腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:242

brigatinibのALK陽性肺がん1次治療の結果、ESMO Asiaで発表/武田

 武田薬品工業は、2019年11月25日、同社グローバルサイトにて、ALK阻害薬による治療歴のない進行ALK陽性の非小細胞肺がんの成人患者に対するbrigatinibとクリゾチニブを評価した臨床第III相ALTA-1L試験の最新情報を発表した。  試験結果では、2年以上の追跡後も、brigatinibが登録時に脳転移を有した未治療の患者に対する治験責任医師評価において、病状進行または死亡リスクを76%低下させることが示された(ハザード比[HR]:0.24、95%信頼区間[CI]: 0.12~0.45)。また、brigatinibは、全患者においても病状進行または死亡リスクを57%低下させることを示した(HR:0.43、95%CI::0.31~0.61)。

乳がん家族歴による検診開始年齢を検討/JAMA Oncol

 乳がん検診ガイドラインでは、リスクの高い女性は早期検診が必要としているが、乳がんの家族歴のある女性に対する指針は限られている。今回、ドイツ・German Cancer Research Center(DKFZ)のTrasias Mukama氏らが、500万人以上の女性が含まれるスウェーデンの全国的コホート研究で、家族歴ごとのリスクに相当する乳がん検診の開始年齢を検討した。JAMA Oncology誌オンライン版2019年11月14日号に掲載。  本研究はSwedish family-cancer data setを用いて、少なくとも1人の第1度近親者がいる、1932年以降に生まれたすべての女性(509万9,172人)を対象とした。1958年1月1日~2015年12月31日のデータを収集し、2017年10月1日~2019年3月31日に分析した。第1度および第2度近親者における乳がんの家族歴、浸潤性乳がん罹患について調査し、一般集団における40歳・45歳・50歳での10年累積罹患率に達する年齢を家族歴ごとに評価した。

間質性肺炎合併NSCLCに対するカルボプラチン+nabパクリタキセルの成績

 間質性肺疾患(ILD)を合併する非小細胞肺がん(NSCLC)の予後は不良であり、また、肺がん治療によりILD悪化のリスクが高まる。とくに、化学療法を受けた患者の5~20%でILDが増悪するとされる。静岡県立静岡がんセンターの釼持 広知氏らは、ILDを合併したNSCLC患者に対するカルボプラチン+nabパクリタキセルの効果と安全性を評価する多施設第II相試験を実施、その結果が発表された。Cancer Science誌オンライン版2019年10月13日号掲載の報告。

小児・若年AMLの真菌症予防に至適な抗真菌薬は?/JAMA

 米国・フィラデルフィア小児病院のBrian T. Fisher氏らは、小児~若年成人の急性骨髄性白血病(AML)患者を対象に、侵襲性真菌症(IFD)の予防におけるカスポファンギンとフルコナゾールの有効性を比較検討した。予定されていなかった中間解析で無益性(futility)が示唆されたため、それ以上の患者登録を中止し、登録済みの患者で試験を継続したところ、カスポファンギンのIFD予防効果が優れることが示された。AMLの小児~若年成人患者では、酵母菌および糸状菌の双方による生命を脅かすIFDのリスクが高いとされる。フルコナゾールが酵母菌に対してのみ活性を示すのに対し、カスポファンギンは酵母菌および糸状菌の双方に活性を有することから、カスポファンギンのほうがIFDの予防効果が高い可能性が示唆されている。JAMA誌2019年11月5日号掲載の報告。

小細胞肺がん、PARP阻害薬veliparibの追加でPFS改善/JCO

 小細胞肺がん(SCLC)に対して、化学療法へのPARP阻害薬veliparib追加の有効性が確認された。veliparibは、非臨床試験で標準化学療法の効果を増強することが示されており、米国・エモリー大学のTaofeek K. Owonikoko氏らは、未治療の進展型SCLC(ES-SCLC)患者を対象に第II相無作為化臨床試験を行った。その結果、シスプラチン+エトポシド(CE)へのveliparib追加併用療法により、無増悪生存(PFS)期間が有意に延長したことが示されたという。Journal of Clinical Oncology誌2019年1月20日号掲載の報告。

ピロリ除菌と栄養サプリメントの胃がん抑制効果:世界最長の経過観察(解説:上村直実氏)-1137

H. pyloriは幼児期に感染し半永久的に胃粘膜に棲息する細菌であるが、胃粘膜における持続的な感染により慢性活動性胃炎を惹起し、胃がん発症の最大要因であることが明らかとなっている。さらに除菌により胃粘膜の炎症が改善するとともに、胃がんの抑制効果を示すことも世界的にコンセンサスが得られている。しかしながら、実際の臨床現場では除菌後に胃がんが発見されることも多く、除菌による詳細な胃がん抑制効果を検証する試みが継続している。今回、除菌治療のみでなくビタミン補給やニンニク摂取により、胃がん発症および胃がん死の抑制効果を示す介入試験の結果がBMJ誌に発表された。

2017年の世界のがん患者2,450万例、がん死960万例/JAMA Oncol

 世界におけるがん罹患、がん死の詳細な現状と格差をもたらす要因が明らかにされた。世界のがん疾病負荷(Global Burden of Disease Cancer:がんGBD)共同研究グループが、1990~2017年における29種のがんについて調べ、世界・地域・国別のがん罹患率や死亡率などを発表。がんGBDは国によって大きくばらつきがあり、背景にはリスク因子曝露、経済、生活習慣、治療アクセスやスクリーニングの差があることが示されたという。JAMA Oncology誌オンライン版2019年9月27日号掲載の報告。

大腸がん以外のMSI-Hがんに対するペムブロリズマブの横断的成績(KEYNOTE-158)/JCO

 ペムブロリズマブはMSI-High(MSI-H)進行がんに対して抗腫瘍活性を示し、わが国でも2018年12月に承認されている。大腸がん以外の既治療のMSI-H進行がんに対するペムブロリズマブの第II相KEYNOTE-158試験の結果が発表された。Journal of Clinical Oncology誌2019年11月4日号掲載の報告。 対象:大腸がん以外の既治療のMSI-H進行がん 介入:ペムブロリズマブ200㎎/日3週ごと、病勢進行あるいは忍容できない有害事象などで投与中止となるまで投与(最長2年間) 評価項目:独立中央放射線画像判定委員会評価による全奏効率(ORR)

がん悪液質のステージと診断基準「知っている」~医師の3割/日本癌治療学会

 がん悪液質は食欲不振・体重減少・筋肉減少・疲労などを主な症状とし、進行がん患者の50~80%に発症する重大な合併症であり、がん患者のQOL低下、全生存期間や治療効果にも影響する原因として問題視されている。しかしながら、がん悪液質は治療対象として十分に認識されていない可能性があり、医療従事者(医師・メディカルスタッフ)のがん悪液質に対する疾患理解度や、食欲不振・体重減少に対する問題意識の程度、がん患者自身が食欲不振や体重減少でどのくらい困っているのか、といった実態は明らかとなっていない。

乳がんとNAFLDの意外な関連

 乳がんは女性で最も頻度の高いがんであり、主な死亡原因である。そして、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は世界中で急速に増加している。この2つの疾患は密接に関連する可能性が高いが、有病率や予後への影響についての詳細な報告は少ない。今回、韓国・高麗大学校のYoung-Sun Lee氏らは、NAFLDは乳がん患者に高頻度で発症すること、またNAFLDは乳がん手術後の再発率を高める可能性があることを示した。大規模後ろ向きコホート研究による報告で、Medicine(Baltimore)誌2019年9月号に掲載された。