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統合失調症へのSSRI投与の必要性は?

 統合失調症の精神病理的な治療(たとえば、陰性症状やうつ症状)は、いまだに非定型抗精神病薬のわずかな有効性により行われている。臨床現場では、統合失調症の陰性症状やうつ症状を改善するために、抗精神病薬とSSRIの併用が行われているが、陰性症状、うつ症状、強迫症状に対する有効性のデータは対照的である。イタリア・ミラノ大学のMassimiliano Buoli氏らは、統合失調症に対するSSRIの使用および有効性の概要を得るため、メインデータベースを用いた検討を行った。Expert opinion on pharmacotherapy誌オンライン版2016年5月5日号の報告。 専門家の主な意見は以下のとおり。・決定的な根拠となるには、データが乏しかった。予備的な手法によると、統合失調症の抑うつ症状に対しSSRIは効果を示さないことが利用可能なデータで示唆された。・陰性症状については、研究は対照的であったが、SSRIの中ではパロキセチンが最も有効であると考えられる。・限られたデータではあるが、統合失調症の強迫症状に対しSSRI(とくにフルボキサミン)は、有効であると考えられる。・抗精神病薬と抗うつ薬を併用する場合には、潜在的に重篤な副作用や血漿薬物投与に及ぼす影響を、臨床的および薬理学的にモニタリングする必要がある。関連医療ニュース 統合失調症患者への抗うつ薬併用、効果はどの程度か 統合失調症の陰性症状に対し、抗うつ薬の有用性は示されるのか なぜSSRIの投与量は増えてしまうのか

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全般性不安症でよく見られる不眠、その関連因子は

 睡眠障害は、全般性不安症(GAD)の重要な診断基準の1つである。不眠症の有病率に関連する因子および不眠関連因子がQOLに及ぼす影響について、スペイン・Hospital General Universitario Gregorio MaranonのF Ferre Navarrete氏らは、多施設共同前向き横断観察研究にて検討を行った。Behavioral sleep medicine誌オンライン版2016年5月11日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・多変量解析の結果、不眠症(ISI 8以上)と最も関連する要因は、GADの重症度(OR:9.253[for severe GAD]、95%CI:1.914~44.730、p=0.006)、痛みの干渉(OR:1.018、95%CI:1.003~1.033、p=0.016)、うつ症状(OR:1.059、95%CI:1.019~1.101、p=0.004)であった。・不眠は、QOLとの関連が認められなかった。 本検討により、GAD患者において、不眠症は一般的によく見られる健康状態であり、不安の重症度やうつ症状、痛みの干渉と関連することが示唆された。関連医療ニュース 社交不安症に対するエスシタロプラムの効果は うつ病や不安障害患者は、季節性の症状変化を実感! 不眠症の人おすすめのリラクゼーション法とは

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ネット時代のうつ病予防(解説:岡村 毅 氏)-535

 本論文は、抑うつ傾向が強いものの大うつ病を発症していない406例を対象としたRCTの報告である。介入群は、オンラインで行う疾病教育、行動療法、問題解決療法をベースにしたプログラムを受けたうえで、臨床心理士の指導を受けた院生などによるフィードバックを受ける。12ヵ月後の大うつ病の発症は対照群の41%に対して、介入群では27%であった。5.9例に介入することで1例の発症を予防したことになるとのこと。非常に効果があるうえに、情報化の進んだ現代においては実現可能性も高い新たな方法論であり、注目に値するだろう。 ただ、この論文の骨子は、ネットを使って新しいことをやってみましたというような表層的なものではない。 著者らも書いているが、発症して受診した患者さんに理想的な治療をしたとしても、疾病による負荷のうちのおよそ3分の1しか減らせないのである。注意して記載しなければならないが、受診せずに最悪の転帰を迎えるよりは受診したほうが良いのは当然としても、しっかり治療を受ければ必ず完全寛解するというような生易しいものではないことも事実である。スパッと治る人もいるが、苦しまれる方もいることは、真摯に患者さんに伴走したことがある者ならばよくわかるはずだ。 予防が重要であり、クリニックに来る前に、つまり発症前に、早期発見と早期介入で発症を回避することは、この領域の研究者の夢であった。しかし、多数の方相手に絨毯爆撃的な認知行動療法をするなんて現実的には無理である。情報技術の進歩により、それが可能になったのである。 以上は、ネット社会の恩恵の話であった。以下は愚痴になってしまうが、高齢者の臨床をしているとまだまだ情報技術の恩恵は少ない。 私の外来でも、・物盗られ妄想は認知症の症状であり意地悪ではないこと・認知症の根本治療薬はないこと・社会参加が重要であるが1人で美術館巡りをすることよりも、デイケアなどでいろいろな人と接するのがいいこと・認知症にならない魔法の食べ物はなく、普通にバランス良く食べるべきであること・介護保険は住民票のある自治体に申請することなどなどを、老老介護の方などにはいちいち説明することもある。これは事前に知っておいてほしいなあ、次の方も待ち時間が伸びてイライラしだしたしなあ、なんて思いながら。 あと30年もすると診察の前にA.I.の講話があり、そしてメモリーアシストアプリなどを持った高齢者の診察をしているんだろうか、と思う。あ、でもその頃は自分が高齢者か…。

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ネットで行う自助介入、うつ病発症抑制に効果/JAMA

 閾値下うつ病成人について、インターネットを活用した自助介入が、通常ケアの強化介入と比較して、大うつ病(MDD)の発症を有意に減少したことが、ドイツ・ロイファナ大学リューネブルクのClaudia Buntrock氏らが行った無作為化試験の結果、示された。MDDのエビデンスベース治療は、機能・健康アウトカムを十分には改善できない。そのためMDDを発症させない予防に注目が集まっており、研究グループは、Webベースの自助介入の有用性を評価する検討を行った。JAMA誌2016年5月3日号掲載の報告。ドイツの労働者を対象に無作為化試験 検討は2013年3月1日~2015年3月4日に行われた。被験者は、大規模な公的健康保険組織(雇用者-労働者共同で運営する保険組織など)を介して集めたドイツの一般市民で、閾値下うつ病(CES-Dスコア16以上、DSM-IV基準でMDDなしと判定)成人406例であった。 全被験者に対して、通常ケア(プライマリケアを受診)への受診制限を設けず、Webベースの自助介入(オンライントレーナーのサポートを受けながら認知行動および問題解決療法を行う:202例)を受ける(介入)群、またはWebベースの心理教育プログラム(204例)を受ける(対照)群に無作為に割り付けた。 主要アウトカムは、追跡12ヵ月間における、対照群と比較した介入群のMDD発症までの期間とした。評価は、盲検化された診断評価者が、電話によるDSM-IVうつ病軸の構造化臨床インタビュー(Structured Clinical Interview for DSM-IV Axis Disorders)にて、6ヵ月、12ヵ月時点に行った。12ヵ月のMDD発症、介入群27%、対照群41% 無作為化された406例(平均年齢45歳、女性73.9%)のうち、335例(82%)が12ヵ月の電話フォローアップを完了した。 MDDが認められたのは、介入群55例(27%)に対し、対照群84例(41%)であった。ベースラインのうつ症状重症度調整後のCox回帰分析で求めた12ヵ月時点のハザード比は、0.59(95%信頼区間[CI]:0.42~0.82、p=0.002)であった。 NNT(MDD新規発症1例を回避するために必要な治療数)は、5.9(95%CI:3.9~14.6)であった。 結果を踏まえて著者は、「さらなる検討を行い、オンライントレーナーのサポートがなくても、うつ病の初発および再発に対する効果が同等に認められるかを調べる必要がある」とまとめている。

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統合失調症の再発、リスク因子とその対策

 統合失調症のマネジメントにおいて、再発は重要な問題の1つである。イタリア・ボローニャ大学のStefano Porcelli氏らは、統合失調症の再発と関連する臨床的因子の検討を行った。International journal of psychiatry in clinical practice誌2016年6月号の報告。 過去22年分の文献データを検討し、219件が抽出された。 主な結果は以下のとおり。・再発に関連する要因は、「薬物治療に関連する因子」「精神療法追加治療」「一般的なリスク因子」の3つに大別された。・全体として、維持療法の欠如と第1世代抗精神病薬治療は、再発の高リスクと関連していた。・心理療法の追加、とくに患者、親族に対する認知行動療法と心理教育は、再発率の減少において優れた有効性を示した。・一般的なリスク因子には、改善可能なもの(精神疾患の未治療期間、物質乱用など)と、そうでないもの(男性の性別、病前の機能レベルの低さ)があった。 結果を踏まえ、著者らは「リスク因子のいくつかの分類は、再発リスクとの関連性が証明されている。そのため、各患者の再発リスクを個別化するために日々の臨床現場でこれらリスク因子を注意深く評価し、高リスク患者においては標的治療を行うべきである」とまとめている。関連医療ニュース 統合失調症患者の再発リスクを低下させるためには 統合失調症の再発予防プログラムを日本人で検証:千葉大学 気温31℃超で気分症状が再発!入院も増加

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抗精神病薬ナイーブ統合失調症患者におけるプロラクチンレベルは

 ドパミンアンタゴニストの抗精神病薬の使用は、高プロラクチン血症と関連しているが、統合失調症および関連障害の抗精神病薬ナイーブ患者においてプロラクチン濃度の上昇がみられる。スペイン・オビエド大学のLeticia Gonzalez-Blanco氏らは、これら疾患の抗精神病薬ナイーブ患者におけるプロラクチンに関する研究のシステマティックレビューおよびメタ解析を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2016年4月5日号の報告。 PubMed(Medline)、PsycInfo、Web of Scienceより、1950年以降の英語文献を検索した。統合失調症または関連障害の抗精神病薬ナイーブ患者および対照群の血中プロラクチンデータと男女それぞれの利用可能なデータを含む男性対象の研究7件(患者群:141例、対照群:191例)、女性対象の研究5件(患者群:67例、対照群:116例)が基準を満たした。データは、著者1名が論文から抽出し、独立した2名により検証を行った。 主な結果は以下のとおり。・平均エフェクトサイズは、男性1.02(95%CI:0.77~1.26、p<0.001)、女性0.43(95%CI:0.11~0.76、p<0.01)であった。・年齢、喫煙、BMI、出版年、コルチゾールによるメタ回帰分析は、有意ではなかった。・Funnel plotを用いて評価したところ、出版バイアスの存在は示されなかった。 著者らは、「症例数が少なく限られた研究であったが、本メタ解析では、統合失調症および関連障害を有する抗精神病薬ナイーブ患者において、男女共にプロラクチンレベルが有意に上昇していることが示された。長期の高プロラクチン血症は、性機能不全や骨粗鬆症につながる可能性があり、抗精神病薬にはプロラクチン濃度をさらに上昇させるものもある」と結論付けた。抗精神病薬ナイーブ患者に対するドパミンアンタゴニストの抗精神病薬使用にあたっては、プロラクチンレベルに対し、とくに注意が必要であると考えられる。関連医療ニュース リスペリドン誘発性高プロラクチン血症への補助療法 抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症、乳がんリスクとの関連は プロラクチン上昇リスクの低い第二世代抗精神病薬はどれか

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LAIは死亡率を上昇させるのか:藤田保健衛生大

 長時間作用型注射剤(LAI)抗精神病薬(AP)は、経口薬と比較し、いくつかの利点を有するが、日本国内で市販後初期の警戒すべき時期に起こった死亡例の報告により、安全性に対する懸念が広がってしまった。藤田保健衛生大学の岸 太郎氏らは、LAI-APが統合失調症患者の死亡率に影響を与える可能性を評価するため、メタ解析を行った。Schizophrenia bulletin誌オンライン版2016年4月16日号の報告。 複数のランダム化比較試験(RCTs)において、LAI-APs vs.プラセボ、LAI-APs vs.経口抗精神病薬(OAPs)、LAI-APs単独の直接比較による3つのカテゴリーにおけるメタ解析を行った。主要評価項目である全死因死亡と合わせて、自殺による死亡も評価した。リスク比(RRs)と95%CIを算出した。 主な結果は以下のとおり。・52報のRCTsが抽出された(53件の比較、総患者数:1万7,416例、LAI-APs:1万1,360例、OAP:3,910例、プラセボ:2,146例)。LAI-APs vs.プラセボの平均試験期間は28.9週、LAI-Aps vs.OAPsは64.5週だった。・単独もしくは複数のLAI-APs(アリピプラゾール、フルフェナジン、オランザピン、パリペリドン、リスペリドン)の全死因死亡(RR:0.64、p=0.37)、および自殺による死亡(RR:0.98、p=0.98)ともにプラセボとの差は認められなかった。・しかし、短期間のRCTs(13週以下)サブグループ解析のみで、LAI-APsの全死因死亡がプラセボよりも低い傾向を示した(RR:0.29、p=0.08)。・LAI-APs(アリピプラゾール、フルフェナジン、ハロペリドール、オランザピン、パリペリドン、リスペリドン、zuclopenthixol)の全死因死亡(RR:0.71、p=0.30)、および自殺による死亡(RR:0.94、p=0.91)ともにOAPsとの差は認められなかった。・各LAI-APsとOAPsの死亡リスクは同様であった。・LAI-APsの直接比較のデータは不十分であった。 結論として、全死因死亡、自殺による死亡ともに、LAI-APsとプラセボもしくはOAPsとの間に有意な差は認められなかった。関連医療ニュース 月1回の持効性抗精神病薬、安全に使用できるのか 抗精神病薬は統合失調症患者の死亡率を上げているのか 100年前と比べ統合失調症患者の死亡は4倍増、最大の死因は自殺、とくに若者で

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うつ病と性行為感染症リスク、その関連を検証

 米国では、性行為感染症(STDs)やうつ病は、毎年100万人に大きな影響を与え、直接医療費は410億ドルを超える。これらの相互の影響はほとんど理解されておらず、それぞれが歴史的に別々に対処されてきたが、プライマリケアにおける対処が増えている。米国・南イリノイ大学のWiley D Jenkins氏らは、うつ病とSTDとの関連を検討した。Preventive medicine誌オンライン版2016年4月4日号の報告。 著者らは、過去1年間にSTD(STDy)と診断された米国における12歳以上の施設非入所者について、全米を対象とした横断的調査である住民サーベイ2014National Survey of Drug Use and Health(NSDUH)より、18~25歳のデータを分析した。独立変数には、人口統計、生涯のうつ病エピソード(MDE)診断、STDリスクに関連する行動、精神疾患治療に関連する(臨床的に観察された)診療データが含まれた。 主な結果は以下のとおり。・1万8,142人中、MDE有病率は15.3%、STD有病率は2.4%であり、それぞれ性別や人種により有意な差が認められた。・MDEと関連するSTDリスクの増加は、女性(OR:1.61、95%CI:1.18~2.20)、男性(OR:2.23、95%CI:1.15~4.70)、白人(OR:3.02、95%CI:2.02~4.53)、低所得水準・保険の状態で認められた。・単変数モデリングでは、メンタルヘルス治療を受けていること、マリファナ、アルコール、違法薬物の使用が、それぞれSTDyの有意な増加と関連していた。・多変量ロジスティック回帰分析では、メンタルヘルス治療を受けることがSTDyの予防につながることが示された(調整OR:0.55、95%CI:0.32~0.95)。 結果を踏まえ、著者らは「うつ病歴のある人は、性行為感染症のリスクが高く、このリスク要因はプライマリケアでも確認できる」とし、「うつ病治療をもっとプライマリケアに組み込むことが、より効果的な介入手段となりうる」としている。関連医療ニュース うつ病既往で感染症リスク増加 アジアの勃起障害患者、うつ発症に注意が必要 てんかんと寄生虫感染との関連説を確認

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音楽療法にうつ症状改善は期待できるか

 高齢者のうつ病のマネジメントにおける音楽療法の有効性について、中国・蘭州大学のK Zhao氏らが検討を行った。International journal of geriatric psychiatry誌オンライン版2016年4月19日号の報告。 著者らは、系統的レビューと無作為化比較試験のメタ解析を行った。抑うつ症状の変化は、さまざまなスケールで測定した。それぞれの治療群と対照群の比較において、標準化平均差を算出した。 主な結果は以下のとおり。・包括的な検索により得られた2,692件のうち、19件が選択基準を満たした。・標準的な治療に加えて音楽療法を行うことで、高齢者の抑うつ症状の有意な改善が認められることが、メタ解析により示唆された(標準化平均差:1.02、95%CI:0.87~1.17)。 著者らは、「この系統的レビューとメタ解析により、音楽療法は抑うつ症状の改善にある程度の効果を及ぼすことが示唆された。しかしながら、音楽療法の抑うつ症状における効果を評価するためには、高品質な試験が必要とされる」としている。関連医療ニュース 音楽療法が不眠症に有用 うつ病への呼吸リラクゼーション併用療法 統合失調症へのヨガ補助療法、その有用性は

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バレニクリン、精神神経系リスク増大せず/Lancet

 禁煙補助薬バレニクリン(商品名:チャンピックス)およびbupropionは、プラセボやニコチンパッチと比べ、精神神経系有害事象リスクの有意な増大は認められないことが示された。被験者に精神疾患の既往があっても同リスクは増大せず、また、バレニクリンはプラセボ、ニコチンパッチ、bupropionのいずれと比べても、禁煙達成率が高かった。米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のRobert M. Anthenelli氏らが、禁煙希望の喫煙者8,144例を対象に行った大規模臨床試験「EAGLES」(Evaluating Adverse Events in a Global Smoking Cessation Study)の結果、明らかにした。バレニクリンやbupropionの禁煙補助薬の精神神経系への安全性に関する懸念は払拭されていない。これまでに行われたニコチンパッチとの比較検討は間接的な試験であり、安全性、有効性に関する情報は精神疾患を有する患者に限られていた。Lancet誌オンライン版2016年4月22日号掲載の報告。不安症、うつ病、異常感など精神神経系リスクの発生率を比較 研究グループは、2011年11月~15年1月にかけて、16ヵ国、140ヵ所の医療機関を通じて、禁煙を希望する喫煙成人8,144例を対象に、無作為化プラセボ対照二重盲検試験を行った。被験者を精神疾患歴のある群(4,116例)と非既往群(4,028例)に分け、そのうえで、それぞれを無作為に4群に分け、バレニクリン(1日2回、1回1mg)、bupropion(1日2回、1回150mg)と、そのコントロール群としてニコチンパッチ(1日21mgで開始し漸減)、プラセボを投与した。 主要エンドポイントは、不安症、うつ病、異常感など精神神経系有害事象の複合とした。また、主要有効性エンドポイントは、9~12週の生化学的に確認された禁煙とした。9~12週の禁煙、対プラセボのバレニクリンのオッズ比は3.61 結果、精神疾患の非既往患者では、主要複合エンドポイントの発生率は、バレニクリン群が1.3%、bupropion群が2.2%、ニコチンパッチ群が2.5%、プラセボ群が2.4%だった。バレニクリン群対プラセボ群、bupropion群対プラセボ群のリスク差は、それぞれ-1.28(95%信頼区間[CI]:-2.40~-0.15)、-0.08(同:-1.37~1.21)で、いずれも有意差はなかった。 精神疾患既往患者では、主要複合エンドポイントの発生率は、バレニクリン群が6.5%、bupropion群が6.7%、ニコチンパッチ群が5.2%、プラセボ群が4.9%だった。バレニクリン群対プラセボ群、bupropion群対プラセボ群のリスク差は、それぞれ1.59(95%CI:-0.42~3.59)、1.78(同:-0.24~3.81)であり、いずれも有意差はなかった。 9~12週の禁煙率については、バレニクリン群が、対プラセボ群、対ニコチンパッチ群、対bupropion群でみた場合、いずれも有意に高率で、オッズ比(OR)はそれぞれ、3.61(95%CI:3.07~4.24)、1.68(同:1.46~1.93)、1.75(同:1.52~2.01)だった(いずれもp<0.0001)。 また、対プラセボ群でみた場合、bupropion群(OR:2.07、95%CI:1.75~2.45)、ニコチンパッチ群(同:2.15、1.82~2.54)も禁煙率はそれぞれ有意に高率だった(いずれもp<0.0001)。 コホート全体で治療群単位でみた最も頻度の高い有害事象は、悪心(バレニクリン群25%)、不眠(bupropion群12%)、異常な夢(ニコチンパッチ群12%)、頭痛(プラセボ群10%)だった。治療群間の有効性は、コホート全体の解析でも違いはみられなかった。

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抗精神病薬服用中の授乳、安全性は

 トルコ・ネジメッティン・エルバカン大学のFaruk Uguz氏は、母乳哺育児における第2世代抗精神病薬(SGA)の安全性を検討した。Journal of clinical psychopharmacology誌2016年6月号の報告。 母乳やSGAなどのキーワードと組み合わせて、1990年1月~2015年6月30日までの英語文献をPubMedで検索した。相対的乳児投与率(RID)、乳汁/血漿薬物濃度比(M/P比)、乳児の血漿薬物レベル、有害事象などの関連データを含む症例報告、ケースシリーズ、前向きまたは横断的研究を抽出した。 主な結果は以下のとおり。・合計37件の関連文献を調査した。・関連文献に206例の乳児が含まれた(オランザピン:170例、クエチアピン:14例、リスペリドン/パリペリドン:8例、クロザピン:6例、アリピプラゾール4例、ziprasidone:2例、amisulpride:2例)。・M/P比、RID、乳児の血漿薬物レベルについて利用可能なデータの約半数に、オランザピンが含まれていた。・比較的適切な文献では、オランザピンのRIDは低いことが示唆されていた。・限られた文献において、クエチアピンとziprasidoneの低いRID、リスペリドン/パリペリドンとアリピプラゾールの中程度のRID、amisulprideの高いRIDが示された。・ほとんどの乳児において、血漿中から抗精神病薬は検出されなかった。・クロザピン以外では、有害事象の報告はわずかであった。 著者らは、「現在のデータでは、SGAは短期間の使用において母乳哺育児に対し比較的安全であると考えられる。しかし、とくにオランザピン以外のSGAに関しては、短期および長期の母乳哺育児に対する影響を検討する必要がある」としている。関連医療ニュース 統合失調症女性の妊娠・出産、気をつけるべきポイントは オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学 妊娠初期のSSRI曝露、胎児への影響は

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FDAの承認が抗精神病薬の適応外処方に与える影響

 FDAによる承認後、多くの薬剤が適応外で処方されている。適応外の使用における有効性や安全性をサポートする明確なエビデンスが存在する場合には、医薬品承認事項変更申請(sNDAs)を通じて、正式にFDAの承認を申請することができる。米国・ハーバード大学医学部ブリガム&ウィメンズ病院のBo Wang氏らは、小児に対し抗精神病薬を処方するうえで、小児使用に関するsNDAsのFDA決定への影響を評価した。PloS one誌オンライン版2016年3月31日号の報告。 2003~12年の3つの抗精神病薬(オランザピン、クエチアピン、ziprasidone)の新規処方に関して、レトロスペクティブにセグメント時系列解析を行った。FDAは、2009年12月にオランザピンとクエチアピンの小児使用に関するsNDAsを承認したが、ziprasidoneは承認しなかった。 主な結果は以下のとおり。・小児使用に関するsNDAsのFDA承認前の数ヵ月間、オランザピンの新規処方は、小児、成人の両方で減少した。・FDA承認後、オランザピンの処方率の増加は、小児、成人ともに同様であった(統合失調症および双極性障害:p=0.47、他の適応症:p=0.37)。・小児使用に関するsNDAsのFDA承認後、クエチアピンの使用は、小児、成人ともに減少した(p=0.88、p=0.63)。・同様に、ziprasidoneの処方は、小児使用に関するsNDAsのFDA非承認後、小児、成人ともに減少した(p=0.61、p=0.79)。 著者らは、「抗精神病薬の小児使用に関するsNDAのFDA決定は、抗精神病薬使用に変化を及ぼさず、非承認の場合には不利に働く」とし、「臨床医と政府機関の専門家のコミュニケーションの改善が求められる」としている。関連医療ニュース 小児に対する抗精神病薬、心臓への影響は 第2世代抗精神病薬、小児患者の至適治療域を模索 非定型抗精神病薬、小児への適応外使用の現状

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閾値下うつ病に対する効果的なプログラム:広島大

 青年期にみられる閾値下うつ病の主な行動特性は、環境中の報酬知覚の頻度が低い。そのため、単純な介入が短いセッションで行われており、積極的な補強活動を増加させることに焦点を当てることは、報酬の可能性を高めるうえで有効であると考えられる。広島大学の高垣 耕企氏らは、毎週60分間のセッションを5週間実施した行動活性化プログラムの有効性を調べるため、ランダム化比較試験を実施した。European child & adolescent psychiatry誌オンライン版2016年3月22日号の報告。 18~19歳の閾値下うつ病の大学生は、治療群(n=62)、対照群(n=56)に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、BDI-II ベック抑うつ質問票スコアとした。 主な結果は以下のとおり。・治療群は、対照群と比較して、抑うつ症状の有意な改善が認められた(エフェクトサイズ:-0.90、95%CI:-1.28~-0.51)。・治療群は、QOL質問票の評価と行動特性において有意な改善を示した。 著者らは、「この行動活性化プログラムの検討は短期間でシンプルな介入であったにもかかわらず、きわめて有意な効果を示しており、多くの異なる施設で利用可能であると考えられる。また、長期的影響については、今後の研究対象にすべきである」とまとめている。関連医療ニュース 治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのか 若者の新型うつ病へのアプローチとなりうるか 生徒のうつ病に対する教師サポートの影響は

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小児に対するLAI治療、その安全性は

 長時間作用型注射剤抗精神病薬(LAIA)の数は、年々増加している。しかし、小児に対するLAIA治療の安全性、有効性は確立されていない。米国・ケースメディカルセンターのStephanie Pope氏らは、ケースシリーズにより小児に対するLAIA治療を研究することで、その知見不足を補うための試みを行った。Journal of child and adolescent psychopharmacology誌オンライン版2016年3月30日号の報告。 本研究は、精神科急性期病棟の専門家により確認された、過去24ヵ月にLAIAによる新規初期治療を行ったすべての患者を含む、レトロスペクティブカルテレビューである。ケースシリーズ9例から、入院、退院時の臨床全般印象-重症度(CGI-S)スコアと臨床全般印象-改善度(CGI-I)スコアを収集した。そのほかに、主要な精神医学的診断報告、併存疾患、年齢、性別、前治療薬とLAIAの種類、LAIAによる治療理由、有害事象、CGI-SおよびCGI-Iスコア、治療を継続するために利用された外来患者のリソースが含まれた。 主な結果は以下のとおり。・ケースシリーズは、14~17歳の女性2人と男性7人であった。・患者に投与されていた薬剤は、パルミチン酸パリペリドン5例、リスペリドン1例、フルフェナジン1例、アリピプラゾール1例であった。・患者の精神科1次診断は、統合失調症5例、統合失調感情障害1例、双極性障害I型1例、特定不能な双極性障害1例、特定不能な気分障害1例であった。・すべてのケースで、ノンコンプライアンスによりLAIAを選択した。・頻繁な逃走、疾患の重症度が各1例認められた。・すべての患者は、注射サービスの公共リソースを必要とした。・本研究は、母集団が小さく、薬物療法を越えたCGI-SやCGI-Iスコアに及ぼす他の要因、また、レトロスペクティブカルテレビューの性質上、限界がある。また、薬剤間の比較は行っていない。・維持治療および長期的安全性は、本研究の範疇を越えていた。今後、小児集団に対する安全性を明らかにするための、オープンラベル試験や無作為化二重盲検比較対照試験が必要とされる。関連医療ニュース 第2世代抗精神病薬、小児患者の至適治療域を模索 小児に対する抗精神病薬、心臓への影響は 若者に対する抗精神病薬、リスクを最小限にするためには

1895.

慢性腰痛治療のゴールは「何ができるようになりたいか」

 慢性腰痛症に伴う疼痛に対し、2016年3月、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)のデュロキセチン塩酸塩(商品名:サインバルタ)の適応追加が承認された。これを受けて、4月19日、本剤を販売する塩野義製薬株式会社と日本イーライリリー株式会社が、痛みのメカニズムと治療薬の適正使用をテーマにメディアセミナーを開催した。 このなかで、講師を務めた福島県立医科大学 整形外科教授の紺野 愼一氏は、「慢性腰痛における治療は、それによって何ができるようになりたいかを目標にするのが重要だ」と述べた。 慢性疼痛は、中枢神経系の異常などによって、3ヵ月以上痛みが持続することが一般的な定義である。急性疼痛と異なり、痛みの原因となる外傷疾患が治癒した後も長期間持続するため、ADLやQOLへの影響が問題となる。全国20歳以上の男女を対象に行ったインターネット調査によると、2010年度時点で、有病率から推計される慢性疼痛保有者は2,315万人に上り、そのうち約56%が「腰痛」を訴えたという。調査ではさらに、痛みによって仕事などに支障を来したり、休職したりした人が約55%に上ることもわかった。  こうした慢性腰痛に対して治療を進めていくうえで、何に留意すべきなのだろうか。紺野氏は、大きく2つのポイントを挙げる。 1つ目は治療開始時にある。疼痛治療において、何より痛みを和らげることが重要ではあるが、完全に痛みを取ることを最終目標とすると、患者も医療者もなかなかゴールにたどり着けない。紺野氏は、「慢性腰痛によってどんなことができなくなったのか」を患者にヒアリングしたうえで、「治療によってどんなことができるようになりたいのか」を考え、それを両者の共通目標として治療を進めていくことが重要だという。目標はできるだけ具体的な内容で、「夫婦で30分程度の散歩ができるようになりたい」とか、「腰痛のためにやめていた大好きなゴルフが再びできるようになりたい」など、患者一人ひとりの思いに添うことが大事だ。 2つ目は治療体制にある。組織の炎症など、痛みの原因がはっきりしている急性腰痛と異なり、慢性腰痛は必ずしも“腰が悪い”わけではない。紺野氏によると、慢性腰痛保有者の3分の1は心理社会的要因が少なからず関わっており、「多面的、集学的なアプローチが必要」という。紺野氏が臨床で実践しているのは月1回のリエゾンカンファレンスで、メンバーは整形外科に関連した医療スタッフのほか、精神科医や臨床心理士、精神科ソーシャルワーカーで構成する。カンファレンスでは、患者の成育歴に虐待がないかや、最近の仕事や家族に関する悩みなど、幅広くかつ詳細な情報が共有される。一見、症状とは関連がないように思われるが、こうした情報から患者の置かれている状況をひも解くことで、腰痛の真の原因が明らかになることがあるという。 これらの治療アプローチに共通するのは、医師と患者のコミュニケーションだ。紺野氏は、腰痛を訴える患者に対し、単純ではない痛みのメカニズムがあることを医師がきちんと説明し理解を得たうえで、患者の望むゴールを共に目指すには、綿密なコミュニケーションに裏付けられた互いの信頼感が何をおいても基本だと強調した。 講演後の質疑応答では、サインバルタの適正使用についての質問が挙がった。サインバルタは、国内では2010年に「うつ病・うつ状態」、2012年に「糖尿病性神経障害に伴う疼痛」、2015年に「線維筋痛症に伴う疼痛」に対して承認を取得してきたが、今回SNRIとして初めて「慢性腰痛症に伴う疼痛」の治療薬として承認された。紺野氏は、慢性腰痛の新たな治療選択肢となる期待感を示したうえで、「整形外科医にはなじみのない薬剤なので、処方にあたっては医師自身がまず副作用や安全性をきちんと理解しなればならない」と述べた。

1896.

非定型うつ病を評価するT&P日本語版の信頼性は:群馬病院

 2006年、Parker氏らは、さまざまなストレス要因や病前性格スタイルに起因する非メランコリー型うつ病の特定のサブタイプを分類するための新規アプローチとして、Temperament and Personality Questionnaire(T&P)を提案した。群馬病院の工藤 由佳氏らは、T&P日本語版を開発し、その信頼性と妥当性を評価した。その結果、T&P日本語版は、日本人非メランコリー型うつ病患者の気質や性格を評価するうえで、信頼性が高く、有効な尺度であることを報告した。Journal of affective disorders誌オンライン版2016年3月26日号の報告。 調査対象は、非メランコリー型うつ病患者114例。信頼性は、再テスト法を用いて評価した。T&Pの収束的妥当性を検証するため、8つのパーソナリティ特性と各患者の臨床医評価を比較した。また、T&Pによる抑うつ症状への影響も評価した。 主な結果は以下のとおり。・T&Pの8つの要素の中での再検査法の相関係数は、0.77~0.89の範囲であり、優れた信頼性が示された。・Anxious Worrying(rho=0.29)、Perfectionism(rho=0.17)、Personal Reserve(rho=0.18)、Irritability(rho=0.38)、Social Avoidance(rho=0.32)は適切なレベルの収束妥当性を示し、Rejection Sensitivity(rho=0.16)、Self-criticism(rho=-0.02)、Self-focus(rho=0.07)は比較的弱い収束妥当性を示した。・Perfectionism(rho=-0.06)、Social Avoidance(rho=0.17)、Anxious Worrying(rho=0.40)、Personal Reserve(rho=0.30)、Irritability(rho=0.28)、Rejection Sensitivity(rho=0.35)、Self-criticism(rho=0.49)、Self-focus(rho=0.24)は、気分状態の影響に対する最低限の感受性を示した。・本研究は、1施設のみで行われたという点で限定的である。またリッカート尺度を用いたが、臨床医によるパーソナリティ特性の評価は検証されてない。関連医療ニュース 若者の新型うつ病へのアプローチとなりうるか 治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのか 非定型うつ病ではメタボ合併頻度が高い:帝京大学

1897.

成人期まで持続するADHD、その予測因子は

 注意欠如・多動症(ADHD)は、診断された症例の半数において成人期まで症状が持続する神経発達障害と考えられている。現在、疾患の経過に関連する因子を明らかにするエビデンスは得られていない。ブラジル・リオグランデドスール連邦大学のArthur Caye氏らは、ADHD症状の成人期までの持続を予測するため、小児期のリスクマーカーに関する文献を検索し、システマティックレビューを行った。European child & adolescent psychiatry誌オンライン版2016年3月28日号の報告。 著者らは、2万6,168件のアブストラクトを検討し、72件のフルテキストレビューを選択した。6件の集団ベースのレトロスペクティブサンプルと10件の臨床フォローアップ研究を含む16件の研究データを同定した。少なくとも3件の研究により評価された要因について、メタ分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・ADHD症状の成人期までの持続を予測する小児期の因子は、ADHD重症度(OR:2.33、95%CI:1.6~3.39、p<0.001)、ADHD治療(OR:2.09、95%CI:1.04~4.18、p=0.037)、素行症の併存(OR:1.85、95%CI:1.06~3.24、p=0.030)、うつ病の併存(OR:1.8、95%CI:1.1~2.95、p=0.019)であった。関連医療ニュース 成人ADHDをどう見極める 9割の成人ADHD、小児期の病歴とは無関係 ADHDに対するメチルフェニデートは有益なのか

1898.

双極性障害の簡便な症状把握のために

 双極性障害(BD)患者の安定性と生活リズムのマーカーとして臨床的に検証されたソーシャル・リズム・メトリック(SRM)を、スマートフォンから受動検知したデータを用いて自動評価する仕組みの実現可能性について、米国・コーネル大学のSaeed Abdullah氏らが評価した。Journal of the American Medical Informatics Association誌オンライン版2016年3月14日号の報告。 BD患者7例に、行動および状況パターンを推測する目的で、加速度計、マイク、位置、コミュニケーションといった情報のデータを受動的に収集するスマートフォンを4週間使用させた。参加者は、スマートフォンアプリを用いてSRMエントリーを完了した。 主な結果は以下のとおり。・自動感知は、SRMスコアを推定するために使用可能であった。・ロケーション、移動距離、会話の頻度、非定常の時間を入力項目として用いた、この一般化モデルの二乗誤差(RMSE)は1.40であった。なお、適正パフォーマンスの範囲は、SRMスコア(0-7)である。・個別化モデルは、さらに向上し、ユーザー全体での平均RMSEは0.92であった。・センサーストリームを用いた分類は、高精度に安定状態(SRMスコア3.5以上)、不安定状態(SRMスコア3.5未満)を予測することが可能である(適合率:0.85、再現率:0.86)。 著者らは「自動スマートフォン感知は、リズムを推定するための実行可能なアプローチであり、BD患者のウェルビーイングの重要なマーカーである」とまとめている。関連医療ニュース 双極性障害の症状把握へ、初の質問票が登場 双極性障害の診断、DSM-IV-TRでは不十分 スマホ版うつ病スクリーニングアプリの精度は

1899.

リスペリドン誘発性高プロラクチン血症への補助療法

 統合失調症女性におけるリスペリドンまたはパリペリドン誘発性高プロラクチン血症に対する低用量アリピプラゾール補助療法について、上海交通大学医学院のYing Qiao氏らが検討を行った。Psychiatry research誌2016年3月30日号の報告。 リスペリドンまたはパリペリドンによる4週間の治療後、症状が有意に改善し、高プロラクチン血症を経験した漢民族系の統合失調症女性患者66例から60例を抽出した。対象患者は、治療群30例(アリピプラゾール補助療法)または対照群30例(非補助療法)に無作為に割り付けられた。リスペリドンおよびパリペリドンの用量は維持され、アリピプラゾールは5mg/日で8週間の試験期間中維持された。 主な結果は以下のとおり。・8週間後のプロラクチンレベルは、対照群よりも治療群で有意に低かった。・8週間の試験終了後および4週ごとのエストラジオールレベルは、治療群、対照群の両群において血清プロラクチンレベルと負の相関が認められた。・8週間の試験期間中、PANSSスコアは、両群ともに有意に改善した。・治療時の有害事象発現率は、両群ともに同等であった。 結果を踏まえ、著者らは「統合失調症女性患者に対する低用量アリピプラゾール補助療法は、有害事象を増加させることなく、リスペリドン、パリペリドン誘発性高プロラクチン血症の緩和に有効である」とまとめている。関連医療ニュース 抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症にアリピプラゾール補助療法 抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症、乳がんリスクとの関連は プロラクチン上昇リスクの低い第二世代抗精神病薬はどれか

1900.

統合失調症、喫煙と脂質プロファイルの関連は

 統合失調症では、喫煙および異常な脂質プロファイルの高い割合と関連している。中国・北京大学のHui-Mei An氏らは、統合失調症患者の喫煙者と非喫煙者のプロファイルが異なるかどうか、脂質プロファイルが精神病理的症状に関連しているかどうかを検討した。Neuroscience bulletin誌オンライン版2016年3月28日号の報告。 血清脂質プロファイルは、DSM-IVで定義された統合失調症男性患者130例(喫煙者:104例、非喫煙者:26例)で測定された。症状は、PANSSを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・PANSS陽性症状は非喫煙者よりも喫煙者で少なく、陰性症状はタバコをより多く吸っている人で少なかった。・総タンパク質およびグロブリンレベルは、非喫煙者よりも喫煙者で有意に低かった。・しかし、総コレステロール、トリグリセライド、HDLコレステロール、LDLコレステロール、アポリポ蛋白A1またはBは、喫煙者と非喫煙者との間で有意な差は認められなかった。・PANSS陽性サブスケールは、喫煙者において、HDLコレステロールレベルとの間に有意な負の相関が示されたが、非喫煙者ではそうではなかった。・統合失調症患者の喫煙者は精神症状が少なく、予想に反して、喫煙は脂質プロファイルレベルに影響を与えなかった。関連医療ニュース 日本人統合失調症患者の脂質プロファイルを検証!:新潟大学 抗精神病薬、日本人の脂質異常症リスク比較:PMDA 統合失調症患者は、なぜ過度に喫煙するのか

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