アレルギー科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:24

軽症喘息へのSMART療法 vs.ブデソニド維持療法/NEJM

 軽症喘息患者に対する52週間の治療において、ブデソニド・ホルモテロール配合剤(商品名:シムビコート)の頓用はブデソニド維持療法(1日2回投与)と比較し、重症喘息増悪の発生という点では非劣性が認められたが、症状の改善は劣っていた。ただし、ブデソニド・ホルモテロール頓用患者では吸入ステロイド薬(ICS)の使用量がブデソニド維持療法患者の約4分の1であった。南アフリカ・ケープタウン大学のEric D. Bateman氏らが、軽症喘息患者を対象とした多施設共同無作為化二重盲検第III相試験「Symbicort Given as Needed in Mild Asthma 2(SYGMA2)」試験の結果を報告した。軽症喘息患者は、発作時に短時間作用性β2刺激薬(SABA)の吸入を用いることが多く、ICS維持療法のアドヒアランスは不良である。即効性吸入β2刺激薬+ICSの頓用は、こうした患者の症状改善や増悪リスクに対する新たな治療法となる可能性があった。NEJM誌2018年5月17日号掲載の報告。

軽症喘息へのSMART療法は有益か/NEJM

 軽症喘息患者に対し、ブデソニド・ホルモテロール配合剤(商品名:シムビコート)の頓用は、テルブタリン頓用に比べ、喘息コントールおよび増悪リスクの軽減に優れることが示された。一方、ブデソニド維持療法(ブデソニド+テルブタリン頓用)に対しては、電子ダイアリーの週評価でみた喘息コントロールは劣性であることが示され、増悪リスクの軽減は同程度だった。増悪の頻度は、ブデソニドを含む2療法が、テルブタリンよりも低下した。また結果として、ブデソニド・ホルモテロール頓用群がブデソニド維持療法群よりも、グルココルチコイドの曝露が大幅に少なかった。カナダ・マックマスター大学のPaul M. O’Byrne氏らが、3,849例を対象に行った、52週の二重盲検無作為化比較試験の結果で、NEJM誌2018年5月17日号で発表した。

シナモンで関節リウマチ症状が緩和?

 わが国では、人口全体の0.4~0.5%、30歳以上ではおよそ1%が関節リウマチ(RA)にかかるといわれている。シナモンは、民間療法で関節炎などに使用されるが、詳細は検討されていなかった。今回、イラン・Ahvaz Jundishapur University of Medical SciencesのFarideh Shishehbor氏らの研究結果により、シナモンの摂取は、RA患者の炎症および臨床症状を改善する、安全かつ潜在的な補助的療法である可能性が示唆された。Journal of the American College of Nutrition誌オンライン版2018年5月3日号に掲載。

難治アトピー、10年ぶりの新薬に期待

 2018年5月8日、サノフィ株式会社は、アトピー性皮膚炎(AD)に関するメディアセミナーを都内で開催した。本セミナーでは、「アトピー性皮膚炎初の生物学的製剤『デュピクセント(一般名:デュピルマブ)』治験のご報告~深刻な“Disease Burden”(疾病負荷)からの解放をめざして~」をテーマに、AD患者の経験談、新薬が拓くAD改善の可能性、治療の展望などが語られた。

アトピー性皮膚炎の重症化にTLR2が影響か?

 アトピー性皮膚炎(AD)患者の皮膚には、疾患を重症化させる黄色ブドウ球菌が存在し、それは高度なコロニー形成によりヒト微生物叢のバランスを崩壊させる。ドイツ・ボン大学の岩本 和真氏らによる検討で、アトピー性皮膚炎患者ではTLR2を介した黄色ブドウ球菌由来シグナルの感知が、ランゲルハンス細胞(LC)で強く障害されていることが示唆された。著者は、「この現象は、アトピー性皮膚炎では免疫デビエイションと黄色ブドウ球菌の除去不足が影響している」とまとめている。Allergy誌オンライン版2018年4月19日号掲載の報告。

シラカバ花粉関連食品がアトピー性皮膚炎の湿疹増悪に影響か

 ドイツ・ハノーバー医科大学のAnja Wassmann-Otto氏らによる、二重盲検食物負荷試験(DBPCFC)の後ろ向き研究によって、アトピー性皮膚炎(AD)でカバノキ科(シラカバ)の花粉感作に関連する患者では、シラカバ花粉関連食品の摂取が湿疹増悪の誘因と考えるべきであることが示された。これまでの研究で、同様の所見は示されていたが、議論の余地が残されていた。なお今回の結果について著者は、「遅発性湿疹反応を予測する十分なマーカーがまだ不足しているので、ADを有する患者のシラカバ花粉関連食品に対する診断において、DBPCFCに代わる手法はない」と述べている。Allergy誌オンライン版2018年4月13日号掲載の報告。