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慢性期統合失調症、陰性症状の予測因子は:県立広島大

 県立広島大学の藤巻 康一郎氏らは、統合失調症患者の長期入院に対する、陰性症状と主要な指標との関連を調査した。また、陰性症状の臨床的決定要因の解明についても検討を行った。Psychiatry research誌オンライン版2017年9月24日号の報告。 指標因子には、年齢、罹病期間、入院期間、発症年齢、教育年数、喫煙状態、BMI、血清トリグリセリド濃度、総コレステロール、尿酸、心電図によるQTc間隔持続時間、抗精神病薬および抗コリン作用薬の等価換算量、神経認知機能、薬物誘発性錐体外路症状、不随意運動、精神症状を用いた。これらの因子と陰性症状との関連を調査するため、スピアマンの順位相関係数を算出し、回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・陽性症状は、BPRSで評価した陰性症状と正の相関が認められた。・発症年齢は、陰性症状と負の相関が認められた。・重回帰分析では、非定型抗精神病薬の等価換算量と陽性症状が、陰性症状を予測することが示された。 著者らは「陰性症状の重症度の主要な指標であるこれらの予測因子に対して理解を深めることは、慢性期統合失調症の治療プログラム再考に役立つであろう」としている。■関連記事陰性症状に対する最新レビュー、有効性が確認されている治療は慢性期統合失調症、陰性症状に有効な補助療法統合失調症患者の再入院、ベンゾジアゼピンの影響を検証:東医大

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うつ病リスクが低下する日本人に適切な魚類の摂取量は

 魚類の消費やイコサペント酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などのn-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)レベルがうつ病のリスク低下と関連していることが、観察研究のシステマティックレビューにより明らかとなっている。また、n-3PUFAの逆J字型効果が示唆されている。しかし、魚類の消費量の多い集団からのエビデンスは限られており、うつ病の標準的な精神医学的ベースの診断を用いた研究はない。国立がん研究センターの松岡 豊氏らは、日本人における魚類、n-3PUFA、n-6PUFAの消費とうつ病リスクとの関連を、集団ベースのプロスペクティブ研究にて調査を行った。Translational psychiatry誌2017年9月26日号の報告。 長野県佐久地域住民1万2,219例(1990年)を対象に、1995、2000年に食物摂取頻度調査を完了し、2014~15年にメンタルヘルス検査を受けた63~82歳の参加者1,181例を抽出した。魚類の摂取量およびPUFAの四分位に基づき、うつ病のオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・95例が現在うつ病と診断されていた。・うつ病リスクが低下していたのは、魚類の摂取量の第3四分位(111.1g/日、OR:0.44、95%CI:0.23~0.84)、EPAの第2四分位(307.7mg/日、OR:0.54、95%CI:0.30~0.99)、ドコサペンタエン酸(DPA)の第3四分位(123.1mg/日、OR:0.42、95%CI:0.22~0.85)であった。・がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病で調整後のORは、魚類およびDPA摂取において有意なままであった。 著者らは「高齢者のうつ病予防に対し、中程度量の魚類の摂取が推奨される」としている。■関連記事たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能魚を食べると認知症は予防できるのか統合失調症とω3脂肪酸:和歌山県立医大

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ドネペジル+コーヒーで治療効果が高まる可能性

 アルツハイマー型認知症(AD)に一般的に用いられる塩酸ドネペジルは、アセチルコリンエステラーゼおよびブチリルコリンエステラーゼ活性に対する阻害作用を示し、認知機能を高める。ヒドロキシケイ皮酸のカフェイン酸(Caffeic acid)成分は、ヒトの食生活に広く存在する。ナイジェリア・Federal University of TechnologyのOdunayo Michael Agunloye氏らは、ドネペジルのアセチルコリンエステラーゼおよびブチリルコリンエステラーゼ阻害活性に及ぼすカフェイン酸の影響についてin vitroでの検討を行った。Journal of complementary & integrative medicine誌オンライン版2017年9月22日号の報告。 ドネペジル5mgを50mLの蒸留水に溶解し、カフェイン酸10mgを100mLの蒸留水に溶解した。サンプルの混合物はA2(ドネペジル0.075mg/mL+カフェイン酸0.025mg/mL)、A3(ドネペジル0.050mg/mL+カフェイン酸0.050mg/mL)、A4(ドネペジル0.025mg/mL+カフェイン酸0.075mg/mL)に調整した。分析のために、すべてのサンプルは4℃で冷蔵庫に保存した。 主な結果は以下のとおり。・すべてのサンプルにおいて、in vitroのアセチルコリンエステラーゼおよびブチリルコリンエステラーゼ活性に対する阻害作用を示し、A4において、最も高い阻害作用を示した(p<0.05)。・すべてのサンプルにおいて、ラットの脳ホモジネート中のプロオキシダント(FeSO4、ニトロプルシドナトリウム[SNP])誘発性脂質過酸化を防ぐことができ、A3およびA4は、FeSO4、SNP誘発性脂質過酸化に対して最も高い阻害作用を示した。・すべてのサンプルは、鉄(II)イオン(Fe2+)のキレート能、ヒドロキシルラジカル(OH・)ラジカル消去能、第二鉄還元力(FRAP)に代表される、抗酸化特性を示した。 著者らは「ドネペジルとカフェイン酸との組み合わせは、ドネペジルの抗酸化特性を高め、副作用が少なく、AD管理における治療補助となる可能性がある。ドネペジル0.025mg/mL+カフェイン酸0.075mg/mLの組み合わせは有望である」としている。■関連記事ドネペジルの治療反応、投与前に予測可能かなぜ、フィンランドの認知症死亡率は世界一高いのかたった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

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抗精神病薬の早期治療反応は、長期治療効果を予測可能か

 抗精神病薬による最初の2~3週間での早期治療反応は、数ヵ月後の短期アウトカムを予測可能である。カナダ・マックマスター大学のSean A. Rasmussen氏らは、抗精神病薬の早期治療反応の予測値が、数年間の長期治療において持続するか検討を行った。Human psychopharmacology誌オンライン版2017年9月26日号の報告。 本観察研究では、抗精神病薬での治療開始から平均25ヵ月経過した初回エピソード統合失調症患者64例を対象に、フォローアップ評価を行った。対象患者は、治療開始時にハロペリドール投与またはオランザピン投与に無作為化され、急性期入院後には自由な治療に移行した。治療開始2週または3週目のBPRS(Brief Psychiatric Rating Scale)での早期改善効果が、フォローアップ時の長期改善効果を予測するかどうか、回帰分析を用いて評価した。2次解析として、フォローアップ時の錐体外路系副作用を早期に予測できるかについて検討を行った。 主な結果は以下のとおり。・2週目でのハロペリドールに対する早期治療反応は、長期フォローアップにおけるBPRS改善を予測した(p=0.002)。・2週または3週目のオランザピンに対する早期治療反応は、長期改善を予測しなかった(それぞれ、p=0.726、p=0.541)。・錐体外路系副作用の割合は、両群間で差は認められず、早期治療反応では予測できなかった。 著者らは「ハロペリドール早期治療反応は長期治療予後を予測するが、オランザピン早期治療反応は予測しない可能性がある」としている。■関連記事精神疾患患者の激越症状に対する新旧治療戦略統合失調症の再発率比較、併用療法 vs.単独療法 vs.LAI安定期統合失調症、抗精神病薬は中止したほうが良いのか

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初回抗うつ薬治療無効患者、増量療法に意味はあるか

 多くのうつ病患者は、最初の抗うつ薬単独療法に十分反応しない。そのため、次の治療手段として、投与されている抗うつ薬の増量(漸増、高用量)がしばしば行われる。オーストリア・ウィーン医科大学のMarkus Dold氏らは、うつ病への抗うつ薬の増量について二重盲検無作為化比較試験のメタ解析を行った。Psychotherapy and psychosomatics誌2017年号の報告。 メタ解析には、標準用量の抗うつ薬で治療反応が不良であったうつ病患者を対象としている、抗うつ薬増量療法と標準用量継続療法を直接比較したすべての二重盲検無作為化比較試験(RCT)が含まれた。主要アウトカムは、HAM-D総スコアの平均変化とした。副次的アウトカムは、治療反応率、全原因による治療中断、無効、副作用とした。Hedges gとリスク比は、エフェクトサイズとして計算した。 主な結果は以下のとおり。・7つの二重盲検RCT(8アーム)より、1,208例が抽出された。・内訳は、fluoxetine 2件(448例)、セルトラリン2件(272例)、パロキセチン2件(146例)、デュロキセチン1件(255例)、マプロチリン1件(87例)であった。・抗うつ薬増量療法は、標準用量継続療法よりもHAM-D総スコア低下において有効ではないことが、プールされた抗うつ薬群(7件、999例、Hedges g:-0.04、95%CI:-0.20~0.12、p=0.63)と個々の抗うつ薬群のどちらでも認められた。・治療反応率、全原因による治療中断、無効による脱落について、差は認められなかった。・抗うつ薬増量療法の患者では、標準用量継続療法の患者よりも、副作用による脱落が有意に多かった。・メタ回帰分析では、ベースラインの症状重症度やエフェクトサイズに対する用量増加の影響は示されなかった。 著者らは「メタ解析の結果から、初回の抗うつ薬治療において標準用量で治療反応が認められない患者への抗うつ薬増量療法は、うつ病に対する一般的なエビデンスベースの治療選択肢としてみなされない」としている。■関連記事治療抵抗性うつ病、抗うつ薬併用 vs.抗精神病薬増強たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は

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BPSDに対するイチョウ葉エキスの効果~メタ解析

 イチョウ葉抽出エキスであるEGb761が認知症のBPSD(認知症の行動と心理症状)治療に有効であることが、無作為化比較試験で報告されている。スイス・チューリッヒ大学のEgemen Savaskan氏らは、これらの無作為化試験についてメタ解析を行った。International psychogeriatrics誌オンライン版2017年9月21日号の報告。 特定のBPSDに対するEGb761の効果を評価するため、臨床的に有意なBPSD(NPI総スコア6以上)が認められる(アルツハイマー病[AD]が疑われる、脳血管性認知症もしくは脳血管疾患を有するADが疑われる)認知症患者を対象とした、20週以上の無作為化プラセボ対照試験を抽出した。データをプールし、NPI single item compositeおよびcaregiver distressスコアの共同解析を、固定効果モデルのメタ解析により実施した。 主な結果は以下のとおり。・4つの研究より1,628例(EGb761群:814例、プラセボ群:814例)が抽出された。治療期間は、22~24週であった。EGb761の1日用量は、すべての研究において240mgであった。・すべての研究の全分析セットのデータを含むプールされた分析(EGb761群:796例、プラセボ群:802例)では、EGb761群はプラセボ群よりも合計スコア、10の単一症状スコアで有意な優越性が示された。・caregiver distressスコアに関しては、EGb761群はプラセボ群よりも妄想、幻覚、多幸を除くすべての症状において有意な改善が認められた。・EGb761のベネフィットは、主にベースライン時の症状改善であるが、いくつかの症状において発症率の低下が認められた。 著者らは「イチョウ葉抽出エキスEGb761を用いた22~24週の治療は、統合失調症様症状を除くBPSDと、それらの症状によって引き起こされる介護者の苦痛も改善した」としている。■関連記事BPSD治療にベンゾジアゼピン系薬物治療は支持されるか認知症になりにくい性格はなぜ、フィンランドの認知症死亡率は世界一高いのか

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精神疾患患者の激越症状に対する新旧治療戦略

 双極性障害や統合失調症患者の急性激越症状に対する治療は、多面的かつ機能的な課題であり、医療従事者にとって独特で複雑なチャレンジといえる。イタリア・University of Siena School of MedicineのGiovanni Amodeo氏らは、統合失調症または双極性障害の激越患者に対し、どの薬剤が最も有効であるかについて検討を行った。CNS & neurological disorders drug targets誌オンライン版2017年9月18日号の報告。激越症状がせん妄やほかの病状に起因する場合、根本原因に対処する 統合失調症または双極性障害患者における、激越症状の治療に関する現行のガイドラインおよび関連文献の選択的レビューを行った。 激越症状の治療に関する文献などの選択的レビューを行った主な結果は以下のとおり。・激越症状に対する薬理学的治療は、最も可能性の高い激越症状の原因の評価に基づき行うことが推奨される。・統合失調症および双極性障害患者の急性激越症状に対する治療では、第1世代抗精神病薬、第2世代抗精神病薬、ベンゾジアゼピン、新規吸入抗精神病薬loxapineについてレビューされ、コメントされている。・激越症状がせん妄または他の病状に起因する場合、臨床医はまず、根底にある原因に対処し、治療する必要がある。・激越症状が主に統合失調症または双極性障害に起因する場合、抗精神病薬および/またはベンゾジアゼピンが通常では治療の主流となる。・新規吸入抗精神病薬loxapineは、軽度から中等度の統合失調症または双極性障害患者の激越症状を速やかに軽減することが示されており、初回投与の10分後の評価において、激越症状の減少が認められている。■関連記事統合失調症の急性増悪期、抗精神病薬の使用状況は?:国立精神・神経医療研究センターせん妄治療への抗精神病薬投与のメタ解析:藤田保健衛生大統合失調症患者の暴力行為が魚油摂取で改善

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治療抵抗性うつ病、抗うつ薬併用 vs.抗精神病薬増強

 治療抵抗性うつ病患者は、抗うつ薬の併用療法(ADs)または第2世代抗精神病薬(SGA)の増強療法(SGA+AD)で治療されるが、臨床的特徴、SGA+ADへの治療反応と独立して関連する因子、アウトカムの経過についてはよくわかっていない。カナダ・マギル大学のGabriella Gobbi氏らは、治療抵抗性うつ病に対するADsおよびSGA+ADの治療効果について検討を行った。International clinical psychopharmacology誌オンライン版2017年9月12日号の報告。 2回以上の抗うつ薬治療に抵抗性を示した、治療抵抗性うつ病患者86例(ADs:36例、SGA+AD:50例)を対象に、最近の安定した試験(約3ヵ月間、投薬変更なし)に関して自然主義的研究を行った。MADRS(Montgomery-Asberg Depression Rating Scale)、HAM-D17(ハミルトンうつ病評価尺度)、その他の尺度による評価は、最近3ヵ月間の安定した試験の前(T0)と後(T3)に実施した。 主な結果は以下のとおり。・SGA+ADでは、ADsと比較し、精神病理的特徴を有するうつ病、パーソナリティ障害および物質使用障害の合併、ADsに対し治療抵抗性を示した回数、全尺度におけるT0での抑うつ症状について、それぞれの割合の増加が認められた(p<0.001)。・SGA+AD、ADsともに、T0と比較し、T3におけるMADRSおよびHAM-D17で抑うつ症状の有意な軽減が認められた(p<0.001)。SGA+ADは、平均スコアのより大きな低下を示した。・ロジスティック回帰分析では、精神病理的特徴、パーソナリティ障害、物質使用障害が、SGA+AD療法と独立して関連していることが示された。 著者らは「SGA+AD後にうつ症状の改善がより大きければ、精神病理的特徴、物質使用障害、パーソナリティ障害を伴う重度の治療抵抗性うつ病に対し、SGAによる増強療法は第1選択の治療法とすべきである」としている。■関連記事SSRI治療抵抗性うつ病への効果的な増強療法SSRI治療抵抗性うつ病に対する増強療法の比較治療抵抗性うつ病に対する非定型抗精神病薬の比較治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのかを検証

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うつ病になりやすい性格

 3つの性格特性、神経症(neuroticism)の傾向、外向性(extraversion)、適度な誠実性(conscientiousnes)の相互の影響が、健常な人々の抑うつ症状を予測している。この効果が、引きこもり(withdrawal)、勤勉(industriousness)、熱意(enthusiasm)といった3つの低次特性によって引き起こされるかを、米国・Centre for Addiction and Mental HealthのTimothy A. Allen氏らが検討し、この相互の影響を臨床集団内で初めて複製した。Journal of personality誌オンライン版2017年9月16日号の報告。 対象は、健常成人376例(サンプル1)、うつ病患者354例(サンプル2)。性格および抑うつ傾向の測定には、サンプル1においてはBig Five Aspect ScalesとPersonality Inventory for DSM-5を用い、サンプル2においてはNEO-PI-RとBeck Depression Inventory-IIを用いた。 主な結果は以下のとおり。・引きこもり、勤勉、熱意が相互に影響を及ぼし、両サンプルの抑うつ傾向を予測した。・相互パターンは、「3つの中で最良の2つ」の原則を支持していた。すなわち、2つの特性における低リスクスコアで、残る1つの高リスクスコアを防ぐことが示唆された。・また、「3つの中で最悪の2つ」の原則も存在し、2つの高リスクスコアは、3つすべてが高リスクスコアの場合と同等の抑うつ症状重症度との関連が認められた。 著者らは「これらの結果は、精神病理学における性格特性の相互効果を調査することの重要性を示唆している」としている。■関連記事痩せるだけでうつは軽減するうつ病患者の多い診療科はどこかたった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

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小児不安症に効果的な治療は

 小児における不安症は、一般的に認められる。複数の治療オプションが存在するが、既存のガイドラインでは、どの治療を使用するかについて一貫性がない。米国・メイヨー・クリニックのZhen Wang氏らは、小児不安症に対する認知行動療法(CBT)および薬物療法の有効性および有害事象を比較し、評価を行った。JAMA pediatrics誌オンライン版2017年8月31日号の報告。 各種データベースを用いて2017年2月1日までの文献を検索した。選択した研究は、パニック障害、社交不安症、特定の不安症(specific phobias)、全般不安症、分離不安症と診断された小児および青年を対象に認知行動療法(CBT)、薬物療法、またはそれらの併用治療を行った無作為化および非無作為化比較試験とした。独立したレビューアーにより研究を選択し、データ抽出を行った。ランダム効果メタ解析を用いてデータをプールした。主なアウトカムは、主要不安症状(患者、親、臨床医による報告)、寛解、治療反応、有害事象とした。 主な結果は以下のとおり。・115研究より、7,719例が抽出された。・このうち、4,290例(55.6%)は女性であり、平均年齢は9.2歳(範囲:5.4~16.1歳)であった。・選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、プラセボと比較し、主要不安症状を有意に減少させ、寛解(RR:2.04、95%CI:1.37~3.04)および治療反応(RR:1.96、95%CI:1.60~2.40)を有意に増加させた。・セロトニンノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)は、臨床医により報告された主要不安症状を有意に減少させた。・ベンゾジアゼピンおよび三環系抗うつ薬は、不安症状の有意な減少が認められなかった。・CBTと待機および未治療を比較した場合、CBTは主要不安症状、寛解、治療反応を有意に改善した。・CBTは、fluoxetineより主要不安症状を軽減し、セルトラリンより寛解の改善が認められた。・セルトラリンとCBTの併用療法は、いずれかの単独療法よりも、臨床医により報告された主要不安症状、治療反応を有意に減少させた。・直接比較した研究はまれであり、ネットワークメタ解析の推計は不正確であった。・有害事象は、薬物治療で共通して認められたが、重度ではなかった。また、CBTでは認められなかった。・SSRIまたはSNRIによる自殺率を評価するには、研究サイズが小さく、研究期間が短かった。・1つの研究において、ベンラファキシンの自殺念慮に関して、統計学的に有意ではない増加が認められた。・CBTは、プラセボまたは薬物療法よりも、脱落が少なかった。 著者らは「小児の不安症状を軽減するためにCBTとSSRIの有効性を裏付けるエビデンスが確認された。SNRIも有効であると考えられるが、エビデンスの一貫性が低かった。各種薬物療法とCBTの直接比較については、臨床現場での研究が必要である」としている。■関連記事ADHD児への併用療法や抗精神病治療の傾向大うつ病性障害の若者へのSSRI、本当に投与すべきでないのか小児の自殺企図リスク、SSRI/SNRI間で差はあるか

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統合失調症とω3脂肪酸:和歌山県立医大

 統合失調症患者の機能的アウトカムに認知機能障害は強く関連しているが、その病態生理はよくわかっていない。健常人および精神神経疾患患者の認知機能に対するω3脂肪酸の関与が注目されている。和歌山県立医科大学の里神 和美氏らは、統合失調症患者におけるω3脂肪酸と認知機能、社会的機能、精神症状との関連を調査した。Schizophrenia research誌2017年5月18日号の報告。 対象は、統合失調症または統合失調感情障害患者30例。精神症状、認知機能、社会機能は、それぞれPANSS(陽性・陰性症状評価尺度)、BACS(統合失調症認知機能簡易評価尺度)、SFS(社会的機能尺度)を用いて評価した。血清ω3脂肪酸は、ガスクロマトグラフィーを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・BACS総スコアは、EPAおよびDHAレベルと有意な相関が認められた。・また、抗精神病薬の1日投与量は、DHAレベルおよびBACS総スコアと有意な負の相関が認められた。・ステップワイズ重回帰分析では、SFSスコアがBACS総スコアと有意に関連していることが示唆された。 著者らは「血清ω3脂肪酸の減少は、認知機能障害と関連しており、統合失調症における社会的機能アウトカムに影響を及ぼす」としている。■関連記事統合失調症患者の暴力行為が魚油摂取で改善統合失調症に対するメマンチン補助療法に関するメタ解析脳内脂肪酸と精神症状との関連を検証:富山大

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痩せるだけでうつは軽減する

 肥満者のうつ病有病率は、正常体重者の2倍であると報告されている。肥満とうつ病には、潜在的に双方向の関連がある。いくつかの研究において、うつ病が体重増加や肥満を引き起こすことが示唆されており、他の研究においては、肥満者がその後うつ病を発症する可能性が高いことが示唆されている。オーストラリア・シドニー大学のN. R. Fuller氏らは、12ヵ月間の研究において、うつ症状と体重変化との関連性を調査した。Clinical obesity誌オンライン版2017年8月11日号の報告。 対象者70例に対し、3ヵ月間のライフスタイル(食事、運動)の体重減量介入を行い、12ヵ月間のフォローアップを行った。対象者はベック抑うつ質問票(BDI-II)を完了し、研究の期間中、体重測定を行った。ベースライン時における対象者は、BMI 31.1±3.9kg/m2、体重89.4±16.1kg、年齢45.4±11.1歳、女性63%であった。 主な結果は以下のとおり。・ベースラインから3ヵ月までの平均体重変化は-5.2±4.3%、ベースラインから12ヵ月までの平均体重変化は-4.2±6.1%であった。・12ヵ月間の調査において、BDI-IIスコアは有意に低下し、BDI-IIスコアの1単位減少は、体重の-0.4%減少と関連していた。 著者らは「現在の研究では、非臨床的うつ病肥満患者における体重減少は気分改善と関連しており、これらの改善は3~12ヵ月間のフォローアップ期間中も持続することが示唆された」としている。■関連記事うつ病になりやすいのは、太っている人、痩せている人?たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能うつ病患者の多い診療科はどこ?

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認知症になりにくい性格は

 「誠実さ」が認知症に対して保護的に働くことが、複数の研究で示唆されている。米国・フロリダ州立大学のA. R. Sutin氏らは、「誠実さ」の特定の因子が認知機能障害に対し最も保護的であるか、これらの関連が患者背景的因子や遺伝的リスクにより緩和されるかについて検討を行った。Psychological medicine誌オンライン版2017年9月6日号の報告。 Health and Retirement Studyより、「誠実さ」の因子測定を完了しており、ベースライン時の評価で正常な範囲の認知機能を有している、最大6年間のフォローアップ期間中に1回以上の認知機能測定を実施した1万1,181例を、分析のために抽出した。認知症発症リスクおよび認知症でない認知機能障害(CIND:cognitive impairment not dementia)発症リスクの分析には、Cox回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間中における、認知症発症は278例、CIND発症は2,186例であった。・認知症リスクと最も強く、最も一貫した関連が認められたのは「責任感」であり、認知症リスクの約35%減少が認められた。「自制心」、「勤勉さ」も保護的な因子であった。・この関連は、臨床的、行動的、遺伝的リスク因子でコントロールした際、一般的に類似していた。・「責任感」、「自制心」、「勤勉さ」は、CINDリスク減少の独立した予測因子でもあった。 著者らは「責任感のある人、自分の行動をコントロールできる人、ハードワークな人では、CINDや認知症を発症する可能性が低く、臨床的、行動的、遺伝的リスク因子で調整後も、これらの関連に変化はないことが示唆された」としている。■関連記事認知症になりやすい職業はスマホ依存症になりやすい性格タイプ統合失調症患者の性格で予後を予測

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アリピプラゾール維持治療の52週RCT結果

 米国・Zucker Hillside HospitalのChristoph U. Correll氏らは、若年統合失調症外来患者の維持療法におけるドパミンD2受容体パーシャルアゴニストであるアリピプラゾールの有効性、安全性、忍容性の評価を行った。Journal of the American Academy of Child and Adolescent Psychiatry誌2017年9月号の報告。 多施設二重盲検プラセボ対照無作為化治療中止試験。13~17歳の統合失調症(DSM-IV-TR)と診断された患者を対象に、他の経口抗精神病薬(4~6週)から経口アリピプラゾール10~30mg/日(7~21週)で安定させ、経口アリピプラゾール継続群またはプラセボ切り替え群に2:1に無作為に割り付け、52週目までフォローアップを行った。主要エンドポイントは、無作為化後の精神症状の悪化、再燃までの期間とした。安全性、忍容性も併せて評価した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者201例のうち、無作為化に至った146例は、アリピプラゾール群98例、プラセボ群48例に無作為化された。・アリピプラゾール群は、プラセボ群と比較し、精神症状の悪化、再燃までの期間を有意に延長した(HR:0.46、95%CI:0.24~0.88、p=0.016)。・アリピプラゾール群では、プラセボ群と比較し、治療中の重篤な有害事象(3.1% vs. 12.5%、p=0.059)、重度の有害事象(2.0% vs. 10.4%、p=0.039)の発生率が低かった。・アリピプラゾール群は、プラセボ群と比較し、治療中の有害事象による中止率が低かった(20.4% vs. 39.6%、p=0.014、NNH=5.1)。・アリピプラゾール群は、プラセボ群と比較し、錐体外路症状、体重増加、傾眠の発生率が同等以下であり、血清プロラクチン上昇に関連する有害事象は報告されなかった。・タナーステージングにおいては、アリピプラゾール群の27.6%、プラセボ群の16.7%はバースラインから1、2段階進行した。 著者らは「アリピプラゾールは、若年統合失調症患者の維持治療に対し、安全かつ有効であることが認められた」としている。■関連記事統合失調症に対する短期治療、アリピプラゾール vs.リスペリドン高プロラクチン血症、アリピプラゾール切り替えと追加はどちらが有効か日本人自閉スペクトラム症に対するアリピプラゾールの効果は

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うつ病患者の多い診療科はどこか

 うつ病や抑うつ症状は、患者の健康関連QOLや医療満足度に大きな影響を及ぼす一般的な精神疾患であるが、どの程度まん延しているかは、公表された研究間で大きく異なる。中国・中山大学のJinghui Wang氏らは、異なる臨床専門分野における外来患者のうつ病または抑うつ症状の有病率について的確な推定値を導き出すため、システマティックレビューおよびメタ解析を行った。BMJ open誌2017年8月23日号の報告。 PubMed、PsycINFO、EMBASE、Cochrane Library databasesを検索し、外来患者のうつ病および抑うつ症状の有病率に関する情報を含む観察研究を抽出した。2016年1月までに公表されたすべての研究を対象とした。データは、独立した2名の研究者により抽出された。うつ病または抑うつ症状の有病率は、有効な自己報告アンケートまたは構造化面接を用いて測定した。評価は、ランダム効果モデルを用いてプールした。研究レベルの特徴の差は、メタ回帰分析により推定した。標準χ2検定およびI2統計を用いて異質性を評価した。 主な結果は以下のとおり。・83件の横断研究より4万1,344例が抽出された。・うつ病または抑うつ症状の全体のプールされた有病率は、27.0%(1万943例、95%CI:24.0~29.0%)であり、研究間で有意な異質性が認められた(p<0.0001、T2=0.3742、I2=96.7%)。・とくに外来患者では、一般対照群と比較し、うつ病および抑うつ症状の有病率が有意に高かった(OR:3.16、95%CI:2.66~3.76、I2=72.0%、χ2=25.33)。・うつ病および抑うつ症状の有病率の推定値は、耳鼻咽喉科クリニックの外来患者で最も高く53.0%であった。次いで、皮膚科クリニック39.0%、神経内科クリニック35.0%であった。・サブグループ分析では、異なる専門分野におけるうつ病および抑うつ症状の有病率は、17.0~53.0%であった。・うつ病および抑うつ症状の有病率は、先進国の外来患者よりも開発途上国の外来患者で高かった。・さらに、外来患者のうつ病および抑うつ症状の有病率は、1996~2010年にかけてわずかな減少が認められた。・スクリーニング法に関しては、BDI(Beck Depression Inventory、4,702例中1,316例、36.0%、95%CI:29.0~44.0%、I2=94.8%)は、HADS(Hospital Anxiety and Depression Scale、2,025例中1,003例、22.0%、95%CI:12.0~35.0%、I2=96.6%)よりもうつ病および抑うつ症状の有病率の推定値が高かった。 著者らは「研究間での異質性は、変数により完全に説明することはできなかったが、多くの外来患者は、うつ病または抑うつ症状を経験しており、臨床現場における早期発見と治療のための効果的な管理戦略を検討することが重要である」としている。■関連記事たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能職場ストレイン、うつ病発症と本当に関連しているのかうつ病の診断年齢を分析、とくに注意が必要なのは

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過食症の抑うつ症状、有効な介入は

 抑うつ症状は、神経性過食症(BN)の重要なリスクファクターであり、過食や排出行動に影響を及ぼす。精神療法は、短期および長期間のBN症状軽減に有効であるが、BNの抑うつ症状の軽減にも有効であるかは不明である。オーストラリア・カトリック大学のJake Linardon氏らは、短期および長期間のBN患者の抑うつ症状に対する精神療法の有効性を調査した。The International journal of eating disorders誌オンライン版2017年8月14日号の報告。 BN患者の抑うつ症状をアウトカムとして評価した無作為化比較試験(RCT)より、26研究が抽出された。 主な結果は以下のとおり。・精神療法治療群では、待機群よりも、治療後に抑うつ症状の軽減が認められた(g=0.47)。・この効果は、指導された自己治療よりも、セラピストの主導による治療を行った際に最も大きかった。・精神療法と抗うつ薬の間に、有意な差は認められなかった。・治療後の抑うつ症状軽減について、認知行動療法(CBT)と他の精神療法との間に有意な差は認められなかった。・しかし、セラピストの主導によるCBTのみを分析した場合、セラピストの主導によるCBTは、他の精神療法と比較し、抑うつ症状軽減について有意に良好であった(g=0.25)。・抑うつ症状の改善値は、BN症状の改善値により予測された。 著者らは「これらの知見より、BN患者の抑うつ症状を短期間で軽減させるために、精神療法は有効であることが示唆された。この効果が長期間持続するかは、フォローアップ評価が実施された研究があまりにも少ないため、確定されていない。さらに本所見は、BN症状の先駆け的な治療であることに加え、CBTが、BN患者で一般的に認められる抑うつ症状を改善するための最も効果的な精神療法であることを示唆するものでもある」としている。■関連記事摂食障害への薬物療法、最新知見レビュー双極性障害患者の摂食障害合併、傾向と予後はセロトニンの役割、摂食障害や肥満治療への期待

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統合失調症患者の暴力行為が魚油摂取で改善

 統合失調症患者の症状や暴力行為の減少と、毎日の魚油(DHA 360mgとEPA 540mg)摂取との関係について、中国・上海交通大学医学院のYi Qiao氏らが検討を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2017年8月19日号の報告。 ICD-10基準を満たし、攻撃的行動尺度(MOAS)4点以上で、抗精神病薬治療を受けている統合失調症入院患者50例を対象に、魚油群(28例)またはプラセボ群(22例)に無作為に割り付け、12週間の投与を行った。評価は、ベースライン時および4、8、12週目に行った。 主な結果は以下のとおり。・PANSSおよびCGIスコアは、4、8、12週目に減少が認められたが、両群間で差は認められなかった。・MOASスコアは、4、8、12週目で有意に低下した。・12週目の魚油群のMOASスコアは、プラセボ群より有意な低下が認められた(t=-2.40、p<0.05)。 著者らは「暴力的な統合失調症患者に対する魚油(DHA 360mgとEPA 540mg)の投与による治療は、プラセボと比較して暴力性の減少を示したが、陽性および陰性症状の改善については優れていなかった」としている。■関連記事統合失調症患者の家庭での暴力行為に関する調査:東京大学日本人統合失調症、暴力行為の危険因子は:千葉大魚を食べると認知症は予防できるのか

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抗うつ薬ランキング、脳卒中後うつ病へ最良の選択肢は

 中国医薬大学のYefei Sun氏らは、脳卒中後うつ病(PSD)に対する抗うつ薬治療の有効性および忍容性(全原因による中止リスク)について、各抗うつ薬の順位比較を行った。BMJ open誌2017年8月3日号の報告。 本検討は、無作為化比較試験のMultiple-treatmentsメタ解析で実施された。対象は、脳卒中後のうつ病患者。PSDの急性期治療において、10種類の抗うつ薬およびプラセボ投与を行った。主要アウトカムは、全うつ病スコアの平均変化として定義される全体的な有効性とした。副次的アウトカムは、全原因による中止リスクとして定義された忍容性とした。これらの推定値は、標準化平均差またはOR(95%CI)とした。 主な結果は以下のとおり。・12件の適格研究より、対象患者707例のデータを用いて分析を行った。・セルトラリン、nefiracetam、fluoxetineを除く抗うつ薬は、プラセボと比較し、有意に有効であった。・忍容性の比較については、大部分の研究で有意な差が認められなかったが、パロキセチンは、doxepin、citalopram、fluoxetineよりも全原因による中止の有意な低下が認められた。・プラセボと比較した標準化平均差は、最も良い薬剤(reboxetine)の-6.54から最も悪い薬剤(nefiracetam)の0.51まで変化が認められた。・プラセボと比較したORの忍容性範囲は、最も良い薬剤(パロキセチン)の0.09から最も悪い薬剤(citalopram)の3.42であった。・有効性のランキングでは、reboxetine、パロキセチン、doxepin、デュロキセチンが最も効果的な治療薬であり、累積確率は各々、100%、85.7%、83.2%、62.4%であった。・忍容性のランキングでは、パロキセチン、プラセボ、セルトラリン、ノルトリプチリンが最も良好な治療薬であり、累積確率は各々、92.4%、63.5%、57.3%、56.3%であった。 著者らは「有効性と忍容性のバランスを考慮すると、PSDの急性期治療では、パロキセチンが最も良い薬剤であり、fluoxetineが最も悪い薬剤であると結論づけられた」としている。■関連記事うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は家庭でのうつ病ケア、最善の選択肢はたった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

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統合失調症の再発率比較、併用療法 vs. 単独療法 vs. LAI

 統合失調症に対する抗精神病薬の併用療法(CA)は、有効性に関するエビデンスが限られているにもかかわらず、行われている。米国・フロリダ国際大学のAdriana Foster氏らは、CA療法から単独療法に切り替えた際の効果を調査するため、PROACTIVE(Preventing Relapse in Schizophrenia: Oral Antipsychotics Compared with Injectables: Evaluating Efficacy)研究データの探索的分析を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌2017年10月号の報告。 統合失調症および統合失調感情障害患者305例を対象に、リスペリドン持効性注射剤(LAI)または第2世代経口抗精神病薬(OA)治療に無作為化したのち、30ヵ月フォローアップを行った。PROACTIVE研究より抽出されたCA群50例、LAI群20例、OA群206例の患者において、再発までの期間および臨床尺度の比較を行った。 主な結果は以下のとおり。・OA群は、CA群と比較し、ベースライン時の入院率が有意に低かった(p=0.009)。・再発した患者の割合は、CA群68%、LAI群53%、OA群52%であった。・カイ検定では、再発率に有意な群間差は認められなかった(χ=3.85、p=0.146)。しかし、ログランク検定では、初回再発までの期間において有意な差が認められ(χ=6.81、p=0.033)、OA群(平均期間:562.8日)は、CA群(平均期間:409.5日)と比較し、再発までの期間が有意に長かった(p=0.011)。・LAI群の初回再発までの期間は、平均594日であり、他の群と比較し、有意な差は認められなかった。・入院回数で調整しても、有意な群間差は認められなかった(ハザード比:1.541、p=0.052)。 著者らは「本探索的分析に基づくと、抗精神病薬の併用療法は、早期再発が予測され、統合失調症患者に対する併用療法は、より指導が必要である」としている。■関連記事統合失調症の再発、リスク因子とその対策抗精神病薬併用でQTc延長リスクは高まるか抗精神病薬の併用療法、有害事象を解析

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サザエさん症候群は自殺リスクが高い?【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第99回

サザエさん症候群は自殺リスクが高い? ぱくたそより使用 前回のラプンツェル症候群に続き、サザエさん症候群を取り上げてみましょう。え、そんな疾患あったっけ?正式な病名ではありませんが、サザエさん症候群は心療内科や精神科では一定の認知度がある概念です。たぶん。これは、日曜日の夕方、「サザエさん」が始まる頃になると気分が憂欝になるというものです。明日から仕事や学校が始まるというプレッシャーに由来する、軽い抑うつ状態と考えられます。海外では、「Blue Monday」と呼ばれています。私がこれを書いているのは日曜日なのですが、まだ朝だというのにすでにサザエさん症候群を発症していますよ。 Ohtsu T, et al.Blue Monday phenomenon among men: suicide deaths in Japan.Acta Med Okayama. 2009;63:231-236.この論文はサザエさん症候群、じゃなかった、Blue Mondayについて論じた日本の報告です。これによれば、月曜日の自殺率が全年齢層の男性で高いことがわかりました(自殺率比:1.49、95%信頼区間:1.04~2.14)。そして火曜日、水曜日と進むにつれて、この比は減衰していくこともわかりました。また、生産年齢層と呼ばれる脂の乗り切った男性で自殺率が高いこともわかりました。そりゃ働いているから、ストレスを感じることも多いわけですからね。一方、女性の場合、就労している層が男性ほど多くないからか、曜日ごとの差はみられなかったようです。 また、男女ともに休日、祝日における自殺は少なかったようです。やはりネックは月曜日ですね。サザエさん症候群だと自覚している人は、月曜日は注意して出勤するようにしましょう。また、病的だと思うならば早めにしかるべき医療機関へ相談するようにしてください。そして、日曜日の夕方にサザエさんを見ないことが大事かもしれません。あ、こんなこと書いたらテレビ局に怒られるか。インデックスページへ戻る

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