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COVID-19感染流行に収束の兆しが見えない中、医療従事者の燃え尽き症候群(バーンアウト)が問題となっている。COVID-19感染流行前に、医師以外の医療従事者(HCW)における燃え尽き症候群(バーンアウト)と組織への満足度が、その後の仕事量の変化と関連するのかを調査した研究結果が、JAMA Network Open誌2021年8月20日号で報告された。 米メイヨー・クリニックのLiselotte N. Dyrbye氏らは、米国の複数の州にある地域密着型病院と医療施設において、2015年~2017年にかけてHCW(看護師、理学療法士、薬剤師、ソーシャルワーカー等)を対象に、バーンアウト及び組織への満足度と、その後24ヵ月間の仕事量の変化との関連を探る縦断的コホート研究を実施した。分析は2020年11月25日に完了した。主要アウトカムは、給与記録に記録されるフルタイム換算(FTE)単位で測定される仕事量の変化だった。バーンアウトの診断はMaslach Burnout Inventory(MBI)による情緒的消耗感と脱人格化の測定、組織への満足度は5段階アンケートで測定した。 主な結果は以下のとおり。・2万6,280例(45~54歳が7293例[27.8%]、女性2万263例[77.1%])が対象となった。勤続期間は5年未満(8,570例[32.6%])と15年以上(8,115例[30.9%])が多く、6,595例(25.1%)が看護師だった。・ベースライン時には、5,695例(21.9%)が「情緒的消耗感が強い」、2,389例(9.2%)が「脱人格化が強い」、6,177例(23.8%)が「バーンアウト状態」を示した。組織への満足度は「非常に満足」(9,125例[35.0%])または「満足」(1万3,339例[51.1%])が大半を占めた。・性別、年齢、雇用期間、職種、ベースライン時のFTEとバーンアウトを調整したところ、ベースライン時のバーンアウト状態(オッズ比[OR]:1.53、95%CI:1.38~1.70、p< 0.001)、情緒的消耗感(OR:1.54、95% CI:1.39~1.71、p