精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:258

治療抵抗性統合失調症に対する電気けいれん療法とクロザピンとの併用

 韓国・Dongguk University International HospitalのJung Hyun Kim氏らは、統合失調症患者に対するクロザピンと電気けいれん療法(ECT)との併用療法の有効性および忍容性について調査を行った。Psychiatry Investigation誌2018年8月号の報告。電子カルテ(Electronic Medical Record)より、5年間のクロザピン治療を行った統合失調症患者を抽出した。精神症状に対する急性期ECTの臨床効果を調査した。また、ECTの維持療法を必要とする予測変数の同定も試みた。

薬物治療抵抗性慢性不眠症に対する認知行動療法の有効性~日本における多施設ランダム化比較試験

 不眠症は、夜間の症状と日中の障害によって特徴付けられるのが一般的である。治療では、GABA-A受容体アゴニスト(GABAA-RA)がよく用いられているが、長期使用に関しては、薬物依存や潜在的な認知障害リスクの観点から、リスク-ベネフィット比が低い。精神保健研究所の綾部 直子氏らは、薬物治療抵抗性原発性不眠症患者における認知行動療法(cognitive behavioral therapy for insomnia:CBT-I)を併用したGABAA-RA漸減療法の有効性を評価した。Sleep Medicine誌2018年10月号の報告。

うつ病治療と食事パターン

 栄養精神医学の分野は、急速に成長している。当初は、メンタルヘルスにおけるビタミンや微量栄養素の効果について焦点が当てられてきたが、ここ10年間では食事パターンにも焦点が当てられている。うつ病のような最も一般的な精神疾患において、費用対効果の高い食事療法による介入の可能性は、潜在的に大きな影響を及ぼすため見過ごされるべきではない。ポルトガル・コインブラ大学のMariana Jesus氏らは、うつ病における食事パターンの影響について検討を行った。Current Pharmaceutical Biotechnology誌オンライン版2018年9月25日号の報告。

初回エピソード精神疾患患者に対する長時間作用型抗精神病薬の有効性

 長期アウトカムに影響を及ぼす初回エピソード精神疾患(FEP)患者の治療を最適化するうえで、非定型抗精神病薬の異なる有効性プロファイルは、重要なポイントとなる。スペイン・University Hospital Marques de ValdecillaのMarcos Gomez-Revuelta氏らは、FEPに対するアリピプラゾール、ziprasidone、クエチアピン治療の臨床効果について、3年間のフォローアップのうえ、比較検討を行った。The International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2018年9月12日号の報告。

日本人小中学生のインターネット利用とうつ病や健康関連QOLとの関連

 病的なインターネット使用は、主に中学生を対象に研究されており、小学生を対象としたデータはほとんどない。弘前大学の高橋 芳雄氏らは、小中学生における、問題のあるインターネット使用状況(病的および不適切なインターネット使用を含む)とメンタルヘルスや健康関連QOLとの関連について調査を行った。Social Psychiatry and Psychiatric Epidemiology誌オンライン版2018年9月25日号の報告。

歯周炎とアルツハイマー病リスクが関連

 歯周病が、軽度認知障害(MCI)・主観的認知低下(SCD)・アルツハイマー病(AD)のリスク増加の一因となるかどうかを検証するために、スウェーデン・カロリンスカ研究所のJacob Holmer氏らが症例対照研究を実施した。その結果、辺縁性歯周炎と早期認知障害およびADとの関連が示唆された。Journal of Clinical Periodontology誌オンライン版2018年10月5日号に掲載。

日本人教師における仕事のストレスと危険なアルコール消費の性差に関する横断研究

 多くの教師は、仕事に関連するストレスや精神障害のリスクが高いといわれている。また、教師の飲酒運転や危険なアルコール消費(hazardous alcohol consumption:HAC)は、社会問題となっている。そして、燃え尽き症候群、職業性ストレス、自己効力感、仕事満足度に関する教師間の性差が報告されている。大阪市立大学の出口 裕彦氏らは、日本の教師における、認識された個人レベルの職業性ストレスとHACとの関連について性差を明らかにするため、検討を行った。PLOS ONE誌2018年9月20日号の報告。

日本人統合失調症患者の喫煙率に関する大規模コホートメタ解析

 統合失調症患者の喫煙は、世界的に一般集団と比較してより多くみられるが、日本での研究結果では矛盾が生じていた。最近では、一般集団の喫煙率は徐々に低下している。金沢医科大学の大井 一高氏らは、日本人の統合失調症患者を対象に、喫煙率の大規模コホートメタ解析を行った。The International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2018年9月17日号の報告。