皮膚科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:43

デュピルマブ治療後に結膜炎を発症、その特徴は?

 アトピー性皮膚炎(AD)に対するデュピルマブの臨床試験において、プラセボ群と比較しデュピルマブ群で結膜炎の発現率が高いことが報告されている。米国・ノースウェスタン大学のAlison D. Treister氏らは、デュピルマブによるAD治療後に結膜炎を発症した患者について調査した。その結果、デュピルマブ投与後の結膜炎は、治療の中止を余儀なくされるほど重症の可能性があった。また、重症結膜炎はベースライン時のADが重症の患者に多く、それらの患者ではデュピルマブの良好な効果が得られており、アトピー性の表現型は増えていた。。著者は、「結膜炎の発症に関与するリスク因子を明らかにし、効果的な治療を行うためにも、さらなる研究が必要である」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年8月29日号掲載の報告。

なぜ美容整形手術を受けるのか、初の前向き観察研究

 美容整形手術の人気が高まっているにもかかわらず、手術を受ける患者の動機付けとなっている社会文化的な要因やQOLに関わる因子はあまり解明されていない。米国・ノースウェスタン大学のAmanda Maisel氏らは、患者がなぜ侵襲の少ない美容整形手術を受けるのかを包括的に評価する、初となる検討を行った。その結果、一般的な理由は、外見を良くしたいという願望に加えて、感情的、心理的、そして実用的な動機であることが明らかになったという。著者は、「患者の年齢や求める手術における相対的差異については、さらなる調査が必要だろう」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年8月15日号掲載の報告。

梅毒が昨年上回るペースで増加中、原因不明の発疹には疑いを

 梅毒の届け出数は、2014年頃から急激な増加傾向にあり、昨年は年間報告数が44年ぶりに5,000例を超えた。今年は昨年をさらに上回るペースで増加しており、国立感染症研究所の発表によると、梅毒の累積報告数は8月22日集計時点ですでに4,221例となっている1)。日本医師会は9月5日の定例記者会見で、梅毒の感染経路を含む発生動向について解説するとともに、感染拡大への注意を促した。  梅毒の年間報告数は長く1,000例以下で推移していたが、2011年頃から徐々に増加し、2014年頃からは男女ともに急激に増加している。2017年の梅毒の報告数を都道府県別にみると、東京都が1,777例と圧倒的に多く、次いで大阪府(840例)、愛知県(339例)、神奈川県(322例)と、都市部で多い。年齢別では、男性では20~40代、女性では20代の感染が目立っている2)。

TRK阻害薬larotrectinib、NTRK遺伝子融合がん治療薬としてEUに申請/バイエル

 ドイツ・バイエル社は、2018年8月27日、欧州医薬品庁(EMA)にlarotrectinib(LOXO-101)の販売承認申請(MAA)を提出したと発表。  larotrectinibは、神経栄養因子チロシンキナーゼ受容体(NTRK)遺伝子融合を有する、局所進行性または転移性の固形がん患者(成人および小児)の治療薬として開発されたトロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害薬。NTRK遺伝子融合は、TRK融合タンパク質の産生が制御できなくなるゲノム変化であり、腫瘍増殖をもたらす。臨床試験では、larotrectinibの全奏効率(ORR)は、治験責任医師による評価では80%、中央判定では75%であった。

アトピー性皮膚炎が、うつ病、不安および自殺念慮と関連

 アトピー性皮膚炎(AD)は不安やうつ病と関連しているが、その重要性については知られていない。デンマーク・Herlev and Gentofte HospitalのAmalie Thorsti Moller Ronnstad氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析から、AD患者の治療の際は、医師がうつ病、不安および自殺念慮について考慮しなければならないことを示した。著者は、「ADの改善にはこれらのリスク軽減が明白であることから、これを優先すべきである」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌2018年9月号掲載の報告。

FHの発掘は内科と皮膚科・小児科の連携がカギ

 わが国における家族性高コレステロール血症(FH)の患者総数は、25万人以上と推定され、意外にも、日常診療において高頻度に遭遇する疾患と言われている。2018年8月22日に日本動脈硬化学会主催のプレスセミナー「FH(家族性高コレステロール血症)について」において、斯波 真理子氏(国立循環器病研究センター研究所病態代謝部部長)が登壇した。

ニボルマブ・イピリムマブ併用療法、メラノーマ脳転移への効果/NEJM

 ニボルマブ+イピリムマブ併用療法は、悪性黒色腫患者の未治療の脳転移に対して臨床的に意義のある有効性を示し、頭蓋外での効果と一致した。米国・テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターのHussein A. Tawbi氏らが、CheckMate-204試験の結果を報告した。脳転移は、転移を有する悪性黒色腫患者の神経合併症および死亡の原因として多いものの、転移を有する悪性黒色腫患者を対象としたニボルマブ+イピリムマブ併用療法のこれまでの臨床試験では、未治療の脳転移患者は除外されていた。NEJM誌2018年8月23日号掲載の報告。

アトピー性皮膚炎治療薬デュピルマブ、ワクチン接種に影響なし

 IL-4/IL-13のシグナル伝達を阻害する、抗ヒトIL-4Rα抗体デュピルマブが、アトピー性皮膚炎(AD)患者のワクチン接種後の反応に、どう影響を及ぼすかは知られていない。米国・Oregon Medical Research CenterのAndrew Blauvelt氏らは、無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験において、デュピルマブが、破傷風・ジフテリア・百日咳混合ワクチン(Tdap)および4価髄膜炎菌ワクチンの接種に影響を及ぼさないことを明らかにした。またデュピルマブは、血清総IgE値の有意な減少、プラセボと比較したADの重症度改善、良好な忍容性を示した。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年8月6日号掲載の報告。

DPP-4阻害薬服用で、水疱性類天疱瘡リスクが3倍

 糖尿病患者におけるDPP-4阻害薬の服用と水疱性類天疱瘡(BP)との関連は、最近の話題となっている。リナグリプチンのような新しいDPP-4阻害薬については、BPの発症リスクが明らかになっておらず、DPP-4阻害薬によるBP患者の臨床的特徴や予後予測も確立されていない。イスラエル・Rambam Health Care CampusのKhalaf Kridin氏らはビルダグリプチンやリナグリプチンは、BPのリスク増加と関連していることを明らかにした。著者は、「今回の結果は、イスラエルにおけるBPの発症増加を部分的にだが説明できるものであった。BPと診断された糖尿病患者は、DPP-4阻害薬の治療中止を考慮すべきである」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年8月8日号掲載の報告。

中等症~重症の尋常性乾癬に対するrisankizumabの効果/Lancet

 中等症~重症の局面型乾癬患者において、risankizumabはプラセボおよびウステキヌマブと比較し優れた有効性を示したことが認められた。治療下で発現した有害事象(TEAE)プロファイルは、治療群間で類似しており、新たな安全上の所見はみられなかった。米国・ウィスコンシン医科大学のKenneth B. Gordon氏らが、乾癬を対象としたrisankizumabの2件の第III相無作為化二重盲検臨床試験「UltIMMa-1試験」「UltIMMa-2試験」の結果を報告した。risankizumabは、インターロイキン(IL)-23のp19サブユニットに結合するヒト化IgG1モノクローナル抗体で、乾癬性炎症に関わるIL-23を選択的に阻害する。Lancet誌オンライン版2018年8月7日号掲載の報告。