呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:337

期待のがん悪液質治療薬ONO-7643、第II相試験の結果は?

 がん悪液質はがん患者の70%に発現し、とくに進行非小細胞肺がん患者で多く認められる。がん悪液質は複合的な代謝疾患であり、食欲不振および筋肉減少を主体とした体重減少を特徴とし、がん患者のQOLおよび予後を悪化させる。さらに進行すると難治性悪液質となり、PS不良や治療抵抗性を示し、生命予後3ヵ月未満と非常に重篤な状態になる。しかしながら、現在は有効な治療方法が存在しない。

扁平上皮NSCLCの1次治療に新たなプラチナ・ダブレット

 扁平上皮がんは肺がんの20~30%にみられる。しかし、進化著しい非扁平上皮がんの治療に比べて、扁平上皮がん治療の進歩は遅れている。こうした中、2015年11月26日から開催された第56回日本肺癌学会プレナリーセッションにおいて、名古屋医療センターの坂 英雄氏が、扁平上皮NSCLC1次治療の新たな選択肢としてネダプラチン併用レジメンの有用性を検討したWJOG5208L試験の結果を報告した。

EGFR-TKI耐性肺がんの再生検 その現状

 EGFR-TKI耐性非小細胞肺がん(以下、NSCLC)に有効な第3世代EGFR-TKIの登場で、耐性獲得後の遺伝子変異が治療方針に大きな影響を及ぼすこととなり、同時に耐性獲得時の再生検も重要性が増すことになる。再生検は、診断時生検に比べ手技的難易度が高いといわれるものの、その実施状況についての情報は少ない。そのような中、2015年11月26日から開催された第56回日本肺癌学会において、EGFR-TKI耐性NSCLCの再生検が大きく取り上げられた。

COPD治療の新薬スピオルト レスピマット12月に発売

 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:青野吉晃、以下「日本ベーリンガーインゲルハイム」)は2015年11月26日、慢性閉塞性肺疾患の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解(長時間作用性吸入抗コリン剤および長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)の効能・効果で薬価基準に収載されたスピオルト レスピマット28吸入(一般名:チオトロピウム臭化物水和物/オロダテロール塩酸塩製剤)(以下、スピオルト)を、12月3日に発売すると発表した。

FDA、第3世代TKI(AZD9291)を承認

 アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者[CEO]:パスカル・ソリオ、以下、アストラゼネカ)は、2015年11月13日、AZD9291(商品名:TAGRISSO)80mg錠が、EGFR-TKIによる治療後に病勢進行した転移 EGFR T790M変異陽性非小細胞肺がん(以下、NSCLC)の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)から承認を取得したと発表。AZD9291はFDAにより、迅速審査、画期的治療薬、優先審査および迅速承認のステータスを付与されていた。

インフルエンザ関連肺炎による入院に対する予防接種の効果は?(解説:小林 英夫 氏)-451

かつて本邦では予防接種不要論を唱える向きもあったが、CDCもWHOもインフルエンザ予防接種を推奨し、2015年には本邦でも4価インフルエンザワクチンが導入されている。すでに接種が有効か無効かを議論する時期ではなく、どのような接種対象者にどのような有用性が高いのかを検討していく段階になっている。たとえば本邦では、2009年まで妊婦への接種が推奨されていなかったことも記憶に新しい。未解決点が存在する理由として、インフルエンザ疫学研究における多くのバイアスの介在が挙げられる。対象集団設定、流行規模、抗原変異など、さまざまな因子を一定化することは困難であり、多数の研究を蓄積していくことでしか解決はなしえない。

遺伝子変異陽性NSCLCに分子標的薬+抗がん剤治療

 日本イーライリリー株式会社は2015年11月13日、都内でプレスセミナー「非小細胞肺がん治療の現状と今後の展望」を開催した。演者である和歌山県立医科大学 呼吸器内科・腫瘍内科 教授の山本信之氏は、その中で、EGFR変異陽性非小細胞肺がん(以下、NSCLC)における分子標的治療薬と抗がん剤の併用の可能性について、以下のように解説した。