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日本人へのbempedoic acid、LDL-C20%超の低下を認める(CLEAR-J)/日本循環器学会
2025/04/03 医療一般 日本発エビデンス
スタチンで効果不十分あるいはスタチン不耐の高コレステロール血症の日本人患者に対する12週後のbempedoic acidの安全性と有効性が明らかになった―。3月28~30日に開催された第89回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Clinical Studies2において山下 静也氏(りんくう総合医療センター 理事長)が発表し、Circulation Journal誌2025年3月28日号に同時掲載された。 本研究は、bempedoic acid 180mgを12週投与した場合のプラセボに対する優位性を確認したプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間第III相試験(NCT05683340)。高コレステロール血症患者のうち、18~85歳、スタチンで効果不十分あるいはスタチン不耐、アテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)リスクを有し2017年のLDLコレステロール(LDL-C)基準を達成していない、日本人患者を対象(ホモ接合体家族性高コレステロール血症[FH]、妊娠または授乳中、3ヵ月以内にASCVDを発症した患者は除外)とし、国内28施設の96例をbempedoic acid群あるいは対照群に1:1に割り付けた。主要評価項目はベースラインから12週のLDL-Cの変化率。副次評価項目は有効性(非HDLコレステロール[non-HDL]、総コレステロール[TC]、apoB、高感度C反応性蛋白[hsCRP]の12週の変化率、およびLDL-C目標達成率)と安全性であった。 主な結果は以下のとおり。・両群の患者特性は、平均年齢64歳、約50%が男性、平均BMIは約24kg/m2、約20%はヘテロ接合体FH、約30%がASCVDであった。また、スタチンで効果不十分な患者は75%、スタチン不耐は25%であった。・12週時のLDL-C変化率はbempedoic acid群で-25.25%、対照群で-3.46%となり、その群間差(95%信頼区間[CI])は-21.78%(-26.71~16.85)で統計学的に有意差が認められ(p<0.001)、その変化は投与2週目から有意な低下が認められ、12週まで持続した。・スタチン効果不十分例(-20.17%[95%CI:-25.82~-14.53])とスタチン不耐例(-25.77%[-36.61~-14.92])のいずれにおいてもその効果が認められた。・副次評価項目の1つであるhsCRPの群間差(95%CI)は-26.6%(-47.8~-5.4)で統計学的に有意差が認められた。これは既知の報告と一貫性のある結果となった。・安全性について、治療中に発現した有害事象(TEAE)はbempedoic acid群で3例、対照群で2例が報告されたが、両群で死亡または重篤なTEAEはみられなかった。bempedoic acid(ベムペド酸)とは bempedoic acidは肝臓中のクエン酸分解酵素であるATPクエン酸リアーゼに作用することでコレステロール合成経路を阻害してLDL-Cを低下させる。この薬剤を活性化体へ変化させるACSVL1は、主に肝臓に発現し、筋肉への発現がないことから、スタチンのように筋症状が出現しない点が特徴である。日本国内では、2024年11月26日に大塚製薬が「高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症」の適応で製造販売承認申請を行っており、国内での承認・発売が待たれるところである。
https://www.carenet.com/news/general/carenet/60439