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1.

抗菌薬・PPI、NSCLCの術前ICI+化学療法への影響は?(CReGYT-04 Neo-Venus副次解析)

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)において、抗菌薬やプロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用は、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の有効性の低下と関連する可能性が指摘されている。しかし、術前ICI+化学療法などの周術期治療に及ぼす影響は明らかになっていない。そこで、切除可能NSCLCに対する術前ICI+化学療法について、抗菌薬やPPIが及ぼす影響を多施設共同後ろ向き観察研究「CReGYT-04 Neo-Venus」の副次解析で評価した。その結果、抗菌薬やPPIの使用は、術前ICI+化学療法の奏効と有意な関連がみられなかった。本研究結果は、戸田 道仁氏(関西労災病院 呼吸器外科)らによって、Lung Cancer誌2026年4月号で報告された。 本研究は日本の29施設で実施された。対象は、2023年3月~2024年7月の期間に、ニボルマブ+化学療法による術前治療を開始した切除可能StageIIA~IIIBのNSCLC患者131例とした。根治的手術を受け、外科的転帰の解析対象となった113例について、治療開始前30日以内の抗菌薬やPPIの使用と奏効割合(ORR)、病理学的完全奏効(pCR)、病理学的奏効(MPR)などとの関連を調べた。 主な結果は以下のとおり。・抗菌薬の使用は4.4%(5例)、PPIの使用は20.4%(23例)にみられた。・抗菌薬の有無別にORR、pCR、MPRを評価した結果、抗菌薬の有無による差はみられなかった。詳細は以下のとおり(抗菌薬ありvs.なしの値を示す)。 ORR:80.0%vs.70.4%(p=1.000) pCR:40.0%vs.35.8%(p=1.000) MPR:60.0%vs.59.6%(p=1.000)・PPIの有無別にORR、pCR、MPRを評価しても、PPIの有無による差はみられなかった。詳細は以下のとおり(PPIありvs.なしの値を示す)。 ORR:78.3%vs.68.9%(p=0.532) pCR:43.5%vs.33.3%(p=0.507) MPR:60.9%vs.58.9%(p=1.000)・感度解析として、逆確率重み付け解析を実施しても抗菌薬やPPIの使用は、ORR、pCR、MPRに有意な影響を示さなかった。・多変量解析の結果、PD-L1 TPS 50%以上(オッズ比[OR]:9.660、95%信頼区間[CI]:3.493~30.405、p<0.05)およびStageII(OR:5.208、95%CI:1.895~16.075、p<0.05)がpCRの独立した予測因子であった 。・PD-L1 TPS 50%以上(OR:7.259、95%CI:2.650~23.628、p<0.05)は、MPRについても独立した予測因子であった。 本研究結果について、著者らは「切除可能NSCLC患者において、抗菌薬やPPIの使用は、術前ICI+化学療法の効果との有意な関連はみられなかった」とまとめた。また「より大規模なサンプルサイズで、長期フォローアップを伴う研究が必要である」と指摘している。

2.

高リスク上咽頭がん、camrelizumabの上乗せ・維持療法が有効/BMJ

 導入化学療法後の高リスク上咽頭がん(NPC)患者において、同時化学放射線療法へのPD-1(プログラム細胞死1)阻害薬camrelizumabの上乗せおよび維持療法としてのcamrelizumab投与により、無増悪生存期間(PFS)の延長が認められたことが、中国・中山大学がんセンターのRui You氏らが同国で行った第III相の多施設共同非盲検無作為化試験の結果で示された。これまでの2つの第III相試験では、局所進行NPCへの、PD-1阻害薬と導入化学療法+同時化学放射線療法の組み合わせ治療について評価が行われ、1つの試験ではPD-1阻害薬が全過程を通して使用され、もう1つの試験ではPD-1阻害薬は維持療法として用いられていた。BMJ誌2026年2月10日号掲載の報告。主要評価項目はITT集団におけるPFS 研究グループは、高リスクNPC患者における、同時化学放射線療法+camrelizumabおよび維持療法としてのcamrelizumab投与について評価した。 試験は2020年8月~2022年6月21日に、中国の7病院で実施。18~70歳の成人NPC患者のうち、ゲムシタビンとシスプラチンによる導入化学療法を3サイクル受けた後、新たに高リスクと判定された患者(StageIVa、StageII~IIIで病状が安定または進行、あるいはEB[Epstein-Barr]ウイルスDNA検出)を対象とした。 被験者を、放射線療法+シスプラチンベースの同時化学療法を実施する群(標準治療群)または標準治療+3週ごとcamrelizumab(200mg)静脈投与を19サイクル実施する群(放射線療法+2サイクルの同時化学放射線療法への併用+17サイクルの維持療法、camrelizumab群)に、1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要評価項目はITT集団におけるPFSで、無作為化から再発(局所または遠隔)あるいは全死因死亡までの期間で定義した。副次評価項目は、安全性、全生存期間などとした。36ヵ月PFS率、camrelizumab群83.4%、標準治療群71.3%で有意な差 390例が登録され、camrelizumab群(194例)または標準治療群(196例)に無作為化された。ベースラインでの特性は両群で類似していた。年齢中央値はcamrelizumab群46.0歳(四分位範囲[IQR]:36.8~54.0)、標準治療群45.0歳(35.0~54.0)。集団構成は、女性が107例(27.4%)、男性283例(72.6%)であった。StageIVaの患者の割合は、camrelizumab群73.2%、標準治療群72.4%。また、N3転移はcamrelizumab群41.2%、標準治療群37.8%であった。 追跡期間中央値39.9ヵ月(IQR:36.8~43.4)時点で、PFSはcamrelizumab群が標準治療群よりも有意に改善した(36ヵ月PFS率:83.4%[95%信頼区間[CI]:78.3~88.8]vs.71.3%[65.2~77.9]、層別ハザード比:0.51[95%CI:0.34~0.77]、p=0.001)。 急性および晩期有害事象(Grade3/4)の発現率は、camrelizumab群が50.5%と3.2%、標準治療群が48.7%と3.7%であった。免疫関連有害事象(Grade3/4)は、camrelizumab群19例(10.2%)で報告された。

3.

膀胱がんへの周術期EV+ペムブロリズマブ、EFS・OS改善(KEYNOTE-905/EV-303)/NEJM

 筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)でシスプラチンベース化学療法適応外の患者において、エンホルツマブ ベドチン(ネクチン-4を標的とする抗体薬物複合体)+ペムブロリズマブ(抗PD-1抗体)併用療法による周術期治療は、手術単独と比較して2年時の無イベント生存率(EFS)が有意に優れ、全生存率(OS)も改善することが示された。ベルギー・Integrated Cancer Center GhentのChristof Vulsteke氏らKEYNOTE-905/EV-303 Investigatorsが、「KEYNOTE-905/EV-303試験」の結果を報告した。MIBCの標準治療は、シスプラチンベースの術前化学療法と骨盤リンパ節郭清+根治的膀胱全摘除術であるが、ほぼ半数の患者が腎機能障害、高齢、併存疾患などの理由で適応外となり、手術単独による治療を受ける。これらの患者は、術前・術後の周術期治療により、アウトカムの改善の可能性が示唆されていた。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2026年2月18日号に掲載された。無イベント生存を評価する無作為化第III相試験 KEYNOTE-905/EV-303試験は、日本を含む27ヵ国242施設で実施した非盲検無作為化第III相試験(Merck Sharp and Dohmeの助成を受けた)。シスプラチンベースの化学療法が適応外、あるいはこれを希望しないMIBC(臨床病期:T2~T4a N0M0、またはT1~T4a N1M0)の成人(年齢18歳以上)患者を対象とした。 今回は、2020年12月~2024年6月の期間に登録した344例の初回中間解析の結果を報告した。 被験者は、周術期治療としてエンホルツマブ ベドチン(術前3+術後6=9サイクル)+ペムブロリズマブ(術前3+術後14=17サイクル)の投与を行う群(EV-Pembro群:170例、年齢中央値74.0[四分位範囲:47~87]歳、男性80.6%)、または手術のみを行う群(対照群:174例、72.5[46~87]歳、75.3%)に無作為に割り付けられた。 主要評価項目はEFSとし、盲検下独立中央判定で評価した。EFSは、無作為化から以下のいずれかが最初に発生するまでの期間と定義した。(1)手術不能と判断される画像上の病勢進行、(2)手術を受けなかった参加者における生検で確認されたMIBCの残存、(3)切除不能な腫瘍または新たに発見された転移性病変により、外科医が根治目的の手術を完遂できなかった場合、(4)画像診断または生検によって検出された、術後の局所または遠隔再発、(5)全死因死亡。 手術が行われなかったこと自体はイベントとはみなさず、手術を受けなかった参加者でも、EFSを評価するために定期的な画像診断による追跡調査を継続した。病理学的完全奏効率も大きく改善 追跡期間中央値は25.6ヵ月であった。シスプラチンベースの化学療法を希望しなかった参加者は、EV-Pembro群が16.5%、対照群は20.1%だった。手術は、それぞれ87.6%および89.7%で行われた。 2年時点のEFS率は、EV-Pembro群74.7%(66.9~80.8)、対照群39.4%(95%信頼区間[CI]:31.0~47.9)であった(ハザード比[HR]:0.40、95%CI:0.28~0.57、両側p<0.001)。EFS中央値は、EV-Pembro群が未到達(95%CI:37.3~NR)、対照群は15.7ヵ月(10.3~20.5)であった。 2年OS率は、EV-Pembro群79.7%(95%CI:72.5~85.3)、対照群63.1%(54.7~70.4)であった(HR:0.50、95%CI:0.33~0.74、両側p<0.001)。OS中央値は、EV-Pembro群未到達(95%CI:NR~NR)、対照群41.7ヵ月(31.8~NR)だった。 また、病理学的完全奏効(手術で採取された切除標本に、生存腫瘍が認められない状態[T0N0])は、EV-Pembro群97例(57.1%、95%CI:49.3~64.6)、対照群15例(8.6%、95%CI:4.9~13.8)で達成された(推定群間差:48.3%ポイント、95%CI:39.5~56.5、両側p<0.001)。術前補助療法は手術の実施可能性を毀損しない 有害事象は、EV-Pembro群で全例に、対照群では64.8%に発現し、Grade3以上はそれぞれ71.3%および45.9%、重篤な有害事象は58.1%および40.9%で発現した。EV-Pembro群で最も頻度の高い有害事象はそう痒(47.3%)と脱毛(34.7%)で、Grade3以上では尿路感染症(12.0%)の頻度が高かった。また、有害事象による死亡は、EV-Pembro群で13例(7.8%:術前補助療法期 2例、手術期[手術時から術後30日まで]4例、術後補助療法期 7例)、対照群で9例(5.7%:手術期 9例)に認めた。 EV-Pembro群における薬剤関連有害事象は、Grade3以上が45.5%、重篤な有害事象が19.8%に発生し、試験薬の投与中止が62例(37.1%)、試験薬関連死が2例(1.2%)にみられた。とくに注目すべき有害事象は、エンホルツマブ ベドチン関連のGrade3以上が16.2%、ペムブロリズマブ関連のGrade3以上が18.0%で発現した。 著者は、「手術を受けた参加者の割合は2つの治療群で同程度であり、これは術前補助療法としてのエンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブが根治的膀胱全摘除術の実施可能性を損なわなかったことを示唆する」「手術の遅延はまれであり、手術遅延件数は両群で同程度だった」としている。 本試験の結果に基づき、米国食品医薬品局は、シスプラチン適応外のMIBCの成人患者に対する新たな治療選択肢として、膀胱全摘除術の術前および術後補助療法としてのエンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブを承認している。

4.

食道がん1次治療、ニボルマブ+CRTの安全性確認、完全奏効率73%(NOBEL)/京都大学ほか

 国内における食道がんの初回標準治療は、病期や全身状態によって手術、化学放射線療法(CRT)、放射線療法が選択される。近年、切除不能例の2次治療におけるニボルマブをはじめ、免疫療法も承認されているが、CRTとの併用に関するエビデンスは限られていた。京都大学をはじめとした国内5施設において、ニボルマブ+CRTの有用性を検討するNOBEL試験によって本併用療法の安全性が確認され、完全奏効率や1年全生存(OS)率においても有望な成績が報告された。京都大学の野村 基雄氏らによる研究結果は、EClinicalMedicine誌2026年1月号に掲載された。 NOBEL試験は、多施設共同単群第II相試験で、未治療のPS 0~1の食道扁平上皮がん患者(20~75歳、切除可能・不能問わず)が登録された。治療はニボルマブ+CRT(シスプラチン+5-FU、50.4Gy照射)、それに続く最長1年間のニボルマブの維持療法であった。  主要評価項目は安全性で、Grade4以上の非血液学的毒性の発生率10%以下、Grade3以上の肺臓炎発生率15%以下と定義された。副次評価項目は完全奏効率、無増悪生存期間(PFS)、OSなどであった。治療前の生検検体において51の免疫関連遺伝子バイオマーカー解析を実施した。  主な結果は以下のとおり。・2019年1月~2021年9月に患者が登録され、ベースライン後の腫瘍評価を受けた41例(年齢中央値65歳、男性36例)が解析対象となった。・Grade3以上の肺臓炎を経験した患者は5%(2/41例)で、既報から想定された頻度よりも低く、主要安全性評価項目を達成した。最も頻度の高い有害事象は食道炎、便秘、リンパ球減少であり、治療関連死亡は認められなかった。・1年OS率は92.7%(95%信頼区間[CI]:79.0~97.6)、1年PFS率は65.4%(95%CI:48.6~77.9)であった。・完全奏効率は73%(30/41例、95%CI:58~84%)であった。とくに切除可能例における完全奏効率は84%、1年OS率は100%に達した。・バイオマーカー解析においては、免疫活性の高いサブタイプでは奏効率が高い傾向が見られたが、サンプルサイズが小さいため、参考データ扱いとなった。 研究者らは「食道がん初回治療において、ニボルマブとCRTの併用は実施可能であり、許容可能な安全性を示した。切除可能、不能例双方における高い完全奏効率は、この併用療法が有望な治療選択肢であることを示唆している。しかし、サンプルサイズが小さく、切除不能例の登録遅れによって試験が早期に終了したこともあり、これらの結果は予備的なものとして、慎重に解釈すべきである。臨床的意義を確立するためには、より大規模な無作為化試験を経て、結果を検証する必要がある」としている。

5.

EGFR陽性MET増幅進行NSCLC、savolitinib+オシメルチニブがPFS改善/Lancet

 EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)治療後に進行したEGFR変異陽性かつMET増幅を有する進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、savolitinib+オシメルチニブ併用療法はプラチナ製剤ベースの標準併用化学療法と比較して、良好な忍容性プロファイルを維持しながら無増悪生存期間(PFS)を延長したことが示された。中国・上海交通大学のShun Lu氏らSACHI Study Groupが、第III相の多施設共同非盲検無作為化試験「SACHI試験」の中間解析の結果を報告した。著者は「本レジメンは、バイオマーカーで選択された本集団における経口治療の選択肢となりうることが示された」とまとめている。Lancet誌オンライン版2026年1月13日号掲載の報告。階層的方法を用い最初に第3世代EGFR-TKI未治療集団でPFSを評価 SACHI試験は中国国内の68病院で実施された。適格対象は、局所進行または転移のあるEGFR変異陽性非扁平上皮NSCLCで、EGFR-TKI無効後にMET増幅が認められた成人患者。研究グループは対象者を、1日1回経口投与のsavolitinib+オシメルチニブ群または静脈投与による化学療法(ペメトレキセド+シスプラチン/カルボプラチン)群に1対1の割合で無作為に割り付けた(両群とも21日サイクル)。双方向ウェブ応答システムを用いて混合ブロックサイズ法を使用した中央無作為化法により割り付け、脳転移の有無、第3世代EGFR-TKIによる治療歴の有無、およびEGFR変異サブタイプに基づく層別化も行った。 主要評価項目は、治験担当医師の評価によるPFS(RECIST v1.1に基づく)。階層的方法を用い、最初に第3世代EGFR-TKI未治療集団で評価し、有効性が認められた場合にITT集団で評価した。 安全性解析は、試験薬を少なくとも1回投与された全患者を対象に行った。 中間解析のデータカットオフ日は、2024年8月30日であった。savolitinib+オシメルチニブ群のPFSが有意に延長、ITT集団でも 2021年10月15日~2024年8月30日に211例が登録され、savolitinib+オシメルチニブ群(106例)または化学療法群(105例)に無作為化された。137/211例(65%)が第3世代EGFR-TKI未治療(savolitinib+オシメルチニブ群69例、化学療法群68例)であった。savolitinib+オシメルチニブ群の年齢中央値は59.4歳(四分位範囲:54.3~65.8)、女性62例(58%)、男性44例(42%)であり、化学療法群はそれぞれ61.9歳(56.3~69.1)、55例(52%)、50例(48%)であった。全被験者がアジア人。 第3世代EGFR-TKI未治療集団における評価で、PFS中央値は、savolitinib+オシメルチニブ群が化学療法群に対して有意に延長した(9.8ヵ月[95%信頼区間[CI]:6.9~12.5]vs.5.4ヵ月[4.2~6.0]、ハザード比[HR]:0.34[95%CI:0.21~0.56]、p<0.0001)。 ITT集団においてもPFSが有意に延長した(8.2ヵ月[95%CI:6.9~11.2]vs.4.5ヵ月[3.0~5.4]、HR:0.34[95%CI:0.23~0.49]、p<0.0001)。 Grade3以上の治療中に発現した有害事象は両群で同程度であり、savolitinib+オシメルチニブ群60/106例(57%)、化学療法群55/96例(57%)であった。

6.

高リスク頭頸部がん、術後化学放射線療法へのニボルマブ追加でDFS改善/Lancet

 切除後の再発高リスク局所進行頭頸部扁平上皮がん(LA-SCCHN)に対し、術後シスプラチン+放射線療法にニボルマブを追加することにより、中等度の毒性が増加するものの無病生存期間(DFS)が有意に改善された。スイス・ローザンヌ大学のJean Bourhis氏らが、欧州6ヵ国82施設で実施された、フランスの頭頸部がん放射線治療グループ(GORTEC)主導の無作為化非盲検第III相試験「GORTEC 2018-01 NIVOPOST-OP試験」の結果を報告した。シスプラチン+放射線療法は、高リスクLA-SCCHNに対する術後補助療法の標準治療であるが、ニボルマブ追加の有効性と安全性は不明であった。著者は、「ニボルマブ+シスプラチン+放射線療法は、新たな標準治療として提案可能である」とまとめている。Lancet誌オンライン版2025年12月22日号掲載報告。病理学的再発高リスク因子を有するLA-SCCHN患者が対象 NIVOPOST-OP試験の対象は、年齢が19~74歳、ECOG PSが0~1、肉眼的完全切除が施行された口腔、中咽頭、喉頭または下咽頭の扁平上皮がんで、病理学的再発高リスク因子(リンパ節被膜外浸潤、顕微鏡的切除断端陽性[R1または切除マージン1mm以下]、節外浸潤のない4個以上の頸部リンパ節転移、複数の神経周囲浸潤)を1つ以上有している患者であった。 研究グループは、欧州6ヵ国(フランス、スペイン、ポーランド、ベルギー、ギリシャ、スイス)の82施設で登録された適格患者を、シスプラチン+放射線療法群(66Gyを33分割、シスプラチン100mg/m2を3週ごとに3サイクル、標準治療群)、またはニボルマブ+シスプラチン+放射線療法群(ニボルマブ240mg単回静脈内投与→シスプラチン+放射線療法+ニボルマブ360mgを3週ごと3サイクル→ニボルマブ480mgを4週ごと6サイクル、ニボルマブ追加群)に、1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要評価項目は、ITT集団における治験担当医師評価によるDFSであった。ハザード比(HR、期待値)を0.65、第1種の過誤を両側0.05、検出力を90%として例数設計を行った(680例で230イベント)。ニボルマブ追加群でDFSイベントが有意に減少 2018年10月15日~2024年7月3日に680例が無作為化されたが、必要イベント数に達した時点(データカットオフ日2024年4月30日で252例のイベントが発生)でDFSの最終解析を行った。すなわち、解析対象(ITT集団)はデータカットオフ日までに無作為化された666例(標準治療群334例、ニボルマブ追加群332例)で、追跡期間中央値は30.3ヵ月であった。 DFSのイベントは、標準治療群で140例、ニボルマブ追加群で112例に認められた。再発または死亡のHRは0.76(95%信頼区間:0.60~0.98、層別log-rank検定のp=0.034)であり、ニボルマブ追加群はPD-L1の発現状況にかかわらず、標準治療群と比較しDFSが有意に改善した。 安全性は、1回以上治療を受けた標準治療群の306例、ニボルマブ追加群の312例を解析対象とした。Grade4の治療関連有害事象の発現率は、それぞれ5%(16/306例)および10%(30/312例)であり、ニボルマブ追加群で増加した。治療に関連した死亡は各群2例に発現した。

7.

Stage I~III膵管腺がんの術前療法、PAXG vs.mFOLFIRINOX(CASSANDRA)/Lancet

 切除可能または切除可能境界膵管腺がん(PDAC)において、PAXG療法(シスプラチン+nab-パクリタキセル+カペシタビン+ゲムシタビン)はmFOLFIRINOX療法(フルオロウラシル+ロイコボリン+イリノテカン+オキサリプラチン)と比較して無イベント生存期間(EFS)を有意に改善したことが、イタリア・IRCCS San Raffaele Scientific InstituteのMichele Reni氏らが行った第III相の無作為化非盲検2×2要因試験「PACT-21 CASSANDRA試験」の結果で示された。周術期化学療法は、切除可能または切除可能境界PDAC患者における標準治療の1つである。結果を踏まえて著者は、「PAXGは、術前療法の標準治療となりうることが示された。今後の試験では、術前PAXGを比較対照群として検討すべきであろう」とまとめている。Lancet誌オンライン版2025年11月20日号掲載の報告。切除可能または切除可能境界PDACを対象 PACT-21 CASSANDRA試験は、切除可能または切除可能境界PDAC患者においてPAXGのmFOLFIRINOXに対する優越性の評価を目的に、イタリアの大学病院17施設で行われた。適格患者は、18~75歳の病理学的に切除可能または切除可能境界PDACと診断された患者。 無作為化は、Rコードリストとコンピュータアルゴリズムを用いた中央ウェブベースシステムにより行われた。割合は1対1で、施設およびCA19-9血清レベルでブロック層別化を行った。 被験者は、最初にPAXG(カペシタビン総量1日1,250mg/m2[625mg/m2を1日2回]投与、および14日ごとにシスプラチン30mg/m2、nab-パクリタキセル150mg/m2、ゲムシタビン800mg/m2を静脈内投与)またはmFOLFIRINOX(14日ごとにフルオロウラシル2,400mg/m2、ロイコボリン400mg/m2、イリノテカン150mg/m2、オキサリプラチン85mg/m2を静脈内投与)のいずれかに無作為化され4ヵ月間治療を受け、その後、2ヵ月間の追加化学療法について、術前または術後のいずれかに2回目の無作為化が行われた。 主要評価項目は、ITT集団におけるEFS。安全性は、割り付けられた治療法を少なくとも1サイクル受けた患者を対象に評価した。EFS中央値、PAXG群16.0ヵ月、mFOLFIRINOX群10.2ヵ月 本論では、最初の無作為化の結果が報告されている。 2020年11月3日~2024年4月24日に、適格患者260例が無作為化された。PAXG群(132例)は年齢中央値65歳(四分位範囲:60~70)、女性が68例(52%)、男性が64例(48%)。mFOLFIRINOX群(128例)はそれぞれ63歳(57~69)、62例(48%)と66例(52%)であった。260例全例が、割り付けられた治療法を少なくとも1サイクル受けた。 PAXG群はmFOLFIRINOX群と比較して、EFS中央値を統計学的有意に延長した(16.0ヵ月[95%信頼区間[CI]:12.4~19.8]vs.10.2ヵ月[8.6~13.5]、ハザード比:0.63[95%CI:0.47~0.84]、p=0.0018)。 少なくとも1件のGrade3以上の有害事象が報告されたのは、PAXG群87/132例(66%)、mFOLFIRINOX群78/128例(61%)であった。mFOLFIRINOX群では敗血症による治療関連死が1件報告された。

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ESMO2025レポート 肺がん(後編)

レポーター紹介2025年10月17~21日に、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2025)がドイツ・ベルリンで開催された。善家 義貴氏(国立がん研究センター東病院)が肺がん領域における重要演題をピックアップし、結果を解説。後編では、Presidential symposiumの2演題とドライバー陰性切除不能StageIII非小細胞肺がん(NSCLC)の1演題、進展型小細胞肺がん(ED-SCLC)の1演題を取り上げ、解説する。前編はこちら[目次]Presidential symposium1.HARMONi-62.OptiTROP-Lung04ドライバー陰性切除不能StageIII NSCLC3.SKYSCRAPER-03ED-SCLC4.DeLLphi-303Presidential symposium1.進行扁平上皮NSCLCの初回治療として、化学療法+チスレリズマブと化学療法+ivonescimabを比較する第III相試験:HARMONi-6本試験は、StageIII~IVでEGFR、ALK遺伝子異常のない、未治療進行扁平上皮NSCLCを対象に、標準治療群としてカルボプラチン(AUC 5、Q3W)+パクリタキセル(175mg/m2、Q3W)+チスレリズマブ(PD-1阻害薬)と、試験治療群のカルボプラチン+パクリタキセル+ivonescimab(20mg/kg、Q3W)を比較する第III相試験で、中国のみで実施された。ivonescimabは、PD-1とVEGFを標的とする二重特異性抗体である。ivonescimab群と標準治療群にそれぞれ266例ずつ割り付けられ、患者背景は両群でバランスがとれていた。扁平上皮NSCLCでは一般的に抗VEGF抗体が使用されない、中枢病変や大血管浸潤、空洞のある患者や喀血の既往歴がある患者も含まれた。今回の発表は、事前に規定された中間解析の結果であり、観察期間中央値は10.28ヵ月であった。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の中央値は、ivonescimab群/標準治療群で11.14ヵ月/6.9ヵ月(ハザード比[HR]:0.60[95%信頼区間[CI]:0.46~0.78]、p<0.0001)であり、ivonescimab群が良好であった。奏効割合(ORR)は75.9%/66.5%(p=0.008)とivonescimab群で高く、PD-L1の発現状況によらずivonescimab群が良好であった。Grade3以上の有害事象は、ivonescimab群/標準治療群で63.9%/54.3%に認められ、治療関連死亡や免疫関連有害事象(irAE)の頻度は両群で大差なく、ivonescimab群でVEGFに関連する毒性を認めたが、多くはGrade1~2であった。<結論>化学療法+ivonescimabは進行扁平上皮NSCLCにおいて、有意にPFSを延長し、今後の新規治療になりうる。<コメント>事前に規定された中間解析で観察期間が短いが、PFSは有意に化学療法+免疫チェックポイント阻害薬(ICI)と比較し延長したことは評価したい。しかしながら、標準治療となるにはOSの延長が必要であり、さらなるフォローアップデータが求められる。2.EGFR-TKI治療後に増悪したEGFR遺伝子変異陽性NSCLCに対する、プラチナ製剤併用化学療法とsacituzumab tirumotecan (sac-TMT)を比較する第III相試験:OptiTROP-Lung04本試験は、第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)治療後の増悪例、もしくは第1、2世代EGFR-TKI治療増悪後にT790M陰性かつEGFR感受性変異陽性例に対して、化学療法(カルボプラチンまたはシスプラチン+ペメトレキセド)とsacituzumab tirumotecan(sac-TMT:TROP2標的抗体薬物複合体[ADC])(5mg/kg IV、Q2W)を比較する第III相試験である。本試験も中国のみで実施された。sac-TMT群、化学療法群にそれぞれ188例ずつ割り付けられた。患者背景は両群でバランスがとれており、初回治療で第3世代EGFR-TKIによる治療を受けた患者は、sac-TMT群/化学療法群で118例(62.8%)/117例(62.2%)、EGFR遺伝子サブタイプはEx19delが106例(56.4%)/118例(62.8%)、L858Rが84例(44.7%)/71例(37.8%)、脳転移ありは33例(17.6%)/36例(19.1%)であった。主要評価項目であるPFSの中央値は、sac-TMT群/化学療法群で8.3ヵ月(95%CI:6.7~9.9)/4.3ヵ月(同:4.2~5.5)であり、sac-TMT群で有意な延長を認めた(HR:0.49[95%CI:0.39~0.62])。さらにOSは、sac-TMT群/化学療法群で未到達(95%CI:21.5~推定不能)/17.4ヵ月(同:15.7~20.4)であり、こちらもsac-TMT群で有意な延長を認めた(HR:0.60[95%CI:0.44-0.82])。ORRはsac-TMT群/化学療法群で60.6%/43.1%(群間差17.0%[95%CI:7.0~27.1])であった。後治療は72.3%/85.5%で実施された。毒性について、有害事象の頻度は両群で差がなく、sac-TMT群の主な有害事象は貧血(85%)、白血球減少(84%)、脱毛(84%)、好中球数減少(75%)、胃炎(62%)であった。眼関連の有害事象を9.6%に認めたが多くはGrade1~2であり、ILDは認めなかった。<結論>sac-TMTはEGFR-TKI治療後に増悪した進行EGFR遺伝子変異陽性NSCLCにおいて、化学療法と比較してPFS、OSを延長し有望な治療選択となる。<コメント>中国のみで実施された第III相試験で、薬剤の承認にglobal試験の必要性が問われる。今後は同対象への初回治療での試験が進行中であり、進行EGFR遺伝子変異陽性NSCLCの初回治療は目まぐるしく変わっていくと予想される。ドライバー陰性切除不能StageIII NSCLC3.切除不能StageIII NSCLCに対する、プラチナ同時併用放射線治療後のデュルバルマブとアテゾリズマブ+tiragolumabを比較する第III相試験:SKYSCRAPER-03本試験は、EGFR遺伝子変異、ALK融合遺伝子異常を除く、切除不能StageIII NSCLCに対して、化学放射線治療(CRT)後に、標準治療であるデュルバルマブ群と試験治療群であるアテゾリズマブ+tiragolumab群を比較する第III相試験である。アテゾリズマブ+tiragolumab群/デュルバルマブ群にそれぞれ413/416例が割り付けられ、患者背景は両群でバランスがとれていた。白人は55.7%/59.6%、PD-L1<1%は49.4%/49.5%、1~49%は25.7%/28.1%、≧50%は24.9%/22.4%、扁平上皮がんは59.1%/59.9%であった。主要評価項目であるPD-L1≧1%集団のPFSの中央値は、アテゾリズマブ+tiragolumab群/デュルバルマブ群で19.4ヵ月/16.6ヵ月(HR:0.96[95%CI:0.75~1.23]、p=0.7586)、副次評価項目であるOSの中央値はアテゾリズマブ+tiragolumab群/デュルバルマブ群で未到達/54.8ヵ月(HR:0.99(95%CI:0.73~1.34)であり、いずれもアテゾリズマブ+tiragolumab群は延長を示せなかった。毒性については、両群で有害事象の頻度に差がなく、アテゾリズマブ+tiragolumab群で掻痒感、皮疹などが多く認められた。<結語>本試験は主要評価項目であるPFSの延長を示せず、新規治療とはならなかった。毒性は新規プロファイルのものはなかった。<コメント>2018年にCRT後のデュルバルマブが標準治療として確立されて7年経過するが、新規治療法の承認がされていない。近年、術前導入化学免疫療法が良好な成績を示しており、StageIII NSCLCの治療戦略は大きく変化している。SCLC4.ED-SCLCに対するプラチナ製剤+エトポシド+PD-L1阻害薬+タルラタマブの治療成績:DeLLphi-303(パート2、4、7)初回治療としてプラチナ製剤+エトポシド+PD-L1阻害薬(アテゾリズマブまたはデュルバルマブ)の併用療法を1サイクル実施したED-SCLC患者を対象に、導入療法と維持療法へのタルラタマブ上乗せの安全性、有効性を確認する第Ib相試験(パート2、4、7)が実施された。96例が登録され、PD-L1阻害薬の内訳はアテゾリズマブ56例(58.3%)、デュルバルマブ40例(41.7%)であった。全体で男性が67%、アジア人が16%、白人が74%、非喫煙者が7%であった。全体で、タルラタマブ開始時からのORR、奏効期間中央値はそれぞれ71%、11.0ヵ月であった。OS中央値は未到達で、1年OS割合は80.6%であった。毒性について、サイトカイン放出症候群(CRS)と免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)は、いずれもサイクル1での発現が多く、ほとんどがGrade1/2であった。タルラタマブに関連した死亡は認められていない。<結論>標準治療であるプラチナ製剤+エトポシド+PD-L1阻害薬および維持療法としてのPD-L1阻害薬へのタルラタマブ上乗せは、有望な治療成績を示した。現在、初回治療におけるプラチナ製剤+エトポシド+デュルバルマブおよび維持療法としてのデュルバルマブと比較するDeLLphi-312試験(NCT07005128)が進行中である。<コメント>タルラタマブは2次治療、初回治療へ順次適応範囲を広げていく予定である。初回治療での化学療法+PD-L1阻害薬との併用は、有効性、安全性ともに問題なく、第III相試験の結果が待たれる。ADC製剤の開発も盛んに行われており、SCLCも治療が数年で目まぐるしく変わっていくと予想される。

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75歳以上のNSCLC、術前ICI+化学療法は安全に実施可能?(CReGYT-04 Neo-Venus副次解析)/日本肺癌学会

 StageII~IIIの切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、ニボルマブ+化学療法による術前補助療法が2023年3月より使用可能となった。そこで、実臨床におけるニボルマブ+プラチナ併用化学療法による術前補助療法の安全性・有効性を検討する多施設共同後ろ向き観察研究「CReGYT-04 Neo-Venus」が実施された。本研究では、第III相試験「CheckMate-816試験」と一貫した安全性が示され、実行可能であることが報告された1)。 ただし、実臨床における肺がん手術例の約半数は75歳以上の高齢者である。また、高齢者を対象に、免疫チェックポイント阻害薬+化学療法による術前補助療法の安全性・有効性を検討した報告はない。そこでCReGYT-04 Neo-Venusの副次解析として、75歳以上の高齢者における安全性・有効性に関する解析が実施された。本解析結果を松原 太一氏(九州大学病院 呼吸器外科)が、第66回日本肺癌学会学術集会で発表した。 対象は、ニボルマブ+プラチナ併用化学療法による術前補助療法を1サイクル以上受けた切除可能StageII~III NSCLC患者131例。このうち、登録時に術前補助療法を実施中であった1例を除外した130例を解析対象とした。解析対象患者を年齢で2群(75歳以上:28例/75歳未満:102例)に分類し、患者背景や治療成績を比較した。 主な結果は以下のとおり。・患者背景について、75歳以上の高齢群は非高齢群と比較して、男性が少ない(67.9%vs.87.3%)、他がんの既往ありが多い(32.1%vs.11.8%)という特徴があった。糖尿病や冠動脈疾患などの合併症については、2群間で差はみられなかった。臨床的StageやPD-L1発現状況についても2群間で差はみられなかった。・化学療法の種類について、高齢群はカルボプラチンベースのレジメンが多かった(96.4%vs.75.5%)。・術前補助療法の完遂割合は高齢群92.9%、非高齢群84.3%であった。・術前補助療法の奏効割合は高齢群68%、非高齢群66%であり、病勢コントロール割合はそれぞれ100%、96%であった。・術前補助療法におけるGrade3以上の治療関連有害事象は高齢群35.7%、非高齢群27.5%に発現した。全Gradeの免疫関連有害事象は高齢群7.1%、非高齢群25.5%に発現し、高齢群のほうが少なかった(p=0.0393)。・手術実施割合は高齢群92.9%(予定症例3.6%を含む)、非高齢群91.5%(同2.9%を含む)であった。非実施割合はそれぞれ7.1%(病勢進行1例、AE 1例)、8.8%(病勢進行4例、患者拒否2例、AE 1例、その他2例)であった。・手術実施例におけるR0切除割合は高齢群96.0%、非高齢群98.9%であった。・病理学的完全奏効(pCR)割合は高齢群20.8%、非高齢群39.3%であり、病理学的奏効(MPR)割合はそれぞれ54.2%、60.7%であった。 本結果について、松原氏は「pCR、MPR割合は非高齢群と比較するとやや低いものの、臨床試験の結果と比較しても全体的に良好な結果であった」と考察し「高齢者に対するニボルマブ+化学療法による術前補助療法は忍容性があり、病理学的奏効も期待できる治療であると考えられる。今後は長期フォローアップでの有効性の検討や、他の術前・術後補助療法の忍容性・有効性の検討も必要である」とまとめた。

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既治療のEGFR陽性NSCLC、sac-TMTがOS改善(OptiTROP-Lung04)/NEJM

 上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)による前治療後に病勢が進行したEGFR遺伝子変異陽性の進行・転移のある非小細胞肺がん(NSCLC)において、抗TROP2抗体薬物複合体sacituzumab tirumotecan(sac-TMT)はペメトレキセド+白金製剤ベースの化学療法と比較して、無増悪生存期間(PFS)とともに全生存期間(OS)をも改善し、新たな安全性シグナルの発現は認められなかった。中国・Guangdong Provincial Clinical Research Center for CancerのWenfeng Fang氏らが、第III相試験「OptiTROP-Lung04試験」の結果で示した。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2025年10月19日号に掲載された。中国の無作為化試験 OptiTROP-Lung04試験は、中国の66施設で実施した非盲検無作為化試験であり、2023年7月~2024年4月に参加者のスクリーニングが行われた(Sichuan Kelun-Biotech Biopharmaceuticalの助成を受けた)。 年齢18~75歳、局所進行(StageIIIBまたはIIIC)または転移のある(StageIV)の非扁平上皮NSCLCと診断され、治癒切除術または根治的化学放射線療法が非適応で、EGFR変異(exon19delまたはexon21 L858R置換)陽性であり、1次または2次治療においてEGFR-TKI(第1・2世代はT790M変異陰性例、第3世代はT790M変異の有無を問わない)の投与を受けたのち病勢が進行した患者376例(年齢中央値60歳[範囲:31~75]、男性39.6%)を対象とした。  参加者を、sac-TMT群(188例)またはペメトレキセド+白金製剤ベースの化学療法群(188例)に無作為に割り付けた。sac-TMT群は、28日を1サイクルとして1および15日目に5mg/kg体重を静脈内投与した。化学療法群は、21日を1サイクルとして1日目にペメトレキセド(500mg/m2体表面積)+担当医の選択によりカルボプラチン(AUC 5mg/mL/分)またはシスプラチン(75mg/m2)の投与を最大で4サイクル行い、その後ペメトレキセドによる維持療法を施行した。客観的奏効割合、奏効期間も優れる 登録時に、74.5%が非喫煙者で、97.6%がStageIVであった。全身状態の指標(ECOG PSスコア)は、0が20.7%、1が79.3%で、94.7%が前治療で第3世代EGFR-TKIの投与(62.5%は1次治療として)を受けていた。  追跡期間中央値18.9ヵ月の時点における、独立審査委員会が盲検下に評価したPFS中央値(主要エンドポイント)は、化学療法群よりもsac-TMT群で延長した(8.3ヵ月vs.4.3ヵ月、病勢進行または死亡のハザード比[HR]:0.49、95%信頼区間[CI]:0.39~0.62)。12ヵ月時のPFS率は、sac-TMT群が32.3%、化学療法群は7.9%だった。  また、OS中央値(主な副次エンドポイント)は、化学療法群が17.4ヵ月であったのに対し、sac-TMT群は推定不能(95%CI:21.5~推定不能)であり有意に優れた(死亡のHR:0.60、95%CI:0.44~0.82、両側p=0.001)。18ヵ月時のOS率は、sac-TMT群が65.8%、化学療法群は48.0%だった。  独立審査委員会が盲検下に評価した客観的奏効(完全奏効+部分奏効)の割合は、sac-TMT群が60.6%、化学療法群は43.1%であった(群間差:17.0%ポイント、95%CI:7.0~27.1)。奏効期間中央値はそれぞれ8.3ヵ月および4.2ヵ月であり、奏効期間中央値が1年以上の患者の割合は36.3%および8.1%だった。口内炎が高頻度に sac-TMT関連の新たな安全性シグナルは認めなかった。Grade3以上の治療関連有害事象は、sac-TMT群で58.0%、化学療法群で53.8%に発現し、最も頻度が高かったのは好中球数の減少(39.9%、33.0%)であった。Grade3以上の貧血(11.2%vs.14.3%)、血小板減少(2.1%vs.16.5%)はsac-TMT群で少なく、重篤な治療関連有害事象の頻度もsac-TMT群で低かった(9.0%vs.17.6%)。また、sac-TMT群では、治療関連有害事象による投与中止の報告はなかった。  とくに注目すべき薬剤関連有害事象については、sac-TMT群で口内炎(64.4%vs.4.9%)の頻度が高かった。sac-TMT群の口内炎の内訳は、Grade1が42例(22.3%)、同2が70例(37.2%)、同3が9例(4.8%)で、Grade4/5は認めなかった。19例(10.1%)が口内炎のため減量したが、投与中止例はなく、Grade3の9例はいずれも適切な介入と減量により診断から中央値で10日以内にGrade2以下に改善した。  著者は、「近年の治療の進歩は主に、化学療法と免疫チェックポイント阻害薬、抗血管新生薬、二重特異性抗EGFR/c-Met抗体、HER3を標的とする抗体薬物複合体を組み合わせた多剤併用療法が中心となっているが、主要な臨床試験ではOSの有益性に関して有意差は達成されていないことから、本試験においてsac-TMTが単剤でOSを有意に改善したことは注目に値する」「EGFR-TKI抵抗性のNSCLCでは、ペメトレキセド+白金製剤ベースの化学療法の前に、sac-TMTが考慮すべき好ましい治療選択肢となる可能性がある」としている。

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EGFR陽性NSCLCへのオシメルチニブ+化学療法、日本人でもOS良好(FLAURA2)/日本肺癌学会

 国際共同第III相無作為化比較試験「FLAURA2試験」において、EGFR遺伝子変異陽性の進行・転移非小細胞肺がん(NSCLC)に対する1次治療として、オシメルチニブ+化学療法はオシメルチニブ単剤と比較して無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を改善したことが報告されている1)。ただし、本試験のサブグループ解析において、中国人を除くアジア人集団のOSのハザード比(HR)は1.00(95%信頼区間[CI]:0.71~1.40)であったことから、日本人集団の結果が待ち望まれていた。そこで、第66回日本肺癌学会学術集会において、小林 国彦氏(埼玉医科大学国際医療センター)が本試験の結果を報告するとともに、日本人集団のOS解析結果を報告した。また、本報告の追加資料において、日本人集団の患者背景とPFS解析結果も示された。試験デザイン:国際共同第III相非盲検無作為化比較試験対象:EGFR遺伝子変異陽性(exon19欠失/L858R)でStageIIIB、IIIC、IVの未治療の非扁平上皮NSCLC成人患者557例試験群:オシメルチニブ(80mg/日)+化学療法(ペメトレキセド[500mg/m2]+シスプラチン[75mg/m2]またはカルボプラチン[AUC 5]を3週ごと4サイクル)→オシメルチニブ(80mg/日)+ペメトレキセド(500mg/m2)を3週ごと(併用群、279例)対照群:オシメルチニブ(80mg/日)(単独群、278例)評価項目:[主要評価項目]RECIST 1.1を用いた治験担当医師評価に基づくPFS[副次評価項目]OSなど 既報の主要な結果は以下のとおり。・OS中央値(併用群vs.単独群)47.5ヵ月vs.37.6ヵ月(HR:0.77、95%CI:0.61〜0.96、p=0.02)・2/3/4年OS率(同上)80%/63%/49%vs.72%/51%/41%・PFS中央値(同上)25.5ヵ月vs.16.7ヵ月(HR:0.62、95%CI:0.49〜0.79、p<0.001)・1/2年PFS率(同上)80%/57%vs.66%/41% 日本人集団の解析結果は以下のとおり。・解析対象は併用群47例、単独群47例であった。男性の割合はそれぞれ34%、51%であり、年齢中央値はそれぞれ68歳(範囲:39~83)、65歳(同:33~79)であった。EGFR遺伝子変異の内訳は、exon19欠失変異/L858R変異が、併用群49%/51%、単独群66%/34%であった。・OS中央値は併用群48.3ヵ月、単独群34.3ヵ月であり、日本人集団でも併用群が良好であった(HR:0.60、95%CI:0.36~1.03)。・2年、3年、4年時のOS率は、併用群がそれぞれ85%、65%、52%であり、単独群がそれぞれ65%、41%、33%であった。・PFS中央値は併用群24.8ヵ月、単独群16.4ヵ月であり、日本人集団でも併用群が良好であった(HR:0.49、95%CI:0.28~0.86)。・1年、2年時のPFS率は、併用群がそれぞれ83%、64%であり、単独群がそれぞれ63%、30%であった。

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ESMO2025 レポート 泌尿器がん

レポーター紹介2025年10月17~21日に、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2025)がドイツ・ベルリンで開催され、後の実臨床を変えうる注目演題が複数報告された。虎の門病院の竹村 弘司氏が泌尿器がん領域における重要演題をピックアップし、結果を解説する。ここ数年、泌尿器腫瘍領域の薬物治療における重要な研究成果はESMOで報告されることが多く、ESMO2023ではEV-302試験、ESMO2024ではNIAGARA試験の結果が報告されたことが記憶に新しい。いずれも大きな話題となり、本邦においてもこれらの臨床試験の結果が今日の日常臨床を変えた。ESMO2025では、泌尿器領域から4演題がPresidential Symposiumに採択された。いずれも近い将来の日常臨床や治療開発の方向性を変える可能性のある臨床試験である。本レポートでは、これら4演題の内容についての詳細を解説する。(表)ESMO2025 GU領域の注目演題のQuick Check画像を拡大する[目次]1.【膀胱がん】LBA22.【膀胱がん】LBA83.【前立腺がん】LBA64.【尿路上皮がん】LBA7【膀胱がん】LBA2Perioperative (periop) enfortumab vedotin (EV) plus pembrolizumab (pembro) in participants (pts) with muscle-invasive bladder cancer (MIBC) who are cisplatin-ineligible: The phase 3 KEYNOTE-905 study1.背景筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)の標準治療はシスプラチンを含む術前化学療法後の根治的膀胱全摘除術(RC)であるが、腎機能障害や併存疾患のためにシスプラチン不適格となる患者が約半数を占める。このような患者群に対しては (周術期化学療法なしの)膀胱全摘術が現在の標準治療であるが、再発率が高く、予後が悪い。本試験(KEYNOTE-905)は、シスプラチン不適格または拒否例のMIBC患者を対象に、EV+ペムブロリズマブ(以下EVP療法)による周術期化学療法の有効性および安全性を検証した第III相無作為化比較試験である。2.試験デザインデザイン多施設共同、第III相、無作為化比較試験対象シスプラチン不適格または拒否したMIBC患者治療:治療EVP群:EVP療法3コース後に膀胱全摘術、術後にEV 6コース、ペムブロリズマブ14コース対照群(標準治療/膀胱全摘術±リンパ節郭清のみ)主要評価項目無イベント生存期間(EFS)副次評価項目全生存期間(OS)、病理学的完全奏効率(pCR)、安全性など3.結果EVP群170例、対照群174例に無作為割り付けされた。観察期間中央値は25.6ヵ月(範囲:11.8~53.7)。EVP群の患者の年齢中央値は74.0歳(範囲:47~87)であり、75歳以上の高齢者は45.9%含まれていた。ECOG PS 0が60%、男性が80.6%であった。シスプラチン不適格例が83.5%、拒否例が16.5%であった。病期別ではT2N0が17.6%、T3/T4が78.2%、N1症例が4.1%であった。両群間で背景に大きな差はなかった。主要評価項目であるEFS中央値はEVP群で未到達、対照群で15.7ヵ月であり、ハザード比(HR)は0.40(95%信頼区間[CI]:0.28~0.57、p<0.0001)と、EVP群で有意なリスク低減が認められた。12ヵ月時点のEFS率は77.8%vs. 55.1%、24ヵ月時点では74.7%vs.39.4%であった。EFS改善効果は事前に設定されたサブグループ解析でも一貫しており、年齢、性別、PS、PD-L1発現、腎機能などにかかわらずEVP群で良好であった。OS中央値は、EVP群で未到達、対照群で41.7ヵ月であり、HR:0.50(95%CI:0.33~0.74、p=0.0002)とEVP群で有意な生存延長を認めた。12ヵ月時点での生存率は86.3%vs.75.7%、24ヵ月時点で79.7%vs.63.1%であった。pCR率は57.1%vs.8.6%(95%CI:39.5~56.5、p<0.000001)であった。本試験において、pCRは手術検体における腫瘍残存なし(pT0N0)と定義されており、手術未施行例は非奏効(non-responder)として解析されている。周術期EVP療法の安全性プロファイルは既報の進行期尿路上皮がん(UC)治療での報告とおおむね一致し、新たな安全性シグナルは認められなかった。また、本併用療法は根治的手術施行率を低下させなかったことも示された。4.結論周術期EVP療法は、シスプラチン不適格または拒否したMIBC患者において、EFS、OS、pCR率を有意に改善した。手術実施率への悪影響はなく、安全性も許容範囲内であった。本試験は、MIBCに対する周術期治療としてEVP療法が新たな標準治療となる可能性を初めて示した第III相試験である。5.筆者コメントEVP療法はすでに転移を有する再発UCの領域でパラダイムシフトを起こしており、予想はしていたが、KEYNOTE-905試験もpositiveな結果であった。文句なくpractice changeであるが、今後検証・確認しないといけないこととして以下が挙げられる。シスプラチン適格の患者を対象に、シスプラチンベースのレジメンと比較してもEVPが優れるかどうか。→EV-304試験の結果が待たれる。術後のEVP療法は全例に必要なのか。→術後EVP、ペムブロリズマブのみ、経過観察のみ、の3群比較ではどうなるか。今後リアルワールドデータの報告なども待たれる。周術期にEVが合計9コース投与されるため、末梢神経障害も懸念される。周術期EVP療法におけるctDNAステータスを絡めた探索的解析の結果が待たれる。【膀胱がん】LBA8IMvigor011: a Phase 3 trial of circulating tumour (ct)DNA-guided adjuvant atezolizumab vs placebo in muscle-invasive bladder cancer1.背景MIBCの術後アテゾリズマブ療法の有効性を検証したランダム化第III相試験であるIMvigor010試験はnegative studyであったが、探索的研究でctDNAが予後予測因子であることに加えてアテゾリズマブの効果予測因子であることが示唆された。そのような背景から、ctDNA-guided selectionされたコホートにおけるアテゾリズマブの有効性を検証したのがIMvigor011試験である。IMvigor011試験は、MIBC患者のうち術後ctDNAが陽性であるコホートのみを対象としたアテゾリズマブ術後療法の有効性を評価したランダム化第III相試験である。2.試験デザインデザイン多施設共同、第III相、無作為化比較試験対象膀胱全摘術後6〜24週以内のMIBC(pT2-T4aN0M0またはpT0-T4aN+M0)。術前化学療法の実施は許容された。介入:介入6週ごとのctDNA評価、12週ごとの画像評価を実施。ctDNA陽性→アテゾリズマブ(1,680mg IV 4週ごと×最大1年)vs.プラセボ(2:1)ctDNA陰性→無治療・経過観察群主要評価項目治験医師評価の無病生存期間(DFS)副次評価項目OS3.結果登録患者756例(ctDNA陽性:379例、ctDNA陰性:377例)。このうち、ctDNA陽性例250例がランダム化(アテゾリズマブ:167例、プラセボ:83例)。患者の年齢中央値は69歳(範囲:42~87)、ほぼ全例がECOG PS 0~1であった。病理学的ステージはpT3/4が約7割、リンパ節転移陽性が約6割であった。初回ctDNA評価で陽性判定されたのは約6割、フォローアップ中のctDNA評価で陽性判定されたのは約4割であった。主要評価項目である治験医師評価のDFS中央値は、アテゾリズマブ群9.9ヵ月、プラセボ群4.8ヵ月であり、HR:0.64(95%CI:0.47~0.87、p=0.0047)と統計学的に有意にアテゾリズマブ群が良好であった。12ヵ月DFS率は44.7%vs.30.0%、24ヵ月DFS率は28.0%vs.12.1%であった。OSは32.8ヵ月vs.21.1ヵ月(HR:0.59、95%CI:0.39~0.90、p=0.0131)であり、24ヵ月時点のOS率は62.8%vs.46.9%と、アテゾリズマブ群で明確な上乗せ効果を示した。なお、1年間のctDNAフォロー期間においてctDNA陰性で経過したコホートでは、24ヵ月時点のDFSは88.4%、OSは97.1%で無イベントで経過していた。4.結論ctDNAガイド下アテゾリズマブ術後療法は、ctDNA陽性のMIBC患者においてDFSおよびOSを有意に改善した。非選択集団で有効性を示せなかったIMvigor010試験と異なり、ctDNAを用いた層別化戦略により免疫療法の効果を享受できるコホートを抽出することができる可能性が示唆された。5.筆者コメントMIBCの術後化学療法において、ctDNAをベースとした免疫チェックポイント阻害薬による治療戦略を構築することに成功した重要な臨床試験である。周術期における免疫チェックポイント阻害薬を含む治療の有効性を検証している他の大規模比較試験においても同様の傾向がみられるか、今後再現性の評価も重要である。一方で、ctDNA陽性の場合、介入群でも多くの患者が再発しており、今後このコホートに対するより強度の高い治療の有効性が検証されるべきであると感じた。【前立腺がん】LBA6Phase 3 trial of 177Lu-PSMA-617 combined with ADT + ARPI in patients with PSMA-positive metastatic hormone-sensitive prostate cancer (PSMAddition)1.背景177Lu-PSMA-617は、VISION試験において転移を有する去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)に対する生存延長効果を示した。PSMAddition試験は、ホルモン感受性転移を有する前立腺がん(mHSPC)を対象に、177Lu-PSMA-617をアンドロゲン除去療法(ADT)+アンドロゲン受容体経路阻害薬(ARPI)に併用する有効性と安全性を検証した第III相無作為化試験である。2.試験デザインデザイン国際多施設共同、無作為化、第III相試験対象PSMA PET/CTで陽性のmHSPC男性(ECOG PS 0~2)介入群177Lu-PSMA-617(7.4GBq 6週ごと×最大6コース)+ADT+ARPI対照群ADT+ARPI無増悪確認後のクロスオーバー許可(BIRC評価)主要評価項目画像評価による無増悪生存期間(rPFS)副次評価項目全生存期間(OS)などESMO2025ではrPFSの第2回中間解析、OSの第1回中間解析の結果が発表された。3.結果1,529例がスクリーニングされ、PSMA陽性1,232例のうち1,144例が無作為化割り付け(177Lu-PSMA-617群572例、対照群572例)された。年齢中央値68歳(範囲:36~91歳)、70歳以上が43%、ECOG PS 0~1が97%以上であった。high volumeが68%、de novo症例が52.1%を占めた。使用ARPIはアビラテロン37.6%、アパルタミド32.9%、エンザルタミド22.1%、ダロルタミド6%であった。主要評価項目であるrPFS中央値は両群とも未到達であったが、HR:0.72(95%CI:0.58~0.90、p=0.002)と統計学的有意差をもって併用群で改善がみられた。事前に設定されたサブグループ(年齢、腫瘍量、PSA値、PSなど)によらず、一貫して併用群が優位であった。OSは中間解析時点で未到達(HR:0.84、95%CI:0.63~1.13、p=0.125)ながら、併用群で生存延長傾向を示した。その他の主要な副次評価項目の結果は以下のとおりである。奏効率(ORR) 85.3%vs.80.8%(CR:57.1%vs.42.3%)PSA進行までの期間 HR:0.42(95%CI:0.30~0.59)48週時点でのPSA<0.2ng/mL達成率 87.4%vs.74.9%mCRPCへの進行時間 HR:0.70(95%CI:0.58~0.84)有害事象(AE)は既知の177Lu-PSMA-617関連毒性とおおむね一致しており、主な毒性プロファイルを以下に示す。Grade≧3 AE 50.7%vs.43.0%177Lu-PSMA-617群でみられた主なAE:口渇(45.7%)、疲労(34.8%)、悪心(34.2%)、便秘(17.9%)、食欲低下(14.4%)、嘔吐(13.8%)、下痢(12.2%)、味覚異常(11.9%)。血液毒性:貧血(28%)、好中球減少(14.7%)、血小板減少(11.2%)と軽度の骨髄抑制がみられたが、治療関連死亡はなし。4.結論177Lu-PSMA-617をADT+ARPIに併用することにより、PSMA陽性mHSPCにおけるrPFSを有意に改善し、主要評価項目を達成した。OSは未成熟ながら改善傾向を示しており、副次評価項目(PSA応答、mCRPC進行時間など)も一貫して併用群が優れていた。安全性は既知の範囲内で、新たな毒性シグナルは認められなかった。5.筆者コメントcontrol armがARPI doubletであり、現在の標準治療に一致した治療が行われている。PFS benefitがあることは今回の結果で判明したが、OSの長期フォローアップデータが気になるところである。本邦ではmCRPCに対する177Lu-PSMA-617が保険承認されたが、日常臨床で広く利用可能になるには、まだまだ時間がかかりそうである。【尿路上皮がん】LBA7Disitamab vedotin (DV) plus toripalimab (T) versus chemotherapy (C) in first-line (1L) locally advanced or metastatic urothelial carcinoma (la/mUC) with HER2-expression1.背景これまでに、HER2陽性UCに対して、HER2抗体薬物複合体(ADC)であるdisitamab vedotin(DV)が有効性を示し、さらに抗PD-1抗体toripalimab(T)との併用は前治療歴を問わずORR76%、PFS中央値9.3ヵ月と有望な結果が報告されている。RC48-C016試験は、未治療のHER2発現(IHC 1+以上)局所進行または転移を有するUCを対象に、DV+T併用療法の1次治療における有効性と安全性を化学療法と比較した第III相試験である。2.試験デザインデザイン中国で実施された多施設共同、オープンラベル、無作為化第III相試験対象切除不能局所進行または転移を有するHER2 IHC 1+/2+/3+ UC、ECOG 0~1介入群(DV+T群)DV(2.0mg/kg)+T(3.0mg/kg)併用療法対照群(化学療法群)シスプラチンまたはカルボプラチン+ゲムシタビン主要評価項目BIRC評価によるPFSおよびOS副次評価項目治験医師評価PFS、ORR、奏効期間(DOR)、安全性など3.結果811例がスクリーニングされ、484例が無作為化割り付けされた。年齢中央値66歳、ECOG 0~1が97%以上であった。HER2発現はIHC 1+が22.6%、IHC 2+/3+は77.4%であった。内臓転移あり、上部尿路原発、シスプラチン適格性ありの患者は、いずれも半分程度であった。PFS中央値はBIRC評価でDV+T群13.1ヵ月vs.化学療法群6.5ヵ月であり、HR:0.36(95%CI:0.28~0.46、p<0.0001)と統計学的に有意にDV+T群で良好であった。12ヵ月PFS率は54.5%vs.16.2%であった。すべての事前に設定されたサブグループ(HER2発現、PD-L1、臓器転移、年齢、PS)で一貫した有効性を示した。OSはDV+T群31.5ヵ月vs.化学療法群16.9ヵ月(95%CI:14.6~21.7)であり、HR:0.54(95%CI:0.41~0.73、p<0.0001)と統計学的に有意にDV+T群で良好であった。ランドマークOSは12ヵ月OS率79.5%vs.62.5%、18ヵ月64.6%vs.48.1%であった。ORRは76.1%vs.50.2%(CR:4.5%vs.1.2%)、DoR中央値は14.6ヵ月vs.5.6ヵ月であり、DV+T群で良好な傾向にあった。化学療法群の64.7%が後治療を受け、そのうち40.2%が抗HER2療法、50.2%がPD-1/PD-L1阻害薬を使用していた。DV+T群では27.2%が後治療を受けており、主に殺細胞性抗がん剤による治療であった。安全性についてのプロファイルは以下のとおりである。治療関連有害事象(TRAE):DV+T群98.8%、化学療法群100%Grade≧3 TRAE:55.1%vs.86.9%主なAEトランスアミナーゼ上昇(43~49%)、貧血(42%)、末梢神経障害(18%)、発疹(21%)など免疫関連AE18.9%がGrade≧3、重篤な毒性増加はなし治療中止率12.3%vs.10.4%総じてDV+T併用は化学療法より有害事象が少なく、許容可能な安全性を示した。4.結論RC48-C016試験は、HER2発現mUCにおいて、抗HER2 ADCと抗PD-1抗体の併用が化学療法と比較して有効性を示した初めての第III相試験である。DV+T療法は1次治療HER2陽性進行尿路上皮がんの新たな標準治療候補として位置付けられる。5.筆者コメント本試験はHER2発現1+以上が参加可能となっており、今後プラクティスで使用可能となった場合は適格性を有する患者の割合はそれなりに多いことが想定される。本試験は中国のみで実施されたPhaseIIIであるが、SGNDV-001試験(DV+ペムブロリズマブのPhaseIII)でも同様の有効性が実証されるか、結果が期待される。HER2発現UCの1次治療として今後標準治療に組み込まれることが期待され、EV+ペムブロリズマブ療法との使い分けなど、今後検討が必要となる。直接比較はできないが、DVは比較的毒性がマイルドである可能性があり、プラクティスを大きく変化させる可能性がある。また、DV後のEV(またはEV後のDV)といったADC製剤の逐次的治療のデータなどの蓄積も今後期待される。

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EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法のOS最終解析(FLAURA2)/NEJM

 上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)オシメルチニブの単剤療法と比較して白金製剤とペメトレキセドによる化学療法+オシメルチニブの併用療法は、全生存期間(OS)を有意に延長させ、Grade3以上の可逆的な有害事象のリスク増加と関連していた。米国・ダナファーバーがん研究所のPasi A. Janne氏らFLAURA2 Investigatorsが、「FLAURA2試験」の主な副次エンドポイントの解析において、OSの事前に計画された最終解析の結果を報告した。同試験の主解析では、化学療法併用群において主要エンドポイントである無増悪生存期間(PFS)が有意に優れることが示されていた(ハザード比[HR]:0.62、95%信頼区間[CI]:0.49~0.79、p<0.001)。NEJM誌オンライン版2025年10月17日号掲載の報告。国際的な無作為化第III相試験 FLAURA2試験は、日本の施設も参加した国際的な非盲検無作為化第III相試験(AstraZenecaの助成を受けた)。2020年1月~2021年12月に患者のスクリーニングが行われ、年齢18歳以上(日本は20歳以上)で、EGFR変異(exon19delまたはL858R)陽性の局所進行・転移のある非扁平上皮NSCLCと診断され、進行病変に対する全身療法を受けていない患者を対象とした。 被験者を、導入療法としてオシメルチニブ(80mg)の1日1回経口投与と、ペメトレキセド(500mg/m2体表面積)+白金製剤(シスプラチン[75 mg/m2体表面積]またはカルボプラチン[AUC 5 mg/mL/分])の3週ごとの静脈内投与を4サイクル受ける群(化学療法併用群)、またはオシメルチニブ(80mg)単剤の1日1回経口投与を受ける群(オシメルチニブ単剤群)のいずれかに無作為に割り付けた。化学療法併用群は、導入療法終了後に維持療法として、オシメルチニブ(80mg)の1日1回経口投与とペメトレキセド(500mg/m2体表面積)の3週ごとの静脈内投与を受けた。 557例(最大の解析対象集団)を登録し、化学療法併用群に279例(年齢中央値61歳[範囲26~83]、女性173例[62%])、オシメルチニブ単剤群に278例(62歳[30~85]、169例[61%])を割り付けた。全生存期間中央値が約10ヵ月延長 データカットオフ時点での投与期間中央値は化学療法併用群が30.5ヵ月、オシメルチニブ単剤群は21.2ヵ月で、全生存の追跡期間中央値はそれぞれ42.6ヵ月および35.7ヵ月であった。この時点で化学療法併用群の144例(52%)、オシメルチニブ単剤群の171例(62%)が死亡した。 OS中央値は、オシメルチニブ単剤群が37.6ヵ月(95%CI:33.2~43.2)であったのに対し、化学療法併用群は47.5ヵ月(41.0~算出不能)と有意に優れた(HR:0.77、95%CI:0.61~0.96、p=0.02)。また、36ヵ月時のOS率は、化学療法併用群が63%、オシメルチニブ単剤群は51%であり、48ヵ月OS率はそれぞれ49%および41%であった。 ベースラインで中枢神経系転移を認めた患者の36ヵ月OS率は、化学療法併用群が57%、オシメルチニブ単剤群は40%であり、同転移のない患者ではそれぞれ67%および58%だった。新たな毒性作用は認めず、Grade3以上が多い 551例(安全性解析集団:化学療法併用群276例、オシメルチニブ単剤群275例)が少なくとも1回の試験薬の投与を受けた。主解析から2年超の時点での安全性の知見は、主解析時の解析結果と一致しており、新たな毒性作用は認めなかった。 Grade3以上の有害事象は、化学療法併用群で193例(70%)、オシメルチニブ単剤群で94例(34%)に、重篤な有害事象はそれぞれ126例(46%)および75例(27%)に発現した。死亡に至った有害事象はそれぞれ22例(8%)および10例(4%)で認め、このうち試験薬との関連の可能性があると判定されたのは5例(2%)および2例(1%)であり、オシメルチニブ単剤群の1例を除き、いずれも主解析のデータカットオフ日の前に死亡していた。オシメルチニブの投与中止に至った有害事象は、それぞれ34例(12%)および20例(7%)で報告された。 著者は、「Grade3以上の有害事象は化学療法併用群で高頻度であったが、このオシメルチニブ単剤群との差は、主に化学療法を含むレジメンで予想される骨髄抑制作用に起因する有害事象によるものであった」「病勢進行のため投与を中止したオシメルチニブ単剤群の患者の多くが最初の後治療として白金製剤ベースの2剤併用化学療法を受けたが、これらの患者のOSは化学療法併用群よりも劣ったことから、発症後の最初の治療は併用療法で開始するのが好ましい可能性が示唆され、本試験の化学療法併用群におけるOSの有益性は、1次治療を有効性の高い併用療法で開始することの重要性を強調するものである」としている。

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HER2陽性尿路上皮がん、disitamab vedotin+toripalimabがPFS・OS改善(RC48-C016)/NEJM

 未治療のHER2陽性局所進行または転移のある尿路上皮がん患者において、HER2を標的とする抗体薬物複合体(ADC)であるdisitamab vedotinと抗PD-1抗体toripalimabの併用療法は、化学療法と比較して主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を有意に延長することが認められた。中国・Peking University Cancer Hospital and InstituteのXinan Sheng氏らRC48-C016 Trial Investigatorsが、中国の72施設で実施した第III相無作為化非盲検試験「RC48-C016試験」の事前に規定されたPFS解析およびOS中間解析の結果を報告した。HER2を標的とするADCの単剤療法は、化学療法後のHER2陽性尿路上皮がんに対する有効な治療選択肢として確立されている。disitamab vedotinは、単剤療法として、またPD-1を標的とした免疫療法との併用において、有望な抗腫瘍活性と安全性が示されていた。NEJM誌オンライン版2025年10月19日号掲載の報告。PFSとOSを主要評価項目として、化学療法と比較 研究グループは、病理組織学的に確認された切除不能な局所進行または転移のある尿路上皮がんを有し、術前または術後補助療法後12ヵ月以内の病勢進行または再発は認められず、かつ全身化学療法未治療で、中央検査にてHER2陽性(IHCスコア1+、2+または3+)が確認された18歳以上の患者を、disitamab vedotin+toripalimab群と化学療法群に1対1の割合で無作為に割り付けた。 disitamab vedotin+toripalimab群では、disitamab vedotin 2.0mg/kgとtoripalimab 3 mg/kgをいずれも2週間ごとに投与し、化学療法群では3週間を1サイクルとしてゲムシタビン1,000mg/m2を1日目と8日目に、シスプラチン70mg/m2またはカルボプラチンAUC=4.5を1日目に投与し、病勢進行、許容できない毒性発現または規定サイクル完了(化学療法は6サイクル、disitamab vedotin+toripalimabは上限なし)まで継続した。 主要評価項目は、盲検下独立中央判定によるPFS、およびOS、副次評価項目は奏効率、病勢コントロール率、奏効期間、安全性などであった。disitamab vedotin+toripalimab群のPFSとOSが有意に延長 適格患者484例が無作為化された(disitamab vedotin+toripalimab群243例、化学療法群241例)。 追跡期間中央値18.2ヵ月において、PFS中央値はdisitamab vedotin+toripalimab群13.1ヵ月(95%信頼区間[CI]:11.1~16.7)、化学療法群6.5ヵ月(5.7~7.4)であり、disitamab vedotin+toripalimab群で有意に延長した(ハザード比[HR]:0.36、95%CI:0.28~0.46、p<0.001[有意水準0.05])。OS中央値もそれぞれ31.5ヵ月(95%CI:21.7~推定不能)、16.9ヵ月(14.6~21.7)で、disitamab vedotin+toripalimab群で有意に延長した(HR:0.54、95%CI:0.41~0.73、p<0.001[有意水準0.009])。 奏効率は、disitamab vedotin+toripalimab群76.1%(95%CI:70.3~81.3)、化学療法群50.2%(43.7~56.7)であった。 安全性プロファイルはdisitamab vedotin+toripalimab群が化学療法群と比較し良好で、Grade3以上の治療関連有害事象はdisitamab vedotin+toripalimab群で55.1%、化学療法群で86.9%に認められた。 なお、著者は、中国のみで実施された臨床試験であること、両群とも完全奏効が得られた患者の割合は同時期の他の臨床試験で報告されている割合よりも低かったこと、中国ではアベルマブによる維持療法は未承認であるため利用できなかったことなどを研究の限界として挙げている。

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ALK陽性NSCLCへの術後アレクチニブ、4年OS率98.4%(ALINA)/ESMO2025

 ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)の完全切除達成患者を対象に、術後アレクチニブの有用性を検討した国際共同第III相試験「ALINA試験」の主解析において、アレクチニブはプラチナ製剤を含む化学療法と比較して、無病生存期間(DFS)を改善したことが報告されている(ハザード比[HR]:0.24、95%信頼区間[CI]:0.13~0.43)1)。ただし、とくに全生存期間(OS)に関するデータは未成熟(主解析時点のイベントは6例)であり、より長期の追跡結果が望まれていた。そこで、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2025)において、Rafal Dziadziuszko氏(ポーランド・グダニスク大学)が、本試験の約4年追跡時点の結果を報告した。・試験デザイン:国際共同第III相非盲検無作為化比較試験・対象:未治療の切除可能なStageIB(4cm以上)/II/IIIA(UICC/AJCC第7版)のALK融合遺伝子陽性NSCLC患者で完全切除を達成した患者・試験群(アレクチニブ群):アレクチニブ(1回600mg、1日2回)を2年間もしくは再発まで 130例(日本人15例)・対照群(化学療法群):シスプラチン(不耐の場合はカルボプラチンに変更可能)+ペメトレキセドまたはビノレルビンまたはゲムシタビンを3週ごと4サイクルもしくは再発まで 127例(日本人20例)・評価項目:[主要評価項目]DFS(StageII/IIIA集団→ITT集団の順に階層的に解析)[その他の評価項目]中枢神経系再発または死亡までの期間(CNS-DFS)、OS、安全性など 今回発表された主な結果は以下のとおり。・UICC/AJCC第7版に基づくStageIB/II/IIIAの割合は、アレクチニブ群11%/36%/53%、化学療法群9%/35%/55%で、UICC/AJCC第8版に基づくStageIB/IIA/IIB/IIIA/IIIBの割合は、それぞれ5%/8%/31%/51%/5%、4%/3%/35%/54%/5%であった。・UICC/AJCC第7版に基づくStageII/IIIA集団におけるDFS中央値は、アレクチニブ群未到達、化学療法群41.4ヵ月であった(HR:0.36、95%CI:0.23~0.56)。4年DFS率はそれぞれ74.5%、46.3%であった。・ITT集団におけるDFS中央値は、アレクチニブ群未到達、化学療法群41.4ヵ月であった(HR:0.35、95%CI:0.23~0.54)。4年DFS率はそれぞれ75.5%、47.0%であった。・DFSのサブグループ解析において、いずれのサブグループにおいてもアレクチニブ群が良好な傾向にあった。・ITT集団における4年CNS-DFS率は、アレクチニブ群90.4%、化学療法群76.1%であった(HR:0.37、95%CI:0.19~0.74)。・ITT集団における4年OS率は、アレクチニブ群98.4%、化学療法群92.4%であった(HR:0.40、95%CI:0.12~1.32)。

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HR 0.40、シスプラチン不適格MIBCへの周術期EV+ペムブロリズマブ追加でEFS改善(KEYNOTE-905)/ESMO2025

 シスプラチン不適格または投与を拒否した筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)患者において、術前・術後のエンホルツマブ ベドチン(EV)+ペムブロリズマブの追加は、根治的膀胱全摘除術(RC)+骨盤リンパ節郭清術(PLND)のみと比較して、無イベント生存期間(EFS)を有意に改善した。ベルギー・アントワープ大学のChristof Vulstake氏が、第III相KEYNOTE-905試験の結果を、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2025)で報告した。・対象:シスプラチン不適格(Galsky criteriaによる)または投与を拒否したMIBC患者(T2~T4aN0M0またはT1~T4aN1M0、ECOG PS 0~2)・試験群(EV+Pem群):EV(1.25mg/kg、3週ごと1・8日目)×3サイクル+ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと)×3サイクル→RC+PLND→EV×6サイクル+ペムブロリズマブ×14サイクル 170例・対照群:RC+PLNDのみ 174例※同試験は当初、術前ペムブロリズマブ→RC+PLND→術後ペムブロリズマブ投与群(ペムブロリズマブ群)と対照群との2アームで開始されたが、2020年にEV+Pem群が追加された。2022年にはペムブロリズマブ群への無作為化を中止、EV+Pem群と対照群に1:1の割合で無作為に割り付けられ、対照群では術後ニボルマブ投与が可能となった。今回は、EV+Pem群と対照群の結果が報告されている。・評価項目:[主要評価項目]盲検下独立中央判定(BICR)によるEFS[重要な副次評価項目]OS、中央判定による病理学的完全奏効(pCR)・層別化因子:シスプラチン適格性(不適格vs.適格だが投与拒否)、臨床病期(T2N0 vs. T3/T4aN0 vs.T1~T4aN1)など[探索的評価項目]pCRステータスごとのEFS・観察期間中央値25.6ヵ月(データカットオフ:2025年6月6日) 主な結果は以下のとおり。・ベースライン特性は両群でバランスがとれており、年齢中央値はEV+Pem群74.0歳vs.対照群72.5歳、シスプラチン不適格が83.5%vs.79.9%、T3/T4aN0が78.2%vs.75.9%、ECOG PS 2の患者が12.4%vs.14.9%含まれた。・BICRによるEFS中央値は、EV+Pem群NR(95%信頼区間[CI]:37.3~NR)vs.対照群15.7ヵ月(95%CI:10.3~20.5)で、EV+Pem群で統計学的有意に改善した(ハザード比[HR]:0.40、95%CI:0.28~0.57、片側p<0.0001)。なお、対照群の16.7%が術後ニボルマブ投与を受けていた。・OS中央値は、EV+Pem群NR(95%CI:NR~NR)vs.対照群41.7ヵ月(95%CI:31.8~NR)で、EV+Pem群で統計学的有意に改善した(HR:0.50、95%CI:0.33~0.74、片側p<0.0002)。12ヵ月OS率は86.3%vs.75.7%、24ヵ月OS率は79.7%vs.63.1%。EV+Pem群の4.7%、対照群の26.4%が次治療を受けていた。・EV+Pem群におけるEFSおよびOSベネフィットはすべてのサブグループで一貫していた。・pCR率はEV+Pem群57.1%(95%CI:49.3~64.6)vs.対照群8.6%(95%CI:4.9~13.8)、推定差48.3%(95%CI:39.5~56.5、片側p<0.000001)となり、EV+Pem群で統計学的有意に改善した。・pCRが得られた症例におけるEFSはEV+Pem群NR vs.対照群41.2ヵ月(HR:0.43、95%CI:0.16~1.06)、non-pCR症例では26.1ヵ月vs.14.2ヵ月(HR:0.76、95%CI:0.51~1.14)であった。・投与サイクル中央値は術前EV+ペムブロリズマブが3.0サイクル、術後EVが6.0サイクル、術後ペムブロリズマブが12.0サイクルであった。・Grade3以上の試験治療下における有害事象(TEAE)はEV+Pem群71.3%vs.対照群45.9%で発現した。EV+Pem群でみられた主なGrade3以上のTEAEは尿路感染、貧血などで、これまでに報告されている安全性プロファイルと一致し、新たな安全性上の懸念は報告されていない。・有害事象による手術遅延はEV+Pem群4.0%vs.対照群0.6%で発生した。 Vulstake氏は、本試験はシスプラチン不適格のMIBC患者において手術療法と比較し周術期療法の有効性を示した初の第III相試験であるとし、高いアンメットニーズを抱えた同患者集団における新たな標準治療となる可能性を示したとまとめている。

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進行尿路上皮がん、アベルマブ維持療法前の化学療法3サイクルvs.6サイクル(DISCUS)/ESMO2025

 局所進行または転移を有する尿路上皮がんにおける、アベルマブ維持療法前のプラチナ化学療法の治療サイクル数について、3サイクルは6サイクルと比較してQOLが有意に良好であり、中間解析時点における全生存期間(OS)はともに18.9ヵ月であった。スペイン・Anderson Cancer Center MadridのEnrique Grande氏が、医師主導の第II相国際共同試験であるDISCUS試験の結果を、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2025)で報告した。なお、本結果はAnnals of Oncology誌オンライン版2025年10月17日号に同時掲載された。・対象:進行がんに対する全身療法歴のない局所進行または転移を有する尿路上皮がん患者(ECOG PS 0~2)・3サイクル群:ゲムシタビン(21日ごと1・8日目に1,000mg/m2)+シスプラチン(同1日目に70mg/m2)またはカルボプラチン(同1日目にAUC4.5または5)×3サイクル後にアベルマブ維持療法を最大2年 133例・6サイクル群:ゲムシタビン+シスプラチンまたはカルボプラチン×6サイクル後にアベルマブ維持療法を最大2年 134例・評価項目:[主要評価項目]ベースラインから6サイクル完了時点までのGHS/QoLスコアの変化、OS[副次評価項目]GHS/QoLスコア悪化までの時間、無増悪生存期間(PFS)、奏効割合(ORR)、安全性など 主な結果は以下のとおり。・ベースライン特性は、年齢中央値が両群で71歳、男性が3サイクル群75%vs.6サイクル群70%、肝転移ありが両群で19%、ゲムシタビン+シスプラチン療法が42%vs.40%と両群でバランスがとれていた。・治療を完遂した患者の割合は、3サイクル群78%vs.6サイクル群40%であった。アベルマブ維持療法を受けた患者の割合は、74%vs.56%であった。・ベースラインから6サイクル完了時点までの平均GHS/QoLスコア変化は、3サイクル群0.0(95%信頼区間[CI]:-5.9~5.2)vs.6サイクル群-8.5(95%CI:-14.1~-2.9)であり、3サイクル群で統計学的に有意に良好であった(群間差:+8.5ポイント、95%CI:0.7~16.3、p=0.016)。・GHS/QoLスコアはすべてのスクリーニング時点で3サイクル群で良好な傾向がみられたが、GHS/QoLスコア悪化までの時間は、3サイクル群4.8ヵ月vs.6サイクル群3.5ヵ月(ハザード比[HR]:0.81、95%CI:0.46~1.43)となり、統計学的有意差は認められなかった。・中間解析時点におけるOS中央値は、3サイクル群18.92ヵ月vs.6サイクル群18.86ヵ月であった(HR:1.15、95%CI:0.72~1.86、p=0.56)。・PFS中央値は、3サイクル群8.0ヵ月vs.6サイクル群9.0ヵ月であった(HR:1.053、95%CI:0.725~1.527、p=0.788)。・ORRは、3サイクル群24%vs.6サイクル群27%であった。・Grade3~4の治療関連有害事象は、3サイクル群3%vs.6サイクル群11%に発現した。 Grande氏はOSについて、3サイクル投与群では6サイクル投与群と比較して優越性は示されず、非劣性を示すには検出力不足であったとし、より多くの患者がアベルマブ維持療法に進んでいることから、長期的な有効性につながる可能性があるとした。OS解析は進行中となっている。

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デュルバルマブの非小細胞肺がんおよび膀胱がん周術期療法、国内承認/AZ

 アストラゼネカは、2025年9月19日、デュルバルマブ(商品名:イミフィンジ)について、「非小細胞肺癌における術前・術後補助療法」および「膀胱癌における術前・術後補助療法」を効能又は効果として厚生労働省より承認を取得したと発表。非小細胞肺がんの承認 非小細胞肺がん(NSCLC)の承認は第III相AEGEAN試験の結果に基づくもの。AEGEAN試験は、切除可能なStage IIAからIIIB(AJCC第8版)NSCLCに対する周術期治療としてのデュルバルマブをPD-L1発現の有無を問わずに評価する第III相無作為化二重盲検プラセボ対照国際多施設共同試験。中間解析において、デュルバルマブベースの周術期レジメン群は術前補助化学療法単独群と比較して、再発・進行または死亡イベント発現リスクを32%低下させ、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある結果が認められた(無イベント生存期間[EFS] ハザード比[HR]:0.68、95%信頼区間[CI]:0.53~0.88、p=0.003902)。 日本ではNSCLCのうち20%〜25%は根治目的の手術が可能という報告もある。しかし、これら患者の多くは再発し、診断後 5 年生存率は、Stage IIで56〜65%、IIIで24〜41%とされ、新たな治療選択肢が求められてきた。膀胱がんの承認 膀胱がんの承認は第III相NIAGARA試験の結果に基づくもの。NIAGARA試験は筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)に対する周術期治療薬としてのデュルバルマブを評価する第III相国際多施設共同無作為化非盲検試験。中間解析において、デュルバルマブベースの周術期レジメン群は術前補助化学療法単独群に対して、病勢進行、再発、手術未施行、または死亡のリスクを32%統計学的に有意に低下させた(EFS HR:0.68、95%CI:0.558~0.817、p<0.0001)。 2020年に日本で膀胱がんと診断された患者は2万3,185例で、9,168例が死亡している。MIBCは新たに診断された膀胱がんの25~30%を占める。MIBCでは根治手術が行われているにもかかわらず、現在の標準治療である術前補助化学療法を受けた患者のうち約50%が術後に再発を経験している。非小細胞肺がんにおける術前・術後補助療法の用法及び用量 術前補助療法では、他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1,500mgを3週間間隔で4回まで、60分間以上かけて点滴静注する。その後、術後補助療法では、デュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1,500mgを4週間間隔で12回まで、60分間以上かけて点滴静注する。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg(体重)とする。膀胱がんにおける術前・術後補助療法の用法及び用量 術前補助療法では、ゲムシタビン塩酸塩及びシスプラチンとの併用において、通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1,500mgを3週間間隔で4回まで、60分間以上かけて点滴静注する。その後、術後補助療法では、デュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1,500mgを4週間間隔で8回まで、60分間以上かけて点滴静注する。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg(体重)とする。

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EGFR陽性NSCLCへの術前オシメルチニブ、ctDNAによるMRD解析(NeoADAURA)/WCLC2025

 切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)における治療選択肢として術前補助療法があるが、EGFR遺伝子変異陽性例では病理学的奏効(MPR)がみられる割合が低い。そこで、術前補助療法としてのオシメルチニブ±化学療法の有用性を検討する国際共同第III相試験「NeoADAURA試験」が実施されており、オシメルチニブ+化学療法、オシメルチニブ単剤は化学療法と比べてMPRを改善したことが、2025年6月に報告された1)。新たに、事前に規定された探索的解析として循環腫瘍DNA(ctDNA)を用いた分子的残存病変(Molecular Residual Disease:MRD)の解析が実施され、世界肺がん学会(WCLC2025)において、米国・カリフォルニア大学のCollin M. Blakely氏が解析結果を報告した。超高感度ctDNA検出アッセイ(NeXT Personal)は、従来のEGFR遺伝子変異検査に基づくMRD解析よりも感度が高く、オシメルチニブ±化学療法はMRDクリアランス(ctDNAがベースラインから10倍以上低下または非検出と定義)やMRD陰性を達成する患者の割合を改善した。・試験デザイン:国際共同第III相無作為化比較試験・対象:EGFR遺伝子変異(exon19欠失変異またはL858R変異)陽性の切除可能なStageII~IIIB(AJCC第8版)のNSCLC患者・試験群1(オシメルチニブ+化学療法群):オシメルチニブ(80mg、1日1回、9週以上)+カルボプラチン(AUC5、3週ごと3サイクル)またはシスプラチン(75mg/m2、3週ごと3サイクル)+ペメトレキセド(500mg/m2、3週ごと3サイクル)→手術→医師選択治療 121例・試験群2(オシメルチニブ単剤群):オシメルチニブ(同上)→手術→医師選択治療 117例・対照群(化学療法群):カルボプラチンまたはシスプラチン+ペメトレキセド(いずれの薬剤も同上)→手術→医師選択治療 120例・評価項目:[主要評価項目]MPR[副次評価項目]無イベント生存期間(EFS)など[探索的評価項目]ベースライン時のMRDとEFSの関係、術前のMRDとMPRの関係、術前のMRDクリアランスとMPRの関係など 今回は、MRD解析が行われた集団(189例)の結果が報告された。主な結果は以下のとおり。・ベースライン時の血漿サンプルでMRD陽性の割合は、cobas EGFR Mutation Test v2が30%であったのに対し、NeXT Personalが71%であった(以降はNeXT Personalに基づくデータを示す)。・ベースライン時にMRD陽性の集団は、StageIIIの割合が多く、腫瘍径が大きく、リンパ節転移が多かった。・対照群も含めた全群の併合解析において、ベースライン時のMRDの有無別にEFSをみると、MRD陰性の集団はMRD陽性の集団と比べてEFSが良好であった(ハザード比:0.24、95%信頼区間:0.07~0.80)。・ベースライン時にMRD陽性であり、術前のMRD解析でMRDクリアランスを達成した患者の割合は、オシメルチニブ+化学療法群83%、オシメルチニブ単剤群84%、化学療法群58%であった。・MRDクリアランスの有無別にみたMPRは、クリアランス達成の集団が24%、クリアランス未達成の集団が6%であり、クリアランス達成の集団が良好であった(p=0.0378)。・術前のMRD解析でMRD陰性の割合は、オシメルチニブ+化学療法群77%、オシメルチニブ単剤群77%、化学療法群53%であった。・MRDの有無別にみたMPRは、MRD陰性の集団が20%、MRD陽性の集団が9%であった(p=0.0546)。 本試験結果について、Blakely氏は「MPRを補完する指標としてMRDが有用である可能性を示すとともに、EGFR遺伝子変異陽性の切除可能NSCLC患者に対して、オシメルチニブを含むレジメンで術前療法を行うことを支持するものであった」とまとめた。

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EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法がOS改善(FLAURA2)/WCLC2025

 EGFR遺伝子変異陽性の進行・転移非小細胞肺がん(NSCLC)に対する1次治療として、オシメルチニブ+化学療法とオシメルチニブ単剤を比較する国際共同第III相無作為化比較試験「FLAURA2試験」が実施されている。世界肺がん学会(WCLC2025)において、本試験の全生存期間(OS)の最終解析結果がDavid Planchard氏(フランス・Institut Gustave Roussy/パリ・サクレー大学)によって報告され、併用群でOSの有意な改善が認められた。すでに主解析の結果、併用群で無増悪生存期間(PFS)が有意に改善したことが報告されており(ハザード比[HR]:0.62、95%信頼区間[CI]:0.49~0.79)1)、OSも第2回中間解析の結果から併用群が良好な傾向が示されていた。試験デザイン:国際共同第III相非盲検無作為化比較試験対象:EGFR遺伝子変異陽性(exon19欠失/L858R)でStageIIIB、IIIC、IVの未治療の非扁平上皮NSCLC成人患者557例試験群:オシメルチニブ(80mg/日)+化学療法(ペメトレキセド[500mg/m2]+シスプラチン[75mg/m2]またはカルボプラチン[AUC 5]を3週ごと4サイクル)→オシメルチニブ(80mg/日)+ペメトレキセド(500mg/m2)を3週ごと(併用群、279例)対照群:オシメルチニブ(80mg/日)(単独群、278例)評価項目:[主要評価項目]RECIST 1.1を用いた治験担当医師評価に基づくPFS[副次評価項目]OSなど 主な結果は以下のとおり。・本試験の対象患者は、ベースライン時に約4割が脳転移を有していた(併用群42%、単独群40%)。EGFR遺伝子変異の内訳は、exon19欠失変異/L858R変異が、併用群61%/38%、単独群60%/38%であった。・データカットオフ時点(2025年6月12日)のOS中央値は、併用群47.5ヵ月、単独群37.6ヵ月であり、併用群が有意に改善した(HR:0.77、95%CI:0.61〜0.96、p=0.02)。・2年、3年、4年時のOS率は、併用群がそれぞれ80%、63%、49%であり、単独群がそれぞれ72%、51%、41%であった。・OSに関するサブグループ解析では、ほとんどのサブグループで併用群が良好な傾向にあったが、中国人を除くアジア人のサブグループのHRは1.00(95%CI:0.71~1.40)であった。・治療期間中央値は、併用群がプラチナ製剤2.8ヵ月、ペメトレキセド8.3ヵ月、オシメルチニブ30.5ヵ月であった。単独群のオシメルチニブによる治療期間中央値は21.2ヵ月であった。・進行後に後治療を受けた割合は、併用群69%、単独群77%であった。後治療を受けた患者のうち、化学療法を用いた割合は、併用群74%、単独群75%であった。・Grade3以上の有害事象は併用群70%、単独群34%に発現したが、主解析時から2年超の追跡期間を経ても、安全性に関する新たなシグナルはみられなかった。・オシメルチニブの中止に至った有害事象は、併用群12%、単独群7%に発現した。 本試験結果について、Planchard氏は「オシメルチニブ+化学療法はOSを有意に改善したことから、EGFR遺伝子変異陽性の進行NSCLCに対する1次治療の標準治療であることが確認された」とまとめた。

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