抗うつ薬切替のベストタイミングは? うつ病における薬物治療では、第一選択薬の使用で奏功しない場合も多く、次の薬剤への切り替えはしばしば行われる。しかし、どのタイミングで切り替えを行えばよいかについては確立されていない。Romera氏らは大うつ病患者における抗うつ薬を切り替える最適なタイミングを明らかにするための検討を行った。J Clin Psychopharmacol誌2012年8月号の報告。
慢性期統合失調症患者に新たな一手!「高酸素吸入療法」 神経障害に対する高酸素療法については、いくつかの研究で肯定的な結果が示されている。また、統合失調症患者では脳への酸素供給を増加させることにより、ミトコンドリア機能障害によるエネルギー代謝障害や前頭葉機能低下が改善される可能性がある。Bloch氏らは統合失調症の有用な治療法として高酸素吸入療法が選択肢となりうると考え、検討を行った。J Clin Psychopharmacol誌2012年8月号の報告。
心不全患者への有酸素運動指導、うつ症状を軽減 慢性心不全患者に対し、有酸素運動指導を行うことで、うつ症状が有意に軽減することが示された。また長期の総死亡・入院リスクについても、わずかな低下が認められた。米国・デューク大学メディカルセンターのJames A. Blumenthal氏らが、約2,300人について行った無作為化比較試験の結果明らかにしたもので、JAMA誌2012年8月1日号で発表した。心不全患者でうつ症状が認められるのはその4割にも上り、またうつ症状がアウトカムの増悪につながることが、これまでの研究でわかっているという。
高齢者のQOL低下に深く関わる「うつ」 高齢になればなるほど、生活の質(QOL)が低下することがわかっている。とくに認知症患者では、顕著なQOL低下をきたす。Weiss氏らは各ステージのアルツハイマー型認知症(AD)患者、軽度認知障害(MCI)患者、健常高齢者のQOLを評価し、高齢者におけるQOLの予測因子についてうつ病など気分障害が関与していることを報告した。Neuropsychiatr誌オンライン版2012年7月27日号の報告。
ゲームのやり過ぎは「うつ病」発症の原因か?! ここ10年の間にオンラインゲームは急速に広まり、それに伴うさまざまな問題に注目が集まっている。しかしながら、過度なオンラインゲームの利用が精神症状に与える影響に関する報告は多くない。Wei氏らはインターネット調査によりオンラインゲーマーの特性を明らかにし、オンラインゲーム利用時間と社会不安障害、うつ病との関係を検証した。BMC Psychiatry誌オンライン版2012年7月28日号の報告。
日本人薬物乱用者の自殺リスクファクターは「低年齢」「女性」 世界各国で深刻な社会問題となっている薬物乱用。日本においても例外ではなく、とくに若年層を中心に薬物乱用が浸透しているのが現状である。また、自殺者が薬物乱用の問題を抱えていることも少なくないと言われている。国立精神・神経医療研究センター 松本氏らは、日本人薬物乱用者における自殺のリスクファクターと性別による違いを明らかにするため検討を行った。Psychiatry Clin Neurosci誌2012年8月号の報告。
下痢型過敏性腸症候群治療剤「YM060」口腔内崩壊錠、国内承認申請 アステラス製薬は8日、下痢型過敏性腸症候群治療剤「イリボー錠」の追加剤形として開発しているYM060(一般名:ラモセトロン塩酸塩)口腔内崩壊錠に関し、男性における下痢型過敏性腸症候群の効能・効果について厚生労働省に承認申請を行ったと発表した。
がん患者のせん妄治療に有効な抗精神病薬は… 入院がん患者ではせん妄を発症することは少なくない。せん妄の治療においては、しばしば抗精神病薬が用いられる。日本医科大学武蔵小杉病院 岸氏らは、非定型抗精神病薬であるリスペリドンのがん患者のせん妄に対する有効性を検証するとともに、重症度による評価を行った。Psychiatry Clin Neurosci誌オンライン版2012年8月号の報告。
ドネペジル「新たな抗血管新生治療」の選択肢となりうるか? ドネペジルは可逆的アセチルコリンエステラーゼ阻害薬であり、アルツハイマー病(AD)患者に使用される。最近の研究では、ドネペジル治療により末梢血単核球(PBMC)で炎症性サイトカインの産生を抑制することが報告されている。また、筋組織に由来する炎症性サイトカインが、下肢虚血モデルにおいて血管新生に重要な役割を果たすとの報告もある。九州大学 宮崎氏らは片側大腿動脈結紮にて作成した下肢虚血モデルマウスを用い、ドネペジルの虚血下肢での血管新生に及ぼす影響を検証した。Clin Sci (Lond)誌2012年8月号の報告。
「第二世代抗精神病薬」長期投与の課題は… 一般的に、抗精神病薬による代謝系の副作用は、第一世代抗精神病薬と比較し、第二世代抗精神病薬でより顕著に認められる。Schreiner氏らは代表的な第二世代抗精神病薬であるパリペリドンとオランザピンが、統合失調症患者の代謝系へ及ぼす影響と臨床効果を長期的に比較検討した。J Clin Psychopharmacol誌2012年8月号の報告。