腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:370

ベムラフェ二ブが有毛細胞白血病に高い効果/NEJM

 プリンアナログ療法後に再燃または難治性の有毛細胞白血病(HCL)に対して、BRAF阻害薬ベムラフェニブ(HCLに対しては未承認)の16~18週投与が高い治療効果を示したことが報告された。イタリア・ペルージャ大学のEnrico Tiacci氏らがイタリアと米国の2施設で行った第II相臨床試験の結果、報告した。HCLでは遺伝子病変としてBRAF V600Eが認められることから、本検討が行われた。NEJM誌オンライン版2015年9月9日号掲載の報告より。

2価HPVワクチン、流産リスク増大の根拠なし/BMJ

 2価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの、接種後90日未満の妊娠またはあらゆる時点の妊娠への流産リスクの増大は認められないとの報告が、米国立衛生研究所(NIH)のOrestis A Panagiotou氏らにより発表された。コスタリカ単施設で行われた無作為化二重盲検比較試験の長期フォローアップ観察試験の結果、示された。ただし妊娠13~20週時の流産リスク増大が観察され、著者はこの点を踏まえて、「関連を完全にルールアウトすることはできず、詳細な調査とさらなる検討をすべきであろう」とまとめている。BMJ誌オンライン版2015年9月7日号掲載の報告。

ステージII結腸がんへの補助化学療法、再発・生存・QOLへの影響は?

 米国インディアナ大学のCari Lewis氏らは、ステージII結腸がん患者において、診断から24ヵ月にわたり補助化学療法とQOL・再発・生存との関連を検討するコホート研究を行った。その結果、ステージII結腸がんで化学療法を受けた患者は、受けなかった患者に比べ、24ヵ月後のQOL・再発・全死因死亡が不良という傾向がみられた。著者らは「今後、追跡期間の延長とともに、化学療法の種類に焦点を当てた研究が必要である」としている。Supportive care in cancer誌オンライン版2015年9月9日号に掲載。

NSCLCにおけるAZD9291の新たなエビデンス―世界肺がん学会

 アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、9月8日、2015年世界肺がん学会議において、上皮成長因子受容体変異陽性(EGFRm)進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療ならびに過去に治療歴を有する患者を対象とした、AZD9291の最新データを発表した。本データは、AURA第I相1次治療群と2本のAURA第II相試験によって得られたもの。

ベムラフェニブ、悪性黒色腫以外のBRAF V600変異陽性がんにも有効/NEJM

 ベムラフェニブ(商品名:ゼルボラフ)はBRAF V600キナーゼの選択的阻害薬で、BRAF V600変異陽性の転移性悪性黒色腫の標準治療である。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのDavid M. Hyman氏らは、今回、本薬はBRAF V600変異陽性の他のがん腫にも有効であることを確認しことを報告した。近年、BRAF V600変異は悪性黒色腫以外のさまざまながん腫で発現していることがわかっているが、半数以上は変異陽性率が5%未満であるため疾患特異的な試験を行うのは困難だという。本研究では、「basket試験」と呼ばれる新たな試験デザインが用いられている。このアプローチでは、同じバイオマーカーの発現がみられる組織型の異なる多彩ながん腫において、抗腫瘍活性のシグナル伝達の検出と薬剤感受性の評価が同時に可能で、生物統計学的デザインの柔軟性が高いため希少がんでの抗腫瘍活性の同定に有用であり、新たな治療法を迅速に評価できるとされる。NEJM誌2015年8月20日号掲載の報告より。

難治性多発性骨髄腫、新規CD38標的薬が有望/NEJM

  有効な治療選択肢がほとんどなく治療がきわめて困難な難治性の多発性骨髄腫の患者に対して、daratumumabは単剤で良好な安全性プロファイルを示し、有望な効果を発揮することが、オランダ・アムステルダム自由大学医療センターのHenk M Lokhorst氏らの検討で明らかとなった。プロテアソーム阻害薬や免疫調節薬は多発性骨髄腫の転帰を改善するが、多くの患者が再発し、再発後の予後はきわめて不良である。一方、多発性骨髄腫細胞で過剰発現がみられるCD38は、本疾患の治療標的となる可能性が示唆されている。daratumumabは、CD38を標的とするヒトIgG1κモノクローナル抗体で、前臨床試験では多彩な機序を介してCD38発現腫瘍細胞の標的細胞死を誘導することが確認されていた。NEJM誌オンライン版2015年8月26日号掲載の報告。