泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:61

アテゾリズマブ、白金化学療法不適格の尿路上皮がん1次治療に承認:FDA

 ロシュ社は2017年4月18日、米国食品医薬品局(FDA)がプラチナベース化学療法不適格の局所進行または転移性尿路上皮がん患者に対するアテゾリズマブの投与について、迅速承認したことを発表した。アテゾリズマブは、プラチナベース化学療法歴のある局所進行または転移性尿路上皮がん患者への投与について、既に承認を取得していたが、今回はプラチナベース化学療法不適格に対する1次治療での承認。

抗うつ薬使用患者で注意すべきOAB、薬剤間で違いも

 これまで、抗うつ薬を使用した女性患者における過活動膀胱(OAB)について調査されていた。OABに対する抗うつ薬の影響および男女の泌尿器系生理学(解剖学、ホルモン)の相違に関して、文献の矛盾するデータに基づき、トルコ・トラキア大学のVolkan Solmaz氏らは、抗うつ薬を使用した男性患者におけるOABを調査した。International neurourology journal誌2017年3月24日号の報告。

PSA監視療法は手術、放射線治療よりも短期的にはQOLで優位(解説:榎本 裕 氏)-666

限局性前立腺がんの治療は大きく変化している。手術では、より侵襲の少ないロボット支援前立腺全摘除術(RARP)が普及している。放射線治療では、強度変調放射線照射(IMRT)によってより安全に高線量照射が可能になり、有害事象を増やすことなく治療成績が向上した。一方で、PSA監視療法(AS)は低リスク症例を中心に限局性前立腺がんの管理方法としての地位を確かなものにしている。

前立腺がんの3つの治療戦略、QOLに差はあるか/JAMA

 局所前立腺がんの3つの治療戦略(根治的前立腺全摘除術、外部照射療法、小線源療法)は、有害事象の発現パターンがさまざまであり、積極的監視療法と比較して2年後のQOLにほとんど差はないことが、米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のRonald C Chen氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2017年3月21日号に掲載された。前立腺がん患者の余命は延長しており、個々の治療選択肢のQOLへの影響は、患者の意思決定プロセスにおける中心的な関心事項となっている。

抗精神病薬の性機能障害、プロラクチンへの影響を比較

 抗精神病薬に共通してみられる性機能障害は、ドパミンアンタゴニスト作用やプロラクチン上昇によって引き起こされる可能性がある。米国・カリフォルニア大学アーバイン校のSteven G Potkin氏らは、18~60歳の統合失調症患者を対象とし、ドパミンD2受容体パーシャルアゴニストであるアリピプラゾールの月1回400mg製剤(AOM400)が、ドパミンD2受容体アンタゴニストであるパリペリドンパルミチン酸エステル(PP)と比較し、Heinrichs-Carpenter QOLスコア(QLS)において非劣性と優位性を示したとするランダム化研究、QUALIFYの結果を解析した。International clinical psychopharmacology誌2017年5月号の報告。

ペムブロリズマブ、進行性尿路上皮がんの2次治療でOS延長/NEJM

 進行性尿路上皮がんの2次治療において、免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)は化学療法に比べ全生存(OS)期間を延長し、治療関連有害事象も少ないことが、米国・ダナ・ファーバーがん研究所のJoaquim Bellmunt氏らが実施したKEYNOTE-045試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2017年2月17日号に掲載された。本症の標準的1次治療はプラチナ製剤ベースの化学療法であるが、国際的に承認された標準的な2次治療はなく、2次治療のOS期間中央値は6~7ヵ月にすぎない。ペムブロリズマブはPD-1のヒト型モノクローナルIgG4κアイソタイプ抗体であり、第Ib相試験(KEYNOTE-012試験)および第II相試験(KEYNOTE-052試験)で本症への腫瘍縮小効果が確認されている。

乾癬とアトピー性皮膚炎、EDリスクとの関連は?

 乾癬は心血管疾患のリスクを高めるが、アトピー性皮膚炎については明確になっていない。一方、冠動脈疾患のリスクマーカーとして、勃起障害(ED)を使用できることは確立されている。そこで、デンマーク・コペンハーゲン大学のAlexander Egeberg氏らは、乾癬、あるいはアトピー性皮膚炎を有する男性におけるEDの罹患率、有病率とリスクを調べた。その結果、乾癬を有する男性においてEDの有病率およびリスクの増加が認められた一方、アトピー性皮膚炎の男性では、EDリスクは一般集団と同等(あるいはわずかに低い程度)であった。Journal of Sexual Medicine誌オンライン版2017年1月18日号掲載の報告。

精神的苦痛は発がんリスクを増大/BMJ

 精神的苦痛(うつ、不安の症状)が重くなるほど、大腸がんや前立腺がんのリスクが高まり、精神的苦痛は発がんの予測因子となる可能性があることが、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのG David Batty氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2017年1月25日号に掲載された。精神的苦痛とがんとの関連については、(1)精神的苦痛に繰り返し曝されるとナチュラルキラー細胞の機能が喪失して腫瘍細胞の増殖を招く、(2)うつ症状は視床下部-下垂体-副腎系の異常をもたらし、とくにホルモン関連がんの防御過程に不良な影響を及ぼす、(3)苦痛の症状は、喫煙、運動不足、食事の乱れ、肥満などの生活様式関連のリスク因子への好ましくない影響を介して、間接的に発がんの可能性を高めるなどの機序が提唱されている。