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シェーグレン症候群〔SS:Sjogren's syndrome〕

1 疾患概要■ 概念・定義眼・口腔乾燥を主症状とし、多彩な全身臓器症状を呈し、慢性に経過する全身性自己免疫疾患である。疾患名は1933年に報告したスウェーデンの眼科医ヘンリック・シェーグレン(Henrik Sjogren *oはウムラウト)に由来する。■ 疫学中年以降の女性に好発(女性 vs.男性 14 vs.1)し、国内に少なくとも数万人(厚生労働省研究班推定)の罹患数とされ、潜在例はさらに多いと推定されている。■ 病因病理学的には、涙腺・唾液腺などの外分泌腺にリンパ球浸潤とそれに伴う腺構造破壊、線維化が認められる。免疫学的には、リンパ球・サイトカイン・ケモカイン異常、高IgG血症、多彩な自己抗体産生が認められる。■ 症状1)腺症状ドライアイ(眼乾燥)、ドライマウス(口腔乾燥)が二大症状である。気道粘膜、胃腸、膣、汗腺などの分泌腺障害に起因する乾燥症状を認める例もある。2)全身症状・腺外臓器病変(1)全身:微熱、倦怠感(2)甲状腺:慢性甲状腺炎(3)心血管:肺高血圧症(4)肺:間質性肺疾患(5)消化器:慢性胃炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変(6)腎臓:間質性腎炎、腎尿細管性アシドーシス(7)神経:末梢神経障害(三叉神経障害)、中枢神経障害(無菌性髄膜炎、横断性脊髄炎)(8)関節:多関節炎(9)皮膚:環状紅斑(疾患特異性が高い)、高ガンマグロブリン性紫斑(下腿点状出血斑)、薬疹(10)リンパ:単クローン性病変、悪性リンパ腫(11)精神:うつ病■ 分類本疾患のみを認める一次性(原発性)とほかの膠原病を合併する二次性(続発性)に分類される。■ 予後腺症状のみであれば生命予後は一般に良好である。腺外症状、とくに悪性リンパ腫を認める例では予後が不良である。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)■ 検査所見1)血液検査異常(1)腺障害:血清唾液腺アミラーゼ上昇(2)免疫異常:疾患標識自己抗体(抗SSA抗体、抗SSB抗体)・リウマトイド因子・抗核抗体陽性、高ガンマグロブリン血症、末梢リンパ球数減少を認める。2)腺機能検査異常涙液分泌低下は、シルマーテスト、涙液層破壊時間(BUT)により評価する。乾燥性角結膜炎は、ローズベンガル染色、フルオレセイン染色、リサミングリーン染色を用いて評価する。唾液分泌低下は、ガムテスト、サクソンテストにより評価、より客観的には唾液腺シンチグラフィーが用いられる。涙腺、唾液腺の形態は、超音波あるいはMRI検査により評価される。3)腺外臓器病変に応じた各種検査肺野およびリンパ節の評価についてはCT検査が有用である。また、間質性腎炎の評価には尿検査が行われる。● 診断で考慮すべき点潜在例も多く、その可能性を疑うことが診断への第一歩である。ドライアイ、ドライマウスの有無を問診し、典型例では問診のみで診断がつくこともある。本疾患が疑われた際は、診断基準に沿って確定診断を行うことが望ましい。しばしば、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)などの他の自己免疫疾患を合併する。診断のための検査が困難である場合には、専門施設への紹介を考慮する。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)■ 腺症状1)眼点眼薬(人工涙液、ムチン/水分分泌促進薬、自己血清)、涙点プラグ挿入術、ドライアイ保護眼鏡装用2)口腔催唾薬(M3ムスカリン作動性アセチルコリン受容体刺激薬)、唾液噴霧薬がそれぞれ用いられる。■ 腺外症状 全身症状に対しては非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が用いられる。免疫学的な活動性が高く、臓器障害を呈する症例では、ステロイドおよび免疫抑制薬が用いられる。● 治療で考慮すべき点眼症状に対しては治療が比較的奏功する一方で、口腔乾燥症状は改善が乏しい例も多い。腺症状に対するステロイドの有用性は否定的である。リンパ増殖性疾患、悪性リンパ腫を含む腺外症状もまれではないため、注意深く経過観察する。腺外臓器病変、ほかの膠原病を有する例は、リウマチ内科専門医へのコンサルトを考慮する。不定愁訴が多い例もあるが、本疾患を正しく理解をしてもらえるようによく患者に説明する。4 今後の展望欧米では、抗CD20モノクローナル抗体の臨床試験が報告されているが、その有用性については十分確立されていない。リンパ球などの免疫担当細胞を標的とした新規治療薬の臨床試験が国際的に進められている。5 主たる診療科リウマチ科(全身倦怠感、関節痛、リンパ節腫脹)、眼科(眼乾燥症状)耳鼻咽喉科(リンパ節腫脹、唾液腺症状)、歯科・口腔外科(口腔・乾燥症状)、小児科(小児例)6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報厚生労働省難病情報センター シェーグレン症候群(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)日本シェーグレン症候群学会(医療従事者向けのまとまった情報)シェーグレン症候群財団ホームページ(米国)(医療従事者向けのまとまった情報)Up to date(医療従事者向けのまとまった情報)1)Firestein GS, et al. Kelley and Firestein’s Textbook of Rheumatology 10th edition.Philadelphia;Elsevier Saunders:2016.2)厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業 自己免疫疾患に関する調査研究班 編集. シェーグレン症候群診療ガイドライン2017年版.診断と治療社;2017.3)日本シェーグレン症候群学会 編集.シェーグレン症候群の診断と治療マニュアル 改訂第2版.診断と治療社;2014.公開履歴初回2017年12月12日

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青年期におけるうつや不安の変化と精神病様症状体験との関連

 最近の横断研究では、精神病様症状体験(PLE:psychotic-like experience)が青年のうつ病や不安に関連していることが示唆されている。縦断研究において、PLEの持続により、青年のうつ病や不安がより重篤であることが観察されているが、PLEの出現や寛解により、うつ病や不安の悪化や改善が認められるかはわかっていない。東京都医学総合研究所の山崎 修道氏らは、青年期におけるうつ病や不安の縦断的変化と1年間のPLE軌跡との関連について、学校ベースの調査により検討を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2017年10月18日号の報告。 PLEとうつ病や不安に関するベースライン評価に参加した青年912例中、1年後のフォローアップ評価を完了したのは887例(97.3%)であった。PLE軌跡に沿って、精神健康調査票(GHQ-12)を用いて収集したうつ病や不安の変化を評価するため、ベースライン時のうつ病や不安、性別、年齢、物質使用、虐待で調整したのち、マルチレベル分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時にPLEが報告された青年は16%で、そのうち56%はフォローアップ時に寛解した。・ベースライン時にPLEが報告されておらず、フォローアップ時に新たにPLEを経験した青年は6.6%であった。・共変量で調整したのち、新たにPLEを経験した青年では、GHQ-12スコアが有意に悪化した(時間に対する回帰係数:α1=1.91、95%CI:1.04~2.77)。また、寛解した患者では、GHQ-12スコアに有意な改善は認められなかった(α1=-0.20、95%CI:-0.97~-0.56)。 著者らは「学校の保健医療におけるPLEおよびその軌跡に関するより深い認識は、青年のうつ病や不安の予防および治療のキーとなる可能性がある」としている。■関連記事うつ病になりやすい性格小児不安症に効果的な治療はたった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

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妊娠中のビタミンD補充は有益か/BMJ

 妊娠中のビタミンD補充の効果について、カナダ・トロント大学のDaniel E Roth氏らは、無作為化試験を対象としたシステマティックレビューのメタ解析を行った結果、「2017年9月までに行われた試験の大半は、小規模で質が低く、現状では臨床的または政策として勧告するに足りる十分なエビデンスはない」ことを報告した。これまでに行われた多くの無作為化試験およびシステマティックレビューでは、相反する結果が発表され、ビタミンDに関する勧告は医療関連の学術団体の間で大きくばらついているが、WHOは現在、ビタミンD補充を推奨している。Roth氏らは11の母体アウトカムと27の新生児/幼児アウトカムに関する妊娠中のビタミンD補充の効果を評価する検討を行った。BMJ誌2017年11月29日号掲載の報告。43試験、被験者8,406例を包含しメタ解析 研究グループは今回の検討で、試験のアウトカムデータの欠落、未報告あるいは相反する報告がなされていた頻度を明らかにし、継続中または計画中の登録試験の貢献度を明らかにした。 Medline、Embase、PubMed、Cochrane Database of Systematic Reviews、Cochrane Central Register of Controlled Trialsを発刊から2017年9月時点まで検索。電子的検索で特定されたシステマティックレビューの参照リストや、未発表の継続中または計画中の試験のオンライン試験レジストリの手動検索も行った。 試験選択の適格条件は、妊娠中のビタミンD補充に関する無作為化試験で、対照群がプラセボ、非ビタミンD、ビタミンD補充量600 IU/日以下(またはその等量物)で、ピアレビューが行われている学術誌で発表されたものとした。 検索により43試験(被験者8,406例)が、メタ解析に組み込まれた。サンプルサイズの中央値は133例であった。出産児の3歳時点までの喘息リスク低下については強いエビデンス? ビタミンD補充により、25-ヒドロキシビタミンDの母体/臍帯血血清濃度の上昇が認められたが、用量反応の影響は弱かった。母体の臨床的アウトカムは、ほとんど確認・報告されておらず、入手したデータから有益であるとのエビデンスは示されなかった。 全体で、ビタミンD補充群は、平均出生体重が58.33g(95%信頼区間[CI]:18.88~97.78)増加し(37比較)、在胎不当過小(SGA)のリスクが低かった(リスク比:0.60、95%CI:0.40~0.90、7比較)。しかし、感度解析やサブグループ解析において、それらの確固たる所見はみられなかった。また、早産への効果は認められなかった(1.0、95%CI:0.77~1.30、15比較)。一方で、妊娠中のビタミンD補充が、出産児の3歳時点までの喘息リスクを低下させたとの強いエビデンスが認められた(リスク比:0.81、95%CI:0.67~0.98、2試験)。 しかし、メタ解析に包含された大半のアウトカムのデータは、小規模試験からのものであった。また、バイアスリスクが全体として低かった試験は、8/43試験(19%)に過ぎなかった。 継続/計画中の無作為化試験は5件、1万2,530例あった。著者は、「これらが将来のレビューに寄与する可能性はある」とした上で、「今後は、妊娠に関連した母体の症状(子癇前症など)や出産児の発育、呼吸器系のアウトカムなどの臨床的エンドポイントを調べるようデザインされた、検出力のある試験を行うべきであろう」と提言している。

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てんかんとADHD合併の小児および青年における薬物療法の課題

 てんかんの小児および青年における罹病率は、3.2~5.5/1,000である。また、てんかん患者の約1/3は、ADHD症状を合併している。てんかんとADHDとの関連は、よくわかっていないが、不注意、多動、行動障害などのADHD症状は、しばしば抗てんかん薬の有害作用であると考えられる。イタリア・University of L'AquilaのAlberto Verrotti氏らは、行動に対する抗てんかん薬の影響に関するデータを検索した。Clinical drug investigation誌オンライン版2017年10月25日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・ADHD症状の誘発が最も報告されている薬剤は、フェノバルビタールであった。次いで、トピラマート、バルプロ酸であった。・フェニトインは、中程度の影響が認められるようだが、レベチラセタムは、対照的なデータが存在した。・ラコサミドは、行動に対し有益な影響をもたらし、カルバマゼピンおよびラモトリギンは、注意および行動に対し良好な影響を発揮する。・ガバペンチンおよびビガバトリンは、認知機能に対し有害作用を有する。・オクスカルバゼピン、ルフィナミド、eslicarbazepineは、ADHD症状の悪化や誘発が認められないようであるが、ペランパネルは、敵対的/攻撃的行動を高率でもたらす(これは高用量で増加する可能性がある)。・エトスクシミド、ゾニサミド、tiagabine、プレガバリン、スチリペントール、retigabineの行動への影響に関するデータは、まだ限られている。・ADHD症状は、てんかん患者のQOLに著しい影響を及ぼすため、この神経精神医学的な障害に対する臨床的管理は優先事項として取り扱うべきである。・データはまだ少数で、限られているものの、メチルフェニデートは、ADHD症状とてんかんを合併している小児や青年において、多くの場合、発作リスクを有意に増加させることなく有効である。■関連記事てんかん重積状態に対する抗てんかん薬処方の変化ADHD発症しやすい家庭の傾向ADHD児への併用療法や抗精神病治療の傾向

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1型糖尿病の臓器障害に、RA系阻害薬は有効か?(解説:石上友章氏)-776

 糖尿病は、特異的な微小血管障害をもたらすことで、腎不全、網膜症、神経障害の原因になる。糖尿病治療のゴールは、こうした合併症を抑制し、健康長寿を全うすることにある。RA系阻害薬に、降圧を超えた臓器保護効果があるとされた結果、本邦のガイドラインでは、糖尿病合併高血圧の第1選択にRA系阻害薬が推奨されている。しかし、臨床研究の結果は、必ずしもRA系阻害薬の降圧を超えた腎保護効果を支持しているわけではない。ONTARGET試験・TRANSCEND試験1,2)を皮切りに、最近ではBMJ誌に掲載された報告3)(腎保護効果は、見せかけだった~RA系阻害薬は『万能の妙薬』ではない~)も、観察研究ではあるが、否定的な結果に終わっている。 1型糖尿病の腎保護については、ミネソタ大学のMauerらのRASS試験4)が、決定的な結果を報告している。本研究では、ARB(ロサルタン)、ACEI(エナラプリル)とplaceboの3群に分けた対象で、腎保護作用を検討している。本研究の特筆すべき点は、腎保護効果について、腎生検標本を用いて、厳密に評価していることにある。その結果は、メサンギウム分画容積をはじめとした、すべての病理学的評価指標に、3群間で差が認められなかった。 この結果を受けて、NKF(米国腎臓財団)によるKDOQI Clinical Practice Guideline For Diabetes And CKD/2012 Updateには、6章の6.1として、“We recommend not using an ACE-I or an ARB for the primary prevention of DKD in normotensive normoalbuminuric patients with diabetes.(1A)”とされた5)。この一文には、RA系阻害薬の糖尿病性腎障害抑制作用は、病理学的な変化をもたらすほどの効果はなく、微量アルブミン尿のような不正確な指標で評価された、見かけ上の効果でしかないとの意味が込められている。 英国・ケンブリッジ大学のM Loredana Marcovecchioらが行い、NEJM誌2017年11月2日号に掲載されたAdDIT試験は、スタチンとACE阻害薬を試験薬とし、2×2要因デザインで行われたRCTである。結果は、両試験薬ともに、primary endpointを達成することはできなかった。副次評価項目である、微量アルブミン尿の累積発症率には有意差が認められたが、EBMの原則に従って、著者らはこの結果を採用しなかった。しかしながら、“Many secondary outcomes in the published protocol were exploratory but considered to be clinically relevant in this population of adolescents.”とは、「夢の続きを見ていたい」という著者らの率直な心情の吐露なのかもしれない。

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05)エアゾール製剤+スペーサー【解説編】【吸入薬使い方ガイド】

※上の画像をクリックすると別のウィンドウにて「環境再生保全機構」の動画ページが開きます。■今回の内容今回は、エアゾール製剤とスペーサーを使用したより詳しい吸入の手順を説明します。手順としては、キャップをはずし、吸入器を数回振る→スペーサーに吸入器をはめ、スペーサーのキャップをはずす→呼吸を整え、ゆっくり十分に息を吐く→下を向かず、背筋を伸ばす→スペーサーの吸入口をくわえる(口角に隙間のないようにする)→ボンベを1回押すと同時に3秒間かけて、普通の呼吸で深く吸入する(そのとき舌を下げ、喉の奥を広げます)→吸入器をはずし、口を閉じ3~5秒息を止める→鼻からゆっくり息を吐く→うまくいかないときはスペーサーをくわえたまま、ゆっくり呼吸をする→うがいをする(口中3回、喉の奥3回)→吸入口をティッシュなどで拭き、キャップを閉める→吸入器をはずし、キャップを閉めて保管。■注意するポイント吸入器を逆さまに持ったり、水にぬらさないカウンターの回数をみて、試し打ちをする(カウンターがないものもある)スペーサーの中には、1回につき1度だけ噴射する吸うときは笛が鳴らないようにゆっくりと吸入するスペーサーをくわえられない場合、マスク型を使用する週に1度はスペーサーを洗浄する(分解し、洗浄し、よく乾燥させる)●主な製剤(2015年3月時点のデータ)フルティフォーム、アドエア、フルタイド、オルベスコ、キュバール、など。

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スマホ写真で皮膚科の遠隔医療は可能

 スマートフォンのカメラ機能の進歩(写真画質と画像転送の両方)は、患者と医師を直接つなぐ遠隔医療を成立させ、患者が治療を受ける機会を改善するのではと期待されている。では、小児皮膚疾患を、親から提供されたスマホ写真で正確に診断できるのか。米国・フィラデルフィア小児病院のDaniel M. O’Connor氏らによる前向き研究の結果、そうした方法で、正確な治療を提供可能なことが示された。JAMA Dermatology誌オンライン版2017年11月15日号掲載の報告。 研究グループは、2016年3月1日~9月30日に、フィラデルフィア小児病院の小児皮膚科クリニックにおいて前向き研究を行った。研究の主要目的は、親から提供されたスマホ写真に基づく診断と、対面診察での診断の一致率を評価することであった。また、副次目的は、親が写真の撮り方について指導を受けた場合と受けなかった場合とで、前記の一致率に影響がみられるかを評価することであった。 対象は40組の親子(女児22例、男児18例、平均年齢[±SD]:6.96[±5.23]歳)。登録後、スマートフォンを用いて最も良い写真を撮影する方法について指導を受ける(簡単な3つのステップから成る方法が記載された指導シートを渡す)介入群と、何も指導をしない対照群とに、半々に無作為に割り付けられた。そして、割り付けに基づき、診察室で親はスマートフォンで子供の気になる部位の皮膚写真を撮り、電子カルテにアップロードして送信した。その後、基本的な問診調査などを完了。そのうえで全例が、外来スケジュールに基づき2人いる医師のうちどちらかの対面診察を受けた。一方で、遠隔医療専門医が、アップロードされた写真と問診調査などの情報を基に診断を行った。 一致率は、評価者間で偶然起き得る一致を考慮してCohenκを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・全体において、写真に基づく診断と診察に基づく診断の一致率は83%(95%信頼区間[CI]:71~94%、κ=0.81)であった。・写真の画質が診断するのに十分高かった37組のサブグループにおいて、診断の一致率は89%(95%CI:75~97%、κ=0.88)であった。・介入群と対照群で、一致率に統計学的な差はなかった(85% vs.80%、p=0.68)。・診断に迷う症例については、適切なフォローアップが提案されていた。

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睡眠不足がADHDの有無にかかわらず小児に及ぼす負の影響

 睡眠に関する問題は、注意欠如多動症(ADHD)においてよく報告されているが、典型的な発達(TD)においてもよく見られる特徴である。英国・ロンドン大学(UCL)のFrances Le Cornu Knight氏らは、睡眠とADHD様行動や認知不注意との関連について、ADHD児とTD児においてどのように出現するかを検討した。Behavioral sleep medicine誌オンライン版2017年10月26日号の報告。 対象は、ADHDと診断された5~11歳の子供18例および年齢の一致したTD児20例。睡眠プロファイルは、子供の睡眠習慣に関するアンケートおよびアクチグラフ測定を用いて評価した。行動機能は、Conners' Parent Report Scaleを用い、注意力は、コンピューター化されたConners' Continuous Performance Taskを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・実際の睡眠時間に差がないにもかかわらず、ADHD群では睡眠の質が悪かった・TD児の睡眠の質の低下は、注意力と関連がないにもかかわらず、ADHD様行動の増加が予測された。・行動との関連がないにもかかわらず、ADHD児の注意力低下を予測する睡眠の質の低下に関して一貫した傾向が認められた。 著者らは「不十分な睡眠の質は、さまざまな形で発達のサブグループに影響を及ぼす。ADHD児では、睡眠不足が注意欠如を悪化させ、TD児では、ADHD様行動を誘発した。本知見は、小児期の過剰なADHD診断および睡眠に基づく介入の必要性を考えるうえで、重要な意味を持つ。まずは、すべての子供において、より良い睡眠習慣を促進することが重要である」としている。■関連記事ADHD発症しやすい家庭の傾向小児攻撃性に対する抗精神病薬の効果~メタ解析ADHD児への運動効果は

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抗菌薬は上気道感染症後の細菌合併症を減らせるのか

 抗菌薬使用と上気道感染症(URTI)後細菌合併症との関連を検討した前向きコホート研究で、URTI後の細菌合併症はまれであり、また抗菌薬は細菌合併症予防における保護効果がない可能性が示唆された。スウェーデン・ストックホルム県ランスティング公衆衛生局のThomas Cars氏らが報告した。BMJ open誌2017年11月15日号に掲載。 本研究では、ストックホルム県のプライマリケア、専門医の外来クリニック、入院加療施設における、2006年1月~2016年1月の診察・診断・調剤抗菌薬に関する行政医療データを基に検討した。主要アウトカムは、生態学的時間傾向分析における、URTI・細菌感染/合併症・呼吸器系抗菌薬使用の頻度の10年間の傾向分析、前向きコホート研究における、抗菌薬投与あり患者と投与なし患者のURTI後の細菌合併症発症率とした。 主な結果は以下のとおり。・2006年から2015年までに呼吸器系抗菌薬の使用は22%減少したが、乳様突起炎(p=0.0933)、扁桃周囲膿瘍(p=0.0544)、A群溶血性レンサ球菌感染症(p=0.3991)、眼窩内膿瘍(p=0.9637)、硬膜内および硬膜下膿瘍(p=0.4790)、汎副鼻腔炎(p=0.3971)での増加傾向はみられなかった。また、髄膜炎および急性篩骨蜂巣炎は減少し(それぞれp=0.0038、p=0.0003)、咽後膿瘍および咽頭周囲膿瘍は増加した(p=0.0214)。・URTI後の細菌合併症は、扁桃炎後の扁桃周囲膿瘍(10,000発症当たり、抗菌薬投与あり患者41.1、投与なし患者32.4)を除き、投与あり患者・投与なし患者ともまれであった(10,000発症当たり、投与あり患者1.5未満、投与なし患者1.3未満)。 著者らは、「定期的に収集された行政医療データの分析により、患者・処方医師・政策立案者に対して、URTI・抗菌薬使用・細菌合併症の数に関する貴重な情報を提供できる」としている。

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新型インフルエンザ対策の最前線

 2017年11月5日、厚生労働省は都内において、「新型インフルエンザ対策に関する研修」を開催した。当日は、新型インフルエンザの疫学、治療ガイドライン、感染対策、行政の動向について4名の演者による講演が行われた。急がれるH7N9ワクチン はじめに「鳥インフルエンザの疫学について」をテーマに小田切 孝人氏(国立感染研インフルエンザウイルス研究センター WHOインフルエンザ協力センター センター長)が、鳥インフルエンザの動向、最新の知見を解説した。 インフルエンザAタイプは人獣共通感染症であり、野生のツルやカモなどの水禽類が宿主となっている。このタイプは、ヒト、トリ、ブタ間でも感染し、現在トリではH5N1、H5N6、H7N9、H9N2が、ブタではH1N2v、H3N2vがヒトに感染することがわかっている。とくに患者数が多かったH5N1は、その数が減少する傾向にあるものの、高病原性ゆえに致命率は53%と高いという。 問題は、突然変異によるパンデミックポテンシャルをウイルスが持っていることであり、トリがこうしたウイルスを獲得していないかどうか、常に監視する必要があると警告する。 ワクチンについては、世界保健機関(WHO)がインフルエンザウイルスのリスト化とワクチン株の保存を行い、日本、米国、英国の施設で新型インフルエンザワクチン製造株を作製・提供を実施しており、中国でも開発中であるという。 その中国では、2013年より鳥インフルエンザ H7N9が流行。2017年8月31日時点で、1,531例の感染例(うち死亡604例)と高い致命率(39.5%)が報告された。また、旅行など人の移動が感染拡大を助長したこと、高齢者の感染例が多いことも報告された(H5N1は青年に多かった)。 H7N9は、飛沫感染する例も動物実験で報告され、ワクチンの開発が急がれているが、予防接種の免疫獲得が低いことや免疫細胞に認識されないなどの問題があり、現在も研究が続けられている。 最後に、日本で中国のようなアウトブレイクが起きるかどうかについて、「わが国の検疫対応をみると発生しないだろう」と現状からの予測を語り、レクチャーを終えた。新型インフルエンザには抗ウイルス薬の使用をためらわない 次に川名 明彦氏(防衛医科大学校 感染症・呼吸器内科 教授)が、「成人の新型インフルエンザ治療ガイドライン改訂の方向性について」をテーマに解説を行った。 2014年3月に現在の治療ガイドラインが発行され、現在は改訂(第2版)の最終段階であり、12月中には最新のガイドラインが発行されるとの見通しを述べた。 ガイドラインで示される治療の範囲は、入院診療の治療がメインとなり、とくに意識障害、肺炎の有無別による治療にページが割かれるという。また、予想される新型インフルエンザの臨床像は、過去のインフルエンザの事例、鳥インフルエンザの重症例、季節性インフルエンザの重症例などから検討され、インフルエンザ肺炎の中でも原発性、混合性、二次性の大きく3つに分けた治療が記されるという。 現在、日本で使用できる抗ウイルス薬には、オセルタミビル(商品名:タミフル)、ザナミビル(同:リレンザ)、ラニナミビル(同:イナビル)、ペラミビル(同:ラピアクタ)の4種がある。治療では、米国疾病管理予防センター(CDC)の原則に沿い、早期投与が勧められているほか、入院患者、2歳以下の小児、65歳以上の高齢者、循環器や代謝異常などの既往症、免疫抑制状態、妊婦(出産後2週間以内も含む)、病的肥満(BMI 40以上)、長期療養施設に入所など、ハイリスク患者には可能な限り早期に投与するとしている。 症状が、軽症、中等症、肺炎合併がない場合の新型インフルエンザの治療では、季節性インフルエンザと同じ治療としつつ、肺炎を合併した場合は、できるだけ早く抗ウイルス薬の投与を示している。とくに重症例ではペラミビルの選択、増量や投与期間の延長、ファビピラビル(同:アビガン)との併用も考慮するとしている(ただしファビピラビルは妊婦または妊娠している可能性のある婦人へは投与しない)。 新型インフルエンザ肺炎への細菌感染の合併例については、頻度の高いものとして肺炎球菌、黄色ブドウ球菌などのウイルス細菌混合性肺炎と、緑膿菌、アシネトバクターなどの二次性細菌性肺炎を挙げ、入院を要する症例ではただちに抗菌薬療法を開始する。そして抗菌薬の選択はガイドラインを参考に行い、病原体確定後に、より適切な抗菌薬へde-escalationすることとしている。その他の薬物療法として副腎皮質ステロイド薬は、ウイルス性肺炎では喘息合併に限り重症化を抑制するほか、細菌性肺炎では敗血症性ショック時の相対的副腎不全に低容量で有効とされている。また、マクロライド系薬は、細菌性肺炎の重症化例で予後を改善するとの報告がある。 肺炎時の呼吸管理では、人工呼吸を躊躇しないで使用するほか、悪化または改善がみられない場合は、特殊な人工呼吸法(ECMO)の導入やより専門的な施設への転送をするとしている。 インフルエンザ肺炎の重症度評価では、PSI、A-DROP、CURB-65などの市中肺炎の重症度評価法よりも、重症度が過小評価されることに注意が必要と指摘する。 最後に、川名氏は「“新型インフルエンザ”の病態は未知であるが、病原性の高いインフルエンザの出現を想定し、準備する必要がある。ガイドラインも、出現時にはウイルスの特徴に応じてただちに再検討する必要がある」とまとめ、レクチャーを終えた。感染対策は手指衛生と予防接種が大事 次に加藤 康幸氏(国立国際医療研究センター 国際感染症センター国際感染症対策室 医長)が、「感染対策について」をテーマに解説を行った。 インフルエンザの院内感染の特性は、新型も季節性も、新生児、骨髄移植患者、長期療養型病棟で致死率の高い流行を起こすことがあり、医療従事者においては患者からの感染と患者の感染源になるという2つのリスクがあると説明する。そして、新型インフルエンザ流行時には、感染被害の軽減と封じ込めの同時進行が必要であり、過去の拡大例を検証すると、医療従事者から患者への飛沫感染対策は重要であるという。 そして、医療機関における具体的な感染対策としては、「感染源対策」「患者・職員の健康管理」「感染経路の遮断」の3つが必要とされ、CDCの推奨でも予防接種、患者との接触を減らす、標準予防策の順守、飛沫予防策の順守、訪問者の制限なども掲げられ、実践されることが期待される。 とくに飛沫感染対策・咳エチケットとして、医療機関の入口での注意の掲示、1m以上の距離を隔てた待合用の座席、待合室の手近な場所への手指衛生設備の設置などが必要となる。同様に、医療スタッフへの指導では、個人防護具(手袋、ガウン、シールド付きサージカルマスクなど)の装着・脱着の研修は有効であるという。 最後に加藤氏は「院内感染対策では、手指衛生と(患者、医療従事者の)予防接種の2つが有効とされている。新型インフルエンザの対策も、季節性インフルエンザの延長にあると考え、流行に備えてもらいたい」と語り、解説を終えた。新型インフルエンザではWeb情報も活用を! 最後に、厚生労働省の海老名 英治氏(健康局結核感染症課 新型インフルエンザ対策推進室 室長)が「行政動向について」をテーマに、新型インフルエンザ対策の法令、ワクチンの備えに関して説明を行った。 新型インフルエンザへの対策は、水際での侵入阻止と早期封じ込めによる感染拡大の抑制と流行規模の平坦化、それと同時にワクチンの開発、生産、接種によって流行のピークを下げること、医療への負荷を減らすことであるという。 2012年5月に「新型インフルエンザ等対策特別措置法」が公布され(施行は2013年6月)、流行時の各種対策の法的根拠が明確化された。具体的には、体制整備として国・地方公共団体の行動計画や訓練、国民への啓発のほか、流行発生時の対策本部の設置、特定接種の指定などが決められ、「新型インフルエンザ等緊急事態」発生の際の措置では、外出自粛要請、興行場等の制限などの要請・指示、住民への予防接種の実施、医療提供体制の確保、緊急物資の運送の要請・指示などの規定が挙げられる。 また、国のインフルエンザ対策として、時間軸で海外発生期、国内発生早期、国内感染期、小康期の4つに区切り、各段階で(1)実施体制、(2)サーベイランス・情報収集、(3)情報提供・共有が行われると説明を行った。 現行の被害想定はいずれも最大数で、罹患者を人口の25%、医療機関受診者を約2,500万人、入院者を約200万人、死亡者を約64万人、欠勤者を従業員の約40%とし、抗インフルエンザウイルス薬の備蓄は人口の45%を目標としている(2017年7月時点の有識者会議で、全人口の25%が罹患するとして再検討されている)。また、「これら抗ウイルス薬の備蓄方針、季節性インフルエンザとの同時流行時の規模や重症患者への倍量・倍期間治療、予防投与についても、省内の厚生科学審議会で継続的に審議されている」と説明する。 最後に海老名氏は、「審議会などの新しい情報も厚生労働省のウェブサイトなどを通じて日々発信しているので、新型インフルエンザの対策ではこれらも参考に準備をしていただきたい」と述べ、説明を終えた。■参考厚生労働省 インフルエンザ(総合ページ)内閣官房 新型インフルエンザ等対策厚生労働省 セミナー当日の配布資料

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ADHD児への有酸素運動効果は

 ADHDは、世界の小児の約8~10%に発症する最も一般的な精神神経疾患の1つである。ADHD児の大多数が成人期まで持続的な症状を有していることを示唆する研究が増加しており、ADHDによる人生経過への影響を明らかにしている。ADHD管理の主流は、薬物療法と、行動および心理的な介入であり、潜在的な治療戦略としての運動介入については、あまり注目されていない。シンガポール国立大学のQin Xiang Ng氏らは、ADHD児に対する運動介入の短期的および長期的な影響を調査するため、システマティックレビューを行った。Complementary therapies in medicine誌2017年10月号(オンライン版8月31日号)の報告。有酸素運動は、ADHD児にとって有用 ADHDおよび運動や身体活動に関するキーワードを用いて、PubMedおよびOvidのデータベースより1980年1月~2016年7月までの英語論文を予備検索し、613件が抽出された。全文および関連文献をレビューした。 ADHDおよび運動や身体活動に関する論文レビューの主な結果は以下のとおり。・本システマティックレビューには、30件の研究が含まれた。・ADHDに対する短期的および長期的な身体活動は、臨床的ベネフィットを有していた。・ほとんどの場合において、ADHDの認知、行動および身体的な症状は緩和された。混合運動プログラムで最大の介入効果が認められた。・いずれの報告でも、身体活動による副作用は報告されておらず、運動介入は、忍容性の高い介入であることが示唆された。 著者らは「身体活動、とくに中等度から高度な有酸素運動は、ADHD児にとって有用かつ忍容性のある介入である。今後の研究において、より適切に実施された試験を含め、理想的な運動介入を調査する必要がある」としている。

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04)エアゾール製剤+スペーサー【手順編】【吸入薬使い方ガイド】

※上の画像をクリックすると別のウィンドウにて「環境再生保全機構」の動画ページが開きます。■今回の内容今回は、エアゾール製剤とスペーサーを使用した吸入手順を説明します。手順としては、キャップをはずし、吸入器をよく振る→スペーサーに吸入器をはめ、スペーサーのキャップをはずす→十分に息を吐く→スペーサーの吸入口をくわえます→ボンベを1回押すと同時に3秒間かけて、普通の呼吸で深く吸入する(そのとき舌を下げて喉の奥を広げます)→吸入器をはずし、口を閉じ3~5秒息を止める→鼻からゆっくり息を吐く→スペーサーをくわえたまま、ゆっくり呼吸をします→うがいをする(口中3回、喉の奥3回)。●主な製剤(2015年3月時点のデータ)フルティフォーム、アドエア、フルタイド、オルベスコ、キュバール、など。

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摂食障害プログラム、オランザピンの使用は

 顕著な障害や発育への影響に関連する摂食障害である回避性・制限性食物摂取症(ARFID)に対する薬理学的治療についての情報はほとんどない。米国・サウスカロライナ医科大学のTimothy D. Brewerton氏らは、ARFIDに対する薬物療法に関して臨床報告を行った。Journal of child and adolescent psychopharmacology誌オンライン版2017年10月25日号の報告。 オランザピンの補助的投与と摂食障害(ED)プログラム(在宅、部分的入院、集中外来ケア)で治療されたARFID患者9例について、レトロスペクティブチャートレビューを行った。 主な結果は以下のとおり。・オランザピン平均初回投与量は0.9+0.63mg/日、オランザピン平均最終投与量は2.8+1.47mg/日であった。・オランザピン投与前後の体重増加(3.3±7.3lb対13.1±7.9lb[2.99±6.62lb SI対11.88±7.17lb SI])に、有意な差が認められた(対応t検定:p<0.04、t=-2.48)。・オランザピンの補助的投与は、体重増加だけでなく、不安、抑うつ、認知機能の改善に有用であった。・オランザピンの補助的投与を行った患者では、臨床全般印象評価尺度(CGI)スコアの改善が認められた。 著者らは「ARFID患者に対する低用量オランザピン補助的投与は、食生活の改善や体重増加、および不安、抑うつ、認知機能の改善が期待できる。将来、ARFID患者を対象とした無作為化プラセボ対照試験が望まれる」としている。■関連記事オランザピン誘発性体重増加のメカニズム摂食障害への薬物療法、最新知見レビュー小児攻撃性に対する抗精神病薬の効果~メタ解析

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アトピー性皮膚炎児、睡眠障害の原因は?

 アトピー性皮膚炎(AD)を有する小児の60%は、睡眠が妨げられているとされる。米国・Ann & Robert H. Lurie小児病院のAnna B. Fishbein氏らは、症例対照研究において、中等症~重症アトピー性皮膚炎の小児は健常児に比べ、就寝・起床時間、睡眠時間、睡眠潜時は類似していたものの、中途覚醒が多く睡眠効率が低いことを明らかにした。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年10月28日号掲載の報告。 研究グループは、中等症~重症アトピー性皮膚炎小児の睡眠の特徴ならびに睡眠障害の評価法を検討する目的で、6~17歳の中等症~重症アトピー性皮膚炎患児19例および年齢と性別をマッチさせた健常対照児19例を比較した。参加者は腕時計型のアクチグラフを装着し、睡眠および疾患特異的質問票に記入した。 主な結果は以下のとおり。・AD患児は、中途覚醒(WASO)時間が103±55分であったのに対して、対照児は50±27分であった。・AD患児は対照児より、睡眠時体動、日中の眠気、夜間の再入眠困難および教師の報告による日中の眠気の頻度が高かった。・重症度は、WASOとよく相関した。総SCORADスコア:r=0.61(p<0.01)、客観的SCORADスコア:r=0.58(p=0.01)、湿疹面積・重症度指数(EASI):r=0.68(p<0.01)。・小児皮膚疾患のQOL評価尺度はWASOと相関した(r=0.52、p=0.03)が、自己報告による痒みの重症度とは相関しなかった(r=0.28、p=0.30)。

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フルーツ摂取量が多いほど喘息や鼻炎を予防:日本の小学生

 日本の小学生を対象とした研究で、フルーツの摂取量が多いほど、呼吸器アレルギー症状を予防できる可能性があることが、滋賀県立小児保健医療センターの楠 隆氏らによる研究で明らかになった。Pediatric allergy and immunology誌オンライン版2017年10月11日号の報告。 食事パターンがアレルギー予防と関連するという報告がある。そのため、著者らは、滋賀県近江八幡市のすべての小学校において、前向きコホート研究を実施した。 対象は、7歳児(2011年時点)の759人。2011~14年までの4年連続で、アレルギー症状および食事に関するアンケートを両親に配布し、記入を依頼した。10歳時に、吸入アレルゲンに対する特異的免疫グロブリンEを測定した。調査期間中、参加者は4つの食品群(フルーツ、野菜、魚、豆)の低摂取群、中摂取群、高摂取群に分類された。オッズ比および95%信頼区間を推定するためにロジスティック回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・両親が4年連続でアンケートに回答した合計520人の子供(68.5%)が分析対象となった。・10歳時の喘息、鼻炎、その他アレルギー症状の有病率は、フルーツ摂取量の増加に伴って有意に減少した。・さらに、調査期間中のアレルギー症状の発症は、フルーツ摂取量の増加に伴い、有意に減少した(低摂取群33.3%、中摂取群28.3%、高摂取群14.3%、p for trend=0.01)。・10歳時のブタクサに対する感作率は、フルーツ摂取量の増加に伴って有意に減少した(p for trend=0.046)。・魚摂取と喘息の新規発症との関連を除き、他の3つの食品群に有意な影響は観察されなかった。

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オモチャのヘリコプターのプロペラは、思ったほど眼球を傷つけない【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第103回

オモチャのヘリコプターのプロペラは、思ったほど眼球を傷つけない いらすとやより使用 眼球の外傷は、いろいろなオモチャで起こりえます。私の子供も、よくオモチャを振り回して顔にケガをしています。 Alphonse VD, et al.Eye injury risk associated with remote control toy helicopter blades.Biomed Sci Instrum. 2012;48:20-26.この論文は、「さて、室内で飛ばすオモチャのヘリコプターが最近流行しているそうだ。この研究の目的は、そのオモチャのヘリコプターが眼球の外傷リスクと関連しているかどうか調べることだ」という唐突な書き出しで始まります。結構ムチャな展開だけど、こういう珍しい外傷の論文は、まれな事象をさもコモンなように書き出すことが重要です。市販されているオモチャのヘリコプターから5種類を選定し、そのヘリコプターのプロペラを物理学的に調べたのが本研究です。ヘリコプターのバッテリーをフルに充電した状態で、な、な、な、な、なんと死体を用いて眼球への有害性を調べました。「オモチャのヘリコプターが眼球に与える影響を調べたいので、ご遺体を使わせていただけないでしょうか」と遺族に許可を取ったのでしょうか、うーむ、どんな遺族が首を縦に振ってくれたのだろうか…。検証項目として、眼圧と、フルオレセインを用いて角膜の擦過傷を調べました。過去の文献によれば、外傷による眼圧上昇は、前房、レンズ、網膜などの多くの組織ダメージと相関することが報告されています。さて、眼圧は、114.3mmHgから744.7mmHgと幅広い上昇が観察されました。このときのプロペラの回転速度も、秒速16.0~25.4mとさまざまでした。角膜には擦過傷が観察され、前房にはわずかな外傷リスクがありましたが、レンズ、網膜、眼球破裂などの重篤なダメージはないことがわかりました。プロペラの種類による外傷リスクの差は観察されませんでした。死体を用いたこの検証によって、オモチャのヘリコプターのプロペラでは、想定されているほど重篤な眼外傷を起こさないことが明らかになりました。有用な研究ではありますが、やはり読了後に「なかなかそんな眼外傷ないよなぁ」と思わずにはいられませんでした。しかし、世の中にはこういう地道な研究を続けている人たちがいるのです。合掌。

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ADHDドライバー、トレーニングで危機感知能を改善できるか

 ADHDを有する若者のドライバーは、同世代の人よりも交通事故傷害リスクが高い。このリスク増加は、危機感知能が低いことと相関する。これまで、ADHDを有する若者のドライバーを対象に、コンピュータ技術を用いた危険感知訓練について調査した研究はほとんどなかった。オーストラリア・School of Allied HealthのC.R. Bruce氏らは、ドライブスマートトレーニングを受けたADHDを有する若者のドライバーの、危機感知能における群間および対象者内の変化の有無や重要性を確認し、訓練により改善した危機感知能の変化が、時間が経過しても維持されるかを調査した。Accident; analysis and prevention誌オンライン版2017年10月14日号の報告。 本研究は、実行可能性調査として実施されたオーストラリアの無作為化比較試験である。コントロール群として、遅延治療群が含まれた。ADHDと診断されたドライバー25例を対象に、即時介入群またはコントロール群に無作為化した。即時介入群は、ドライブスマートというコンピュータアプリケーションを用いて、トレーニングを行った。コントロール群は、ドキュメンタリービデオを視聴し(コントロール状態)、その後ドライブスマートトレーニングを実施した。対象者の危機感知能は、Hazard Perception Test(HPT)を用いて測定した。 主な結果は以下のとおり。・ベースラインスコアを調整したのち、介入後のHPT変化スコアは、群間で有意な差が認められ、即時介入群が支持された。・効果の重要性は、大きかった。・コントロール群内の介入効果は有意ではなかった。・即時介入群における6週間のフォローアップにおいて、有意な維持効果が認められた。 著者らは「ADHDドライバーに対するドライブスマートトレーニングは、危機感知能を大幅に改善し、一定期間持続する。トレーニングに対する多様的なアプローチは、維持を容易にすることが示された。本研究より、本格的な試験が実施可能である」としている。■関連記事ADHD発症しやすい家庭の傾向認知症ドライバーの運転停止を促すためにはてんかんドライバーの事故率は本当に高いのか

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「血友病周産期管理指針」の意義と狙い

 2017年11月2日、バイオベラティブ・ジャパン株式会社は、希少血液疾患の啓発事業の一環として、都内でメディアセミナーを開催した。セミナーでは、血友病に関連する周産期管理について、その背景と指針作成の目的などが語られた。血友病保因者妊婦の出産は、母体と新生児にリスク セミナーでは、講師に瀧 正志氏(聖マリアンナ医科大学 小児科学 特任教授)を迎え、「血友病周産期管理の重要性~血友病保因者妊婦・血友病新生児の出血回避に向けての取り組み~」をテーマにレクチャーが行われた。 一般的に新生児の頭蓋内出血は0.05%、血友病の頭部出血(頭蓋内外)は3.5~5.5%とされ、血友病および同保因者の母親からの出産では、リスクが高いことが知られている。 実際、瀧氏が自院で早期新生児の出血に関する検討を行ったところ、93例の血友病患者のうち13例で分娩に関連した出血があったという。その特徴として、全例が経腟分娩で、7例に吸引・鉗子分娩がなされていた。また、9例で赤血球輸血を行い、2例で重篤な神経学的後遺症を認め、1例で緊急硬膜下血種除去を行ったという1)。別の研究で血友病保因者である母体の状況をみてみると、凝固因子活性が非保因者(1.02 IU/mL)と比較して0.60 IU/mLと低く、手術後の相対危険度は保因者では高いとされる2)。 こうした状況を踏まえ、母体であるホモ接合体血友病の妊婦および保因者妊婦と、血友病新生児および保因者新生児の出血をできるだけ回避し、出血症状を伴う場合は早期に適切な治療を図る目的で、「ホモ接合体血友病妊婦および保因者妊婦の管理指針」と「血友病新生児および保因者新生児の管理指針」の2つからなる『エキスパートの意見に基づく血友病周産期管理指針 2017年版』が作成された。血友病患者、保因者の周産期における注意点を網羅 「ホモ接合体血友病妊婦および保因者妊婦の管理指針」では、主にヘテロ接合体保因者に関して記述され(ホモ接合体血友病は女性にまれ)、妊娠管理では産科、本症に詳しい内科医、小児科医、麻酔科医が連携し、集学的医療チームとしてケアに当たるべきであるとしている。また、妊娠中の予防的補充療法では、血友病Aは定期的な活性値測定のほか、必要により第VIII因子製剤の補充療法を行うこと、血友病Bでは第IX因子活性値の有意な上昇がみられない一部の保因者には第IX因子製剤の補充療法が必要だとされている。そのほか、妊娠中の血中モニタリング、分娩計画の立案(必要により紹介・移送)が必要とされ、分娩方法では経腟分娩の場合はできる限り自然分娩としながらも、胎児に血友病または保因者である可能性が排除できない場合は、吸引、鉗子、遷延分娩は避けることが望ましいとしている。帝王切開分娩への切り替えは、早期に判断する。とくに瀧氏は、私見としながら「予定帝王切開分娩」について言及し、「麻酔、出血量など母体への負担は増加するものの、血友病児の頭蓋内出血リスクの減少、止血管理の容易性、分娩スタッフのスケジュール対応の面からも考慮すべきだ」と示唆した。 分娩・産褥期の至適血中レベルについては、経腟分娩で血中第VIII因子、第IX因子活性値ともに50%以上維持(帝王切開では80%以上)が示され、この値を下回る場合は予防的補充療法の施行が記述されている。妊娠中のデスモプレシンの使用では、妊娠高血圧症候群合併例への使用は避けるべきとし、使用する場合は水分や電解質管理を慎重に行う必要があるとしている。血友病および保因者新生児のフォローを網羅 「血友病新生児および保因者新生児の管理指針」では、出生前の一般的な取り扱いとして、母体および新生児に出血リスクが増すような手技を最小限にするよう呼び掛けている。 新生児の血友病診断では、出生後に臍帯血を用い速やかに診断を行うとともに、第VIII因子、第IX因子の活性値を測定する。また、孤発例の見逃しを避けるために、疑いのある新生児のAPTTの測定、延長時には第VIII因子、第IX因子の活性値の測定も行うとしている。 血友病新生児の止血管理では、製剤投与中の凝固因子活性のモニタリングとインヒビター出現の有無の確認および、確定診断後に欠損または欠乏している凝固因子の製剤投与への切り替えが示されている。そして、出生後に脳内出血を臨床的に強く疑う場合は凝固因子製剤をただちに投与し、確定診断のために頭部超音波検査、脳MRIやCT検査を行う。 凝固因子製剤の予防投与は、自然分娩や帝王切開分娩では一般的に行わない。しかし、分娩外傷、吸引、鉗子分娩などのリスクの高い分娩では、診断後に短期間の予防投与を考慮し、早産児にも状況に応じて行うとしている。 血友病患児への予防接種については、原則として筋肉注射は避けるべきとし、ルーチンの予防接種の皮下注射は禁忌事項がない限り行うことが望ましいとしている。 最後に瀧氏は、本指針の目的を「血友病、血友病保因者の妊婦・新生児の出血をできる限り回避し、出血症状を伴う場合には早期に適切な止血治療を図ることにある」と繰り返すとともに、「血友病保因者は『ハイリスク妊婦である』という認識を医療従事者は共有し、周産期管理を行ってもらいたい」と期待を述べ、レクチャーを終えた。■参考1)長江千愛 ほか. 日産婦新生児血液. 2017;26:61-69.2)Plug I, et al. Blood. 2006;108:52-56.■関連記事希少疾病ライブラリ 血友病

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思春期1型糖尿病に、ACE阻害薬やスタチンは有用か/NEJM

 ACE阻害薬およびスタチンは、思春期1型糖尿病患者のアルブミン/クレアチニン比(ACR)の経時的な変化に影響を及ぼさないことが、英国・ケンブリッジ大学のM Loredana Marcovecchio氏らが行ったAdDIT試験で示された。研究の成果は、NEJM誌2017年11月2日号に掲載された。青少年期の1型糖尿病患者では、腎疾患や心血管疾患の長期的なリスク因子である微量アルブミン尿や顕性アルブミン尿の発現に先立って、思春期のアルブミン排泄量の急速な増加がみられる。成人1型糖尿病患者では、ACE阻害薬およびスタチンが頻用されているが、思春期患者での評価は十分でないという。ACR上位3分の1の患者を2×2要因デザイン試験で評価 研究グループは、アルブミン排泄量の多い思春期1型糖尿病患者は、ACE阻害薬およびスタチンによりベネフィットが得られるとの仮説を立て、これを検証するために2×2要因デザインによる二重盲検プラセボ対照無作為化試験を行った(国際若年性糖尿病研究財団[JDRF]などの助成による)。 10~16歳の思春期1型糖尿病患者4,407例をスクリーニングの対象とし、ACRが上位3分の1の1,287例を同定した。このうち443例が、4つのレジメン(ACE阻害薬+プラセボ[111例]、スタチン+プラセボ[112例]、ACE阻害薬+スタチン[111例]、プラセボ+プラセボ[109例])の1つに無作為に割り付けられ、年齢、性別、糖尿病罹病期間などのベースラインの患者背景の差が最小となるよう調整が行われた。 2つの介入の主要評価項目はアルブミン排泄量の変化とし、2~4年間、6ヵ月ごとの受診時に早朝尿検体を3回採取してACRを算出し、曲線下面積(AUC)で表した。 主な副次評価項目は、微量アルブミン尿の発現、網膜症の進行、糸球体濾過量の変化、脂質値、心血管リスクの指標(頸動脈内膜中膜厚、高感度C反応性蛋白値、非対称性ジメチルアルギニン値)などであった。主要評価項目を達成できず 2009年5月~2013年8月の期間に、3ヵ国(英国、カナダ、オーストラリア)の32施設で患者登録が行われた。フォローアップ期間中央値は2.6年だった。 ACRのAUCに及ぼすACE阻害薬(効果:-0.01、95%信頼区間[CI]:-0.05~0.03)およびスタチン(効果:0.01、95%CI:-0.02~0.05)の効果は有意ではなかった。2剤の併用にも有意な効果を認めなかった。 ACE阻害薬は、プラセボと比較して微量アルブミン尿の発症率が低かった(p=0.046)が、主要評価項目に関する結果が陰性であったことと、統計解析の計画にも有意差はなかったことから、この発症率の低さは有意ではないと判定した(補正ハザード比[HR]:0.57、95%CI:0.35~0.94、p=0.03[有意水準:p<0.01])。 スタチンの使用により、総コレステロール値、LDLコレステロール値、非HDLコレステロール値、トリグリセライド値、アポリポ蛋白B/A1比が有意に低下した。一方、ACE阻害薬、スタチンともに、頸動脈内膜中膜厚、その他の心血管マーカー、糸球体濾過量、網膜症の進行には有意な影響を及ぼさなかった。 服薬レジメンへのアドヒアランスは全体で75%であった。重篤な有害事象の頻度は全群でほぼ同様で、予想外のものは報告されなかった。 著者は、「ACE阻害薬とスタチンによる早期介入のベネフィットの可能性を評価するには、これらのコホートのフォローアップを今後も行う必要があるだろう」としている。

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