サイト内検索|page:104

検索結果 合計:3165件 表示位置:2061 - 2080

2061.

第1回 高齢者糖尿病は何歳から? 何に注意が必要?【高齢者糖尿病診療のコツ】

第1回 高齢者糖尿病は何歳から? 何に注意が必要?Q1 加齢と糖尿病の関係とは?糖尿病の頻度は加齢とともに増加します。平成28年度の国民栄養調査によると、70歳以上の高齢者で糖尿病が疑われる頻度は男性で23.2%、女性で16.8%となっています(図1)。また、糖尿病患者の中で70歳以上の割合は31.9%を占めています。加齢に伴う糖尿病患者の増加は、加齢に伴うインスリン抵抗性の増加、インスリンの追加分泌の低下、身体活動量の低下などが関係していると考えられています。画像を拡大するQ2 何歳以上を「高齢者糖尿病」として注意すべきでしょうか?高齢者糖尿病は一般に65歳以上の糖尿病を指しますが、「高齢者糖尿病診療ガイドライン2017」では、75歳以上の後期高齢者と機能低下がある一部の前期高齢者が、「高齢者糖尿病」として、とくに注意すべき治療の対象とされています。これは、後期高齢者の糖尿病が前期高齢者の糖尿病と比較して、異なる特徴を示しているからです。第一に、高齢糖尿病患者を対象としたJ-EDIT研究における、MMSE(認知機能検査)の点数をみてみると、65~69歳の患者と比較して75歳以上の患者ではじめて有意に低下します(図2a)。また、日常生活動作であるADLも80歳以上で低下します。同じJ-EDIT研究で老研式活動能力指標を用いて、買い物、金銭管理などの手段的ADL、知的活動、社会的役割を含む高次ADLの障害数を評価したところ、80歳以上で有意に高次ADLの障害数が大きくなります(図2b)。画像を拡大するさらに、高齢者は加齢とともに体組成が大きく変化します。65歳以上の入院高齢糖尿病患者を対象に内臓脂肪面積100cm2以上の蓄積の頻度をみると、75歳以上で内臓脂肪蓄積が増加しています(図3a)。さらに、DEXA法で四肢の筋肉量(除脂肪量)をみると、男女ともに80歳以上で有意に低下しています(図3b)。この内臓脂肪の増加と筋肉量の低下は、インスリン抵抗性を大きくすることで、高齢者糖尿病の病態に大きく関わっています。画像を拡大する腎機能も75~80歳以上で有意に低下します。eGFRcreは筋肉量の影響を受けやすく、eGFRcysや血清シスタチンC濃度の加齢変化をみてみると、80歳以上で有意に増加しています(図4)。この腎機能障害は腎排泄性の薬剤(たとえばSU薬)の蓄積をもたらし、低血糖などの副作用を起こしやすくします。低血糖に関しても、80歳以上の患者で救急外来を受診する低血糖や重症低血糖が起こりやすいことが知られています。この重症低血糖の増加の原因は、上記の薬剤の蓄積しやすさに加えて、急性疾患によって食事摂取が低下しやすいこと、認知機能やADLの低下によって低血糖の対処能力が低下することが考えられます。合併症の中では、80歳以上の患者で脳卒中と心不全が起こりやすいことが知られています。上記に加えて、社会サポートが低下しやすいために、自立した生活を送ることが難しくなるだけでなく、インスリン注射などの糖尿病に関するセルフケアも困難になります。画像を拡大する Q3 「高齢者糖尿病」の治療目的・診断は若壮年者と違うのでしょうか?上記の理由から、「高齢者糖尿病」の治療目的は合併症の予防だけではなく、QOLの維持向上を目指し、さらに認知機能障害、ADL低下、サルコペニアなどの老年症候群を予防することにあります(図5)。また、QOLの維持・向上を図るためには、低血糖などを防ぎ、食のQOLを保つことも大切です。さらに、患者のみならず介護者の治療の負担を軽減することも大切です。なお、高齢者糖尿病の診断は若い人と同様に行います。画像を拡大する

2062.

第2回 「抜歯したら抗菌薬」は本当に必須か【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 先日、歯科医師の友人から、抜歯後に抗菌薬を処方しなかったことで薬剤師からクレームを受けた、という話を聞きました。次のような経緯だったようです。・某日午前、ある女性患者さんの上顎第3大臼歯(親知らず)の残根を抜歯し、術後疼痛対策としてアセトアミノフェンを処方したが、抗菌薬は処方しなかった。・同日夕方、救急外来にこの女性患者さんの旦那さんである薬剤師からクレームの電話が入り、「抜歯したのになぜ抗菌薬を処方しないのか」と言われた。はたして抜歯をする際は感染症を予防するための抗菌薬は必須なのでしょうか。今回は、抜歯時の抗菌薬の有用性について検討したコクランのシステマティックレビューを紹介します。Antibiotics to prevent complications following tooth extractions.Lodi G, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2012;11:CD003811.論文では、「抜歯処置を受ける患者さんが、術前あるいは術後に抗菌薬を服用すると、抗菌薬なしまたはプラセボ服用に比べて、感染症の発生リスクが下がるか」という疑問が検討されています。本論文で組み入れられた研究では、主にアモキシシリン(±クラブラン酸)、エリスロマイシン、クリンダマイシンなどが投与されています。なお、日本感染症学会、日本化学療法学会による「JAID/JSC感染症治療ガイドライン2016―歯性感染症―」でも、歯性感染症ではペニシリン系、リンコマイシン系、マクロライド系などが推奨されています。日本ではルーティンで第3世代セフェム系薬を処方する歯科医師が多いと感じていますが、これらは必ずしも歯性感染症に適するわけではないですし、概して吸収率も高くはありません。抗菌薬を服用すると12例中1例で感染予防さて、システマティックレビューの評価ポイントはいくつかあります。過去の研究を網羅的に集めているか、集めた研究の評価が適切になされているか、それらの研究の異質性は検討されたか、出版バイアスはないか、情報は適切に統合されたか、などの点を確認することが大切です。本論文では1948年~2012年1月25日までにMEDLINE、EMBASE、CENTRAL、CHSSSといったデータベースに登録されている関連論文を網羅的に集めています。集められた試験のデザインはランダム化比較試験で、うち1件はインターバルが6週間以上のクロスオーバーランダム化比較試験です。クロスオーバーは同じ被験者がウォッシュアウト期間を十分に設けた後に、異なる介入を受けることを意味します。そう何回も抜歯をやるの? という疑問もあるかもしれませんが、スプリットマウスデザインという、同一被験者の口内の左右では条件差がさほどないことを利用して、左右の歯でウォッシュアウト期間をおいて抜歯を行ったものと考えられます。出版バイアスの有無はファンネルプロットを用いて検討されていますが、術後および術前・術後におけるプロットが少ないため判定がやや難しいところです。なお、コクランのハンドブックによれば、一般的にプロットの数が10個以下だとファンネルプロットの左右対称性から出版バイアスを見極めることは難しいとされています。集められた各研究の評価は、2人のレビュアーにより独立して行われ、解釈に食い違いが生じた場合には議論のうえで合意を形成しているため、一定の客観性があると考えてよさそうです。なお、レビュアー名を検索したところ、両名とも歯科医師のようです。最終的に、集められた研究のうち、18件(患者合計2,456例)の研究が採用され、15件がメタ解析されています。システマティックレビューの結果は、通常Summary of Findings(SoF)テーブルとフォレストプロットにまとめられているので、ここを真っ先に見るとよいでしょう。エンドポイントに関する結果を紹介します。抗菌薬を投与した場合、プラセボと比較して抜歯後の局所感染症を約70%減らす(相対リスク:0.29、95%信頼区間:0.16〜0.50)とあり、エビデンスの質としては中程度の確信となっています(p<0.0001)。これは、約12例で抗菌薬を服用すれば、1例は感染症を予防できるという割合です。痛み、発熱、腫れには有意差はありませんでした。有害事象に関しては、抗菌薬投与でほぼ倍増(相対リスク:1.98、95%信頼区間:1.10~3.59)しますが、軽度かつ一時的ということ以外の具体的な内容は本文献ではわかりません。抗菌薬の必要性は侵襲性の程度や患者要因で変わりうるシステマティックレビューは既存の知見を網羅的に集めて質的評価を行い、統計学的に統合することから、しばしばエビデンスの最高峰に位置付けられますが、統合することで対象患者などの細かいニュアンスが省略されるため、その結果を応用する際は外的妥当性を十分に考えねばなりません。本結果を素直に解釈すれば、感染予防のベネフィットがややあるものの、抜歯処置の侵襲性の程度や感染症リスクによっては抗菌薬が処方されないことも十分考えられます。もし服用を検討するのであれば、アレルギーや副作用歴がない限りはペニシリン系やクリンダマイシンなどが比較的妥当な選択となりそうです。現実には下痢の頻度や抗菌薬アレルギーのリスク、冒頭の例であれば歯科医師と患者の関係なども抗菌薬が必要かどうかの考慮事項となりうるでしょう。いずれにせよ、短絡的に抜歯=抗菌薬と断定するのではなく、患者の状態や歯科医師の意図をくみ取ったうえで適切なアクションをとりたいものです。画像を拡大するAntibiotics to prevent complications following tooth extractions.Lodi G, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2012;11:CD003811.

2063.

遺伝性ジストニア〔Dystonia〕

1 疾患概要■ 概念・定義ジストニアは、捻転性・反復性のパターンを持った異常な筋収縮により姿勢や動作が障害される病態と定義されているが、その本態は姿勢や自動運動など意識せずに遂行できる運動のプログラム単位の異常ということができる。(1)動作(または姿勢)特異性、(2)一定のパターンを持った動作である、(3)感覚トリックを有する(たとえば軽く健側の手で患側の手を触れることで症状が軽減するなど)という3点がそろう不随意運動である。過去には心因性疾患の1つとして捉えられることも多かったが、現在では基底核疾患の1つとされている。ジストニアを主徴として遺伝性を示す疾患には(1次性)遺伝性ジストニアと遺伝性神経変性疾患、遺伝性代謝疾患がある。遺伝性ジストニアは浸透率の低いものが多く、孤発性とみなされているものも多い。また、同じ遺伝子による病態であっても発症年齢などによる修飾が大きく同じ疾患と診断できない場合も多いとされている。■ 疫学難治性疾患研究の「ジストニアの病態と疫学に関する研究」研究班での調査によると、ジストニアの頻度は人口10万人あたり15~20例とされ、その中で遺伝性ジストニアの頻度は人口10万人あたり0.3例とされている。わが国における遺伝性ジストニアではDYT5ジストニア(瀬川病)の頻度が最も高く、次いでDYT1ジストニアが多いとされている。確定診断は遺伝子診断で行うが、「神経疾患の遺伝子診断ガイドライン2009」(日本神経学会)に示された手順に準じて行う必要がある。■ 病因ジストニアの発症メカニズムとしては、特定の姿勢や自動運動に際して不必要な筋の活動が見られ、基底核運動ループの筋を収縮させる直接路とその周辺の筋を抑制する間接路のバランスの破綻が想定されている。同じ基底核疾患であるパーキンソン病が、ドパミンの相対的な欠乏によって運動が遅く、小さくなるのと逆であるといえる。ジストニアにおいて、遺伝性ジストニアと孤発性ジストニアの原因がどう異なっているかは、まだ解明されていない。よって、両者の区分も実際は非常に難しく、遺伝性の判別が比較的容易であった発症年齢の若いタイプのジストニアから順に抽出され、定義され、遺伝性ジストニアというカテゴリーが確立されてきたといえる。よって、いまだ見出されていないタイプの遺伝性ジストニアが存在する可能性が示唆され、孤発性として分類されているものがあると予想される。■ 症状遺伝性ジストニアにおいて、DYTシリーズでは現在1~20まで分類があり、本稿では比較的頻度が高く、治療法の報告がある群を中心に症状を述べる。DYT1ジストニアは、全身性捻転性ジストニアで10歳前後の発症の場合に考慮すべきジストニアである。ジストニアが下肢か腕から始まり、全身に広がる。下肢発症の症例のほうが、より若年発症で全身に広がる頻度が高いといえる。進行により罹患部位の変形を来す。瀬川病(DYT5)は、わが国で発見されたドーパ反応性の遺伝性ジストニアで、常染色体優性遺伝形式をとるが不完全浸透で女性優位(4:1またはそれ以上)に発症する。家系により遺伝子変異部位は異なる。発症年齢は10歳以下が多く、下肢ジストニアで発症し、歩行障害を示す。体幹捻転の要素はない。尖足、内反尖足などの足の変形が多い。著明な日内変動を示し、昼から夕方にかけて症状が悪化し、睡眠によって改善する。固縮、姿勢時振戦があり低用量のL-dopaにより著明に改善する。DYT8ジストニア(発作性非運動誘発性ジスキネジア1)は、不完全浸透の常染色体優性遺伝であり、小児期に発症する。非運動誘発性の発作性のジストニア、舞踏アテトーゼが症状で、一側の上下肢に生じることが多いが、両側のことも体幹や顔面を含むこともある。アルコール・カフェイン摂取、緊張感、疲労などが誘因になるとされる。DYT10ジストニアは、反復発作性運動誘発性ジスキネジアであり、常染色体優性で小児期から成人期に発症する。急激な随意運動に伴って発作性のジストニアを一側の上下肢に生じ転倒する。両側のこともある。10~30秒で5分を超えない発作を1日に数十回~数日に1回の頻度で繰り返すとされる。DYT11ジストニアは、不完全浸透の常染色体優性遺伝で、小児期~青年期にミオクローヌスとジストニアを来す。ミオクローヌスは頸部、上肢に見られ、ジストニアは捻転ジストニア、頸部ジストニア、書痙などである。アルコールで著明に改善するとされており、精神科的異常を伴うことが多いとされる。DYT12ジストニアは、不完全浸透の常染色体優性遺伝であり、14~45歳に急性に発症し、数分~1ヵ月で症状は完成し、症状が固定するとされる。顔面口部に強いジストニアを呈する。肉体的あるいは心理的なストレスの後に発症する傾向がある。DYT18ジストニアは、小児期に発症する。運動練習、持続的な運動、とくに歩行の後でジストニア、舞踏アテトーゼ、バリスムなどの不随意運動を生じる。てんかん発作を伴うものが多い。頭部MRI検査で多系統萎縮症様の被殻尾側の異常所見やFDG-PET検査で異常側視床の取り込み低下を認める。■ 分類遺伝性ジストニアは、遺伝様式、ジストニアの発症年齢、全身性か局所性か、持続性か発作性かで分類される(表)。表 遺伝性ジストニアの分類I 1次性捻転ジストニア1)全身性ジストニアDYT1ジストニア、DYT2ジストニア、 DYT17ジストニア2)局所性・分節性ジストニアDYT4ジストニア、DYT6ジストニア、 DYT7ジストニア、DYT13ジストニアII ジストニア-パーキンソニズム1)ドパ反応性ジストニアDYT5ジストニア・DYT12ジストニア・DYT16ジストニア2)ミオクローヌスジストニアDYT11ジストニア・DYT15ジストニアIII 発作性ジストニアDYT8ジストニア・DYT9ジストニア・DYT10ジストニア・DYT18ジストニア・DYT19ジストニア・DYT20ジストニアIV 2次性ジストニア1)神経変性疾患(遺伝性神経変性疾患、遺伝性代謝性疾患に伴うジストニア)で頻度の高い疾患DYT3ジストニア・SCA1、2、3、17、PARK2、6、15、家族性痙性対麻痺、PANK(pantothenate kinase associated neurodegeneration)、有棘赤血球舞踏病、ハンチントン病、レーバー病、GM1ガングリオシドーシス、GM2ガングリオシドーシス(テイ・サックス病)、ニーマン・ピック病C型、レット症候群2)代謝性疾患ウィルソン病■ 予後ジストニア自体で生命が脅かされることはない。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)先述のように、「神経疾患の遺伝子診断ガイドライン2009」(日本神経学会)に示された手順に準じて、確定診断は遺伝子診断で行う必要がある。DYT1は、常染色体優性遺伝で原因遺伝子は9q34の150kbの領域に位置しており、TorsinA遺伝子のアミノ酸コード領域中のCAG欠失が見出された。この変異がDYT1の原因である。DYT5は、日本の瀬川 昌也氏らによってはじめて報告された。常染色体優性遺伝をとるが不完全浸透で女性に多い。GCH1遺伝子上の機能喪失型変異によって引き起こされることがわかっている。GCH1遺伝子は、ドパミン合成速度を制御する機能を持つ。GCH1遺伝子の機能喪失型変異による酵素活性の不足は、黒質線条体のドパミン作用性ニューロンにおけるドパミン減少を導き、このようなドパミン減少によってジストニア症状が引き起こされていると推測されている。これまでGCH1遺伝子には60以上の異なった変異が報告されている。このような高い変異率が実現されるメカニズムはいまだ不明である。DYT8は、不完全浸透型の常染色体優性遺伝形式を示し、原因遺伝子はMR-1(MIM609023)である。DYT10の原因遺伝子はPRRT2(proline-rich transmembrane protein 2)である。DYT11は、不完全浸透型の常染色体優性遺伝形式を示し、病因遺伝子産物はSGCE(ε-sarcoglycan)で平滑筋、神経系に分布する。DYT12は不完全浸透型の常染色体優性遺伝形式を示し、原因遺伝子はATP1A3である。DYT18は常染色体優性遺伝形式を示し、原因遺伝子はSLC2A1である。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)局所性ジストニアの場合は、ボツリヌス治療が第1選択となる。とくに眼瞼痙攣と痙性斜頸に対するボツリヌス治療は高いエビデンスがある。ボツリヌス治療以外の薬物治療としては、眼瞼痙攣などの顔面ジストニアに対しては塩酸トリヘキシフェニジル(商品名:アーテン、トレミン)などの抗コリン薬、クロナゼパム(同:リボトリール、ランドセン)、ジアゼパム(同:ダイアップ)などのベンゾジアゼピンの効果が報告されている。痙性斜頸に対しては抗コリン薬、クロナゼパムやジアゼパムなどのベンゾジアゼピン、バクロフェン(同:ギャバロン、リオレサール)などが使われる。重症例では脳深部刺激療法(DBS)も考慮される。書頸などの上肢ジストニアにおいても、他の局所ジストニアと同様の内服治療を行う以外に、神経ブロックなどが効果的な場合もあるが、有効性は低いといわれている。全身性ジストニアにおいても、特定部位の筋弛緩が生活の質の改善または合併症の進行予防にボツリヌス治療は有効である。また、DYT1は淡蒼球のDBSが著効を呈する。DYT5などのドパ反応性ジストニアは少量のL-dopa(同:ドパストン、ドパゾール)が劇的に奏効する。ボツリヌス毒素の筋肉注射治療は、大量反復投与では毒素に対する抗体産生が作用を無効化するため問題になる。なお、使用に当たっては講習会出席により得られる資格が必要である。4 今後の展望ジストニアに対するボツリヌス治療単独では、治療困難な例も多く、そのような治療抵抗性のジストニアに対しては薬物治療の併用がすすめられる。ゾルピデム(商品名:マイスリーほか)は不眠症などの治療に用いられるが、50~70mg/日という高濃度のゾルピデム治療が視床や視床下核のGABAA受容体に結合し、また淡蒼球にもなんらかの影響を及ぼす結果、大脳基底核-視床-大脳皮質運動野の経路を直接的に、あるいは間接的に改善することでジストニアの治療につながっている可能性があり、治療抵抗性のジストニアに対し、ゾルピデムによる治療も新たな治療方法として期待できる。5 主たる診療科神経内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 遺伝性ジストニア(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)梶龍兒ほか. 臨床神経. 2008;48:844-847.2)田宮元. Brain Nerve. 2005;57:935-944.3)長谷川一子. ジストニア. 中外医学社;2012.p.20-52.4)梶龍兒 編集. ジストニアのすべて―最新の治療指針. 診断と治療社;2013.p.93-94.公開履歴初回2018年06月26日

2064.

PBCに対するベザフィブラートの有用性がフランスで証明された(解説:上村直実氏)-876

 原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、原因不明の胆管に対する自己免疫疾患で国の特定疾患に指定されており、現在、日本における患者数は5〜6万人で軽症の症例が増加している。男女比は約1:7であり、50~60歳の中年以降の女性に最も多くみられる疾患である。 PBCに対する根治的な治療法は確立しておらず、薬物療法が奏効せずに顕著な黄疸を伴う肝硬変へと進展して肝不全状態に至った場合に肝移植が考慮される。薬物療法に関しては1980年代から使用されているウルソデオキシコール酸(UDCA)が肝硬変への進展を遅くする成績を有して一定の評価を得ているが、UDCAが無効な患者に対して有効な薬剤に関するエビデンスはなかった。 今回NEJM誌に掲載された論文では、UDCAで効果不十分な患者100例を対象としてフランスで施行されたRCTの結果、ベザフィブラート併用群はプラセボと比較して、生化学的完全奏効(総ビリルビン、ALP、AST、アルブミンがいずれも正常値かつプロトロンビン指数が正常値を示す場合)が有意に高率であった。すなわち、24ヵ月後の完全奏効率はプラセボ群では皆無であったのに対して併用群31%であり、患者さんに勇気を与えるものである。なお、リスクに関しては有害事象として腎機能に対する悪影響が懸念されると考察されている。 高脂血症に使用されているベザフィブラートがPBCに対して有用である可能性については20年以上前に日本から報告1,2)されていた。PBC診療ガイドラインの2017年改定版では、UDCA無効例に対してベザフィブラートの使用を検討する旨が明記されている。すなわち、古くからある薬剤の意外な有用性に関して日本から発信された治療法がフランスで施行されたRCTにより証明されたものである。PBCは長期経過が重要な疾患であるので、今後、長期的な有用性と安全性に関するエビデンスはなんとしても日本から発信してもらいたいものである。さらにベザフィブラートが有効である患者を抽出可能な宿主因子を探求することも重要である3)。

2065.

ProACT試験-プロカルシトニン値を指標とした抗菌薬使用(解説:小金丸博氏)-877

 抗菌薬の過剰な使用は、医療費の増加や薬剤耐性菌の出現に関連する公衆衛生上の問題である。プロカルシトニンは、ウイルス感染よりも細菌感染で上昇しやすいペプチドであり、上昇の程度は感染の重症度と相関し、感染の改善とともに経時的に低下する。いくつかの欧州の試験において、抗菌薬を投与するかどうかをプロカルシトニンの結果に基づいて決定することで抗菌薬の使用を抑制できることが示されており、2017年、米国食品医薬品局(FDA)は下気道感染症が疑われる場合に抗菌薬の開始または中止の指標としてプロカルシトニンを測定することを承認した。しかしながら、プロカルシトニン値を日常臨床へ適用できるかは明らかでなかった。 本研究は、プロカルシトニン値に基づく抗菌薬処方ガイドラインを用いて抗菌薬の投与を決定することで、抗菌薬の使用を減らすことができるかどうかを検討したランダム化比較試験である。下気道感染症疑いで受診し、抗菌薬を投与すべきかどうかはっきりしない患者を対象とし、プロカルシトニン使用群と通常治療群に無作為に割り付けた。プロカルシトニン使用群の診療医には、プロカルシトニンの測定値に応じた推奨治療が記載された抗菌薬使用ガイドラインが提供された。その結果、intention-to-treat(ITT)解析では、30日までの平均抗菌薬投与日数はプロカルシトニン使用群が4.2日、通常治療群が4.3日であり、両群間に有意差を認めなかった(差:-0.05日、95%信頼区間[CI]:-0.6~0.5、p=0.87)。また、ITT解析による有害なアウトカムを発症した患者の割合は11.7%と13.1%であり、両群間に有意差を認めなかった(差:-1.5ポイント、95%CI:-4.6~1.7、非劣性:p<0.001)。 本試験の結果は過去の研究と異なり、下気道感染症疑いの患者に対してプロカルシトニン値を指標として抗菌薬投与の適応を決定しても、指標としない群と比較して抗菌薬の使用を抑制できなかった。その理由として、通常治療群の臨床医はプロカルシトニン値の結果を知らないにもかかわらず、プロカルシトニン高値例に比べ、低値例での抗菌薬処方が少なかった点が挙げられている。プロカルシトニン値が低い患者では感染症の臨床症状を呈することが少なく、通常の臨床判断で十分抗菌薬の適応を決定できたと考えられる。 プロカルシトニンは抗菌薬を投与すべきかどうか判断するのに有用な指標となりうるが、プロカルシトニンの値だけで治療方針を決定できるわけではない。まずは注意深い問診と診察から正しく臨床情報を整理することが重要であり、そのうえでプロカルシトニン値を用いることが適切な抗菌薬使用につながると考える。

2066.

がん悪液質ガイド日本語翻訳版を公開/日本がんサポーティブケア学会

 一般社団法人 日本がんサポーティブケア学会は、2018年5月22日、「JASCCがん支持医療ガイド翻訳シリーズ」として「がん悪液質:機序と治療の進歩 初版日本語版(編集:日本がんサポーティブケア学会 Cachexia 部会)」を公開した。 「がん悪液質:機序と治療の進歩 初版日本語版」は、がん悪液質の概要、機序や治療選択肢など5章88ページからなる。 同学会サイトでPDFデータが閲覧でできる。日本がんサポーティブケア学会 刊行物・ガイドライン

2067.

日本の児童・思春期におけるADHD治療薬の処方率に関する研究

 児童・思春期における注意欠如多動症(ADHD)の有病率は、地域差が小さいが、ADHD治療薬の処方率には、大きな地域差があるといわれている。薬剤処方の地域差を理解することで、潜在的に過剰または過小な処方の状況に関する示唆が得られる。しかし、日本人におけるADHD治療薬の処方率についてはよくわかっていない。医療経済研究機構の奥村 泰之氏らは、日本の児童・思春期におけるADHD治療薬の処方、新規処方、継続率を明らかにするため、調査を行った。Epidemiology and psychiatric sciences誌オンライン版2018年5月28日号の報告。 対象は、2014年4月~2015年3月にADHD治療薬であるメチルフェニデート塩酸塩徐放錠(OROS-MPH)、アトモキセチン塩酸塩(ATX)を処方された、18歳以下の患者。厚生労働省が構築している、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を活用し、分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・データベースより、ADHD治療薬処方患者8万6,756例、新規処方患者3万449例が抽出された。・ADHD治療薬の人口1,000人当たりの年間処方率は4.1%(95%CI:4.1~4.2)であり、男女ともに7~12歳でピークが認められた。・処方患者のうち、64%にOROS-MPHを処方されていた。・新規処方患者のうち、60.8%(95%CI:60.3~61.4)が150日目において薬物治療を継続していた。・ADHD治療薬の継続率は、7~12歳で最も高く(64.7%、95%CI:64.0~65.3)、16~18歳(42.8%、95%CI:40.8~44.7)で最も低かった。 著者らは、本研究結果のポイントとして、以下を挙げている。【ADHD治療薬の処方率について】・日本におけるADHD治療薬の人口当たりの年間処方率は、0.4%であった。この処方率は、米国(5.3%)、ノルウェー(1.4%)と比較して低く、イタリア(0.2%)、フランス(0.2%)、英国(0.5%)と同程度であった。・日本をはじめ処方率の低い国では、ADHD治療薬の処方制限施策を導入している。たとえば、日本では、ADHD治療に精通した医師のみが、OROS-MPHを処方することができる。このような処方制限施策が、相対的に低い処方率に影響を及ぼしていると考えられる。・ただし、この低い処方率が過小な処方状況の可能性を示唆している点には、留意が必要である。現状の処方が、過小なのか適正であるかについては、さらなる検討が必要である。【メチルフェニデート(MPH)の処方状況について】・日本において、ADHD治療薬が処方された患者のうち、64%にOROS-MPHが処方されていた。この処方率は、英国(94%)、ノルウェー(94%)、ドイツ(75~100%)と比較し、著しく低かった。・日本でMPHの処方が少ない要因として、以下の3点が考えられる。(1)短時間作用型MPHのADHDに対する承認が得られていない。(2)ATXに処方制限がない一方で、MPHのみ処方制限がある。(3)診療ガイドラインにおいて、MPHとATXの両方を第1選択薬としている。■関連記事2つのADHD治療薬、安全性の違いはADHDに対するメチルフェニデートは有益なのか日本における抗認知症薬の処方量に関する研究

2068.

「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン」5年ぶりの改訂

CKD診療ガイドラインが全面改訂 日本腎臓学会は6月、5年ぶりの改訂となる「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018」を発行した。今回は専門医だけではなく、かかりつけ医や非専門医の利用を想定して制作されており、全面改訂する際に「CKD診療ガイド2012」と「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013」を一元化させている。 前回同様、全章がクリニカルクエスチョン(CQ)形式の構成。CKD診療ガイドライン2018の主な改訂ポイントとして“STOP-DKD宣言”で注目を集めた、糖尿病性腎臓病(DKD)が章立てられているほか、高血圧・心血管疾患(CVD)、高齢者CKDについても詳しく取り上げられている。CKD診療ガイドラインの役割 本ガイドラインはすべての重症度のCKD患者を対象とし、診療上で問題となる小児CKDの特徴と対処法、CKD患者の妊娠時についても簡潔に記載されている。ただし、末期腎不全(ESKD)に達した維持透析患者や急性腎障害(AKI)患者は除外されているため、必要に応じて他のガイドラインを参照する必要がある。本来であれば病診連携が必要とされる疾患だが、本ガイドラインは専門医が不在とする地域での、かかりつけ医によるCKD診療のサポートに配慮した構成となっている。CKD診療ガイドライン2018では75歳以上は150/90mmHg未満を推奨 CKD診療ガイドライン第4章の「高血圧・CVD」では、血圧基準値を「糖尿病の有無」「尿蛋白の有無(軽度尿蛋白[0.15g/gCr]以上を尿蛋白ありと判定)」「年齢(75歳で区分)」の3つのポイントで定めている。・75歳未満の場合 CKDステージを問わず、糖尿病および尿蛋白の有無で判定 糖尿病なし:尿蛋白(-)140/90mmHg未満、尿蛋白(+)130/80mmHg未満 糖尿病あり:尿蛋白(+)130/80mmHg未満・75歳以上の場合 糖尿病、尿蛋白の有無にかかわらず150/90mmHg未満 起立性低血圧やAKIなどの有害事象がなければ、140/90mmHg未満への降圧を目指すが、80歳以上の120/60mmHg以下での管理において、Jカーブ現象が見られたという研究報告もあることから過降圧への注意も提案されている。CKD診療ガイドライン2018では高齢者への対応に変化 CKD診療ガイドライン第12章「高齢者CKD」では、高齢者CKDの年齢が“75歳以上”と改訂されており、これは2017年に日本老年学会・日本老年医学会 高齢者に関する定義検討ワーキンググループ において、「75歳以上を高齢者」と定義付けたことが反映されている。また、同章にはフレイルに対する介入のCQが盛り込まれており、これは厚生労働省が今年度より本格実施を始めた「高齢者の低栄養防止・重症化予防等の推進」に沿った改訂であることが伺える。DKDの推奨検査項目と管理目標値 CKD診療ガイドライン第16章「糖尿病性腎臓病(DKD)」では4つのCQが挙げられており、「尿アルブミン尿の測定」「浮腫を伴うDKDへのループ利尿薬投与」「HbA1c7.0%未満」「集約的治療」を推奨している。とくに血管合併症の発症・進行抑制ならびに総死亡率抑制のために集約的治療が重要とされ、以下の管理目標値を推奨としている。・BMI 22(生活習慣の修正[適切な体重管理、運動、禁煙、塩分制限食など])・HbA1c7.0%未満(現行のガイドラインで推奨されている血糖)・収縮期血圧130mmHg未満かつ拡張期血圧80mmHg未満・LDLコレステロール120mg/dl、HDLコレステロール40mg/dl、中性脂肪150mg/dl未満(早朝空腹時) ただし、「多因子の厳格な治療を推奨することで、投与薬剤数の増加や薬剤に関連する低血糖、過降圧、浮腫、高カリウム血症などのリスクが高まることにも注意が必要であり、適切なモニタリングと患者背景や生活環境を十分に勘案するように」といった注意事項も明記されている。PKD病診連携の架け橋に 常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)は透析導入原因の第4位となる疾患であるが、指定難病のため腎臓専門医・専門医療機関への紹介が必要となる。CKD診療ガイドライン第17章-3には、かかりつけ医による診療ポイントとして「脳動脈瘤」「トルバプタンによる治療」「血圧管理」について記載されているが、詳細については「エビデンスに基づく多発性嚢胞腎(PKD)診療ガイドライン2017」を参照とされている。今後の方針 今後の方針として「同改訂委員会が継続しメディカルスタッフや患者を利用者に想定したCKD療養ガイド2018を作成、出版する」と記され、医療者と患者が一体となって治療に取り組むことで、透析導入予防や医療費抑制につながることが期待される。

2069.

ウエアラブル技術と遠隔コーチングを用いた家庭での運動療法は、末梢動脈疾患患者の6分間歩行距離を延ばさなかった(解説:佐田政隆氏)-872

 現在、循環器疾患患者の生命予後、生活の質を改善するうえで、心臓リハビリテーションが非常に注目されている。末梢動脈疾患患者においても、監視下の運動療法が歩行距離を延ばすことが報告され、ガイドラインでも推奨されている。しかし、そのためには頻回に医療機関に通院しないといけないが、それは遠方在住者や末梢動脈疾患患者にとってはしばしば困難なことである。 一方、家庭で運動療法が継続できれば、便利であり、現実的である。しかし、患者に家庭での運動療法を勧めても、実際には、1人もしくは家族のサポート下ではなかなかできずに、せっかく入院中に改善した心肺機能が、退院後、家庭に戻って低下していることを、心臓リハビリテーションの診療でよく経験する。 そこで、本研究では、現在話題のウエアラブル技術と電話によるコーチングによって、家庭での運動療法が効果的に行えるかどうかを調べている。200例の末梢動脈疾患患者を2群に分けた。99例は運動介入群で、最初の1ヵ月間は週1回の頻度で計4回、メディカルセンターで運動指導を受け、その後、ウエアラブル活動モニターを装着して家庭で歩行訓練を継続した。その間、週1回~月1回の頻度で電話によるコーチングを受けた。残りの101例はそのような介入を受けず通常ケア群であった。主要評価項目である9ヵ月後の6分間歩行距離の変化は、介入群が5.5mだったのに対し、通常ケアのほうは14.4mであり、介入による改善効果は認められなかった。9ヵ月後のPROMISの痛みの影響に関するスコアは、介入群で逆に悪化した。 介入群で良い結果が得られなかった原因としては、やはり、電話によるカウンセリング下の家庭での運動療法が、メディカルセンターでの直接顔を合わせた、手取り足取りの監視下運動ほど効果的でなかったためと思われる。今後、ICTの活用やより高度なウエアラブル装置の開発により、遠隔からの運動指導が効果的に行えるシステムの確立が期待される。

2070.

80歳以上の収縮期血圧、死亡リスク最低は129mmHg/BMJ

 中国で行われたコミュニティベースの長期前向き試験で、80歳以上の超高齢者では、収縮期血圧値と全死因死亡リスクとの関連はUカーブを示し、収縮期血圧値が129mmHgで同リスクが最低であることが示された。中国疾病管理予防センターのYue-Bin Lv氏らが、同国22省に居住する80歳以上4,658例を対象に行った試験で明らかにし、BMJ誌2018年6月5日号で発表した。Uカーブの関連結果については、収縮期血圧値107~154mmHgを基準に、同値よりも高値では心血管死リスクの上昇が、低値では非心血管死リスクの上昇が関与している可能性があるという。著者は「今回の結果は、超高齢者では高血圧治療が再び重要になり、同年齢群のガイドラインを整備する重要性を強調するものである」とまとめている。3年間追跡し、血圧値などと死亡リスクの関連を検証 研究グループは2011~14年にかけて、80歳以上の4,658例を対象に、縦断的寿命調査を行った。被験者の平均年齢は92.1歳だった。 主要評価項目は、3年追跡時の全死因死亡率および死因別死亡率だった。血圧値や動脈圧などと、全死因死亡リスク、死因別リスクとの関連を検証した。収縮期血圧154mmHg超では心血管死リスクは1.5倍に 追跡期間中の死亡は1,997例だった。収縮期血圧値、平均動脈圧、脈圧と死亡率はUカーブの関連を示し、それぞれ143.5mmHg、101mmHg、66mmHgで最も死亡リスクが低かった。共変量補正後、収縮期血圧値のみで死亡率とのUカーブの関連が示され、129mmHgで最も死亡リスクが低かった。 129mmHgを基点に、収縮期血圧値が107mmHgより低値では全死因死亡リスクは減少した(ハザード比[HR]:75mmHgの1.47[95%信頼区間[CI]:1.01~2.17]から106mmHgの1.08[1.01~1.17]に低下)。一方、154mmHg超では、同値が上がるにつれて全死因死亡リスクの増大が認められた(HR:155mmHgの1.08[1.01~1.17]から190mmHgの1.27[1.02~1.58]に上昇)。 死因別分析では、収縮期血圧が中程度(107~154mmHg)に比べ、154mmHg超では心血管死リスクが増大した(補正後HR:1.51、95%CI:1.12~2.02)。一方で107mmHg未満では、非心血管死リスクの増大がみられた(同:1.58、1.26~1.98)。

2071.

発症時間不明の脳梗塞、MRIミスマッチを根拠とするrt-PA静注療法で転帰改善か(中川原譲二氏)-871

 現行ガイドラインの下では、アルテプラーゼ静脈療法は、発症から4.5時間未満であることが確認された急性脳梗塞だけに施行されている。ドイツ・ハンブルク・エッペンドルフ大学医療センターのGotz Thomalla氏らは、発症時間が不明だが、MRIによって発症が直近の脳梗塞と示唆された患者について、アルテプラーゼ静脈療法にベネフィットがあるかを検討した(多施設共同無作為化二重盲険プラセボ対照試験「WAKE-UP試験」)。その結果、発症時間不明の急性脳卒中患者において、脳虚血領域のMRIによる拡散強調画像(DWI)とFLAIR画像のミスマッチを根拠に行ったアルテプラーゼ静脈療法は、プラセボ投与と比べて、90日時点の機能的転帰は有意に良好であることが示された。ただし、頭蓋内出血は数的には多く認められた(NEJM誌オンライン版2018年5月16日号)。MRIミスマッチを根拠に介入、90日時点の機能的転帰を評価 研究グループは、ヨーロッパの8ヵ国で発症時間が不明の脳卒中患者を集め、アルテプラーゼ静脈内投与群またはプラセボ群に無作為に割り付けた。すべての患者についてMRIが施行され、DWIで虚血病変が認められるが、FLAIR画像では明らかな高信号域(hyperintensity)が認められず、脳卒中発症がおそらく4.5時間未満と示唆された。なお、被験者のうち、血栓除去術が予定されていた患者は除外した。主要評価項目は、修正Rankinスケール(mRS)による90日時点の神経学的障害スコア(0[障害なし]~6[死亡])が、0または1で定義される良好な転帰とした。副次評価項目は、シフト解析による、アルテプラーゼ群がプラセボ群よりも、mRSのスコアを低下させる尤度とした。治療群で機能的アウトカムは有意に改善、一方で死亡・頭蓋内出血例が上昇 試験は、当初800例を見込んでいたが、無作為化を受けた503例(アルテプラーゼ群254例、プラセボ群249例)の登録時点で、試験継続の資金調達が困難と予想され早期に中止となった。90日時点で転帰良好であった患者は、アルテプラーゼ群131/246例(53.3%)、プラセボ群102/244例(41.8%)であった(補正後オッズ比:1.61、95%信頼区[CI]:1.09~2.36、p=0.02)。90日時点のmRSスコアの中央値は、アルテプラーゼ群1、プラセボ群2であった(補正後共通オッズ比:1.62、95%CI:1.17~2.23、p=0.003)。一方で、死亡は、アルテプラーゼ群10例(4.1%)、プラセボ群3例(1.2%)が報告された(オッズ比:3.38、95%CI:0.92~12.52、p=0.07)。また症候性頭蓋内出血は、アルテプラーゼ群2.0%、プラセボ群0.4%で認められた(オッズ比:4.95、95%CI:0.57~42.87、p=0.15)。アルテプラーゼ静脈療法の治療根拠にtissue-baseの適応が加わる 現行のアルテプラーゼ静脈療法は、当初は発症から3時間未満であることが確認された急性脳梗塞だけが適応とされ(NINDS trial、1995年)、その後、time windowが発症から4.5時間未満まで延長された(ECASS III trial、2008年)。すなわち、アルテプラーゼ静脈療法については、time-baseの適応基準のみが確立されてきた。これに対して、今回の研究は、発症時間が不明であっても、MRIでDWIとFLAIR画像のミスマッチが見られる症例では、アルテプラーゼ静脈療法が有効であることが示され、tissue-baseの適応基準が加わったことになる。脳梗塞の成立には、発症からの時間と虚血組織の残存脳血流が関与することは言うまでもない。DWIとFLAIR画像のミスマッチは、発症からの時間が間もないことを反映する。しかし、残存脳血流がきわめて乏しい症例のDWIでは高信号病変(不可逆病変)がただちに出現するが、FLAIR画像では高信号病変の出現に時間がかかる。急性期のFLAIR画像に高信号病変が見られないことは、必ずしも組織の不可逆的変化の程度を反映しない。本研究におけるアルテプラーゼ群の死亡や症候性頭蓋内出血の増加が、FLAIR画像に高信号病変が見られない重症脳虚血症例に対するtime window外の治療開始を反映している可能性があることを考慮する必要がある。

2072.

高度異型腺腫の有無で大腸がんリスクが有意に異なる(解説:上村直実氏)-868

 日本で大腸がんは肺がんに次いで2番目に多い死亡原因であり、大腸がんによる死亡リスクを低下するために便潜血による大腸がん検診が施行されている。一方、欧米では、大腸内視鏡検査(CF)を行うことにより大腸がんによる死亡率およびその発症率が低下する研究成果が数多く報告され1,2)、最近では死亡リスク低下に必要なCFの間隔が話題になっている。米国のガイドライン3)では、10年に1度のCFにより大腸がん死亡リスクが大幅に低下するとされており、大腸がんスクリーニングにCFを取り入れるべきで、ポリープ(腺腫)があれば5~10年後のCFが推奨されている。 今回JAMAに掲載された報告では、CFを行った時点で高度異型の腺腫すなわち腫瘍径1cm以上ないしは、tubulovillousやvillous腺腫を認めたものは、1cm以下の低異型度腺腫を有するものや腺腫を認めないものに比べて、その後13年間の大腸がん発症および大腸がん死亡リスクが有意に高いことが示された。すなわち、CFによるスクリーニングの重要性と大腸がんのリスクには腺腫の異型度が重要であることが強調されている。日本の消化器内視鏡診療は種々の特殊内視鏡により、世界を圧倒する高精度の内視鏡診断と圧倒的な内視鏡治療技術を有することは、世界中で周知されている。しかし、上記したように検診は便潜血検査でCFによる住民検診は行われていない現状は、医学的に大きな問題と言える。 一方、大腸がんにとって重要な本論文に引用されている38文献に、日本発の研究論文が皆無であることも重大な課題であろう。年間1,500万件の消化器内視鏡が施行されているわが国における内視鏡診療現場では新たな技術優先の傾向が強く、エビデンスを創出するためのデザインされた臨床研究が少ないことが従来からの課題と言えた。現在、日本全国の内視鏡ビッグデータを一括して日本消化器内視鏡学会で管理するシステムのJapan Endoscopy Database(JED)プロジェクトが進行中である。このデータベースが完成すれば、Propensity scoreなどを用いた解析により正確な成績を得ることが可能となり、わが国から精度の高い研究成果が世界のエビデンスとして排出されるものと期待される。

2073.

TIA患者の脳卒中リスクは5年後まで減らない(解説:内山真一郎氏)-870

 TIAregistry.orgは発症後7日以内の一過性脳虚血発作(TIA)または軽症脳梗塞(minor stroke)を登録して観察する前向きコホート研究であった。私は日本の研究代表者であり、該当患者を年間100例以上診療している日本の6施設に参加していただいた。 1年間の追跡調査の結果は2016年にNew England Journal of Medicine誌に発表している。この時の結果では、1年後までの血管イベント発症率は、ガイドラインを順守した脳卒中専門医の救急対応により10年前の歴史的対照と比べて半減していた。しかしながら、今回の2~5年後までの累積発症率は、それ以上減衰することなく直線的に推移していた。 この結果は、現状のガイドラインを順守しても、長期の残余リスクは依然として高く、より厳格な危険因子の管理目標達成と、より強力な再発予防対策が必要であることを示唆している。ただし、日本人のサブ解析では背景因子、病型、動脈病変、診療体制、予知因子が非日本人と異なっており、独自の対策も必要であると考えている。

2074.

日本における抗認知症薬の処方量に関する研究

 2015年時点で、世界で認知症を有する人は4,700万人いるといわれている。認知症の有病者数は、2050年には1億3,200万人に達すると予想されており、そのうちアジア諸国が51%を占めると予想されている。日本は、OECD(経済協力開発機構)加盟国の中で最も認知症の有病率が高く、人口の2%(約500万人)が認知症に罹患している。 リアルワールドでの抗認知症薬の有効性に関しては、いまだ重要なアンメットニーズがある。抗認知症薬の臨床試験における参加者は、85歳以上が除外されているなど、実臨床と異なる。また、抗認知症薬使用によるベネフィットがリスクを上回るか否かについて、現在も議論がある。 このようなベネフィットとリスクに関する見解の相違は、診療ガイドライン間における、抗認知症薬処方に関する推奨度に影響している。米国や英国の診療ガイドラインでは、抗認知症薬処方に関する推奨度は弱い。一方で、日本の診療ガイドラインでは、アルツハイマー型認知症の治療において、臨床医に抗認知症薬の処方を強く推奨している。日本の診療ガイドラインによる推奨は、実臨床における抗認知症薬処方に影響を及ぼす可能性がある。そこで、医療経済研究機構の奥村 泰之氏らは、日本における抗認知症薬の処方状況を明らかにするため、検討を行った。International journal of geriatric psychiatry誌オンライン版2018年5月20日号の報告。 日本のほぼすべてのレセプト情報をカバーしているレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を用いて分析を行った。データベースには、処方などに関する情報が含まれている。2015年4月~2016年3月の期間における、抗認知症薬(ドネペジル、ガランタミン、メマンチン、リバスチグミン)の処方をすべて確認した。患者の識別番号を用いて、処方患者数を集計した。抗認知症薬の人口当たりの処方率は、1年間で1度でも処方された患者数を、人口で割ることにより算出した。抗認知症薬の年間総処方量は、世界保健機構により規定された1日維持用量(DDD:defined daily dose)を算出した。さらに、年間総処方量を人口当たりの1日維持用量(DID:defined daily dose per inhabitants)へ変換した。 主な結果は以下のとおり。・抗認知症薬を処方された患者数は、173万3,916例(人口の1.4%)であった。・抗認知症薬の人口当たりの処方率は、65歳以上では5.1%、85歳以上では17.0%であり、年齢とともに増加していた。・抗認知症薬の総処方量の46.8%は、85歳以上が占めていた。・85歳以上の住民の13%に、毎日、抗認知症薬の維持用量が処方されていることに相当する処方量であった。 著者らは「本研究は、日本における抗認知症薬処方の現状を確認した、初めての研究である。ドイツで行われた研究と比較し、日本の85歳以上の高齢者に対する抗認知症薬の処方率はきわめて高い。しかし、抗認知症薬の臨床試験では、主に85歳未満の患者を対象としており、臨床試験と実臨床の間で大きなギャップがある」とし、「エビデンスの非直接性と、加齢に伴う有害事象発生リスクの増大を考慮すると、超高齢者を対象としたエビデンスが確立しない限り、診療ガイドラインにおける抗認知症薬の処方に関する推奨度は弱い推奨とする、あるいは強く推奨する年齢層を85歳未満に限定する必要がある」としている。■関連記事抗認知症薬と抗コリン薬の併用、アジア太平洋諸国の現状日本では認知症への抗精神病薬使用が増加抗認知症薬は何ヵ月効果が持続するか:国内長期大規模研究

2075.

普遍性と独自性の調和を目指す精神医学

 2018年6月4日、日本精神神経学会は、「2018年度プレスセミナー」を都内で開催した。セミナーでは、本学会の活動と将来展望、6月21~23日に神戸市で行われる本学会学術総会の概要・注目トピックスをテーマに、2名の演者が講演を行った。ICD-11発表間近 初めに、本学会 理事長の神庭 重信氏(九州大学大学院 医学研究院精神病態医学 教授)が、学会の活動について説明を行った。注目点として、WHOが公表する国際統計分類 第11版(ICD-11)の暫定版が今月下旬に出ることについて、国内における新しい精神科病名の検討結果を発表されている。今月末日までは、学会のホームページ上でパブリックコメントの募集を行っているという。また、わが国を含めた世界13ヵ国による、ICD-11第6章「精神、行動及び神経発達の疾患」の診断ガイドラインの信頼性・有用性の研究についても紹介された。 神庭氏は、日本専門医機構による新しい精神科専門医制度への取り組みとして、2019年4月の研修開始に向けて準備を行っていると説明。同氏は、「患者全体における精神科患者の割合に対して、医師全体における精神科医師の割合が少ない現状である。本学会が開催するサマースクールなどをきっかけに、実際の現場を見て、(専門医を目指す方々に)興味を持ってほしい」と語った。自殺者の半数以上は精神疾患を患っていた? 次に、本学会学術総会 会長の米田 博氏(大阪医科大学医学部 総合医学講座 神経精神医学教室 教授)が、学術総会の概要について説明した。本総会のテーマは、「精神医学・医療の普遍性と独自性―医学・医療の変革の中でー」であり、精神医学・医療は医学医療全般の一分野として重要な役割を担っており、独自の特異的な広がりと深さを併せ持っている、といったメッセージが込められているという。 わが国において、精神疾患を有する患者数の推移は増加傾向が続いており、15年前と比較してほぼ倍に増え、とくにアルツハイマー型認知症と気分障害が大きく増加している1)。また、自殺率については、近年やや減少傾向だが、依然としてOECD(経済協力開発機構)加盟国の中で高い位置にある2)。海外のデータにおいて、自殺と精神疾患の関係性を調査した結果、自殺した人のうち、気分障害を持つ患者が35.8%、統合失調症は10.6%存在したという報告もされている3)。米田氏は、「時代の変遷により、精神医学・医療の役割も変化している。患者さん個別の症状に合わせた治療をするためにも、われわれは重要な役割を担っている」と述べた。 6月21~23日に開催予定の学術総会では、会長講演、特別講演などに加え、26もの委員会シンポジウムが行われ、その内容は精神科臨床、多剤併用、認知症診療、措置入院、性同一性障害、ガイドラインについてなど多岐にわたる。とくに注目のトピックとして、「精神科一般外来での自殺予防について考える」をテーマとしたものが、会期中2日目の委員会シンポジウムで開催される。「外来通院中の精神疾患患者が自殺し、主治医の責任が問われた事件」の先ごろ出された控訴審判決で、主治医の責任を裁判所が認めたことから、今後の精神科医療において方向を見誤ることが危惧される。そのため、この事件を取り上げ、医師をはじめとする医療者と弁護士などの法律家が、「患者の自殺予防」について議論を行う。 学術総会への参加を通じて、 最新の精神神経学だけでなく、転換点にある精神医学・医療の方向性についても知見を深めることができる。■参考資料1)厚生労働省 第1回これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会 参考資料2)McDaid D, et al. OECD Health Working Papers. 2017;No.97.3)Bertolote JM, et al. World Psychiatry. 2002;1:181-185.■参考公益社団法人 日本精神神経学会第114回 日本精神神経学会学術総会

2076.

DKDの意義とは―腎臓専門医からの視点

 5月24日から3日間にわたって開催された、第61回日本糖尿病学会年次学術集会(会長:宇都宮 一典)において、日本腎臓学会・日本糖尿病対策推進会議合同シンポジウムが行われ、岡田 浩一氏(埼玉医科大学腎臓内科 教授)が「糖尿病性腎臓病DKDの抑制を目指して」をテーマに講演した。なぜ、DKD(糖尿病性腎臓病:Diabetic Kidney Disease)? 日本糖尿病学会と日本腎臓学会の両理事長による“STOP-DKD宣言”の調印から7ヵ月が経過した。しかし、「現時点ではまだ十分に市民権を得た概念ではない」と、岡田氏は腎臓専門医の立場から日本でのDKDの意義を示した。 同氏によると「海外では2013年頃から“DKD”の概念が広まっており、現在、国際学会ではヒトの糖尿病関連腎症を示す病名としてDN(diabetic nephropathy:糖尿病性腎症)を使用していない。そのため、日本ではDN、海外ではDKDが使用される、いわばダブルスタンダードの状況である。国際間の情報収集・交換を考慮すると疾患概念を輸入する必要があるため、2学会の承認を得て決定した」とDKDの概念の発足理由を説明した。日本人の病態推移 日本人の2型糖尿病患者の40%以上は微量アルブミン以上の所見を有する糖尿病腎症であり、その中で高血圧性腎症(HN)の病態に類似の、アルブミン尿が顕性化せずにeGFRが低下する非典型的な経過をたどる症例が増加している。また、透析導入率で見ると、1998年以降年々増加し、現在は横ばいの推移を示しているが、高血圧を原因とする腎硬化症による透析導入は徐々に増加傾向である。さらに、性別、年齢別の経年変化のグラフ1)によれば、女性は85歳未満のすべての年代において糖尿病による透析導入率は低下しており、85歳以上では横ばいである。一方、男性は80歳未満では低下傾向であるが、80歳以上は増加傾向というデータが報告されている。これを踏まえ、同氏は「2型糖尿病患者の男性透析導入者は人口構成上、今後も増えることが予想されるため、重要なターゲット」と注意を促した。DKD疾患とその対策法とは 近年はRA系阻害薬の使用率が上昇し、それに伴う腎保護作用の恩恵を受けている。しかしその結果、アルブミン尿が検出されなくても腎機能が低下している症例が増えているのも事実である。これに同氏は「アルブミン尿をしっかり下げているにもかかわらずGFRが低い人が増えていることを考えると、集約的治療の網の目をくぐり抜けて腎不全に陥る糖尿病患者がおり、しかも高齢化や罹病期間の延長も関与している可能性がある」と現在の人口構成を踏まえた集約的治療の在り方と検査方法について危惧した。 このような症例を減らすためには現在の概念であるCKDやDNだけでは収まりきらないため、両学会は米国から広まったDKDの概念の国内普及に努めている。 同氏は6月に発刊される「CKD診療ガイドライン2018」に掲載予定のDKDの概念図を用い、「“DKD”とは典型的な糖尿病腎症+非典型的(顕性アルブミン尿を伴わずにGFRが落ちていく症例)で、その発症進展に糖尿病が関わっている腎症の包括的な疾患概念」と説明。また、「“CKD with DM(糖尿病合併CKD)”はさらに広い包括的な疾患概念として、海外では2014年頃から整理された疾患概念である。現在、これはDKD+非糖尿病関連CKD(多発嚢胞腎やIgA腎症のような独立したCKD)として理解されるようになった」と解説した。DKDに対する検査 次に同氏は、既存検査に加えて、新しい画像検査法であるBOLD MRIについて提唱した。顕性アルブミン尿を伴わずeGFRが低下している症例の腎生検では、典型的な糖尿病性糸球体硬化症と細動脈硬化が混在している所見が観察されることから、早い段階から腎硬化症と糖尿病の糸球体病変が合併しており、これが非典型的な糖尿病関連腎症の組織学的な特徴ではないか」という仮説を紹介した。顕性微量アルブミンが検出されないまま腎機能の低下をきたした原因には腎組織の虚血の関与が想定され、「このような症例に対し、尿アルブミンの定量に加えてeGFRの測定が重要であり、加えて腎臓の酸素化を可視化できるBOLD MRIなどの新しい検査法の開発・導入を推進すべき」とコメントした。DKDによる診療意図拡大へ J-DOIT3試験の応用が、より良い臓器合併症抑制効果に結びつくことを踏まえ、同氏は「これには多職種からなるチームでの介入が重要であり、そのためには、かかりつけ医から専門医への適切な紹介が必要となる。これを推進するため、両学会において紹介基準が作成された2)」と述べ、「この際、アルブミン尿とGFRを定期的に測定してもらうことが大前提となる」と適切な紹介のための注意点を伝えた。 最後に同氏は「ただし、DKDの中には、集約的治療では抑え込めない非典型的な糖尿病関連腎症が含まれている。この顕性アルブミン尿を伴わない腎症の病態解明と新しい管理・治療法の開発という2つの学会をあげての取り組みを促進すること、これが今、DKDの定義を発信する目的である」と締めくくった。

2077.

「パーキンソン病診療ガイドライン」7年ぶりに改訂

 2011年以来の改訂版となる「パーキンソン病診療ガイドライン 2018」が5月15日に発行された。今回のガイドライン改訂では、パーキンソン病診療における最も重要な臨床課題として「早期パーキンソン病治療」と「運動合併症治療」を設定し、GRADEシステムに基づいてエビデンスレベルと推奨レベルの2軸による治療の推奨度が示された。「Minds診療ガイドライン作成の手引き(2014年版)」に準拠して作成され、治療だけでなく診断基準や病因、画像所見などについても幅広く解説されていることから、「治療ガイドライン」から「診療ガイドライン」に名称を変更している。 「パーキンソン病診療ガイドライン 2018」は日本神経学会を中心に、日本神経治療学会、日本脳神経外科学会、日本定位・機能神経外科学会、日本リハビリテーション医学会の協力のもとで作成された。また、看護師や薬剤師、患者らが参加するパネル会議を開催し、多職種による議論を経たうえで、推奨文の内容が決定されている。パーキンソン病診療ガイドラインはGRADEシステムに基づく2つのCQと50のQ&Aで構成 「パーキンソン病診療ガイドライン 2018」は、各抗パーキンソン病薬、手術療法やリハビリテーションについてそれぞれ有効性と安全性をまとめた第I編、早期および進行期の2つのCQについて推奨度、治療アルゴリズムを示した第II編、診断・治療における50の臨床課題についてQ&A方式でまとめた第III編で構成される。 第I編では、ドパミンアゴニスト徐放剤、アポモルヒネ皮下注射、イストラデフィリン、L-ドパ持続経腸療法など、前版「パーキンソン病治療ガイドライン2011」発行後の新しい治療法について情報が追加された。第II編では、「CQ1:早期パーキンソン病の治療はどのように行うべきか」、「CQ2:運動合併症に対する治療について」の2つのCQを設定。CQに対する推奨文には、1(強い:確実に行うことが強く推奨される場合)もしくは2(弱い:条件を選べば推奨できる場合)の推奨レベル、およびA~Dの4段階(最も高いものがA)のエビデンスレベルが明記されている。 第III編は、「パーキンソン病治療ガイドライン2011」における第II編の内容を改訂したもの。重要ではあるが、エビデンスが少ない臨床課題として、GRADEシステムに基づくCQとは区別する意味で、「パーキンソン病診療ガイドライン 2018」ではQ&Aとしてまとめられている。パーキンソン病診療ガイドラインでは早期はL-ドパを中心にドパミンアゴニストもしくはMAOB阻害薬 以下、「パーキンソン病診療ガイドライン 2018」での大きな改訂点である、第II編の2つのCQの概要を紹介する。■早期パーキンソン病は、診断後できるだけ早期に薬物療法を開始すべきか[CQ1-1] 推奨:特別の理由のない限りにおいて、診断後できるだけ早期に治療開始することを 提案する(2C:弱い推奨/エビデンスの質「低」) 付帯事項:早期介入による不利益に関する十分なエビデンスがないことから、治療を 開始する際は効果と副作用、コストなどのバランスを十分考慮する。■早期パーキンソン病の治療はL-ドパとL-ドパ以外の薬物療法(ドパミンアゴニストおよびMAOB阻害薬)のどちらで開始すべきか[CQ1-2] 推奨:運動障害により生活に支障をきたす場合、早期パーキンソン病の治療はL-ドパで 開始することを提案する(2C) 付帯事項:運動合併症リスクが高いと推定される場合はドパミンアゴニストもしくは MAOB阻害薬を考慮する。抗コリン薬やアマンタジンも選択肢となりえるが十分な根拠 がない。パーキンソン病診療ガイドラインでは進行期にどの治療法をアドオンするか推奨度を明示 「パーキンソン病診療ガイドライン 2018」のCQ2では、ウェアリングオフ(L-ドパを1日3回投与しても、薬の内服時間に関連した効果減弱がある)を呈する進行期パーキンソン病患者に追加する治療法について、それぞれ推奨度が示された。各推奨度と、付帯事項の概要については以下の通り。■ドパミンアゴニスト[CQ2-1] 推奨度:2A 付帯事項:60代前半対象のエビデンスに基づくため、高齢者への使用には注意を要 する。L-ドパとの併用によるオフ時間の短縮効果、L-ドパ減量効果、UPDRS partIII スコアの改善効果があり、副作用の発現に注意しながら使用することを提案する。■ドパミン付随薬・COMT阻害薬[CQ2-2-1] 推奨度:2B 付帯事項:なし・MAOB阻害薬[CQ2-2-2] 推奨度:2C 付帯事項:セレギリンのRCTが少なく、ラサギリンについては現時点で本邦における エビデンスが公開されていない・イストラデフィリン[CQ2-2-3]、ゾニサミド[CQ2-2-4] 推奨度:2C 付帯事項:本邦のみでの承認薬剤のため、海外での評価が定まっていない点に注意が 必要■脳深部刺激療法 推奨度:2 C 付帯事項:オフ時の運動症状改善、L-ドパ換算用量の減量効果があるが、認知 機能への影響のほか、合併症も起こりうるため、慎重に適応を判断する なお、「パーキンソン病診療ガイドライン 2018」のCQ1およびCQ2では、それぞれ章末に資料として、推奨度をもとにした治療アルゴリズムがフロー図の形で示されている。

2078.

ガイドライン普及で喘息死ゼロを目指す

 2018年5月28日、アストラゼネカ株式会社は、重症喘息に関するメディアセミナーを都内で開催した。本セミナーは、「重症喘息患者さんのQOL改善に貢献する重症喘息の個別化医療とは~生物学的製剤『ファセンラ(一般名:ベンラリズマブ)』発売に伴う新プログラムを発表~」をテーマに、2名の演者が講演を行った。ベンラリズマブでFEV1(1秒量)が回復し、肺年齢が若返る 初めに、堀口 高彦氏(藤田保健衛生大学医学部 教授)が、「生物学的製剤『ファセンラ』による重症喘息治療とは」をテーマに説明を行った。従来の喘息治療は、吸入薬でコントロールが不十分な場合、経口ステロイド薬を選択していた。しかし、経口ステロイド薬は全身性の副作用が多く、患者への負担が大きいというデメリットがあった。 今回、堀口氏は新規重症喘息治療薬のベンラリズマブを投与した8例の患者について紹介した。ベンラリズマブはIL-5受容体αに結合し、ADCC(抗体依存性細胞傷害)活性により、血中・気道の好酸球を除去する。投与した結果、すべての例で4週後に血中好酸球数がほぼ0まで減少し、FEV1改善例では、平均400ccほど増加した。また、ほぼすべての患者の喘息症状が改善し、日常生活において制限されていた活動(咳を気にして行けなかった映画鑑賞など)ができるようになったという。 同氏は、「喘息はポピュラーな疾患で、年齢幅も広い。しかし、重症喘息患者さんは毎日ゼイゼイ、ヒューヒューといった息苦しさと共に生活をしている。ベンラリズマブは高価だが、効果を考えると選択肢として必要。QOL・ADLの大幅な改善が期待できる」と語った。6月に「喘息予防・管理ガイドライン2018」発刊 次に、東田 有智氏(近畿大学医学部附属病院 病院長)が、「重症喘息個別化医療普及」について説明した。現在、厚生労働省が都道府県ごとにアレルギー疾患対策拠点病院の設置に向けて準備を行っている。診療の均てん化やステロイドの適正使用の推進が期待され、高額医療費の原因となる入院を防ぐ目的もある。また、東田氏は、「喘息予防・管理ガイドライン2018」を6月発刊に向け準備を行っており、「ガイドラインの普及により、喘息による死亡ゼロを目指す」と提言した。ベンラリズマブの作用機序は、今後、まだ完全には明らかになっていない喘息の病態解明にも繋がる可能性がある。 同氏は、「喘息治療において1番の問題は、地方には専門医が少ないこと。ガイドラインは非専門医のためのもので、普及することで重症喘息にも十分対応できるようになる。ベンラリズマブの位置付けは最高位のSTEP4。あくまでも吸入ステロイド薬による治療が優先される」と語った。 また、両氏は、喘息のコントロールにおいて、吸入薬を正しく使う重要性を強調した。とくに、下を向いて吸入することは、薬が肺の奥に届かない原因になるという。背筋を伸ばし顔を上げて、吸入口をくわえるときに舌を下げ、喉の奥を広げて吸入することでしっかりとした効果が得られる。 詳しくは、吸入薬使い方ガイドで紹介している。

2079.

高齢者糖尿病の治療で避けたい治療薬

 2018年5月24日より3日間開催された第61回日本糖尿病学会年次学術集会(学会長:宇都宮 一典)にて「高齢者糖尿病の病態と診療のポイント」をテーマに、井藤 英喜氏(東京都健康長寿医療センター 理事長)が教育講演を行った。 本稿では教育講演の概要をお届けする。全糖尿病患者の約80%が60歳以上という現実 わが国の高齢者人口は、全人口の27%を超え、これに伴い60歳以上の糖尿病患者が全糖尿病患者の約80%を占める状況となった。こうした状況を受け、高齢糖尿病患者特有の症状や病態を考慮に入れ、欧米のガイドラインなどを参考に、日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同委員会により作成された『高齢者糖尿病診療ガイドライン 2017』(南江堂)、『高齢者糖尿病治療ガイド2018』(文光堂)が発行された。ガイドラインでは、高齢者糖尿病を認知機能やADLなどの条件で3つのカテゴリーに分け、血糖コントロール目標値をカテゴリー別に7.0~8.5%未満に設定するとともに、重症低血糖が危惧される糖尿病薬を使用している場合は目標値に下限値を設けるなどの指針を示すものとなっている。高齢者糖尿病に特有な病態の理解が必要 高齢者糖尿病は2型がそのほとんどを占め、発症原因として生活習慣の集積に加え、臓器の加齢変化が指摘されている。また、患者は糖尿病に加え、高血圧、虚血性心疾患、脳血管障害、閉塞性動脈硬化症(ASO)、腎機能障害、がんなど多彩な疾患を合併していることが多く、多剤を併用しているケースが多い。多剤併用や糖尿病薬で起こる低血糖は、うつ、認知機能低下、QOLの低下、転倒・骨折など、さまざまな弊害をもたらす。とくに低血糖に関し、「高齢者では、無自覚、あるいは症状があっても非典型的な場合もあり、周囲からの注意も必要だ」と同氏は警鐘を鳴らす。また、糖尿病自体が、要介護の原因となる認知症や転倒・骨折などの老年症候群の危険因子であることが明らかにされており、「高齢者糖尿病の診療では、いかに老年症候群の発症・進展を予防するかも含め、考える必要がある」と同氏は指摘する。高齢者糖尿病の治療で大事なポイント 高齢者糖尿病の治療では、大きな目標として成人糖尿病と同じく「血管合併症の予防」があるが、同時に、高齢者では「健康寿命の延伸」「老年症候群の予防」「重症低血糖の予防」が重要であり、そのためには「患者背景に即した安全・妥当な治療」の実施が求められる。血糖に関しては、診療ガイドラインに記載されているとおり、年齢、認知機能、ADLの状況、併存疾患、使用薬剤を考慮に入れ、個々の症例に最適と考えられている血糖コントロール目標値を目安にコントロールする。 食事療法は、75歳以上の後期高齢者ではタンパク質摂取量が少ないほど死亡率が上昇する。そして、高齢者ではタンパク質摂取量が低下すると筋肉量や筋力が減少し、フレイルやサルコペニアなどの老年症候群が惹起されやすくなるといったことから、タンパク質を含む食品、肉や魚、さらに大豆、ミルク・乳製品、豆類などの摂取が推奨される。また、大豆製品や野菜、海藻などの摂取は、認知機能維持に有用という報告もあるので、高齢者ではとくにこれらの食品の摂取が勧められる。 運動療法は、定期的な身体活動が代謝異常の是正だけでなく、生命予後、ADLの維持、認知機能低下の抑制に有用であるとされる。歩行、水泳などに代表される有酸素運動、スクワット、ダンベルに代表されるレジスタンス運動のほかに、高齢者糖尿病では、片脚立ちなどのバランス運動が転倒予防に有効であり、これらを絡めて行う必要がある。 薬物療法では、ガイドライン記載のとおり、「低血糖の防止」「多剤併用への注意」が重要となる。とくに「低血糖を起こしやすいSU薬、グリニド薬、インスリンの使用はなるべく避け、使用する場合は、低血糖対策を立て、患者や介護者にその対処法を十分説明しておく必要がある。また、高齢者はシックデイになりやすいので、低血糖同様にそれへの対応・予防策の教育も大事だ」と同氏は指摘する。 最後に「高齢者糖尿病患者の診療は、患者のQOLの維持・向上、現在の生活の継続を支援するという視点から考えた治療を行い、患者の生活背景を考慮に入れ、起こりうる有害事象を避けながら治療を継続していくことが重要だ」と同氏は語り、講演を終えた。

2080.

プロカルシトニン値は抗菌薬使用の指標となるか/NEJM

 下気道感染症が疑われる患者への、プロカルシトニン値を指標とする抗菌薬の開始/中止の決定は、抗菌薬曝露量を削減しないことが、米国・ピッツバーグ大学のDavid T. Huang氏らが行った「ProACT試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2018年5月20日号に掲載された。プロカルシトニンは、ウイルスに比べ細菌感染によって上昇するペプチドで、上昇の程度は感染の重症度と相関し、感染の改善に伴って経時的に低下する。欧州の試験では、プロカルシトニンに基づくガイダンスは、明確な有害性を呈することなく抗菌薬の使用を抑制することが報告されている。米国食品医薬品局(FDA)は、これらの試験を含むメタ解析の結果に基づき、2017年2月、下気道感染症疑い例における抗菌薬使用の指標としてプロカルシトニン測定を承認したが、日常診療への適用の可能性は不明だという。米国の14施設の救急診療部受診患者1,656例を登録 本研究は、プロカルシトニン値に基づく抗菌薬処方ガイドラインは、有害事象を増加させずに抗菌薬曝露量を削減するかを検証する無作為化試験である(米国国立一般医科学研究所[NIGMS]の助成による)。 対象は、年齢18歳以上、下気道感染症の疑いで救急診療部を受診し、抗菌薬治療の適応の可否が不明な患者であった。被験者は、プロカルシトニン群と通常治療群に無作為に割り付けられた。 プロカルシトニン群の治療医には、プロカルシトニンの測定値と、測定値を4段階に分け、それぞれの推奨治療が記載された抗菌薬使用のガイドラインが提供された。通常治療群にもプロカルシトニンの測定が行われたが、臨床には使用されなかった。 登録後30日以内に、プロカルシトニン群は通常治療群に比べ、抗菌薬の総投与日数が削減され、有害なアウトカムを発症する患者の割合の差が4.5ポイント(非劣性マージン)を超えないとの仮説を立て、検証を行った。 2014年11月~2017年5月の期間に、米国の14施設1,656例が登録され、プロカルシトニン群に826例(平均年齢:52.9±18.4歳、男性:43.2%)、通常治療群には830例(53.2±18.7歳、42.7%)が割り付けられた。1,430例(86.4%)がフォローアップを完遂した。有害アウトカム率:プロカルシトニン群11.7% vs. 通常治療群13.1% 最終診断のデータが得られた1,645例のうち、646例(39.3%)が喘息の増悪、524例(31.9%)が慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性増悪、398例(24.2%)が急性気管支炎、328例(19.9%)が市中肺炎であった。782例(47.2%)が入院し、984例(59.4%)が30日以内に抗菌薬の投与を受けた。 プロカルシトニン群の治療医は、826例中792例(95.9%)のプロカルシトニン測定結果を受け取り、通常治療群の治療医も、830例中18例(2.2%)の測定結果を得た。プロカルシトニン群の血液サンプル採取から測定結果の取得までの時間の中央値は77分だった。両群とも、プロカルシトニン値が高いほど、救急診療部での抗菌薬処方の決定が多かった。 intention-to-treat(ITT)解析では、30日までの平均抗菌薬投与日数は、プロカルシトニン群が4.2±5.8日、通常治療群は4.3±5.6日と、両群間に有意な差はなかった(差:-0.05日、95%信頼区間[CI]:-0.6~0.5、p=0.87)。per-protocol解析、per-guideline解析、complete-case解析、missing-not-at-random解析でも、結果はほぼ同様だった。 ITT解析による有害なアウトカムを発症した患者の割合は、それぞれ11.7%(96例)、13.1%(109例)であり、プロカルシトニン群の通常治療群に対する非劣性が示された(差:-1.5ポイント、95%CI:-4.6~1.7、非劣性:p<0.001)。他の解析法による結果もほぼ同様だった。 30日までに抗菌薬投与を受けた患者の割合や、最終診断名別の平均抗菌薬投与日数にも、両群間に差はなかった。 著者は、「抗菌薬曝露量が削減されなかった原因として、通常治療群の医師は測定値を知らないにもかかわらず、高値例に比べ低値例への抗菌薬の処方が少なかった点などが挙げられる」とし、「以前の試験と対照的な結果であった理由としては、case mix、デザイン、セッティングなどの違いが考えられる」と指摘している。

検索結果 合計:3165件 表示位置:2061 - 2080