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アテゾリズマブ併用療法、進行肺がん1次治療でPD-L1発現、遺伝子ステータスに関わらずPFSの改善示す(IMpower-150)/AACR2018

 米国がん研究会議年次集会(AACR2018)で、アテゾリズマブの第III相臨床試験IMpower-150の主要なサブグループの解析結果が発表され、非扁平上皮非小細胞肺がん(NCSLC)の1次治療において、アテゾリズマブの化学療法への追加によって、PD-L1発現、EGFR、ALKステータスに関わらないPFSの改善が示された。 IMpower-150試験はオープンラベル無作為化多施設共同試験・対象:転移を有する非扁平上皮NSCLC 1次治療患者(EGFR変異・ALK再構成陽性=EGFR+/ALK+含む)・試験群 A群:アテゾリズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル(Atezo+CP)→アテゾリズマブ B群:アテゾリズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ(Atezo+CP+Bev)→アテゾリズマブ+ベバシズマブ・C群(コントロール):カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ(CP+Bev)→ベバシズマブ・評価項目:複合主要評価項目は治験担当医によるPFSおよびOS(ともにEGFR/ALK野生型のITT解析対象患者)、副次評価項目は治験担当医評価によるPFS(全ITT解析対象患者)、独立評価機関(IRF)評価によるPFS、その他ORR、DOR、安全性であった。 ESMO Immuno Oncology 2017おいて、EGFR/ALK野生型のITT解析対象(692例)でのPFSデータが報告され、Atezo+CP+Bev群の8.3ヵ月に対しCP+Bev群6.8ヵ月(HR:0.62、p<0.0001)という結果であった。今回はAtezo+CP+Bev群対CP+Bev群における、PD-L1発現、エフェクターT細胞の関連遺伝子(Teff)発現、EGFR変異・ALK再構成、肝転移の有無といった主要なサブ解析の結果が発表された。 主な結果は以下のとおり。・PD-L1高発現患者(TC3またはIC3)のPFSは、Atezo+CP+Bev群12.6ヵ月、CP+Bev群6.8ヵ月(HR:0.39)、低発現患者(TC1/2またはIC1/2)のPFSは、それぞれ8.3ヵ月と6.6ヵ月(HR:0.56)、発現なしのPFSは、それぞれ7.1ヵ月と6.9ヵ月(HR:0.77)であった・Teff高発現患者のPFSは、Atezo+CP+Bev群11.3ヵ月、CP+Bev群6.8ヵ月(HR:0.51)、低発現患者のPFSは、それぞれ7.3ヵ月と7.0ヵ月(HR:0.76)であった・EGFR+/ALK+患者を含むITT解析対象全体(800例)のPFSは、Atezo+CP+Bev群8.3ヵ月、CP+Bev群6.8ヵ月(HR:0.61)であった・EGFR+/ALK+患者のみ(108例)のPFSは、Atezo+CP+Bev群9.7ヵ月、CP+Bev群6.1ヵ月(HR:0.59)であった・肝転移陽性(110例)のPFSは、Atezo+CP+Bev群8.2ヵ月、CP+Bev群5.4ヵ月(HR:0.40)であった。肝転移陰性(690例)のPFSは、それぞれ、8.3ヵ月と7.0ヵ月(HR:0.64)であった 一方、本年(2018年)3月にEGFR/ALK野生型におけるOSの改善が公表されたが、今回の会議では、具体的な数値は明らかにされなかった。■参考IMpower150試験(Clinical Trials.gov)■関連記事atezolizumab併用療法、進行肺がん1次治療の第III相試験でPFSに有意差(IMpower150)/ESMO Immuno Oncology 2017

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RAS変異大腸がんに対するFOLFOXIRI+ベバシズマブの1次治療(JACCRO CC-11)/Oncotarget

 FOLFOXIRI+ベバシズマブは、転移のある大腸がん(mCRC)の1次治療標準レジメンの1つである。しかし、RAS変異mCRC患者において、同レジメンの前向き試験はほとんどない。 また、本邦におけるこのトリプレット+ベバシズマブレジメンの用量についても議論が残る。イタリアの研究グループGONO(Gruppo Oncologico Nord Ovest)の用量を用いたFOLFOXIRIによる、本邦のmCRC1次治療の試験では、好中球減少や発熱性好中球減少症が高頻度に出現した。一方、修正用量を用いたFOLFOXIRI(mFOLFOXIRI)による、本邦のmCRC 1次治療の試験では、抗腫瘍効果を損なうことなく、実用可能な結果となった。 JACCRO CC-11試験は、本邦のRAS変異mCRCの1次治療におけるmFOLFOXIRI+ベバシズマブの有効性と安全性を評価する第II相試験である。Oncotarget誌2018年第9巻に結果が発表された。・調査対象:20~75歳のKRAS、NRAS変異を有する切除不能な転移のある大腸がん患者・治療 ・導入相:mFOLFOXILI(イリノテカン150mg/m2、オキサリプラチン85mg/m2、レボホリナート200mg/m2、フルオロウラシル2,400mg/m2 46時間持続注day1、2週ごと)およびベバシズマブ(5mg/kg、day1、2週間ごと)。最大12サイクル。 ・維持相:レボホリナート200mg/m2、フルオロウラシル2,400mg/m2 day1、2週ごと)PDとなるまで継続・主要評価項目:外部レビュー委員会評価による客観的奏効率(ORR)・副次評価項目:無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、早期腫瘍縮小(ETS)、奏効の深さ(DpR)、安全性 主な結果は以下のとおり。・2014年10月~2016年8月に64例の患者が登録された(有効性評価は62例、安全性評価は63例)。・患者の平均年齢は62.5歳、右側腫瘍が27%を占めた。・mFOLFOXIRI+ベバシズマブのORRは75.8%(95%CI:65.1~86.5)、病勢コントロール率は、96.8%(95%CI:92.4~100)であった。・PFS中央値は11.5ヵ月(95%CI:9.5~14.0)、ETSは73.8%、DpRは49.2%であった。・Grade3/4の有害事象は、好中球減少(54%)、高血圧(32%)、下痢(13%)、食欲不振(11%)、末梢神経障害(2%)、発熱性好中球減少症(5%)であった。 この第II相試験試験の結果から、FOLFOXIRI+ベバシズマブは、RAS変異mCRC患者の1次治療に有効なレジメンであることが初めて示された。さらに、用量修正したmFOLFOXIRIは本邦におけるトリプレットレジメンとして有用であることが提案された。■参考Satake H, et al. Oncotarget. 2018; 9:18811-18820■関連記事大腸がんの最新薬物療法

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ペムブロリズマブ、PD-L1発現肺がんの1次治療に単剤でOS改善(KEYNOTE-042)

 メルク社は2018年4月9日、非扁平上皮、扁平上皮を含む非小細胞肺がん(NSCLC)に対する、ペムブロリズマブ単剤での1次治療を評価する第III相試験KEYNOTE-042試験で、主要評価項目である全生存期間(OS)を達成したと発表。独立データモニタリング委員会(DMC)による中間解析で、PD-L発現1%以上の患者において、ペムブロリズマブの単剤治療が、プラチナベースの化学療法(カルボプラチン+パクリタキセルまたはカルボプラチン+ペメトレキセド)と比べ、OSの有意な改善を示した。この試験におけるペムブロリズマブの安全性プロファイルは、進行NSCLC患者の単独療法試験で以前に報告されたものと一致していた。 KEYNOTE-042は、局所進行または転移性のPD-L1陽性(TPS≧1%)のNSCLC患者における標準治療のプラチナベース化学療法に対し、ペムブロリズマブ単独療法を評価する国際無作為化オープンラベル第III相試験。主要評価項目はOSで、TPS50%以上、20%以上、および1%以上で順次評価される。副次評価項目は、PFSおよび奏効率(ORR)。1,274例の患者が、ペムブロリズマブの単独療法または治験担当医の裁量で選択されたプラチナベース化学療法に1:1で無作為化された。DMCの勧告に基づき、副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)の評価も継続する。※TPS:Tumor Proportion Score 腫瘍細胞のうちPD-L1発現陽性細胞の割合 メルク社のニュースリリースのなかで、香港中文大学のTony Mok氏は、「OSの改善は、進行肺がんの治療における究極の目的である。KEYNOTE-042は、PD-L1陽性NSCLCの1次治療に対し免疫療法単剤で、OSを主要評価項目とし、さらに有意な効果を示した、初めての無作為化第III相試験である」と述べている。 メルク社のプレスリリースでは、具体的な数値は明らかにされておらず、今後の医学学会で発表される予定だという。■参考KEYNOTE-042試験(Clinical Trials.gov)

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アテゾリズマブと化学療法の併用、扁平上皮肺がん1次治療でPFS延長(IMpower131)

 ロシュ社は2018年3月20日、第III相臨床試験であるIMpower131試験において、2つの主要評価項目の1つである無増悪生存期間(PFS)について、アテゾリズマブ(商品名:テセントリク)と化学療法(カルボプラチン+nab-パクリタキセル)の併用療法により、化学療法単独と比較して、進行扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療における病勢進行または死亡リスクが低下(PFS延長)したことを発表した。アテゾリズマブと化学療法の併用における安全性は、これまで各薬剤で認められている安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性のシグナルは確認されなかった。今回の中間解析の時点では、統計学的に有意な全生存期間(OS)の延長は観察されておらず、試験は計画どおり継続する。これらの成績は、今後開催されるがん関連学会で発表される予定。 IMpower131試験は、化学療法未実施のStage IVの扁平上皮NSCLCを対象とし、アテゾリズマブとカルボプラチン+nab-パクリタキセル、またはアテゾリズマブとカルボプラチン+パクリタキセルの併用療法と、化学療法(カルボプラチン+nab-パクリタキセルの併用)単独の有効性および安全性を比較検討するオープンラベル多施設共同無作為化第III相臨床試験である。本試験には、下記の3群に1:1:1に無作為割り付けた1,021例が登録された。・A群:アテゾリズマブとカルボプラチン+パクリタキセルの併用・B群:アテゾリズマブとカルボプラチン+nab-パクリタキセルの併用・C群(対照群):カルボプラチン+nab-パクリタキセル2つの主要評価項目は、治験参加医師がRECIST v1.1を用いて評価したITT集団におけるPFS(B群対C群)およびITT集団におけるOS(B群対C群)である。 IMpower131試験の統計解析計画では、C群(カルボプラチン+nab-パクリタキセルの)に対するB群(アテゾリズマブとカルボプラチン+nab-パクリタキセルの併用)の統計学的に有意なOSの延長が認められた場合に、C群に対するA群(アテゾリズマブとカルボプラチン+パクリタキセルの併用)の解析(PFSおよびOS)を実施することがあらかじめ計画されている。 現在、ロシュ社はアテゾリズマブ単独または他剤との併用において、肺がんを対象とした8つの第III相臨床試験を実施しており、そのうちの5つの試験成績について本年発表する予定である。■参考IMpower131試験(Clinical Trials.gov)■「アテゾリズマブ」関連記事アテゾリズマブ、小細胞肺がんのOS、PFS改善(IMpower133)/NEJM

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アテゾリズマブ併用療法、進行肺がん1次治療でOS有意差(IMpower150)

 F. ホフマン・ラ・ロシュ社は3月26日、第III相臨床試験IMpower150試験に関し、中間解析において主要評価項目の一つである全生存期間(OS)の延長が示され、進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療におけるアテゾリズマブ(商品名:テセントリク)とベバシズマブ、カルボプラチン、パクリタキセル(化学療法)の併用により、ベバシズマブ、カルボプラチン、パクリタキセルの併用に比べ、生存期間の延長が示されたことを発表した。OSの延長は、PD-L1発現状況によって層別化されたグループを含む、主要なサブグループに共通して認められた。アテゾリズマブとベバシズマブ、カルボプラチン、パクリタキセルの安全性は、これまで各薬剤で認められている安全性プロファイルと一致しており、本併用療法で新たな安全性のシグナルは確認されなかった。これらの成績は、今後開催されるがん関連学会で発表される予定。 IMpower150試験は、化学療法未施行のStageIV非扁平上皮NSCLC患者を対象に、アテゾリズマブとカルボプラチン、パクリタキセルの併用に、ベバシズマブを追加または追加しない場合の有効性と安全性を、カルボプラチンとパクリタキセル、ベバシズマブとの併用療法と比較検討した、オープンラベル無作為化多施設共同第III相臨床試験。主要評価項目は、ALKまたはEGFRの遺伝子変異患者を除くITT解析集団、ならびにT細胞活性調整因子(Teff)の遺伝子発現により層別化した集団におけるPFSおよびITT解析集団のOS。1,202例の患者を以下のA~C群に1:1:1の割合で無作為化し、各群の投与レジメンに従い3週に1回間隔で薬剤を投与した。A群:アテゾリズマブ(1,200mg)+カルボプラチン(AUC6)+パクリタキセル(200mg/m2)B群:アテゾリズマブ(1,200mg)+カルボプラチン(AUC6)+パクリタキセル(200mg/m2)+ベバシズマブ(15mg/kg)C群:カルボプラチン(AUC6)+パクリタキセル(200mg/m2)+ベバシズマブ(15mg/kg) アテゾリズマブは国内で、本年1月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の適応症において、承認を取得している。■関連記事atezolizumab併用療法、進行肺がん1次治療の第III相試験でPFSに有意差(IMpower150)/ESMO Immuno Oncology 2017アテゾリズマブ、小細胞肺がんのOS、PFS改善(IMpower133)/NEJM

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Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(下巻)

第7回 頭頸部がん 第8回 食道がん 第9回 肝胆膵がん 第10回 婦人科がん 第11回 泌尿器がん 第12回 造血器腫瘍 第13回 脳腫瘍 第14回 緊急症 第15回 緩和ケア がん化学療法が一般的な治療となり、一般内科でもがん患者を診る機会が多くなりました。この番組では、がん種ごとに、基本的知識、ステージ、主な治療法、化学療法とその副作用をコンパクトに解説。下巻では7つのがんとオンコロジックエマージェンシー、緩和ケアを収録。すべての医療者が自信を持ってがん患者と向き合えるための知識を、腫瘍内科 大山優先生がレクチャーします!第7回 頭頸部がん 咽頭、口腔、鼻腔など発現部位によって予後や治療法が異なる頭頸部がん。技術的・機能的に可能な場合は外科的切除、不可能な場合はケモラジ、すなわち放射線治療と化学療法の合わせ技で対応します。発見前には舌の違和感や出血などで来院することもあり、治療後には口腔内の合併症など、一般医のフォローも必要ですので、ぜひポイントを押さえてください。 第8回 食道がん 食道がんの手術後には、吻合部が狭窄し、嚥下障害を起こすことがあります。唾液が飲み込めないなど、生活に支障を来す患者のQOL改善には一般内科医のフォローが必須!食道がんは気管、大動脈、心膜、椎体に接するため、浸潤しやすいのが恐ろしい点です。症状のある患者は進行している場合が多く、治癒率も高くないなど、基礎知識も押さえておきましょう。第9回 肝胆膵がん 肝胆膵がんは病態が多様で、患者ごとの治療選択がとても重要です。肝がんは慢性肝炎や肝硬変の進行具合によって治療が異なり、殺細胞薬はほとんど効果がないこと、膵がんは早期発見が難しく約4%の患者しか完治できないことなど、一般内科医でもこれだけは知っておきたい肝胆膵がんの基本的知識、治療方法、副作用をコンパクトに解説します。第10回 婦人科がん 今回は子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんをぎゅっとまとめてレクチャー。この3つは共通してカルボプラチンとパクリタキセルを使用した化学療法を行います。これだけでも覚えておきたいポイントです。そのほかHPV(ヒト乳頭腫ウイルス)など、一般内科医にも最低限知っておいてほしい婦人科がん知識をお伝えします!第11回 泌尿器がん 今回は腎がん、尿路上皮がん、前立腺がん、精巣がんをまとめてレクチャーします。泌尿器がんは患者によって進行のスピードや薬剤反応性などに大きな個人差があるのが特徴です。とくに前立腺がんは緩徐進行性のため治療不要となる場合があり、PSA検診の可否が問題となっています。新薬開発の目覚しい化学療法や、QOL確保のための膀胱温存療法、ホルモン療法など、一般内科医でも知っておきたいがん知識が満載です!第12回 造血器腫瘍 造血器腫瘍は遺伝子レベルで病型が細分化され、新薬の登場とともに、治療も複雑化しています。急性白血病や悪性リンパ腫でも、化学療法は比較的有効で、的確な治療と全身管理によって完治できるタイプもあります。初診時に見逃してはならない、メディカルエマージェンシーのポイントを解説します!第13回 脳腫瘍 脳腫瘍は原発性と転移性に分けられます。原発性の悪性腫瘍は境界が不明瞭なため完全摘出が難しく、手術後に化学放射線療法を行います。転移性脳腫瘍は、原発腫瘍の部位や状態によって治療方法が異なります。なかでも、EGFR遺伝子変異性肺がんのように化学療法高度感受性の原発腫瘍の場合は、転移巣も化学療法が有効となるケースがあります。このように最近は脳腫瘍でも長期予後が期待できる場合もあるので、脳腫瘍治療のエッセンスを一通り覚えておきましょう!第14回 緊急症 がん患者の容態悪化、Oncologic Emergencyに対応できますか?一般内科でも外来でがん治療中の患者に遭遇する機会が多くなりました。専門医でなくとも、抗がん剤の副作用や合併症に対応しなければなりません。今回は一般内科医でも是非知っておいてほしい、経過観察してはいけないがんの緊急症について解説します!第15回 緩和ケア 最終回はがん診療においては必須となる緩和ケア。とくに疼痛治療の要となるオピオイドについて、開始方法や副作用を説明します。一般内科でも疼痛ケアや術後のフォローなどを行う機会が増えています。これだけは知っておきたい緩和ケア知識をぜひチェックしてください。

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ASCO-GI2018レポート

レポーター紹介2018年1月18日から1月20日まで米国サンフランシスコにて米国臨床腫瘍学会消化器がん会議(ASCO-GI)が開かれた。初日こそ雨であったものの、2日目、3日目は快晴であり過ごしやすい日程であった。学会ではOral Presentation、Poster Presentation、Rapid-Fire Abstract Session、Trials in Progress Sessionなどに分けられ、大規模臨床試験の結果だけでなく、小規模なデータや現在試行中の臨床試験の紹介も行われた。本稿では、そのなかのいくつかを紹介する。RAINFALL試験 抗VEGFR-2抗体であるラムシルマブ(RAM)は、RAINBOW試験、REGARD試験により胃がんに対する有効性が証明され、現在では本邦、NCCN、ESMOの胃がん治療ガイドラインにおいて、標準的な2次化学療法として位置付けられている。RAINFALL試験はRAMを1次治療として使用したときの効果、安全性を検証する第III相無作為化比較試験である。対象は、前治療歴のないHER2陰性胃がん・胃食道接合部がん症例であり、RAM+カペシタビン+CDDP(RAM群)、Placebo+カペシタビン+CDDP(Placebo群)に1:1に無作為割り付けされた。主要評価項目はPFSであり、副次評価項目はOS、RR、Safety、QOL、PK profileであった。全体で645例が登録され、326例がRAM群、319例がPlacebo群に割り付けられた。主要評価項目であるPFSは、RAM群5.72ヵ月、Placebo群5.39ヵ月(HR:0.75、95%CI:0.61~0.94、p=0.011)であり、統計学的に有意な結果であった。副次評価項目であるOSは、RAM群11.17ヵ月、Placebo群10.74ヵ月(HR 0.98、95%CI:0.80~1.16、p=0.68)であり両群に有意差を認めなかった。有害事象の解析では、高血圧、血小板減少、食思不振、消化管穿孔、出血、蛋白尿の比率がRAM群で高く認められた。後治療の導入率はRAM群46%、Placebo群51%であり、いずれの群でも2次治療以後にRAMを使用した症例が認められた。PFSはpositiveであったものの、その差はMedianでわずか0.3ヵ月であり、また、OSの延長効果は認められず、全体としてnegativeという趣旨の発表であった。興味深かったのが2次治療導入からのOSの解析であり、2次治療以後でRAMを使用した場合のOSは、RAM群7.7ヵ月、Placebo群8.8ヵ月、また2次治療以後でRAMを使用しなかった場合のOSは、RAM群6.5ヵ月、Placebo群6.7ヵ月であり、2次治療以後でRAMを使用したほうがOSは良好な傾向であった。Discussantはコストについても言及し、今回得られたPFSの延長0.3ヵ月(=9日)のためにかかるコストは、体重70kgの場合、1サイクルで7,457ドル、9サイクルで6万7,112ドルであり、その意義について疑問を呈していた。胃がんに対する1次治療としてのRAMはnegativeであったわけだが、今後の胃がん1次治療の新たな展開としては現在、免疫チェックポイント阻害剤の臨床試験が進められており、本学会においても、ニボルマブ+イピリムマブ、ニボルマブ+化学療法(XELOX or FOLFOX)、化学療法の3群の比較試験 (CheckMate-649, TPS 192)や 、FOLFOX、XELOXでInduction治療を行った後に維持療法として同じ治療を継続するか、抗PD-L1抗体であるアベルマブに変更するかを比較するJAVELIN試験(TPS 195)などが、Trials in Progress Sessionにおいて紹介されていた。RAINFALL: A randomized, double-blind, placebo-controlled phase III study of cisplatin (Cis) plus capecitabine (Cape) or 5FU with or without ramucirumab (RAM) as first-line therapy in patients with metastatic gastric or gastroesophageal junction (G-GEJ) adenocarcinoma. (Abstract No.:5)Charles SREVERCE試験 本邦で行われたREVERCE試験がRapid-Fire Sessionで報告された。現在、進行再発大腸がんにおけるガイドラインにおいては、セツキシマブ(C)などの抗EGFR抗体の後にレゴラフェニブ(R)を使用することが勧められている。一方、治療早期にRを使用することにより良好な効果が得られることも報告されており、CとRのより適正な投与順序を探索する本試験が行われた。対象は、フルオロピリミジン、オキサリプラチン、イリノテカンなどの標準治療に不耐、不応となった、KRASもしくはRAS野生型の進行再発大腸がんであり、R→Cの順番で治療を行うR-C群と、C→Rの順番で治療を行うC-R群に無作為化割り付けされた。主要評価項目はOS、副次評価項目はTTF、PFS、RR、DCR、AE、QOLであった。当初180例の登録と132のイベントが必要とされたが、101例で登録終了となり、今回その結果が報告された。主要評価項目のOSは、R-C群17.4ヵ月、C-R群11.6ヵ月であり、R-C群において有意に良好であった(HR:0.61、95%CI:0.39~0.96、p=0.029)。先に行う治療のPFS(PFS1)は、R-C群(R)2.4ヵ月、C-R群(C)4.2ヵ月であり、後に行う治療のPFS(PFS2)はR-C群(C)5.2ヵ月、C-R(R)群1.8ヵ月であった。奏効率はRでは4.0%(R-C群)、0.0%(C-R群)、Cは20.4%(R-C群)、27.9%(C-R群)と、それぞれほぼ既報の通りであった。RをCの前に投与することでOSの延長がみられた、ということが今回の結果である。その機序であるが、PFSの比較をみるとR後のCのPFSが良好な印象である。Rの投与により、AKT系などさまざまな分子生物学的な変化が腫瘍細胞に起こることが基礎研究で明らかになっており、これらの変化がCの効果を増強した可能性は考えられるかもしれない。試験としては予定された症例数に満たず、Under Powerであることは念頭に置く必要があるが、これまで広く行われてきた治療方針と違う結果が示されたということは、その機序も含め、非常に興味深いところである。Reverce: Randomized phase II study of regorafenib followed by cetuximab versus the reverse sequence for metastatic colorectal cancer patients previously treated with fluoropyrimidine, oxaliplatin, and irinotecan.)(Abstract No.:557)Kohei ShitaraSAPPHIRE試験 RAS野生型進行再発大腸がんにおいてパニツムマブ(pani)+mFOLFOX6は標準治療の1つであるが、オキサリプラチン継続に伴う末梢神経障害は、患者のQOLを低下させるだけでなく、治療意欲の減退、治療継続性にも影響しうる重要な有害事象である。本試験は6コースのpani+mFOLFOX6を行った後に、そのまま同じ治療を継続するA群と、7コース目からはオキサリプラチンを休薬し、pani+5-FU+LVとして治療を継続するB群との2つの群を設定した無作為化第II相試験である。主要評価項目は無作為化後9ヵ月時点での無増悪生存率(PFS rate)であり、副次評価項目はPFS、OS、TTF、Safetyが設定された。本試験は2つの治療群のそれぞれの成績を検証するParallel-group studyという形がとられ、閾値30%、期待値50%、片側 α 値 0.10として各群50例、全体で100例の無作為化が必要な統計学的計算であった。164例が登録され、6コースのpani+FOLFOX後に腫瘍進行や手術移行などによる脱落を除いた113例がA群(56例)とB群(57例)に無作為化割り付けされた。主要評価項目である無作為化後9ヵ月(治療開始から約12ヵ月)時点でのPFS rateは、A群46.4%(95%CI:38.1~54.9、p=0.0037)、B群47.4%(95%CI: 39.1~55.8、p=0.0021)であり、両群ともに主要評価項目を満たした。副次評価項目であるPFSはA群9.1ヵ月、B群9.3ヵ月、RRはA群80.4%、B群87.7%であり、両群で近似した治療成績であった。Grade2末梢神経障害は、A群10.7%に対してB群1.9%であり、オキサリプラチンを早期で終了したB群において少なかった。昨年publishされたPan-Asian adapted ESMO consensus guidelinesにおいて、RAS野生型進行再発大腸がんにおいて原発巣が左側であれば1次治療からの抗EGFR抗体+doubletの使用が推奨され、本邦の各施設において同治療を行う機会は増えてくると予想される。そのときに、効果、有害事象をみながらであるが、早期にオキサリプラチンを中止し、pani+5-FU+LVという形で治療を継続しても、効果は大きくは落ちないことを示唆した結果であり、臨床での応用性は高いと考えられる。SAPPHIRE: A randomized phase II study of mFOLFOX6 + panitumumab versus 5-FU/LV + panitumumab after 6 cycles of frontline mFOLFOX6 + panitumumab in patients with colorectal cancer.(Abstract No.:729)Masato Nakamuraまとめ本稿では殺細胞薬、分子標的治療薬の演題につき報告したが、免疫チェックポイント阻害剤の話題も多くあり消化管、肝胆膵領域の化学療法も新たな時代に移ろうとしているのを実感した学会であった。

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NSCLC2次治療以降のS-1、ドセタキセルに非劣性(East Asia S-1Trial in Lung Cancer)/Ann Oncol

 最近の分子標的療法や免疫療法の進歩にもかかわらず、化学療法は依然として進行非小細胞肺がん(NSCLC)治療における実質的な選択肢である。進行NSCLC患者の2次または3次治療において、S-1の有効性をドセタキセルと比較した、軒原 浩氏らによるEast Asia S-1Trial in Lung Cancer試験の結果が、Annals of Oncology誌2017年11月1日号に掲載された。 East Asia S-1 Trial in Lung Cancer試験は無作為化オープンラベル第III相非劣性試験。日本、中国、香港、シンガポール、台湾などの84施設で行われた。・対象患者:1回以上のプラチナベース化学療法を受けた進行NSCLC患者。・試験薬:S-1(80~120mg /日)6週間サイクル1〜28日目投与。・対象薬:ドセタキセル(75mg/m2、日本のみ60mg/m2)3週間サイクル1日目投与。・評価項目:全生存期間(OS)。非劣性マージンはハザード比(HR)1.2。 主な結果は以下のとおり。・1154例の患者が登録され、S-1群とドセタキセル群に1対1に無作為に割り付けられた。・患者背景は両群で同等であった(日本人が6割以上を占め、前治療例は1回が6割超、2回が3割超)。・OS中央値は、S-1群12.75ヵ月、ドセタキセル群12.52ヵ月であった(HR:0.945、95%CI:0.833~1.073、p=0.3818)。・HRの95%CIの上限1.2を下回り、ドセタキセルに対するS-1の非劣性を確認した。・無増悪生存期間は、S-1群2.86ヵ月、ドセタキセル群2.89ヵ月で、両群間で差はなかった(HR:1.033、95%CI:0.913~1.168、p=0.6080)。・奏効率はS-1群8.3%、ドセタキセル群9.9%であった(p=0.3761)。・EORTC QLQ-C30によるQOLは、全観察時点でS-1群が上回っていた。・頻度の高い有害事象はS-1群では食欲不振(50.4%)、悪心(36.4%)、下痢(35.9%)、ドセタキセル群では好中球減少症(54.8%)、白血球減少症(43.9%)、脱毛(46.6%)であった。

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NSCLCへのニボルマブ、2年後もドセタキセルに対しOS改善(CheckMate-017、057プール解析)/JCO

 既治療の進行非小細胞肺がん(NSCLC)においてニボルマブとドセタキセルを比較した2つの第III相試験(扁平上皮がんでのCheckMate-017、非扁平上皮がんでのCheckMate-057)のプール解析の更新結果が報告され、ニボルマブはドセタキセルと比較し全生存期間(OS)を延長していることが示された。CheckMate-017とCheckMate-057の2年OS率 患者はプラチナベース化学療法で進行したStageIIIB / IVのNSCLC。ニボルマブ(3mg/kg 2週間ごと)とドセタキセル(75mg / m2 3週間ごと)に1対1に割り付けられ、扁平上皮がん272例、非扁平上皮がんは582例、追跡期間は24.2ヵ月以上であった。 CheckMate-017とCheckMate-057のプール解析の主な更新結果は以下のとおり。・CheckMate-017の扁平上皮がんの2年OS率は、ニボルマブ23%(16~30%)に対し、ドセタキセル8%(4~13%)であった。・CheckMate-057の非扁平上皮がんの2年OS率は、ニボルマブ29%(24~34%)に対しドセタキセルは16%(12~20%)であった。・ニボルマブでは扁平上皮がんの27例中10例(37%)、非扁平上皮がんの56例中19例(34%)で2年後も奏効が持続したが、ドセタキセル群ではいずれの組織型でも奏効持続はみられなかった。・ニボルマブのドセタキセルに対する相対的死亡リスク減少は、28%(HR:0.72、95%CI:0.62~0.84)であった。・治療関連有害事象発現は、全Gradeでニボルマブ68%、ドセタキセル88%。Grade3/4でニボルマブ10%、ドセタキセル55%と、ニボルマブで少なかった。

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卵巣がんアジュバント、腹腔内温熱化療で生存延長/NEJM

 StageIII上皮性卵巣がんの患者において、術前補助化学療法後の中間期腫瘍減量手術に、シスプラチンによる腹腔内温熱化学療法(HIPEC)を追加することで、無再発生存期間、全生存期間ともに延長することが示された。副作用の発現率も有意に高率とはならなかった。オランダ・Netherlands Cancer InstituteのWillemien J.van Driel氏らが、245例を対象に行った第III相多施設共同非盲検無作為化試験の結果で、NEJM誌2018年1月18日号で発表した。新規診断の進行卵巣がんでは、通常、腫瘍減量手術と全身化学療法が行われる。中間期腫瘍減量手術+シスプラチンによるHIPEC 研究グループは、2007年4月~2016年4月に、オランダとベルギーの8施設で、StageIII上皮性卵巣がんで術前補助化学療法としてカルボプラチン(曲線下面積5~6mg/mL/分)とパクリタキセル(175mg/m2)の投与を3サイクル実施後、病勢が安定以上だった245例を登録して試験を行った。 被験者を無作為に2群に分け、中間期腫瘍減量手術に追加して、一方にはシスプラチン(100mg/m2)によるHIPECを行い、もう一方には行わなかった。 無作為化は、手術で肉眼的病変が消失すると判断された症例(完全腫瘍減量手術)や、術後に径10mm以下の腫瘍が1つ以上残存すると判断された症例(最善の腫瘍減量手術)を対象に、手術が実施可能とみなされた時点で行った。術後に、カルボプラチンとパクリタキセルの投与をさらに3サイクル行った。 主要評価項目は無再発生存期間。キー副次評価項目として、全生存期間と副作用プロファイルを評価した。再発・死亡リスクはHIPEC追加群で約0.66倍に intention-to-treat解析の結果、再発または死亡の発生は、非HIPEC(手術単独)群89%(123例中110例)に対し、HIPEC(手術+HIPEC)群は81%(122例中99例)だった(ハザード比[HR]:0.66、95%信頼区間[CI]:0.50~0.87、p=0.003)。 無再発生存期間の中央値は、手術単独群10.7ヵ月、手術+HIPEC群は14.2ヵ月だった。 中央値4.7年の追跡期間中、死亡の発生は手術単独群76例(62%)、手術+HIPEC群は61例(50%)だった(HR:0.67、95%CI:0.48~0.94、p=0.02)。全生存期間中央値は、手術単独群33.9ヵ月、手術+HIPEC群は45.7ヵ月だった。 なお、Grade3または4の有害事象の発現頻度は、手術単独群25%、手術+HIPEC群27%で同程度だった(p=0.76)。

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チェックポイント阻害薬でOSを得られる2次治療の肺がん患者

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)2次治療における、チェックポイント阻害薬の生存ベネフィットに関する臨床的・分子的な予測因子はどのようなものか。この研究は、チェックポイント阻害薬とドセタキセルの効果の関係を、全体的な観点および臨床病理的特徴によって定義されたサブグループにおいて予測するため、システマティックレビューが行われた。JAMA Oncology誌オンライン版2017年12月21日号掲載のオーストラリア・シドニー大学による研究。・データソースはMEDLINE、Embase、PubMed、Cochrane Central Register of Controlled Trialsから検索した1996年1月1日~2017年1月30日に英語で発表された無作為化臨床試験。・その中からチェックポイント阻害薬(ニボルマブ、ペムブロリズマブ、atezolizumab)とドセタキセルを比較した試験が選択された。・2名の査読者によって研究選択、データ抽象化、バイアスリスク評価が実施された。・全体集団およびサブグループについて、ハザード比(HR)および95%信頼区間を抽出。・治療の統合推定値は逆分散加重法を用いて算出した。 主な結果・進行NSCLC患者3,025例を対象とした合計5件の試験がレビュー対象となった。・これらの試験で、患者はチェックポイント阻害薬であるニボルマブ427 例(14.1%)、ペムブロリズマブ691例(22.8%)、atezolizumab569例(18.8%)とドセタキセル1,338例 (44.2%)に無作為に割り付けされていた。・チェックポイント阻害薬は、ドセタキセルと比べOSを延長した(HR:0.69、95%CI:0.63~0.75、p<0.001)。・EGFR野生型サブグループではチェックポイント阻害薬によるOSの延長が確認されたが(HR:0.67、95%CI:0.60~0.75、p<0.001)、EGFR変異サブグループでは認められなかった(HR:1.11、95%CI:0.80~1.53、p=0.54、interaction p=0.005)。・チェックポイント阻害薬によるOSの延長は、KRAS変異サブグループでもみられたが(HR:0.65、95%CI:0.44~0.97、p=0.03)、KRAS野生型サブグループでは認められなかった(HR:0.86、95%CI:0.67~1.11、p=0.24、interaction p=0.24)。・喫煙、PS、年齢、組織形、性別による治療ベネフィットの相関はみられなかった。

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アテゾリズマブ、既治療の尿路上皮がんでOS延長せず/Lancet

 PD-L1高発現のプラチナ製剤抵抗性の局所進行/転移性尿路上皮がん患者において、化学療法と比較し、PD-L1阻害薬アテゾリズマブによる全生存期間(OS)の有意な延長は認められなかった。英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のThomas Powles氏らが、多施設共同無作為化非盲検第III相試験「IMvigor211試験」の結果を報告した。プラチナ製剤併用化学療法後に増悪した、局所進行/転移性尿路上皮がんに対する治療の選択肢はほとんどないが、近年、免疫チェックポイント阻害薬の登場により転移性尿路上皮がんの治療は変化してきていた。Lancet誌オンライン版2017年12月18日号掲載の報告。アテゾリズマブ vs.vinflunine/パクリタキセル/ドセタキセルのいずれかで、OSを比較 IMvigor211試験は、主に欧州、北米、アジア太平洋地域の大学病院および地域腫瘍専門病院217施設が参加して実施された。 対象は、プラチナ製剤併用化学療法後に増悪した18歳以上の局所進行/転移性尿路上皮がん患者で、音声自動応答/web登録システム(IXRS)を介し置換ブロック法(ブロックサイズ4)を用いて、3週ごとにアテゾリズマブ(1,200mg静注投与)または化学療法(医師の選択による、vinflunine 320mg/m2静注、パクリタキセル175mg/m2静注、ドセタキセル75mg/m2静注のいずれか)を行う群に、1対1の割合で無作為に割り付けた。割り付けは、PD-L1発現状態(腫瘍浸潤免疫細胞におけるPD-L1発現が1%未満[IC0]または1%以上5%未満[IC1]vs.5%以上[IC2/3])、化学療法の種類(vinflunine vs.タキサン系)、肝転移(あり vs.なし)、予後因子の数(0 vs.1~3)で層別化した。患者と試験担当医は、割り付けは認識していた。また、PD-L1発現状態については、患者と試験担当医およびスポンサーは盲検化された。 主要エンドポイントはOSで、事前に規定した母集団について順を追って検証した(IC2/3→IC1/2/3→intention-to-treat集団)。アテゾリズマブと化学療法でOSに有意差なし 2015年1月13日~2016年2月15日に、198施設からの患者931例が無作為化された(アテゾリズマブ群467例、化学療法群464例)。 PD-L1発現5%以上(IC2/3)の患者234例におけるOS中央値は、アテゾリズマブ群11.1ヵ月(95%信頼区間[CI]:8.6~15.5、116例)、化学療法群10.6ヵ月(95%CI:8.4~12.2、118例)で、有意差は認められなかった(層別化ハザード比[HR]:0.87、95%CI:0.63~1.21、p=0.41)。 同IC2/3集団における客観的奏効率(ORR)も、アテゾリズマブ群23%(26/113例)、化学療法群22%(25/116例)と同等であった。奏効期間中央値は、アテゾリズマブ群15.9ヵ月(95%CI:10.4~推定不可)、化学療法群8.3ヵ月(95%CI:5.6~13.2)で、アテゾリズマブ群が数値的には長かった(HR:0.57、95%CI:0.26~1.26)。 intention-to-treat集団において、Grade3~4の治療関連有害事象の発現頻度は、アテゾリズマブ群(91/459例、20%)が化学療法群(189/443例、43%)より少なく、治療中止に至った有害事象も少なかった(34例[7%]vs.78例[18%])。アテゾリズマブの安全性プロファイルは化学療法と比較して良好であり、intention-to-treat集団での予備解析の結果は同様の対象集団で実施された第II相試験と一致しており、忍容性が良好で効果の持続が示唆された。■「アテゾリズマブ」関連記事アテゾリズマブ、小細胞肺がんのOS、PFS改善(IMpower133)/NEJM

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侍オンコロジスト奮闘記~Dr.白井 in USA~ 第50回

第50回:免疫チェックポイント阻害薬はアジュバントに使えるか?キーワード非小細胞肺がんdurvalumabメラノーマニボルマブイピリムマブ動画書き起こしはこちら こんにちは。ダートマス大学腫瘍内科の白井 敬祐です。僕が担当している肺がんとメラノーマの領域で最近話題になったのはスペインのマドリードで行われた欧州臨床腫瘍学会ESMOですね。肺がんでは2つ、メラノーマでも同じように大きな話題がありました。PACIFIC trial。StageIIIの肺がん…縦郭リンパ節が陽性になると自動的にStageIIIになるのですが…は、現在5年生存率が15~25%。良くても25%程度で、根治は望めるけれど頻度が非常に低いという病期なのですが、そこでchemo-radiationが終わったあとに、効果があった患者さん、あるいはSDの患者さんに対し、アストラゼネカの抗PD-L1抗体durvalumabを2週間おきに12ヵ月使った群とプラセボ群を使った結果が発表されました。そこではPFSが16ヵ月以上と6ヵ月程度とほぼ3倍に延びたという結果でした。StageIIIの肺がんというのは、いろいろな抗がん剤を使ったり、chemo-radiationが終わった後にドセタキセルなどをconsolidationとして使ったり、エルロチニブを使ったり、あるいは放射線の照射の量や仕方を変えるなど工夫されたものの、ぱっとした結果が出ていなかったなか、ここ20年で初めてStageIIIの肺がん治療が大きく変わる可能性があるという結果が発表されました。なかには「コントロールアームのPFSが5.6ヵ月と非常に悪い」と、言う人もいますが、これはランダマイズドの、しかもプラセボコントロールの試験なので、やはり陽性なのでしょうね。早いことに、NCCNのガイドラインには既にdurvalumabのことが載っています。FDAにはまだ認可されていないのですが、僕も2人ほどchemo-radiationが終わった患者さんがいて、その患者さんに、こういう治療があるので、保険会社がオーケーしてくれるかどうか申請してみましょうかと、申請を始めたばかりです。ちょっと下世話な話になるのですが、MYSTIC試験…StageIVの肺がんで同じアストラゼネカの抗CTLA-4抗体tremelimumabとdurvalumabを組み合わせてどうなるかというPhaseIII試験…が残念ながらネガテイブな結果だったんですね。アメリカの医者の中に、ブログでその時に株価が一気に下がったと言うことを書いている人がいました。株価が下がってから、ESMOでポジティブな結果の2つの臨床試験が発表されて、株価がどうなったか書いているんです。本当にいろいろなことを、いろいろな観点から発信する人がいるんだな、と思いながら面白く読んでいました。彼によると、「アストラゼネカの株価自体はMYSTICで下がる前のレベルには戻っていないが、回復しています」ということです。臨床試験が株価に反映される。Conflict of Interest、COIとはもう離れられない世界であることは確実ですね。それ以外には、僕が担当しているメラノーマの領域でイピリムマブとニボルマブをStageIIIB、StageIIIC、resected StageIVのアジュバントの患者さんに使った試験の結果が発表されました。それもNew England of Journalに載りましたが、ニボルマブを使ったほうがイピリムマブを使うよりもRelapse Free Survivalが有意に改善しました。StageIIIのchemo-radiation後の肺がん患者さんと同じように、アジュバントで使うというのは、この患者さんのがんが残っているか残ってないかわからない状況で、がん抗原の発現がはっきりしない時にimmune checkpointを使うということで、意味があるのが非常に議論の対象になっていました。面白いことに今回、2つのstudyのどちらもアジュバントで再発生存期間を伸ばしたということが報告されたのは、臨床的にあるいはscienceとしても面白いことだと思います。実際そういう治療後の患者さんで、circulating tumor cellあるいはがん抗原がどのように、どういう場所で発現しているか、というのは非常に興味のあるところです。Antonia SJ, et al.Durvalumab after Chemoradiotherapy in Stage III Non–Small-Cell Lung Cancer.N Engl J Med.2017;377:1919-1929.durvalumab維持療法、Stage III肺がんのPFSを有意に改善(PACIFIC)/ESMO2017J Weber, et al. Adjuvant Nivolumab versus Ipilimumab in Resected Stage III or IV MelanomaN Engl J Med.2017; 377:1824-1835.

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atezolizumab併用療法、進行肺がん1次治療の第III相試験でPFSに有意差(IMpower150)/ESMO Immuno Oncology 2017

 進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療における、化学療法(パクリタキセル+カルボプラチン)±ベバシズマブへのatezolizumab併用の有効性と安全性を評価した第Ⅲ相試験IMpower150の結果が、スイス・ジュネーブで開催されたESMO Immuno Oncology Congress 2017で、ドイツ・Lung Clinic GrosshansdorfのM. Reck氏より発表された。 IMpower150試験には、全体で1202例が登録され、A~Cの3群のうちいずれかに無作為に割り付けられた。A群:化学療法+atezolizumab、B群:化学療法+atezolizumab+ベバシズマブ、C群:化学療法+ベバシズマブ。主要評価項目は、EGFR または ALK遺伝子変異陰性の ITT(intention-to-treat)解析集団、ならびにエフェクターT細胞の関連遺伝子発現(Teff)患者を含む集団における無増悪生存期間(PFS)、ITT解析集団における全生存期間(OS)である。今回発表されたのはB群とC群の比較結果の一部で、データカットオフは2017年9月15日、追跡期間最少値は9.5ヵ月であった。 ITT解析集団にはB群356例、C群336例が登録され、Teff集団にはB群155例、C群129例が登録された。ITT解析集団およびTeff集団におけるPFS中央値は、8.3ヵ月vs. 6.8ヵ月(ハザード比[HR]:0.62、95%信頼区間[CI]:0.52~0.74、p<0.0001)および11.3ヵ月vs. 6.8ヵ月(HR:0.51、95%CI:0.38~0.68、p<0.0001)であった。PD-L1陰性患者におけるHRは0.77(95%CI:0.61~0.99)であり、PD-L1の発現状態にかかわらず、atezolizumab併用群でPFSの延長が認められた。なお、B群とC群の安全性プロファイルは同等で、重篤な治療関連有害事象の発現は25%vs. 19%であった。 スイス・Centre Hospitalier Universitaire Vaudois (CHUV)のS.Peters氏は本結果に対し、「PD-L1またはエフェクターT細胞の関連遺伝子の発現状態によらず、免疫療法と化学療法の組み合わせが有効であったことは非常に重要。来年には、進行NSCLC患者への一次治療として、化学療法と免疫療法の併用、または2種類の免疫療法の組み合わせによる治療の有効性を評価したいくつかの他の試験結果が発表される予定で、どの戦略が最善であるかを判断していくことになるだろう」と述べている。■参考ESMO Immuno Oncology 2017プレスリリースIMpower150試験(Clinical Trials.gov)■関連記事atezolizumab+ベバシズマブ+化学療法、進行肺がん1次治療のPFS改善(IMpower150)/ロシュatezolizumabによる長期生存NSCLC患者の特徴:OAK/WCLC非小細胞肺がんへのatezolizumab、OAK試験の日本人解析/日本肺癌学会2017抗PD-L1抗体atezolizumab、非小細胞肺がんのOSを延長/Lancet抗PD-L1抗体atezolizumab、肺がんに承認:FDA

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PADの薬剤コーティングバルーンカテーテル発売/日本メドトロニック

 日本メドトロニック株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 トニー セメド)は、「IN.PACT Admiral(インパクト アドミラル)薬剤コーティングバルーンカテーテル」(以下IN.PACT Admiral)に対する保険適用を12月1日付で受け、承認条件の所定の手続きが進み次第、順次販売を開始すると発表した。 IN.PACT Admiralは、下肢の末梢動脈疾患(PAD)に対する血管内治療デバイス。対象血管径4mm以上、7mm以下の浅大腿動脈・膝窩動脈における、200mm以下の新規病変または非ステント留置再狭窄病変を有する患者への経皮的血管形成術(PTA)を適応として、日本では2017年9月6日に薬事承認された。バルーンに塗布された薬剤「パクリタキセル」をバルーン拡張により血管壁に送達させ、再狭窄を抑制することが期待されている。 IN.PACT Admiralは、日本国内治験MDT-2113および米国および欧州における臨床試験であるIN.PACT SFA I/IIにおいて、現在の標準治療である標準PTAバルーンによる血管形成POBA(Plain Old Balloon Angioplasty)と比較し、高い1次開存率と一貫した低い再血行再建率を示している。MDT-2113では、日本国内の11施設から100名の患者を薬剤コーティングバルーン(DCB):68名、標準PTAバルーン(PTA):32名に振り分け、実施した。その結果、12ヵ月1次開存率はカプラン・マイヤー推定値に基づき、DCB群では93.9%、PTA群では46.9%であった(p<0.001)。さらに12ヵ月の臨床的定義に基づく標的病変再血行再建(CD-TLR)率は、DCB群では2.9%、PTA群では18.8%であった(p=0.012)。12ヵ月の主要有害事象(Major Adverse Event)の発生率もDCB群で4.4%と低く(PTA群では18.8%、p=0.028)、標的下肢大切断もなかった。

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atezolizumab+ベバシズマブ+化学療法、進行肺がん1次治療のPFS改善(IMpower150)/ロシュ

 スイス・ロシュ社は2017年11月20日、進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療における、抗PD-L1抗体atezolizumabの第Ⅲ相試験IMpower150の結果を発表した。試験の結果、atezolizumabとベバシズマブおよび化学療法(パクリタキセル+カルボプラチン)の併用は、ベバシズマブと化学療法の併用と比較して、複合主要評価項目の1つ無増悪生存期間を有意に改善したと発表した。具体的な数値は発表されていない。 また、同じく主要評価項目である全生存期間(OS)について、初期解析では未達成であるが、期待が持てるものだとしている。OS解析の結果は2018年前半に予定されているとのこと。 atezolizumabとベバシズマブおよび化学療法併用の安全性は、各薬剤の既知の安全性プロファイルと一致していた。IMpower150試験の結果は、2017年12月7日からスイスのジュネーブで開催されるESMO Immuno Oncology Congress 2017で発表される。■参考ESMO Immuno Oncology Congress 2017IMpower150試験(Clinical Trials.gov)■関連記事atezolizumabによる長期生存NSCLC患者の特徴:OAK/WCLC非小細胞肺がんへのatezolizumab、OAK試験の日本人解析/日本肺癌学会2017抗PD-L1抗体atezolizumab、非小細胞肺がんのOSを延長/Lancet抗PD-L1抗体atezolizumab、肺がんに承認:FDA

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atezolizumabによる長期生存NSCLC患者の特徴:OAK/WCLC

 OAK試験は、非小細胞肺がん(NSCLC)の2~3次治療における抗PD-L1抗体atezolizumabとドセタキセルを比較した第III相試験である。横浜で行われた第18回世界肺癌会議(WCLC)では、兵庫県立がんセンターの里内美弥子氏が、OAK試験の2年の結果と長期生存患者の特徴について発表した。 OAK試験では850例の既治療NSCLC患者が、atezolizumabとドセタキセル群に1対1で割り付けされ、6ヵ月以上追跡されている。無作為割り付け時から24ヵ月以上生存している患者を長期生存例(LTS)、それ未満の患者を非長期生存例(Non-LTS)として、それぞれの成績を分析した。 2年全生存(OS)率はatezolizumab群31%、ドセタキセル群21%と、atezolizumab群で高かった。LTS患者の割合をみると、atezolizumab群では28%、ドセタキセル群では18%であった。LTS患者は、女性、非扁平上皮がん、PS良好例で多くみられた。 LTS患者の組織別の2年OS率をみると、非扁平上皮がんでは、atezolizumab群35%、ドセタキセル群24%であった。扁平上皮がんでは、atezolizumab群20%、ドセタキセル群12%であり、いずれもatezolizumabで高かった。 LTS患者のPD-L1発現状況別の2年OS率をみると、もっともPD-L1発現が高いTC3 or IC3群(PD-L1陽性:腫瘍細胞の50%以上または免疫細胞10%以上)においては、atezolizumab群43%、ドセタキセル群17%、TC2/3 or IC2/3群(PD-L1陽性:腫瘍細胞または免疫細胞の5%以上)においては、atezolizumab群35%、ドセタキセル群23%、TC1/2/3 or IC1/2/3群(PD-L1陽性:腫瘍細胞または免疫細胞の1%以上)においては、atezolizumab群32%、ドセタキセル群24%、TC0 and IC0群(PD-L1陽性:腫瘍細胞と免疫細胞の1%未満)においては、atezolizumab群30%、ドセタキセル群18%であった。いずれの発現状況でもatezolizumabがドセタキセルに比べて高かったが、atezolizumabではとくにPD-L1高発現群で良好な傾向にあった。 各群のLTSとNon-LTS患者の奏効率(ORR)を比較すると、atezolizumab群はそれぞれ39%と14%、ドセタキセル群ではそれぞれ32%と9%であり、いずれもLTS患者で高かった。 atezolizumab群でbeyondPD治療を受けた割合は、LTS患者では62%、Non-LTS患者では45%であった。LTS患者には早期にPDとなった症例も含まれており、長期生存とbeyondPD治療の関連が示唆される。 atezolizumabのGrade3~4の治療関連有害事象(TRAE)の発現はLTS患者で39%、Non-LTS患者で38%と、LTS患者で大幅に治療期間が長いにも関わらず同等であった。TRAEによる治療中止はLTS患者で8%、Non-LTS患者でも8%であった。 atezolizumabはドセタキセルに比べ、優れた2年生存を示し、このベネフィットは組織型、腫瘍縮小効果、PD-L1発現を問わず一貫していた。■参考OAK試験(Clinical Trials.gov)■関連記事非小細胞肺がんへのatezolizumab、OAK試験の日本人解析/日本肺癌学会2017抗PD-L1抗体atezolizumab、非小細胞肺がんのOSを延長/Lancet

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日本の肺がん患者さんを一人でも多く助けたい 第9回【肺がんインタビュー】

第9回 日本の肺がん患者さんを一人でも多く助けたい近年の肺がん治療の分野で大きな変化をもたらしてている企業の1つであるアストラゼネカ。肺がんにおける世界の開発状況も含め、アストラゼネカ・グローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサー Sean Bohen氏に単独インタビューした。FLAURA試験の結果について、欧米の臨床医の反響はどのようなものですか?アストラゼネカ・グローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサー Sean Bohen氏臨床医および治験担当医は、FLAURA試験によって示された、主要評価項目であるPFSの50%リスク減という結果を説得力あるものと受け取ったようです。興味深いことに、副次的評価項目のOSは、イベント到達率は現時点まだ25%にもかかわらず、生存曲線は2群間で既にはっきりと離れています。ESMOでの発表からあまり時間が経っていないにもかかわらず、米国NCCNのガイドラインでは、FLAURA試験結果を基に、最近、オシメルチニブをEGFR変異肺がんの1次治療に組み入れました。エビデンスレベルの分類はカテゴリー2Aと、高く評価されています。FLAURA試験OSデータ発表の予定は?OSデータの取得はイベントの蓄積状況によりますので、今のところ時期は定かではありませんが、2019年中に発表できることを期待しています。FLAURAは1次治療の試験ですので、PD後の治療がOSデータに大きなインパクトを与えます。後治療への適格患者さんは非常に多くおり、幸いにもオシメルチニブ群の患者さんは長期生存する方が多くみられます。一方で、この有効性がOSに到達するまでの期間を長くしています。オシメルチニブは1次治療で有望な結果が出ました。しかし、一方でオシメルチニブが耐性になると現在は手段がありません。オシメルチニブの耐性対策として他剤併用などの試験は行っていますか?画像を拡大するsavolitinib関連のトライアルが発表された第18回世界肺癌学会当社のパイプラインにはsavolitinibというMET阻害薬があります。MET増幅はEGFR阻害薬の耐性に特徴的なメカニズムですので、オシメルチニブとsavolitinibの併用は科学的に合理性があります。今回の世界肺癌学会では、オシメルチニブとこのsavolitnibuをEGFR変異陽性でMET増幅を有する患者さんを対象にした第I相b試験のTATTON trialの結果が発表され、期待できる有効性が示されました。また、savolitinibとの併用は、同様の患者さんを対象にゲフィチニブでも行われています。EGFR-TKIとMET-TKIの併用がオシメルチニブによる獲得耐性を治療できるのか、あるいはこの2剤の併用が、耐性獲得そのものを抑制できるのか、この試験には2つの問いがあります。まだ答えは出ていませんが、発展的なテーマだといえます。そのほかのオシメルチニブの試験について教えていただけますか?手術可能なEGFR変異NSCLC患者さんの術後補助療法として、ADAURA試験が進行中です。Stage IIIでは、術後補助療法を行っても多くの患者さんが再発してしまうという問題がありますが、腫瘍を切除したEGFR変異の患者さんにオシメルチニブを加えることで、再発を防ぐ、あるいは遅らせることができるかを検討しています。そうすることができれば、患者さんの貴重な時間をより延長できます。また、このセッティングでは治療が長期にわたる患者さんもおられます。そういった患者さんはQOLの維持が非常に重要な課題となってきますので、忍容性の高い薬剤を用いることが重要です。つまり、オシメルチニブの特性を生かせる分野だと思います。貴社の抗PD-L1抗体durvalumabのPACIFIC試験の結果が大きな反響を呼んでいます。この試験の対象となった手術不能なStage IIIのNSCLCでの問題はどのようなものでしょうか?画像を拡大するPACIFIC試験が発表されたESMO2017切除不能Stage III NSCLCにおける標準療法は化学放射線同時併用療法(CCRT)です。しかし、この治療法の成績は芳しくなく、治癒または長期生存が得られる患者さんは15%程度です。CCRTについては、強化放射線療法、化学療法の強化、放射線と化学療法の逐次投与など、幾多の研究がなされたものの、生存率向上につながる成果は得られず、過去約20年間にわたり、ほとんど進展はありませんでした。このため、CCRTの終了後の標準療法(SOC)は経過観察に留まっています。観察だけなのであれば、患者さんの再発までの期間をできるかぎり延長する治療を提供することができないか、との考えから実施したのがPACIFIC試験です。CCRT後のSOCである経過観察に対し、durvalumabによる維持療法が生命予後を改善するか、。というテーマに対し、試験結果はご存じのとおりで、durvalumab群は、進行と死亡のリスクを有意に減らしました。OSデータはまだ未到達ですが、良好な傾向が見られており、今後も試験を継続していきます。PACIFIC試験からは多くの学びがありました。durvalumabの安全性についても評価を行い、高い忍容性と毒性の低さを確認することができました。治療が長期におよぶセッティングにおいては、これらの要素は重要です。今回の試験で確認できたdurvalumabの安全性プロファイルは、durvalumabがより幅広い状況下で使用される可能性を示しています。durvalumabは今後どのような試験が行われる予定ですか? 他薬剤との併用などを含め教えていただけますか?非小細胞肺がんではMYSTIC試験があります。この試験はStage IVの1次治療で、durvalumabまたはdurvalumab+抗CTLA-4抗体tremelimumabと標準化学療法であるプラチナダブレットの治療成績を比較したものです。本年(2017年)、主要評価項目の1つであるPFSの結果を発表しました。エンドポイントを達成することはできませんでしたが、免疫チェックポイント阻害薬ではより重要視されるOSを別の主要評価項目として試験を継続中であり、来年の上半期には結果を発表できる予定です。また、Stage IVの1次治療では、durvalumab単独またはdurvalumab+tremelimumabと標準化学療法の併用と、標準化学療法単独を比較したPOSEIDON試験も進行中です。さらに、中国を中心にStage IVのPD-L1発現患者の1次治療としてdurvalumab単独と標準化学療法を比較したPEARL試験が進行中です。一方、腫瘍を切除した患者さんに対する免疫チェックポイント阻害薬の効果も検討しています。durvalumabの術後補助療法の有効性についてNational Cancer Institute of Canadaが主体となって研究を行っています。この試験はdurvalumabまたはdurvalumab±tremelimumab術後アジュバントと化学療法によるアジュバントの比較をみるもので、現在患者登録中です。小細胞肺がんでは、進展型の1次治療でdurvalmab単独またはdurvalmab+tremelimumabと標準化学療法(エトポシド+シスプラチン/カルボプラチン)の併用と標準化学療法単独を比較したCASPIAN試験が進行中です。肺がん治療薬の開発計画について教えていただけますか?AstraZenecaにとってオンコロジーは戦略的に非常に重要な疾病領域であり、とくに、肺がん領域は、durvalumab、tremelimumab、前述のsavolitinibをはじめ多くのパイプラインが控えています。また、重要な開発基盤の1つにがん細胞のDNA損傷修復不全をもたらすPARP阻害薬があり、まだ早期開発段階ながら、今後、肺がんにおいても臨床化の機会があるかも知れません。抗PD-1、PD-L1薬で多くの患者さんを助けられるようになりましたが、まだ十分とは言えません。免疫腫瘍の分野でも、免疫システムをより有効に活用する抗CD-73抗体、TLR7、アデノシンをターゲットとした小化合物などの多くのパイプラインがあります。貴社にとって日本市場の重要性は?日本は、アストラゼネカが持続的な成長を維持していくうえで、非常に重要な国です。当社にはオンコロジーをはじめ、5つの成長基盤があり、その1つを日本としています。日本は、5つの成長基盤に掲げられている唯一の国です。日本の重要性はビジネス観点からも多くあげられますが、サイエンスの観点からも示すことができます。たとえば、オシメルチニブの対象となるEGFR変異NSCLCは、欧米よりも日本をはじめとするアジアではるかに多く患者さんがおり、当社が果たす貢献が大きい地域といえます。以前は、患者さんのリクルートがネックとなり、日本がグローバル試験に参加できないことがありました。しかし、最近のFLAURAやPACIFICでは、日本も主要国の1つとしてグローバル試験に組み込まれるようデザインされており、以前のようにローカルで別の試験を行う必要はなくなりました。実際、日本はオシメルチニブのグローバル第I相・第II相試験から参加し、その結果、日本は米国での承認からわずか4ヵ月の差で承認を取得しました(米国2015年11月、日本2016年3月)。また、オシメルチニブは、第I相試験から承認まで4年未満と非常に短期間での開発を実現しましたが、その過程において、日本から多くの患者さんがリクルートされ、開発を後押ししました。当社のゴールはグローバルと日本の申請を同時に行うことですが、そのゴールに限りなく近付いています。当社は、新たな治療を待ち望む日本の患者さんを待たせてはいけないと思っています。そして、より多くの患者さんを助けることができるよう、1日も早い申請を目指して開発を進めていきます。参考MYSTIC試験(Clinical Trials.gov)TATTON試験(Clinical Trials.gov)ADAURA試験(Clinical Trials.gov)POSEIDON試験(Clinical Trials.gov)CASPIAN試験(Clinical Trials.gov)Canadian Cancer Trials Group IFCT1401試験(Clinical Trials.gov)

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nab-パクリタキセル+durvalumab、肺がん2次治療以降の効果/WCLC2017

 化学療法の免疫チェックポイント阻害薬(ICI)への追加は、奏効率の改善など効果を強化するとの報告がある。nab-パクリタキセル(nab-P)+カルボプラチンとICIの組み合わせは毒性を増すことなく非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する有効性を早期臨床試験において示した。第18回世界肺癌学会(WCLC)では、米国・Washington University School of MedicineのRamaswamy Govindan氏がnab-P+durvalumabの2~3次治療としての有効性と安全性を報告した。 abound.2L+試験はnab-Pの第II相オープンラベル多施設試験である。今回の発表はnab-Pとdurvalumabを併用した単アームの解析。患者はタキサン治療歴なし、プラチナベース化学療法歴1回(ICI使用は許容)のNSCLC79例。対象はnab-P(100mg/m2、1日目8日目、21日サイクル)とdurvalumab(1,125mg/日、15日目、21日サイクル)の投与を受けた。 患者の平均年齢は63歳、男性68.4%、白人97.5%、扁平上皮がん29.1%、非扁平上皮がん69.6%、現・前喫煙者89.9%、前ICI治療は11.4%であった。 nab-P+durvalumab群のPFSは4.5ヵ月(3.4~5.8)、OSは未到達であった。ICI治療歴のサブグループ解析をみると、ICI前治療なし患者のPFSは4.4ヵ月(3.0~5.7)、ICI前治療ありの患者では6.9ヵ月(1.4~NE)と、ICI前治療あり群で良好であった。組織型別にみると、非扁平上皮がんのPFSは4.2ヵ月(2.7~5.7)、扁平上皮がんのPFSは5.9ヵ月(3.0~7.8)であった。奏効率(ORR)は全体では26.6%、非扁平上皮がんでは23.6%、非扁平上皮がん34.8%であった。 nab-P+durvalumabでよくみられる治療関連有害事象は、末梢神経障害24.4%、呼吸困難20.5%、好中球減少16.7%(発熱性好中球減少症は発症なし)、貧血28.2%であった。

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抗PS抗体bavituximabは免疫チェックポイント阻害薬の活性を増強するか:SUNRISE試験サブグループの結果/WCLC2017

 phosphatidylserin(PS)は、がん微小環境にある細胞の表面に広範に発現し、腫瘍特異的T細胞の誘導を抑制し、高い免疫抑制作用を発現する。bavituximabは、PSを標的とするキメラIgG1モノクローナル抗体であり、腫瘍特異的細胞傷害性T細胞を活性化し、免疫寛容を抑制して、抗腫瘍効果を発揮することが期待されている SUNRISE試験は、既治療の進行非扁平上皮肺がんの治療において、ドセタキセル・bavituximab併用(D+B群)とドセタキセル単独(D+P群)を比較した第III相試験である。最近発表された主要評価項目のITT解析による全生存期間(OS)では、D+B群、D+P群とも差がみられなかった(HR:1.06)。ほとんどのサブグループ解析で同等であったが、唯一免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の後治療を受けたグループのみ差がついていた。そこでこの集団のデータを収集し、分析した結果を、横浜で開催された第18回世界肺癌学会(WCLC)において、オーストラリア・Sydney Cancer CenterのMichael Boyer氏が発表した。 SUNRISE試験597例の無作為化患者のうち93例(16%)がICIの後治療を受けていた。ベースライン特性は、治療群間でバランスが取れ、ITT集団と一致した。無作為化からのOSは、D+B群(n=47)では未到達(15.2~NA)、D+P群(n=46)では12.6ヵ月(10.4~17.8)であった(HR:0.46、95%CI:0.26~0.81、p=0.006)。ICI投与開始時からのOSは、D+B群では未到達(10.2~NA)、D+P群では6.2ヵ月(3.9~8.7)であり(HR:0.42、95%CI:0.23~0.74、p=0.002)、いずれもD+B群で有意に優れていた。 限られたサブグループ分析であるが、ドセタキセル・bavituximab併用療法後にICIで治療された患者ではOSの改善が観察された。bavituximabは免疫関連の毒性と関連しないことから、ICIとの有益な併用薬となる可能性があると、Boyer氏は述べた。■参考SUNRISE試験(Clinical Trials.gov)

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