腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:340

小さな腫瘍の過剰検出が甲状腺がん“流行”を創出/BMJ

 韓国で起きている甲状腺がんの “流行”は、スクリーニングで、2cm未満の小さな腫瘍の過剰検出の増大によるものであることが、韓国国立がんセンターのSohee Park氏らによる全国調査の結果、明らかにされた。近年、多くの国で、死亡率にほとんど影響しない甲状腺がんの有病率増大が報告されている。甲状腺がん有病率の増大は、主に、小さな高分化型甲状腺がんの検出によるもので、有病率増大は過剰診断によるものではないかとみなされている一方で、その考え方に納得せず異議を唱える声も少なくない。韓国では1999年に10万人当たり6.3だった甲状腺がんの有病率は、2009年には47.5と7倍超に増大し、世界で最も有病率の高い国となっている。BMJ誌2016年11月30日号掲載の報告。

トリプルネガティブ乳がんにエリブリンとペムブロリズマブの併用:サン・アントニオ乳癌シンポジウム

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、エリブリンメシル酸塩(製品名:ハラヴェン)と抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. 米国とカナダ以外ではMSD)との併用療法による、転移性トリプルネガティブ乳がんを対象としたグローバル臨床第Ib/II相試験(218試験)の中間解析結果の成績を報告した。この報告は第39回サン・アントニオ乳癌シンポジウムにて発表されたもの。

オシメルチニブ、T790M変異陽性NSCLCのPFSを有意に延長/NEJM

 オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)は、EGFRチロシンキナーゼ(TKI)阻害薬による1次治療で病勢進行したEGFR T790M変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者(中枢神経系転移例も含む)において、標準治療であるプラチナ製剤+ペメトレキセド併用療法より臨床効果が有意に優れることが認められた。香港・Prince of Wales HospitalのTony S. Mok氏らが、国際非盲検無作為化第III相臨床試験(AURA3試験)の結果を報告した。オシメルチニブは、EGFR-TKI感受性およびT790M耐性変異を有するNSCLCに対する選択的EGFR-TKIで、プラチナ製剤+ペメトレキセド併用療法と比較したオシメルチニブの有効性は知られていなかった。NEJM誌オンライン版2016年12月6日号掲載の報告。

ソラフェニブ治療後の肝細胞がん、レゴラフェニブで生存延長/Lancet

 ソラフェニブ(商品名:ネクサバール)治療後に病勢進行がみられた原発性肝細胞がんに対し、レゴラフェニブ(同:スチバーガ)の投与により、全生存期間が有意に延長したことが示された。無増悪生存期間や病勢進行までの期間についても、レゴラフェニブによる改善が認められた。スペイン・バルセロナ大学のJordi Bruix氏らが行った、第III相の無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果で、Lancet誌オンライン版2016年12月5日号で発表した。

1日1本未満の喫煙でも肺がん死亡リスクが9倍

 米国では10本/日未満の喫煙者が増加しているが、生涯にわたる1日数本程度の喫煙による健康への影響は、ヘビースモーキングによる影響に比べてよくわかっていない。米国国立がん研究所のMaki Inoue-Choi氏らは、1本/日未満もしくは1~10本/日での長期喫煙と全死因死亡率・原因別死亡率との関連について、非喫煙と比較し評価した。その結果、1本/日未満や1~10本/日での長期喫煙者は非喫煙者より死亡リスクが高いこと、禁煙によるベネフィットがある可能性が示された。このことから、タバコの煙への曝露には安全というレベルはないことが示唆される。JAMA internal medicine誌オンライン版2016年12月5日号に掲載。

HR陽性乳がんへのフルベストラント、PFSを有意に延長/Lancet

 ホルモン受容体(HR)陽性局所進行または転移乳がんに対し、フルベストラント(商品名:フェソロデックス)500mg投与はアナストロゾール1mg投与に対し、無増悪生存(PFS)を有意に延長し、有効性について優越性を示したことが、英国・ノッティンガム大学のJohn F R Robertson氏らによる第III相の国際多施設共同無作為化二重盲検試験FALCONの結果、報告された。HR陽性局所進行または転移乳がんは、アロマターゼ阻害薬が標準治療とされている。研究グループは、ホルモン療法既往のない閉経後患者を対象に、選択的エストロゲン受容体抑制薬のフルベストラントが、標準治療のアロマターゼ阻害薬と比べてPFSを改善するかを検討した。Lancet誌オンライン版2016年11月28日号掲載の報告。