サイト内検索|page:3

検索結果 合計:2658件 表示位置:41 - 60

41.

心臓病患者の “ニーズ見える化”へ、クラウドファンディング開始/日本循環器協会

 日本循環器協会は、心臓病に関わる患者・家族、医療者、企業を繋ぐホームページ作成を実現させるため、3月12日にクラウドファンディング『心臓病患者さんの声を届けたい 心臓病に関わる方々を繋ぐHP作成へ』を開始した。本協会は患者と医療者が持つ双方のニーズの“見える化”を目指すことを使命とし、この取り組みを始めた。  “心臓病は複雑かつ、年齢層もさまざま。関係者も多岐にわたり、患者の悩みやニーズが共有されにくい”という循環器領域の現状を踏まえ、本協会は「#患者さんのニーズ見える化プロジェクト」の第1弾として、心臓病患者の声を集めるためのホームページ作成に動き出した。今回はこのホームページを通じて患者ニーズを集め、心臓病のより良いケアを探求する医療者や企業に情報を届けるのが狙いだ。なお、本プロジェクトは All or Nothing 方式を採用しているため、第1目標金額に満たない場合、支援金は全額、支援者へ返金となる。 「#患者さんのニーズ見える化プロジェクト」への支援はこちらから。女性に起こりやすい循環器疾患とその対処法 このほかにも、日本循環器協会は新たな取り組みとして、女性特有の循環器疾患の啓発にも注力すべく、「Go Red for Women JAPAN」(ワーキンググループ委員長 東條 美奈子氏[北里大学医療衛生学部 教授])の活動を開始した。「Go Red for Women」とは “心臓病が女性の最大の死因であることを多くの人に知ってもらう”ために、米国心臓協会(AHA)が2004年から始めた女性の循環器疾患の予防・啓発のための活動である。「教育」「疾患啓発」の2本柱を中心に、毎年2月第1週金曜日に赤い何かを身に付けるなどして啓発活動を行っている。この活動が今では世界50ヵ国以上に広がっており、日本でもこの活動のキックオフとなる公開セミナー「健康セミナー 女性のココロと心臓のはなし」を2月2日に行ったことを皮切りに、今後も国内独自のイベントを企画していく予定だという。 上述の健康セミナーにおいて、「女性のこころとからだの話」について講演した高尾 美穂氏(女性のための統合ヘルスクリニック イーク表参道)は、「社会的性差は解決可能も生物学的性差は縮めていくことはできない。骨格が異なることで病気にも性差が生じる。たとえば、男性には高尿酸血症、糖尿病、心筋梗塞が起こりやすい一方で、女性ではQOLに直接的に影響するような骨格筋の痛み・変化、うつ病の発症率の多さが課題として挙げられる。このように疾患にも性差があることから、双方の病態を理解し合うことが必要」と性差による疾患リスクを指摘するとともに、「女性の生殖器は期間限定であることを社会に出る前に知っておくことが必要」と、女性自身が自身の身体のことを学ぶ機会の少なさについても訴えた。 また、坂東 泰子氏(三重大学大学院医学系研究科分子生理学)は女性に多い循環器疾患として、微小血管狭心症、心筋梗塞(閉経後女性)、不整脈、たこつぼ型心筋症、肺高血圧症、心不全(高齢女性)などを挙げ、「たこつぼ型心筋症の場合、男性は外傷が影響するのに対し、女性はストレスで生じやすい。自律神経を整え、有酸素とレジスタンスの両方を兼ね備えた運動であるヨガを行うことで、ストレス軽減効果、心拍や血圧を健康に維持する効果が期待できる」と発症原因の1つを示し、その予防策を解説した。

42.

認知症発症の危険因子としてのコロナ罹患【外来で役立つ!認知症Topics】第15回

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が始まってから、コロナと認知症との関係という新たなテーマが生まれた。まず予防には3密だと喧伝された。その結果、孤独化する高齢者が増えたので、認知症の発症が増加しているという報告が相次いだ。つまり孤独という認知症の危険因子を、コロナが一気に後押ししたという考え方である。そうだろうなとは思いつつ、このエビデンスは乏しかった。それから次第に前向きの疫学研究から、コロナ罹患と認知症発症との関係を報告するものが出てきた。そして最近では、こうしたもののレビューも報告されるようになり、なるほど、こういうことかとポイントが見えてきた。そこで今回は、認知症発症の危険因子としてのコロナ罹患を中心にまとめてみたい。スペイン風邪と認知症の関連は?まず人畜共通感染症による第1のパンデミックとされる「スペイン風邪(Spanish Flu)」を連想した。というのは、コロナはスペイン風邪をしのぐ人畜共通感染症によるパンデミックをもたらしたからだ。スペイン風邪の原因は、トリインフルエンザウイルスとヒトインフルエンザウイルスの遺伝子が混ざり合った新型のウイルス(Influenza A virus subtype H1N1の亜系)だと考えられている。そこで1918年の第1次世界大戦当時に世界的に流行したこのスペイン風邪の認知症への影響はどうだったのかと調べてみた。説得力の強いものに、デンマークで1918年当時妊娠中の母親の胎内にあったヒトに注目し、対象とコントロールで合計28万人余りのデータを用いた研究がある1)。ここでは、該当者が62~92歳に達した期間において、あらゆる認知症性疾患についての発症に注目し、その相対危険度を調査している。その結果、スペイン風邪罹患と認知症発症の間には有意な関係はなかったとされる。この報告のように、どうも積極的に両者の関係を指摘する報告は乏しいようだ。コロナと認知症、追跡期間が長いほど発症率が上昇?さてコロナについて成された近年の報告のレビューが注目された2)。多くの研究結果からは、コロナに罹患することでアルツハイマー病を含むすべての認知症の発症率はおよそ2倍と考えられている。実際、これまでの報告の多くは、60歳以上のヒトにおいては、コロナに罹患することで、亜急性期、慢性期の認知症発症は確かに高まりそうだと報告している。もっとも、コロナ罹患による認知症発症への影響力は、他の呼吸器系のインフルエンザ感染や細菌感染と大差がないとの結論になっている。一方で興味深いのは、追跡期間の違いによる認知症の発症率の相違である。すなわち発症から3ヵ月間もしくは6ヵ月間追跡した研究に比べて、1年間追跡した研究では認知症の発症率が高くなっているのである。このことは、コロナによる認知症の発症は、罹患ののち長期間にわたって続くことを示唆している。また疫学から、なぜコロナが認知症とくにアルツハイマー病に関連するかについてのレビューも興味深い3)。まずコロナへの罹患しやすさについては、加齢が最大にして唯一の危険因子だとされる。そしてその背景として高血圧、糖尿病、心疾患など、いわゆる生活習慣病が考えられている。またこうした要因が、回復を遅くすることも事実である。さらに、最初に述べたような孤独化と普通の生活に戻れないことが高齢者においてうつ病や不安を生じる間接的な要因になることも関係しているだろうとされる。ところで、すでに認知症であった人が、パンデミックによって社会的な交流がなくなったり、ケアが手薄になったりしたことで死亡率が高まった可能性もあることが述べられている。実際、パンデミック時代になってから、コロナ感染の有無にかかわらず、認知症者の死亡率が25%も高まったことを報告したメタアナリシスもある4)。認知症発症の原因として注目される炎症こうしたコロナによる認知機能の低下や認知症発症の原因として最も注目されるのは炎症、とくにこれに関わるサイトカインであろう。このサイトカインとは、ある細胞から他の細胞に情報伝達するための物質である。その中でも有名なのは、インターフェロンやインターロイキンだろう。感染量が多くなるほど、サイトカインも大量に放出されるが、それが著しい場合はサイトカインストーム(免疫暴走)と呼ばれる。サイトカインストームが起こることで大脳組織の炎症が生じる結果、認知機能に障害が生じる。なお近年では、アルツハイマー病の病因仮説として、脳の炎症説は主流の1つとなっている。また別の説として、新型コロナウイルスは、微小血管に障害をもたらし、肺の組織を障害することによって、大脳への酸素の流れに支障を来すことに注目するものがある。さらには、新型コロナウイルスとアミロイドやタウとの関係にも注目するもの、あるいはアルツハイマー病の危険因子とされるAPOE4を介して発症に関係するという考えなどもある。いずれにせよ現時点において新型コロナウイルスと認知症の発症との関係について確立しているわけではない。今後の長期的なフォローアップにより、少しずつ解明が進んでいくと思われる。参考1)Cocoros NM, et al. In utero exposure to the 1918 pandemic influenza in Denmark and risk of dementia. Influenza Other Respir Viruses. 2018;12:314-318.2)Sidharthan C. COVID-19 linked to higher dementia risk in older adults, study finds. News-Medical.Net. 2024 Feb 9.3)Axenhus M, et al. Exploring the Impact of Coronavirus Disease 2019 on Dementia: A Review. touchREVIEWS in Neurology. 2023 Mar 24.4)Axenhus M, et al. The impact of the COVID-19 pandemic on mortality in people with dementia without COVID-19: a systematic review and meta-analysis. BMC Geriatr. 2022;22:878.

43.

統合失調症の幻聴に関連する報酬ネットワーク異常

 統合失調症における幻聴は、中脳辺縁系皮質回路の機能不全と関連しているといわれており、とくに正常ではない顕著および内部の言語性リソースモニタリング処理中に見られる。しかし、統合失調症における幻聴の病態生理学に相互に関与する領域間の情報の流れについては、不明であった。中国・鄭州大学のJingli Chen氏らは、統合失調症の幻聴に関連する報酬ネットワークの異常を明らかにするため、検討を行った。Journal of Psychiatric Research誌2024年3月号の報告。 幻聴を伴う薬物療法未治療の初発統合失調症患者(AVH群)86例、幻聴のない統合失調症患者(NAVH群)93例、マッチした健康対照者(NC群)88例を対象に安静時の磁気共鳴機能画像法(fMRI)を用いて、報酬ネットワークの8つの重要なハブ間の接続を定量化するため、本研究を実施した。定量化には、spectral dynamic causal modeling(DCM)を用いた。各群の関連係数、群間差、画像と症状との相関分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・AVH群では、NAVH群と比較し、右腹側線条体から腹側被蓋野への有効接続が弱いことが、DCMより明らかとなった。・AVH群は、NC群と比較し、左前頭から右腹側線条体、右腹側線条体から前帯状皮質、腹側被蓋野から後帯状皮質への有効接続が強かった。・相関分析では、右前頭から前帯状皮質への有効接続と各群のPNASSのポジティブサブスコア、P1サブスコア、P3サブスコアとの負の相関が認められた。 著者らは「本発見は、AVHに関連する報酬ネットワーク間の神経因果的相互作用の異常が認められることを示唆しており、AVHの潜在的な神経生物学的メカニズムに対する理解を促進させる」とし、「とくに、ドパミン依存性の顕著な特性、トップダウンモニタリング機能の低下、前帯状皮質への興奮神経の強化による代償作用は、統合失調症におけるAVHのin vivoに基づく治療標的の証拠を示唆している可能性がある」としている。

44.

スクリーンタイムとうつ病との関連には男女差あり

 これまでの研究において、スクリーンタイムは、とくに小児のうつ病と関連していることが示唆されている。この関連性は、男性よりも女性において、強くみられることがいくつかのエビデンスで示されているが、これらの調査結果は決定的なものではない。米国・コロンビア大学のLauren E. Kleidermacher氏らは、代表的な米国成人を対象に、スクリーンタイムとうつ病との関連を性別階層化のうえ、調査を行った。AJPM Focus誌2024年4月号の報告。 本研究は、2015~16年の米国国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey:NHANES)のデータを用いて、2023年に分析を実施した。スクリーンタイムは、テレビおよびコンピュータの時間を含め、3群(1日当たり0~2時間、3~4時間、4時間以上)に分類した。うつ病の定義は、患者健康質問票(PHQ)スコアが10以上とした。テレビおよびコンピュータのスクリーンタイムについて、個別の分析も行った。スクリーンタイムとうつ病との関連性を評価するため、多変量ロジスティック回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・性別とスクリーンタイムとの間に、有意な相関が確認された。・最もスクリーンタイムが長い群(4時間以上/日)とうつ病との関連は、女性で観察された(オッズ比:3.09、95%信頼区間:1.68~5.70)。・スクリーンタイムの種類は、この関連に影響しており、テレビはコンピュータよりも強い関連性を示した。・男性では、すべての群において、有意な関連は認められなかった。 著者らは「とくにテレビの視聴時間の増加が、女性のうつ病と関連していることが示唆された。これが女性のうつ病のリスクマーカーとなりうるかを明らかにするためには、さらなる研究が求められる」としている。

45.

初発統合失調症のミエリン形成不全と認知機能低下との関係

 統合失調症患者の皮質領域におけるミエリン形成不全は、これまでの死後脳研究により明らかとなっており、異常な脳の成熟過程を反映している可能性がある。しかし、この異常なミエリン形成が統合失調症の初期段階からすでに存在しているのか、疾患の経過中に進行するのか、両方であるのかは現時点でよくわかっていない。富山大学の小林 春子氏らは、初発統合失調症患者の皮質内ミエリン形成の潜在的マーカーとして灰白質/白質コントラスト(GWC)を調査し、GWCの所見と臨床および認知機能との関連について検討を行った。Cerebral Cortex誌2024年1月31日号の報告。 初発統合失調症患者63例および健康対照者77例を対象に、GWCの調査を目的としたMRI研究を実施した。初発統合失調症患者におけるGWCの所見と臨床/認知的変数との関連も調査した。 主な結果は以下のとおり。・初発統合失調症患者の両側側頭、頭頂、後頭、島部のGWCは、対照群と比較し有意に高かった。・これらは、罹病期間、投薬期間、発症年齢、実行機能低下、言語学習機能低下と部分的に関連が認められた。 著者は、「高GWCは皮質のより深い層でのミエリン低下と関連している。統合失調症患者では初回精神病エピソードの時点で皮質のミエリンが低値であり、これが疾患初期段階の認知機能低下のベースとなっている可能性がある」とまとめている。

46.

日本人片頭痛患者における日常生活への影響~OVERCOME研究

 日本人の片頭痛患者を対象に、日常生活活動や基本的な健康指標(睡眠、メンタルヘルス)など、日常生活に及ぼす影響を詳細に調査した研究は、これまであまりなかった。鳥取県済生会境港総合病院の粟木 悦子氏らは、日本人片頭痛患者における日常生活への影響を明らかにするため、横断的観察研調査を実施した。Neurology and Therapy誌2024年2月号の報告。 日本における片頭痛に関する横断的疫学調査(OVERCOME研究)は、2020年7~9月に実施した。片頭痛による家事、家族/社交/レジャー活動、運転、睡眠への影響は、片頭痛評価尺度(MIDAS)、Migraine-Specific Quality of Life(MSQ)、Impact of Migraine on Partners and Adolescent Children(IMPAC)scales、OVERCOME研究のために作成したアンケートを用いて評価を行った。片頭痛のない日の負担を評価するため、Migraine Interictal Burden Scale(MIBS-4)を用いた。抑うつ症状および不安症状の評価には、8項目の患者健康質問票うつ病尺度(PHQ-8)、7項目の一般化不安障害質問票(GAD-7)をそれぞれ用いた。日常生活への影響は、MIDAS/MIBS-4カテゴリで評価した。 主な結果は以下のとおり。・片頭痛を有する1万7,071例のうち、定期的に家事援助を必要とした人の割合は24.8%であった。・片頭痛により人間関係、余暇活動、社会活動に支障を来した人は、それぞれ31.8%、41.6%、18.0%であった。・頭痛が起こる日の間に、社交/レジャー活動の予定を立てることを少なくとも時々心配する人の割合は、26.8%であった。・家族と同居している人(1万3,548例)では、片頭痛により家族活動への参加や家族との楽しみにも影響がみられた。・運転経験のある人(1万921例)のうち、症状により運転が妨げられると報告した人の割合は、43.9%であった。・片頭痛により睡眠が妨げられた人は52.7%、気分が低下した人は70.7%であった。・PHQ-8の閾値を満たした臨床的うつ病の割合は28.6%、GAD-7の閾値を満たした臨床的不安症の割合は22.0%であった。・日常生活に対する片頭痛の影響は、MIDAS/MIBS-4カテゴリの重症度が増加するほど強力であった。 著者らは「日本人片頭痛患者にとって、日常生活、睡眠、メンタルヘルスへの負担は大きいため、臨床現場では、頭痛症状だけでなく、日常生活に及ぼす影響を評価することが重要である」としている。

47.

日本人NASH患者の臨床的特徴~5年間のRWDを用いた症例対照研究

 得津 慶氏(産業医科大学公衆衛生学 助教)らが非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)およびそれに関連する患者の臨床的特徴を調べるため、国民健康保険ならびに後期高齢者レセプトデータベースといったReal World Data(RWD)を用いて症例対照研究を行った。その結果、NASHの診断定義を満たした患者では非NASH患者に比べてBMIが有意に高いことが示唆された。また、女性、脂質異常症、高血圧症、胃食道逆流症(GERD)、2型糖尿病の罹患割合はNASH群で高く、NASHは肝硬変や肝がんのリスク上昇と関連していたことも示唆された。BMJ Open誌2023年8月22日号掲載の報告。 研究者らは、2015年4月~2020年3月までにNASH(ICD-10の分類表記K75.8[非アルコール性脂肪性肝炎]、K76.0[その他の炎症性肝疾患/その他の脂肪肝])と診断された患者をNASHの診断定義を満たす患者として非NASH患者と照合させ、性別、生年月日、居住地域に従ってランダムに選択した。1次および2次アウトカムの測定値(年齢、性別、BMI、NASH関連の併存疾患、生活習慣病など)の患者背景間の関係についてオッズ比(OR)を推定した。 主な結果は以下のとおり。・NASH患者545例(男性:38.3%)と非NASH(対照)患者18万5,264例(同:43.2%)を抽出した。各群の年齢中央値は68歳(四分位範囲:63.0~75.0)と65歳(同:44.0~74.0)であった。・BMIはNASH患者のほうが対照患者よりも有意に高かった(25.8kg/m2 vs.22.9kg/m2、p<0.001)。・女性、高血圧症、脂質異常症、2型糖尿病の割合はNASH患者のほうが高かった。さらに、NASHは肝硬変のリスク増加と関連しており(OR:28.81、95%信頼区間[CI]:21.79~38.08)、次に肝臓がんのリスクが高かった(OR:18.38、95%CI:12.56~26.89)。・NASHとうつ病OR:1.11、95%CI:0.87~1.41)、不眠症(OR:1.12、95%CI:0.94~1.34)、慢性腎臓病(OR:0.81、95%CI:0.58~1.34)のリスクとの間には有意な関連はみられなかった。 これまでの国内研究報告1)にてNAFLD患者の特徴(中年男性と高齢女性の有病率が高い)は示されていた。NASHに関する今回の研究を通じて、本研究者らは「日常診療において、性別や年齢の違いを考慮し、肝臓がんのリスクやNASHに関連するそのほかの生活習慣関連の併存疾患に細心の注意を払う必要がある」としている。

48.

超加工食品摂取の健康への有害性、アンブレラレビューでも/BMJ

 超加工食品の摂取の多さは、有害な健康アウトカム、とくに心代謝系、一般的な精神障害および死亡のリスク増大と関連していることが、オーストラリア・ディーキン大学のMelissa M. Lane氏らの検討で示された。超加工食品と有害な健康アウトカムとの関連性についてはメタ解析が行われているが、研究グループは幅広い視点を提供し、先行研究のメタ解析によるエビデンスを評価するため、包括的なアンブレラレビューを行った。結果を踏まえて著者は、「今回得られた知見は、健康改善のために超加工食品への曝露を減らす公衆衛生対策の策定、およびその効果の評価に論理的根拠を与えるものである」と述べている。BMJ誌2024年2月28日号掲載の報告。超加工食品の摂取と健康アウトカムとの関連についての疫学的メタ解析のアンブレラレビュー 研究グループは、Nova食品分類システムで定義されている超加工食品の摂取と、健康への悪影響との関連を評価する目的で、既存のメタ解析のアンブレラレビューを行った。 MEDLINE、PsycINFO、Embase、Cochrane Database of Systematic Reviewsおよび参考文献リストをデータソースに、2009年から2023年6月までの研究を検索し、適格基準はコホート研究、症例対照研究、および/または横断研究デザインのシステマティックレビューとメタ解析とした。 アンブレラレビューによる各再メタ解析結果は、エビデンスの信頼性についてはエビデンス分類基準および既存のアンブレラレビューに従い、「クラスI(信ぴょう性が高い)」「クラスII(強く示唆的)」「クラスIII(示唆的)」「クラスIV(弱い)」「クラスV(エビデンスなし)」に分類。また、エビデンスの質についてはGRADEシステムを用いて評価し、「高」「中」「低」「非常に低」に分類した。超加工食品の摂取は、32の健康アウトカムと関連 検索の結果、430本の論文が同定され、適格基準を満たした14件のメタ解析研究、計45件の異なるプール解析が対象となった。 プール解析に含まれた参加者の総数は988万8,373例で、13件は用量反応モデリングが検討されたものであった。32件(71%)の異なるプール解析において、ランダム効果モデルに基づき、超加工食品の摂取の多さと死亡、がん、精神、呼吸器、心血管、胃腸、代謝等に関する健康アウトカムとの間に直接的な関連が示された。 事前に規定したエビデンスの分類に基づくと、クラスIで関連が示されたのは、心血管疾患関連死(リスク比:1.50、95%信頼区間[CI]:1.37~1.63、質:非常に低)および2型糖尿病(用量反応性のリスク比:1.12、95%CI:1.11~1.13、質:中)の発生、ならびに不安アウトカム(オッズ比[OR]:1.48、95%CI:1.37~1.59、質:低)および一般的な精神障害の複合アウトカム(OR:1.53、95%CI:1.43~1.63、質:低)の有病リスクであった。 クラスIIは、全死亡(リスク比:1.21、95%CI:1.15~1.27、質:低)、心疾患関連死(ハザード比[HR]:1.66、95%CI:1.51~1.84、質:低)、2型糖尿病(OR:1.40、95%CI:1.23~1.59、質:非常に低)および抑うつアウトカム(HR:1.22、95%CI:1.16~1.28、質:低)の発生、ならびに有害な睡眠関連アウトカム(OR:1.41、95%CI:1.24~1.61、質:低)、喘鳴(リスク比:1.40、95%CI:1.27~1.55、質:低)および肥満(OR:1.55、95%CI:1.36~1.77、質:低)の有病リスクであった。 残りの34のプール解析のうち、21件はクラスIII~IV、13件はエビデンスなし(クラスV)に分類された。 全体でGRADEシステムによるエビデンスの質は、22件のプール解析が「低」、19件が「非常に低」であり、「中」は4件であった。

49.

ADHDと6つの精神疾患リスクとの関連

 注意欠如・多動症(ADHD)とさまざまな精神疾患との合併率の高さは、観察研究や診断基準などから示唆されている。中国・重慶医科大学のYanwei Guo氏らは、ADHDと6つの精神疾患との潜在的な遺伝的関連性を調査するため、メンデルランダム化(MR)研究を実施した。BMC Psychiatry誌2024年2月5日号の報告。 2サンプルのMRデザインを用いて、ADHDと6つの精神疾患のゲノムワイド関連研究(GWAS)に基づき、遺伝的操作変数(IV)をシステマティックにスクリーニングした。主なアプローチとして、逆分散重み付け(IVW)法を用いた。 主な結果は以下のとおり。・IVW MR分析では、ADHDと自閉スペクトラム症リスクとの間に正の相関が認められた(オッズ比[OR]:2.328、95%信頼区間[CI]:1.241~4.368)。・ADHDは、統合失調症のリスク増加に対する正の関連も認められた(OR:1.867、95%CI:1.260~2.767)。・ADHDとチック症、知的障害、気分障害、不安症との関連は認められなかった。 著者らは「ADHDは、自閉スペクトラム症および統合失調症のリスク増加と関連していることが示唆されたことから、ADHD患者では、両疾患との合併をさらに注意し、タイムリーな介入や治療が必要であることが明らかとなった」としている。

50.

うつ病に有効な運動は?/BMJ

 運動はうつ病にとって有効な治療法であり、とくに運動強度が強いウォーキングやジョギング、ヨガ、筋力トレーニングが他の運動よりも有効であり、またヨガと筋力トレーニングは他の治療法と比べて忍容性が良好であることが示された。運動は、併存疾患の有無やうつ病の重症度を問わず、有効性は同等とみられることも示唆されたという。オーストラリア・クイーンズランド大学のMichael Noetel氏らが、無作為化試験のシステマティックレビューとネットワークメタ解析の結果を報告した。結果を踏まえて著者は、「今後の研究では、参加者やスタッフを盲検化することを目指せば、期待される効果を軽減することができるだろう」と指摘したうえで、「これらの運動は、うつ病治療の中心的な治療法として、心理療法や抗うつ薬と並んで検討されるものとなるだろう」とまとめている。BMJ誌2024年2月14日号掲載の報告。ネットワークメタ解析で、最適な運動量および方法を特定 研究グループは、心理療法、抗うつ薬およびコントロール条件との比較により、大うつ病性障害の治療に対する最適な運動量および方法を特定することを目的として、無作為化試験のシステマティックレビューとネットワークメタ解析を行った。 Cochrane Library、Medline、Embase、SPORTDiscus、PsycINFOデータベースを検索。大うつ病の臨床カットオフ値を満たす参加者を対象として、運動療法の効果について検討したあらゆる無作為化試験を適格とした。 スクリーニング、データ抽出、コードおよびバイアスリスクの評価は、2人の独立した著者により実行。主要解析では、アームベースのベイジアンマルチレベルネットワークメタ解析を行い、各群のエビデンスの質は、オンラインツールのCINeMA(confidence in network meta-analysis)を用いて等級付けした。筋力トレーニングとヨガが最も受容性が高い 検索により、218の特異的な研究(495群、被験者1万4,170例)が対象に含まれた。 アクティブコントロール群(例:通常ケア、プラセボ錠剤)と比較して、ウォーキングまたはジョギング(1,210例、κ=51、Hedges' g:-0.62[95%信用区間[CrI]:-0.80~-0.45])、ヨガ(1,047例、33、-0.55[-0.73~-0.36])、筋力トレーニング(643、22、-0.49[-0.69~-0.29])、混合有酸素運動(1,286、51、-0.43[-0.61~-0.24])、太極拳または気功(343、12、-0.42[-0.65~-0.21])は、うつ病を中程度に軽減したことが認められた。 運動の効果は、運動の強度に比例しており、筋力トレーニングとヨガが最も受容性の高い運動であることが示唆された。 結果は、出版バイアスに対して頑健であるとみなされたが、バイアスリスクが低いとのCochrane基準を満たした研究は1件のみであった。そのため、CINeMAによる信頼度はウォーキングまたはジョギングでは低く、その他の治療については非常に低いとの結果だった。

51.

日本人のうつ病に対するブレクスピプラゾールvs.アリピプラゾール

 抗うつ薬治療に対し効果不十分な日本人のうつ病患者における、ブレクスピプラゾールとアリピプラゾールの有効性、受容性、忍容性、安全性プロファイルの違いを検討するため、藤田医科大学の岸 太郎氏らは、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。その結果、全体としてブレクスピプラゾールとアリピプラゾールは、同程度の有効性が認められ、良好なリスクベネフィットバランスを有していることが確認された。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2024年1月14日号の報告。 変量効果モデルを用いたシステマティックレビュー、および頻度主義ネットワークメタ解析を行った。主要アウトカムは、Montgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)スコアとした。その他のアウトカムには、臨床全般印象度-重症度(CGI-S)スコア、社会機能評価尺度(SFS)、非治療反応率、非寛解率、すべての原因による治療中止、有害事象による治療中止、1つ以上の有害事象発現、重篤な有害事象、アカシジア、振戦、体重増加を含めた。 主な結果は以下のとおり。・検索の結果、3件の二重盲検ランダム化プラセボ対照試験が特定された。・内訳は、ブレクスピプラゾールの研究(ブレクスピプラゾール1mg/日および2mg/日)1件、アリピプラゾールの研究(3mg/日および日本承認用量内のフレキシブルドーズ)2件であった(1,736例)。・ブレクスピプラゾールとアリピプラゾールは、プラセボと比較し、両剤ともに有効性が認められた。・ブレクスピプラゾールは、プラセボと比較し、有害事象による治療中止が多かったが、アリピプラゾールでは認められなかった。・アリピプラゾールは、プラセボと比較し、1つ以上の有害事象発現が多かったが、ブレクスピプラゾールでは認められなかった。・ブレクスピプラゾールとアリピプラゾールは、プラセボと比較し、アカシジアと体重増加リスクが高かった。・いずれのアウトカムにおいても、ブレクスピプラゾールとアリピプラゾールとの間に、有意な差は認められなかった。・ブレクスピプラゾール1mg/日は、有効性が良好であったが、体重増加リスクが認められた。・ブレクスピプラゾール2mg/日は、有効性は良好であったが、有害事象による治療中止、アカシジア、体重増加リスクが認められた。・ブレクスピプラゾール2mg/日におけるアカシジアのリスクは、初回用量0.5mg/日で減少が認められた。

52.

高齢統合失調症患者の死亡率、その原因と他の精神疾患との比較

 統合失調症でみられる超過死亡は、その後の生活においても影響を及ぼす可能性がある。高齢統合失調症患者でみられる死亡率増加の具体的な原因、および向精神薬の潜在的な影響については、これまで十分にわかっていない。フランス・Corentin-Celton HospitalのNicolas Hoertel氏らは、高齢統合失調症患者の5年死亡率とその原因を調査し、双極性障害やうつ病との比較を行った。European Archives of Psychiatry and Clinical Neuroscience誌オンライン版2024年1月31日号の報告。 高齢者の統合失調症、双極性障害、うつ病の入院および外来患者564例(平均年齢:67.9±7.2歳)を対象に、5年間のプロスペクティブコホート研究を実施した。1次分析では、社会人口学的要因、罹病期間と重症度、精神疾患と非精神疾患の併存などの交絡因子の影響を軽減するため、逆確率重み付け(IPW)多変量ロジスティックモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・死亡原因は、心血管疾患(CVD)、感染症などのCVD以外の疾患関連死、自殺、不慮の事故であった。・5年死亡率は、高齢統合失調症患者で29.4%(89例)、双極性障害またはうつ病の高齢者で18.4%(45例)であった。・調整後、統合失調症患者は、双極性障害またはうつ病患者と比較し、すべての原因による死亡率およびCVDによる死亡率の増加と有意な関連が認められた。【すべての原因による死亡】調整オッズ比(aOR):1.35(95%信頼区間[CI]:1.04~1.76)、p=0.024【CVDによる死亡】aOR:1.50(95%CI:1.13~1.99)、p=0.005・これらの関連性は、抗うつ薬を服用している患者において有意な減少が認められた。【抗うつ薬服用患者のすべての原因による死亡】相互作用オッズ比(IOR):0.42(95%CI:0.22~0.79)、p=0.008【抗うつ薬服用患者のCVDによる死亡】IOR:0.39(95%CI:0.16~0.94)、p=0.035 著者らは「高齢統合失調症患者は双極性障害またはうつ病患者と比較し、死亡率が高く、超過死亡の多くはCVDに関連していることが示唆された」とし、本分析において「抗うつ薬の使用は、すべての原因による死亡やCVDによる死亡の有意な減少と関連していたが、他の向精神薬では超過死亡に対し影響を及ぼさない」ことを報告した。

53.

「スーパーマリオ オデッセイ」でうつ病が劇的に改善【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第252回

【第252回】「スーパーマリオ オデッセイ」でうつ病が劇的に改善Unsplashより使用大うつ病性障害に対する6週間のビデオゲーム介入が、抑うつ気分、訓練意欲、視覚空間(ワーキング)記憶機能の改善につながるかどうかを検討することを目的とした研究を紹介しましょう。選ばれたゲームは、任天堂の「スーパーマリオ オデッセイ」です。いやー、名作ですよね。あのゲームは本当に、色褪せない。RTA(リアルタイムアタック)の動画をよく見ています。まあそんな個人的な話はどうでもよくてですね、このマリオ オデッセイが、うつ病に有効というエビデンスが示されました。Bergmann M, et al. Effects of a video game intervention on symptoms, training motivation, and visuo-spatial memory in depression. Front Psychiatry. 2023 Aug 24;14:1173652.ドイツのボン大学の精神科において、大うつ病性障害(MDD)と診断された18~65歳の入院・通院患者46人を対象に行われた研究です。MDD患者さんを、マリオ オデッセイをプレイする「ビデオゲーム」群(n=14)、コンピュータプログラム「CogPack」を用いて訓練を行う能動的対照群(n=16)、心理療法や薬物療法を含む標準的な臨床治療を受ける通常治療群(n=16)の3群のいずれかにランダムに割り付けました。ちなみに、事前にマリオ オデッセイをプレイしたことがある患者さんは除外されています。いずれのグループも、トレーニングセッションの頻度は週3回、期間は6週間の合計18回で、各セッションは1回45分間でした。45分プレイして、マリオ オデッセイを途中で切られると、それはそれでイラっとしそうですが…。BDI-IIベック抑うつ質問票(BDI-II)で評価すると、マリオ オデッセイをプレイしたMDD患者さんの症状が劇的に改善することが示されました。BDI-IIスコアが「軽度」に該当する患者の割合をみたグラフですが、マリオ オデッセイをプレイした群では、3群の中で唯一統計学的に有意差がついています(図)。図. 各群の抑うつ改善効果(文献より引用)ただし、視空間記憶をテストするBVMT-Rなど、いくつかの試験ではCogPackのほうがよかったりして、一貫してマリオ オデッセイがよいという結論ではありませんでした。どれか1つがよいというよりも、おそらく組み合わせたほうがよいのではないかと考えられます。ゲームって結構バカにされがちですが、これだけの有効性が示されるとなると、そのうちガイドラインにも記載されるんじゃないでしょうか。「ゼルダの伝説」をやっている医師は多いですが、ああいうRPGモノもたぶん有効なんじゃないかと思います。

54.

第200回 危機に瀕する国内製薬企業の創薬力

10~12%。この数字が何を意味するのかご存じだろうか? 第I相試験に辿り着いた低分子化合物が医薬品として承認取得に至る確率である。ただ、これはあくまで第I相試験にまで至った低分子化合物。製薬企業の研究所では、これ以前に合成された低分子化合物の多くが動物実験を経て脱落し、臨床試験まで辿り着けない。合成段階から第I相試験までの脱落を含めると、製品化の成功確率は0.1%に満たないのが現実である。「製薬の研究開発は博打」と称されるのはこのためだ。このことは頭ではわかっていても深刻に感じ取れる機会は少ない。というのも製薬企業の多くが結果的には継続的に新薬を世に送り出せているからだ。その背後には、各社の飽くなき開発パイプライン獲得の努力がある。この件に関して私が思い出すことがある。2019年、当時の武田薬品工業(以下、武田薬品)の取締役でジャパン ファーマ ビジネス ユニットのプレジデントだった岩崎 真人氏(崎はたつさきが正式表記)にインタビューした時のことだ。コテコテの浪花商人から発した武田薬品は今やグローバル企業化し、当時の日本人取締役は岩崎氏ただ1人(2023年6月に退任し、現在同社取締役に日本人は皆無)。業界関係者からは「武田薬品はもはや外資になった」と揶揄気味に評されることも多かった。ちなみに私個人は、そうした評価は頑迷固陋(がんめいころう)とも言うべき日本人の悪い癖と思っている。当時の武田薬品は、アイルランドのシャイアーを6兆8,000億円もの巨額で買収する乾坤一擲の勝負を行った直後である。この買収で多数の製品と開発品を獲得し、世界トップ10のメガファーマの地位も得たが、買収で獲得した開発品は多くが第II相試験以下の前期開発品で、前述の上市確率から言えば、それほど安泰とは言い難かった。この点に私が言及すると、岩崎氏は次のように語った。「そもそも製薬企業にとって安泰な開発パイプラインは存在しませんよ。『これで大丈夫だろうか?』という不安にさいなまれているのが常。胃が痛くなるような緊張感で、自社の開発パイプラインを眺めています」確かに言われればその通りなのだが、この時は改めてその難しさを認識させられた。とはいえ、やや繰り返しになるが、製薬企業の多くが主力品の特許失効による大幅な売上減、通称「パテントクリフ(特許の壁)」を、タイミングよく次なる製品投入で乗り切っている実態を見ると、外部がその困難さを肌身で感じ取ることは難しい。しかし、先日ある発表を見てやや寒気がした。具体名を出して恐縮だが、住友ファーマ(旧大日本住友製薬)の第3四半期決算である。同社の第3四半期決算の売上高は、前年同期比48.9%減の2,350億2,800万円、コア営業利益は963億8,700万円の赤字、純利益も1,176億9,900万円の赤字。大幅な売上減の最大の要因は、同社の主力品中の主力品とも言うべき抗精神病薬ルラシドン(商品名・ラツーダ)が昨年2月、アメリカで特許失効となり、ジェネリックが参入してきたためである。前期の2022年第3四半期のアメリカでのルラシドンの売上高は1,793億円だったが、2023年第3四半期はなんと51億円。特許失効からわずか10ヵ月で97.2%の売上が消失してしまったのだ。製薬企業にとって、特許失効そのものはある意味で予測可能なリスクである。このため各社とも特許失効に備え、後継主力品候補の臨床試験推進や外部からの獲得に心血を注ぐ。住友ファーマの場合も、もちろんその手は打っていた。実際、昨今の製薬企業の新薬開発のトレンドともなっているがん領域に進出するため、今からさかのぼること12年前の2012年、アメリカのボストン・バイオメディカル社を買収。これにより世界で初めてがん幹細胞を標的とするがん治療薬候補「ナパブカシン」を獲得した。しかし、2021年までにナパブカシンは臨床試験に入ったすべてのがん種で有効性が示せず、開発中止となった。ナパブカシンの開発は2010年代後半にすでに暗雲が漂う状態だったこともあり、同社は2019年にイギリスとスイスに本社を置くバイオベンチャーであるロイバント・サイエンシズと戦略提携締結で合意し、約3,200億円も投じてロイバントの5つの子会社を買収して、複数の第III相試験以降の後期開発品を獲得した。この買収は一定の成果を結び、2020年末からアメリカで過活動膀胱薬のビベグロン(商品名・ジェムテサ)、前立腺がん治療薬のレルゴリクス(商品名・オルゴビクス)、子宮筋腫治療薬のレルゴリクス・エストラジオール・酢酸ノルエチンドロン配合剤(商品名・マイフェンブリー)を次々に上市した。製薬企業の買収としては成功と言って差し支えないだろう。実際、住友ファーマはこの3つを「基幹3製品」と呼び、ルラシドン特許失効後のアメリカでの主力品と位置付けている。そして同社は2023年度の決算予想で、アメリカでの基幹3製品の合計売上高を1,200億円以上と発表したが、第3四半期までの売上実績は500億円に届かない。残り3ヵ月でこの計画を達成するのはかなり困難である。しかも、現在の同社後期開発品は、第III相試験中のものがアメリカと中国で各1件、第II/III相試験中が日本で2件、アメリカで3件、中国で1件の合計8件。このうち6件は大塚製薬と共同で開発する抗精神病薬のulotarontだが、同薬のメイン適応症となるはずだった統合失調症に関して、昨年7月、2つの第III相試験で主要評価項目未達という結果が明らかになった。このように、現在の製薬企業を取り巻く環境は、現実的に各社が選択できる経営努力を尽くしたとしても予想もしない悩ましい結果をもたらすところまで来ているのだ。しかし、メディア界に身を置いて企業を眺めるようになった30年間で得た経験的感は、「一定規模の企業は周囲が思う以上に強く、しぶとい」である。その意味で今回の住友ファーマの件では、「これからどう浮上するのか」に私の目は注がれている。臨床現場では今、製薬企業に関する話題はジェネリック医薬品企業の不祥事に伴う医薬品供給不足のほうが注目されているだろう。しかし、日本人の多くが漠然と思っているであろう「日本の製薬企業は一定の創薬力がある」とのイメージが、もはや蜃気楼になりつつある現実は頭の片隅に留め置いてよいと思うのだ。

55.

うつ病発症リスクと犬の散歩のタイミング~女性看護師調査

 朝の散歩を行うことは、体内時計を調節するうえで重要であり、夜型のクロノタイプにとって有益であると考えられる。オーストリア・ウィーン医科大学のMagdalena Zebrowska氏らは、犬の飼育や犬との朝の散歩は、うつ病リスクを低下させる可能性があるとの仮説を立て、女性看護師を対象に犬の飼育、朝の散歩とそのタイミングや期間とうつ病リスクとの関連を調査し、クロノタイプによる効果の違いを検討した。PLOS ONE誌2024年1月31日号の報告。 Nurses' Health Study 2(NHS2)に参加した53~72歳のうつ病でない米国女性2万6,169人を対象に、2017~19年にプロスペクティブフォローアップ調査を実施した。年齢および多変量で調整したロジスティック回帰分析を用いて、犬の飼育、犬との朝の散歩、時間、タイミングに応じて、うつ病のオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を推定した。 主な結果は以下のとおり。・全体として、犬の飼育、犬との朝の散歩、持続時間、タイミングとうつ病リスクとの関連は認められなかった。【犬の飼育】vs.犬を飼っていない、OR:1.12(95%CI:0.91~1.37)【犬との朝の散歩】vs.行っていない、OR:0.87(95%CI:0.64~1.18)【散歩の持続時間】30分超vs.15分以下、OR:0.68(95%CI:0.35~1.29)【散歩のタイミング】午前9時以降vs.午前7時前、OR:1.06(95%CI:0.54~2.05)・犬の飼い主のクロノタイプが、これらの関連性を修正することが示唆された。・ペットを飼っていない同じクロノタイプの女性と比較すると、夜型クロノタイプの犬の飼い主では、うつ病リスクの有意な増加が認められたが、朝型クロノタイプの場合では認められなかった。【夜型クロノタイプの犬の飼い主】OR:1.60(95%CI:1.12~2.29)【朝型クロノタイプの犬の飼い主】OR:0.94(95%CI:0.71~1.23)・さらに、夜型クロノタイプは、朝型クロノタイプよりも、朝自分で犬の散歩をすることで、より多くのベネフィットが得られる可能性が示唆された(OR:0.75、95%CI:0.46~1.23、Pintx=0.064)。 著者らは「犬の飼育とうつ病リスクは、全体として関連が認められなかったものの、夜型クロノタイプの人では、うつ病リスクの増加がみられた。これには、朝の犬の散歩が、夜型クロノタイプの人のうつ病リスクを低下させるのに寄与する可能性を示唆しており、今後のさらなる研究により、この関連がより明らかになることが望まれる」としている。

56.

双極性障害の気分エピソード再発に対するアリピプラゾール月1回製剤の予防効果

 双極性障害患者におけるアリピプラゾール月1回製剤(AOM)の臨床的有効性および安全性を調査するため、韓国・カトリック大学のYoung Sup Woo氏らは、1年間のレトロスペクティブミラーイメージ研究を実施した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2024年1月30日号の報告。 対象は、韓国の医療機関12施設より募集された双極性障害患者75例。対象患者は、2019年9月~2022年9月に3回以上のAOM治療を行い、ベースライン前後1年間の電子医療記録を有していた。治療開始前とAOM治療12ヵ月後のアウトカムを比較した。 主な結果は以下のとおり。・気分エピソードの総数は、AOM開始前の平均1.5±1.2回からAOM開始後の平均0.5±1.2回へと、有意な減少が認められた(p<0.001)。・躁病エピソードは、AOM開始前の0.8±0.8回からAOM開始後の0.2±0.5回へ有意に減少した(p<0.001)。・うつ病エピソードは、AOM開始前の0.5±0.8回からAOM開始後の0.2±0.6回へ有意に減少した(p=0.017)。・さらに、精神科治療薬の数、錠剤数、複雑な多剤併用で治療された患者の割合についても、AOM開始に有意な減少が認められた。 【精神科治療薬の数】AOM開始前3.9±1.7→AOM開始後2.3±2.1(p<0.001) 【錠剤数】AOM開始前6.5±3.5→AOM開始後3.6±3.5(p<0.001) 【複雑な多剤併用で治療された患者の割合】AOM開始前78.7%(59例)→AOM開始後37.3%(28例)(p<0.001)・本研究の限界として、サンプルサイズの小ささから、双極性障害患者全体を完全に表すには不十分であり、AOM治療を3回以上実施した患者のみに限定しているため、潜在的な選択バイアスを有する可能性があった。 著者らは「双極性障害患者に対するAOM治療は、気分エピソードの再発リスクを軽減するだけでなく、多剤併用の問題も軽減する可能性があり、臨床的に有益であることが示唆された」としている。

57.

卵や野菜の摂取が日本人のうつ病リスクと関連

 山形県立米沢栄養大学の北林 蒔子氏らは、日本人労働者における食品群別の摂取量とうつ病との関連を調査するため、アンケート調査を実施した。その結果、男性では卵、女性では卵と野菜(緑黄色野菜以外)の摂取がうつ病と関連している可能性が示唆された。BMC Nutrition誌2024年1月30日号の報告。 2020年、日本人労働者568人を対象にアンケート調査を実施した。回答した503人中423人を研究対象に含めた。性別、年齢、BMI、残業時間、睡眠時間、婚姻状況、職位、運動習慣、喫煙状況、うつ病の発症および、エネルギー、タンパク質、脂質、炭水化物、アルコール、食品群別の摂取に関する情報を収集した。うつ病の有無および重症度の評価には、うつ病自己評価尺度(CES-D)を用いた。食品群別の摂取量は、残差法を用いてエネルギー摂取量を調整し、性別ごとに、低、中、高に分類した。うつ病の有無を従属変数、食品群別の摂取量を独立変数とし、ロジスティック回帰分析により性別に応じたオッズ比(OR)と傾向を分析した。 主な結果は以下のとおり。・うつ病の調整ORが有意に高かったのは、以下のとおりであった。●卵の摂取量が少ない男性●他の野菜(緑黄色野菜以外)の摂取量が低~中程度の女性●卵の摂取量が中程度の女性・用量反応関係が確認され、男性では卵の摂取量が少ない場合(p for trend=0.024)にうつ病ORが有意に高く、女性では他の野菜(緑黄色野菜以外)の摂取量が少ない場合(p for trend=0.011)、卵の摂取量が少ない場合(p for trend=0.032)にうつ病ORが有意に高かった。

58.

維持期双極性障害に対する抗精神病薬の剤形による治療中止後の再発率の比較

 統合失調症患者において長時間作用型注射剤(LAI)抗精神病薬は、患者が治療を中止した場合、同等の経口抗精神病薬と比較し再発までの期間を延長させる可能性があることが、これまでに報告されている。これと同様のパターンが、維持期治療中の双極性障害患者で観察できるかはよくわかっていない。藤田医科大学の岸 太郎氏らは、双極性障害の維持期治療におけるLAI抗精神病薬と経口抗精神病薬の中止後の再発率を比較するため、システマティックレビューを実施した。Psychiatry Research誌2024年3月号の報告。 双極性障害の維持期治療におけるLAI抗精神病薬のプラセボ対照ランダム化治療中止試験、LAI抗精神病薬に対応する経口抗精神病薬を用いた同等性の研究をシステマティックに検索した。 主な結果は以下のとおり。・5件の研究を特定した。内訳は、アリピプラゾール月1回LAIの研究1件、経口アリピプラゾールの研究1件、リスペリドン2週間LAIの研究2件、経口パリペリドンの研究1件であった。・アリピプラゾール月1回LAIを中止した場合、経口アリピプラゾールを中止した場合と比較し、2週、4週、6週、8週、12週、16週、20週、26週時点での再発率が低かった。・リスペリドン2週間LAIを中止した場合、経口パリペリドンを中止した場合と比較し、2週、4週、6週、8週、16週時点での再発率が低かった。 著者らは、「LAI抗精神病薬または同等の経口抗精神病薬で安定していた躁病患者において治療中止が行われた場合、LAIの剤形のほうが同等の経口剤よりも、再発までの期間を大幅に延長すると解釈できるだろう」としている。

59.

朝型の人は拒食症のリスクが高い?

 夜更かしよりも早寝早起きの生活パターンになりやすい、いわゆる“朝型”の人は、神経性食欲不振症(拒食症)のリスクが高いことを示唆する研究結果が報告された。米マサチューセッツ総合病院のHassan Dashti氏らの研究によるもので、詳細は「JAMA Network Open」に1月4日掲載された。 これまでに行われてきた観察研究から、拒食症と概日リズム(1日24時間周期の生理活動)や睡眠習慣との間に関連のあることが示されている。ただし、それらの因果関係の有無や環境因子の影響の程度などは、まだ十分に解明されていない。そこでDashti氏らは、双方向2サンプルメンデルランダム化解析という手法によって、これらの関係が遺伝的背景によって説明されるものか否かを検討した。解析には、マサチューセッツ総合病院のバイオバンク、および英国で行われている一般住民対象の大規模疫学研究「UKバイオバンク」などのデータが用いられた。 解析の結果、拒食症の遺伝的傾向は、朝型のクロノタイプ(概日リズムの特徴)と関連していることが明らかになった〔β=0.039(95%信頼区間0.006~0.072)〕。また、朝型の遺伝的傾向は拒食症のリスクと関連していた〔β=0.178(同0.042~0.315)〕。つまり、朝型であることと拒食症のリスクとの間に、双方向の関連が認められた。研究ではさらに、不眠症の遺伝的傾向が拒食症リスクと関連していることも示された〔β=0.369(同0.073~0.666)〕。また、拒食症の多遺伝子リスクスコア(polygenic risk score;PRS)が不眠症と関連していることも分かった〔オッズ比1.10(同1.03~1.17)〕。 これらの結果についてDashti氏は、「われわれの研究結果は、これまでの観察研究で示されていた拒食症と不眠症との関連性を裏付けるものだ」と総括し、「拒食症以外の精神疾患である、うつ病、過食症、統合失調症などは、概して夜型のクロノタイプとの関連が示されているが、拒食症に関してはそうではないようだ」との考察を付け加えている。また研究チームは、「拒食症に関連する遺伝子と早寝早起きに関連する遺伝子の間に双方向の関連のあることが見いだされた。これは、拒食症の人は早起きの生活パターンになりやすく、早起きの人は拒食症のリスクが高いことを意味する可能性がある」とし、今回の研究結果が、拒食症の新たな治療法の開発につながることを期待している。 拒食症は、精神疾患の中で物質使用障害(薬物依存)と並び、最も死亡率が高い疾患の一つと報告されている。また、研究者によると、拒食症の治療は困難で、寛解後の再発率も最大52%に上るという。論文の筆頭著者であるマサチューセッツ総合病院のHannah Wilcox氏は、「われわれの新しい発見の臨床的意味は、現時点では不明。しかし、われわれの研究結果は、概日リズムに基づいた治療法に関する将来の研究を先導し、拒食症の予防と治療を前進させる可能性を秘めている」と、同院発のリリースで述べている。

60.

病名変更、定着した疾患は?/医師1,000人アンケート

 疾患の機序や病態、患者さんからの要望などで成人病が「生活習慣病」へ、痴呆症が「認知症」へ病名変更された例がある。現在では、糖尿病の呼称を「ダイアベティス」に変更する提案がなされ、「非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)」から「MASLD(metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease)」、「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)」から「MASH(metabolic dysfunction-associated steatohepatitis)」への病名変更も予定されている。 そこで、会員医師1,000人にこうした疾患の呼称や病名変更についての考えや病名変更の認知度を聞いた。呼称や病名を変更するなら病態をイメージできるものを 質問1で「『糖尿病がダイアベティス』へ呼称変更、『非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)からMASLD』、『非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)からMASH』」への病名変更される動きについて」を聞いたところ、「両方とも知っている」が1番多く512人、「『糖尿病』のみ知っている」が302人、「両方とも知らない」が142人、「『NAFLD・NASH』のみ知っている」が82人の順で多く、半数以上の会員医師は最近の動きを知っていた。 質問2で「疾患の病名や呼称を変更する理由として、どれが重要か」を聞いたところ、「疾患の機序や病態」が453人、「社会的なイメージや要請」が324人、「疾患認知度の向上」が293人の順で多く、病名で病態が理解できるものが望まれていた。 質問3で「9つの疾患を挙げ、病名・呼称の変更で定着したもの」を聞いたところ、「成人病から生活習慣病」が1番多く886人、「痴呆症から認知症」が842人、「精神分裂病から統合失調症」が819人の順で多かった。一方で、「サル痘からエムポックス」が48人、「先端巨人症から成長ホルモン分泌亢進症」が72人と診療科により定着率の低い疾患もあった。 質問4で「9つの疾患を挙げ、病名・呼称変更でまだ定着したと思われないもの」を聞いたところ、「サル痘からエムポックス」が1番多く704人、「先端巨人症から成長ホルモン分泌亢進症」が621人、「妊娠中毒症から妊娠高血圧症候群(HDP)」が490人、「不安障害から不安症」が483人の順で多かった。あまりなじみのない疾患の病名変更は浸透しにくい様子がうかがえた。呼称・病名変更に受容的なのは20・30代の医師 以下は20・30代、40代、50代、60代以上の医師と4つの区分ごとにみたものである。 質問1では、20・30代~50代の会員医師の半数以上が、疾患の名称・病名変更の動きを「両方とも知っていた」と回答していた。60代以上の医師では「糖尿病のみ知っていた」の回答が40%を占めていた。 質問2では、すべての年代の医師で「疾患の機序や病態」を変更理由として1番多く挙げているのに対し、60代以上の医師では「社会的なイメージや要請」を挙げる方もほかの年代の医師よりも多かった。 質問3では、20・30代医師では「妊娠中毒症から妊娠高血圧症候群(HDP)」と「先端巨人症から成長ホルモン分泌亢進症」の認知度が他の年代よりも高かった。また、50代医師では「すべて定着したとは思わない」と回答した数が他の年代の医師よりも多かった。 質問4では、40代医師で「痴呆症から認知症」について「定着していない」の回答数が少なかったことから、この年代では「認知症」という病名が広く浸透していることがうかがえた。また、「すべて定着したと思う」と回答した医師は20・30代で1番多かったことから呼称・病名変更への受容性がうかがえた。誤解されるイメージの病名は変更したほうがよい 質問5で「疾患の呼称や病名について、個別の疾患への思いや考え、疾患名にまつわるエピソード」を募集したところ、以下のようなコメントが寄せられた。・~奇形、~異常などの名称が付く疾患は変更したほうがよい(整形外科・60代)・糖尿病の呼称を「ダイアベティス」に変えるなら、まず尿崩症の名称を変えたほうがよい(糖尿病・代謝・内分泌内科・30代)・フレイルは、わかりにくいので適当な和訳が望ましい(呼吸器内科・50代)・水ぼうそう(水痘)と水いぼ(伝染性軟属腫)は混同される方が多い(皮膚科・50代)アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。疾患の呼称や病名変更に医師はこう考える/医師1,000人アンケート

検索結果 合計:2658件 表示位置:41 - 60