小児がん患児に対する骨盤内照射で、将来の死産、新生児死亡のリスク増大

小児がん患児の性腺系への放射線照射は、将来、男児の場合はその子どもに重篤な有害作用をもたらすことはないが、女児では子宮や卵巣への照射によって死産、新生児死亡のリスクが有意に増加することが、アメリカ・国際疫学研究所(ロックビル)のLisa B Signorello氏らによるコホート研究で明らかとなった。近年、小児がんに対する積極的な治療により生存期間の改善が得られているが、変異原性の治療法である放射線治療は生殖細胞に障害をもたらし、この有害な作用は患児の子どもにも遺伝する可能性が示唆されている。しかし、受胎前の放射線曝露が死産、新生児死亡に及ぼす影響は不明だという。Lancet誌2010年8月21日号(オンライン版2010年7月23日号)掲載の報告。