放射線科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:18

腰椎穿刺後の合併症リスク、非外傷性針 vs.従来針/Lancet

 腰椎穿刺を非外傷性針で受けた患者は、従来針で受けた患者と比べて、穿刺後の頭痛の発生率が低く、追加治療のための入院の必要性が少なく、有効性については同等であるとの結果が、カナダ・マックマスター大学のSiddharth Nath氏らによるシステマティックレビューとメタ解析で示された。非外傷性針は、腰椎穿刺後の合併症低減のために提案されたが、依然として臨床での採用は低調なままであるとの調査結果が示されている。Lancet誌オンライン版2017年12月6日号で発表された。

MRIに示された宇宙飛行士の脳構造に対する宇宙飛行の影響(中川原譲二氏)-778

米国・サウスカロライナ医科大学のDonna R Roberts氏らの研究者は、MRIを用いて宇宙飛行士の脳構造に対する宇宙飛行の影響について検討し、長時間飛行後の宇宙飛行士においては、中心溝の狭小化、脳の上方へのシフト、頭頂での脳脊髄液(CSF)スペースの狭小化が、頻繁に生じることを報告した。これらの所見は、無重力下で生じる視力障害や頭蓋内圧症候群(visual impairment and intracranial pressure(VIIP)syndrome)に関連する脳構造の変化として注目される。

出血こそが問題なのだ:減量のメリット(解説:後藤信哉氏)-775

欧米では動脈硬化の初期症状として、冠動脈疾患が出現することが多い。アジア人では脳血管疾患が多いが、脳血管疾患は梗塞と出血の境界線が明確でないので抗血栓薬の開発は困難である。出血合併症の多い抗凝固薬が、血栓イベントの既往のない非弁膜症性心房細動に使用されているのは筆者には奇異であるが、ランダム化比較試験のエンドポイントとされた脳卒中と臨床家が恐れる心原性脳塞栓を混同させたマーケット戦略、巨大企業による徹底した情報管理の勝利であった。しかし、第III相試験にて示されたDOACによる年率3%の重篤な出血合併症は実臨床においても事実であろうから、特許切れまで企業が情報管理を継続できるか否かには疑問も残る。

リバーロキサバン、下肢末梢動脈疾患に効果/Lancet

 安定末梢動脈/頸動脈疾患患者に対する1日2回投与の低用量リバーロキサバン(商品名:イグザレルト)+アスピリン1日1回の併用投与は、アスピリン単独投与に比べ、主要有害心血管・下肢イベントリスクを有意に低減することが、カナダ・マックマスター大学のSonia S. Anand氏らによる無作為化プラセボ対照二重盲検試験で示された。大出血は増大したが、致死的出血や重大臓器の出血は増大せず、著者は、「この併用療法は、末梢動脈疾患患者の治療において重大な進化を意味するものだ」と述べている。なお、リバーロキサバン単独(5mg)ではアスピリン単独と比べて、主要有害心血管イベントは有意に低減せず、主要有害下肢イベントは低減したが大出血の増大が認められたという。Lancet誌オンライン版2017年11月10日号掲載の報告。

宇宙飛行が脳に与える影響は?/NEJM

 宇宙飛行が、脳の解剖学的構造および髄液腔へ与える影響を、MRIを用いて調べる検討が、米国・サウスカロライナ医科大学のDonna R Roberts氏らにより行われた。同影響に関する情報が限られている中で、研究グループは宇宙飛行士の長・短期ミッション前後の脳を調査した。その結果、主に長期飛行後の宇宙飛行士で、脳の中心溝の狭小化および上方偏位と、頭頂部髄液腔の狭小化が、高頻度に認められたという。所見を踏まえて著者は、「地球帰還後の飛行後画像診断を繰り返し行うなど、さらなる調査を行い、これらの変化がどれくらいにわたるものなのか、また臨床的意味について確認する必要がある」と述べている。NEJM誌2017年11月2日号掲載の報告。

乳房部分照射単独の有効性を明らかにした重要な報告(解説:矢形 寛 氏)-731

本報告では、閉経後女性で、比較的低リスクの乳がん、2mm以上の断端陰性を確保した場合に、部分照射の適応となっている。実際、大部分が腫瘍グレード2以下、リンパ節転移陰性、ホルモン受容体陽性、HER2陰性である。そのため、化学療法はほとんどの例で行われておらず、内分泌療法のみである。

大腿静脈カテーテル、望ましい穿刺位置と肢位は?

 大腿静脈カテーテル挿入は、血管の断面積(CSA)が大きな部位で行うと合併症リスクが減少する可能性がある。今回、ポーランド・Maria Sklodowska-Curie Memorial Cancer CenterのDorota Czyzewska氏らが、3つの肢位で2部位の右大腿静脈のCSAを調べたところ、肢位は開排位において最大であり、部位については性別で異なることが示された。PLOS ONE誌2017年8月14日号に掲載。

乳房温存術後の放射線照射、全乳房vs.部分vs.減量/Lancet

 早期乳がんに対する乳房温存術後の放射線療法において、乳房部分照射単独あるいは減量全乳房照射+乳房部分照射は、標準的な全乳房照射に対し5年同側乳房再発率に関して非劣性であることが検証され、有害事象も同等または少ないことが確認された。英国・ケンブリッジ大学のCharlotte E. Coles氏らが、同国放射線治療センター30施設で実施した第III相多施設共同無作為化試験「IMPORT LOW」の5年追跡結果を報告した。著者は、「この方法は難しくなく、世界中の放射線治療センターで実施可能である」とまとめている。Lancet誌オンライン版2017年8月2日号掲載の報告。

整形内科が診る腰痛、肩こり、五十肩

 2017年7月2日、コニカミノルタジャパン株式会社 ヘルスケアカンパニーは、都内において白石 吉彦氏(島根県 隠岐島前病院 院長)を講師に迎え、「外来超音波診療-腰痛 肩こり 五十肩のみかた-」をテーマに医師向けのセミナーを開催した。当日は、全国から100名近い医師が参加した。セミナーでは、事前アンケートで要望の多かった「腰痛、肩こり、五十肩」の3つに焦点をあて、動作分析による発痛源検索、超音波検査(以下「エコー」)を使用した圧痛点の確認方法、エコーでの筋肉同定、エコーガイド下注射の手技、針先描出などが説明された。

高濃度乳房における超音波検査の有効性/乳癌学会

 マンモグラフィによる乳がん検診では、高濃度乳房で診断精度が低下することが問題視されている。一方、超音波検査は乳房構成に影響されずに腫瘍を描出できるため、マンモグラフィの弱点を補完できるものとして期待される。高濃度乳房の多い若年者(40代女性)の診断性向上を目指し、J-START試験が行われている。このJ-START試験の宮城県におけるコホートを解析した結果が、第25回日本乳癌学会学術総会において、東北大学 乳腺内分泌外科・東北医科薬科大学 乳腺・内分泌外科の鈴木 昭彦氏により発表された。