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とくにうつ病患者は要注意?慢性疼痛時のオピオイド使用

 オピオイド製剤はがん性疼痛だけでなく慢性疼痛に対しても有用であると報告されている。しかし、患者の自己判断による治療中止率は高く、オピオイド治療を継続させるためにはオピオイドの有用性の認知について対策が重要である。米国Howe氏らは有効なオピオイドによる治療を受けている患者において、オピオイド治療の中止あるいは減量を望む予測因子を検討するため、オピオイド使用に関する両価性とうつ病について調査した。Clin J Pain誌2012年9月号の報告。 オピオイド療法により疼痛管理可能であった非がん性疼痛患者1,737例における横断調査を実施した。オピオイド使用に関する両価性は患者からオピオイド使用の中止や減量に関する訴えにより評価した。うつ病は8項目の患者健康調査票を用い評価した。主な結果は以下のとおり。・オピオイドが有効だとわかっていても、43.3%の患者はオピオイドの中止または減量を望んでいた。・オピオイドの中止または減量を望む患者の半数は、望まなかった患者の3分の1 と比較し有意に臨床的な抑うつ状態であった(p

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認知症治療薬ガランタミン、ラット試験で喫煙欲求の軽減効果を確認

 アルツハイマー型認知症治療薬ガランタミンに喫煙欲求を軽減する効果があることが、米国・ペンシルベニア大学のHopkins TJ氏らによるラット試験の結果、示された。現行の禁煙薬物療法では、喫煙再発予防や禁煙維持への効果に限界がある。ガランタミンはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬の1つであり、ニコチン性アセチルコリンレセプターにpositive allosteric modulatorとして作用する。最近、マウスを用いた試験で、ガランタミンがニコチン中断による認知障害を改善したことが示され、ヒトでの喫煙再発予防に寄与する可能性が示唆されていた。Neuropsychopharmacology誌2012年9月号(オンライン版2012年6月6日号)の報告。 研究グループは、先行研究例のない、齧歯動物におけるガランタミン投与がニコチン自己摂取またはニコチン探索行動復活を調整するかについて検討した。また、ガランタミンの効果の普遍性およびその他の行動増強に対する影響についても調べた。主な結果は以下のとおり。・ラットのニコチン自己摂取単位量について、ニコチン0.03mg/kg静注を最大反応用量とする逆U字型用量反応曲線の関連が得られた。・急速ガランタミン投与(例5.0mg/kg)は、FR5(fixed-ratio 5)あるいはPR(progressive ratio)強化スケジュールいずれを維持した場合も、ニコチン自己摂取を軽減した。・ガランタミン投与は、ニコチン探索行動も軽減した。・ショ糖自己摂取または探索行動復活に関するガランタミンの有意な効果は認められなかった。・アセチルコリンエステラーゼ阻害薬は、ヒトにおいて嘔気・嘔吐をもたらすことが示されている。しかしながら、ニコチン自己摂取を軽減するのに必要な用量の服用では、ガランタミンの嘔気や倦怠感への影響(ラットの異食行動を指標として評価)は認められなかった。関連医療ニュース ・AD患者におけるパッチ剤切替のメリットは? ・統合失調症患者における「禁煙」は治療に影響を与えるか? ・喫煙+糖尿病はうつ病リスクを高めるのか?!

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日本人統合失調症患者の脂質プロファイルを検証!:新潟大学

 抗精神病薬服用中の統合失調症患者は脂質異常症を伴うことが多い。しかし、北米や英国の先行研究では、統合失調症患者における抗精神病薬服用による脂質異常症への影響を否定する結果も得られている。新潟大学 渡邉氏らは日本人統合失調症患者における抗精神病薬と脂質異常症との関係を検証した。Gen Hosp Psychiatry誌2012年9月号の報告。 対象は抗精神病薬治療を行っている日本人統合失調症患者157例、健常者136名。対象患者のHDL-C、LDL-C、トリグリセリド(TG)を測定した。分析には、重回帰分析を用いた。なお、両群間の年齢、男女比、BMIは一致していた。主な結果は以下のとおり。・抗精神病薬による治療を行っている統合失調症患者は対照群と比較し、HDL-Cレベルが有意に低かった(p

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抗精神病薬アリピプラゾール併用による相互作用は?

 腸管および血液脳関門に発現する薬物排出系トランスポーター(drug efflux transporters)活性に関する、アリピプラゾールとその活性代謝物デヒドロアリピプラゾールの効果が検討された。MDR1に対しては比較的強い阻害が認められた一方で、MRP4活性に対する阻害効果はほとんどみられなかったなどの知見が得られた。アステラス製薬の長坂氏は、「アリピプラゾールは、薬物トランスポーターについて検討された薬物との同時投与では、血液脳関門で薬物相互作用(DDI)を生じる可能性が低いことが示された」と報告した。Biopharm Drug Dispos誌2012年9月号(オンライン版2012年8月15日号)の報告。 検討された薬物排出系トランスポーターは、ヒト多剤耐性蛋白質1(MDR1/ABCB1;P糖蛋白)、乳がん耐性蛋白(BCRP/ABCG2)、多剤耐性関連蛋白質4(MRP4/ABCC4)であり、アリピプラゾールとデヒドロアリピプラゾールの阻害効力について調べた。主な結果は以下のとおり。・ヒトMDR1(ヒトMDCKII-MDR1細胞における)については、相対的に強い阻害効力が認められた。IC50(50%阻害濃度)は、アリピプラゾール1.2μm、デヒドロアリピプラゾール1.3μmであった。・ヒトMDR1については同様の実験系で、その他の非定型抗精神病薬(リスペリドン、パリペリドン、オランザピン、ジプラシドン)の阻害効力も評価された。IC50は2つを複合した場合の10倍以上であった。・アリピプラゾールとデヒドロアリピプラゾールは、ヒトBCRPについても阻害効力を有していた。IC50はそれぞれ、3.5μmと0.52μmであった。・ヒトMDR1とBCRPに対する、アリピプラゾールとデヒドロアリピプラゾールのIC50についての恒常的非結合型濃度比は0.1未満であった。しかし、アリピプラゾールの腸管系の理論的最大濃度比は、International Transporter Consortium(ITC)およびFDAが提唱するカットオフ値の10よりも大きい。・ヒトMRP4活性に対しては、アリピプラゾールとデヒドロアリピプラゾールの阻害効果はほとんどみられなかった。関連医療ニュース ・難治性の強迫性障害治療「アリピプラゾール併用療法」 ・日本おける抗精神病薬の用量はまだ多い ・日本人統合失調症患者の認知機能に影響を与える処方パターンとは

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光療法は青年期うつ病の単独療法として有効か?

 成人うつ病の有効な治療選択肢のひとつである「光療法」。この光療法が青年期うつ病治療においても有用であり、短期間で効果が期待できることをドイツ Niederhofer氏らがInt J Psychiatry Clin Pract誌オンライン版2012年9月号で報告した。 14歳から17歳の軽度うつ病患者28例を対象とした無作為化クロスオーバー試験。14例は、まずプラセボ治療として50Lux、1時間/日を1週間実施し、その後2,500Luxの光療法を1週間実施した。別の14例はまず2,500Luxの光療法を実施し、その後プラセボ治療を実施した。試験開始1週間前、プラセボ治療1日前、プラセボ治療と光治療の切り替え時、光療法開始1日後、光療法開始1週間後にベック抑うつ評価尺度にて抑うつ症状を評価するとともに、8時と20時に唾液中のメラトニンとコルチゾールのサンプルを採取して概日タイミングの変化を観察した。主な結果は以下のとおり。・ベック抑うつ評価尺度のスコアは有意に改善した。・唾液の分析結果において、光療法とプラセボ治療との間に有意な差が認められた。・有意な副作用は観察されなかった。・青年期うつ病患者に対する光療法の抗うつ効果は、プラセボ治療と比較し統計学的に優れていた。関連医療ニュース ・せん妄対策に「光療法」が有効! ・うつ病補助療法に有効なのは?「EPA vs DHA」 ・高齢者うつ病患者への運動療法は有効

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せん妄を有する高齢入院患者の死亡リスクは高い!

 高齢者が罹患する一般的な精神疾患には、せん妄、認知症、うつ病があり、これらは死亡率と関係している。Tsai氏らはせん妄、認知症、うつ病を伴う高齢患者の1年間の死亡率を評価した。Psychosomatics誌2012年9月号の報告。 対象は、2002~2006年に精神科のコンサルテーションを受けた65歳以上の一般病院入院高齢患者614名のうち、せん妄患者172名、認知症患者92名、うつ病患者165名。3群間の死亡率はlog-rank検定により比較した。死亡率の関連する可能性のある要因の識別にはロジスティック回帰分析が用いられた。主な結果は以下のとおり。・せん妄患者群における1年間の死亡率はうつ病患者群に比べ有意に高かったが(p=0.048)、せん妄群と認知症群、または認知症群とうつ病群との間には有意差が認められなかった(p=0.206、p=0.676)。・うつ病群において男性患者は女性患者より死亡率が高かった(p=0.003)。せん妄、認知症群では男女間で差がなかった。・すべての患者における1年間の死亡率は、高齢(p

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高齢者うつ病患者への運動療法は有効

 高齢者ではうつ病の罹患率が高いが十分な治療が行われていない。そのため、治療戦略として運動を提唱することは、公衆保健上の優先課題である。英国のBridle氏らは高齢者の抑うつ症状に対する運動療法の効果を評価した。Br J Psychiatry誌2012年9月号の報告。 高齢者のうつ病と運動に関する無作為化比較試験のシステマティックレビューとメタ解析を実施した。その際、参加者の適格性を決定するうつ病の抽出条件によって、治療効果が変化するかどうかについても評価した。基準を満たした報告は9報、メタ解析は7報で行った。主な結果は以下のとおり。・運動は、うつ病重症度の低下と有意な関連があった(標準化平均差[SMD]= -0.34、95%Cl: -0.52 ~ -0.17)。これは、参加者の適格性が、臨床診断(SMD= -0.38、95%Cl: -0.67 ~ -0.10)や症状のチェックリスト(SMD= -0.34、95%Cl: -0.62 ~ -0.06)によって判定されたかどうかとは関わりがなかった。・これらの結果は感度分析においても、同様に有意であった。・高齢者うつ病患者のうつ症状の重症度を低下させるために、患者ごとにカスタマイズされた運動療法は有効であると考えられる。関連医療ニュース ・ゲームのやり過ぎは「うつ病」発症の原因か?! ・認知症を予防するには「体を動かすべき」 ・高齢者のQOL低下に深く関わる「うつ」

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うつ病や拒食症の女性における感情調節困難調査

 境界性人格障害とも関連する感情調節困難は、うつ病や拒食症などのさまざまな精神障害の進展や持続に重要な役割を果たすと考えられてきた。しかし、これまでの研究では、感情調節困難の疾患特異性を詳細に理解できていなかった。Brockmeyer氏らは、女性における感情調整困難に関する調査を行った。Psychiatry Res誌オンライン版2012年8月18日号の報告。 大うつ病患者、拒食症患者、コントロール群(合計140名)を対象に、感情調整困難に関する調査を実施した。主な結果は以下のとおり。・大うつ病患者、拒食症患者は、コントロール群と比較して、感情の希薄化と変調、ならびに分化と経験に関わる重度の感情調節困難が認められた。・大うつ病患者、拒食症患者は、共に感情の経験と分化に関する感情調節困難の変調が同程度、認められた。・大うつ病患者は、拒食症患者と比較して、感情の減衰や調節に関する強い感情調節困難が認められた。・感情調節困難は診断横断的な疾患であり、拒食症よりもうつ病において、より多く重度の感情調節困難を伴うという特徴が明らかになった。関連医療ニュース ・境界性人格障害患者の自殺予防のポイントはリハビリ ・自殺予防に期待!知っておきたいメンタルヘルスプログラム ・うつ病の予測因子は青年期の「腹痛」?

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喫煙+糖尿病はうつ病リスクを高めるのか?!

 喫煙している糖尿病患者は、心血管疾患を発症したり、若くして亡くなったり、細小血管合併症を伴う可能性のある高リスク群であるといわれている。Osme氏らは糖尿病患者におけるうつ症状や不安症状の有病率と喫煙との相関を明らかにするため検討を行った。Diabetol Metab Syndr誌オンライン版2012年8月21日号の報告。 対象は喫煙糖尿病患者(DS群)46例、非喫煙糖尿病患者(D群)46例、非糖尿病喫煙者(S群)46例。3群間でうつ症状や不安症状の有病率が異なるかどうかを評価し、最終的には、ニコチン依存が喫煙者の不安症状やうつ症状と関連しているかどうかを検証した。評価には、HADS(病院不安およびうつ尺度)、ファーガストロームテスト(ニコチン依存度判定テスト)を用いた。主な結果は以下のとおり。・DS群におけるうつ症状および不安症状の有病率はそれぞれ30.4%、50%であり、D群またはS群と比較し不安症状(p=0.072)、うつ症状(p=0.657)の割合に有意な差は認められなかった。・男性糖尿病患者では、喫煙者は非喫煙者と比較し不安症状の有病率が高かった(19.6% vs 2.9%、p=0.003)。・重度のニコチン依存症の有病率は、DS群で39.1%、S群で37.1%であった(p=0.999)。・ファーガストロームテストスコアと、不安スコア(p=0.726)、うつスコア(p=0.345)との間に有意な相関は認められなかった。関連医療ニュース ・自殺予防に期待!知っておきたいメンタルヘルスプログラム ・うつ病補助療法に有効なのは?「EPA vs DHA」 ・うつ病の5人に1人が双極性障害、躁症状どう見つける?

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統合失調症患者における持効性注射剤:80文献レビュー

 非定型抗精神病薬の持効性注射剤(LAI)は、統合失調症患者の寛解率や予後に好影響を与えることが期待されている。現在のガイドラインにおいて、抗精神病薬の使用に関する経口およびLAIに対する明確な基準が示唆されている。Rossi氏らはLAIの治療を受けた統合失調症患者における人口統計学的・臨床的特徴の典型的なプロファイルを明らかにするため、非ランダム化研究の分析による系統的レビューを行った。BMC Psychiatry誌オンライン版2012年8月21日号の報告。 英語による非ランダム化研究80文献を抽出し、LAI選択に関連する要因や日々のLAI使用に関する分析を行った。非ランダム化研究にはコクランの系統的レビューを用い、人口動態および臨床的特徴を含む変数を用いて分析を行った。入手可能であった文献は、LAIによる治療を行った統合失調症患者の典型的なプロファイルを識別するにあたり、いずれの統計的分析も考慮せず使用することができた。主な結果は以下のとおり。・LAI使用率は4.8%~66%であった。・一貫した評価が可能であった人口統計学的特徴は、年齢(1970年代:38.5歳、1980年代:35.8歳、1990年代:39.3歳、2000年代39.5歳)、性別(男性>女性)であった。・有効性はさまざまな症状スケールと他の間接的な測定法を用いて評価し、安全性は錐体外路症状と抗コリン薬の使用により評価したが、これらのデータは整合性がなく、プール不可能であった。・別の研究で得られた有効性と安全性の結果によると、LAI使用のメリットとして入院が74%減少したと報告されている。またLAI使用による錐体外路症状発現は6ヵ月(35.4%)、8ヵ月(37.1%)、18ヵ月(36.9%)、24ヵ月(41.3%)で一貫して増加した。 最後にRossi氏らは「統合失調症患者に対するLAI使用は、良好な有効性および安全性が期待できることに加え、アドヒアランスの向上が期待できる」という。しかしそれにも増して重要なこととして「最適な治療を行うためには、医療スタッフ、患者、家族が協力する体制(治療同盟)を作ることが何よりも重要であり、LAIのプロファイルが治療同盟構築に寄与する可能性がある」と述べている。関連医療ニュース ・デポ剤使用で寛解率が向上!? ・統合失調症患者における「禁煙」は治療に影響を与えるか? ・検証「グルタミン酸仮説」統合失調症の病態メカニズム

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自殺予防に期待!知っておきたいメンタルヘルスプログラム

近年、医療サービス統合への重要度が増している。そのような中、プライマリケア医による自殺予防への関わりも重要になっている。こころとからだの質問票(PHQ-9)は、プライマリケアに基づくメンタルヘルスプログラムであり、患者の特徴、管理およびうつ病アウトカムを評価することが可能であると言われている。ワシントン大学 Bauer氏らは患者レジストリーから得られたデータの観察分析を行い、PHQ-9の有用性を検証した。J Gen Intern Med誌オンライン版2012年8月31日号の報告。 対象は、ワシントン州全体の100以上の地域保健センターでメンタルヘルス統合プログラム(MHIP)に参加した11,015名。自殺念慮の独立変数はPHQ-9の9項目により評価し、うつ病の重症度はPHQ-8により評価した。評価項目には、うつ病治療プロセスの4つの指標(ケアマネージャーの介入、精神症状レビュー、向精神病薬、専門医への紹介)、2つのうつ病の指標(PHQ-9スコア50%減少、PHQ-スコア10未満)が用いられた。主な結果は以下のとおり。・ベースライン時に自殺念慮を示した割合は45.2%であり、男性であること、および精神症状の重症度と有意に高い関係を示した。・自殺念慮を示した患者のうち5.4%は、現在の抑うつ症状が乏しかった。・年齢、性別、精神病理の重症度で調整後、自殺念慮を示した患者は、より早期のフォローアップを受けており[ ケアマネージャーの介入:HR=1.05(p

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治療抵抗性統合失調症へのクロザピン投与「3つのポイント」

 統合失調症治療薬クロザピンは治療抵抗性を示す患者に対して有用であるものの、安全性の観点から使用が制限されている。では、クロザピンはどのような患者に対し、とくに有効なのだろうか? Nielsen氏らは、過去のクロザピン使用症例データをもとに反応予測因子を解析した結果、3つの要因を導き出した。J Clin Psychopharmacol誌2012年10月号の報告。 対象は、デンマーク精神中央研究所および全国処方データベースより抽出した、1997年~2006年までにクロザピンの投与を開始した統合失調症患者633例。クロザピン処方後の入院までの期間や中止原因の予測因子を明らかにするため、Cox回帰分析を行った。精神科入院の予測因子を明らかにするため、2年間のミラーイメージ法による多重ロジスティック回帰分析を行った。主な結果は以下のとおり。・入院に至る期間を短縮させる予測因子は、クロザピン処方前の他の抗精神病薬処方数(ハザード比 [HR]: 1.08/trial、信頼区間[Cl]:1.01-1.15/trial)や入院(HR:1.04/入院、Cl:1.03-1.05/入院)、統合失調症発症早期から初回クロザピン処方までの期間(HR:0.98/年、Cl:0.96-0.99/年)、クロザピンの低用量投与(HR:0.07/100mg、Cl:0.03-0.13/100mg)であった。・クロザピン治療中2年間のミラーイメージ法では、入院延べ日数(269.9日[Cl:238.3-287.8日] ~64.2日[Cl:53.0-79.3日]、p

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うつ病補助療法に有効なのは?「EPA vs DHA」

 近年、うつ病に対するn-3系多価不飽和脂肪酸(n-3系脂肪酸)の影響に関するさまざまな報告が行われている。しかし、n-3系脂肪酸の中でもEPA(イコサペント酸エチル)またはDHA(ドコサヘキサエン酸エチル)がどのような影響を及ぼすかは不明なままである。イランのMozaffari-Khosravi氏らは、軽度から中等度のうつ病患者に対する補助薬物療法としてn-3系脂肪酸の投与が有用であるかを検討するため、EPAとDHAの有用性を比較する単施設ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験を実施した。Eur Neuropsychopharmacol誌オンライン版2012年8月18日号の報告。 対象は軽度から中等度のうつ病外来患者81例。EPA群(1g/日)、DHA群(1g/日)、プラセボ群(ヤシ油)の3群に無作為に割り付け、12週間継続投与を行った。解析対象は、少なくとも1回以上、ランダム化後の観察が実施された患者とした(解析対象者数:62例、女性比:61.3%、平均年齢:35.1±1.2歳)。主要評価項目はHDRS(17項目のハミルトンうつ病評価尺度)最終スコアとし、intention-to-treat分析を行った。ベースライン時における各群のHDRSスコアに有意な差は認められなかった。主な結果は以下のとおり。・EPA群は、DHD群またはプラセボ群と比較して、HDRS最終スコアの有意な低下が認められた(それぞれp

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精神的苦痛で死亡リスクが20%上昇、重症例では約2倍に

 うつ、不安などの精神的苦痛が重症化するほど死亡リスクが増大し、通常は治療の対象とはならない軽度の精神的苦痛でも、がん死以外の死亡リスクが有意に上昇することが、英国・Murray Royal病院のTom C Russ氏らの検討で明らかとなった。精神的な苦痛として一般的に取り上げられることが多いうつや不安が、さまざまな原因による死亡と関連することを示唆するエビデンスがある。しかし、これまでに行われた試験は、リスクの閾値を確定するには統計学的に十分な検出力がなく、信頼性は低いという。BMJ誌2012年8月25日号(オンライン版2012年7月31日号)掲載の報告。精神的苦痛と死亡の定量的な関連をメタ解析で評価研究グループは、軽度~重度の精神的苦痛と種々の原因特異的死亡の関連を定量的に評価するために、プロスペクティブな地域住民ベースのコホート試験の個々の患者データを用いてメタ解析を行った。解析には、イングランドの住民を対象とした横断的な年次調査である「イングランド健康調査」の1994~2004年の10回分(精神的苦痛の調査が行われなかった1996年を除く)のデータを用いた。ベースラインの精神的苦痛は12項目から成る一般健康質問票(GHQ-12)のスコア(0:無症状、1~3:不顕性、4~6:症候性、7~12:著明な症状)で評価した。死因は死亡診断書で確認した。ベースライン時に心血管疾患およびがんを認めなかった35歳以上の住民6万8,222人(平均年齢55.1歳、女性55.2%)が解析の対象となった。主要評価項目は、平均8.2年の追跡期間中に発生した全死因死亡(8,365人)および脳血管疾患を含む心血管疾患死(3,382人)、がん死(2,552人)、外因死(386人)とした。重症度と死亡リスクには用量反応性の関係が精神的苦痛の重症度と死亡リスクには用量反応性の関係が認められた。すなわち、年齢と性別で調整したハザード比(HR、GHQ-12スコア0を参照群とする)は、GHQ-12スコア1~3が1.20(95%信頼区間[CI]:1.13~1.27)、スコア4~6が1.43(同:1.31~1.56)、スコア7~12が1.94(同:1.66~2.26)であり(傾向性検定:p<0.001)、精神的苦痛が重症化するほど死亡リスクが上昇した。このような関連は、身体的併存症(糖尿病、BMI、収縮期血圧)や行動因子(身体活動、喫煙、過度の飲酒)、社会経済的因子(職業の社会的地位)で調整後も確認された(傾向性検定:p<0.001)。同様に、心血管疾患死のHRはスコア1~3が1.29(95%CI:1.17~1.43)、スコア4~6が1.44(同:1.27~1.62)、スコア7~12が2.05(同:1.57~2.70)(傾向性検定:p<0.001)、外因死のHRはそれぞれ1.29(同:1.01~1.65)、1.93(同:1.31~2.83)、2.34(同:1.52~3.60)(傾向性検定:p<0.001)であり、精神的苦痛の重症化に伴い死亡リスクが増大した。がん死のHRはそれぞれ0.92(同:0.84~1.01)、1.07(同:0.89~1.29)、1.41(同:1.22~1.64)(傾向性検定:p<0.001)と、苦痛が重度の場合にのみ死亡リスクとの関連がみられた。著者は、「精神的苦痛により、主な死因による死亡のリスクが用量反応性に増大した。通常は治療の対象とはならない軽度の精神的苦痛でも、がん以外の死亡リスクは上昇する」と結論し、「うつ病などの精神的苦痛に対する治療が、このような死亡リスクの改善に有効か否かを評価する研究が求められる」と指摘する。

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急性期の新たな治療選択となりうるか?非定型抗精神病薬ルラシドン

 現在、国内でも開発が進められている非定型抗精神病薬 ルラシドン。本剤の統合失調症の急性増悪期に対する有効性および安全性を評価した試験結果がPsychopharmacology (Berl)誌オンライン版2012年8月19日号で発表された。大日本住友製薬 小笠氏らは「ルラシドンは統合失調症の急性増悪期に有効であり、体重や脂質代謝への影響も少ない」と報告した。 急性期増悪期の統合失調症患者を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲検比較試験。ルラシドン40㎎群50例、ルラシドン120㎎群49例、プラセボ群50例に無作為に割り付け、1日1回固定用量にて6週間投与した。有効性の主要評価項目は、BPRS(簡易精神症状評価尺度)、PANSS(陽性・陰性症状評価尺度)のベースラインからの変化量とした。主な結果は以下のとおり。・ルラシドン40㎎群および120㎎群におけるBPRSの平均変化量は、プラセボ群と比較し有意に高かった(-9.4 and -11.0 vs -3.8、各々 p=0.018 、 p=0.004)。・ルラシドン120㎎群は副次評価を含めたすべての評価項目でプラセボ群よりも優れていた(PANSS総合スコア:p=0.009、PANSS陽性尺度:p=0.005、PANSS陰性尺度: p=0.011、PANSS総合精神病理尺度:p=0.023、CGI-S[臨床全般印象・重症度尺度]:p=0.001)。・ルラシドン40㎎群はPANSS陽性尺度(p=0.018)およびCGI-S(p=0.002)においてプラセボ群より優れていた。・ルラシドン群における最も一般的な有害事象は、悪心(16.2% vs 4.0%[プラセボ群])、鎮静(16.2% vs 10.0%[プラセボ群])であった。・体重、コレステロール、トリグリセリド、グルコース濃度の変化は最小限であった。関連医療ニュース ・統合失調症患者における「禁煙」は治療に影響を与えるか? ・デポ剤使用で寛解率は向上するのか? ・ルラシドンの長期投与試験

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エビリファイ、うつ病・うつ状態の補助療法の効能申請

大塚製薬株式会社は3日、抗精神病薬「エビリファイ」 (一般名:アリピプラゾール)に関し、大うつ病性障害患者を対象にアリピプラゾール補助療法の臨床試験を日本で実施し、有効性及び安全性が確認されたことから、日本で初めてうつ病・うつ状態の補助療法に対する効能追加の承認申請を行ったと発表した。うつ病は、国内では生涯に約15人に1人が経験する身近なものといわれている。日本人の生涯有病率は6.3%で、うつ病の患者数は12年間で2.4倍に増加し、平成20年には104.1万人とされている。大うつ病性障害は一般的にうつ病といわれ、治療には、一般的に抗うつ薬が処方される。抗うつ薬で患者の症状は50~60%改善するといわれていますが、抗うつ薬の治療で症状が落ち着いて安定した状態となるのは30~40%だという。さらに、既存の抗うつ薬でうつ病の様々な症状が十分に改善されない患者もいる。同社は、国内でのうつ病・うつ状態の補助療法の効能追加承認に向け、大うつ病性障害患者を対象に第III相二重盲検比較試験を実施し、2012年4月に得られた同試験の結果を踏まえ、承認申請を行った。エビリファイは、世界で初めてのドパミンD2受容体パーシャルアゴニスト作用を有する抗精神病薬で、2002年11月最初に米国で販売され、現在では世界60カ国・地域以上で販売されている。2007年11月には米国において世界で初めて大うつ病性障害の補助療法の適応症を取得している。詳細はプレスリリースへhttp://www.otsuka.co.jp/company/release/2012/0903_01.html

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アスリートが経験する脳震盪はうつ病リスクを増加させる

 アスリートの多くが経験する脳震盪。脳震盪は、頭部に激しい衝撃を受けた直後に起こる一過性の脳障害で、めまいや頭痛、意識喪失などが短期的に発現する。中等度以上の脳震盪では、脳が損傷を受ける可能性も高く、障害が残ったり、死亡に至るケースもある。Kerr氏らは、脳震盪が将来のうつ病発症の独立した危険因子であることを、Am J Sports Med誌オンライン版2012年8月24日号で報告した。 NFL (アメリカ・プロフットボールリーグ)を引退した選手を対象とした前向きコホート研究。2001年の一般健康調査(GHS)をベースラインとし、2010年までフォローアップを行った。調査項目は、人口統計情報、選手生活で経験した脳震盪、身体的・精神的な健康状態、各種疾患の有病率。身体的健康状態は健康関連QOL評価尺度(SF-36 PCS)にて評価した。2010年に自己申告した脳震盪の経験により、5つのカテゴリー(経験なし、1~2回、3~4回、5~9回、10回以上)に層別化を行った。主要評価項目は、ベースラインからフォローアップまでのうつ病診断とし、単純暴露因子の結果に対するリスク比を算出した。分析には、ポアソン回帰分析および推定補正リスク比のばらつきにロバスト分散を用いた。脳震盪と9年間のうつ病リスクの関係や傾向はカイ二乗検定により分析した。主な結果は以下のとおり。・ベースラインとフォローアップのGHSデータが得られた1,044名のうち、期間中にうつ病と診断されたのは106名(10.2%)であった。・少なくとも1回以上の脳震盪を経験したと自己報告した選手は65%であった。・9年間のうつ病発症リスクは脳震盪の経験回数と相関していた(経験なし:3.0%、10回以上:26.8% [線形トレンド:p

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うつ病の5人に1人が双極性障害、躁症状どう見つける?

 わが国の気分障害患者は増加の一途をたどっている。気分障害の中でも、躁病エピソードとうつ病エピソードを繰り返す双極性障害の診断・治療への関心は高い。治療に関しては、双極性障害の適応を有する薬剤が最近いくつか承認された背景もあり、日本うつ病学会は本年(2012年)3月末に双極性障害治療ガイドラインの改訂を行っている。一方、診断に関しては、躁症状や軽躁状態を把握することが難しく、うつ病と診断されるケースも少なくない。Perugi氏らは、双極性障害の診断ツールとして開発され、国際的にテストされているHCL-32(Hypomania Checklist-32)の有用性を検討し、Psychopathology誌オンライン版2012年8月7日号で報告した。 対象として、DSM-IV基準により大うつ病と診断された571例(563例が適格)が継続的に登録され、多施設共同横断観察研究を行った。躁病エピソード(躁症状、軽躁状態)はHCL-32で評価し、うつ病エピソード(抑うつ症状、不安症状)はZungうつ病自己評価表にて評価した。主な結果は以下のとおり。・119例の患者は双極性障害(Ⅰ型またはⅡ型)と診断された。・HCL-32トータルスコアおよび14のサブスコアにおいて、双極性障害患者の躁病エピソードの発生は大うつ病患者に比べ有意に高く、感度は0.85、特異性は0.78であった。・若干の偽陽性がみられるものの、HCL-32は大うつ病患者における過去の軽躁病エピソードの把握に有用であると考えられる。関連医療ニュース ・双極性障害の再発予防に有効か?「Lam+Div療法」 ・双極性障害患者に対するオランザピン単剤 or 併用の忍容性 ・双極性障害に対する薬物療法レビュー

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統合失調症患者における「禁煙」は治療に影響を与えるか?

 統合失調症患者の喫煙率がなぜ高いのか? この理由に関してはいまだ明らかになっていない。従来、この疑問を評価した研究では、不均一な集団をサンプリングし、不一致な所見を示していた。Krishnadas氏らはスコットランドのNithsdale在住の統合失調症患者131例を対象に臨床像、社会的適応とニコチン依存の関係を横断的に調査した。Br J Psychiatry誌オンライン版2012年8月9日号の報告。主な結果は以下のとおり。・喫煙者は若く、主に男性、3回以上の失業経験があった。・ニコチン依存が重症であった患者は、PANSSの陽性尺度スコアがより高かった。また、抗精神病薬が高用量で投与されていた。・ニコチン依存が軽症であった患者は、PANSSの陰性症状スコアがより高かった。・ニコチン依存の重症度は社会的な適応不足と相関していた。 本研究では、統合失調症患者におけるニコチン依存と臨床症状・社会的適応との関係が示唆された。今後、これらの関係がさらに解明されれば、統合失調症治療における喫煙管理の意義が明らかになるかもしれない。関連医療ニュース ・統合失調症の病態にメラトニンが関与? ・メチルフェニデート使用で“喫煙”が加速 ・長期の睡眠薬服用、依存形成しない?

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他SSRI切替、どの程度の効果?:北海道大学

 現在わが国では、うつ病患者に対し複数のSSRIが使用可能である。また、SNRIやNaSSAなど新たな作用機序を有する抗うつ薬も発売され、うつ病の治療選択肢は広がった。うつ病治療においては、寛解を目指すことが求められるが、最初に選択した薬剤で必ずしも寛解を達成できるわけではない。そのような際、第1選択薬のSSRIから同様なセロトニンの再取り込みを阻害作用を有するほかのSSRIへ切り替えることは、臨床的にメリットがあるのだろうか? 北海道大学 井上氏らは未寛解や治療不耐性の大うつ病患者に対し、ほかのSSRIからセルトラリンに切り替えた際の、長期有効性および安全性を検討した。Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry誌2012年8月7日号の報告。 対象は、パロキセチンまたはフルボキサミンを十分な量、十分な期間投与したにもかかわらず寛解未達成またはSSRIに耐性を示した大うつ病患者25例(非寛解例:22例[88%])。セルトラリンへの切り替えは漸増漸減法にて行われた。評価は、QIDS-SRJ(自己記入式簡易抑うつ症状尺度日本語版)、HDRS(ハミルトンうつ病評価尺度)、CGI(臨床全般印象度)を用い、試験開始時および切り替え後1、2、3、4、6、8、12、16、20、24週目に行った。主な結果は以下のとおり。・副作用および効果不十分のため8週目以前に治療を中止した症例は5例(20%)であった。・QIDS-SRJ、HDRSの平均スコアはベースラインと比較し、切り替え後8、24週目で有意に改善した。・寛解(QIDS-SRJが5点以下)を達成した症例は、8週目で2/25例(8%)、24週目で4/25例(16%)であった。・8、24週目の治療反応例(QIDS-SRJがベースラインから 50%以上低下)は、11/25例(44%)であった。関連医療ニュース ・うつ病の予測因子は青年期の「腹痛」 ・抗うつ薬切替のベストタイミングは? ・ゲームのやり過ぎは「うつ病」発症の原因か?!

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