泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:78

転移性前立腺がんの間欠的アンドロゲン除去療法、持続的投与に対する非劣性示せず/NEJM

 ホルモン感受性の転移性前立腺がんの治療において、抗アンドロゲン薬の間欠的投与は持続的投与に対し、全生存期間(OS)に関して非劣性ではないことが、米国・ミシガン大学のMaha Hussain氏らの検討で明らかとなった。現在の標準治療である持続的アンドロゲン除去療法は高い奏効率をもたらすが、ほとんどの患者が去勢抵抗性(アンドロゲン非依存性)となり、OS中央値は2.5~3年とされる。間欠的投与はアンドロゲン依存性の期間を延長させる可能性があり、持続的投与に比べ投与期間が短縮するためQOLの改善も期待できると考えられていた。NEJM誌2013年4月4日号掲載の報告。

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の治療に新たな選択肢

 結節性硬化症は、遺伝子(TSC1、TSC2)の異常により、全身に良性の腫瘍が形成され、それに伴い、さまざまな症状が引き起こされる遺伝性の希少疾患である。胎児期から成人まで、年齢に応じて特徴的な腫瘍がさまざまな部位に発生するため、それぞれの腫瘍に対してすべて1つの科で診療することはできず、小児から成人に至る過程で発生する腎血管筋脂肪腫などを見逃す可能性がある。その現状と課題について、ノバルティス ファーマ メディアフォーラム(2013年2月26日開催)にて、大阪大学泌尿器科 教授 野々村 祝夫氏が講演した。その内容をレポートする。

紅茶・コーヒーの摂取量と前立腺がんリスクの関係

 近年、紅茶やコーヒーの摂取と前立腺がんリスク低下が関連付けられている。オランダ・マーストリヒト大学のMilan S. Geybels氏らは、米国ワシントン州キング郡におけるケースコントロール研究で、紅茶・コーヒーの摂取と前立腺がんリスクとの関連を検討した。その結果、紅茶の摂取と前立腺がんリスクの低下との関連性が認められ、コーヒーの摂取については関連が認められなかったことが報告された。Cancer Causes Control誌オンライン版2013年2月15日号の掲載報告。

前立腺全摘除術vs. 放射線療法、15年後の機能的アウトカムは有意差なし/NEJM

 限局性前立腺がんで前立腺全摘除術を受けた患者と放射線療法を受けた患者の機能的アウトカムについて、15年の長期にわたる追跡の結果、両群で有意な差はみられなかったことが示された。米国・ヴァンダービルト大学のMatthew J. Resnick氏らが、Prostate Cancer Outcomes Study(PCOS)の被験者データを解析した結果で、NEJM誌2013年1月31日号で発表した。

腎同種移植片拒絶反応の未知の表現型を同定、高い移植片喪失リスク示す/Lancet

 フランス国立保健医学研究所(INSERM)のCarmen Lefaucheur氏らの研究グループは、腎同種移植片の拒絶反応の未知の表現型として、「抗体関連型血管性拒絶反応(antibody-mediated vascular rejection:ABMR/V+)」を同定したことを、Lancet誌2013年1月26日号(オンライン版2012年11月23日号)で報告した。このタイプの拒絶反応は全体の約2割を占め、移植片喪失リスクが既知のタイプの拒絶反応に比べて高いこともわかった。現在の国際分類では2つの急性拒絶反応の表現型(T細胞関連型拒絶反応、抗体関連型急性拒絶反応)が示されているが、表現型とアウトカムの臨床的関連は複雑なため、その同定は困難であり、見逃されている表現型が治療に直接悪影響を及ぼしている可能性があるという。

間欠自己導尿カテーテル、タイプ別に比較した尿路感染症リスクの発生/BMJ

 在宅患者にとって、間欠自己導尿カテーテルのタイプは、親水性、ゲルリザーバー、非コートタイプのいずれでも、症候性のカテーテル関連尿路感染症のリスクはほとんど差がないことを、英国・National Clinical Guideline CentreのSarah L Bermingham氏らがシステマティックレビューによるメタ解析を行い報告した。尿道カテーテルを利用している人の罹病状態や死亡の原因の先頭に立つのがカテーテル関連尿路感染症である。感染リスクは留置カテーテル処置患者で最も高く、膀胱管理には間欠導尿が好ましいオプション処置とされているが、これまで、その材質や方法論について、有効性と費用対効果の系統的比較は行われていなかった。BMJ誌2013年1月13日号(オンライン版2013年1月8日号)の掲載報告。