腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:413

紅茶・コーヒーの摂取量と前立腺がんリスクの関係

 近年、紅茶やコーヒーの摂取と前立腺がんリスク低下が関連付けられている。オランダ・マーストリヒト大学のMilan S. Geybels氏らは、米国ワシントン州キング郡におけるケースコントロール研究で、紅茶・コーヒーの摂取と前立腺がんリスクとの関連を検討した。その結果、紅茶の摂取と前立腺がんリスクの低下との関連性が認められ、コーヒーの摂取については関連が認められなかったことが報告された。Cancer Causes Control誌オンライン版2013年2月15日号の掲載報告。

大腸3D-CT検査(CTC)vs. バリウム注腸、CTCのほうが感度が高い:SIGGAR/Lancet

 大腸がんの診断法としての大腸3D-CT検査(CT Colonography:CTC)について、バリウム注腸造影検査よりも、がん病変や≧10mmポリープの検出能が有意に高いことが、英国・University College LondonのSteve Halligan氏らによる多施設共同無作為化試験SIGGARの結果、報告された。バリウム注腸は大腸がんの診断で広く用いられているが、診断精度や被検者の受容性に対する懸念が示されている。CTCはバリウム注腸と比べると新しい大腸X線検査法で、検出能の感度が高いと考えられ、患者も好むことが試験によって示されているが、これまでCTCをバリウム注腸に代わる診断法とすべきかについて保健政策に反映するような無作為化試験は行われていなかったという。Lancet誌オンライン版2013年2月14日号掲載より。

葉酸の長期摂取、がん発症を増大も減少もせず/Lancet

 葉酸を長期にわたって摂取しても、がん発症リスクは増大も減少もしないことが、約5万人を対象にしたメタ解析の結果、示された。ノルウェー・Bergen大学のStein Emil Vollset氏らが、葉酸の心血管疾患予防効果などを調べた13の無作為化プラセボ対照試験のデータからメタ解析を行い報告したもので、Lancet誌オンライン版2013年1月25日号で発表した。葉酸の摂取は、妊婦においては生まれてくる子どもの神経管欠損症を予防することが、これまでの疫学試験で示されているが、一方でがん発症リスクとの関連が懸念されていた。

脂肪肝患者では大腸がんの肝転移が少ない!?

 脂肪肝と大腸がんはどちらもメタボリックシンドロームと関連する疾患である。肝臓は大腸がんの遠隔転移が最も多い部位だが、大腸がんの肝転移に脂肪肝が影響するかどうかは明確にされていない。  今回、東京大学腫瘍外科の室野浩司氏らは、大腸がんの肝転移と脂肪肝の有無との関連について検討した結果、脂肪肝患者のほうが肝転移が少なく、脂肪肝が肝転移の形成に不利な微小環境である可能性を報告した。また、肥満ではない脂肪肝患者では肝転移が少なく、肥満患者では有意差がなかったことから、肥満による脂肪肝とは異なり、がん細胞に対する防御反応として脂肪肝になるのかもしれないと考察している。International Journal of Colorectal Disease誌オンライン版2013年2月8日号に掲載。

前立腺全摘除術vs. 放射線療法、15年後の機能的アウトカムは有意差なし/NEJM

 限局性前立腺がんで前立腺全摘除術を受けた患者と放射線療法を受けた患者の機能的アウトカムについて、15年の長期にわたる追跡の結果、両群で有意な差はみられなかったことが示された。米国・ヴァンダービルト大学のMatthew J. Resnick氏らが、Prostate Cancer Outcomes Study(PCOS)の被験者データを解析した結果で、NEJM誌2013年1月31日号で発表した。