精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:373

アルツハイマー型認知症治療薬ガランタミン、緑内障治療に有望!?

 アセチルコリンエステラーゼ阻害薬ガランタミンが緑内障治療に有望であることが、カナダ・モントリオール大学のMohammadali Almasieh氏らにより報告された。緑内障における網膜微小血管系および網膜神経節細胞(RGC)消失の状況を検討した結果、早期からこれら両方の消失が同時に生じており、ガランタミンの投与により、血管密度の維持および網膜血流の改善が認められることを報告した。Investigative Opthalmology&Visual Science誌2013年5月号の掲載報告。

身体的障害の介護施設入所者のうつ病、複合的治療プログラムで効果/Lancet

 オランダ・ナイメーヘン・ラットバウト大学メディカルセンターのRuslan Leontjevas氏らは、うつ病に対する介入プログラムとして開発された、多職種による複合的治療プログラム「Act in Case of Depression」(AiD)について、身体的障害の介護施設入所者についてはうつ病改善の効果があることを報告した。一方で、認知症の介護施設入所者のうつ病については、同プログラムによる効果は認められなかったという。約800例の介護施設入所者を対象に、stepped-wedge法による無作為化比較試験を行い明らかにしたもので、Lancet誌オンライン版2013年5月2日号で発表した。

抗てんかん薬のプラセボ効果、東アジアと欧米で地域差

 北里大学薬学部の橘 洋介氏らは、抗てんかん薬の臨床試験でみられるプラセボ効果に関与する因子について検討を行った。その結果、東アジアと欧米諸国ではプラセボ効果に差がみられること、長い罹病期間と複雑部分発作の存在がプラセボ効果の減弱に関連していることを報告した。Clinical Drug Investigation誌2013年5月号の掲載報告。

急性期精神疾患に対するベンゾジアゼピン系薬剤の使用をどう考える

 興奮を伴う急性期の精神疾患患者に対し、ベンゾジアゼピン系薬剤の使用は一般的である。オーストラリア・カンバーランド病院のDonna Gillies氏らは、急性期精神疾患に対するベンゾジアゼピン系薬剤と抗精神病薬の有用性をCochrane Schizophrenia Groupレジストリに基づくレビューにて、比較検討した。Cochrane Database of Systematic Reviewsオンライン版2013年4月30日発表の報告。

ケアホーム高齢者のうつ傾向、運動療法による介入では改善しない/Lancet

 ケアホームに入所するうつ症状を呈する高齢者に対し、中程度の強度の運動プログラムを行ったが、症状の改善は認められなかったことが、英国・ウォーリック大学のMartin Underwood氏らによる集団無作為化試験の結果、報告された。結果を踏まえて著者は「これら虚弱高齢者の精神的治療については、何か別の戦略が必要である」と指摘している。Lancet誌オンライン版2013年5月1日号掲載の報告より。

統合失調症へのアリピプラゾール持効性注射剤、経口剤との差は?

 オーストリア・インスブルック医科大学のW Wolfgang Fleischhacker氏らは、統合失調症患者の維持療法としてのアリピプラゾール持効性注射剤の月1回投与製剤(ARI-OM、国内未承認)の、長期安全性と忍容性について無作為化試験を行った。その結果、経口剤に匹敵する安全性および忍容性プロファイルが認められたことを報告した。International Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2013年4月22日号の掲載報告。

この25年間で統合失調症患者の治療や生活環境はどう変わったのか?

 統合失調症をめぐる治療については近年、入院から地域へという考え方の変化や、第二世代抗精神病薬の登場および心理・社会的介入の導入など大きな変化が起きている。英国・クライトンロイヤル病院のSomashekara Shivashankar氏らは、特定地域におけるそれら変化の影響を確認するため、過去25年間の有病率等の変化を調べた。その結果、陰性症状患者が減少する一方で陽性症状が増加している傾向が認められたが、社会的な介入機能レベルは変わっていないように見えることなどを報告した。Schizophrenia Research誌2013年5月号の掲載報告。

うつ病治療にビタミンD投与は有用か?

 近年、ビタミンD欠乏症とうつとの関連が指摘されており、賛否両論の知見が示されている。イラン・Yazd Shahid Sadoughi University of Medical SciencesのHassan Mozaffari-Khosravi氏らは、ビタミンD欠乏症を認めるうつ病患者におけるビタミンD投与の有用性を検討した。その結果、ビタミンD投与がうつ状態を改善すること、ビタミンDの用量は、15万IUよりも30万IUのほうがより有効であると報告した。Journal of Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2013年6月号の掲載報告。

抗てんかん薬によりADHD児の行動が改善:山梨大学

 抗てんかん薬治療による脳波(EEG)改善と、注意欠陥多動性障害(ADHD)児における行動改善が高い関連を示す可能性が、山梨大学小児科助教の金村 英秋氏らによる検討の結果、報告された。ADHD児46例を対象とした検討で、34.8%にEEGの突発性異常(PA)が認められたが、そのうち62.5%がバルプロ酸ナトリウム治療後にEEGの改善を示し、前頭部PAの頻度とADHD評価スケール改善との間に高い関連性があったという。Epilepsy & Behavior誌オンライン版2013年4月17日号の掲載報告。

アルツハイマー病、46.8%で不適切な薬剤が処方

 フランス・トゥールーズ大学のFrancois Montastruc氏らは、アルツハイマー病(AD)患者における潜在的に不適切な医薬品(potentially inappropriate medication:PIM)の処方実態を調べた。その結果、AD患者の2人に1人がPIMを処方されていること、そのなかでも脳血管拡張薬の頻度が多いことを報告した。そのうえで著者は、「AD患者への処方に際し、疾患特性および処方薬の薬力学/薬物動態学的プロファイルが十分に考慮されていないことも示唆された」と結論している。これまで、AD患者におけるPIMの使用に関する研究はほとんどなかった。European Journal of Clinical Pharmacology誌オンライン版2013年4月16日号の掲載報告。