呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:231

Withコロナの夏に5つの提言/日本感染症学会・日本救急医学会・日本臨床救急医学会・日本呼吸器学会

 本格的な夏の到来を控え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防でのマスク着用により、例年以上の熱中症被害が危惧されている。  そこで、日本救急医学会の呼びかけにより、日本感染症学会・日本救急医学会・日本臨床救急医学会・日本呼吸器学会の4学会で構成するワーキンググループが組織され、「『新型コロナウイルス 感染症の流行を踏まえた熱中症予防に関する提言』について」が発表された。  同提言では、感染対策としての換気やマスク着用の重要性、熱中症対策としてのエアコン使用やマスクを外す必要性との両立など、夏季を迎えて注意するポイントをまとめている。

FDA、EGFR変異陽性肺がんに対するラムシルマブとエルロチニブの併用の1次治療を承認/イーライリリー

 イーライリリーは、2020年5月29日、米国食品医薬品局(FDA)がEGFR遺伝子変異を有する進行非小細胞肺癌(NSCLC)患者への1次治療に対して、ラムシルマブとエルロチニブの併用療法を承認したと発表。ラムシルマブとエルロチニブ併用療法はEGFR遺伝子変異陽性の進行NSCLCにおいて、FDAが承認した初めてで唯一の抗VEGFR/EGFR-TKI併用療法。今回の承認は、無作為化二重盲検プラセボ対照国際共同第III相試験であるRELAY試験から得られた有効性および安全性に基づいている。

COVID-19による静脈血栓症、入院前に発症か/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症患者では、Dダイマーと凝固系での凝固促進変化、この感染症に関連する静脈および動脈血栓症の上昇率が報告されている。現時点でのさまざまな論文報告によると、ICUに入室したCOVID-19患者の死亡率は50%と高い。とくに動脈・静脈での血栓イベント発症の報告は多く、末梢静脈血栓塞栓症は27~69%、肺塞栓症は最大23%も発生している。  フランス・CCNのJulien Nahum氏らが観察研究を行った結果、深部静脈血栓症の発症割合は79%と高く、早期発見と抗凝固療法を迅速に開始することで予後を改善する可能性が示唆された。また、抗凝固薬を予防投与したにもかかわらず、ICU入室後わずか2日で患者の15%が深部静脈血栓症を発症したことから、COVID-19のICU患者すべてにおいて系統的に抗凝固療法を評価する必要があるとしている。JAMA Network Open 2020年5月29日号のリサーチレターに報告した。

COVID-19治療薬、ヒドロキシクロロキンに乾癬発症のリスク?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬として期待された抗マラリア薬ヒドロキシクロロキン(HCQ)について、乾癬の発症・増悪・再発を誘発する可能性があることを、カナダ・トロント大学のMuskaan Sachdeva氏らが示した。乾癬に関連したHCQ治療の重大な影響を調べた試験報告を統合したシステマティックレビューの結果に基づくもので、著者は、「COVID-19患者へのHCQ治療においては、その重大な影響をモニタリングする必要がある。また、安全性プロファイルを明らかにする臨床試験の実施が不可欠だ」と述べている。HCQはCOVID-19患者のウイルス量を低減する可能性が示された一方で、治療の影響と思われる重大な皮膚有害事象の症例報告が複数寄せられていた。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2020年5月19日号掲載の報告。

中国発・COVID-19ワクチン、接種28日後に免疫原性を確認/Lancet

 遺伝子組み換えアデノウイルス5型(Ad5)をベクターとして用いた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンは、健康成人に接種後28日の時点で免疫原性を示し、忍容性も良好であることが、中国・江蘇省疾病管理予防センターのFeng-Cai Zhu氏らがヒトで初めて行った臨床試験で明らかとなった。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2020年5月22日号に掲載された。2020年5月20日現在、215の国と地域で470万人以上が重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に感染し、31万6,000人以上が死亡したとされる。有効な予防策がない中で、現在、集団発生を抑制する方法として、検疫、隔離、身体的距離の保持(physical distancing)などが行われているが、SARS-CoV-2感染に伴う死亡や合併症の膨大な負担を軽減するには、有効なワクチンの開発が急務とされる。

電子タバコ/vaping製品の安全性が担保されていないこと/急増する電子タバコ関連肺損傷を周知し、安易に手を出すことを慎もう!(解説:島田俊夫氏)-1240

紙巻きタバコが有害なことはこれまでの多くの研究から生活習慣病の悪習の一因として周知されており、紙巻きタバコはあらゆるがんの発生や動脈硬化の促進に関与していることは周知の事実である。さらに、心血管障害の大きなリスク因子としてのみならず、感染症に対して免疫力の低下をもたらすこともわかってきており、生活習慣病の大きな病因と見なされるようになっている。喫煙者が禁煙したいと思う気持ちをもてあそび、禁煙のために紙巻きタバコ代替品に安易に飛び付くように仕向けられた誇大広告により電子タバコ/vaping製品を使用する禁煙志願者が増加している。

COVID-19感染のがん患者、重症化しやすく複数のリスク因子/Lancet Oncol

 がん患者がCOVID-19に感染した場合に非がん患者よりも重症化する可能性が高く、複数のリスク因子があることが、中国・華中科技大学(武漢)のJianbo Tian氏らによる多施設共同の後ろ向きコホート研究で示された。Lancet Oncology誌オンライン版2020年5月29日号掲載の報告。  2020年1月13日~3月18日に武漢の9病院に入院した、がん患者232例と非がん患者519例を比較した。いずれも18歳以上、PCR検査でCOVID-19陽性と判定されていた。がん患者のがん種は固形がんおよび血液がんだった。年齢、性別、併存症、がん種、病歴、がん治療期間を調整した単変量および多変量ロジスティック回帰分析を行い、COVID-19重症度に関連するリスク因子を調査した。COVID-19の重症度はWHOガイドラインに基づいて入院時に定義された。

COVID-19診療に医学書出版社が支援/日本医書出版協会

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により学術集会で新刊書の購入もままならない昨今、わが国の医学書出版社で構成される「日本医書出版協会」は、同協会の会員各社がサイトで無償公開しているCOVID-19関連の書籍、雑誌の論文や記事、Web情報などを一元的に閲覧できるページを開設した。  具体的に公開されているコンテンツは、書籍、論文など約60コンテンツにのぼり、初出年月の新しい順に掲載されている(一部、会員登録が必要なコンテンツもある)。  ホームページでは、COVID-19の診療に携わる医療者に感謝を述べるとともに、診療への支援に役立てほしいと述べている。

新型コロナは日常診療にどう影響?勤務医1,000人に聞いたストレス・悩みの理由

 2020年初頭から続いたCOVID-19の感染拡大は、ようやく鈍化傾向を見せ始めた。各地で出されていた緊急事態宣言が先月までに相次いで解除となり、社会が“これまでの日常”に戻るべく動き出しているが、医療現場では依然、緊張した対応を迫られる状況が続いている。ケアネットでは、医師会員を対象に、コロナ対応を巡る経営・組織・心理面での影響についてアンケート調査を実施し、1,000人から回答を得た。  調査は、2020年5月16~22日、ケアネット会員のうち勤務医を対象にインターネット上で実施した。回答者の内訳は、年代別では30代が最も多く(32%)、40代(31%)、50代(23%)、60代以上(14%)だった。勤務先における立場は、「一般スタッフ」が最も多く(578人、58%)、次いで「部下6人以上のマネジメント層」(241人、24%)、「部下5人以下のマネジメント層」(181人、18%)だった。病床数別では、200床以上が77%で最も多く、100~199床(15%)、20~99床(8%)という順だった。なお今回のアンケート結果は、COVID-19感染者数が多かった地域のうち、9都府県(埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡)で勤務する医師にご協力いただいたものである。

COVID-19へのヒドロキシクロロキン、死亡・心室性不整脈が増加か/Lancet

※本論文は6月4日に撤回されました。  新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者へのヒドロキシクロロキンまたはクロロキン±第2世代マクロライド系抗菌薬による治療は、院内アウトカムに関して有益性をもたらさず、むしろ院内死亡や心室性不整脈のリスクを高める可能性があることが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のMandeep R. Mehra氏らの調査で示された。研究の成果は2020年5月22日、Lancet誌オンライン版に掲載された。抗マラリア薬クロロキンと、そのアナログで主に自己免疫疾患の治療薬として使用されるヒドロキシクロロキンは、多くの場合、第2世代マクロライド系抗菌薬との併用でCOVID-19治療に広く用いられているが、その有益性を示す確固たるエビデンスはない。また、これまでの研究で、このレジメンは心血管有害作用としてQT間隔延長をもたらし、QT間隔延長は心室性不整脈のリスクを高める可能性が指摘されている。