチンアミノ基転移酵素CPSI欠損症・ASS欠損症・ASL欠損症・NAGS欠損症・ARG欠損症は、常染色体劣性遺伝の形式をとる。OTC欠損症はX連鎖遺伝の形式をとる。画像を拡大する■ 症状疾患の重症度は、サイクル内における欠損した酵素の種類、および残存酵素活性の程度に依存する。一般的には、酵素活性がゼロに近づくほど、かつ尿素サイクルの上流に位置する酵素ほど症状が強く、早期に発症すると考えられている。新生児期発症型では、出生直後は明らかな症状を示さず、典型的には異化が進む新生児早期に授乳量が増えて、タンパク負荷がかかることで高アンモニア血症が助長されることで発症する。典型的な症状は、活力低下、傾眠傾向、嘔気、嘔吐、体温低下を示し、適切に治療が開始されない場合は、痙攣、意識障害、昏睡を来す。神経症状は、高アンモニア血症による神経障害および脳浮腫の結果として発症し、神経学的後遺症をいかに予防するかが重要な課題となっている。遅発型は、酵素活性がある程度残存している症例である。生涯において、感染症や激しい運動などの異化ストレスによって高アンモニア血症を繰り返す。高アンモニア血症の程度が軽い場合は、繰り返す嘔吐や異常行動などを契機に発見されることもある。睡眠障害や妄想、幻覚症状や精神障害も起こりうる。障害性脳波(徐波)パターンも、高アンモニア血症においてみられることがあり、MRIによりこの疾患に共通の脳萎縮が確認されることもある。■ 予後新生児透析技術の進歩および小児肝臓移植技術の進歩により、UCDの救命率・生存率共に改善している(図2)。それに伴い長期的な合併症(神経学的合併症)の予防および改善が重要な課題となっている。画像を拡大する2 診断 (検査・鑑別診断も含む)UCDの診断は、臨床的、生化学的、分子遺伝学的検査に基づいて行われる(図3)。血中アンモニア濃度が新生児は120μmol/L(200μg/dL)、乳児期以降は60μmol/L(100 μg/dL)を超え、アニオンギャップおよび血清グルコース濃度が正常値である場合、UCDの存在を強く疑う。血漿アミノ酸定量分析が尿素サイクル異常の鑑別診断に用いられる。血漿アルギニン濃度はアルギナーゼ欠損症を除くすべてのUCDで減少し、一方、アルギナーゼ欠損症においては5~7倍の上昇を示す。血漿シトルリン濃度は、シトルリンが尿素サイクル上流部の酵素(OTC・CPSI)反応による生成物であり、また下流部の酵素(ASS・ASL・ARG)反応に対する基質であることから、上流の尿素サイクル異常と下流の尿素サイクル異常との鑑別に用いられる。尿中オロト酸測定は、CPSI欠損症・NAGS欠損症とOTC欠損症との判別に用いられる。肝生検が行われる場合もある。日本国内の尿素サイクル関連酵素の遺伝子解析は、研究レベルで実施可能である。画像を拡大する3 治療 (治験中・研究中のものも含む)確定診断後の治療は、それぞれのUCDの治療指針に従い治療を行う。各専門書もしくはガイドライン(EUおよび米国におけるガイドライン)が、インターネットで利用できる。日本国内では、先天代謝異常学会を中心として尿素サイクル異常症の診療ガイドラインが作られて閲覧可能である。専門医との連携は不可欠であるが、急性発作時には搬送困難な場合も多く、状態が安定しないうちには患児を移動せずに、専門医と連絡を取り合って、安定するまで拠点となる病院で治療に当たることが望ましい場合もある。■急性期の治療は、以下のものが主柱となる。1)血漿アンモニア濃度の迅速な降下を目的にした透析療法血漿アンモニア濃度を早急に下降させる最善策は透析であり、血流量を速くするほどクリアランスはより早くに改善される。透析方法は罹患者の病状と利用可能な機材による。具体的には、血液濾過(動脈‐静脈、静脈‐静脈のどちらも)、血液透析、腹膜透析、連続ドレナージ腹膜透析が挙げられる。新生児に対しては、持続的血液濾過透析(CHDF)が用いられることが多い。2)余剰窒素を迂回代謝経路により排出させる薬物治療法アンモニア生成の阻害は、L-アルギニン塩酸塩と窒素除去剤(フェニル酪酸ナトリウムと安息香酸ナトリウム)の静脈内投与により行われる。負荷投与後に維持投与を行い、初期は静脈内投与により行い、病状の安定に伴い経口投与へ移行する(投与量は各専門書を参照のこと)。フェニル酪酸ナトリウム(商品名:ブフェニール)は、2013年1月に処方可能となった。投与量は添付文書よりも少ない量から開始することが多い(上記、国内ガイドライン参照)。3)食物中に含まれる余剰窒素の除去特殊ミルクが、恩賜財団母子愛育会の特殊ミルク事務局から無償提供されている。申請が必要である。4)急性期の患者に対してカロリーは炭水化物と脂質を用いる。10%以上のグルコースと脂肪乳剤の静脈内投与、もしくはタンパク質を含まないタンパク質除去ミルク(S-23ミルク:特殊ミルク事務局より提供)の経鼻経管投与を行う。5)罹患者において、非経口投与から経腸的投与への移行はできるだけ早期に行うほうがよいと考えられている。6)24~48時間を超える完全タンパク質除去管理は、必須アミノ酸の不足により異化を誘導するため推奨されていない。7)神経学的障害のリスクの軽減循環血漿量の維持、血圧の維持は必須である。ただし、水分の過剰投与は脳浮腫を助長するため昇圧薬を適切に併用する。心昇圧薬は、投与期間と神経学的症状の軽減度には相関が認められている。※その他マンニトールは、尿素サイクル異常症に伴う高アンモニア血症に関連した脳浮腫の治療には効果がないと考えられている。■慢性期の管理1)初期症状の防止異化作用を防ぐことは、高アンモニア血症の再発を防ぐ重要な管理ポイントとなる。タンパク質を制限した特殊ミルク治療が行われる。必要ならば胃瘻造設術を行い経鼻胃チューブにより食物を与える。2)二次感染の防止家庭では呼吸器感染症と消化器感染症のリスクをできるだけ下げる努力を行う。よって通常の年齢でのワクチン接種は必須である。マルチビタミンとフッ化物の補給解熱薬の適正使用(アセトアミノフェンに比べ、イブプロフェンが望ましいとの報告もある)大きな骨折後や外傷による体内での過度の出血、出産、ステロイド投与を契機に高アンモニア血症が誘発された報告があり、注意が必要である。3)定期診察UCDの治療経験がある代謝専門医によるフォローが必須である。血液透析ならびに肝臓移植のバックアップが可能な施設での管理が望ましい。罹患者年齢と症状の程度によって、来院回数と調査の頻度を決定する。4)回避すべき物質と環境バルプロ酸(同:デパケンほか)長期にわたる空腹や飢餓ステロイドの静注タンパク質やアミノ酸の大量摂取5)研究中の治療法肝臓細胞移植治療が米国とヨーロッパで現在臨床試験中である。:国内では成育医療センターが、わが国第1例目の肝臓細胞移植を実施した。肝幹細胞移植治療がベルギーおよび米国で臨床試験中である。:国内導入が検討されている。6)肝臓移植肝臓移植の適応疾患が含まれており、生命予後を改善している(図4)。画像を拡大する4 今後の展望UCDに関しては、長い間アルギニン(商品名:アルギUほか)以外の治療薬は保険適用外であり自費購入により治療が行われてきた。2013年に入り、新たにフェニル酪酸ナトリウム(同:ブフェニール)が使用可能となり、治療の幅が広がった。また、海外では適用があり、国内での適用が得られていないそのほかの薬剤についても、日本先天代謝異常学会が中心となり、早期保険適用のための働きかけを行っている。このような薬物治療により、アンモニアの是正および高アンモニア血症の治療成績はある程度改善するものと考えられる。さらに、小児への肝臓移植技術は世界的にも高いレベルに達しており、長期合併症を軽減した手技・免疫抑制薬の開発、管理方法の改善が行われている。また、肝臓移植と内科治療の中間の治療として、細胞移植治療が海外で臨床試験中である。細胞移植治療を内科治療に併用することで、コントロールの改善が報告されている。5 主たる診療科小児科(代謝科)各地域に専門家がいる病院がある。日本先天代謝異常学会ホームページよりお問い合わせいただきたい。学会事務局のメールアドレスは、JSIMD@kumamoto-u.ac.jpとなる。※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報日本先天代謝異常学会(医療従事者向けのまとまった情報)尿素サイクル異常症の診療ガイドライン(医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報全国尿素サイクル異常症患者と家族の会日本先天代謝異常学会 先天代謝異常症患者登録制度『JaSMIn & MC-Bank』公開履歴初回2013年12月05日更新2016年03月15日

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子供の喘息・アトピーは在胎期間に関連する

 子供の喘息とアトピー性皮膚炎は、在胎期間と関係するのだろうか。フィンランドで、早産児における7歳までの喘息治療および喘息とアトピー性皮膚炎による入院の必要性を評価する目的で、全国登録研究が行われた。その結果、前期/後期早産(32~36週)児では、正期産児よりも学齢期の喘息リスクが高いこと、一方でアトピー性皮膚炎による入院リスクは低いことが明らかになった。European Journal of Pediatrics誌オンライン版2016年2月22日号掲載の報告。 本調査は、1991~2008年の間にフィンランドで生まれた子供101万8,302人を対象に行われた。在胎期間に応じて、以下の4つのカテゴリに分類し、この分類に基づき、7歳時までの各疾患の罹患との相関を評価した。・超早産(32週未満、very preterm;VP)・前期早産(32~33週、moderately preterm;MP)・後期早産(34~36週、late preterm;LP)・正期産(37週以降、term control;term) 主な結果は以下のとおり。・喘息の薬物治療は、在胎期間が短い子供ほど多く受けていた(VP>MP>LP>term、それぞれ15.4%、8.0%、5.7%、3.8%)。・喘息による入院も同様の傾向が見られた(VP>MP>LP>term、20.1%、10.6%、7.3%、4.8%)。・MPおよび・LPにおける喘息の薬物治療が生じるリスクは、子供の性別(男児がより高リスク)、妊娠中の喫煙歴、妊娠糖尿病、人口呼吸器による加療などにより予測することができた。・アトピー性皮膚炎による入院は、在胎期間が長くなるほどリスクが高まった(term>LP>MP、罹患率は5.2%、4.7%、4.2%)。

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ポリオワクチンの追加接種を4歳時に

 2016年2月18日、サノフィ株式会社は「『ポリオ』未だ残る日本のワクチンギャップ解消へ~グローバル化の進展に伴い、高まる子どもの感染症リスク」と題し、都内でプレスセミナーを開催した。 ポリオ(急性灰白髄炎)は、小児期にかかることが多い感染症で、重い後遺症を残すことから「小児麻痺」とも呼ばれている。セミナーでは、諸外国と異なる日本のワクチン接種の現状について、小児感染症のエキスパートがレクチャーを行った。ポリオが輸入感染症になる日 「海外における最新の予防接種動向と日本に残る“ワクチンギャップ”」と題し、中野 貴司氏(川崎医科大学小児科学 教授)が解説を行った。 「わが国では、『暗黒の20年』と呼ばれるように、小児へのワクチン接種が、海外から遅れをとった時期があった」と過去を振り返りつつ、日本と米国の予防接種の状況を比較した。日米では、接種できるワクチンがほぼ同じである。しかしながら、日本ではまだ任意接種のレベルであるロタウイルス、インフルエンザ、おたふく風邪などが、米国では定期接種となっていること、また、接種スケジュールについても、わが国が就学前に集中しているのに対し、米国では就学後でも定期接種が行われている点が異なると説明した。 続いて、ポリオに関して、WHO(世界保健機関)が2018年を目標に「ポリオ最終根絶計画」を打ち出し、全世界で封じ込め対策がとられている現状を紹介した。その一環として、多くの国で安価・簡単という理由で使用されている生(経口)ワクチンから、安全性が高く、ワクチンからの感染を起こさない不活化ワクチンへの切り替えが、全世界で進められている(わが国では2012年に不活化ワクチンに変更)。 現在確認されているポリオ発生地域として、野生株ウイルスではアフガニスタン、パキスタンが、ワクチン由来ウイルスではギニア、ラオス、ミャンマー、ウクライナなどが報告されており、こうした国々からの輸入感染が懸念されている。 ポリオは、症状が現れにくい感染症であり、不顕性の場合も多い。そのため、根絶宣言がなされた地域へ、非根絶地域から感染者が流入する可能性が危惧されている。実際に、過去、日本に飛来した航空機からポリオウイルスが検出された例もある。「今後、日本でさまざまなイベントが開催される中で、多くの外国からの入国者が見込まれる。今、こうした感染症への対策が求められている」と問題を提起した。4歳で再度ポリオワクチンの接種を 続いて、「不活化ポリオワクチン就学前接種を追加する意義」と題し、松山 剛氏(千葉県立佐原病院小児科部長)が解説を行った。 わが国のポリオ患者は、1960年代の生(経口)ポリオワクチンの導入以来、急激に減少し、1980年代以降はワクチン関連麻痺性ポリオの報告を除き、患者はみられなくなった。 また、現在わが国においてポリオワクチン接種は、3回の初回接種に加え、1歳以降に1回の追加接種が行われている。これは海外の追加2回接種と比べ、その回数が少ないことが以前より指摘されている。通常、乳幼児期の追加免疫接種後、上昇した抗体価は継時的に減衰する。そのため現在の接種回数は、抗体価の維持に不安を残すものであるという。 そこで、不活化ポリオワクチン(商品名:イモバックスポリオ皮下注)の追加接種(2回目)による免疫原性および安全性の検討が行われた(製造販売後臨床試験)1)。試験は、就学前の小児60例(男児35例、女児25例)を対象に不活化ポリオワクチンを皮下注射し、接種前と接種後1ヵ月後の変化をみたものである。 試験結果によれば、追加免疫反応率(接種前と比べ各抗体価が4倍以上上昇した被験者の割合)は、ポリオ1型~3型でいずれも78.0%以上に達し、発症防御レベル以上の中和抗体保有率も各型で100%だった。また、安全面では、注射部位反応として紅斑、腫脹が、全身性反応として倦怠感、発熱などが報告されたが、いずれも軽微なものだった。 先述のように、わが国では2回目の追加免疫接種が定期接種として実施されていない。しかし、欧米各国では、4歳以降に追加免疫接種が実施されている。米国予防接種諮問委員会(ACIP)の勧告や米国疾病管理予防センター(CDC)の推奨でも、4歳以上での追加免疫接種の必要性がうたわれている。日本全体のワクチン接種率をみると、就学前のほうが就学後と比較した場合、ワクチンの接種率が高く、4歳での接種は期待できる2)。 現在のように、海外からわが国へポリオウイルスが持ち込まれるリスクがある以上、「諸外国と同じように追加免疫接種を4歳以後に行うことで、ポリオ禍から子供たちを守ることが大切である」とレクチャーを終えた。詳しくはサノフィ株式会社プレスリリースまで(PDFがダウンロードされます)(ケアネット 稲川 進)参考文献1)佐々木津ほか.小児科臨床.2015;68:1557-1567.2)厚生労働省 定期の予防接種実施者数

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若者に対する抗精神病薬、リスクを最小限にするためには

 抗精神病薬は若者に対し、非精神病や適応外での使用が増えており、心血管代謝系副作用、とくに2型糖尿病に対する懸念が問題となる。米国・ザッカーヒルサイド病院のBritta Galling氏らは、若者に対する抗精神病薬治療に伴う2型糖尿病リスクを評価した。JAMA psychiatry誌オンライン版2016年1月20日号の報告。 創設から2015年5月4日までのデータベース(PubMed、PsycINFO)より、言語制限なしで、系統的文献検索を行った。データ分析は2015年7月に実施し、追加分析を2015年11月に行った。文献の選択は、少なくとも3ヵ月間抗精神病薬を投与された2~24歳の若者における2型糖尿病発症率に関する縦断研究報告とした。2人の独立した研究者により、2型糖尿病リスクのランダム効果メタ分析とメタ回帰の研究レベルのデータを抽出した。主要評価項目は、患者年当たりの累積2型糖尿病リスクまたは2型糖尿病発症率と定義した。副次的評価項目には、抗精神病薬治療を受けていない患者(精神対照群)または健常対照群との主要評価項目の比較が含まれた。 主な結果は以下のとおり。・13件の研究から、抗精神病薬を投与された若者18万5,105人、31万438人年当たりが抽出された。・患者の平均年齢は14.1歳(SD:2.1)、男性が59.5%、平均フォローアップ期間は、1.7年(SD:2.3)であった。・このうち、7件の研究は精神対照群(134万2,121人、207万1,135人年当たり)を、8件の研究は健常対照群(29万8,803人、46万3,084人年当たり)を含んでいた。・抗精神病薬を投与された若者の累積2型糖尿病リスクは1,000人当たり5.72(95%CI:3.45~9.48)、発症率は1,000人年当たり3.09(95%CI:2.35~3.82)であった。・健常対照群と比較し、抗精神病薬を投与された若者の累積2型糖尿病リスク(OR:2.58.95%CI:1.56~4.24、p<0.0001)と罹患率比(IRR:3.02、95%CI:1.71~5.35、p<0.0001)は有意に高かった。・精神対照群との比較も同様に、抗精神病薬を投与された若者の累積2型糖尿病リスク(OR:2.09.95%CI:1.50~52.90、p<0.0001)と罹患率比(IRR:1.79、95%CI:1.31~2.44、p<0.0001)は有意に高かった。・10件の研究の多変量メタ回帰分析では、より大きな累積2型糖尿病リスクは、より長いフォローアップ期間(p<0.001)、オランザピン処方(p<0.001)、男性(p=0.002)と関連していた(r2=1.00、p<0.001)。・より大きな2型糖尿病発症率は、第2世代抗精神病薬処方(p≦0.050)、より少ない自閉症スペクトラム障害の診断(p=0.048)と関連していた(r2=0.21、p=0.044)。 結果を踏まえ、著者らは「抗精神病薬を投与された若者の2型糖尿病リスクはまれだと思われるが、累積リスクや暴露調整発症率、罹患率比は、健常対照群や精神対照群よりも有意に高かった。オランザピン治療や抗精神病薬暴露期間は、抗精神病薬を投与された若者の2型糖尿病発症に対する修正可能な危険因子であった。抗精神病薬は、慎重かつできるだけ短い期間の使用にとどめるべきであり、その有効性および安全性を積極的に管理する必要がある」とまとめている。関連医療ニュース 小児に対する抗精神病薬、心臓への影響は 未治療小児患者への抗精神病薬投与、その影響は 第2世代抗精神病薬、小児患者の至適治療域を模索

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「シンバイオティクス」がアトピー性皮膚炎治療に有望

 アトピー性皮膚炎は、アレルギー疾患に罹患しやすい免疫環境を助長する腸内細菌叢の変化と関連している可能性があることから、アトピー性皮膚炎の予防と治療に、プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせたシンバイオティクスが用いられるようになってきた。台湾・国立陽明大学のYung-Sen Chang氏らによるメタ解析の結果、シンバイオティクスは、とくに混合細菌を用いた場合と1歳以上の小児に用いた場合に、治療効果が認められることを報告した。ただし、アトピー性皮膚炎の1次予防効果に関しては、さらなる研究が必要だとまとめている。JAMA Pediatrics誌オンライン版2016年1月25日号の掲載報告。 研究グループは、PubMed、MEDLINE、EMBASE、Cochran-e Central Register of Controlled TrialsおよびCAB Abstracts Archiveを用い、2015年10月15日までに発表されたアトピー性皮膚炎に対するシンバイオティクスの予防および治療効果を検討した無作為化比較試験の論文について、言語を問わず検索した。選択基準は、シンバイオティクスの経口投与による介入が行われ、アトピー性皮膚炎の疾患重症度評価(Scoring Atopic Dermatitis[SCORAD]指標)および予後評価(発症頻度)がなされているものとした。 主要評価項目は、治療効果検討試験ではSCORAD、発症予防効果検討試験ではアトピー性皮膚炎の相対リスクとした。 主な結果は以下のとおり。・検索で確認された257試験のうち、選択基準を満たした8試験(治療効果検討試験6件;0ヵ月~14歳の小児369例、予防効果検討試験2件;6ヵ月までの乳児が対象の1件と生後3日未満の新生児が対象の1件、計1,320例)を解析に組み込んだ。・治療効果については、6試験のメタ解析の結果、治療8週時のSCORAD変化量は-6.56(95%信頼区間[CI]:-11.43~-1.68、p=0.008)で、有意に低下した。・サブグループ解析の結果、有意な治療効果が認められたのは、混合細菌使用時(加重平均差:-7.32、95%CI:-13.98~-0.66、p=0.03)、および1歳以上の小児(同:-7.37、-14.66~-0.07、p=0.048)であった。・予防効果については、プラセボと比較したシンバイオティクス投与によるアトピー性皮膚炎の相対リスク比は、0.44(95%CI:0.11~1.83、p=0.26)であった。

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妊娠後期のビタミンD補給で子供の喘鳴を予防できるか/JAMA

 母親が妊娠後半(妊娠7ヵ月以降)にビタミンD3を補給しても、生まれた子の持続性喘鳴のリスクは低下しないことが、デンマーク・コペンハーゲン大学のBo L. Chawes氏らが行った単一施設での二重盲検無作為化比較試験で明らかとなった。この試験は、コペンハーゲン小児喘息前向きコホート研究2010(Copenhagen Prospective Studies on Asthma in Childhood 2010 :COPSAC2010)の一環として行われたもの。これまで、観察研究において妊娠中のビタミンD摂取量増加により子の喘鳴を予防できる可能性が示唆されていたが、妊婦へのビタミンD投与による予防効果について検証はされていなかった。JAMA誌オンライン版2016年1月26日号掲載の報告。妊娠24週以降のビタミンD3補給、2,800IU/日と400IU/日を比較 研究グループは2009年3月4日~10年11月17日の間に、妊娠24週の妊婦623例を、ビタミンD3投与群(以下、ビタミンD群)(315例)と対照群(308例)に無作為に割り付けた。妊娠24週から出産後1週まで、全員にデンマークの保健機関が推奨している通常の妊婦管理としてビタミンD3 400IU/日を投与するとともに、ビタミンD群にはさらに2,400IU/日を投与、一方対照群にはプラセボを投与した(すなわち、本研究はビタミンD3の2,800IU/日投与と400IU/日投与を比較している)。 その後、出生児581例(ビタミンD群295例、対照群286例)を、少なくとも3歳まで追跡し、持続性喘鳴や呼吸器症状などについて調査した。持続性喘鳴は、既存の次のアルゴリズムに従って診断した。(1)生後6ヵ月以内に発作性の呼吸器症状(咳嗽、喘鳴、呼吸困難)が5回/日以上3日以上継続、(2)喘息特有の症状、(3)気管支拡張薬の間欠的使用、(4)ステロイド吸入の3ヵ月間の試験的導入による奏効と吸入中断による再発。持続性喘鳴の発症リスクに両用量で差はなし 3歳までに持続性喘鳴と診断されたのは、ビタミンD群47例(16%)、対照群57例(20%)の計104例(18%)であった。 ビタミンD3投与は持続性喘鳴の発症リスクと関連していなかったが(ハザード比[HR]:0.76、95%信頼区間[CI]:0.52~1.12、p=0.16)、繰り返す発作性の呼吸器症状の発現リスクについては有意な低下が認められた(平均発現件数ビタミンD群5.9 vs.対照群7.2、発現リスク比[IRR]:0.83、95%CI:0.71~0.97、p=0.02)。3歳時の喘息者数、上気道感染症または下気道感染症の発症などにビタミンD3投与の影響はみられなかった。 また、子宮内胎児死亡はビタミンD群1例(<1%) vs.対照群3例(1%)、先天性奇形はそれぞれ17例(5%) vs.23例(8%)であった。 なお、本研究は主要評価項目に関する統計的検出力が低く、著者は「ビタミンD3補給の有用性を立証するには、さらに大規模な、高用量および早期介入による臨床試験が必要」とまとめている。

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